JP4348508B2 - 軸受調芯組立方法および軸受調芯組立装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転軸を支持する2つの軸受を調芯して組み立てる軸受調芯組立方法および軸受調芯組立装置に関するものであり、例えば、冷凍装置、空気調和機、真空ポンプ等に使用されるスクロール圧縮機等の、円筒シェル内の両端部に配置された2つの軸受により回転軸が支持された回転機構を組み立てるのに用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】
空気調和機等に使用されるスクロール圧縮機は、図17に示すように、胴体ケーシング(円筒シェル)1、ステータ2、ロータ3、回転軸4、上部軸受(第1軸受)5および下部軸受(第2軸受)6からなる電動機部分7に、圧縮部8を一体的に組み込んだ構成になっている。電動機部分7においては、ステータ2は円筒形状の胴体ケーシング1の内側に焼嵌め等により固定されている。ロータ3はクランク軸である回転軸4の外側に圧入等により固定されて、ステータ2の内側に所定隙間をあけて挿入されている。上部軸受5および下部軸受6は胴体ケーシング1の両端部内に取り付けられて、回転軸4を回転自在に支持している。
【0003】
このようなスクロール圧縮機の組立工程の1つである軸受5、6を調芯して組み立てる方法およびその装置は、例えば特開平8−128396号公報に開示されている。
以下、図18をもとに従来のこの種の軸受調芯組立方法および軸受調芯組立装置について説明する。従来の軸受調芯組立装置は、図18に示すように、ステータ2を内挿された胴体ケーシング1の下端部内に上部軸受5を取り付ける第1軸受組立機Aと、上部軸受5の取り付けを終えた胴体ケーシング1の中心部に、ロータ3が外挿された回転軸4を挿入する回転軸組立機Bと、回転軸4の挿入を終えた胴体ケーシング1の上端部内に下部軸受6を取り付ける第2軸受組立機Cとからなる。
【0004】
従来の軸受調芯組立方法は、まず、上部軸受5はパレット10にて水平に支持されながら第1軸受組立機Aに運ばれ、胴体ケーシング1に組み付けられる。この際、第1軸受組立機Aに取り付けた位置決めピン(図示せず)がパレット10側に設けられたピン孔(図示せず)に挿入されることにより、第1軸受組立機Aの組立位置にパレット10が固定され、その結果、パレット10上の上部軸受5が、その中心を基準として第1軸受組立機Aの組立位置に固定される。
【0005】
次に、上部軸受5を組み付けられた胴体ケーシング1は、パレット10でそのまま回転軸組立機Bに運ばれ、該組立機Bで回転軸4を組み付けられる。
その後、上部軸受5および回転軸4を組み付けられた胴体ケーシング1は、第2軸受組立機Cに運ばれ、下部軸受6が組み付けられる。この際、第2軸受組立機Cに取り付けた位置決めピン(図示せず)がパレット10側に設けられたピン孔(図示せず)に挿入されることにより、第2軸受組立機Cの組立位置にパレット10が固定され、その結果、上部軸受5の中心を基準として胴体ケーシング1が第2軸受組立機Cの組立位置に固定される。また、下部軸受6には基準面が設けられ、この基準面を第2軸受組立機Cに設けられた当ブロック(図示せず)に押し付けることにより、下部軸受を水平にする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の軸受調芯組立方法および軸受調芯組立装置では、第1軸受および第2軸受に、軸受孔との位置関係および姿勢の関係がそれぞれ高精度に規定された基準孔または基準面を設け、この基準孔および基準面を軸受調芯組立装置(各組立機A、B、C)に対して高精度に芯出しおよび姿勢出しをして固定する必要があった。
したがって、上記基準孔および基準面の加工工数が増えるため製品がコストアップするという問題点があった。また、上記基準孔および基準面と軸受孔との同軸度および平行度、並びに第1軸受および第2軸受を軸受調芯組立装置(各組立機A、B、C)に固定する際の位置決め誤差が軸受組立精度に集積されるため、組立精度に限界があるという問題点もあった。
【0007】
本発明は、上記のような従来のものの問題点を解決するためになされたものであり、第1および第2軸受に、軸受孔との位置関係および姿勢の関係がそれぞれ高精度に規定された基準孔あるいは基準面を設けなくても、高精度な軸受調芯組立が可能となるような軸受調芯組立方法および軸受調芯組立装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る軸受調芯組立方法は、円筒シェル内周の両端部にそれぞれ配置されて回転軸を支持する第1および第2軸受を調芯して組み立てる方法であって、第1軸受を、動かないように保持された上記円筒シェル内の所定位置に保持し、上記回転軸の所定位置に第1軸受および第2軸受を嵌合させた状態で上記回転軸および第2軸受を第1軸受の中心軸に対して所定の力で傾けて上記回転軸および第2軸受の傾き方向を連続的に変化させて揺動運動させるとともに、前記揺動運動の際、上記回転軸を回転運動させ、上記回転軸および第2軸受を傾ける方向と上記回転軸の回転角度を同期させたときの第1軸受に対する第2軸受の相対的な、傾き移動限界および上記第1軸受の中心軸に直交する方向での移動限界を検出する第1工程と、第1工程で得られた上記移動限界の情報に基づいて第1軸受に対する第2軸受の目標位置および目標姿勢を求める第2工程と、第2軸受を上記第2工程で求められた目標位置および目標姿勢に位置決めし、その状態で保持する第3工程と、第1軸受を保持されている位置で上記円筒シェルに固定する第4工程と、第2軸受を保持されている位置で上記円筒シェルに固定する第5工程とを備えたものである。
【0009】
さらに、第1工程の前に第4工程が実施され、第1工程において、第1軸受が上記円筒シェル内の所定位置にあらかじめ固定されているものである。
【0010】
さらに、第1工程において、上記回転軸および第2軸受を傾ける方向と上記回転軸の回転角度を同期させるものである。
【0011】
さらに、回転軸における第1軸受が嵌合する部分の軸心に対して第2軸受が嵌合する部分の軸心がずれていることがあらかじめ分かっている場合に、上記回転軸および第2軸受を第1軸受の中心軸に対して傾ける方向を、上記ずれている方向と一致させるものである。
【0012】
さらに、第1工程において、回転軸および第2軸受の揺動運動を正転方向と逆転方向の両方向について行い、それぞれの方向における第1軸受に対する第2軸受の相対的な、傾き移動限界および上記第1軸受の中心軸に直交する方向での移動限界を検出して正転方向と逆転方向の上記各移動限界の平均値を算出し、第2工程において、各移動限界の平均値の情報に基づいて第1軸受に対する第2軸受の目標位置および目標姿勢を求めるものである。
【0013】
また、本発明の別の発明に係る軸受調芯組立方法は、円筒シェル内周の両端部にそれぞれ配置されて回転軸を支持する第1および第2軸受を調芯して組み立てる方法であって、第1軸受が上記円筒シェルの一端部に固定されたフレームにより上記回転軸に沿って直動自在に保持される場合に、上記第1軸受を直動自在に保持したフレームを、動かないように保持された上記円筒シェル内の所定位置に保持し、上記回転軸の所定位置に第1軸受および第2軸受を嵌合させた状態で上記回転軸、第1軸受および第2軸受を上記フレームの中心軸に対して所定の力で傾けて上記回転軸、第1軸受および第2軸受の傾き方向を連続的に変化させて揺動運動させるとともに、前記揺動運動の際、上記回転軸を回転運動させ、上記回転軸、上記第1軸受および第2軸受を傾ける方向と上記回転軸の回転角度を同期させ、上記回転軸を回転運動させたときの、上記フレームに対する第1軸受の相対的な傾き移動限界、並びに上記フレームに対する第2軸受の相対的な、傾き移動限界および上記フレームの中心軸に直交する方向での移動限界を検出する第1工程と、第1工程で得られた上記移動限界の情報に基づいて上記フレームに対する第2軸受の目標位置および目標姿勢を求める第2工程と、第2軸受を上記第2工程で求められた目標位置および目標姿勢に位置決めし、その状態で保持する第3工程と、上記フレームを保持されている位置で上記円筒シェルに固定する第4工程と、第2軸受を保持されている位置で上記円筒シェルに固定する第5工程とを備えたものである。
【0014】
さらに、第1軸受、第2軸受またはフレームを円筒シェルに固定する方法がスポット溶接であり、周方向に均等な間隔で配置された少なくとも3箇所で上記円筒シェルと第1軸受、第2軸受またはフレームを溶接固定するものである。
【0015】
また、本発明に係る軸受調芯組立装置は、円筒シェル内周の両端部にそれぞれ配置されて回転軸を支持する第1および第2軸受を調芯して組み立てる装置であって、第1軸受を保持する第1軸受保持手段と、第2軸受を保持する第2軸受保持手段と、上記円筒シェルを保持する円筒シェル保持手段と、上記第2軸受保持手段を、第2軸受の中心軸まわりの回転方向を拘束し、第2軸受の中心軸方向および該中心軸方向に対し直交する方向の並進自由度と第2軸受の中心軸に直交する軸まわりの回転自由度を可動的に支持する第2軸受支持手段と、上記回転軸を、その軸方向位置を拘束し回転および傾き可能に支持する回転軸支持手段と、上記回転軸を回転させる回転力を発生する回転力発生手段と、上記回転軸に上記回転力発生手段の回転力を伝達する回転力伝達手段と、上記回転軸を傾ける回転軸傾斜モーメント付加手段と、上記回転軸の傾き方向と一致する方向に第2軸受を傾ける第2軸受傾斜モーメント付加手段と、第2軸受の軸受調芯組立装置に対する位置および姿勢を計測する第2軸受計測手段と、上記第2軸受計測手段によって計測された結果に基づき第2軸受の目標位置および目標姿勢を計算する計算手段と、第2軸受を上記目標位置および目標姿勢に位置決めしその状態で保持する位置決め手段と、第1軸受および第2軸受をそれぞれ上記円筒シェルに固定する固定手段とを備え、上記回転軸傾斜モーメント付加手段による回転軸の傾き方向および上記第2軸受傾斜モーメント付加手段による第2軸受の傾き方向と回転軸の回転角度とを同期させるように構成したものである。
