JP4348016B2 - 許容角度および選択的透過が強化された多層反射器 - Google Patents
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Description
技術分野
本発明は、一般に多層反射器に関し、特に、選択的透過を行う多層誘電反射器に関する。
【0002】
背景技術
多層誘電反射器は、多くの場合、反射と透過との間にある電磁スペクトルの部分を仕切るために使用される。多層誘電反射器は、一般に、少なくとも2種類の異なる材料から成る多数の層を光学積層体内に使用する。異なる材料は、積層体の少なくとも1つの平面内軸線に沿って実質的に異なる屈折率を有し、各層の界面において光を実質的に反射する。代表的な誘電反射器の場合、吸収は非常に少ない。意図する用途に応じて、誘電積層体は、電磁スペクトルの広い領域、この領域の特定部分、1種類の偏光などを反射するように構成することができる。誘電積層体は、垂直入射角および/または視射入射角で入射する光を反射するように構成することもできる。
【0003】
ある種の多層誘電反射器は、薄膜を基板上に順次配置して形成される。この方法を使用すると、個々の層各々の厚さは、所望の反射帯域プロファイルが得られるように入念に調節することができる。誘電反射器を形成するための別の方法は、同時押出しポリマー層を使用して光学積層体を形成する。各種の反射器では、より多くの層を使用すると、結果として得られる誘電反射器の性能が改善される傾向がある。
【0004】
発明の開示
本発明は、一般に、反射器の透過特性を変えるために選択的に処理される誘電反射器に関する。誘電反射器の反射および透過特性は、たとえば、反射器の一方の表面に入射する光の伝播角度を変え、対向する表面で反射器から光を抽出することができるように表面を処理することにより局所的に選択的に変えることができる。
【0005】
一実施態様では、反射器は、異なる屈折率を有する少なくとも2種類の異なる材料を含む光学的反復ユニットの誘電積層体を備える。この積層体は、積層体内で伝播する光が、空気を含む積層体の界面で内部全反射を生じる臨界角を有する。誘電積層体に光学的に結合された第1表面は、臨界角を超える伝播角度で第1表面上に入射する光の少なくとも一部を誘電積層体に結合するように選択的に処理される。第2表面は、臨界角を超える角度で誘電積層体中を伝播する光の少なくとも一部を誘電積層体から離して選択的に処理される。臨界角を超える伝播角度で積層体にまたは積層体から離して光を結合する結合効率は、少なくとも一方の表面における誘電積層体の様々な領域で異なる。
【0006】
多くの誘電反射器は、本発明の様々な実施態様と組み合わせて使用するのに適する。適切な反射器としては、ポリマー多層ミラーおよび偏光フィルム、蒸着誘電ミラーなどが挙げられる。積層体に選択的に光を結合し、積層体から選択的に光を離すには、様々な処理を使用することができる。選択的に処理されたこうした反射器は、多くの有用な物品の一部として使用することができる。たとえば、均一に照明される標識は、標識の一方の面を選択的に処理して標識上の標示を変えることができるように製造することができる。
【0007】
本発明の上記の概要は、各々の具体的な実施態様または本発明のすべての実施を説明することを意図するものではない。以下の図面および詳細な説明は、これら実施態様をさらに詳細に具体的に示す。
【0008】
好適な実施態様の詳細な説明
本発明は、一般に多数の異なる多層反射器に適用され、特に多層誘電ミラーおよび偏光子に適する。こうした反射器の特定の実施例は、本発明の様々な態様を説明しやすくするために以下に記載するが、本発明をこれら実施例の詳細に限定することを意図するのではない。
【0009】
本発明の様々な実施態様では、多層誘電反射器を透過する光の量は、選択的に増加させることができる。多層誘電反射器は、誘電積層体の基本的な構成ブロックを形成する光学的反復ユニットから一般に構成される。光学的反復ユニットは、高屈折率の材料および低屈折率の材料から成る2つ以上の層を一般に備える。これら構成ブロックを使用すると、多層反射器は、赤外波長、可視波長または紫外波長および直交する特定の対の偏光を反射するように設計することができる。概して、積層体は、以下の関係により層の光学的厚さを調節して、特定の波長λの光を反射するように構成することができる:
λ=(2/M)×Dr
ここで、Mは反射光の次数を表す整数であり、Drは光学的反復ユニットの光学的厚さである。一次反射の場合、光学的反復ユニットの厚さはλ/2である。単純な1/4波積層体は、各々の層がλ/4に相当する。広帯域反射器は、各積層体または積層体の組合せ全体で層の厚さが連続して段階的に変化する複数の1/4波積層体を備えることができる。代表的な多層反射器は、非光学層をさらに備える。たとえば、同時押出しポリマー誘電反射器は、反射器膜の形成を促進し、反射器を保護するために使用される保護境界層および/または表皮層を備える。本発明に特に適するポリマー光学積層体は、公開PCT特許出願第WO 95/17303号「Multilayer Optical Film」(多層光学フィルム)、および同時係属特許出願第09/006/591号「Color Shifting Film」(色変位フィルム)に記載されており、これら特許は、引用することにより本明細書に包含する。以下に記載する様々な実施例は、1/4波積層体であるが、本発明は単純な1/4波積層体に限定されるのではなく、たとえば、コンピュータにより最適化された積層体および層厚さが無作為な積層体などのような誘電積層体に、より一般的に適用される。
【0010】
誘電積層体による特定波長の光の反射は、一部には、積層体を通る伝播角度によっても左右される。多層反射器は、特定角度において積層体内を伝播する光に対する反射帯域プロファイル(たとえば、帯域中心および帯域端部)を有すると考えられる。この帯域プロファイルは、積層体内における伝播角度が変化すると変化する。積層体内における伝播角度は、概して、積層体内および周囲媒体の材料の入射角および屈折率の関数である。積層体内における伝播角度が変化する時の反射帯域プロファイルの帯域端部の変化は、角度に応じた積層体の帯域端部の変位と考えられる。一般に、考察中の材料の場合、垂直入射光に対する反射器の帯域端部は、空気中で斜入射で観察した場合の当該垂直入射光の約80%まで変位する。対照的に、金属構成要素を有する誘電多層は、こうした著しい変位を示さない。
【0011】
殆どの誘電積層体は別個の層を含むが、ルゲートフィルタ、つまり屈折率が、フィルムまでの深さの関数として周期的だが連続的に変化するフィルムの場合にも、類似の角度挙動が存在する。さらに、円形偏光を反射するコレステロール液の結晶などのようなキラル構造を持つ材料は、光の伝播角度に応じて帯域端部が類似の変位を示す。一般に、球状粒子、たとえばオパールの規則正しい積層体などのような珍しい材料を含むブラッグ反射器はこうした作用を示し、本発明に含まれる。
【0012】
反射帯域プロファイルの角度依存(たとえば、角度に応じた帯域端部の変位)は、有効層厚さの変化によって生じる。複屈折誘電層の場合、入射角度による有効屈折率の変化は、反射帯域プロファイルにも影響を与える。反射帯域プロファイルの角度依存は著しく目立ち、正または負の複屈折材料を積層体に使用している場合、反射帯域は、角度が垂直入射から増加するにつれて、より短い波長に向かって変位する。特定層を貫通する全体の経路の長さは角度に応じて変化するが、角度による帯域位置の変化は、角度による層を貫通する経路全体の長さの変化に依存しない。むしろ、帯域位置は、特定層の上面および下面から反射する光線間の経路の長さの差によって決まる。こうした経路の差は、特定層が1/4λ厚の層として同調される波長λを計算するために使用される周知の公式n×d×cosθで示される入射角に応じて減少する。2軸延伸PETおよびPENなどのような負の1軸複屈折層の場合、有効屈折率nは、cosθと同様にp偏光の入射角に応じて減少するが、cosθはより急激に減少する。負の1軸複屈折層を含む積層体の場合、この層の有効屈折率はp偏光の入射角に応じて減少するため、p偏光の帯域中心は、入射角に応じてs偏光の帯域中心よりも高速度で移動する。特定のストップバンドの帯域幅は、s偏光の入射角に応じて増加するが、p偏光の場合、この帯域幅は、平面内および平面外(z軸)屈折率差の相対的な符号に応じて、入射角に応じて減少または増加する。場合によっては、sおよびp偏光の低波長(青色)帯域端部は、すべての入射角全体で一致するが、長波長(赤色)帯域端部は、入射角の関数として分離する。この問題の完全な説明は、上記の同時係属特許出願第09/006,591号「Color Shifting Film」(色変位フィルム)に記載されている。
【0013】
上記は、反射帯域プロファイルの帯域端部が角度の関数としてどのように変化するかに関する説明である。本明細書で使用する場合、「帯域端部」という用語は、概して、多層反射器が実質的反射から実質的透過に変化する領域を意味する。この領域はかなり鋭利であり、単一波長として記述される。他の場合には、反射と透過との間の遷移は、より漸進的であり、中心波長および帯域幅に関して記述される。しかし、何れの場合にも、反射および透過の実質的な相違は、両側の帯域端部に存在する。
【0014】
特定波長の光の場合、誘電積層体の帯域端部も、誘電積層体内における伝播角度の関数として扱われる。特定波長の光は、増加する伝播角度で(反復ユニットの界面に垂直な軸線から測定して)積層体内を伝播するので、光は帯域端部に接近する。一実施例では、伝播角度が十分に大きいと、積層体はこの特定波長の光に対して実質的に透過性になり、光は積層体を貫通して透過する。したがって、特定波長の光の場合、積層体は、ある値未満で積層体が光を実質的に反射する関連伝播角度と、ある値を超えると積層体が実質的に光を透過するもう1つの伝播角度とを有する。したがって、特定の多層積層体の場合、光の各々の波長は、ある値未満で実質的な反射が生じる対応角度と、ある値を超えると透過が生じる対応角度とを有すると考えられる。関連する波長では、帯域端部が鋭利になればなるほど、これら2つの角度は接近する。
【0015】
