JP4348628B2 - 内燃機関用燃料改質装置 - Google Patents

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本発明は、内燃機関において煤やNOxの発生を低減できる内燃機関用燃料改質装置に関する。
近年、内燃機関、特にディーゼルエンジンやガソリンエンジンより排出される排出ガス中に含まれる有害物質(NOx・HC・スモーク等)の低減と、内燃機関を理想的な性能(例えば低燃費・高出力)で運転するという要求とを両立させる目的で、内燃機関の運転条件に応じて燃料性状の面から改良することが要求されている。
特開2003−334548号公報 特開2004−121962号公報
本発明は上記実情に鑑みなされたものであり、排出ガス中の有害物質の低減と理想的な性能発揮を目的として内燃機関用燃料を改質する装置を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する目的で本発明者らが鋭意検討を行った結果、直径がナノオーダーの気泡(本明細書内では、適宜、「微小気泡」と称する)を内燃機関用燃料中に添加することで燃焼特性を改善できることに想到した。
すなわち、上記課題を解決する本発明の内燃機関用燃料改質装置は、内燃機関用燃料を内部に貯留する燃料タンクと、
該燃料タンク内又は該燃料タンクから内燃機関に至るまでの間に、微小気泡形成ガスからなる微小気泡を導入する微小気泡導入手段と、
該内燃機関内の燃焼状態に応じて該微小気泡導入手段における該微小気泡形成ガスの酸素濃度を増減する酸素濃度制御手段と、
を有することを特徴とする。
微小気泡は、その大きさから、気−液界面の面積増加、高圧の発生、静電分極の実現、表面活性の増大、浮力の減少などの特性を有している(特許文献1及び2)。これら特性の発現により、燃焼特性の改善が期待できる。
更に、微小気泡を形成する気体中の酸素濃度を制御することで、内燃機関の運転状態に応じた燃焼特性の制御が実現できる。内燃機関用燃料内に導入する微小気泡は内燃機関内にそのまま導入されるので、微小気泡として含まれる気体が燃焼に与える影響は大きい。つまり、微小気泡は被燃焼物質である内燃機関用燃料の内部に存在するので、局所的な当量比(空気(酸素)量に対する燃料の当量比)に与える影響が大きい。
具体的には、内燃機関は酸素不足の条件下で運転すると、すすなどが発生することがあるが、そのような燃焼条件になりそうな場合に微小気泡内の酸素濃度を上昇させることで酸素不足を効果的に解消でき、すすが発生するような燃焼条件を改善できる。また、燃焼温度が高くなりすぎると、NOxが発生することがあるが、そのような燃焼条件になりそうな場合に微小気泡内の酸素濃度を減少させることで、酸素量を減らして燃焼温度を低下させ、NOxの発生を効果的に抑制できる。
なお、微小気泡に含まれる酸素濃度を燃焼条件によって変化させず、常に空気よりの高い濃度(おおよそ21%超、例えば、50%)に制御することもできる。その結果、燃焼性を向上できる。この場合、内燃機関の燃焼条件により微小気泡の導入量を増減することができる。例えば、煤が発生する条件の場合には微小気泡の導入量を増加させ、NOxが発生する条件には微小気泡の導入量を減少させることができる。
本発明の内燃機関用燃料改質装置は上記構成を有するので、適用する内燃機関の燃焼条件を容易に適正化することができる。エンジン筒内に導入する空気全体の組成などを制御する同様の効果を発揮する装置と比較して、比較的簡便な装置を採用することができる。また、より少ない量の空気の組成を制御するのみで効果を発揮することができるので、空気組成変化の応答性を向上することが容易である。