【0016】
さらに、回転軸を回転させる回転力を発生する回転力発生手段と上記回転軸に上記回転力発生手段の回転力を伝達する回転力伝達手段とを備え、回転軸傾斜モーメント付加手段による回転軸の傾き方向および第2軸受傾斜モーメント付加手段による第2軸受の傾き方向と回転軸の回転角度とを同期させるように構成したものである。
【0017】
さらに、第1軸受が円筒シェル内の所定位置にあらかじめ固定されている場合に、第1軸受固定手段が円筒シェルを保持し、上記第1軸受保持手段が円筒シェル保持手段を兼ねるものである。
【0018】
さらに、第1軸受の円筒シェル開口側の端面に複数のネジ穴が設けられている場合に、第1軸受保持手段が、上記複数のネジ穴にそれぞれ螺合する複数のボルトを有するものである。
【0019】
さらに、第1軸受の軸受調芯組立装置に対する位置および姿勢を検出する手段を備えたものである。
【0020】
さらに、第2軸受計測手段が、非接触式の変位センサからなるものである。
【0021】
また、本発明の別の発明に係る軸受調芯組立装置は、円筒シェル内周の両端部にそれぞれ配置されて回転軸を支持する第1および第2軸受を調芯して組み立てる装置であって、第1軸受が上記円筒シェルの他端部に固定されたフレームにより上記回転軸に沿って直動自在に保持される場合に、上記フレームを保持するフレーム保持手段と、第2軸受を保持する第2軸受保持手段と、上記円筒シェルを保持する円筒シェル保持手段と、上記第2軸受保持手段を、第2軸受の中心軸まわりの回転方向を拘束し、第2軸受の中心軸方向および該中心軸方向に対し直交する方向の並進自由度と第2軸受の中心軸に直交する軸まわりの回転自由度を可動的に支持する第2軸受支持手段と、上記回転軸を、その軸方向位置を拘束し回転および傾き可能に支持する回転軸支持手段と、上記回転軸を回転させる回転力を発生する回転力発生手段と、上記回転軸に上記回転力発生手段の回転力を伝達する回転力伝達手段と、上記回転軸を傾ける回転軸傾斜モーメント付加手段と、上記回転軸の傾き方向と一致する方向に第1軸受を傾ける第1軸受傾斜モーメント付加手段と、上記回転軸の傾き方向と一致する方向に第2軸受を傾ける第2軸受傾斜モーメント付加手段と、第1軸受の軸受調芯組立装置の基準に対する姿勢を計測する第1軸受計測手段と、第2軸受の軸受調芯組立装置の基準に対する位置および姿勢を計測する第2軸受計測手段と、上記第1および第2軸受計測手段によって計測された結果に基づき第2軸受の目標位置および目標姿勢を計算する計算手段と、第2軸受を上記目標位置および目標姿勢に位置決めしその状態で保持する位置決め手段と、上記フレームおよび第2軸受をそれぞれ上記円筒シェルに固定する固定手段とを備え、上記回転軸傾斜モーメント付加手段による回転軸の傾き方向、上記第1軸受傾斜モーメント付加手段による第1軸受の傾き方向および上記第2軸受傾斜モーメント付加手段による第2軸受の傾き方向と回転軸の回転角度とを同期させるように構成したものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1〜図10は本発明の実施の形態1による軸受調芯組立方法および軸受調芯組立装置を説明するための図であり、より具体的には、図1は本実施の形態1による軸受調芯組立方法および軸受調芯組立装置によって組み立てられる回転機構を示す縦断面図、図2〜図4は軸受調芯組立装置の要部の構成を示す縦断面図、図5は回転軸支持機構を拡大して示す縦断面図、図6は軸連結部の構成を説明する斜視図、図7は回転軸および第2軸受を第1軸受の中心軸に対して傾けた様子を示す断面説明図、図8は芯ずれ計測機構にて計測した第2軸受の水平方向の動きを示す説明図、図9は平行度計測機構にて計測した第2軸受の傾き方向の動きを示す説明図、図10は軸受調芯組立工程を説明するフローチャートである。
【0023】
図1おいて、1は円筒シェル、2は円筒シェル1の内周に固定されたステータ、3はロータ、4は外周にロータ3が固定された回転軸、5は円筒シェル1内周の一端部に固定され、回転軸4の一端側(下側)外周が嵌挿された第1軸受、6は円筒シェル1内周の他端部に固定され、回転軸4の他端側(上側)外周が嵌挿された第2軸受であり、これらが被組立体である回転機構10を構成している。 本発明による軸受調芯組立方法および軸受調芯組立装置は、主に、第2軸受6を円筒シェル1に固定する工程に適用するものであり、図1は、第2軸受6が円筒シェル1に固定された状態を示している。
【0024】
以下、本実施の形態による軸受調芯組立装置の構成を、図2〜図4を基に説明する。図2において、30は軸受調芯組立装置のメインベース、31は円筒シェル1が上部に載置されるワーク載置台、32はワーク載置台を昇降し且つメインベース30の下面に押し付けることによりワーク載置台31をメインベース30に対して固定するワーク昇降機構である。33は回転軸4を支持する回転軸支持機構であり、回転軸4を、その軸方向位置を拘束し回転および傾き可能に支持する回転軸支持手段に相当する。34は円筒シェル1をメインベース30に対して固定されたワーク載置台31に対して押し付けて固定する円筒シェル保持機構であり、円筒シェル1を保持する円筒シェル保持手段に相当し、本実施の形態では第1軸受5が円筒シェル1内の所定位置にあらかじめ固定されているので、円筒シェル1を保持することにより第1軸受5をも保持することになり、第1軸受保持手段にも相当する。35は第2軸受6を設定された高さに保持する第2軸受クランプ機構であり、第2軸受保持手段に相当する。36は支柱37でメインベース30に対して強固に固定された上部ベースAである。
【0025】
ワーク載置台31は、メインベース30に対し上下動のみ可動にガイド等で支持されている。
回転軸支持機構33は、例えば図5に示すような構成となっている。図5において、91は回転軸4の下端部を支持する球、92は球91を支持する複数の小球、93は球91および複数の小球92を収納するケース、94はケース94を支持するスラストベアリングであり、回転軸4を、回転可能且つ回転軸4の下端部が水平移動可能に支持している。なお、4aは回転軸4の下端部に設けられ球91の一部が嵌る凹部である。
【0026】
図3において、40は第2軸受6が第2軸受クランプ機構35により保持されているフロート部、41はフロート部40を鉛直方向に複数点で支持しているフロート機構、42はフロート部40を上部ベースA36に固定された上部ベースB43に対し水平方向移動可能に支持するXYテーブルであり、第2軸受クランプ機構35およびフロート部40、フロート機構41およびXYテーブル42が、第2軸受保持手段を、回転軸4まわりの回転方向を拘束し、第2軸受6の中心軸まわりの回転方向を拘束し、第2軸受6の中心軸方向および該中心軸方向に対し直交する方向の並進自由度と第2軸受6の中心軸に直交する軸まわりの回転自由度を可動的に支持する第2軸受支持手段に相当する。
【0027】
44はフロート部40に支持された第2軸受6を回転軸4に対して傾ける第2軸受傾斜モーメント付加機構であり、第2軸受傾斜モーメント付加手段に相当する。45は軸連結部48にて連結された回転軸4を第1軸受5に対して傾ける回転軸傾斜モーメント付加機構であり、回転軸傾斜モーメント付加手段に相当する。46(46a、46b、46c)はモータ47にて回転駆動される駆動軸、48は駆動軸46と回転軸4とを連結する軸連結部であり、モータ47が回転軸4を回転させる回転力を発生する回転力発生手段に相当し、駆動軸46と軸連結部48とが回転軸4に回転力発生手段の回転力を伝達する回転力伝達手段に相当する。49はフロート部40の水平方向位置を計測する芯ずれ計測機構、50はフロート部40の鉛直方向位置を計測する平行度計測機構であり、これら芯ずれ計測機構49および平行度計測機構50が第2軸受6の軸受調芯組立装置に対する位置および姿勢を計測する第2軸受計測手段に相当する。
【0028】
軸連結部48は、例えば図6に示すように回転軸4の上端部軸端のスリット部11に軸連結部48の内周に設けられた連結爪51が挿入するようになっており、駆動軸46に対し軸方向に摺動可能で回転が拘束された状態で支持され、バネ56で鉛直下向きに押し付けられている。このように構成することで駆動軸46と回転軸4の回転位相を一致させ同期して回転が行える。
【0029】
第2軸受傾斜モーメント付加機構44および回転軸傾斜モーメント付加機構45は駆動軸46に固定されており、駆動軸46が回転すると第2軸受傾斜モーメント付加機構44および回転軸傾斜モーメント付加機構45は駆動軸46回りで回転するため、駆動軸46の回転と同期して第2軸受6および回転軸4の傾き方向が連続的に変化する。図3中、第2軸受傾斜モーメント付加機構44はフロート部40の上部に右方向に荷重を付加することにより第2軸受6を右方向に移動させさらに右回りの回転方向に傾けるモーメント力を付加する。回転軸傾斜モーメント45は駆動軸B46bに取り付けられたアーム70の左端部に下方向に荷重を付加することにより、駆動軸B46bをジョイントA71を中心とした左回りの回転方向に回転するためジョイントB72は右方向に移動する。軸連結部48によって連結された回転軸4はジョイントB72が右方向に移動することにより、第1軸受5の軸受中心に対して右回りの回転方向に傾くモーメント力を付加する。このように構成することにより、第2軸受6の傾き方向と回転軸4の傾き方向が同一方向となる。
【0030】
第2軸受傾斜モーメント付加機構44および回転軸傾斜モーメント付加機構45は、バネ部材を介して駆動軸46に取り付けられており、駆動軸46の回転中に第2軸受6および回転軸4に付加するモーメント力が変化しないように構成されている。また、第2軸受傾斜モーメント力は、フロート部40傾斜時に発生するフロート機構41のバネ力による復元モーメント力よりも大きく、回転軸4と第2軸受6の接触状態が図7に示した2点接触状態となるように設定する。また、回転軸傾斜モーメント力においても、回転軸4と第1軸受5の接触状態が図7に示した2点接触状態となるように設定する。第2軸受傾斜モーメント力および回転軸傾斜モーメント力があまりに大きいと、第2軸受6と回転軸4との摩擦力および第1軸受5と回転軸4との摩擦力が大きくなり、第2軸受6および回転軸4の揺動軌跡が不安定になる場合または軸受が損傷する場合があるため、第2軸受傾斜モーメント力および回転軸傾斜モーメント力を適切な大きさに設定する必要がある。
