JP4347025B2 - 環境データ計測システム,方法,プログラム、環境データ計測システムに用いる集計サーバ,センサ端末 - Google Patents

環境データ計測システム,方法,プログラム、環境データ計測システムに用いる集計サーバ,センサ端末 Download PDF

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Description

本発明は、環境データ計測システム、方法、プログラムにかかり、特に、効率よく環境データを計測して、かかる計測データをもとに自然環境の維持、改善を図る上で有用なデータを得ることができるシステム、方法、プログラムに関する。また、上記環境データ計測システムに用いる集計サーバ、センサ端末に関する。
近年、大きな自然環境の変化が見られるようになり、例えば、大気汚染や水質汚染、紫外線の増加など、様々な環境状況の悪化が懸念されている。これに伴い、自然環境内で生活をする生態系への影響が問題となり、個体数の減少、さらには、絶滅の危機に面している生物も見受けられる。
環境の変化の影響を受ける生物として、両生類である「カエル」を例に挙げて説明する。両生類は水中と陸上で生活するため、両方の環境の影響を受けることから、その生息状態を調べることは環境の状況を把握するのに好適である。まず、両生類は皮膚を通して呼吸をし、水分をとるため、皮膚は薄くかつ浸透性が高く形成されている。また、卵も殻が無いので皮膚と同様である。従って、重金属や放射性廃棄物などの大気汚染物質に非常に弱く、大気汚染の悪化によって絶滅の危機にさらされてしまう。また、同様に、皮膚や卵の膜が薄いことから、紫外線にも弱い。現在、オゾン層の破壊により地球上に届く紫外線量が増加しているが、この紫外線によりDNAが傷つけられたり、細胞が破壊されることも生じ、両生類の生息数に影響を与える。さらには、気候の変化にも弱く、湿度の低下にも影響を受ける。
そして、上記両生類である「カエル」は、まず、「オタマジャクシ」の時には大量の藻類や他の植物を食べるため、水をきれいにする働きを有する。また、「カエル」に成長すると、農作物に被害を与える害虫を食べたり、マラリア感染の原因となる蚊を食べるなどの重要な働きを有する。さらには、生態系の中で他の動物、哺乳類や鳥類、爬虫類、淡水魚の餌となり、これらの生命を支えているという、生態系の食物連鎖において非常に重要な役割を果たす。
以上説明したように、大気汚染、水質汚染等の環境の変化は、両生類ばかりでなく、植物や他の動物など総ての生物に対して影響を与えるため、これを迅速に抑制する必要があり、その準備として的確な環境情報を取得する必要が生じる。
そして、そのような環境状況を調査するには、人による調査も可能であるが、多大な労力を要するため、各種センサを用いた環境データ計測システムが考えられている。その一例を下記に示す特許文献1を参照して説明する。
特許文献1に開示されているシステムは、各住宅に、におい用センサ、放射能用センサ、光化学スモッグ用センサ、水質用センサの各種環境用センサを取り付け、これらの情報を収集し、各住宅に警報を通知する、というシステムである。そして、環境の異常、例えば、水質の汚染などの情報をいち早く取得し、水を飲まないなどの予防措置を迅速に採ることを目的としている。
特開2003−99122号公報
しかしながら、上記従来例においては、環境異常が生じたことの情報をいち早く取得して、人間の生活をより安全なものにしようとしているだけであって、自然環境の再生に有効に活用できるデータの取得は困難である。従って、生態系への影響は依然として改善されず、特定の生物が減少、絶滅の危機にさらされるといった問題が残る。
また、環境センサを、住宅やオフィスなど人間が活動する場所にのみ設置しており、植物や動物などの野生生物が存在する場所の環境状況を適切に取得することができない、という問題が生じる。また、多くの住宅に環境センサを設置することで生物の生息地をカバーできるとも考えられるが、住宅が密集している地域では無駄が多く、生物が多く存在する水辺などに設置することは困難であるため、効率よく環境状況を取得することが困難となる、という問題が生じる。同時に、設備設置に余計なコストが生じる。
このようなことから、生物が存在しうる場所の環境状況に関するデータを適切に取得し、そのデータを自然環境の維持、再生に役立てることが要求されている。従って、本発明は、生態系の生息箇所に対応して環境データを効率よく取得しつつ、自然環境の維持、再生に有効に活用することができる環境データ計測システム、方法、プログラムを提供することを目的とする。
そこで、本発明では、相互に交信を行う通信基地局と複数のセンサ端末とを備えると共に、通信基地局にネットワークを介して接続された集計サーバを備え、センサ端末が、設置された箇所における環境に関するデータを計測するデータ計測手段と、センサ端末固有のセンサ識別データを記憶するセンサ識別データ記憶手段と、計測した環境データをセンサ識別データと共に計測データとして通信基地局に対して送信する計測データ送信手段とを備えると共に、通信基地局が、複数のセンサ端末から送信される計測データを収集して、集計サーバに送信する計測データ収集手段を備え、集計サーバが、通信基地局から送信された計測データを受信する計測データ受信手段と、各センサ端末の設置箇所における特定生物の生存有無を表す生物生存データをセンサ端末のセンサ識別データと関連付けて外部から受け付ける生物生存データ受付手段と、計測データが特定生物の生存箇所とその他の箇所とで有意な差異が生じるか否かを判定するための基準データを記憶する有意差判定基準記憶手段と、計測データと生物生存データと有意差判定の基準データとに基づいて,特定生物の生存の有無に対する環境データの有意な差異の存否を判定する有意差判定手段と、を備えた、という構成を採っている。
このような構成にすることにより、まず、自然環境中に配置されたセンサ端末にて計測された、気温,湿度,紫外線量,酸性雨のpH値,大気中の化学物質,放射能量,水中の化学物質量などの環境に関するデータは、通信基地局に送信されて、当該基地局を介して集計サーバにて収集される。このとき、各センサ端末からの計測データには、計測したセンサ端末を識別するセンサ識別データが含まれている。また、集計サーバは、各センサ端末の設置箇所における特定生物の生存有無を表す生物生存データをセンサ端末のセンサ識別データと関連付けて受け付けて記憶している。従って、これらのデータに基づいて、特定の生物が存在する箇所において計測した環境データと、他の箇所における環境データとを区別して集計することができる。そして、生物がいる箇所とその他の箇所における環境データとの間に、特別な差異が存在するか否かを判断することで、計測したデータが生物の生息環境を調査する上で必要な物理量か否かを容易に判断することができる。すなわち、環境の改善等を図る上において、計測することが必要な計測対象項目や、センサ端末を設置することが必要な箇所などを容易に判断することができ、環境データ計測の効率化を図ることができる。
また、集計サーバが、環境データのうち生物の存在する箇所のものとその他のものとの境界値を算出するための予め定められたルールデータを記憶する境界値算出ルール記憶手段と、有意差判定手段にて有意差があると判定した場合に,計測データと生物生存データと境界値算出ルールデータとに基づいて,特定生物が生存するセンサ端末からの計測データ群とその他の計測データ群との境界値を算出する境界値算出手段と、を備えた、という構成とすると望ましい。
これにより、生物生存データにより生物が存在するとされる計測データ群及びその他のデータ群と、さらには、予め定めた算出ルールとに基づいて、各計測データ群の境界値が算出される。従って、かかるデータを自然保護活動者などが閲覧することで、特定の生物が生存可能な環境と、存在しない環境との境界を容易に認識することができ、計測箇所における自然環境の維持、あるいは、回復などの対策に有効に活用することができる。
なお、本発明は、上述したように計測データの有意差を判断せずに、境界値を算出する構成であってもよい。すなわち、相互に交信を行う通信基地局と複数のセンサ端末とを備えると共に、通信基地局にネットワークを介して接続された集計サーバを備え、センサ端末が、設置された箇所における環境に関するデータを計測するデータ計測手段と、センサ端末固有のセンサ識別データを記憶するセンサ識別データ記憶手段と、計測した環境データをセンサ識別データと共に計測データとして通信基地局に対して送信する計測データ送信手段とを備えると共に、通信基地局が、複数のセンサ端末から送信される計測データを収集して、集計サーバに送信する計測データ収集手段を備え、集計サーバが、通信基地局から送信された計測データを受信する計測データ受信手段と、各センサ端末の設置箇所における特定生物の生存有無を表す生物生存データをセンサ端末のセンサ識別データと関連付けて外部から受け付ける生物生存データ受付手段と、環境データのうち生物の存在する箇所のものとその他のものとの境界値を算出するための予め定められたルールデータを記憶する境界値算出ルール記憶手段と、計測データと生物生存データと境界値算出ルールデータとに基づいて,特定生物が生存するセンサ端末からの計測データ群とその他の計測データ群との境界値を算出する境界値算出手段と、を備えた、という構成でもよい。