上記は、特定の積層体内において特定波長の光が、伝播角度が増加するにつれて反射から透過に変位する方法を説明するものである。帯域端部は、誘電積層体における伝播角度に応じて変位するので、光の特定の波長も、透過状態から反射状態に変位することが分かるであろう。したがって、これら波長の光の場合、積層体は、ある値を超えると積層体が光を実質的に反射する関連伝播角度と、ある値未満で積層体が光を実質的に透過する伝播角度とを有する。したがって、光の各々の波長は、光が実質的に反射される対応する群の伝播角度と、光が実質的に透過される別の群の角度とを有すると一般に考えられる。2つの群のうち、どちらの伝播角度がより大きいかは、誘電積層体の帯域プロファイルによって決まる。以下に詳細に説明するように、2つの群のうち、伝播角度が大きい方の群は、誘電積層体に選択的な表面処理を施して、当該臨界角の伝播角度、または当該臨界角を超える伝播角度で積層体にかつ積層体から離して光を結合することができる臨界角を含む。
【0016】
上記の考察を適用すると、規定の角度範囲上で誘電積層体に入射する特定帯域の光を所望どおりに反射および/または透過する誘電積層体を設計することができる。たとえば、広帯域可視ミラーは、多層積層体による反射の伝播角度依存を考慮して、表面に垂直に入射する光の反射帯域幅を、可視スペクトルを超える範囲まで拡張して構成される。しかし、スネルの法則により、等方性媒体から平坦な表面に入射する光の場合、誘電積層体内における最大伝播角度は制限されることが分かるである。概して、全角度で入射する光を反射するミラーの可視スペクトル全体を包含するには、ミラーが、多層積層体に使用される特定材料に関するスネルの法則により許容される最大角度の伝播角度を有する光を反射するように、帯域幅を拡張する。
【0017】
図1を参照すると、反射器100の一部が示されている。多層誘電積層体105の対向する表面103および109の部分101および107は、積層体内でより大きい伝播角度で積層体におよび/または積層体から離して光を結合するように処理される。誘電積層体105は、一般に、所望の反射帯域プロファイルを有するように設計された光学的反復ユニットの多層積層体である。多層誘電積層体105は、屈折率が異なる2種類以上の誘電材料の層を使用する適切な多層反射器で良く、たとえば同時押出しポリマー複屈折多層反射器、真空蒸着されて、有機、無機および/または等方性材料などから製造された誘電反射器が挙げられる。積層体105は、1つまたは複数の非光学層(たとえば、誘電反射器105の表面103および109を形成する表皮層)をさらに含む。「積層体」という用語は、屈折率が周期的に変動してブラッグ反射器として作用する任意の材料を含むことも意図している。
【0018】
表面103および109に施される処理は、一般に、積層体の反射帯域端部に関連して角度θrより大きい誘電積層体内における伝播角度θpを有する光を積層体と周囲媒体との間に結合するために行われる。誘電反射器が、たとえば、空気中においてすべての角度で入射する可視光に対する広帯域ミラーとして構成される場合、反射角度θrは、スネルの法則により積層体内に許容される最大角度、および積層体を射出する光に関して内部全反射(TIR)が生じる角度に相当する。この場合、表面処理は、典型的な平板上界面においてスネルの法則により許容される角度より高角度で積層体に光の一部を結合し、TIRの角度を超える角度で積層体内を伝播する光の一部を積層体から離して結合する。このような場合、処理は、一般に、処理と光学積層体との間に空気の界面が介在しないように、積層体に光学的に結合しなければならない。
【0019】
本明細書で説明するように、「平面状」、「平行な平面」という用語、および「スネルの法則」に言及する場合は、ほぼ平面に近いフィルムの局所的領域を指す。その結果、入射角は局所的な接平面を意味する。したがって、単純であるかまたは複合的な湾曲を示すフィルムも含まれる。たとえば、円筒または球上に塗布されたフィルム、または円筒状に巻かれたか、さもなければたとえば熱成形により複雑な形状に賦形された多層ポリマーフィルムも含まれる。
【0020】
図1に示す実施態様では、反射器100を透過する光の量は、表面が処理されている場合は増加する。表面の処理済み部分および未処理部分で反射する光の量は、処理の種類およびフィルムの構成によって決まる。一般に、反射器100の処理済み部分と未処理部分との間の透過の差は、これら2つの領域間に明確なコントラストを得るのに十分であることが望ましい。たとえば透過状態の広帯域可視ミラーの場合、処理済み部分以外では、光は本質的に観察されない。以下にさらに詳細に記載するように、表面に様々な表面処理を施して、伝播角、射出表面反射角、および反射器中を透過する光の量を変えることができる。場合によっては、表面の未処理部分において誘電積層体が反射する入射光のすべての波長の光を処理済み部分に透過させることが望ましいことがある。これは、表面処理により、積層体が波長に対して透過性になる伝播角度で各波長の光を誘電積層体に結合し、また誘電積層体から離れて結合する。
【0021】
上記のとおり、本発明の実施態様により、誘電反射器の入射および射出表面は、光を選択的に反射器に透過するように処理することができる。こうして、様々な処理を誘電反射器の各部分に選択的に施して、反射器の処理済み部分と未処理部分との間、または異なる処理が施された反射器の各部分の間にコントラストを生じさせることができる。たとえば、ミラーは、射出側から観察した場合に、処理済み部分でのみ光を透過するか、またはミラーの異なる方法で処理された部分で異なるように光を透過するように製造することができる。反射器から選択的に漏洩する光の量は、一部には、光が、本質的に透過性の積層体内における伝播角度で誘電積層体に結合し、また誘電積層体から離れて結合される効率によって決まる。反射器の少なくとも一方の表面上の異なる位置の結合効率を変えることにより、所望のコントラストが得られる。一般に、この結合効率は、まったく結合しない状態から高度に結合する状態に変えることができる。たとえば、さもなければ高効率の反射器、たとえば、引用することにより本明細書に包含する公開PCT特許出願第WO95/17303号「Multilayer Optical Film」(多層光学フィルム)に記載されている反射器は、表面の未処理部分に入射する光に関してスネルの法則により許容される伝播角度を超える伝播角度で光を反射器に結合し、また反射器から離れて結合することにより、処理済み部分で著しく透過するように選択的に処理することができる。以下により詳細に説明するように、様々な処理を表面の様々な部分に施して、たとえば、これら領域における結合効率の程度を変えることにより、コントラストにさらに漸進的な差を提供することができる。結合程度を変える方法を使用すると、不均一に照明された反射器を均一に透過させることもできる。特定の表面処理またはその一部は、多様な方法で誘電反射器に比較的容易に施すことができる。さらに、場合によっては、処理を除去して、反射器を未処理時の反射性に戻すことができる。
【0022】
上記のとおり、多層積層体内における光の伝播角度を増加させることにより、誘電反射器の反射帯域端部を効果的に変位させて、光を多層積層体に選択的に透過させることができる。特定の誘電積層体の場合、積層体が入射光に対して透過性になる角度は十分に小さいので、射出表面処理を施さなくても、光は積層体から射出することができる。しかし、多くの誘電積層体の場合、広帯域可視ミラーのように、透過伝播角度は、積層体の平面状射出表面におけるTIRの臨界角より大きい。したがって、光を積層体から射出させるには、射出表面も、積層体から離れて高角度の光を結合するように処理する。以下にさらに詳細に説明するように、様々な表面処理は、高伝播角度の光を積層体にまた積層体から離れて結合するのに用いることができる。たとえば、空気に比べて積層体材料の屈折率により一致する屈折率を有する媒体内の散乱光を使用すると、高角度の光を積層体に結合し、また積層体から離れて光を結合することができる。構造化表面を使用しても、入射平面の角度を変えることができる。
【0023】
入射表面および射出表面の媒体が同じ屈折率を有し、同一の等方性媒体、たとえば空気中に浸漬される場合、射出表面におけるTIRの角度は、スネルの法則により許容される入射表面の媒体中の最大伝播角度と同じである。したがって、光線がより高角度で積層体に入るように処理すると、より高角度の光を多層積層体の射出表面から射出させることができる。特定の誘電反射器の場合、一方の表面全体を処理し、なおかつ対向する表面上の同様に処理された積層体の部分においてのみ光を漏洩させることができる。本発明は、誘電またはブラッグ反射器に一般に適用されるが、本明細書に記載する方法および処理は、同時押出し多層誘電反射器に使用するのに特に適する。等方性誘電反射器は比較的厚い基板上に一般に配置され、こうした基板は、たとえば光が基板の両面から射出する、対向する面の処理の見当が合っていないなどにより、効果が低下する傾向がある。しかし、同時押出し誘電反射器は、別個の基板を必要としない。
【0024】
上記のとおり、多層反射器の表面は、光の一部を周囲媒体と反射器との間に結合し、結合された光が、反射器が光に対して透過性になる角度で反射器内を伝播するように、様々な方法で処理することができる。図2は、2種類のこうした結合処理作業を略図で示す。図2では、多層反射器の対向表面203および205の部分は、高角度で伝播する光を反射器201に結合し、また反射器201から離れて光を結合するように処理される。反射器の入射面および射出面は、概して置き換えることができる点に注意する。しかし、説明しやすくするために、これら2つの表面は、入射表面203および射出表面205と記載する。周知のとおり、2つの表面全体の結合効率は、表面の異なる領域では変化する。
【0025】
光線207は、入射表面 203の未処理部分に入射する。光は、入射表面203の平面に入射する光に関してスネルの法則により決定される最大角度で多層積層体内を伝播する。広帯域ミラーの場合、光線207は、多層積層体の構成によって決まる効率で反射する。たとえば、上記の公開PCT特許出願第95/17303号に開示されているような高効率の同時押出し多層積層体を使用する場合、入射光の1%未満は、積層体の射出表面(裏面)205から射出する。光線209は、入射光を広い範囲の角度で多層反射器内に前方散乱させるように処理された入射表面203の部分211に入射する。光のある部分は、散乱はするが、積層体の未処理部分に入射する光に関するスネルの法則により許容される角度以下である積層体内における伝播角度を有する。次に、この光は、入射表面203の未処理部分に入射する光と同じ程度まで積層体によって反射されるが、より拡散して反射する。
【0026】