【0031】
駆動軸46は駆動軸A46a、駆動軸B46b、駆動軸C46cの3つに分割されており、ジョイントA71、ジョイントB72によって、各駆動軸A46a、駆動軸B46b、駆動軸C46cを駆動軸46の回転方向と軸方向を拘束した状態で連結している。すなわち、ジョイントA71の関節部分において、駆動軸B46bは駆動軸A46aに対して垂直な平面内で偏心する自由度を持ち、さらに駆動軸B46bは周方向全方向に折れ曲がるように回転する自由度を持つ。ジョイントB72についても同様で駆動軸C46cは駆動軸B46bに対して同様の自由度を有している。
回転軸傾斜モーメント付加機構45は、駆動軸B46bに取り付けられた荷重付加バー70を下向きに押圧する。駆動軸B46bはジョイントA部で回転することにより駆動軸B46bが傾き、駆動軸C46cを偏心させる。駆動軸C46cの下端には軸連結部48が設けられているため、軸連結部48にて連結された回転軸4の上端を偏心させ、回転軸4が傾く。
このように構成することにより回転軸4の傾斜が行え、モータ47を駆動することにより回転軸4の回転角度に同期して回転軸4の傾け方向を円滑に変化させることができる。
【0032】
なお、回転軸傾斜モーメントは第2軸受傾斜モーメント付加機構44によっても発生するが、本実施の形態では回転軸4を傾ける力を発生する機構と第2軸受6を傾ける力を発生する機構とを別々に設けることにより、第2軸受6と回転軸4の接触力を最小限にすることが可能となり、この接触力による摩擦力で計測誤差が発生するのを防止している。
【0033】
また、本実施の形態では、回転軸傾斜モーメントおよび第2軸受傾斜モーメントは駆動軸46の回転角度により変化しない構成とすることが必要であるが、回転軸傾斜モーメントおよび第2軸受傾斜モーメントが駆動軸46の回転角度によりばらつく場合は、あらかじめモーメント力の変化に対する第2軸受6の水平移動限界および傾き限界の変化を調べておき、各傾斜モーメント付加機構にロードセルなどの力センサを設けてモーメント力を検出し、これらの情報をもとにモーメント力のばらつきに対して第2軸受6の水平移動限界および傾き限界を補正する。
【0034】
モータ46はサーボモータで構成されており、駆動軸46回転時の回転角度の把握および回転速度の制御が可能である。回転軸4は駆動軸46と回転方向で拘束されているため、モータ46により回転軸4の回転角度の把握および回転速度の制御が可能となる。
【0035】
芯ずれ計測機構49はフロート部40の水平方向位置を3方向から計測することにより軸受調芯組立装置に対するフロート部40の水平方向位置を計測する。平行度計測機構50は、フロート部40の3点の鉛直方向位置を計測することにより軸受調芯組立装置に対するフロート部40の傾きを計測する。第2軸受6は第2軸受クランプ機構35によりフロート部40と一体となっているため、フロート部40を計測することにより第2軸受6の動きを計測することが可能である。
芯ずれ計測機構49および平行度計測機構50の計測結果は、計算手段に相当する例えばパーソナルコンピュータ等の計算機(図示せず。)に送られ、後に詳述するように、計測結果(移動限界の情報)に基づいて計算機に実装されるソフトウェアプログラムにより第1軸受に対する第2軸受の目標位置および目標姿勢が求められる。
【0036】
図4において、52はフロート部40の装置に対する水平方向位置を調整するための芯ずれ調整機構、53はフロート部40の装置に対する傾きを調整するための平行度調整機構である。芯ずれ調整機構52は水平面内で直交する2軸方向に取り付けられており、芯ずれ調整機構52に対してフロート部40を挟んだ対向する側に背圧機構を配置して芯ずれ調整時フロート部40が芯ずれ調整機構52に押し付けられるように構成されている。平行度調整機構53はフロート部40の3箇所の鉛直方向位置を位置決めするように3箇所に配置され、フロート部40を任意の傾きに調整可能に構成されている。
54は第2軸受保持機構であり芯ずれ調整機構52および平行度調整機構53により装置に対する位置および姿勢を調整されたフロート部40を位置決め保持することにより、第2軸受6の装置に対する位置および姿勢を保持する。例えば図4に示すように、フロート部40を平行度調整機構53に対し押し付けることにより第2軸受6の位置および姿勢を保持できる。
芯ずれ調整機構52、平行度調整機構53および第2軸受保持機構54が、第2軸受6を目標位置および目標姿勢に位置決めしその状態で保持する位置決め手段に相当する。
【0037】
55は溶接機構であり、周方向に120度の間隔で円筒シェル1外側3箇所に配置されており、第2軸受保持機構54で位置および姿勢を保持された第2軸受6を円筒シェル1に対しアークスポット溶接(MAG溶接)で固定する。
このように、溶接で固定することにより、固定部品が不要であり安価な回転機構を提供できるという効果がある。また、周方向に均等な間隔で配置された3箇所以上の溶接点で固定することにより、溶接によって第1軸受5に対する第2軸受6の相対的な位置および姿勢が変化することを防止することができ、第1軸受5の中心軸と第2軸受6の中心軸とをより高精度に一致させることが可能となり、信頼性が高い回転機構を提供することができるという効果がある。
【0038】
次に、上記のように構成された本実施の形態1による軸受調芯組立装置を用いた、本実施の形態1による軸受調芯組立方法について、図10に基づいて説明する。
まず、ステップST1において、第2軸受6を軸受調芯組立装置上部の第2軸受クランプ機構35にセットし、第2軸受クランプ機構35を駆動して第2軸受6とフロート部40とを強固に一体化する。
次に、ステップST2において、内周中央にステータ2および内周下部に第1軸受5が固定され、第1軸受5にはロータ3が外周に固定された回転軸4が挿入された状態の円筒シェル1をワーク載置台31にセットする。ワーク昇降機構32を駆動し円筒シェル1を上昇させて回転軸4を第2軸受6に挿入するとともにワーク載置台31をメインベース30の下面に押し付けることにより、メインベース30とワーク載置台31を強固に一体化する。上部ベースA36に固定された円筒シェル保持機構34を駆動し円筒シェル1をワーク載置台31に押し付けることにより円筒シェル1とワーク載置台31が強固に一体化し、円筒シェル1が軸受調芯組立装置に対して固定される。
なお、ワーク昇降機構32を駆動して円筒シェル1を上昇させる際、第2軸受6と一体となったフロート部40の軸受調芯組立装置に対する位置を芯ずれ調整機構52であらかじめ調整しておくことにより、第2軸受6への回転軸4の挿入がスムーズに行える。
【0039】
次に、ステップST3において、モータ47を駆動して駆動軸46を回転させることにより軸連結部48で回転軸4と駆動軸46が連結する。
さらに、ステップST4において、第2軸受傾斜モーメント付加手段44および回転軸傾斜モーメント付加手段45を駆動することにより、第2軸受6は回転軸4に対して傾き、回転軸4は第1軸受5に対して傾いた状態となる。図7は、この状態を示す回転機構の断面図であり、回転軸4は第1軸受5と点Pおよび点Qの2点で接触し、第2軸受6は回転軸と点Rおよび点Sの2点で接触した状態となる。この状態でモータ47を駆動することにより、回転軸4の回転と同期して第2軸受6および回転軸4の傾き方向が連続的に変化する(回転軸4および第2軸受6が揺動する。)。
ステップST5において、このときの第2軸受6の動きを芯ずれ計測機構49および平行度計測機構50により計測する(第1軸受5に対する第2軸受6の相対的な、傾き移動限界および第1軸受5の中心軸に直交する方向での移動限界すなわち揺動軌跡を検出する)。
以上のステップST1〜ST5が、本実施の形態1による軸受調芯組立方法の第1工程である。
【0040】
ステップST6において、本実施の形態1による軸受調芯組立方法の第2工程として、例えばパーソナルコンピュータ等の計算機により、上記ステップST5での計測結果に基づいて第2軸受6の目標位置および目標姿勢を演算する。
図8は、芯ずれ計測機構49にて計測した第2軸受6の水平方向(第1軸受の中心軸に直交する方向)の動きを示すデータの一例である。図8において、EXおよびEYは装置に固定された直交座標系、Erは第2軸受6の水平移動軌跡であり第1軸受5および第2軸受6の両方に回転軸4が挿入された状態での水平移動限界を意味する。水平移動軌跡Erは円形でありその中心Eoは幾何学的に第1軸受5の中心軸に対して第2軸受6の中心が一致する位置である。中心Eoは円Erの点列データから例えば最小二乗法を用いて求めることができる。Ecは第2軸受6の現在位置であり、EoからEcへ向かうベクトルが現在の芯ずれを示す。このようにして第2軸受6の目標位置および目標位置に対する芯ずれを得ることができる。
【0041】
図9は、平行度計測機構50にて計測した第2軸受6の傾き方向の動きを示すデータの一例である。図9において、TXおよびTYは装置に固定された直交座標系であり、傾きの大きさおよび傾き方向は計測面の法線ベクトルをTX−TY平面に投影したベクトルで示す。Trは第2軸受6の傾き軌跡であり第1軸受5および第2軸受6の両方に回転軸4が挿入された状態での傾き限界を意味する。傾き軌跡Trは円形でありその中心Toは幾何学的に第1軸受5の中心軸に対して第2軸受6の中心軸が平行となる姿勢である。Tcは第2軸受6の現在姿勢でありToからTcへ向かうベクトルが現在の傾きの大きさおよび傾き方向を示す。このようにして第2軸受6の目標姿勢および目標姿勢に対する平行度および傾き方向を得ることができる。