また、上記構成に加え、さらに集計サーバが、生物生存データに基づいて計測データを生物生存箇所に設置されたセンサ端末からの計測データ群とその他の計測データ群とに振り分けて記憶する計測データ振り分け手段を備えた、という構成にしてもよい。これにより、振り分けたデータそのものを自然保護活動者などが閲覧することで、特定の生物が生存可能な環境と、存在しない環境との境界を容易に認識することができ、計測箇所における自然環境の維持、あるいは、回復などの対策に有効に活用することができると共に、上記境界値算出処理が振り分けたデータに基づいて行われるため、当該処理の迅速化を図ることができる。
また、生物生存データは、各センサ端末設置箇所において計測された当該箇所における生物の存否判断可能なデータであると共に、有意差判定手段は、生物生存データから特定生物の存否を判断するための特徴データを記憶した生物特徴データ記憶手段と、生物存否判断可能データと生物特徴データとを照合して,生物存否判断可能データが計測されたセンサ端末設置箇所における特定生物の存否を判定する生物存否判断手段と、を備えた、という構成であってもよい。
これにより、まず、センサ端末設置箇所における周囲の状況を認識するデータ(画像データ、赤外線データ、においデータなど)が計測され、かかるデータが集計サーバに送信される。そして、集計サーバは、予め記憶している特定の生物を識別する特徴データを参照して、取得した生物生存データを解析し、当該データ中に生物が存在するか否かを判断する。このとき、生物が存在すると判断された箇所に設置されたセンサ端末を特定することで、上述したように、生物が存在する箇所のセンサ端末からの環境データと、その他の環境データとを区別し、その境界値を算出することができる。従って、このような構成においては、センサ設置箇所における実際の生物存在の有無が自動的に判断され、かかる判断結果に基づいて環境データが区別されるため、より容易に環境維持・改善等に有効に活用されうるデータを取得することができる。
なお、生物生存データである生物存否判断可能データは、センサ端末に設置された計測手段から取得されたデータであって、当該センサ端末から通信基地局を介して集計サーバに送信されたデータであると望ましい。これにより、センサ端末が有する通信機能を用いて、生物生存データも収集することができ、他の通信機能を有するセンサを別途設置することなく、システムにかかるコストの削減及びシステム構成の簡略化を図ることができる。
また、上記構成とは異なり、生物生存データは、予め特定生物が生存することが確認された箇所に設置されたセンサ端末を特定するセンサ特定データ、あるいは、予め特定生物が生存することあるいは存在していないことが確認された箇所に設置されたセンサ端末を特定するセンサ特定データであって、外部より入力されたデータであってもよい。すなわち、人間にてセンサ設置箇所において特定生物の存否の生存が確認された箇所に関するデータが、集計サーバに入力されてもよい。これにより、自動的に特定生物の生存を認識するシステム構成とすることなく、システム構成の簡略化を図ることができる。
また、集計サーバが有する境界値算出手段が、算出した境界値と,当該境界値を算出する際に用いた各計測データ群と,予め集計サーバに記憶された境界値に対して生物生存箇所において計測された計測データ群とは反対側に位置する領域を特定するための領域特定ルールデータと,に基づいて、境界値に対して生物存在箇所において計測された計測データ群側とは反対側の領域を特定して,当該領域に関するデータを不存在条件データとして記憶する不存在データ記憶手段を備えると共に、集計サーバが、計測データ振り分け手段にて生物存在箇所におけるものとして新たに振り分けた計測データが記憶した不存在条件データを満たすか否かを検証する振り分けデータ検証手段と、振り分けた計測データが不存在条件データを満たす場合に,新たに振り分けた計測データに含まれるセンサ識別データを抽出して当該センサ識別データにて特定されるセンサ端末を表すデータを外部に出力する出力手段とを備えた、という構成にしてもよい。
これにより、まず、上述したように、生物が存在する箇所とその他の箇所との環境データの境界値が算出されると、境界値に対して生物が存在する箇所とは反対側の領域が算出され、かかる領域を示すデータが不存在条件データとして記憶保持される。その後、各箇所における環境データを計測すると、当該環境データ(計測データ)と上記不存在条件データとが比較されて、振り分けられたデータの検証が行われる。このとき、計測した環境データが境界値に対して生物が存在する箇所におけるデータ群側ではなく、その反対側、例えば、生物が存在しないと確認された箇所におけるデータ群側に位置することとなったときに、その環境データが計測されたセンサ端末の設置箇所に関する情報を外部に出力する。例えば、環境データを計測している自然保護活動者に対して集計サーバのディスクプレイに表示して示したり、当該自然保護活動者が有する端末にネットワークを介して電子メールにて通知する。このため、システムの管理者や自然保護活動者は、センサ設置箇所における自然環境の変化、特に、生物が存在していた状態から生物が存在していない箇所と同等の自然環境への変化を迅速に認識できる。そして、これは、生物の存在の有無により異なる実際に計測された環境データに基づいて自然環境の変化を判断できるため、より信頼できる判断結果を取得でき、迅速な対応を図ることができる。
また、センサ端末が有する計測データ送信手段は、別のセンサ端末から送信された計測データを受信して、当該計測データを通信基地局に対して送信すると共に、当該通信基地局と交信可能である場合には当該通信基地局に,自己のセンサ端末による計測データあるいは別のセンサ端末から受信した計測データを送信し、あるいは、通信基地局と交信不可能である場合には交信可能な他のセンサ端末に,自己のセンサ端末による計測データあるいは別のセンサ端末から受信した計測データを送信する、という構成であると望ましい。
これにより、センサ端末は、直接、通信基地局と通信不可能な距離に設置されていても良く、かかる場合には他のセンサ端末に計測データを送信することで、これら他のセンサ端末を通じて通信基地局に計測データが送信される。従って、通信基地局及びセンサ端末を広範囲な無線通信を実現できる装置に設定する必要もなく、システム自体の低コスト化を図ることができる。また、システムの省電力化をも図ることができる。そして、この省電力化により、センサ端末の耐久性の向上を図ることができる。
また、センサ端末の設置箇所は、例えば、予め特定生物が存在すると予想される特定箇所を基準とする当該生物の予め定められた行動距離範囲内において,当該生物が存在すると予想される箇所である。また、別の例としては、予め定められた行動距離範囲が異なる複数の特定生物が存在すると予想される同一の特定箇所を基準とする当該生物毎の移動範囲内において,当該各特定生物が存在すると予想される箇所である。
これにより、種々の生物の生息箇所に応じてセンサ端末を配置することとなるため、生物の生息環境データをより効率よく取得することが可能となる。特に、行動距離範囲が異なる生物毎が生息する範囲内において、当該生物の存在が予測される箇所にセンサ端末を設置することで、さらに有効に生物の生息環境データを取得することが可能となる。
なお、本発明は、上記構成をさらに具体化した以下のような構成であってもよい。例えば、相互に無線通信にて交信を行う無線通信基地局と複数のセンサ端末とを備えると共に、無線通信基地局にネットワークを介して接続された集計サーバを備え、センサ端末が、予め生物が存在すると予想される箇所に設置され、当該生物存在予想箇所の環境に関するデータを計測すると共に、この計測された計測データを、自己であるセンサ端末を他のセンサ端末と識別するための予め記憶された固有のセンサ識別データを含めて無線通信基地局に対して送信する機能を有し、無線通信基地局が、複数のセンサ端末から送信される計測データを受信して、集計サーバに送信する機能を有し、さらに、集計サーバが、生物存在予想箇所のうち予め生物が存在すると確認された生物存在箇所に設置されたセンサ端末を特定するセンサ特定データと、当該生物存在箇所に設置されたセンサ端末にて計測される計測データとその他の計測データとの境界値を算出するための予め定められた境界値算出ルールデータと、を記憶すると共に、無線通信基地局から送信された計測データを受信する計測データ受信機能と、受信した計測データを当該計測データに含まれるセンサ識別データと記憶しているセンサ特定データとに基づいて生物存在箇所に設置されたセンサ端末からの計測データ群とその他の計測データ群とに振り分ける計測データ振り分け機能と、振り分けた各計測データ群と境界値算出ルールデータとに基づいて各計測データ群の境界値を算出する境界値算出機能と、を備えた、という構成であってもよい。
ここで、本発明は、上述した集計サーバのみによって構成されるものであってもよい。すなわち、以下に示す構成の集計サーバであっても、上述同様の作用、効果を有する。
まず、本発明である集計サーバは、複数のセンサ端末にて計測された当該各センサ端末の設置箇所における環境に関するデータを、当該センサ端末毎に固有のセンサ識別データと共に計測データとして受信する計測データ受信手段と、各センサ端末の設置箇所における特定生物の生存有無を表す生物生存データをセンサ端末のセンサ識別データと関連付けて外部から受け付ける生物生存データ受付手段と、計測データが特定生物の生存箇所とその他の箇所とで有意な差異が存在するか否かを判定するための基準データを記憶する有意差判定基準記憶手段と、計測データと生物生存データと予め記憶された有意差判定の基準データとに基づいて,特定生物の生存の有無に対する環境データの有意な差異の存否を判定する有意差判定手段と、を備えた、という構成を採っている。