本発明の内燃機関用燃料改質装置は内燃機関用燃料に微小気泡を導入して改質する装置であり、エンジン筒内に導入するまでの間、液体である内燃機関用燃料を採用した内燃機関であればどのような内燃機関にでも適用できる。例えば、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジンなどに適用できる。本発明の内燃機関用燃料改質装置は燃料タンクと微小気泡導入手段と酸素濃度制御手段とを有する。
燃料タンクは内燃機関用燃料を内部に貯留する部材である以外、特に限定するものではない。
微小気泡導入手段は微小気泡形成ガスからなる微小気泡を内燃機関用燃料内に導入する手段である。ここで、微小気泡とはナノメーターオーダーからマイクロメーターオーダーの直径を持つ気泡であり、ナノバブル、マイクロバブルなどと称される大きさのもである。具体的には常圧下で微小気泡の直径が10nm以上20μm以下程度が望ましく、10nm以上100nm以下が更に望ましい。微小気泡の直径をこの程度に制御すると、内燃機関用燃料内にて、気−液界面の面積増加、高圧の発生、静電分極の実現、表面活性の増大、浮力の減少などの特性を効果的に発揮することができる。また、内燃機関用燃料がエンジン筒内に噴射される直前には、一般的に高圧状態となっているので、噴射された後に一気に低圧状態になることで、微小気泡自身の高圧により、噴射された燃料の粒が一気に微細化される効果も期待できる。ここで、微小気泡形成ガスは後述する酸素濃度制御手段にて含有する酸素濃度が制御された状態で供給された気体を使用する。
微小気泡は燃料タンク内に導入するか、又は燃料タンクから内燃機関に至るまでの間にて導入する。燃料タンクから内燃機関に至るまでの間にて微小気泡を導入する構成の方が導入する微小気泡の量を少なくすることができ装置を簡略化できるとともに、導入する微小気泡内の微小気泡形成ガス中の酸素濃度の応答性を向上できるので好ましい。
微小気泡の生成法としては特に限定しない。例えば、流体力学的方法、水電解法及び超音波生成法及びそれらの組み合わせなどがある。水電解法は内燃機関用燃料中に水を導入しその水を電気分解することで微小気泡を発生させる方法である。超音波生成法は超音波の照射条件を制御することで、微小気泡を発生させる方法である。改質槽内に保持した内燃機関用燃料に対してそのまま超音波を照射したり、微小気泡形成ガスを導入しながら超音波を照射することで微小気泡が生成できる。微小気泡形成ガスを導入しながら超音波を照射すると、投入エネルギーを小さくできる。特に、流体力学的方法及び超音波生成法は酸素濃度を制御した微小気泡形成ガスを導入することで微小気泡中の酸素濃度を制御できる。水電解法は水の電気分解によって微小気泡を発生する方法であり生成する微小気泡中の酸素濃度を制御することは困難なので、微小気泡中の酸素濃度を制御するために他の方法と組み合わせることが望ましい。
流体力学的方法は、以下に説明するように、投入エネルギーを小さくでき、もっとも微小気泡の発生に適した方法である。流体力学的方法により微小気泡を発生する微小気泡導入手段は、頂点に開口部をもつ円錐状の空間を形成する本体部と、円錐状空間に開口しその円錐状空間を構成する円の接線方向に向けて内燃機関用燃料を流入させる内燃機関用燃料導入口と、円錐状空間の底面の中央付近に開口しその円錐状空間を構成する円錐の軸方向に微小気泡形成ガスを流入させる微小気泡形成ガス導入口とを有している。
内燃機関用燃料により円錐状空間内を満たした状態で、内燃機関用燃料導入口より内燃機関用燃料を流入させることで、円錐状空間内で旋回流が発生する。その結果、円錐状空間の底部近傍に負圧が発生し、微小気泡形成ガス導入口から微小気泡形成ガスが流入する。流入してきた気体は内燃機関用燃料とともに旋回していき、円錐状空間の頂部方向に進んでいく、頂部方向に進むにつれて導入された微小気泡形成ガスは縮径且つ伸長されることで、微小気泡が形成されて円錐状空間の頂部に設けられた開口部から内燃機関用燃料とともに円筒状空間から導出されていく。円錐状空間の形状(円錐の径、円錐角の大きさ、円錐の長さなど)、内燃機関用燃料の導入速度、内燃機関用燃料導入口及び微小気泡形成ガス導入口の開口径などを制御することで微小気泡の直径を制御できる。なお、本原理に基づいて微小気泡を発生する方法及び装置については特許文献1及び2に一部開示されている。