光線209の他の部分215は、反射器が光を反射するように設計されている角度を超える角度で散乱する。したがって、散乱は、多層積層体によって透過される角度で、入射光のこの部分を多層反射器に効果的に結合する。反射器がたとえば広帯域ミラーである場合、最大反射角度は、表面の平面に入射する光に関してスネルの法則で許容される最大角度に相当する。こうした場合、より高角度の光線は、高伝播角度の光を積層体201から離れて結合するように裏面も処理されている部分217を除く射出表面でTIRを生じる。周知のとおり、反射器の少なくとも一方の表面に沿って高角度の光の結合効率を変えることにより、積層体201を透過する光の量は、いくつかの領域(たとえば、光線209)が他の領域(たとえば、光線207)よりも多くなる。表面処理の配置および/または結合効率を調整することにより、所望の透過プロファイルを得ることができる。
【0027】
図2は、光を周囲媒体と反射積層体201との間に結合する屈折光学要素の使用も示す。光線218は、光学層の平面に平行ではない表面構造を有する多層積層体201の部分219に入射する。光線218は、光がこの層に平行な表面に入射した場合にスネルの法則により許容される角度より高角度で多層積層体201内に光を効果的に結合するように、構造化表面により屈折される。射出表面も、TIRを防止し、反射せずに多層積層体218から離れて光を結合するように処理される。図示の実施例では、光は、射出表面205に形成された第2構造220により積層体から分離される。構造化結合処理は、光が積層体に方向付けられる伝播角度をより正確に画定するので、こうした方法は、たとえば光の拡散散乱を利用する処理よりも高角度で、より多くの光を積層体に結合し、また積層体から離れてより多くの光を結合するために使用される。
【0028】
上記の実施例から分かるとおり、代表的な未処理多層誘電反射器は、光の入射角度と積層体内の伝播角度(スネルの法則により指示される)との直接的な関係を示す。入射角と伝播角度との関係は、高伝播角度の光を積層体と周囲媒体との間に結合するように表面を処理して(たとえば、光を散乱させるかまたは屈折させて)変えることができる。この表面処理は、積層体と光学的に接触する追加の層、表面に施されるテクスチャー加工などの形態で良い。処理は、光学積層体の表面に光学的に結合されるもう1つの層または材料(たとえば、表皮層)に施しても良い。積層体の層の屈折率が大きければ大きいほど、積層体内の伝播角度に対する制約は少なくなる。散乱層と誘電ミラーとの間に介在する低屈折率の層は、積層体内の最大伝播角度を減少させる。
【0029】
上記のとおり、多層積層体を透過するように伝播角度を増加させなければならない角度は、積層体の構成によって決まる。垂直入射において特定の赤色帯域端部を有する薄膜積層体の場合、入射角の関数としての赤色帯域端部の位置は、先行技術で公知の薄膜設計技術を使用して計算することができる。単純な1/4波積層体の帯域端部の遷移を具体的な例として、以下に示す。この挙動を説明するために使用する積層体構造は、垂直入射における中心波長が855nmであるPEN(no=1.75、ne=1.50)およびPMMA(n=1.5)の1/4波積層体である。長波長または赤色端部は、垂直入射(0°)において900nmにある。空気中における斜入射(90°)の限度では、長波長または赤色端部は、s偏光の場合は732nmに、p偏光の場合は675nmに変位する。入射媒体の屈折率が増加するにつれて、この変位は増加する。p偏光とs偏光の両方の場合を示すが、p偏光の場合により大きい変位が生じる。帯域端部が400nm未満の値まで変位すると、誘電ミラーは本質的に透明かつ無色になる。鋭利な帯域端部の場合、420nm未満まで変位すれば、平均的な観察者にとってミラーが本質的に透明になるのに十分である。
【0030】
図3Aおよび図3Bのグラフは、それぞれp偏光およびs偏光の場合について、上記の1/4波積層体の各種入射媒体に関する入射角の関数である予想赤色帯域端部の位置を示す。特に、曲線301および311は、入射媒体の屈折率が1.0(空気)の場合であり、曲線302および312は、屈折率が1.4の場合、曲線303および313は、屈折率が1.5の場合、曲線304および314は、屈折率が1.6の場合、曲線305および315は、屈折率が1.75の場合である。
【0031】
屈折率が最大の媒体は、透明性に対して最小角度を生じ、図3Aでは、p偏光の場合は約50°である。この帯域は、s偏光の場合、図3Bに示すように50°では完全に透明ではない。つまり、この帯域端部は、どの入射媒体の場合も425nm未満に変位しないので、より短い波長の可視光の場合、依然として多少の反射が生じる。その結果、透過光は、特定積層体の帯域端部の傾斜に応じてわずかに着色される。赤色帯域端部を400nm未満に完全に変位させるには、たとえば積層体の屈折率が異なるか、または垂直入射においてより短い赤色帯域端部で開始するなど、異なる積層体構造を使用することができる。
【0032】
上記の説明に従って、入射光のすべての波長の少なくとも一部について、帯域が400nm未満に変位するように処理を適切に選択すると、より高角度で結合する光に対して多層積層体を本質的に透明にすることができる。入射媒体の屈折率が増加すると、角度に応じた波長の変位が大きくなり、長波長の帯域端部が400nm未満まで減少する角度も減少する。たとえば、屈折率が1.5の入射媒体の場合、64°を超える角度で散乱するp偏光光線は、誘電反射器を透過する。屈折率が1.75の場合(等方性材料)、角度は、p偏光では約50°減少する。屈折率がより大きく、たとえば4.0台である場合、角度は20°未満に減少する。したがって、散乱粒子が、屈折率が非常に大きい結合層中で分散している場合、光線が散乱するはずの角度は小さい。
【0033】
表Iは、入射媒体における散乱角度であって、中心波長が855nm、垂直入射における長波長帯域端部が900nmの単純な1/4波積層体の長波長帯域端部が、400nm未満の波長に変位する散乱角度を示す。
【0034】
【表1】
【0035】
どの入射媒体についても、s偏光では、帯域端部が400nm未満に変位する角度はないが、p偏光では、帯域端部は多くの場合に400nm未満に変位する点に注意すること。しかし、図3Bから、高角度では、s偏光成分の帯域端部は、屈折率が1.5以上の入射媒体では約430nmに変位し、大多数の青色光がミラーを通過することが可能である点に注意すること。
【0036】
入射媒体が空気である場合、スネルの法則は、光学層内の角度をPENの場合は最大約35°、CoPENの場合は最大約38°、PMMAの場合は最大約42°に制限する。これら材料は、同時押出し多層誘電反射器フィルムに使用するのに良く適する材料である。スネルの法則によって課せられるこの限度は、誘電体帯域変位を約25%に制限する。積層体の変位した帯域端部が約400nmから700nmの間に位置する場合、多層積層体は色を呈する。多層積層体内における光線の伝播角度を増加することにより、帯域変位は50%を超えて増加させることができる。屈折率が低い積層体材料の場合、最大伝播角度は90°まで増加させることができる。その結果、通常400nmから900nmの間に位置するこうした材料の反射帯域を可視範囲未満に完全に変位させることにより、高度の透過レベルおよび反射の減少が可能になる。角度および多層積層体を貫通する透過に応じた色の変位は、伝播角度を増加するために使用される処理、帯域の位置決め、および観測角に応じて強化することができる。
【0037】
入射材料の屈折率が積層体内の最小屈折率より大きい場合、内部全反射(TIR)は、特に屈折率が低い層が1/4波より実質的に厚い場合に、積層体内で生じる可能性がある。屈折率が低い層の界面におけるTIRは、光が、適切な表面処理により光を抽出できるフィルムの裏面に達するのを妨げる。たとえば幾何学的に構造化した表面または内部散乱中心を有する複屈折表皮層など、複屈折表面処理の場合、TIR角度は、s偏光の場合とp偏光の場合とで同じではない。どちらの場合も、積層体自体の内部でTIRが生じると、特定の積層体に関して帯域端部が変位する程度が制限される。光学積層体の構造に応じて、減衰内部全反射として一般に周知されている現象が生じ、角度が、屈折率が低い層の臨界角より大きい場合にも、実質的な量の光が積層体を通過することができる。こうした積層体構造の1つの主な要件は、屈折率が低いどの層も、1/4波台よりも実質的に厚くないことである。
【0038】
上記は、多層積層体の表面に施された処理により散乱する光を主に対象としているが、上記の説明は、表面の屈折によって多層積層体内で角度が増加した光線にも適用されることがわかるであろう。一般に、高屈折率の媒体からの入射角が大きい場合、全反射は、屈折率がより小さい媒体の表面で生じる。屈折率が低い層の厚さが、光の波長に比べて薄い場合、全反射は減衰され、多少の光が界面から漏洩する可能性がある。また、中間の層は、多層積層体の光学層と、伝播角度を変更するために使用される処理部分との間に形成される点にも注意すべきである。たとえば、表皮層は、多層積層体の光学層を囲む。この場合、表皮層と、積層体を貫通する伝播の角度を変更するために使用される材料との屈折率差を考慮しなければならない。
【0039】
上記のとおり、誘電反射器の表面に様々な処理を施して、反射器を貫通する透過を増加することができる。一般に、反射器の両面を処理すると、透過を強化することができる。使用する処理の種類は、サンプルにより透過が増加する量に影響を及ぼす。処理は、追加層として、もしくは誘電反射器の表面に対するコーティングとして施すか、またはたとえば、拡散粒子を表皮層、保護境界層に組み込むなど、反射器の既存の層中に組み込むことができる。表面処理のスペクトル特性も、たとえば着色染料または顔料を表面処理に組み込むことにより加減することができる。こうした処理は、各種の多層誘電反射器に使用することができる。たとえば、さもなければ反射される光の透過を増加することは、広帯域可視ミラー、狭帯域ミラー、反射偏光子などで可能である。様々な表面処理および技術について、実施例により以下に説明するが、この説明は制限する意図はなく、本発明を分かりやすくするために記載するものである。
【0040】
図4は、拡散層405により処理された表面403を有する多層反射器401の一部を示す。拡散層405は、結合剤409中に配置された多数の拡散要素407を含む。拡散層405は、光が拡散要素407に遭遇すると光を散乱させる。拡散要素407および結合剤409、並びに装填濃度および厚さは、多層反射器401により反射される最大角度θ1より大きい角度θpで光の実質的な前方散乱が生じるように選択する。こうして、上記のように、反射器を透過する光の量を実質的に増加することができる。伝播角度θpが射出表面におけるTIRの臨界角を超える場合、光が多層反射器から射出できるように、入射表面および射出表面の両方を処理しなければならない。光拡散層405を射出表面に施すと、高角度の光を積層体から離れて結合することができる。