また、上記集計サーバは、環境データのうち生物の存在する箇所のものとその他のものとの境界値を算出するための予め定められたルールデータを記憶する境界値算出ルール記憶手段と、有意差判定手段にて有意差があると判定した場合に,計測データと生物生存データと境界値算出ルールデータとに基づいて,特定生物が生存するセンサ端末からの計測データ群とその他の計測データ群との境界値を算出する境界値算出手段と、を備えている。
なお、複数のセンサ端末にて計測された当該各センサ端末の設置箇所における環境に関するデータを、当該センサ端末毎に固有のセンサ識別データと共に計測データとして受信する計測データ受信手段と、各センサ端末の設置箇所における特定生物の生存有無を表す生物生存データをセンサ端末のセンサ識別データと関連付けて外部から受け付ける生物生存データ受付手段と、環境データのうち生物の存在する箇所のものとその他のものとの境界値を算出するための予め定められたルールデータを記憶する境界値算出ルール記憶手段と、計測データと生物生存データと境界値算出ルールデータとに基づいて,特定生物が生存するセンサ端末からの計測データ群とその他の計測データ群との境界値を算出する境界値算出手段と、を備えた、という構成の集計サーバでもよい。
そして、上述した集計サーバに、さらに、生物生存データに基づいて計測データを生物生存箇所に設置されたセンサ端末からの計測データ群とその他の計測データ群とに振り分けて記憶する計測データ振り分け手段を備えると望ましい。
また、生物生存データは、各センサ端末設置箇所において計測された当該箇所における生物の存否判断可能なデータであると共に、有意差判定手段は、生物生存データから特定生物の存否を判断するための特徴データを記憶した生物特徴データ記憶手段と、生物存否判断可能データと生物特徴データとを照合して,生物存否判断可能データが計測されたセンサ端末設置箇所における特定生物の存否を判定する生物存否判断手段と、を備えた集計サーバでもよい。このとき、生物生存データである生物存否判断可能データは、センサ端末に設置された計測手段から取得されたデータであって、当該センサ端末から集計サーバに対して送信されたデータ、例えば、センサ端末設置箇所周囲の画像データである。
また、生物生存データは、上述同様に、予め特定生物が生存することが確認された箇所に設置されたセンサ端末を特定するセンサ特定データ、あるいは、予め特定生物が生存することあるいは存在していないことが確認された箇所に設置されたセンサ端末を特定するセンサ特定データであって、外部より入力されたデータであってもよい。
また、集計サーバが有する境界値算出手段が、算出した境界値と,当該境界値を算出する際に用いた各計測データ群と,予め集計サーバに記憶された境界値に対して生物生存箇所において計測された計測データ群とは反対側に位置する領域を特定するための領域特定ルールデータと,に基づいて、境界値に対して生物存在箇所において計測された計測データ群側とは反対側の領域を特定して,当該領域に関するデータを不存在条件データとして記憶する不存在データ記憶手段を備えると共に、集計サーバが、計測データ振り分け手段にて生物存在箇所におけるものとして新たに振り分けた計測データが記憶した不存在条件データを満たすか否かを検証する振り分けデータ検証手段と、振り分けた計測データが不存在条件データを満たす場合に,新たに振り分けた計測データに含まれるセンサ識別データを抽出して当該センサ識別データにて特定されるセンサ端末を表すデータを外部に出力する出力手段とを備えた、という構成でもよい。
また、本発明は、以下に示す工程から成る方法、さらには、集計サーバを以下の手段として機能させるプログラム、という形態よるものでもある。
まず、本発明である環境データ計測方法は、複数のセンサ端末が、設置された箇所における環境に関するデータを計測すると共に、この計測された計測データを、自己であるセンサ端末を他のセンサ端末と識別するための予め記憶された固有のセンサ識別データを含めて相互に交信を行う通信基地局に対して送信するデータ計測工程と、通信基地局が、複数のセンサ端末から送信される計測データを収集して、当該通信基地局に接続された集計サーバに送信する計測データ収集工程と、集計サーバが、通信基地局から送信された計測データを受信する計測データ受信工程と、集計サーバが、計測データ受信工程に前後して,各センサ端末の設置箇所における特定生物の生存有無を表す生物生存データをセンサ端末のセンサ識別データと関連付けて外部から受け付ける生物生存データ受付工程と、集計サーバが、計測データと,生物生存データと,予め集計サーバが記憶している計測データが特定生物の生存箇所とその他の箇所とで有意な差異が生じるか否かを判定するための基準データと,に基づいて,特定生物の生存の有無に対する環境データの有意な差異の存否を判定する有意差判定工程と、から成るものである。
そして、集計サーバが、有意差判定工程にて有意差があると判定した場合に,計測データと,生物生存データと,予め集計サーバが記憶している環境データのうち生物の存在する箇所のものとその他のものとの境界値を算出するための予め定められた境界値算出ルールデータと,に基づいて,特定生物が生存するセンサ端末からの計測データ群とその他の計測データ群との境界値を算出する境界値算出工程を追加して成る方法であってもよい。
なお、本発明は、複数のセンサ端末が、設置された箇所における環境に関するデータを計測すると共に、この計測された計測データを、自己であるセンサ端末を他のセンサ端末と識別するための予め記憶された固有のセンサ識別データを含めて相互に交信を行う通信基地局に対して送信するデータ計測工程と、通信基地局が、複数のセンサ端末から送信される計測データを収集して、当該通信基地局に接続された集計サーバに送信する計測データ収集工程と、集計サーバが、通信基地局から送信された計測データを受信する計測データ受信工程と、集計サーバが、計測データ受信工程に前後して,各センサ端末の設置箇所における特定生物の生存有無を表す生物生存データをセンサ端末のセンサ識別データと関連付けて外部から受け付ける生物生存データ受付工程と、集計サーバが、計測データと,生物生存データと,予め集計サーバが記憶している環境データのうち生物の存在する箇所のものとその他のものとの境界値を算出するための予め定められた境界値算出ルールデータと,に基づいて,特定生物が生存するセンサ端末からの計測データ群とその他の計測データ群との境界値を算出する境界値算出工程と、から成る環境データ計測方法でもよい。
そして、さらに、集計サーバが、環境値算出工程の前に、生物生存データに基づいて計測データを生物生存箇所に設置されたセンサ端末からの計測データ群とその他の計測データ群とに振り分けて記憶する計測データ振り分け工程を、上記方法に追加して成る方法であってもよい。
さらには、集計サーバが有する境界値算出工程が、境界値算出工程にて算出した境界値と,当該境界値を算出する際に用いた各計測データ群と,予め集計サーバに記憶された境界値に対して生物生存箇所において計測された計測データ群とは反対側に位置する領域を特定するための領域特定ルールデータと,に基づいて、境界値に対して生物存在箇所において計測された計測データ群側とは反対側の領域を特定して,当該領域に関するデータを不存在条件データとして記憶する不存在データ記憶工程を備えると共に、集計サーバが、計測データ振り分け工程にて生物存在箇所におけるものとして新たに振り分けた計測データが記憶した不存在条件データを満たすか否かを検証する振り分けデータ検証工程と、集計サーバが、振り分けた計測データが不存在条件データを満たす場合に,新たに振り分けた計測データに含まれるセンサ識別データを抽出して当該センサ識別データにて特定されるセンサ端末を表すデータを外部に出力する出力工程と、を追加して成る、という方法であってもよい。
また、本発明であるプログラムは、上述したように、集計サーバを、複数のセンサ端末にて計測された当該各センサ端末の設置箇所における環境に関するデータを、当該センサ端末毎に固有のセンサ識別データと共に計測データとして受信する計測データ受信手段、各センサ端末の設置箇所における特定生物の生存有無を表す生物生存データをセンサ端末のセンサ識別データと関連付けて外部から受け付ける生物生存データ受付手段、計測データが特定生物の生存箇所とその他の箇所とで有意な差異が存在するか否かを判定するための基準データを記憶する有意差判定基準記憶手段、計測データと生物生存データと予め記憶された有意差判定の基準データとに基づいて,特定生物の生存の有無に対する環境データの有意な差異の存否を判定する有意差判定手段、として機能させるための環境データ計測用プログラムである。
そして、さらに、集計サーバを、環境データのうち生物の存在する箇所のものとその他のものとの境界値を算出するための予め定められたルールデータを記憶する境界値算出ルール記憶手段、有意差判定手段にて有意差があると判定した場合に,計測データと生物生存データと境界値算出ルールデータとに基づいて,特定生物が生存するセンサ端末からの計測データ群とその他の計測データ群との境界値を算出する境界値算出手段、として機能させる環境データ計測用プログラムであってもよい。