【0042】
このように、第1軸受5を円筒シェル1内の所定位置に保持し、回転軸4の所定位置に第1軸受5および第2軸受6を嵌合させた状態で回転軸4および第2軸受6を第1軸受の中心軸に対して所定の力で傾けて回転軸4および第2軸受6を揺動運動させたときの第1軸受5に対する第2軸受6の相対的な、傾き移動限界および第1軸受5の中心軸に直交する方向での移動限界を検出し、検出された移動限界の情報に基づいて第1軸受5に対する第2軸受6の目標位置および目標姿勢を求めることにより、第1軸受5および第2軸受6に軸受孔との位置関係および姿勢の関係が高精度に規定された基準孔あるいは基準面を設けることなく第1軸受5の軸受内周に対する第2軸受6の軸受内周の相対的な位置および姿勢関係を把握することが可能である。
【0043】
また、回転軸4および第2軸受6を第1軸受5の中心軸に対して所定の力で傾けて回転軸4および第2軸受6の傾き方向を連続的に変化させる(揺動運動させる)際、回転軸4を回転させ、且つ回転軸4および第2軸受6を傾ける方向と回転軸4の回転角度を同期させる(歳差運動させる)ことにより、回転軸4における第1軸受5の嵌合する部分の軸心に対し回転軸4における第2軸受6が嵌合する部分の軸心がずれて(オフセットして)いたり(偏心)、平行でなかったり(軸曲がり)する場合でも、回転軸4が第1軸受5および第2軸受6と接触する回転軸4側の接触点が変わらないため、偏心および軸曲がりの影響を受けることなく、正確に第1軸受5の中心軸に対して第2軸受6の中心軸が一致する位置および姿勢を検出することができる。
【0044】
さらに、回転軸4における第1軸受5が嵌合する部分の軸心に対して第2軸受6が嵌合する部分の軸心がずれている(偏心している)ことがあらかじめ分かっている場合、回転軸4および第2軸受6を傾ける方向を上記偏心方向と一致させることにより力学的に安定した状態となるため、回転軸4の回転速度が安定するので、第2軸受6の水平方向移動軌跡および傾き移動軌跡の計測誤差を小さくできる。
しかし、回転軸4の偏心および軸曲がりがほとんどない場合などには、回転軸4を回転させたり、回転軸4および第2軸受6を傾ける方向と回転軸4の回転角度を同期させたりしなくても、回転軸4および第2軸受6を第1軸受5の中心軸に対して傾けて回転軸4および第2軸受6を揺動運動させるだけでもよい。
【0045】
次に、ステップST7において、芯ずれ調整機構52を駆動し芯ずれ計測機構49にて第2軸受6の現在の位置Ecを得ながらフィードバック制御することにより目標位置Eoに調整する。同じく、平行度調整機構53を駆動し平行度計測機構50により第2軸受6の現在の姿勢Trを得ながらフィードバック制御することにより目標姿勢Toに調整する。
さらに、ステップST8により、第2軸受保持機構54を駆動して第2軸受6を目標位置および目標姿勢に保持する。
ステップST7およびST8が、本実施の形態1による軸受調芯組立方法の第3工程である。
【0046】
最後に、本実施の形態1による軸受調芯組立方法の第5工程として、ステップST9により、溶接機構55にて第2軸受6を円筒シェル1に3点同時にMAG溶接にて固定する。
本実施の形態1では溶接による第2軸受6の位置ずれおよび姿勢ずれを防止するため、各溶接点の溶接条件すなわち溶接トーチ先端から円筒シェル1外周までの距離、溶接電流、溶接電圧、溶接開始時間、溶接終了時間が同一になるように設定している。
【0047】
なお、本実施の形態1では、第1軸受5を円筒シェルに固定する第4工程は第1工程の前に既に実施されている。このように、円筒シェル1を軸受調芯組立装置に保持する前に第1軸受5をあらかじめ円筒シェル1に固定しておくことにより、第1軸受5を円筒シェル1に固定する際、第1軸受が軸受調芯組立装置に対して位置ずれすることを防止できる。また、円筒シェル1を軸受調芯組立装置に対して固定することにより第1軸受5を軸受調芯組立装置に対して固定できるため、第1軸受5の軸受調芯組立装置への固定が容易に行える結果、軸受調芯組立装置の構造を単純化できるという効果がある。
なお、第1工程において、円筒シェル1を軸受調芯組立装置に保持してから第1軸受5を円筒シェル1に固定した場合には、第1軸受5が円筒シェル1や軸受調芯組立装置に対して位置ずれすることがあるが、この場合にも、すでに固定されている第1軸受5に対して第2軸受6の揺動運動および移動限界の検出が実施されるので、第1軸受5の中心軸に対して第2軸受6の中心軸を高精度に一致させることができるという効果がある。
【0048】
このように、本実施の形態によれば、第1軸受5と第2軸受6にそれぞれ軸受孔との位置関係および姿勢の関係が高精度に規定された基準孔あるいは基準面を設ける必要がなく、第1軸受5および第2軸受6における高精度加工部は製品機能として不可欠な軸受孔のみでよいため、加工工数を削減でき安価な回転機構を提供できるという効果がある。また、上記基準孔あるいは基準面の加工精度の影響を受けないため、第1軸受5の中心軸と第2軸受6の中心軸とを高精度に一致させることが可能となり、信頼性が高い回転機構を提供することできるという効果がある。
【0049】
さらに、上記実施の形態1では、第1軸受5および第2軸受6の軸受孔に対し回転軸4を軸受クリアランスの限界まで傾けた状態で回転させるため、軸受孔端部の微小な突起部等を平滑化することができ、一種のなじみ効果が得られる。
【0050】
なお、上記実施の形態1の図3では、芯ずれ計測機構49および平行度計測機構50がフロート部40の水平方向位置および傾きを計測するように配置した例を示したが、第2軸受6の水平方向位置および傾きを直接計測するように配置すれば、第2軸受クランプ機構35で第2軸受6をフロート部40に対して強固に固定保持する必要ないので第2軸受クランプ機構35を簡易なものにすることができる。
【0051】
さらに、上記実施の形態1の図3では、芯ずれ計測機構49および平行度計測機構50が接触式の変位センサで構成される例を示したが、これを例えばレーザ変位計または渦電流式変位センサなどの非接触式の変位センサで構成することも可能であり、非接触式変位センサで構成した場合は、接触子先端の摩擦、接触圧力によるおよび計測面の微小な凹凸による計測誤差を防止することができる。
【0052】
なお、上記実施の形態1では回転軸4および第2軸受6を第1軸受5の中心軸に対して所定の力で傾けて回転軸4および第2軸受6を揺動運動させたが、その代わりに、回転軸4および第2軸受6を第1軸受5の中心軸に対して所定の力で少なくとも異なる3方向に傾けてもよく、この場合にも、以下に説明するように同様の効果が得られる。
【0053】
図8において、E1,E2,E3は第2軸受6を異なる3方向に傾けた場合に得られる第2軸受6の水平方向移動限界の点である。この3点を通る円Erを演算で求めることにより、円Erの中心Eoすなわち第1軸受5の中心軸に対し第2軸受6の中心が一致する位置が得られる。また、図9においてT1,T2,T3は第2軸受6を異なる3方向に傾けた場合に得られる傾き限界の点であり、この3点を通る円Trを演算して求めることにより円Trの中心Toすなわち第1軸受5の中心軸に対して第2軸受6の中心軸が平行となる姿勢が得られる。
【0054】
実施の形態2.
図11および図12は本発明の実施の形態2による軸受調芯組立方法および軸受調芯組立装置を説明するための図であり、より具体的には、図11は軸受調芯組立装置の要部の構成を示す縦断面図、図12は回転機構の外観図である。
図12に示すように、第1軸受5の円筒シェル1開口側の端面には周方向90度間隔でネジ穴12が設けられている。また、図11に示すように、ワーク載置台31にはボルト孔61が設けられ、ボルト孔61にはボルト62が挿入されており、このボルト62がワーク載置台31の上面に置かれた第1軸受5のネジ穴12に螺合することにより、第1軸受5がワーク載置台61に強固に固定される。
【0055】
上記実施の形態1のステップST1では、円筒シェル保持機構34が円筒シェル1の上部から加圧力を加えることにより第1軸受6をワーク載置台31に固定する。円筒シェル1には、第2軸受6の水平移動軌跡および傾き軌跡計測時に第1軸受5を介して力が加わる。また、溶接時にも上部ベース36に保持された第2軸受6から反力を受ける。これらの力に抗して円筒シェル1のワーク載置台31に対する位置を保持するためには、円筒シェル保持機構34か非常に大きな加圧力を発生する必要がある。円筒シェル1に大きな加圧力を加えると、円筒シェル1に歪が生じ第2軸受6の組立精度に影響を及ぼす恐れがある。さらにワーク載置台31は昇降機構32によりメインベース30に対して押し付けて固定されている。昇降機構32は円筒シェル保持機構34の発生する加圧力を受けるため、円筒シェル保持機構34が発生する加圧力よりもさらに大きな力を発生させる必要があり、軸受調芯組立装置が非常に大掛かりなものとなる。
【0056】
これに対して、本実施の形態の構成では、ワーク載置台61に対して直接第1軸受5をボルト62で固定することができるため強固な固定が行える結果、本軸受調芯組立装置を用いた軸受調芯組立作業中に第1軸受の位置や姿勢が変化することを防止できる。しかも、円筒シェル1を上部から加圧する必要がないため円筒シェル保持機構34が不要であり、昇降機構32が発生する力を抑えることができるため、軸受調芯組立装置の簡素化が行える。このように、軸受調芯組立装置に対する第1軸受5の確実な固定と軸受調芯組立装置の簡素化との両方が可能となる。
【0057】
なお、上記実施の形態1および2では、第1軸受5が円筒シェル1内の所定位置にあらかじめ溶接などにより固定されており、第1軸受保持手段と円筒シェル保持手段とが兼用される場合について説明したが、第1軸受5が円筒シェル1内の所定位置にあらかじめ固定されていない場合には、実施の形態1で示した円筒シェル保持機構43が円筒シェル1を保持し、実施の形態2で示したボルト62により第1軸受5をワーク載置台61に保持するようにしてもよい。
【0058】
実施の形態3.