【0041】
一般に、多様な粒子を連続結合剤中に埋め込み、層または膜として構成すると、誘電反射器を貫通する透過を調節することができる。こうした拡散層は、拡散状態で拡散層に入射する光を透過および反射する。一般に、拡散層が、正透過角度から強度に逸脱する角度で、主に前方の半球に光を散乱させることは望ましい。しかし、こうした拡散層は、後方の半球に入射光の一部を散乱させる傾向もある(反射)。入射光が前方散乱(透過)および後方散乱(反射)する程度、および光が散乱する角度分布は調節することができる。拡散層の散乱特性は、一般に、粒子と結合剤マトリックスとの間の屈折率の不一致、光の波長に対する粒子の特徴的な粒度、層中の粒子の体積含有率、散乱層の厚さ、および粒子の形状の関数である。
【0042】
様々なパラメーターを調節することにより、高角度で透過する入射光の量を最大にするか、さもなければ所望のレベルに加減することができる。一般に、入射光の波長に近い光学厚さを有する粒子は、粒子と媒体との屈折率の不一致が10%を超える場合、光を強度に散乱させる。たとえば、屈折率が約1.65を超えるか、または約1.35未満の粒子を含む屈折率が約1.5の結合剤層は、著しい散乱を生じるはずである。粒度は、光学層のサイズとほぼ同じ大きさであるか、または光学層のサイズより大きい点に注意を要する。したがって、散乱粒子は、別個の層中に組み込むことが好ましい。なぜなら、粒子を光学層中に組み込むと粒子が歪み、光コヒーレンスおよび反射力が低下することになる。
【0043】
特定の光学構成では、粒子は、多層光学反射器の非光学層中に組み込むことができる。同時押出し多層光学フィルムは、たとえば、光学積層体の各々の面形成される比較的厚い非光学表皮層を使用することが多い。本発明の一態様では、散乱粒子は、1つまたは複数の表皮層に組み込む。こうした1つの反射器では、平面内屈折率が1.75の2軸延伸PENを表皮層として使用すると、粒子の屈折率は1.93を超えるかまたは1.58未満であることを示唆する。屈折率が比較的大きく約2.4であるTiO2粒子を使用しても良い。屈折率が1.5のSiO2粒子も、表皮層として十分に作用する。散乱層の結合剤の屈折率は、所望の散乱過程および多層フィルムに対する光の結合を最適化するように選択することが好ましい。
【0044】
多層反射器が偏光依存性である場合、拡散層によって偏光が変化する程度を調節することも望ましい。たとえば、多層反射偏光子の反射状態の偏光は、反射器の選択した部分を透過できることが望ましい。偏光積層体の未処理部分を透過する光は、実質的に1種類の偏光である(つまり、積層体は、その他の偏光を実質的に反射する)。本明細書に記載するように反射偏光子を選択的に処理することにより、偏光子は、処理済み位置において両方の偏光状態の光に対して実質的に透過性になる。こうした一実施態様では、処理済み部分および未処理部分はともに透過性を呈するが、処理済み部分は、未処理部分よりもより透過性を示す。偏光が、少なくとも1種類の偏光について保存される場合、処理済み領域および未処理領域の異なる特性は、偏光子を使ってフィルムを観察することにより、さらに観察することができる。一実施態様では、この状態を使用して、標示を支持する基板が実際に多層誘電偏光子から構成されていることを確認する。もう1つの実施態様では、偏光子は、偏光子によって通常は反射される偏光状態で部分的に透過性になり、透過程度が10%または20%台になるように透過程度を選択し、透過された部分が元の偏光状態を維持するように処理する。こうした物品は、背面照明および周囲照明で表示情報を観察できるLCDディスプレー内のトランスフレクタ(transflector)として有用である。偏光状態を保存する散乱および屈折処理はともに、偏光子に適用することができる。一般に、屈折処理は、拡散散乱処理よりも偏光解消が少ない。粒子の屈折率との屈折率差が小さい結合剤に球状粒子を使って形成された拡散層は、光の偏光解消を最小限にする。
【0045】
上記のとおり、適切な多くの表面処理を使用して、光を多層積層体中に散乱させることができる。透過作用の増加は、押出し時に、同時押出し多層積層体の表皮層に滑り粒子を組み込む、多層積層体の対向表面スプレー塗料を塗布する、粒子を含む結合剤を積層体の両面にコーティングする、押出し後、各表面に拡散テープを貼付するなどの方法により観察された。同じ処理を各々の表面に施す必要はないので、効果を得るために様々な処理を組み合わせることができる。透過を強化するには、一般に対向表面上の処理を必要とするので、一方の表面全体(たとえば、射出表面)を拡散層で処理し、対向表面(たとえば、入射表面)に選択的に処理を施すことができる。こうした処理は、少なくとも一方の処理を除去して元に戻すことができる。たとえば、両面に塗料をスプレーして処理した反射器は、透過の増加を示すが、溶剤を使用して一方の塗料コーティングを除去すると、透過は、表面処理を施さない状態で得られるレベルに戻る。
【0046】
上記の説明は、ばらの拡散粒子について説明しているが、本発明のもう1つの実施例では、光の入射表面を処理して表面拡散層を形成して、透過を強化することができる。図5は、多層積層体501の表面503を処理して表面拡散層505を形成する本発明の実施態様を示す。表面の拡散により透過を増加させる原理は、ばらの拡散粒子の場合と同じである。表面拡散層505のテクスチャーは、高伝播角度(つまり、さもなければ、積層体に反射するか、および/または積層体から反射する角度)で光を積層体内に結合するために使用する。一般に、表面拡散層のテクスチャーが光の波長より実質的に大きい場合、幾何学的光学要素が伝播角度を決定する(つまり、スネルの法則は、各界面で有効だが、局所的な表面に垂直な座標系で作用しなければならない)。あるいは、表面拡散層のテクスチャーが光の波長台であるか、光の波長より小さい場合、回折効果が伝播角度を決定する。公知の様々な方法を使用して、基板上に表面拡散層を形成することができる。たとえば、表面は、たとえばサンドブラストおよび研磨材を使用してランダムに粗くするか、エンボス加工により擬似ランダムに粗くするなどの方法で、局所的な幾何学的変形を形成することができる。
【0047】
上記のとおり、表面層に埋め込まれた粒子によるか、または表面層の研磨もしくはテクスチャー加工による入射光線の散乱は、光線が、積層体により反射される最大角度を超える角度、および光学的反復ユニット層と同一平面にある表面に関してスネルの法則により許容されない角度で多層積層体を横断することを可能にする。表面散乱は、屈折率の大きい変化が得られる点で有利である(たとえば、空気対表皮層の屈折率差)。散乱粒子を含むマトリックスを使用すると、厚さ、粒度および濃度に関して重要な加工処理を行うことができる。たとえば、一般に使用される粒子は、限られた粒度分布を有する。これら粒子は、単一の散乱事象のみが生じるか、または複数の散乱が生じるように塗布することができる。
【0048】
上記の2つの場合、ばらの拡散体または表面拡散体を使用して、ほぼランダムな伝播角度を有する多層積層体内に光を方向付けた。上記のとおり、また図6にさらに示すように、多層積層体601を透過する光の量は、微細構造化表面603および605を多層積層体601の表面607および609の選択した部分に形成して、より正確に調節することができる。角度θsは、微細構造化表面603および多層積層体の材料の屈折率に関連して、積層体を貫通する光の伝播角度θpをより正確に指定するように選択することができる。この構造化表面は、光学接着剤を使って、それぞれ3M Companyが市販している3MブランドのOptical Lighting Film (OLF)(光学照明フィルム)、Front Extraction Tape(前部抽出テープ)を多層積層体に積層して形成するか、またはたとえばエンボス加工により、積層体の外側保護層上に直接組み込むことができる。
【0049】
構造化材料の屈折率は、高入射角で光学層に効果的に光を結合するように選択する。図6は、多層積層体の入射表面と射出表面の両方に形成された構造化表面を示すが、様々な処理を結合できることが分かるであろう。たとえば、前部出テープを散乱処理および幾何学的処理の両方とともに使用すると、高角度の光線を誘電積層体から抽出することができる。このテープは空気の台形溝を有し、この溝は、さもなければ内部全反射を生じる表面から高角度の光線を抽出する機能を果たす。
【0050】
上記の説明は、主として、透過を増加させるための多層反射器の選択的な処理に関するが、類似の処理は、反射器の反射率を選択的に減少させるために使用することもできる。図7に示すように、多層積層体701の反射率は、入射表面705上に散乱処理703、および裏面709に吸収体707を使用して減少させることができる。一般に、本明細書に記載する入射面の処理はどれも、多層積層体701を貫通する透過を増加するために使用することができる。伝播角度が増加すると、本明細書に記載するようにフィルムから離れて光を結合するか、またはさもなければ内部全反射を生じる光をフィルムの裏面から吸収する裏面処理は、積層体による反射全体を減少させる。したがって、高反射率の誘電ミラー(>99%の反射)の入射表面に処理を施すと、たとえば、アルミニウムと同程度の反射率の材料を積層しても、全体的な反射率を減少させることができる。この現象を図8に示す。このようにフィルムの射出表面に設けられた着色吸収体は、これら吸収体が吸収する光の色に対してのみフィルムの反射率を減少させ、複合構造から反射される光に補色を与える。
【0051】
図8では、2軸延伸PEN(正常つまり平面内屈折率1.75、異常つまりz屈折率1.49)とPMMA(屈折率1.49)とが交互に配置された層から成る多層ミラーの入射面は、5μm厚および屈折率1.48の結合剤中に分散したTiO2ビード(屈折率2.4)のコーティングで処理した。ビードの装填率は、結合剤の5容量%だった。曲線801は、裏面にコーティングがない前面処理多層ミラー上に入射した光の全反射率(%)を表す。曲線802は、屈折率が1.5のアルミニウムに光学的に結合された多層ミラーを表す。曲線803は、裏面に黒色インクのコーティングを有する多層ミラーの全反射率を表す。これら曲線は、垂直入射光の反射率を表す。本発明の実施態様により、高反射率および低反射率の領域を有する反射器は、黒色吸収体を反射器の裏面に形成し、反射器を透過して裏面の処理部分により吸収される光の量を増加するように入射側の表面を選択的に処理することにより提供される。