酸素濃度制御手段は微小気泡形成ガスの酸素濃度を増減する手段である。酸素濃度は内燃機関内の燃焼状態に応じて制御する。酸素濃度を制御することで、内燃機関内の燃焼状態を適正な状態にすることができる。具体的には内燃機関内での燃焼条件が酸素不足の場合には酸素濃度を増加するように、燃焼温度が高い場合には酸素濃度を減少させるように、それぞれ制御する。なお、本明細書において、酸素濃度を増加(減少)するとは直前の酸素濃度に対して相対的に増加(減少)させることのほか、空気中の酸素濃度(約21%)を基準にして、その濃度よりも高く(低く)する場合もある。以下に燃焼条件毎の酸素濃度制御の例を挙げる。
・酸素不足と判断される場合
酸素不足かどうかは、排出ガス中の煤の量を監視するなど、内燃機関からの排出ガス中に許容量以上の煤が含まれるかどうかで判断することができる。また、内燃機関内の燃焼状態が煤を発生する条件を満たすか否かを判断することでも酸素不足か否かが判断できる。煤が発生するような燃焼条件である場合には酸素不足であると判断する。
エンジン筒内に導入される内燃機関用燃料の量と導入される空気(酸素)の量との比である当量比(当量比は、内燃機関に供給される酸素によって完全に酸化できる内燃機関用燃料の質量を基準として算出された、内燃機関に供給される内燃機関用燃料の質量の比である)を求め、その値が内燃機関内での燃焼温度における煤発生下限値以上である場合には酸素不足、そうでない場合には酸素不足ではないと判断することもできる。煤が発生するか否かは当量比のほか燃焼温度によって変化するが、エンジン筒内の全体から算出したこれら当量比及び燃焼温度の値の組み合わせが許容範囲内であっても、局所的な状態が許容範囲外であれば煤が発生するので、精密な制御を行うには局所的な状態も考慮することが望ましい。局所的な部分において煤が発生する状態か否かは、実際の燃焼状態からリアルタイムで計測又は算出して判断したり、予め行う実験などに基づいて煤が発生するような内燃機関の運転状態を予想し、その予想した運転状態になったか否かで判断したりすることができる。当量比及び燃焼温度によって判断する方が排出ガス中の煤の発生を監視する方法よりも応答性に優れた制御を実現できる。
微小気泡形成ガス中の酸素濃度は酸素に富む気体を単独乃至は空気と混合して必要な酸素濃度になるように制御できる。酸素に富む気体は、酸素を貯蔵する酸素ボンベ、酸素富化膜、化学反応などにより製造乃至は供給することができる。微小気泡形成ガス中の酸素濃度(体積分率)は通常空気の2倍以上である42%以上にすることが好ましく、90%以上とすることがより好ましい。
・燃焼温度が高いと判断される場合
燃焼温度が高いかどうかは、排出ガス中に許容量以上のNOxが含まれるか否かで判断することができる。また、内燃機関のエンジン筒内の実際の温度と当量比とから判断することもできる。燃焼温度が高く、当量比が有る範囲内にある場合、エンジン筒内の窒素からNOxが発生する。その場合には、微小気泡形成ガス中の酸素濃度を低下させることで燃焼温度を低くできる。
なお、当量比及び燃焼温度の値の組み合わせは、前述したように、エンジン筒内全体としては許容範囲内であっても局所的には許容範囲外になる場合がある。従って、精密な制御を行うには局所的な状態も考慮することが望ましい。局所的な部分においてNOxが発生する状態か否かは、実際の燃焼状態からリアルタイムで計測又は算出して判断したり、予め行う実験などに基づいてNOxが発生するような内燃機関の運転状態を予想し、その予想した運転状態になったか否かで判断したりすることができる。