図13は本発明の実施の形態3による軸受調芯組立方法および軸受調芯組立装置を説明するための図であり、より具体的には、軸受調芯組立装置の要部の構成を示す縦断面図である。図13において、63および64は第1軸受5の軸受調芯組立装置に対する位置および姿勢をそれぞれ計測する手段に相当する第1軸受水平位置計測機構および第1軸受傾き計測機構である。
本実施の形態による軸受調芯組立装置は、実施の形態1による軸受調芯組立装置に、第1軸受水平位置計測機構63と第1軸受傾き計測機構64とを付加したものである。
【0059】
第1軸受水平位置計測機構63はワーク載置台31に周方向に120度間隔で3箇所に設けられており、第1軸受5の内周位置を計測する。第1軸受傾き計測機構64はワーク載置台31に周方向に120度間隔で3箇所に設けられており、第1軸受5の端面を鉛直方向に計測する。
【0060】
実施の形態1のステップST5にて、第2軸受6の軸受調芯組立装置の基準に対する水平方向位置および姿勢を計測するとともに第1軸受5の水平方向位置および姿勢を計測した。
円筒シェル1の固定保持が不完全である場合、ステップST7からステップST9の間に、軸受調芯組立装置の基準に対する第1軸受5の位置および姿勢が変化することも考えられるが、本実施の形態4では、このような場合にも、第1軸受水平方向位置計測機構63および第1軸受傾き計測機構64で第1軸受5の位置および姿勢の変化量を把握することができるため、第1軸受5の中心軸に対する第2軸受6の中心軸の水平方向位置および傾きを正確に把握することができる。
【0061】
なお、第1軸受水平位置計測機構63は水平面内の直交する2軸方向の2箇所に設けても同様の効果を奏する。
【0062】
また、円筒シェル1と第1軸受5とがあらかじめ固定されている場合は、第1軸受水平位置計測機構63および第1軸受傾き計測機構64は、円筒シェル1の位置および姿勢を計測するように構成しても同様の効果を奏する。
【0063】
実施の形態4.
図14〜図16は本発明の実施の形態4による軸受調芯組立方法および軸受調芯組立装置を説明するための図であり、より具体的には、図14は軸受調芯組立装置の要部の構成を示す縦断面図、図15は回転軸、第1軸受および第2軸受をフレームの中心軸に対して傾けた様子を示す断面説明図、図16は軸受調芯組立方法を説明するフローチャートである。
図14において、13はフレームである。第1軸受5は、例えば特開2000−161254号公報等に詳細に記載されているように、フレーム13の内周に配置されたOリング14を介して保持されており、フレーム13の内周と所定の隙間を保った状態で鉛直方向に摺動可能に支持(回転軸4に沿って直動自在に保持)されている。フレーム13は円筒シェル1内周の一端部に例えば溶接などにより固定されている。65は第1軸受計測手段に相当する第1軸受傾き計測機構であり周方向に120度間隔で3箇所に配置され第1軸受5の軸受調芯組立装置に対する姿勢を計測する。
【0064】
本実施の形態では、第1軸受5が円筒シェル1の一端部に固定されたフレーム13により回転軸4に沿って直動自在に保持されており、本実施の形態による軸受調芯組立装置は、実施の形態1による軸受調芯組立装置に、第1軸受5の軸受調芯組立装置に対する姿勢を計測する第1軸受計測手段として、第1軸受傾き計測機構65を付加したものである。
【0065】
次に、本実施の形態による軸受調芯組立方法を、主に実施の形態1と異なる点について説明する。図15は、実施の形態1で説明したステップST4における第1軸受14の状態を示しており、本実施の形態では、第1軸受5が、円筒シェル1の他端部に固定されたフレーム13の内周に配置されたOリング14を介してフレーム13の内周に対して所定の隙間を保った状態で、フレーム13の内周に保持されており、回転軸4および第2軸受6を所定の力で傾けることにより、第1軸受5はフレーム13内で傾いてOリング14が変形し第1軸受4はフレーム13の内周と点Tおよび点Uの2点で接触した状態となる。すなわち、本実施の形態では、ステップST4において、回転軸4、第1軸受5および第2軸受6をフレーム13の中心軸に対して所定の力で傾けて、回転軸4、第1軸受5および第2軸受6を揺動運動させる。
【0066】
このように、円筒シェル1を軸受調芯組立装置に保持しても第1軸受4が移動可能である場合でも、ステップST5において、第2軸受6の位置および姿勢を計測するとともに第1軸受4の姿勢を計測することによって、フレーム13に対する第1軸受5の相対的な傾き移動限界、並びにフレーム13に対する第2軸受6の相対的な、傾き移動限界およびフレーム13の中心軸に直交する方向での移動限界を検出することができ、この計測データをステップST6の演算に用いることにより、第1軸受4の理想的姿勢における中心軸に対して第2軸受6の中心軸が一致した回転機構の組立が可能となる。
【0067】
すなわち、軸受調芯組立装置に対する第1軸受5の姿勢を計測することにより、フレーム13に対する第1軸受5の相対的な傾き移動限界を計測することができ、第1軸受5のフレーム13に対する理想的な姿勢を算出することができるため、第1軸受5の理想的な姿勢に対して第2軸受6を位置決めすることができる。その結果、フレーム13、第1軸受5および第2軸受6にそれぞれフレーム13の第1軸受挿入用開口部および軸受孔との位置関係および姿勢の関係が高精度に規定された基準孔あるいは基準面を設ける必要がなく、フレーム13、第1軸受5および第2軸受6における高精度加工部は製品機能として不可欠なフレーム13の上記開口部および軸受孔のみでよいため、加工工数を削減でき安価な回転機構を提供できるという効果がある。また、上記基準孔あるいは基準面の加工精度の影響を受けないため、第1軸受5の理想的位置および姿勢における中心軸と第2軸受6の中心軸とを高精度に一致させることが可能となり、信頼性が高い回転機構を提供することができるという効果がある。
【0068】
なお、上記実施の形態4では、フレーム13が円筒シェル1内の所定位置にあらかじめ溶接などにより固定されており、フレーム保持手段が円筒シェル1を保持し、フレーム保持手段が円筒シェル保持手段を兼ねる場合について説明したが、実施の形態2で第1軸受5について説明したのと同様に、フレーム13の円筒シェル1開口側の端面に、複数のネジ穴が設けられている場合に、フレーム保持手段が、複数のネジ穴にそれぞれ螺合する複数のボルトを有し、ネジ穴にボルトを螺合させてフレーム13の軸受調芯組立装置に対する保持を行うことにより、フレーム13の保持を強固に行うことができるため、本軸受調芯組立装置を用いた軸受調芯組立作業中にフレーム13の位置や姿勢が変化することを防止でき、第1軸受の中心軸と第2軸受の中心軸とをより高精度に一致させることが可能となる。
【0069】
また、上記実施の形態4では、フレーム13が円筒シェル1内の所定位置にあらかじめ溶接などにより固定されており、フレーム保持手段と円筒シェル保持手段とが兼用される場合について説明したが、フレーム13が円筒シェル1内の所定位置にあらかじめ固定されていない場合には、実施の形態1で示した円筒シェル保持機構43が円筒シェル1を保持し、上述のボルト62によりフレーム13をワーク載置台61に保持するようにしてもよい。
【0070】
また、上記実施の形態4では、回転軸4、第1軸受5および第2軸受6をフレーム13の中心軸に対して傾けて回転軸4、第1軸受5および第2軸受6の傾き方向を連続的に変化させる(揺動運動させる)際、回転軸4を回転させ、且つ回転軸4、第1軸受5および第2軸受6を傾ける方向と回転軸4の回転角度を同期させる(歳差運動させる)ことにより、回転軸4における第1軸受5の嵌合する部分の軸心に対し回転軸4における第2軸受6が嵌合する部分の軸心がずれて(オフセットして)いたり(偏心)、平行でなかったり(軸曲がり)する場合でも、偏心および軸曲がりの影響を受けることなく、正確に第1軸受5の中心軸に対して第2軸受6の中心軸が一致する位置および姿勢を検出することができるようにした。
しかし、回転軸4の偏心および軸曲がりがほとんどない場合などには、回転軸4を回転させたり、回転軸4、第1軸受5および第2軸受6を傾ける方向と回転軸4の回転角度を同期させたりしなくても、回転軸4、第1軸受5および第2軸受6をフレーム13の中心軸に対して傾けて回転軸4、第1軸受5および第2軸受6を揺動運動させるだけでもよい。
【0071】
また、回転軸4における第1軸受5が嵌合する部分の軸心に対して第2軸受6が嵌合する部分の軸心がずれている(偏心している)ことがあらかじめ分かっている場合には、回転軸4、第1軸受5および第2軸受6を傾ける方向を上記偏心方向と一致させることにより力学的に安定した状態となるため、回転軸4の回転速度が安定するので、第2軸受6の水平方向移動軌跡および傾き移動軌跡の計測誤差を小さくできるのは、実施の形態1で説明したのと同様である。
【0072】
実施の形態5.