【0052】
上記の各種具体的な実施態様のいくつかでは、多層反射器の表面は空気との界面を形成した。しかし、場合によっては、表面(処理済みまたは未処理表面)の界面は、空気以外の屈折率(つまりn>1.00)を有する材料により囲むことができる。図9は、本発明のこの態様および他の態様を実証するのに役立つ本発明のもう1つの実施態様を示す。図9には、2つの多層積層体901および903が示されている。多層積層体は、境界層905により分離される。境界層905および2つの積層体901および903は一体構造を形成する。境界層905は、散乱粒子907が内部に分散したほぼ透明な結合剤材料から形成される。散乱粒子907が埋め込まれた境界層905は、多層積層体903の処理済み表面として機能する。第2多層積層体903の射出表面911の一部は、光が、TIRの臨界角θcを超える角度で第2多層積層体903を貫通して伝播し、第2多層積層体903から射出することができるように処理される(図示の実施例では、拡散体を使用する)。
【0053】
図9の実施態様では、第1および第2多層積層体の光学特性は、異なる透過効果を得るように設計することができる。たとえば、第1積層体901は、選択した波長帯域(たとえば、特定の色)を除くすべてを反射するように設計することができる。選択した波長帯域の光913および915は、第1多層積層体901を貫通して境界層905に透過する。この光913の少なくとも一部は、第1誘電積層体の平坦な表面において、スネルの法則により許容される角度θcを超える角度で第2多層積層体903内に散乱する。第2多層積層体903が広帯域ミラーである場合、第2多層積層体は、一般に、臨界角未満で伝播するすべての波長の光を反射する。第2多層積層体の射出表面909が未処理である場合、θcを超える角度で伝播する光は、裏面でTIRを生じる。射出表面909の処理済み部分は、多層積層体内において積層体から離れて高角度で伝播する光の少なくとも一部を結合する。第2積層体に入る光のスペクトル特性は、第1多層積層体により制限されるので、第2多層積層体の選択的に処理された部分から射出される光は、特定のスペクトル特性を有する。
【0054】
図9の代替実施態様では、光は右から多層ミラー903に入射することができ、多層積層体901は、3M Companyが市販しているDBEFなどのような反射偏光子で良い。この方法では、結合物品は、1つの偏光方向の光のみを透過する。さらに、拡散光源と組み合わせたDBEFの再循環特性により、50%を超える入射光を1つの偏光で透過させることができる。
【0055】
上記の実施例が示すように、多層反射器は、反射器の透過および反射特性を変更するように、多くの方法で選択的に処理することができる。さらに、処理部分は、一般にきわめて適応性があり、安価である。多くの処理は、特殊な機器を使用せずに行うことができる。その結果、反射器を使用する最終的な位置で、表面を容易に処理することができる。一実施態様では、本発明は、反射率を必要に応じて減少させるか、および/または画定された領域上の透過を増加する必要がある用途に特に適する。多くの処理では、変更される透過/反射効果は、異なる多層誘電反射器に一時的に適用することができる。たとえば、永久的な結合を必要としない可溶性のコーティングおよび層を使用して、後で除去することができる。
【0056】
周知のとおり、本発明は、各種の異なる用途に使用するのに適する。こうした多くの用途について、以下に記載する。ある用途では、光導波路から光を抽出するように、選択的に形成される処理部分を中空の光導波路の対向表面に形成することができる。図10は、こうした光導波路に対する本発明の様々な態様の適用を実証する。図10では、光源(図示しない)は、光1001を中空光導波路1003内に方向付ける。光導波路1003は、上記の公開PCT特許出願第WO 95/17303に記載されているような高効率(たとえば、>反射率99%)の誘電多層ミラーから構成される。光1001は、非常に少ない損失率で光導波路1003を貫通して伝播する。こうした光導波路を使用すると、比較的長距離上で光を伝送することができる。本発明の1つの特定の利点は、比較的単純な処理部分1005および1007を光導波路1003の対向面に形成して、所望の位置で光を抽出することができる点である。使用する処理は、本明細書に記載する上記の処理またはこれら処理の組合せで良い。
【0057】
図10では、処理部分は、上記のとおり、光が抽出される特定の位置の両面に形成されているように示されているが、一方の表面全体を処理し、他方の表面には、光の抽出が望ましい位置に選択的に処理を施すことができる。拡散処理を使用する場合、光導波路の光透過効率の減少を最小限にするために、光導波路の内側に選択的に処理を施すことが好ましい。あるいは、高効率の拡散反射器を内面に設けても良い。こうした高効率の拡散反射器は、米国特許出願第08/957,558号「Diffuse Reflective Article」(拡散反射物品)に記載されており、この特許の内容は、引用することにより本明細書に包含する。構造化表面は、光導波路から光を抽出するために使用することもできる。たとえば、3MブランドのOptical Lighting Film(OLF)(光照明フィルム)を多層反射器の一方の面または両面に貼付すると、光を選択した領域に結合するか、または選択した領域から離れて光を結合することができる。構造化表面の材料を射出面に使用する場合、拡散体も使用すると、光導波路から漏出する光の方向性により、抽出される光をさらに鮮明にすることができる。
【0058】
図10に示す光導波路の形状は、光導波路の特定の用途に応じて異なる。たとえば、円筒状の光導波路は、主に光を伝送するために使用する。楔形の光導波路も使用できる。図11に示すもう1つの実施例では、ボックス構成をライトボックス1100として使用して、電光を形成している。ライトボックス100は、高反射率の多層反射器(たとえば、ポリマー多層可視ミラー)と並ぶ標準ライトボックスから構成する。この多層反射器は、ライトボックスの前面を覆うためにも使用される。反射器の両面をたとえば拡散コーティングで処理すると、反射器は比較的透過性になる。この処理は、たとえば、反射器の一方の面を艶無しの白色料で被覆し、逆の面にステンシルで文字を書いて行うことができる。拡散コーティングおよびステンシル文字は、どちらの面に形成しても良い。
【0059】
図11のライトボックス1100は、ライトボックスの一方の端部から照明される点に注意する。文字のいくつかは光源に近いので、文字は、均一な抽出条件で不均一な照明特性を有する傾向がある。しかし、多層反射器から光を抽出するために使用する処理は、より均一に照明された標識になるように変えることができる。一実施態様では、処理の傾斜を使用して、高角度で反射器に、または反射器から離れて結合された光の量(ひいては、反射器を透過する光の量)を変えることができる。処理部分が光源から遠く離れるにつれて結合効率を増加することにより、標識の面全体でより均一な光出力が得られる。これは、たとえば、ステンシルの文字を多層反射器の一方の表面に形成し、他方の表面に処理の傾斜を適用して(たとえば、塗料のレベルを変える)行うことができる。処理の程度は、光源付近の比較的低レベルから遠く離れた取付具側の比較的高レベルまでである。
【0060】
傾斜またはその他の変化した処理レベルは、多層反射器を透過する光の相対量を調節することが望ましい他の用途に使用することもできる。この効果は、誘電反射器の選択領域上の反射率または透過率をより正確に調節するために使用することができる。これは、散乱顔料またはインクを使って表面に印刷する、各々の表面を粗くするかもしくはサンドブラストして研磨する、第2層を表面の選択領域に積層するなどにより行うことができる。表面全体を処理する場合、こうした処理としては、押出し時に同時押出し多層積層体の表皮層に粒子を拡散させる、不混和性のポリマーブレンドを表皮層に使用する、表面に適切なインクをコーティングするなどが挙げられる。上記のとおり、誘電反射器の一方の面は表面全体を処理し、第2の面は選択領域を処理すると、類似のパターンを両面で位置合わせする問題をなくすことができる。こうした実施態様では、部分的にのみ処理される面については、透過を増加させる必要がない領域を清潔かつ掻き傷がないように保つことが重要である。特定の場合には、反射器をガラスまたはその他の耐引掻性材料に積層して、耐久性を高め、露出表面を清掃しやすくすることが望ましい。清潔な耐引掻性コーティングを施しても良い。
【0061】
その他の様々な表面処理を使用して、ミラーに入射する光を積層体または積層体上の表皮層内における臨界角を超える角度に方向付けることができる。ある一般的なクラスのこうした処理は、先行技術で公知の方法によりミラーの表面層に刻印できる回折格子である。ブレーズド回折格子に関しては、部分的な蒸着を使用することもできる。表面のホログラムを使用しても良い。これらは、ミラーフィルムに積層される別個のシートとして形成するか、または表面のホログラムは、ミラーフィルム上の表皮層またはその他の既存コーティングに直接エンボス加工することができる。表面のホログラムも、表皮層またはコーティングを被覆する材料が、ある程度異なる屈折率を有する限り、上塗りするか、または「埋め込む」ことができる。
【0062】
ミラーの表皮層またはその他の追加に形成された層は、多量のホログラム、または透明な結合剤層中に分散した多層光学積層体のさらに小さい断片など、変調屈折率を有する材料の体積領域をも含むことができる。こうした断片は、無機多層積層体、ポリマー多層積層体、またはこれら両方で良い。これら分散した断片は、平坦な空気界面を有する表面層、または局所的に平坦ではない空気界面を有する表面層に含むことができる。したがって、後者の場合は、ミラー本体の臨界角を超える角度に入射光を再度方向付けるために、レンズ手段および内部光再方向付け手段の両方を使用することになる。
【0063】