なお、本発明は、集計サーバを、複数のセンサ端末にて計測された当該各センサ端末の設置箇所における環境に関するデータを、当該センサ端末毎に固有のセンサ識別データと共に計測データとして受信する計測データ受信手段、各センサ端末の設置箇所における特定生物の生存有無を表す生物生存データをセンサ端末のセンサ識別データと関連付けて外部から受け付ける生物生存データ受付手段、環境データのうち生物の存在する箇所のものとその他のものとの境界値を算出するための予め定められたルールデータを記憶する境界値算出ルール記憶手段、計測データと生物生存データと境界値算出ルールデータとに基づいて,特定生物が生存するセンサ端末からの計測データ群とその他の計測データ群との境界値を算出する境界値算出手段、として機能させるための環境データ計測用プログラムでもよい。
そして、上記プログラムは、さらに、集計サーバを、生物生存データに基づいて計測データを生物生存箇所に設置されたセンサ端末からの計測データ群とその他の計測データ群とに振り分けて記憶する計測データ振り分け手段、として機能させるプログラムであってもよい。
このように、上記方法あるいはプログラムであっても、上述したシステム同様に作用し、本願目的を達成することができる。
本発明は、以上のように構成され機能するので、これによると、生物が存在しうる箇所の環境データを効率よく収集でき、かつ、特定の生物が生存可能な環境と、存在しない環境との境界データを容易に得ることができ、計測箇所における自然環境の維持、あるいは、回復などの対策に有効に活かすことができる。特に、上記算出した境界値を基準として、環境データを監視することにより、より迅速且つ的確に、生物の生息箇所に着目した自然環境の変化を認識することができ、さらに効果的に、自然環境の維持、回復を図ることができる。これにより、特定の生物の個体数の減少や絶滅を抑制し、生態系の維持を図ることもできる。
まず、本発明の概要について説明する。本発明では、センサ端末が予め生物が存在すると予想される箇所、例えば、池や森林などに設置されている。このセンサ端末は、温度や湿度、NOxといった大気汚染物質の濃度や水質汚染物質の濃度などの環境に関するデータを計測することが可能なセンシングデバイスが装着されている。また、センサ端末には無線通信機能が備わっており、無線通信基地局に対して計測した計測データを送信することが可能である。そして、上記無線通信基地局は、複数のセンサ端末から計測データを収集し、接続されている集計サーバに転送する。
そして、集計サーバでは、受信した計測データのうち、生物が存在する箇所のものと生物が存在しない箇所のものとに有意な差があるか否かを調べ、有意差があると判断すると、生物存在箇所とその他の箇所との環境データの境界値が、予め定められた境界値算出ルールとに基づいて算出される。
これにより、算出された境界値を参照することで、生物が存在する箇所と存在しない箇所との環境の相違を容易に認識することができ、当該生物の生息環境の維持、及び、回復を実現するための対応策を採ることが容易となる。また、有意差が有るか無いかを判断することのみでも、計測対象となる環境の項目を計測する意味があるか、また、センサ設置箇所が適切であるか否かをも判断することができ、これに基づいて、効率のよい環境データの計測を実現することができる。
なお、本発明では、生物が存在する箇所と存在しない箇所との区別は、外部より入力される生物生存データに基づいて判断される。そして、この生物生存データは、例えば、人間による調査によるものである。かかる場合の構成については実施例1に示す。但し、生物生存データはこれに限定されない。センサ端末に生物の存在を確認できるデータ(生物生存データ)を取得するセンシングデバイスを取り付け、かかる取得データから生物の存在の有無を自動的に調べる、という構成でもよい。かかる構成については、実施例2にて説明する。
以下、本発明の具体的な構成及び動作を、図1乃至図10を参照して説明する。図1は、システムの全体的な構成を示す概略図であり、図2は、システム内におけるデータの流れを示す図である。図3乃至図4は、システム内における無線通信による通信方法を説明するための図である。図5及び図7は、システムの構成要素である機器の構成を示す機能ブロック図である。図6は、センサ端末の設置箇所を説明する図である。図8は、計測される環境データの処理状態を示す説明図である。図9乃至図10は、システムの動作を示すフローチャートである。
(全体構成)
本発明である環境データ計測システムは、ある所定の地域に対して備えられている。その設置の様子を図1に示す地域L1を参照して説明する。地域L1内には、民家やオフィスビル群、森林や沼など、種々の状況が備わった地域である。但し、本発明のシステムが設置される地域は、かかる状況のものに限定されない。民家が密集した地域のみでもよく、森林のみの地帯であってもよい。
そして、かかる地域内に設置されるシステムは、相互に無線通信にて交信を行う無線通信基地局1と複数のセンサ端末2とを備えると共に、無線通信基地局1にネットワークNを介して接続された集計サーバ3を備えることで構成されている。そして、集計サーバ3が、無線通信基地局1を介して複数のセンサ端末2にて計測された環境データを含む計測データを収集し、当該収集したデータを集計する、というシステムである。この集計したデータは生物の生息状況に対応したものであるため、これを参照することで自然環境の維持、回復に活用することができる、というものである。以下、各装置の具体的な構成について説明する。
(データ通信ネットワーク)
まず、本発明である環境データ計測システムにて構築されるデータ通信ネットワークについて、図2を参照して説明する。図2は、図1に開示した無線基地局1、センサ端末2、集計サーバ3によるデータ通信の様子を概念的に示した図である。なお、この図においては、センサ端末2は6つしか備えられていないが、かかる個数に限定されるものではない。また、後に詳述する無線通信基地局1とセンサ端末2との交信、及び、センサ端末相互間の交信は、無線通信によることに限定されない。例えば、電話回線等の公衆ネットワークを用いてもよく、専用の光ファイバー等の有線通信手段を用いて交信を行ってもよい。但し、本実施例のように、無線通信手段を用いることで、インフラ環境にとらわれず、センサ端末を任意の箇所に設置することが可能となり、より効率よく環境データを取得することができる。
そして、無線通信基地局1は、センサ端末2と無線通信にて相互に交信して、当該センサ端末2から計測データを収集するというものである。このとき、複数のセンサ端末2は、無線通信基地局1からの指令により、当該無線通信基地局1との間にデータ転送経路を構築する。このため、データ転送経路を構築するための通信制御情報のやり取りを、無線通信基地局1とセンサ端末2との間、及び、センサ端末2同士の間にて行う。かかる通信制御情報の流れを、図2の符号Y1の矢印にて示す。そして、データ転送経路が確立すると、センサ端末2にて計測された計測データが、経路に沿って他のセンサ端末2を介して、あるいは、直接に無線通信基地局1に送信される(矢印Y2参照)。なお、無線通信基地局1には上述したように集計サーバ3が接続されており、経路構築の指示や、特定のセンサ端末2に対するデータ収集指令を無線通信基地局1に送信することも可能である(矢印Y1参照)。そして、無線通信基地局1が収集した計測データを、集計サーバ3が受信する(矢印Y3参照)。
このように、センサ端末1は、直接、無線通信基地局1と通信不可能の距離にあっても、他の通信可能なセンサ端末2に計測データを送信することで、これら他のセンサ端末2を通じて無線通信基地局1に計測データを送信することができる。従って、無線通信基地局1及びセンサ端末2を広範囲な無線通信を実現できる装置に設定する必要もなく、システム自体の低コスト化を図ることができる。また、システムの省電力化をも図ることができる。特に、センサ端末2の省電力化を図ることで、電力的なメンテナンスの回数を軽減でき、人が容易に立ち入れない場所などに設置することも可能である。
ここで、上記無線通信基地局1とセンサ端末2とによる無線通信ネットワークについてされに詳述する。特に、上記データ転送経路の構築方法の一例について、図3乃至図4を参照して説明する。図3は、データ転送経路構築の際におけるデータの流れを示す図であり、図4は、無線通信基地局1及び各センサ端末2がそれぞれ備える経路表の一例を示す図である。なお、この経路表は、基地局1及びセンサ端末2内の記憶部に予め構築されており、書き換えが自在である。
まず、無線通信基地局1及びセンサ端末2には、通信時に相手装置を認識するための各装置固有のIDが付与されている。このIDは、単なる数字による識別データであっても良く、あるいは、各装置のIPアドレスやMACアドレス等を用いてもよい。なお、以下では説明の便宜上、無線通信基地局1のIDを「0」とし、センサ端末2のIDを「1」〜「4」とする。なお、センサ端末2は4台しか開示しないが、これに限定されず、さらに多数のセンサ端末2が備えられていても良く、逆にこれよりも少なくてもよい。また、センサ端末2のIDを、特に、センサ識別データという。
なお、上述したように、集計サーバ3は、無線通信基地局1とセンサ端末2との間での経路構築開始やセンサ端末2にセンサによる測定の開始、計測データの収集を基地局1やセンサ端末2に指示する。