図16は本発明の実施の形態5による軸受調芯組立方法および軸受調芯組立装置を説明するための図であり、より具体的には、軸受調芯組立方法を説明するフローチャートである。
上記各実施の形態では、回転軸4および第2軸受6の揺動運動(歳差運動)の方向が1方向(回転軸4も回転して歳差運動する場合には回転軸4の正転方向)のみである場合について説明したが、本実施の形態では、揺動運動を正転方向と逆転方向の両方向について行い、それぞれの方向における第1軸受5に対する第2軸受6の相対的な、傾き移動限界および第1軸受5の中心軸に直交する方向での移動限界を検出して正転方向と逆転方向の上記各移動限界の平均値を算出し、各移動限界の平均値の情報に基づいて第1軸受5に対する第2軸受6の目標位置および目標姿勢を求める。
【0073】
図16に示すフローチャートは、実施の形態1の図10で示したフローチャートにおいて、回転軸4および第2軸受6を逆転方向に揺動させるステップST14と、そのときの第2軸受6の揺動軌跡を検出するステップST15と、上記ステップST15での計測結果に基づいて第2軸受6の目標位置および目標姿勢を演算するステップST16と、ステップST6ステップST16で得られた正転時と逆転時の第2軸受6の目標位置および目標姿勢をそれぞれ平均化して調芯目標位置および目標姿勢を決定するステップST10とを付加したものである。
【0074】
本実施の形態によれば、回転軸4および第2軸受6の第1軸受5に対する揺動運動に伴って発生する各部材の弾性変形および計測時の回転軸4と第1軸受5および第2軸受6間に発生する摩擦力によって発生する計測誤差をキャンセルすることが可能となり、第1軸受4の中心軸に対して第2軸受6の中心軸がより精度良く一致した回転機構の組立が可能となる。
【0075】
なお、実施の形態4で説明したように、第1軸受5が円筒シェル1の一端部に固定されたフレーム13により回転軸4に沿って直動自在に保持されている軸受を調芯して組み立てる場合にも、揺動運動を正転方向と逆転方向の両方向について行い、それぞれの方向における、フレーム13に対する第1軸受5の相対的な傾き移動限界、並びにフレーム13に対する第2軸受6の相対的な、傾き移動限界およびフレーム13の中心軸に直交する方向での移動限界を検出して正転方向と逆転方向の上記各移動限界の平均値を算出し、各移動限界の平均値の情報に基づいて第1軸受5に対する第2軸受6の目標位置および目標姿勢を求めるようにしてもよく、この場合にも、回転軸4および第2軸受6の第1軸受5に対する揺動運動に伴って発生する各部材の弾性変形および計測時の回転軸4と第1軸受5および第2軸受6間に発生する摩擦力によって発生する計測誤差をキャンセルすることが可能となり、第1軸受4の中心軸に対して第2軸受6の中心軸がより精度良く一致した回転機構の組立が可能となる。
【0076】
なお、上記各実施の形態では、第2軸受6の中心軸を第1軸受5の中心軸に一致させるように調芯する場合について説明したが、本発明による軸受調芯組立方法および軸受調芯組立装置は第2軸受6の中心軸を第1軸受5の中心軸に一致させる場合に限らず、例えば、わざと所定距離ずらせるように調芯する場合などにも適用できることは言うまでもない。
【0077】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る軸受調芯組立方法によれば、円筒シェル内周の両端部にそれぞれ配置されて回転軸を支持する第1および第2軸受を調芯して組み立てる方法であって、第1軸受を、動かないように保持された上記円筒シェル内の所定位置に保持し、上記回転軸の所定位置に第1軸受および第2軸受を嵌合させた状態で上記回転軸および第2軸受を第1軸受の中心軸に対して所定の力で傾けて上記回転軸および第2軸受の傾き方向を連続的に変化させて揺動運動させるとともに、前記揺動運動の際、上記回転軸を回転運動させたときの第1軸受に対する第2軸受の相対的な、傾き移動限界および上記第1軸受の中心軸に直交する方向での移動限界を検出する第1工程と、第1工程で得られた上記移動限界の情報に基づいて第1軸受に対する第2軸受の目標位置および目標姿勢を求める第2工程と、第2軸受を上記第2工程で求められた目標位置および目標姿勢に位置決めし、その状態で保持する第3工程と、第1軸受を保持されている位置で上記円筒シェルに固定する第4工程と、第2軸受を保持されている位置で上記円筒シェルに固定する第5工程とを備えたので、第1軸受と第2軸受にそれぞれ軸受孔との位置関係および姿勢の関係が高精度に規定された基準孔あるいは基準面を設ける必要がなく、第1軸受および第2軸受における高精度加工部は製品機能として不可欠な軸受孔のみでよいため、加工工数を削減でき安価な回転機構を提供できるという効果がある。また、上記基準孔あるいは基準面の加工精度の影響を受けないため、第1軸受の中心軸と第2軸受の中心軸とを高精度に一致させることが可能となり、信頼性が高い回転機構を提供することできるという効果がある。
【0078】
さらに、第1工程の前に第4工程が実施され、第1工程において、第1軸受が上記円筒シェル内の所定位置にあらかじめ固定されているので、第1軸受を円筒シェルに固定する際、第1軸受が組立装置に対して位置ずれすることを防止できるという効果がある。また、円筒シェルを組立装置に対して固定することにより第1軸受を組立装置に対して固定できるため第1軸受の組立装置への固定が容易に行える結果、組立装置の構造を単純化できるという効果がある。
【0079】
さらに、第1工程において、上記回転軸および第2軸受を傾ける方向と上記回転軸の回転角度を同期させるので、回転軸における第1軸受の嵌合する部分の軸心に対し回転軸における第2軸受が嵌合する部分の軸心がずれていたり、平行でなかったりする場合でも、第1軸受の中心軸と第2軸受の中心軸とを高精度に一致させることが可能となり、信頼性が高い回転機構を提供することできるという効果がある。
【0080】
さらに、回転軸における第1軸受が嵌合する部分の軸心に対して第2軸受が嵌合する部分の軸心がずれていることがあらかじめ分かっている場合に、上記回転軸および第2軸受を第1軸受の中心軸に対して傾ける方向を、上記ずれている方向と一致させるので、回転軸の傾き状態が力学的に安定した状態となり、回転軸の回転速度むらによる計測誤差を防止できるため、第1軸受の中心軸と第2軸受の中心軸とをより高精度に一致させることが可能となり、信頼性が高い回転機構を提供することできるという効果がある。
【0081】
さらに、第1工程において、回転軸および第2軸受の揺動運動を正転方向と逆転方向の両方向について行い、それぞれの方向における第1軸受に対する第2軸受の相対的な、傾き移動限界および上記第1軸受の中心軸に直交する方向での移動限界を検出して正転方向と逆転方向の上記各移動限界の平均値を算出し、第2工程において、各移動限界の平均値の情報に基づいて第1軸受に対する第2軸受の目標位置および目標姿勢を求めるので、回転軸および第2軸受の第1軸受に対する揺動運動に伴なって発生する各部材の弾性変形等の影響による計測誤差をキャンセルすることができ、第1軸受の中心軸に第2軸受の中心軸をより高精度に一致させることが可能となり、信頼性が高い回転機構を提供することできるという効果がある。
【0082】
また、本発明の別の発明に係る軸受調芯組立方法によれば、円筒シェル内周の両端部にそれぞれ配置されて回転軸を支持する第1および第2軸受を調芯して組み立てる方法であって、第1軸受が上記円筒シェルの一端部に固定されたフレームにより上記回転軸に沿って直動自在に保持される場合に、上記第1軸受を直動自在に保持したフレームを、動かないように保持された上記円筒シェル内の所定位置に保持し、上記回転軸の所定位置に第1軸受および第2軸受を嵌合させた状態で上記回転軸、第1軸受および第2軸受を上記フレームの中心軸に対して所定の力で傾けて上記回転軸、第1軸受および第2軸受の傾き方向を連続的に変化させて揺動運動させさせるとともに、前記揺動運動の際、上記回転軸を回転運動させ、上記回転軸、上記第1軸受および第2軸受を傾ける方向と上記回転軸の回転角度を同期させ、上記回転軸を回転運動させたときの、上記フレームに対する第1軸受の相対的な傾き移動限界、並びに上記フレームに対する第2軸受の相対的な、傾き移動限界および上記フレームの中心軸に直交する方向での移動限界を検出する第1工程と、第1工程で得られた上記移動限界の情報に基づいて上記フレームに対する第2軸受の目標位置および目標姿勢を求める第2工程と、第2軸受を上記第2工程で求められた目標位置および目標姿勢に位置決めし、その状態で保持する第3工程と、上記フレームを保持されている位置で上記円筒シェルに固定する第4工程と、第2軸受を保持されている位置で上記円筒シェルに固定する第5工程とを備えたので、フレーム、第1軸受および第2軸受にそれぞれフレームの第1軸受挿入用開口部および軸受孔との位置関係および姿勢の関係が高精度に規定された基準孔あるいは基準面を設ける必要がなく、フレーム、第1軸受および第2軸受における高精度加工部は製品機能として不可欠なフレームの上記開口部および軸受孔のみでよいため、加工工数を削減でき安価な回転機構を提供できるという効果がある。また、上記基準孔あるいは基準面の加工精度の影響を受けないため、第1軸受の理想的姿勢における中心軸と第2軸受の中心軸とを高精度に一致させることが可能となり、信頼性が高い回転機構を提供することができるという効果がある。
【0083】