微小気泡形成ガス中の酸素濃度は酸素に乏しい気体を単独乃至は空気と混合して必要な酸素濃度になるように制御する。酸素に乏しい気体は、不活性ガス(窒素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスを単独あるいは2種類以上混合したガス)を充填したボンベ、酸素富化膜、化学反応などにより製造乃至は供給することができる。微小気泡形成ガス中の酸素濃度(体積分率)は通常空気の1/2倍以下である10.5%以下にすることが好ましく、2%以上とすることがより好ましい。
(常に酸素濃度が高い微小気泡を導入する内燃機関用燃料改質装置)
常に酸素濃度が高い微小気泡を常に導入することで、燃焼性を向上できるとともに、煤の発生を効果的に抑制できる。また、燃焼温度が高くなり、NOx発生のおそれが高くなった場合には、エンジン筒内に供給する内燃機関用燃料の量に対して相対的な微小気泡の導入量を少なくしたり、エンジン筒内に供給する空気の量を減少させることなどによりNOxの発生を抑制することで対応することができる。
(変形態様)
酸素濃度制御手段に代えて(又は加えて)、微小気泡導入量制御手段を採用することができる。微小気泡導入量制御手段は、内燃機関の燃焼条件により微小気泡の導入量を増減する手段である。微小気泡導入量制御手段は、前述の酸素濃度制御手段が酸素濃度を増加(減少)させる場合に、微小気泡の導入量を増加(減少)させる。
(構成)
本実施例の内燃機関用燃料改質装置は内燃機関としてのガソリンエンジンが搭載された車両に用いる装置である。図1に本改質装置を組み込んだ車両のエンジン及び燃料供給装置近傍の概略を示す。本改質装置は、図1に示す装置のうち、燃料タンク10、微小気泡導入手段20及び酸素濃度制御手段30から構成される。なお、図1では内燃機関用燃料としてのガソリンはポート噴射により供給されているが、エンジン筒内に直接する直噴型のエンジンについても同様の構成にて適用可能である。
燃料タンク10は内部に内燃機関用燃料としてのガソリンを貯留する。燃料タンク10内には微小気泡導入手段20及び燃料ポンプ45が配設される。燃料ポンプ45はインジェクター41にガソリンを供給する。
微小気泡導入手段20は、図2に示すように、内部空間201cをもつ本体部201と、内部空間201cに一端部が開口する導出口204、燃料供給路202及び微小気泡形成ガス供給路203と、燃料供給路202の他端部からガソリンを供給するポンプ(図略)とを有する。微小気泡形成ガス供給路203の他端部には酸素濃度制御手段30が接続され、酸素濃度制御手段30により制御された微小気泡形成ガスが供給される。
本体部201の内部空間201cは円錐状の空間を形成する。燃料供給路202は内部空間201cが形成する円錐を形成する円の接線方向に一端部が開口し、燃料供給路202から導入されるガソリンにより空間201c内に旋回流を発生する。円錐状の内部空間201cの底面側中央には微小気泡形成ガス供給路203の一端部が開口し、円錐状の内部空間210cの頂部側中央には導出口204が開口する。
酸素濃度制御手段30は酸素ボンベ31、窒素ボンベ32、流量調整弁33及び34から構成される。流量調整弁33及び34はECU71により適宜制御され、微小気泡形成ガス中の酸素濃度を制御している。
(作用効果)
微小気泡導入手段20は、円錐状空間201c内をガソリンで満たした状態で、燃料供給路202より燃料を流入させることで、円錐状空間201c内で旋回流が発生する。その結果、円錐状空間201cの底部近傍に負圧が発生し、微小気泡形成ガス供給路203の一端部から微小気泡形成ガスが流入する。流入する微小気泡形成ガスの量は微小気泡形成ガスを供給する酸素濃度制御手段30にて制御される。