そして、無線通信基地局1(ID0)から送信される検出信号D1は、当該基地局1が経路を構築すべきセンサ端末2を検出するための信号である。各センサ端末2から送信される検出応答信号D2〜D5は、検出信号D1及び他のセンサ端末2から受信した検出応答信号D2〜D5に対応する応答と、センサ端末2が経路を構築すべきセンサ端末2を検出する機能とを兼ねている。リンク通知信号D6,D7は、基地局1と直接経路を構築していないセンサ端末2(ID3,4)が経路を構築したことを基地局1に通知するための信号であり、当該センサ端末2(ID3,4)のIDを基地局1に通知する。
各センサ端末のリンク値は、基地局1から各センサ端末2までのホップ数を示す値であり、図3においては、基地局1と直接(換言すると、1ホップで)経路を構築しているセンサ端末2(ID1,2)のリンク値は「1」であり、他のセンサ端末2を一つ介して(換言すると、2ホップで)経路を構築しているセンサ端末2(ID3,4)のリンク値は、「2」となっている。
そして、データ転送経路を構築する際の動作を簡単に説明する。経路構築を開始する際には、集計サーバ3が無線通信基地局1に対して経路構築開始を指示する。この指示を受けた基地局1は、経路を構築すべきセンサ端末2を検出するため、検出信号D1を送信する。続いて、検出信号D1を受信したセンサ端末2(ID1,2)は、受信した検出信号の電波強度が所定のしきい値以上であれば検出応答信号を返信する。例えば、図3の例では、センサ端末2(ID1,2)が、自己の端末のID(ID1,2)を含んだ検出応答信号D2,D3を無線通信基地局1及び他のセンサ端末2に送信する。このとき、センサ端末2(ID1,2)は、自己の端末内の記憶部に形成された経路表の上流端末IDの欄に「ID0」を書き込み(図4(b),(c)参照)、リンク値を1とする。また、センサ端末2(ID1,2)から検出応答信号D2,D3を受信した無線通信基地局1は、自己の経路表の下流端末IDの欄にID1,ID2を書き込む(図4(a)参照)。これにより、無線通信基地局1とセンサ端末2(ID1,2)とのそれぞれの経路が構築される。
続いて、センサ端末2(ID1,2)が出力した検出応答信号D2,D3は、経路を構築すべきさらに下流のセンサ端末2を検出する機能も有する。従って、かかる検出応答信号D2,D3を受信したセンサ端末2(ID3,ID4)は、自端末の経路表の上流端末IDの欄にセンサ端末2のID「ID1」を書き込み(図4(d)参照)、リンク値を2とする。また、センサ端末2(ID4)についても同様である(図4(e)参照)。そして、これらセンサ端末2(ID3,4)は、自端末のIDであるID3,ID4を含んだ検出応答信号D4,D5を、上流であるセンサ端末2(ID1,2)に送信する。
すると、上記検出応答信号D4,D5を受けたセンサ端末2(ID1,2)は、当該検出応答信号D4,D5の発信元であるセンサ端末2(ID3,4)のIDを、自端末の経路表の下流端末IDの欄に書き込み(図4(b),(c)参照)、当該下流端末のID3,4を含んだリンク通知信号D6,D7をそれぞれ無線通信基地局1に送信する。かかるリンク通知信号D6,D7により、無線通信基地局1は、経路を構築した総てのセンサ端末のIDを把握することができる。
このようにデータ転送経路を構築することにより、無線通信基地局1から直接通信が不可能なセンサ端末2からも、計測データの収集を行うことができる。換言すると、データ要求の指示を受けたセンサ端末2が自己の経路表を参照して上流端末に計測データを送信することで、無線通信基地局1を介して集計サーバ3にデータが収集されることとなる。また、無線通信基地局1を介して集計サーバ3も特定のセンサ端末2への経路を把握することができるので、特定の箇所に設置されているセンサ端末2のみから計測データを取得することも可能である。
ここで、センサ端末2同士間の無線通信は例えば数百メートル[m]であり、無線通信基地局1から最も離れたセンサ端末2まで、10数キロメートル[km]の広範な範囲のデータ収集が可能となる。すなわち、センサ端末2を中継することにより、より広範囲の環境データを取得することも可能であり、無線通信基地局1の設置台数の削減を図ることができる。
但し、データ転送経路は、上述したように構築されることに限定されない。総てのセンサ端末2が無線通信基地局1と無線通信可能な距離の範囲内に設置されていて、直接、計測データを送信するという構成であってもよい。
(センサ端末)
次に、上記センサ端末2の構成について、さらに図5を参照して詳述する。センサ端末2は、上述したように、他のセンサ端末2と、あるいは、無線通信基地局1と無線通信を実現する無線通信部21を有しており、演算部であるCPU22には、当該無線通信部21の動作を制御する通信制御部23が構築されている。また、センサ部26の動作を制御して各種データを計測する計測制御部24と、当該計測データを送信可能なデータに形成する送信データ形成部25とが構築されている。なお、送信されるデータは、センサ部にて計測した環境に関するデータに限られず、予め不揮発メモリなどのセンサ識別データ記憶部27に記憶された各センサ端末2固有のセンサ識別データも含められる。従って、送信データ形成部25は、計測した環境データに、センサ識別データを含めて送信する計測データを形成する。なお、図示していないが、上述したように、最適なデータ転送経路を構築するために、通信可能な無線通信基地局や他のセンサ端末の識別データを記憶する経路表も形成されている。
そして、上記通信制御部23は、上述したように、データ転送経路を確立するよう作動し、自己の端末にて計測したデータ、あるいは、別のセンサ端末2から送信された計測データを、直接、あるいは、他のセンサ端末2を介して、無線通信基地局1に対して送信することができる。すなわち、センサ端末2は、別のセンサ端末2から送信された計測データを受信する機能を有すると共に、計測データを無線通信基地局に対して送信する際に、無線通信基地局1と交信可能である場合には当該無線通信基地局1に,自己のセンサ端末による計測データあるいは別のセンサ端末から受信した計測データを送信すると共に、無線通信基地局1と交信不可能である場合には交信可能な他のセンサ端末に,自己のセンサ端末による計測データあるいは別のセンサ端末から受信した計測データを送信する、という機能を有している(計測データ送信手段)。換言すると、センサ端末は、別のセンサ端末から送信された計測データを受信して、当該データをさらに外部に中継送信する(計測データ中継送信手段)。
また、センサ部26は、内蔵又は外部接続可能であり、例えば、温度、湿度、光、CO濃度、NOx濃度、日照時間などを測定可能なセンサである。さらに具体的には、大気汚染に関しては、窒素酸化物濃度、オキシダント濃度(光化学スモッグの原因)、硫化酸化物濃度、ダイオキシンなどが考えられ、また、水質汚染については、リン酸や当該水のpH値などが考えられる。さらには、紫外線量や、酸性雨量、酸性雨のpH値などがある。これらは、特定の生物の生息に影響を与えるとあらかじめ考えられているものでもよく、現在はその量に応じて生物の生息に影響がないと考えられている測定対象であってもよい。但し、計測対象は、これらのものに限定されない。
ここで、センサ端末2の設置箇所について詳述する。まず、センサ端末2は、図1に示すように、ある地域の任意の箇所に設置される。但し、本実施例では特に、予め生物が存在すると予想される箇所(生物存在予想箇所)に設置される。この生物存在予想箇所とは、予め学術的に、あるいは、経験的に、さらには、実際の調査によりある特定の生物が存在すると予想される箇所である。例えば、「カエル」という生物については、池の畔や、湿度の高い森林地帯などが考えられるため、かかる箇所にセンサ端末2を配置する。これにより、生物の生存状況に対応して、効率よく環境データを取得することができる。なお、このとき、近辺に位置するセンサ端末2が相互に無線通信を可能な範囲内にそれぞれ配置されることに留意する。
また、特に、センサ端末2が設置される生物存在予想箇所を、以下のように限定しても良い。すなわち、予め指定した生物が存在すると予想される特定箇所を基準とし、当該特定箇所から当該生物の予め定められた行動距離範囲内において,当該生物が存在すると予想される箇所である。例えば、上述したように「カエル」で考えると、当該「カエル」の行動距離範囲は約500[m]〜1000[m]であり、予め「カエル」が生息していると確認されている「池」を中心に、かかる範囲内に存在する水辺などのカエルが存在すると予想される箇所にセンサ端末2を設置する。なお、このとき、基準となる箇所(上記では「池」)を複数設け、それぞれ基準となる箇所を中心とした特定の生物の行動距離範囲内で、生物存在予想箇所を設定してセンサ端末2を配置するとよい。
さらには、1種類の生物の行動範囲に対応して配置することに限られず、2種以上であってもよい。すなわち、生物存在予想箇所を、予め定められた行動距離範囲が異なるとされている複数の生物が存在すると予想される同一の特定箇所を基準とし、生物毎の移動範囲内において,当該各生物が存在すると予想される箇所とする。例えば、上記「カエル」よりもさらに行動距離範囲が広いイトトンボ(行動距離範囲=約1.5[km]〜2.0[km])について考えてみる。このとき、上述した「池」を基準箇所とし、上記イトトンボの行動距離範囲内において、当該イトトンボが生息すると予想される箇所とする。このようにして、さらに行動範囲の広い別の生物(例えば、ギンヤンマ、トキ、白鳥など)について、上記同様に生息しそうな箇所にセンサ端末2を配置していくことにより、種々の生物の生息箇所に応じてセンサ端末を配置することとなるため、生物の生息環境データをより効率よく取得することが可能となる。