さらに、第1軸受、第2軸受またはフレームを円筒シェルに固定する方法がスポット溶接であり、周方向に均等な間隔で配置された少なくとも3箇所で上記円筒シェルと第1軸受、第2軸受またはフレームを溶接固定するので、固定部品が不要であり安価な回転機構を提供でき、しかも、周方向に均等な間隔で配置された3箇所以上の溶接点で固定することにより、溶接によって第1軸受またはフレームに対する第2軸受の相対的な位置および姿勢が変化することを防止することができる結果、第1軸受の中心軸と第2軸受の中心軸とをより高精度に一致させることが可能となり、信頼性が高い回転機構を提供することができるという効果がある。
【0084】
また、本発明に係る軸受調芯組立装置によれば、円筒シェル内周の両端部にそれぞれ配置されて回転軸を支持する第1および第2軸受を調芯して組み立てる装置であって、第1軸受を保持する第1軸受保持手段と、第2軸受を保持する第2軸受保持手段と、上記円筒シェルを保持する円筒シェル保持手段と、上記第2軸受保持手段を、第2軸受の中心軸まわりの回転方向を拘束し、第2軸受の中心軸方向および該中心軸方向に対し直交する方向の並進自由度と第2軸受の中心軸に直交する軸まわりの回転自由度を可動的に支持する第2軸受支持手段と、上記回転軸を、その軸方向位置を拘束し回転および傾き可能に支持する回転軸支持手段と、上記回転軸を回転させる回転力を発生する回転力発生手段と、上記回転軸に上記回転力発生手段の回転力を伝達する回転力伝達手段と、上記回転軸を傾ける回転軸傾斜モーメント付加手段と、上記回転軸の傾き方向と一致する方向に第2軸受を傾ける第2軸受傾斜モーメント付加手段と、第2軸受の軸受調芯組立装置に対する位置および姿勢を計測する第2軸受計測手段と、上記第2軸受計測手段によって計測された結果に基づき第2軸受の目標位置および目標姿勢を計算する計算手段と、第2軸受を上記目標位置および目標姿勢に位置決めしその状態で保持する位置決め手段と、第1軸受および第2軸受をそれぞれ上記円筒シェルに固定する固定手段とを備え、上記回転軸傾斜モーメント付加手段による回転軸の傾き方向および上記第2軸受傾斜モーメント付加手段による第2軸受の傾き方向と回転軸の回転角度とを同期させるように構成したので、第1軸受と第2軸受にそれぞれ軸受孔との位置関係および姿勢の関係が高精度に規定された基準孔あるいは基準面を設ける必要がなく、第1軸受および第2軸受における高精度加工部は製品機能として不可欠な軸受孔のみでよいため、加工工数を削減でき安価な回転機構を提供できるという効果がある。また、上記基準孔あるいは基準面の加工精度の影響を受けないため、第1軸受の中心軸と第2軸受の中心軸とを高精度に一致させることが可能となり、信頼性が高い回転機構を提供することできるという効果がある。
【0085】
さらに、回転軸を回転させる回転力を発生する回転力発生手段と上記回転軸に上記回転力発生手段の回転力を伝達する回転力伝達手段とを備え、回転軸傾斜モーメント付加手段による回転軸の傾き方向および第2軸受傾斜モーメント付加手段による第2軸受の傾き方向と回転軸の回転角度とを同期させるように構成したので、回転軸における第1軸受の嵌合する部分の軸心に対し回転軸における第2軸受が嵌合する部分の軸心がずれて(オフセットして)いたり、平行でなかったりする場合でも、第1軸受の中心軸と第2軸受の中心軸とを高精度に一致させることが可能となり、信頼性が高い回転機構を提供することできるという効果がある。
【0086】
さらに、第1軸受が円筒シェル内の所定位置にあらかじめ固定されている場合に、第1軸受固定手段が円筒シェルを保持し、上記第1軸受保持手段が円筒シェル保持手段を兼ねるので、円筒シェルを保持することで第1軸受固定手段の構造を簡素化できるという効果がある。
【0087】
さらに、第1軸受の円筒シェル開口側の端面に複数のネジ穴が設けられている場合に、第1軸受保持手段が、上記複数のネジ穴にそれぞれ螺合する複数のボルトを有するので、ネジ穴にボルトを螺合させて第1軸受の軸受調芯組立装置に対する保持を行うことにより、第1軸受の保持を強固に行うことができるため、本軸受調芯組立装置を用いた軸受調芯組立作業中に第1軸受の位置や姿勢が変化することを防止でき、第1軸受の中心軸と第2軸受の中心軸とをより高精度に一致させることが可能となり、信頼性が高い回転機構を提供することできるという効果がある。
【0088】
さらに、第1軸受の軸受調芯組立装置に対する位置および姿勢を検出する手段を備えたので、第1軸受の軸受調芯組立装置に対する位置および姿勢が変化した場合、その位置および姿勢の変化を検出し第2軸受の目標位置および目標姿勢を補正することによって、第1軸受の軸受調芯組立装置に対する位置および姿勢が変化した場合にも、第1軸受の中心軸と第2軸受の中心軸とを高精度に一致させることが可能となり、信頼性が高い回転機構を提供することできるという効果がある。
【0089】
さらに、第2軸受計測手段が、非接触式の変位センサからなるので、第2軸受の軸受調芯組立装置の基準に対する位置および姿勢を、接触子による外乱を与えることなく計測することができ、第1軸受の中心軸と第2軸受の中心軸とをより高精度に一致させることが可能となり、信頼性が高い回転機構を提供することできるという効果がある。
【0090】
また、本発明の別の発明に係る軸受調芯組立装置によれば、円筒シェル内周の両端部にそれぞれ配置されて回転軸を支持する第1および第2軸受を調芯して組み立てる装置であって、第1軸受が上記円筒シェルの他端部に固定されたフレームにより上記回転軸に沿って直動自在に保持される場合に、上記フレームを保持するフレーム保持手段と、第2軸受を保持する第2軸受保持手段と、上記円筒シェルを保持する円筒シェル保持手段と、上記第2軸受保持手段を、第2軸受の中心軸まわりの回転方向を拘束し、第2軸受の中心軸方向および該中心軸方向に対し直交する方向の並進自由度と第2軸受の中心軸に直交する軸まわりの回転自由度を可動的に支持する第2軸受支持手段と、上記回転軸を、その軸方向位置を拘束し回転および傾き可能に支持する回転軸支持手段と上記回転軸を回転させる回転力を発生する回転力発生手段と、上記回転軸に上記回転力発生手段の回転力を伝達する回転力伝達手段と、上記回転軸を傾ける回転軸傾斜モーメント付加手段と、上記回転軸の傾き方向と一致する方向に第1軸受を傾ける第1軸受傾斜モーメント付加手段と、上記回転軸の傾き方向と一致する方向に第2軸受を傾ける第2軸受傾斜モーメント付加手段と、第1軸受の軸受調芯組立装置の基準に対する姿勢を計測する第1軸受計測手段と、第2軸受の軸受調芯組立装置の基準に対する位置および姿勢を計測する第2軸受計測手段と、上記第1および第2軸受計測手段によって計測された結果に基づき第2軸受の目標位置および目標姿勢を計算する計算手段と、第2軸受を上記目標位置および目標姿勢に位置決めしその状態で保持する位置決め手段と、上記フレームおよび第2軸受をそれぞれ上記円筒シェルに固定する固定手段とを備え、上記回転軸傾斜モーメント付加手段による回転軸の傾き方向、上記第1軸受傾斜モーメント付加手段による第1軸受の傾き方向および上記第2軸受傾斜モーメント付加手段による第2軸受の傾き方向と回転軸の回転角度とを同期させるように構成したので、フレーム、第1軸受および第2軸受にそれぞれフレームの第1軸受挿入用開口部および軸受孔との位置関係および姿勢の関係が高精度に規定された基準孔あるいは基準面を設ける必要がなく、フレーム、第1軸受および第2軸受における高精度加工部は製品機能として不可欠なフレームの上記開口部および軸受孔のみでよいため、加工工数を削減でき安価な回転機構を提供できるという効果がある。また、上記基準孔あるいは基準面の加工精度の影響を受けないため、第1軸受の理想的姿勢における中心軸と第2軸受の中心軸とを高精度に一致させることが可能となり、信頼性が高い回転機構を提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態1による軸受調芯組立方法および軸受調芯組立装置によって組み立てられる回転機構を示す縦断面図である。
【図2】 実施の形態1による軸受調芯組立装置の要部の構成を示す縦断面図である。
【図3】 実施の形態1による軸受調芯組立装置の要部の構成を示す縦断面図である。
【図4】 実施の形態1による軸受調芯組立装置の要部の構成を示す縦断面図である。
【図5】 実施の形態1による軸受調芯組立装置で用いられる回転軸支持機構を拡大して示す縦断面図である。
【図6】 実施の形態1による軸受調芯組立装置で用いられる軸連結部の構成を説明する斜視図である。
【図7】 実施の形態1に係わり回転軸および第2軸受を第1軸受の中心軸に対して傾けた様子を示す断面説明図である。
【図8】 実施の形態1に係わり芯ずれ計測機構にて計測した第2軸受の水平方向の動きを示す説明図である。
【図9】 実施の形態1に平行度計測機構にて計測した第2軸受の傾き方向の動きを示す説明図である。
【図10】 実施の形態1による軸受調芯組立方法を説明するフローチャートである。
【図11】 実施の形態2による軸受調芯組立装置の要部の構成を示す縦断面図である。
【図12】 実施の形態2に係わる回転機構の外観図である。
【図13】 実施の形態3による軸受調芯組立装置の要部の構成を示す縦断面図である。
【図14】 実施の形態4による軸受調芯組立装置の要部の構成を示す縦断面図である。
【図15】 実施の形態4に係わり回転軸、第1軸受および第2軸受をフレームの中心軸に対して傾けた様子を示す断面説明図である。
【図16】 実施の形態4による軸受調芯組立方法を説明するフローチャートである。