流入してきた微小気泡形成ガスは円錐状空間201c内をガソリンとともに旋回していき、その後、円錐状空間201cの頂部方向に進んでいく。頂部方向に進むにつれて導入された微小気泡形成ガスは縮径且つ伸長されて、微小気泡が形成されて円錐状空間201cの頂部に設けられた導出口204からガソリンとともに燃料タンク10内に導出されていく。その結果、燃料タンク10内には微小気泡が分散される。つまり、燃料供給路202からガソリンを導入することで、微小気泡形成ガス供給路203から微小気泡形成ガスを吸入して、微小気泡を含むガソリンが導出口204から燃料タンク10内に吐出され、Aに示すように、燃料タンク10内には微小気泡が分散される。発生する微小気泡の大きさは直径が10nm以上100nm以下に制御されている。
ガソリン中の微小気泡は燃料ポンプ45によりインジェクター41に供給される。流路46内ではガソリンに高圧が加わり、Bに示すように、微小気泡の径が燃料タンク10内よりも小さくなる。流路46内からインジェクター41にガソリンが供給されると、急激な圧の低下により、Cに示すように、含有する微小気泡の径が大きくなってエンジン筒内でのガソリン微細化を引き起こす。その結果、ガソリンと周囲の空気との接触面積が増加して完全燃焼しやすくなる。
ここで、ECU71は、スロットル43からのスロットル開度、吸気圧センサ44からの吸気圧、クランク角センサ52からのクランク角、並びに、空燃比センサ42からの空燃比の各データに基づき酸素濃度制御手段30を制御して、微小気泡形成ガス中の酸素濃度を制御する。
具体的には、ECU71に入力された各データに基づき、エンジン筒内での当量比及び燃焼温度を予測し、その値によって酸素濃度を制御する。その場合に、予め煤及びNOが発生する条件をデータとして有しており、煤が発生する条件では酸素濃度を高くし、NOが発生する条件では酸素濃度を低く制御する。
具体的には、図3及び4に示すように、当量比と燃焼温度とが所定の組み合わせになるときに煤(図3)やNO(図4)が発生する。すなわち、本実施例の内燃機関は、温度が1500K〜2000K程度で当量比が大きい場合(概ね2より大きい程度)に煤が発生し、燃焼温度が2000Kより大きく当量比が低い領域(0〜1〜2程度)でNOが発生する。ここで、当量比の値は、スロットル開度、インジェクター41からガソリンを噴射した量、並びにガソリン中に導入した微小気泡の量及び含有する酸素の量などから算出できる。燃焼温度は、排出ガス中の空燃比、スロットル開度、インジェクター41からガソリンを噴射した量、並びにガソリン中に導入した微小気泡の量及び含有する酸素の量などから算出できる。
図3に示すように、当量比が高く、温度が所定範囲である場合には煤の発生が予想されるので酸素濃度を高くして当量比を小さくすることで煤が発生する条件から発生しない条件に制御する。また、図4に示すように、燃焼温度が高く、当量比が低い範囲である場合にはNOの発生が予想されるので酸素濃度を低くして燃焼温度を低下することでNOが発生する条件から発生しない条件に制御している。
(変形例)
(1)微小気泡導入手段20のポンプがガソリンを吐出する量をECU71により制御することでより精密な制御ができる(微小気泡導入量制御手段)。例えば、酸素濃度を制御することに代えて(又は加えて)微小気泡の導入量を変化させることで(ポンプの吐出量を多くすると微小気泡の導入量が増加し、ポンプの吐出量を少なくすると微小気泡の導入量が減少する)代用できる。つまり、酸素濃度を増加させる代わりに(又は加えて)微小気泡の導入量を増加させ、酸素濃度を減少させる代わりに(又は加えて)微小気泡の導入量を減少させることができる。酸素濃度を制御しない場合には酸素濃度は常に高いことが望ましい。
また、微小気泡導入手段20を燃料タンク10からインジェクター41に至るまでの経路に設けることが望ましい。例えば、微小気泡導入手段20を流路46内に設ける構造や、燃料タンク10からガソリンを一旦、容量の少ないサブタンクに一部移し、サブタンク内からインジェクター41にガソリンを供給する構成を採用し、サブタンク内に微小気泡導入手段20を配設する構造などが挙げられる。少ない容量のガソリンに微小気泡を導入することで、インジェクター41に供給されるガソリン中に含まれる微小気泡の制御(酸素濃度、微小気泡の量など)の応答性が高くできる。