なお、各生物のうち、行動距離範囲が広い生物の生物存在予想箇所を基準の箇所として、かかる生物よりも行動距離範囲の狭い生物の生物存在予想箇所を設定しても良い。例えば、上記「イトトンボ」のある生物存在予想箇所を基準として、「カエル」の生物存在予想箇所を設定しても良い。これにより、ある地域内にセンサ端末2が近接して配置されることとなるが、総てが生物の存在が予想される箇所に対応しているので、生物の生息状況に対応して、効率よく環境データを取得することができる。
上述したセンサ端末2の設置の様子を、図6を参照して説明する。まず、「カエル」が存在するはじめの特定箇所をP1として指定してセンサ端末2を設置する(黒丸印参照)。そして、P1を中心とする「カエル」の行動距離範囲をS1にて示す。この範囲内で、「カエル」が存在しそうな箇所にセンサ端末2を設置する(P11,P12等、白丸印参照)。続いて、上記特定箇所P1を中心として、「イトトンボ」の行動距離範囲をS2にて示す。そして、この範囲内では、「イトトンボ」が存在しそうな箇所にセンサ端末2を設置する(P21等、白三角印参照)。そして、これらのうち一つの箇所Q1(黒三角印参照)を中心として、再度、「カエル」の行動距離範囲T1を設定して、この範囲内でカエルが存在しそうな箇所にセンサ端末2を設置する(Q11,Q12等、四角印参照)。このようにすることで、広範囲かつ細かく、さらには、生物が存在しそうな箇所に効率よくセンサ端末2を設置することができ、利用度の高い環境データを取得することができる。なお、さらに行動距離範囲の広い生物の生息しそうな箇所に基づいて、さらに広範囲にセンサ端末2を設置するとよい。
(無線通信基地局)
無線通信基地局1は、上述したように、複数のセンサ端末2から計測データを収集して、集計サーバ3に送信する機能を有する(計測データ収集手段)。このとき、無線通信基地局1は複数設置されていても良く、各基地局1について異なる複数のセンサ端末2が対応して設置されていても良い。すなわち、図1に示す地域L1の他に、他の地域(図示せず)に設置されたセンサ端末2からの計測データを収集する無線通信基地局1を備え、これがネットワークNに接続されており、一つの集計サーバ3に計測データを送信しても良い。これにより、より広範囲の環境データを収集することができる。
(ネットワーク)
ネットワークNは、本実施例では、専用線や電話回線あるいはCATVのケーブル等の有線回線や、携帯電話回線といった無線回線を用い、TCP/IPプロトコルといった通信プロトコルにて通信を行うインターネットである。但し、特定企業内のみで稼働するイントラネットや、TCP/IP以外のプロトコルで通信する特定のネットワークであってもよい。また、無線通信基地局1と集計サーバ3とを直接接続する1本のケーブルや無線通信回線であってもよい。
(集計サーバ)
次に、集計サーバ3について図7を参照して詳述する。集計サーバ3は、上述したようにネットワークNを介して無線通信基地局1に接続された一般的なサーバコンピュータである。すなわち、無線通信基地局1と相互に通信を行う通信部3Aと、CPUである演算部3Bと、ハードディスクなどの記憶部3Cとを搭載している。
この集計サーバ3の記憶部3Cには、センサ端末2が設置されている生物存在予想箇所のうち、予め特定生物が存在すると確認された生物存在箇所に設置されたセンサ端末2を特定するセンサ特定データ36が記憶されている。すなわち、このセンサ特定データは、各センサ端末の設置箇所における特定生物の生存有無を表すデータである(生物生存データ)。但し、このセンサ特定データ36には、既に人間の調査により生物の存在が確認されている箇所だけでなく、経験あるいはこれまでのデータに基づいて確実に生物が存在すると判断した箇所に設置されているセンサ端末1のセンサ識別データを、センサ特定データ36として記憶してあってもよい。従って、このセンサ特定データに登録されているセンサ端末1が設置されている箇所は、生物存在予想箇所箇所のうち、より高い可能性で特定の生物が存在しうるとシステム管理者等が判断した箇所でもある。
そして、上記生物生存データであるセンサ特定データは、上述したように、予め特定生物の存在を確認した者や、管理者等によって、集計サーバ3に直接入力され、当該集計サーバ2に受け付けられたデータでである。あるいは、集計サーバ3にネットワークNを介して接続された他の端末から入力されて、当該集計サーバ3に送信されたデータである。これに伴い、図示しないが、集計サーバ3のCPU(3B)には、外部から入力される生物生存データを受信して、センサ特定データとして登録する生物生存データ受付手段が備えられている。
また、記憶部3Cには、生物存在箇所に設置されたセンサ端末2、すなわち、上記センサ特定データ36にて特定されたセンサ端末2にて計測される計測データとその他の計測データとの境界値を算出するために予め定められた境界値算出ルールデータ37が記憶されている。この境界値算出ルールデータ37は、具体的には、後述するように、生物存在箇所とその他の箇所とに振り分けた各計測データの境界値を算出するための演算式を表すデータや、演算手順を表すプログラムからなる。従って、かかるルールデータの詳細については、計測データ振り分け部32の説明にて詳述する。
さらに、記憶部3Cには、センサ端末2から無線通信基地局を介して収集した計測データをセンサ端末2毎、計測時間毎に区別して蓄積する取得計測データ38記憶部が形成されている。また、後述するように算出した境界値に対して、生物存在箇所において計測された計測データ群とは反対側に位置する領域を特定するための領域特定ルールデータも記憶部3Cには記憶されており(図示せず)、これを用いて算出される不存在条件データ39記憶部が形成されている。
そして、集計サーバ3のCPU(3B)には、主に、無線通信基地局1から送信された計測データを受信する計測データ受信機能を実現する計測データ受信部31と、受信した計測データを当該計測データに含まれるセンサ識別データと記憶しているセンサ特定データ36とに基づいて生物存在箇所に設置されたセンサ端末2からの計測データ群とその他の計測データ群とに振り分ける計測データ振り分け機能を実現する計測データ振り分け部32と、振り分けた各計測データ群と境界値算出ルールデータとに基づいて各計測データ群の境界値を算出する境界値算出機能を実現する境界値算出部33と、が備えられている。ここで、各部31〜33について詳述するが、当該各部が有する機能については以下に説明するものに限定されず、動作説明時に説明されるよう作動する機能をも有する。なお、本願において説明する機能は、当該各機能用プログラムが集計サーバ3のCPU(3B)に組み込まれることにより実現される。そして、そのプログラムは、予め集計サーバ3の記憶部に記憶していてもよく、CD−ROMなどの可搬媒体などから読み出して取得したり、ネットワーク上の他のコンピュータからダウンロードすることにより取得するものである。
まず、計測データ受信部31は、無線通信基地局1を介して、当該基地局1に接続された複数のセンサ端末2にて計測された気温やNOxの濃度値など、環境に関するデータを取得する。このとき、複数の無線通信基地局1に接続されていても良い。すなわち、複数の地域であるセンサ端末群から環境データを取得することができる。
また、図7のCPU(3B)には図示していないが、上記取得した環境データのうち、特定生物が存在するセンサ設置箇所における環境データ群と、その他の環境データ群との有意な差異が存在するか否かを判断する有意差判定部が備えられている。これに伴い、この有意差の存否を判定する基準となる有意差判定基準データが記憶部3Cに予め記憶されている(図示せず)。この有意差判定部は、例えば、収集した環境データ(例えば、気温)の総てが、予め定められたある一定の範囲内(例えば、±2℃以内)に含まれてしまった場合や、何ら法則性もなく散らばって分布した場合には、有意差が無いと判断する。逆に、上記以外であったり、有意差判定基準データに基づいて2つグループに分布が集まったと判断した場合には、有意差が有ると判断して、後に説明するように、データ振り分け部32や境界値算出部33が作動することとなる。このように、有意差判定基準データは、上述した判断例に示されるように、計測データに有意な差異が存在しない、換言すると、生物の生存状況などにさほど影響が無いと判断してよいと、予め学術的あるいは経験的に定められた判断条件がデータ化して記憶されたものである。
そして、上記有意差の有無の判定結果を調べることにより、有意差が無いと判断された環境データの存在を認識することができ、かかる環境データ(気温など)を特定の生物の存在に関して影響度の低い計測対象(項目)であると判断でき、後の計測対象から除外することも可能である。すると、計測対象から除外した環境データを計測するセンサデバイスをセンサ端末に装備する必要が無くなり、システム構成の簡略化を図ることができる。また、設置箇所の見直しも図ることができ、効率のよい環境データ計測を実現できる。