表面層の屈折率変調領域のほかに、入射光を再度方向付けるために、一般的な金属ミラーフレークも使用することができる。こうしたフレークは、自立しているか(含浸前)、または非金属材料の金属蒸着フレークで良い。能動的な処理は、たとえば、誘電フィルムに結合された層中の散乱程度を切り替えることにより行うことができる。ポリマーが分散した液晶(PDLC)コーティングを適切な電極、たとえば3M Privacy Film(3M プライバシーフィルム)に結合することにより、多層積層体の透過率を電子的に調節することができる。たとえば、完全なPDLCフィルムを反射器に積層するか、または反射器に透明導体を塗布して、PDLC電極の一方として使用することができる。透過率を能動的に変更するもう1つの方法は、処理部分と誘電ミラーとの間の結合を変えることである。自己接着散乱フィルムは、ミラーに機械的または静電的に結合および分離して、制御可能な透過を生じる。こうした技術は、作用を入切する上で、光管を介する分散照明または宣伝用の表示または標識に有用である。
【0064】
実施例1
図12は、2軸延伸PENとPMMAとが交互に配置された層を含む同時押出し多層反射ミラーの透過スペクトルを示す。反射ミラーは、一般に、ミラーの表面に拡散入射する可視光を実質的に反射する(つまり、ミラーの平坦な表面においてスネルの法則により許容される最大伝播角度以下の角度でミラーを貫通して伝播する可視光を実質的に反射する)ように設計された光学積層体から構成される。ミラーフィルムの表皮層は、チタニア(TiO2)粒子が内部に分散し、積層体を透過する角度で誘電積層体に光を効果的に結合する。拡散表皮層を含むフィルムの透過スペクトル1201を図12に示す。測定後、フィルムの一方の表皮層を剥離した。結果として生じる透過スペクトル1203も図12に示す。図12から分かるとおり、両面を処理したフィルムは、実質的により高度の透過率を示す。一方の面のみを処理したフィルムの透過スペクトルは、光がフィルムの処理済みの表面に入射したか未処理側の表面に入射したかに関わらず、実質的に同じだった。
【0065】
上記のとおり、様々な粒子が散乱要素として適している。たとえば、水和アルミナシリケート(Al2O3・2SiO2・2H2O)粒子を試したが、類似の結果が得られた。一般に、屈折率がより大きい粒子は、全体的に最大の透過率の増加を示した。また、図12に示すように、反射器の精密なスペクトル特性を維持しつつ、誘電反射器を貫通する透過率の増加が得られる。この場合、透過率の増加は、反射器のその他の特性を実質的に変えずに基礎を変位させた作用である。
【0066】
実施例2
図13は、実施例1(表皮層に散乱粒子を含まない)に関連して上記で説明したタイプの広帯域光学積層体から成るもう1つの誘電反射器を貫通する透過率増加の結果を示す。この実施例では、接着テープ(3Mマジックメンディングテープ)を使用して、誘電積層体内における伝播角度が大きい光を表皮層に、また表皮層から離れて結合するように、誘電反射器の対向表面を処理した。透過スペクトルを曲線1301として示す。比較上、一方の面のみを処理したフィルムのスペクトル1303も図示する。図13に示すように、多層反射器の各々の面をこうして処理すると、透過曲線のスペクトルの特徴は著しく変化せずに、帯域の平均透過レベルが増加した。透過の増加量は比較的少ないが、反射器の処理済み部分と未処理部分との間の観察可能なコントラストは明白だった。その他の自己接着散乱テープ、たとえば接着結合剤中にTiO2粒子を含む3M ScotchCalマーキングフィルムは、透過率のより大きい増加を示した。
【0067】
実施例3
図14は、上記のタイプの広帯域誘電反射器の両面をPlasti−kote水性エナメル525ホワイトシルクスプレー塗料で処理した場合に透過率が増加した結果を示す。図14は、表面を処理する前1401および処理した後1403の多層反射器の透過スペクトルを示す。処理済みフィルムに結果として得られた全透過曲線1403は、フィルムの帯域端部より下のIR付近で30%にも達した。この透過率の増加は、黄色の濃淡の原因になる波長依存を示した。塗料に使用されている顔料により、多層の有効帯域を越えるIR付近で著しい反射率がある。850nmと900nmとの間の頂点は、測定過程の人為的な結果であり、フィルムの処理には関係ない。
【0068】
実施例4
図15に示す透過スペクトルは、処理を行わない広帯域多層反射器の透過率1501、およびサンドペーパーで表面を研磨して散乱表面を形成することにより両面を処理した多層反射器の透過率1503を表す。研磨処理は、光学層の崩壊を防止するためにフィルムの表皮層に施した。前面の研磨は、帯域端部の鮮鋭度を減少させる。可視スペクトル全体の透過レベルは、約8%増加する。帯域端部における類似の変化は、入射面のみを処理したフィルムでも見られた。しかし、一方の表面のみを処理した場合の可視スペクトルにおける透過率の実質的な増加は、観察されなかった。表面の研磨による帯域端部のレベルは、著しい量の光が少なくとも60°の伝播角度まで散乱したことを示す。
【0069】
実施例5
上記の実施例では、表面を研磨することにより、ほぼランダムな構造を導入した。実施例5は、規則正しい構造を持つ表面を処理して得られる透過効果の増加を実証する。図16は、構造化表面を広帯域多層積層体の表面に形成した場合に視準光で得られる透過スペクトルを示す。この多層積層体は、PENとPMMAとが交互に配置された層から構成され、入射光ビームと多層積層体の平面との間の角度が変化する。構造化表面のフィルムは、光学接着剤を使用して多層反射器の対向表面に積層した。屈折率が1.586、フィルムの裏面に対するプリズム(表面)角度が45°のポリカーボネート樹脂からキャストされた3MブランドのOptical Lighting Film (OLF)(光照明フィルム)など、様々な構造化表面を試験した。このフィルムの表面にある複数の直角二等辺三角形プリズムは連続しており、各プリズムは、幅約0.36mm、高さ0.18mmであり、フィルムの長さに沿って配置されている。
【0070】
「V」傾斜ガラスフィルムなど、その他の構造化プラスチックフィルムについて、光透過の強化を評価した。傾斜ガラスフィルムは、一般に、窓枠の外周部に取り付けられ、平坦なガラス面に縁部傾斜ガラスの外観を与えるように設計されている。傾斜ガラスフィルムは、フィルムの様々な領域に様々なピッチを有していた。最大レベルの透過率増加は、3M OLFで処理した表面で観察された。最大透過率増加は、対向表面のプリズム構造が互いに平行である場合に観察された。
【0071】
図16には、処理を施していない多層反射器に関する透過スペクトル1601をを示し、OLF処理表面については、多層積層体の表面は、様々な角度で分光光度計の入射視準ビームに方向付けた。入射平面はOLFプリズムの長さ方向に垂直であり、光は、45°の入射角でOLFプリズムファセットに垂直入射した。スペクトルはp偏光の場合である。スペクトル1603は10°の入射角の場合、1605は20°、1607は30°、1609は40°、1611は50°、1613は60°、1615は70°の場合である。未処理フィルムの場合、垂直から測定した多層積層体の最大角度は、屈折率が1.49のPMMA層で42.1°である。s偏光は、平面内屈折率が約1.75であると仮定して、約35°の角度でPEN層を横断するが、p偏光は、これよりわずかに大きい角度で伝播する。フィルム平面に垂直な屈折率は、約1.5にすぎないためである。
【0072】
OLFで処理したフィルムの場合、45°を超える入射角(つまりプリズムファセットに垂直な角度を超える角度)では、プリズムは互いに陰影を与え始め、プリズムの先端のみがビームを捕捉する。光は、こうしたより高角度でプリズム内に入ると、対向するプリズムファセットから内部全反射して、様々な角度で多層積層体に再度方向付けられる。したがって、特殊な光学装置がなければ、きわめて高角度ですべての光を多層積層体に方向付けることは難しい。結合プリズムの屈折率が大きければ大きいほど、積層体の層内の角度が大きくなる。本発明により多層ミラーを貫通する高度の透過を得るには、入手可能な最も高屈折率のプリズムを使用することが好ましい。
【0073】
プリズムの対向表面からの反射を防止するには、単一の大きいプリズムを使用して、すべての光をプリズムの基部付近に入射させる。この方法は、特定の用途にのみ実行可能である。屈折率が1.586である単一直角二等辺三角形プリズムの斜辺をフィルム積層体に積層した場合、光は、積層体の層に垂直に測定して最大角度71.47°でプリズムに入射する。スネルの法則では、PEN層(屈折率1.75)中の最大伝播角度はs偏光の場合59.24°だが、PMMA中の仮想角度は、この光がPMMA層に遭遇するとTIRを生じることを示す。しかし、上記のとおり、特定の多層積層体構造は、入射角が層のいくつかのTIR角より大きい場合にも、相当量の光を透過することができる。この実施例のPMMA層が数波長分厚い場合、すべての光は層境界でTIRを生じる。
【0074】
図6に示すような一般的な形状など、直角二等辺三角形以外の微細構造の形状は、実質的にすべての視準光ビームを高角度で積層体に入射させることができるように適切な角度で設計できる。表面処理として使用されるテクスチャー加工されたフィルムはすべて、平坦なフィルムの角度より実質的に大きい角度で光を方向付けるので、強度に強化された透過が期待される。
【0075】
図16に示すスペクトルは、p偏光の場合である。40%〜60%の可視スペクトル透過レベルは、60°の角度で見られる。未処理の反射器の場合、垂直入射角帯域端部は830nmにあった。未処理の多層ミラーの場合、帯域は、650nm以下まで変位すると考えられる。60の入射角では、OLFで処理された多層フィルムの帯域端部は431nmにある。平坦なファセットおよび鋭利な頂点を有するプリズム構造、曲線構造、多用な幾何学的形状を有するプリズム、レンズレットアレイなどを使用した特定の実施例を使用しても良い。
【0076】
幾何学的に賦形された表面処理は、微細構造に限定する必要はない。たとえば、自立フィルム、または支持基板を有するフィルムの場合、個々の透明物体、たとえばプリズムをフィルムの両面に光学的に結合すると有用である。個々の物体は、フィルムの対向表面に位置合わせしてあっても、対向表面に重複しても、あるいはまったく重複しなくても良い。光は、介在するフィルムの未処理部分におけるTIRによる複数の内部反射を介して、表面の1つの処理部分から側方に対向表面の重複していない処理部分に伝送することができる。
【0077】
実施例6
図17は、標準真空塗布誘電反射器(Melles−Griot Maxbrite/001)の透過スペクトルを示す。この誘電反射器は、約5mm厚のガラス基板上に塗布した。この透過スペクトルは、反射器に表面処理を施さない場合1701、一方の面を散乱塗料で処理した場合1702、および両面を散乱塗料で処理した場合1703を示す。一方の表面処理は、比較的厚い基板の表面に施した。その結果、一方の処理表面は、基板の厚さに相当する距離だけ誘電反射器から分離した。分離の結果、多少の散乱光が収集システムから失われた(たとえば、光は、最大角度で散乱した)。スペクトルが示すように、処理によって、ミラーを貫通する可視光の透過率は約10%増加した。