【図17】 スクロール圧縮機の構成を示す断面説明図である。
【図18】 従来の軸受調芯組立方法および軸受調芯組立装置を説明するための図である。
【符号の説明】
1 円筒シェル、2 ステータ、3 ロータ、4 回転軸、5 第1軸受、6第2軸受、7 電動機部分、8 圧縮部、10 回転機構、12 ネジ穴、13 フレーム、33 回転軸支持機構、34 円筒シェル保持機構、35 第2軸受クランプ機構、40 フロート部、41 フロート機構、42 XYテーブル、44 第2軸受傾斜モーメント付加機構、45 回転軸傾斜モーメント付加機構、46 駆動軸、47 モータ、48 軸連結部、49 芯ずれ計測機構、50 平行度計測機構、51 連結爪、52 芯ずれ調整機構、53 平行度調整機構、54 第2軸受保持機構、55 溶接機構、62 ボルト、63 第1軸受水平位置計測機構、64、65 第1軸受傾き計測機構。
Claims (12)
- 円筒シェル内周の両端部にそれぞれ配置されて回転軸を支持する第1および第2軸受を調芯して組み立てる方法であって、
第1軸受を、動かないように保持された上記円筒シェル内の所定位置に保持し、上記回転軸の所定位置に第1軸受および第2軸受を嵌合させた状態で上記回転軸および第2軸受を第1軸受の中心軸に対して所定の力で傾けて上記回転軸および第2軸受の傾き方向を連続的に変化させて揺動運動させるとともに、上記揺動運動の際、上記回転軸を回転運動させ、上記回転軸および第2軸受を傾ける方向と上記回転軸の回転角度を同期させたときの第1軸受に対する第2軸受の相対的な、傾き移動限界および上記第1軸受の中心軸に直交する方向での移動限界を検出する第1工程と、
第1工程で得られた上記移動限界の情報に基づいて第1軸受に対する第2軸受の目標位置および目標姿勢を求める第2工程と、
第2軸受を上記第2工程で求められた目標位置および目標姿勢に位置決めし、その状態で保持する第3工程と、
第1軸受を保持されている位置で上記円筒シェルに固定する第4工程と、
第2軸受を保持されている位置で上記円筒シェルに固定する第5工程と
を備えたことを特徴とする軸受調芯組立方法。 - 第1工程の前に第4工程が実施され、第1工程において、第1軸受が上記円筒シェル内の所定位置にあらかじめ固定されていることを特徴とする請求項1に記載の軸受調芯組立方法。
- 回転軸における第1軸受が嵌合する部分の軸心に対して第2軸受が嵌合する部分の軸心がずれていることがあらかじめ分かっている場合に、上記回転軸および第2軸受を第1軸受の中心軸に対して傾ける方向を、上記ずれている方向と一致させて、上記揺動運動および上記回転軸の回転運動を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の軸受調芯組立方法。
- 第1工程において、回転軸および第2軸受の揺動運動を正転方向と逆転方向の両方向について行い、それぞれの方向における第1軸受に対する第2軸受の相対的な、傾き移動限界および上記第1軸受の中心軸に直交する方向での移動限界を検出して正転方向と逆転方向の上記各移動限界の平均値を算出し、第2工程において、各移動限界の平均値の情報に基づいて第1軸受に対する第2軸受の目標位置および目標姿勢を求めることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の軸受調芯組立方法。
- 円筒シェル内周の両端部にそれぞれ配置されて回転軸を支持する第1および第2軸受を調芯して組み立てる方法であって、第1軸受が上記円筒シェルの一端部に固定されたフレームにより上記回転軸に沿って直動自在に保持される場合に、
上記第1軸受を直動自在に保持したフレームを、動かないように保持された上記円筒シェル内の所定位置に保持し、上記回転軸の所定位置に第1軸受および第2軸受を嵌合させた状態で上記回転軸、第1軸受および第2軸受を上記フレームの中心軸に対して所定の力で傾けて上記回転軸、第1軸受および第2軸受の傾き方向を連続的に変化させて揺動運動させるとともに、前記揺動運動の際、上記回転軸を回転運動させ、上記回転軸、上記第1軸受および第2軸受を傾ける方向と上記回転軸の回転角度を同期させ、上記回転軸を回転運動させたときの、上記フレームに対する第1軸受の相対的な傾き移動限界、並びに上記フレームに対する第2軸受の相対的な、傾き移動限界および上記フレームの中心軸に直交する方向での移動限界を検出する第1工程と、
第1工程で得られた上記移動限界の情報に基づいて上記フレームに対する第2軸受の目標位置および目標姿勢を求める第2工程と、
第2軸受を上記第2工程で求められた目標位置および目標姿勢に位置決めし、その状態で保持する第3工程と、
上記フレームを保持されている位置で上記円筒シェルに固定する第4工程と、
第2軸受を保持されている位置で上記円筒シェルに固定する第5工程と
を備えたことを特徴とする軸受調芯組立方法。 - 第1軸受、第2軸受またはフレームを円筒シェルに固定する方法がスポット溶接であり、周方向に均等な間隔で配置された少なくとも3箇所で上記円筒シェルと第1軸受、第2軸受またはフレームを溶接固定することを特徴とする請求項1または5記載の軸受調芯組立方法。
- 円筒シェル内周の両端部にそれぞれ配置されて回転軸を支持する第1および第2軸受を調芯して組み立てる装置であって、
第1軸受を保持する第1軸受保持手段と、
第2軸受を保持する第2軸受保持手段と、
上記円筒シェルを保持する円筒シェル保持手段と、
上記第2軸受保持手段を、第2軸受の中心軸まわりの回転方向を拘束し、第2軸受の中心軸方向および該中心軸方向に対し直交する方向の並進自由度と第2軸受の中心軸に直交する軸まわりの回転自由度を可動的に支持する第2軸受支持手段と、
上記回転軸を、その軸方向位置を拘束し回転および傾き可能に支持する回転軸支持手段と、
上記回転軸を回転させる回転力を発生する回転力発生手段と、
上記回転軸に上記回転力発生手段の回転力を伝達する回転力伝達手段と、
上記回転軸を傾ける回転軸傾斜モーメント付加手段と、
上記回転軸の傾き方向と一致する方向に第2軸受を傾ける第2軸受傾斜モーメント付加手段と、
第2軸受の軸受調芯組立装置に対する位置および姿勢を計測する第2軸受計測手段と、 上記第2軸受計測手段によって計測された結果に基づき第2軸受の目標位置および目標姿勢を計算する計算手段と、
第2軸受を上記目標位置および目標姿勢に位置決めしその状態で保持する位置決め手段と、
第1軸受および第2軸受をそれぞれ上記円筒シェルに固定する固定手段とを備え、
上記回転軸傾斜モーメント付加手段による回転軸の傾き方向および上記第2軸受傾斜モーメント付加手段による第2軸受の傾き方向と回転軸の回転角度とを同期させるように構成したことを特徴とする軸受調芯組立装置。 - 第1軸受が円筒シェル内の所定位置にあらかじめ固定されている場合に、第1軸受固定手段が円筒シェルを保持し、上記第1軸受保持手段が円筒シェル保持手段を兼ねることを特徴とする請求項7記載の軸受調芯組立装置。
- 第1軸受の円筒シェル開口側の端面に複数のネジ穴が設けられている場合に、第1軸受保持手段が、上記複数のネジ穴にそれぞれ螺合する複数のボルトを有することを特徴とする請求項7記載の軸受調芯組立装置。
- 第1軸受の軸受調芯組立装置に対する位置および姿勢を検出する手段を備えたことを特徴とする請求項7記載の軸受調芯組立装置。
- 第2軸受計測手段が、非接触式の変位センサからなることを特徴とする請求項7記載の軸受調芯組立装置。
- 円筒シェル内周の両端部にそれぞれ配置されて回転軸を支持する第1および第2軸受を調芯して組み立てる装置であって、第1軸受が上記円筒シェルの他端部に固定されたフレームにより上記回転軸に沿って直動自在に保持される場合に、
上記フレームを保持するフレーム保持手段と、
第2軸受を保持する第2軸受保持手段と、
上記円筒シェルを保持する円筒シェル保持手段と、
上記第2軸受保持手段を、第2軸受の中心軸まわりの回転方向を拘束し、第2軸受の中心軸方向および該中心軸方向に対し直交する方向の並進自由度と第2軸受の中心軸に直交する軸まわりの回転自由度を可動的に支持する第2軸受支持手段と、
上記回転軸を、その軸方向位置を拘束し回転および傾き可能に支持する回転軸支持手段と、
上記回転軸を回転させる回転力を発生する回転力発生手段と、
上記回転軸に上記回転力発生手段の回転力を伝達する回転力伝達手段と、
上記回転軸を傾ける回転軸傾斜モーメント付加手段と、
上記回転軸の傾き方向と一致する方向に第1軸受を傾ける第1軸受傾斜モーメント付加手段と、
上記回転軸の傾き方向と一致する方向に第2軸受を傾ける第2軸受傾斜モーメント付加手段と、
第1軸受の軸受調芯組立装置の基準に対する姿勢を計測する第1軸受計測手段と、
第2軸受の軸受調芯組立装置の基準に対する位置および姿勢を計測する第2軸受計測手段と、
上記第1および第2軸受計測手段によって計測された結果に基づき第2軸受の目標位置および目標姿勢を計算する計算手段と、
第2軸受を上記目標位置および目標姿勢に位置決めしその状態で保持する位置決め手段と、
上記フレームおよび第2軸受をそれぞれ上記円筒シェルに固定する固定手段とを備え、
上記回転軸傾斜モーメント付加手段による回転軸の傾き方向、上記第1軸受傾斜モーメント付加手段による第1軸受の傾き方向および上記第2軸受傾斜モーメント付加手段による第2軸受の傾き方向と回転軸の回転角度とを同期させるように構成したことを特徴とする軸受調芯組立装置。
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