また、計測データ振り分け部32は、まず、受信した計測データから当該データを計測したセンサ端末2を識別するセンサ識別データを抽出し、このセンサ識別データが予め登録されているセンサ特定データに含まれているかどうかを調べる。すなわち、生物の生存の有無を表す生物生存データを参照して、受信した計測データが生物が存在する箇所のものか、不存在の箇所のものかを調べる。そして、センサ特定データに含まれるデータと一致するセンサ識別データを送信したセンサ端末2からの環境データを、ある特定の生物が存在すると予め確認された箇所において計測されたデータであると判断し、かかる分類に振り分ける。すなわち、生物存在箇所におけるデータとして振り分ける。一方、センサ識別データがセンサ特定データと一致しないものは、その他のデータとして振り分ける。
なお、上記有意差判定部は、上記計測データ振り分け部32にて振り分けられたデータに基づいて、上述したように生物存在箇所とその他の箇所とにおける有意差の存否を判断してもよい。
また、上記境界値算出部33は、上述したように2つのグループに振り分けた各データ群の境界となる値を算出する。この境界となる値とは、一定の値でもよく、数式にて定まる値でもよい。その具体的な算出手法を、図8を参照して説明する。なお、ここに挙げる例は一例であって、かかる方法にて境界値を算出することに限定されない。すなわち、境界値算出ルールデータは、以下に説明する手法(ルール)を表すデータに限定されない。また、必ずしも上記計測データの振り分けを行った後に行われることに限定されない。極端にデータの分布が二極化される場合には、振り分けを行わずに各データ群のほぼ中間の値を境界値として算出してもよい。なお、この境界値算出処理は、上記有意差判定部にて有意差の判断結果によらず、行われてもよい。すなわち、上記有意差判定部は必ずしも備えられている必要はなく、有意差判定を行わずに境界値を算出してもよい。
まず、図8(a)の場合を例に挙げて説明する。図8(a)では、生物「カエル」の存在する箇所の温度あるいは紫外線量(×印)と、その他の箇所の温度あるいは紫外線量(○印)を測定したデータである。前述したように、両生類である「カエル」は、皮膚が薄く、浸透性が高いので、温度や紫外線量に敏感であり、例えば、図8(a)に示すように、「カエル」が存在した箇所は温度が低い箇所、あるいは、紫外線が低い箇所に集中したとする。そして、例えば、温度だけを見たときに、生物存在箇所のデータとして振り分けたもの(×印)と、その他の箇所のもの(○印)とのデータ群の各平均値を求め、その中間値Aを生物「カエル」が生息しうる温度の境界値として算出する。また、紫外線についても同様に、各データ群の平均の中間値Bを境界値として算出する。また、別の算出手法として、各データの分散具合を考慮し、あまりに外れた値は取り除くようフィルタをかけた上で、上述したように各データ群の平均値の中間値を算出してもよい。
さらに別の例を、図8(b)を参照して示す。この図に示すように、今度は同一のセンサ端末2にて計測した温度と紫外線量との2つのデータを縦軸と横軸に採り、一つの点で表した場合である。かかる場合には、温度が低く紫外線量が少ない領域に生物存在箇所にて計測したデータが集まることとなるため、かかるデータ群を仕切る境界線を表す式を算出する。例えば、各データ群に対して一次近似式を求め、各近似式の中間に位置する一次式をさらに算出し、これを境界線として算出する(符号Cを参照)。以上のように境界値を算出するよう、境界値算出ルールデータ37及び境界値算出部33は予め設定されている。
また、上記境界値算出部33は、算出した境界値と,当該境界値を算出する際に用いた各計測データ群と,予め集計サーバに記憶された境界値に対して生物存在箇所において計測された計測データ群とは反対側に位置する領域を特定するための領域特定ルールデータと,に基づいて、境界値に対して生物存在箇所において計測された計測データ群側とは反対側の領域を特定して,当該領域に関するデータを不存在条件データとして記憶する機能を有する。例えば、図8(a)に示すように、温度であれば境界値Aよりも高い温度の領域を不存在条件データ39として記憶部3Cに記憶する。かかる場合には、領域特定ルールデータとは、算出した境界値に対して生物存在箇所における計測データ(×印)が多い領域とは反対側の領域、すなわち、生物が存在する可能性が低い領域を特定する不存在条件データを算出するためのルールである。また、同様に、図8(b)の場合には、境界線として算出された数式Cに対して、いずれの方向に生物存在箇所における計測データ(×印)が多く存在するかを判断して、その反対側の領域を特定する不存在条件データを算出するためのルールが予め記憶部3Cに記憶されている。
そして、さらに、集計サーバ3のCPUには、上記計測データ振り分け部32にて生物存在箇所におけるものとして新たに振り分けた計測データが記憶した不存在条件データを満たす場合に,新たに振り分けた計測データに含まれるセンサ識別データを抽出して外部に出力する処理部(振り分けデータ検証部34、データ出力部35)が備えられている。具体的には、境界値及び不存在条件データを算出した後に、新たにセンサ端末2から集計した計測データのうち生物存在箇所におけるものを抽出し、これが不存在条件データを満たすか否か検証する(振り分けデータ検証部34)。そして、満たす場合には、生物が存在していると判断した箇所の自然環境が、数値的には不存在である箇所と同様の環境になってきてしまったため、その旨をセンサ設置箇所を特定するデータと共にサーバのモニタに出力したり、他のコンピュータにネットワークを介して電子メールを送信する(データ出力部35)。なお、このデータ出力部35は、上記境界値算出部35にて算出した境界値を、サーバのモニタや他のコンピュータに出力しても良い。
このようにすることで、各センサ端末2が設置されている箇所の自然環境の状況をシステム管理者や自然保護活動者が認識することができ、環境の悪化を迅速に認識できる。特に、生物の存在の有無により異なる実際に計測された環境データに基づいて、自然環境の変化を判断できるため、より信頼できる判断結果を取得でき、迅速な対応を図ることができる。
(動作)
次に、本実施例における環境データ計測システムの動作、特に、集計サーバ3の動作を、図9乃至図10を参照して説明する。図9は、集計サーバ3による境界値算出処理の動作を示すフローチャートであり、図10は、環境監視処理の動作を示すフローチャートである。
まず、集計サーバ3は、無線通信基地局1に対して、各センサ端末2から計測データを収集するよう要求を行う(ステップA1)。これに対応して、無線通信基地局1と各センサ端末2は、上述したようにデータ転送経路の設定を行い、無線通信基地局1が総てのセンサ端末2から計測データを収集し、集計サーバ3に送信する。集計サーバ3は、総てのセンサ端末2から計測データを受信し、記憶部3Cに取得計測データ38として記憶しておく(ステップA2,A3)。なお、センサ端末2にて計測される環境データを、大気中の汚染物質量(NOxなど)として以下説明する。
続いて、集計サーバ3は、センサ特定データ36を記憶部3Cから読み出す(ステップA4)。これと共に、取得計測データ38内から、当該データを計測したセンサ端末2を識別するセンサ識別データを抽出する。なお、上記センサ特定データ36は、各センサ設置箇所の生物の生存の有無を表すデータとして、予め管理者等により集計サーバ3に入力され、登録されたものである。そして、各計測データのセンサ識別データとセンサ特定データとが一致するか否かを調べる(ステップA5)。一致する場合には、生物存在箇所に設置されたセンサ端末2にて計測された環境データとして振り分け(ステップA6)、一致しない場合には、その他の箇所の環境データとして振り分ける(ステップA7)。ここで、その他の箇所の環境データには、生物が存在していないと確認できた箇所はもちろんのこと、存在不存在が確認できていない箇所のものも含まれる。なお、調査対象である生物が複数ある場合には、各生物毎に当該生物が存在するセンサ端末設置領域を特定するセンサ特定データが記憶されているため、それぞれのデータに基づいて環境データの振り分けを行う。従って、環境データの振り分け状況が対象となる生物毎に異なり、これに伴い、算出される境界値データも異なる。但し、本動作説明では、調査対象である生物が1種であるとして説明する。
続いて、振り分けた各データ群に有意な差異が有るか否かを、有意差判定基準データに基づいて判断する(ステップA8)。これにより、有意差有りの場合には(ステップA8にて肯定判断)次の境界値算出処理に進むが、有意差無しの場合には(ステップA8にて否定判断)終了する。なお、有意差無しとなった計測対象である環境の項目を調べることで、生物の生存状態に影響の低い項目を知ることが可能となる。また、センサ端末2の配置箇所の見直しを図ることができる。
続いて、記憶している境界値算出ルールデータと、領域特定ルールデータとを読み出して(ステップA9)、まず、振り分けた各環境データ群から境界値算出ルールに基づいて境界値を算出する(ステップA10)。例えば、上述したように生物存在箇所にて計測されたNOx量の平均と、その他の箇所にて計測されたNOx量の平均との中間値を算出して、これを境界値とする。そして、この境界値と上記振り分けた各環境データ群とから、領域特定ルールに基づいて不存在条件データを算出する(ステップA11)。例えば、上述したように境界値に対してNOx量が高い値の領域を不存在条件データとして設定する。その後、算出した境界値及び不存在条件データ39を記憶部3Cに記憶し(ステップA12)、集計サーバ3のモニタやプリンタに出力したり、ネットワークNに接続された管理者端末や他の自然保護活動者の端末に送信する。