【0078】
図17に示すように、未処理誘電積層体縁部の帯域端部は約800nmにある。この帯域は、多少の可視光をTIRの臨界角より小さい角度において透過性にする。したがって、一方の面のみを処理した場合、スペクトル1702は、スペクトルの赤色部分における透過率の増加を示す。これは、誘電積層体における高伝播角度(しかし、TIR未満)において光の結合が増加した結果である。散乱処理を等方性誘電ミラーの両面に施すと、透過率の増加は、スペクトルの正常に(未処理)反射する部分全体で明白である。
【0079】
実施例7
上記のとおり、反射器は、可視以外の波長で光を反射するように調整することができる。図18は、処理済みおよび未処理IR反射フィルムの透過スペクトルを示す。このIR反射フィルムは、PENおよびPMMAの224個の層から成る光学積層体から構成した。
【0080】
図18の曲線1801により示されるように、未処理反射器は、約850nmと1200nmとの間に光の反射帯域を有していた。IR反射器の両面をTiO2粒子を含む拡散体で処理すると、この帯域の透過率は約20%増加した(曲線1802)。さらに、スペクトルから分かるように、帯域変位は大きく、反射帯域(350nm)の帯域幅全体を多量の拡散体によって生じる高角度散乱によって除去するのに十分だった。
【0081】
実施例8〜実施例12
実施例8〜実施例12は、選択的な処理を使用して、反射偏光子を貫通する光の透過率を増加できることを示す。上記のとおり、多層偏光子の透過率は、多層ミラーの場合と同様に選択的に増加することができる。偏光子の場合、関連する誘導透過は、フィルムの反射(消光)軸線に沿って偏光方向を有する光の場合である。偏光子の場合、架橋偏光子を貫通する光の透過は、光を偏光解消する架橋偏光間に挿入された手段によっても誘導することができる。対照的に、本発明は、偏光子の偏光状態を変えずに、偏光子により偏光されて反射(消光)する光の透過を選択的に調節するために使用することができる。こうした透過を観察するには、偏光解消の作用を念入りに調節しなければならない。反射スペクトルの波長変位による誘導透過は、追加の(第3の)偏光子を検光子として使用して、さもなければ多層フィルムにより阻止される、反射偏光子から漏洩する偏光の量を判定して観察することができる。上記のとおり、ミラーの場合と同様、偏光は、拡散コーティング、幾何学的構造化表面など、様々な処理を使用して多層反射偏光子を選択的に透過させることができる。
【0082】
実施例8は、多層反射偏光子により正常に反射される偏光状態の光の透過率増加を示す。図19では、曲線1901は、未処理反射偏光子に入射する反射偏光状態の光の透過スペクトルを示す。曲線1902は、反射偏光子の両面を偏光保存拡散体で処理した反射偏光子による反射偏光状態の光の透過率を示す。拡散体は、PCT公開特許出願第WO 97/01610号に記載されているタイプの拡散接着剤だった。曲線1903は、検光子(架橋偏光子)から観察した時に漏洩した光の透過率を示す。図から分かるように、反射偏光状態を有する光の透過率増加は、光の偏光状態を著しく変えなければ得られない。光の偏光状態を維持する必要がない場合、透過率をさらに大幅に増加させることが可能である。
【0083】
実施例9は、3M Companyから市販されている反射偏光子フィルム、DBEFに類似する多層反射偏光子の様々な処理を表す。図20は、様々な拡散体コーティングで処理されたこうしたフィルムの透過スペクトルを示す。曲線2001および2002は、それぞれ未処理反射偏光子の通過および反射方向における偏光の透過率を示す。平均可視透過率は、それぞれ87%および2.7%である。曲線2003は、フィルムの両面を拡散体コーティングで処理した場合の反射方向における偏光の透過スペクトルを示す。両面塗布フィルムの平均可視透過率は、約15.1%である。曲線2004は、反射方向に偏光状態を保つ光の透過率を示す。吸収偏光子を検光子として使用し、どの程度の誘導透過が偏光解消によるものであり、何パーセントが、上記のスペクトル変位効果によるものであるかを決定した。
【0084】
図20のスペクトルを得るために使用した拡散体は、屈折率が1.46の5μm径の球状ビードを屈折率が1.595のUV硬化ポリマーマトリックス中に入れて構成した。屈折率差がこのように大きいと、強度の散乱が生じる。しかし、図20から分かるとおり、こうした強度の散乱も光の偏光解消を生じる。拡散体の両面には、球状ビードの10重量%充填したUV硬化性樹脂を塗布した。ビードとマトリックスの屈折率差がより小さく、より厚い拡散体を使用すると、より少ない偏光解消で同様量の光の漏洩を誘導することができる。球状ビードは、一般に最低量の偏光解消を提供する。このスペクトルは、より高角度で考えられる偏光子からの表面反射による影響を無視して、少なくとも6.2%(3.5%を超える増加)の平均透過率を示す。
【0085】
実施例10は、透過率が増加したもう1つの偏光子を示す。より大きい漏洩は、図21のスペクトルで示すように、より大きい角度で光を散乱するコーティングで反射偏光子の表面を処理することにより、反射偏光子中で誘導することができる。曲線2101は、未処理フィルムの反射(消光)軸線に沿った偏光の透過スペクトルを示す。曲線2102は、フィルムの両面を拡散体で処理した場合の透過率を示す。この場合、フィルムには、22重量%の球状ビードを充填したUV硬化性樹脂を有する拡散体を塗布した。両面塗布フィルムの平均透過率は、約27%である。曲線2103は、フィルムの一方の面のみに塗布した場合の透過スペクトルを示す。この場合、平均透過率は約17%である。一方の面のみに塗布したフィルムの透過率増加は、主に偏光解消によるものである。
【0086】
拡散コーティングによって生じる偏光解消は、特定の用途には望ましくない。特定の用途では、偏光の予め決められた部分を透過および反射しつつ、偏光の完全性を維持することが望ましい。上記のとおり、構造化表面を使用して多層フィルムを処理して、スネルの法則によって指示される正規の臨界角を超える角度で多層積層体に光を導入する場合、偏光は実質的に維持されることが認められる。実施例11は、こうした処理の一実施例を示す。この実施例では、上記で使用したタイプの多層反射偏光子は、3M Companyが市販している構造化Optical Lighing Film (OLF)(光照明フィルム)で処理した。このフィルムは、やはり3M Companyが市販しているBrightness Enhancement Film (BEF)(輝度強化フィルム)と同じ一般的な構成である。OLFフィルムは、約178μmの反復プリズムピッチを有していた。プリズムの溝は、反射偏光子フィルムの通過方向に平行に方向付けた。このフィルムは、通過方向を垂直にして分光光度計に配置した。入射ビームを水平に偏光させて、反射(消光)軸線の透過率を測定した。
【0087】
図22は、こうした構造フィルムで処理した様々なフィルムの透過スペクトルを示す。曲線2201および2202は、光が45°でフィルムに入射し、それぞれ反射(消光)軸線および通過軸線に沿って偏光した場合の未処理フィルムの透過率を示す。曲線2203は、反射軸線に沿って偏光し、両面をOLFで処理したフィルムに45°で入射した光の透過スペクトルを示す。図22に示すように、消光スペクトルの赤色端部の透過スペクトルは、基準フィルムの730nmに比べて600nmに変位した。曲線2204は、反射軸線に沿って偏光し、両面をOLFで処理されたフィルムに60°で入射する光の透過スペクトルを示す。赤色端部における変位がより大きいことに注意する。全体的により低い透過率は、主に、隣接プリズムからの陰影効果によるものである。上記の実施例に使用した反射偏光子は、比較的高屈折率の材料(つまり、PENおよびCoPEN)から構成した点に注目するべきである。高屈折率により、上記で詳細に説明したように、可視スペクトルをカバーするのに十分に帯域端部を変位させることがより難しくなる。
【0088】
実施例12では、構造化表面および拡散コーティングの混成処理を使用して、偏光を実質的に持続させつつ、透過率増加効果を生成した。反射偏光子フィルムは、一方の面にOLFを積層して処理し、対向面には、球状ビードを10%充填した拡散体をコーティングして処理した。OLF側を偏光源に向けて45°の入射光について結果として生じた透過スペクトルは、曲線2205で示す。OLFは、偏光解消せずに、臨界角を超える角度で光ビームを偏光子に伝送した。拡散コーティングは、臨界角未満でフィルムから射出する光の少なくとも一部を散乱させる作用をする。
【0089】
代替実施態様では、多層反射偏光子の一方または両面に施される拡散処理は、非対称または偏光拡散体で良いが、光を主に前方に散乱させる処理であることが好ましい。こうした多くの偏光拡散体は、先行技術に記載されている。
【0090】
実施例13
実施例13は、1種類を超える多層積層体を含む、図9に関連して上記で説明した物品構成を示す。第1積層体は、実施例1に関連して上記に記載したタイプの2軸延伸PENおよびPMMAの交互の層を含む同時押出し多層反射ミラーである。図23の曲線2301は、未処理ミラーフィルムの透過スペクトルを示す。このミラーフィルムは、両面に拡散フィルムを積層して処理し、その結果、図23に曲線2303で示す透過スペクトルが生じた。拡散体を積層した後、多層反射偏光子フィルムを一方の面に積層した。結果として生じた透過スペクトルを曲線2305で示す。この偏光フィルムは、3M CompanyからDual Brightness Enhancement Film (DBEF)(二重輝度強化フィルム)として市販されている。こうした偏光フィルムは非常に効果的であり、1種類の偏光状態の光をほぼ100%透過し(表面反射に関係なく)、直交偏光状態の少量の光のみを漏洩する。曲線2305で示す透過光は、偏光フィルムによって偏光されるが、本発明の物品の透過光は、偏光子の積層後50%だけ減少しない。その代わりに、曲線2303と2305とを比較して示すように、透過は約25%のみ減少することが分かる。これは、偏光フィルムにより内部反射する光の再循環および変換によるものである。光が偏光子に最初に入射すると、約50%が偏光子により反射され、高度に偏光される。反射偏光は、ミラーおよび拡散フィルムによって偏光解消されて偏光子に戻り、50%が再び透過される。特定の光線の場合、この過程は、すべての光が透過、反射または吸収されるまで繰り返す。最終的な結果は、再循環現象が約50%の偏光の透過ゲインを提供することである。室内およびオフィス用の照明システムの光抽出を伴う本発明の用途は、偏光照明を使用してグレアを減少させる点から利益がある。