(2)ガソリンを用いた内燃機関に替えて、軽油を用いたディーゼル機関を採用することができる。その場合に、内燃機関用燃料としての軽油はエンジン筒内に直接噴射されることになるが、微小気泡導入手段20及び酸素濃度制御手段30の構成及び制御方法としては同様のものが採用でき、同様の作用効果を発揮できる。
実施例の内燃機関用燃料改質装置を組み込んだ車両の燃料噴射装置及び燃料タンク近傍の概略を示す図である。 実施例において採用した微小気泡発生手段の断面図である。 煤及びNOが発生する当量比と燃焼温度との組み合わせの領域を示した図である。 煤及びNOが発生する当量比と燃焼温度との組み合わせの領域を示した図である。
符号の説明
10…燃料タンク
20…微小気泡導入手段
201…本体部 201c…内部空間 204…導出口 202…燃料供給路 203…微小気泡形成ガス供給路
30…酸素濃度制御手段
31、32…ボンベ 33、34…流量調整弁

Claims (9)

  1. 内燃機関用燃料を内部に貯留する燃料タンクと、
    該燃料タンク内又は該燃料タンクから内燃機関に至るまでの間に、微小気泡形成ガスからなる微小気泡を導入する微小気泡導入手段と、
    該内燃機関内の燃焼状態に応じて該微小気泡導入手段における該微小気泡形成ガスの酸素濃度を増減する酸素濃度制御手段と、
    を有することを特徴とする内燃機関用燃料改質装置。
  2. 前記酸素濃度増減手段は、前記内燃機関内の燃焼状態が煤を発生する条件を満たす場合に、前記微小気泡形成ガスの酸素濃度を増加する請求項1に記載の内燃機関用燃料改質装置。
  3. 前記酸素濃度増減手段は、前記内燃機関に供給される内燃機関用燃料の質量と該内燃機関に供給される空気の質量とから求められる当量比の値が、該内燃機関内での燃焼温度における煤発生下限値以上である場合に前記微小気泡形成ガスの酸素濃度を増加する請求項2に記載の内燃機関用燃料改質装置。
  4. 前記酸素濃度増減手段は、前記内燃機関内の燃焼状態がNOxを発生する条件を満たす場合に、前記微小気泡形成ガスの酸素濃度を減少する請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関用燃料改質装置。
  5. 前記酸素濃度増減手段は、前記内燃機関に供給される内燃機関用燃料の質量と該内燃機関に供給される空気の質量とから求められる当量比の値が、該内燃機関内での燃焼温度におけるNOx発生範囲に含まれる場合に前記微小気泡形成ガスの酸素濃度を減少する請求項4に記載の内燃機関用燃料改質装置。
  6. 前記微小気泡導入手段は、前記燃料タンクから前記内燃機関に至るまでの間で前記微小気泡を導入する請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関用燃料改質装置。
  7. 内燃機関用燃料を内部に貯留する燃料タンクと、
    酸素濃度が空気中よりも高い微小気泡形成ガスからなる微小気泡を該燃料タンク内又は該燃料タンクから内燃機関に至るまでの間に導入する微小気泡導入手段と、
    該内燃機関内の燃焼状態に応じて該微小気泡導入手段における該微小気泡の導入量を増減する微小気泡導入量制御手段と、
    を有することを特徴とする内燃機関用燃料改質装置。
  8. 前記微小気泡形成ガスの酸素濃度は90%以上である請求項7に記載の内燃機関用燃料改質装置。
  9. 前記微小気泡は直径が10nm以上、20μm以下である請求項1〜8のいずれかに記載の内燃機関用燃料改質装置。
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