【0091】
もう1つの実施態様では、この実施例の反射偏光子は、米国特許第5,783,120号「Method for Making an Optical Film」(光学フィルム製造方法)に記載されているタイプの拡散反射偏光子で良い。この特許の内容は、本明細書で引用することにより本明細書に包含する。あるいは、またはこの構成と組み合わせて、ミラーフィルムに適用される拡散フィルムは、同じ拡散反射偏光子を含むことができる。上記のこの実施態様および他の実施態様に変わる構成では、前方散乱タイプの非対称拡散体をさらに使用する。非対称は、散乱角度、偏光、またはこれら両方に関する。
【0092】
実施例14
実施例14は、反射器の表面に傾斜を設けて処理するその他の利点を示す。上記タイプの誘電可視ミラーフィルムは、一方の表面の公称被覆面積95%に白色拡散インクをスクリーン印刷し、対向表面に、傾斜が95/5〜5〜95(印刷/非印刷)の公称面積被覆パターンの傾斜網を形成して処理した。コーティングする前、可視ミラーフィルムは、2色性の透過外観を呈し、これは、蛍光灯光源を使って観察した場合に強調された。処理後、透過時に観察されるフィルムの色は、入射角に基づいて変化しなかった。印刷フィルムの吸収率は許容可能な程度に低く、550nmで約3%だった。
【0093】
調節された拡散パターンは、95%の被覆率を有するフィルムの領域からも高度の正反射を示すフィルムを生成した。反射画像は、高ドット密度領域でも裸眼で容易に認識できた。この方法では、蛍光灯の下でも角度に応じて実質的に変位せず、正反射特性を有し、たとえば5〜15%台の有用な透過レベルを維持しつつ、画像を識別することを可能にする許容可能な透過色を示すフィルムを作製した。
【0094】
図24は、印刷フィルムの作用を示す。小規模には、処理フィルム2401は、フィルムの未処理領域からの光線2403で示す光の一部を正反射する。フィルムの処理済み領域に入射する光2405の一部は拡散反射し2406、光2405の他の部分は拡散透過する2407。正反射光と拡散反射光との間の空間分離は、巨視的な規模では一般に観察されない。したがって、処理済みフィルムは、拡散反射特性および正反射特性の両方を示す。
【0095】
図25は、処理レベルが異なるフィルムの様々な部分に関する光の波長の関数として透過空間を示す。曲線2501は、94%の面積がフィルムの傾斜側を被覆する処理済みフィルムの一部を貫通する光の透過を示す。曲線2502、2503および2504は、フィルムのそれぞれ75%、58%および33%が被覆された部分におけるフィルムを貫通する透過率を示す。処理の被覆領域が増加すると、フィルムを貫通する透過が増加し、波長の関数としてのスペクトルが平滑化される。平滑スペクトルは、アーク灯光源を使用する場合に特に有用である。なぜなら、スペクトル中の鋭利なスパイクによって、透過光に好ましくない色が生じる可能性があるからである。図26は、550nmにおける光の透過を面積被覆の関数として示す。
【0096】
スクリーン印刷処理、および上記の多くのその他の処理は、多くの有用な物品を提供することができる。多くの用途では、漏洩しやすいミラーフィルムをポリカーボネートなどのような透明基板に付着させることが望ましい。プラスチック業界で十分に周知されている問題は、接着剤とポリカーボネートとの反応によりガス抜けが生じ、積層フィルム構成に物理的および視覚的欠陥が生じることである。本発明による1つの方法は、ドット印刷接着剤を使用して、欠陥が生じないようにガスを逃がすことである。拡散接着剤は、ガスを反応から逃がす機能を果たし、反射器を貫通する光の透過を容易にするのに役立つ。
【0097】
選択的に処理された反射器の多数の用途は、本出願を考察すると明白になるが、以下の非制限的な実施例がある。本発明は、多数の照明用途に適用される。たとえば、処理済みフィルムを使用して、照明器具用の透過ルーバーを形成することができる。このルーバーは、光を透過および反射する特性を有する。こうしたルーバーの1つの利点は、正反射器を使用するルーバーよりも天井を均一に照明することである。ルーバーの正反射構成要素は、光の下方配向を調節する能力を維持する。
【0098】
図27に示す1つルーバーは、光を拡散透過しつつ、両面からの光の一部を正反射する。図27のルーバーは、拡散層2703で分離された上記タイプの2つの誘電反射器2701Aおよび2701Bを備える。反射器の外面2705Aおよび2705Bは、たとえば上記のスクリーン印刷により、拡散の局所的領域を形成するように選択的に処理される。誘電反射器を貫通する制御リードを使用しても、たとえば、光が下方に漏洩する垂下式照明器具を介して、照明器具の輝度と天井の輝度とを一致させることができる。特定タイプの照明器具の場合、光を上方または側面に漏洩させることも望ましい。
【0099】
上記のとおり、本発明は、薄く効率的な光モジュールまたは標識を製造するために使用することができる。反射器から光を抽出することは、プリズム照明フィルムと違って、2つの直交方向から標識を照明できるという利点を利用する。図28Aおよび28Bに示すように、ライトボックス2801は、直交光源2803および2804、高反射性後方反射器、たとえば対向表面に印刷して選択的に処理された前方反射器2807を有し、光を所望の形状で透過させることができる。一実施態様では、照明される画像は、反射器2807の正面の内部に印刷することができる。外側のドット密度を適切に選択すると、オフ状態で光モジュールまたは標識にセミメタリックの外観を与えることができる。
【0100】
上記のとおり、様々な効果を使用して、日中および夜間における様々な印象を得ることができる。たとえば、自動車のパネルまたはトリム(内部または外部)は、日中はメタリックを呈し、夜間に背面光で照明された場合に、色またはメッセージを含むグローを呈するように製造することができる。制御レバーおよびボタンも、この方法を使用する。
【0101】
本発明について、様々な実施態様および実施例に関して上記で説明してきたが、本発明は、これら実施態様および実施例の詳細に限定するべきではない。むしろ、添付の請求の範囲に記載するように本発明を完全に網羅することを意図する。
【図面の簡単な説明】
本発明は、添付の図面に関連して本発明の様々な実施態様に関する以下の詳細な説明を考慮すると、より完全に理解することができる。
【図1】 本発明の一実施態様を示す略図である。
【図2】 本発明の様々な実施態様を示すもう1つの略図である。
【図3A】 それぞれp偏光およびs偏光に対して入射媒体の屈折率が変化する関数として変位する帯域端部を示す。
【図3B】 それぞれp偏光およびs偏光に対して入射媒体の屈折率が変化する関数として変位する帯域端部を示す。
【図4】 本発明の一実施態様による表面処理を示す。
【図5】 本発明のもう1つの実施態様による表面処理を示す。
【図6】 本発明のさらにもう1つの実施態様による表面処理を示す。
【図7】 本発明のもう1つの実施態様を示す。
【図8】 本発明の一実施態様による反射器に関する反射スペクトルを示す。
【図9】 本発明のさらにもう1つの実施態様を示す。
【図10】 本発明のもう1つの実施態様を示す。
【図11】 本発明のさらにもう1つの実施態様を示す。
【図12】 本発明の一実施態様に従って製造された多層反射器の透過スペクトルを示す。
【図13】 本発明のもう1つの実施態様に従って製造された多層反射器の透過スペクトルを示す。
【図14】 本発明の実施態様によるさらにもう1つの多層反射器の透過スペクトルを示す。
【図15】 本発明のさらにもう1つの実施態様に従って製造された多層反射器の透過スペクトルを示す。
【図16】 本発明のさらにもう1つの実施態様による様々な表面処理を施された多層反射器の透過スペクトルを示す。
【図17】 本発明の実施態様に従って処理されたもう1つの多層反射器の透過スペクトルを示す。
【図18】 本発明の実施態様に従って処理されたもう1つの多層反射器の透過スペクトルを示す。
【図19】 本発明の実施態様に従って処理されたもう1つの多層反射器の透過スペクトルを示す。
【図20】 本発明の実施態様に従って処理されたもう1つの多層反射器の透過スペクトルを示す。
【図21】 本発明の実施態様に従って処理されたもう1つの多層反射器の透過スペクトルを示す。
【図22】 本発明の実施態様に従って処理されたもう1つの多層反射器の透過スペクトルを示す。
【図23】 本発明の実施態様に従って処理されたもう1つの多層反射器の透過スペクトルを示す。
【図24】 本発明の一実施態様による反射器の拡散および正反射特性を示す。
【図25】 本発明のもう1つの実施態様に従って様々に処理された反射器の透過スペクトルを示す。
【図26】 本発明のさらにもう1つの実施態様による透過と処理との関係を示す。
【図27】 本発明の一実施態様によるルーバーを示す。
【図28A】 本発明のもう1つの実施態様による光モジュールを示す。
【図28B】 本発明のもう1つの実施態様による光モジュールを示す。
Claims (3)
- 第1表面と第2表面とを有する多層誘電積層体であって、前記多層誘電積層体は予め決められた帯域幅内の光を実質的に反射し、前記帯域幅の帯域端部が、前記第1表面に直接入射する光に関して前記誘電積層体を貫通する伝播の最大角度により画定される多層誘電積層体と、
前記予め決められた帯域幅内の光が、前記最大角度を超える伝播角度で前記誘電積層体に入射することを可能にするように、前記第1表面の少なくとも一部上に形成された入力層と、
前記第2表面の少なくとも一部に形成された出力層であって、光が、前記入力層および出力層に対応する位置で誘電積層体を選択的に透過するように、前記最大角度を超える伝播角度で前記誘電積層体を貫通して伝播する光の内部全反射を防止する出力層と、
を含むことを特徴とする誘電反射器。 - 前記誘電積層体が、少なくとも2種類のポリマー材料の層を含み、少なくともひとつのポリマー材料が歪誘発複屈折を示すことを特徴とする、請求項1に記載の誘電反射器。
- 前記誘電反射器が反射偏光子を含むことを特徴とする、請求項1乃至2のいずれかに記載の誘電反射器。
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