次に、その後の環境状況を監視する処理について、図10を参照して説明する。まず、集計サーバ3は、一定時間が経過すると、センサ特定データ36を読み出して、生物が存在すると予め確認されているセンサ端末2から計測データを送信するよう要求する(ステップB1,B2,B3)。例えば、3時間間隔毎や1日毎に、特定のセンサ端末2の設置箇所における現在のNOx量などの環境データを取得する。このとき、上述したようにデータ転送経路が確立している場合には、特定のセンサ端末2のみに対して計測データを要求し、容易にかかるセンサ端末から環境データを取得することができる。
そして、要求した特定の総てのセンサ端末2から環境データを取得すると(ステップB4,B5)、記憶部3Cから不存在条件データB6を読み出して(ステップB6)、各環境データと不存在条件データとを比較して、当該条件を満たすか否か調べる(ステップB7)。すなわち、現在のNOx量が境界値よりも高いか否かを調べる。そして、計測した環境データが不存在条件データを満たす場合には(ステップB7にて肯定判断)、当該環境データが含まれる計測データ中からセンサ識別データを抽出し、当該センサ識別データやこのセンサを特定する情報、あるいは、当該センサ端末が設置されている箇所を表す情報を、システム管理者や自然保護活動者に、集計サーバ3上に表示したり電子メールなどにより通知する(ステップB8)。これにより、かかる情報の通知を受けた者は、自然環境が生物が存在しにくい状態に変化している箇所を迅速に認識することができる。
このように、自然環境中に配置されたセンサ端末2にて、気温,湿度,紫外線量,酸性雨のpH値,大気中の化学物質,放射能量,水中の化学物質量などの環境に関するデータが計測され、これが特定の生物存在箇所とその他の箇所にて計測されたものに振り分けられるため、当該振り分けたデータ群の境界値を容易に算出することができる。そして、かかる境界値を自然保護活動者などが閲覧することで、特定の生物が生存可能な環境と、存在しない環境との境界を容易に認識することができ、計測箇所における自然環境の維持、あるいは、回復などの対策に有効に活かすことができる。さらには、その後、各箇所の環境データを計測し続け、境界値と比較することにより、環境が悪化する方向に変化してしまった場合には、その事実を迅速に認識することができると共に、その悪化状況も把握できるため、迅速かつ適切な対応を取ることが可能となり、自然環境の維持を図ることができる。
(変形例)
ここで、上述した構成においては、集計サーバ3が取得した計測データを、生物存在箇所とその他の箇所のものとして振り分ける場合を例示したが、これに限定されない。生物が存在していることが確認されている箇所のものと、生物が不存在であると確認されているものとに振り分け、これらのデータ群の境界値を算出する構成であってもよい。これを実現するために、特に集計サーバ3は、以下のような構成となっている。
まず、集計サーバ3の記憶部3Cに記憶されているセンサ特定データ36は、予め生物が存在することが確認された生物存在箇所と,当該生物が存在していないと確認された生物不存在箇所と,に配置されたセンサ端末をそれぞれ区別して特定する内容のデータである。すなわち、センサ設置箇所の生物生存の有無を表す生物生存データは、特定生物が存在する箇所のものを特定するだけでなく、生物が不存在であった箇所のものをも特定するデータである。例えば、人による調査にて、一定時間内に特定の生物が予め定めた回数観測された箇所を生物存在箇所とし、逆に、一定時間、特定の生物が全く観測されなかった箇所を生物不存在箇所として、各箇所に設置されているセンサ端末2の識別データをそれぞれ区別して集計サーバ3に入力し、センサ特定データとして記憶しておく。従って、一定時間内に特定の生物が所定の回数以下しか観測できなかった箇所や、調査不十分の箇所に設置されたセンサは、生物の存在が不明であるとして、振り分け対象とはせず、境界値を算出する際に用いないこととする。
そして、これに伴い、振り分けた各計測データ群の境界値を算出するルールである記憶部3Cに記憶された境界値算出ルールデータ37は、生物存在箇所に設置されたセンサ端末2にて計測された計測データと生物不存在箇所に設置されたセンサ端末2にて計測された計測データとの境界値を算出するために予め定められたルールが設定されている。
さらに、集計サーバ3が有する計測データ振り分け部32は、受信した計測データを当該計測データに含まれるセンサ識別データと記憶しているセンサ特定データとに基づいて,生物存在箇所に設置されたセンサ端末からの計測データ群と,生物不存在箇所に設置されたセンサ端末からの計測データ群と,に振り分ける機能を有している。
これにより、基本的には、上述同様に、計測データを振り分けてその境界値を算出するよう作動するが、特に、特定の生物が存在することが確認された箇所にて計測されたものと、存在していないことが確認された箇所にて計測されたものとに振り分けられるため、存在するか否か不明な箇所のデータを排除して、より適切な生物の生息環境の境界値を算出することができる。
なお、上記説明では、無線通信基地局1と集計サーバ3とが異なるハードウェアにて構成されていることを説明したが、これに限定されるわけではない。無線通信基地局1がサーバコンピュータと一体的に構成されており、上述した無線通信基地局1及び集計サーバ3が有する機能を総て備えていてもよい。すなわち、無線通信基地局サーバとして、各センサ端末2から計測データを収集すると共に、収集した計測データの振り分け、境界値の算出、その後の監視処理など、総てを行うようにしてもよい。
次に、本発明の第2の実施例を、図11を参照して説明する。図11は、本実施例における集計サーバによる動作の一部を示すフローチャートである。
(構成)
本実施例における環境データ計測システムは、上記実施例1におけるシステムとほぼ同様の構成を採っているが、上記実施例1のシステムが、予め生物が存在する箇所を人などが確認して、生物生存データとして入力し、事前にセンサ特定データを設定しておくという構成であるのに対して、本実施例では、実際の生物の存在の有無を自動的に判断してセンサ特定データを設定する、という構成である。このため、本実施例におけるシステムは、具体的に以下のような構成を採っている。
まず、センサ端末2は、基本的には上述した構成を採っているが、これに加えて、センサ設置箇所である生物存在予想箇所の特定生物の存否判断可能なデータである存在状況に関するデータをも計測する。そして、もちろんのこと環境に関するデータも計測して、これらを無線通信基地局1に送信するという機能を有している(生物生存データ取得送信手段)。すなわち、計測対象であるデータが、自然環境の状態を表す温度や湿度、大気汚染物質の量などの環境データに限られず、当該箇所において生物の存否を判断するために用いる生物存否判断可能データも含まれる。従って、センサ端末2に内装あるいは外装されるセンサとして、上記環境データを計測するセンサの他に、設置箇所周囲の画像データや音データを取得するセンサや、赤外線センサなどが備えられている。さらには、においを検出するセンサも備えられている。そして、これら取得した生物存否判断可能データは、他のセンサにて計測した環境データやセンサ識別データと共に計測データに含まれて、無線通信にて無線通信基地局1に送信される。なお、これを受けた無線通信基地局1は、上述同様に、集計サーバ3に転送する機能を有する。
また、集計サーバ3は、以下のような構成を採っている。まず、記憶部3Cには、実施例1のものと同様に、境界値算出ルールデータ37が記憶されているが、センサ特定データは予め記憶されていない。そして、新たに、計測データに含まれる上記生物存否判断可能データから生物の存在の有無を判断する基準となる生物特徴データ(生物存在有無基準データ)が記憶されている。この生物特徴データは、例えば、生物存否判断可能データが画像である場合には、特定の生物の体の色や模様、顔面、体型の画像上の特徴データ、さらには、生物の動作の特徴データが、調査対象となる生物毎に設定されて記憶されているものであり、計測した画像データとマッチングをすることにより、当該画像上に写し出されている生物を特定することができる。上記生物の動作の特徴は、例えば、取得画像が上空のものであり、移動物体のオプティカルフローを算出することで、飛んでいる生物を特定することができる。また、生物存否判断可能データが音である場合には、存在の有無を確認したい生物の鳴き声の特徴を表すデータを生物特徴データとして記憶しておいてもよい。さらには、赤外線センサを用いた場合には、予め存在しうる生物を特定しておき(一種のみ)、何らかの動く生物を検出したときに当該生物が存在すると判断する、という基準を表すデータを記憶しておいてもよい。
そして、これに対応して、集計サーバ3のCPU(3B)には、受信した計測データに含まれる生物存否判断可能データと記憶している生物特徴データとに基づいて,当該計測データを送信したセンサ端末が設置された生物存在予想箇所に実際に特定の生物が存在するか否かを判断する機能を有する生物存否判断部が備えられている。なお、この生物存否判断部は、各センサ端末2から受信した計測データのうち一定時間分の計測データに対して処理を行う。例えば、生物存否判断可能データが画像データである場合には、画像データと生物特徴データ(生物存在有無基準データ)とのテンプレートマッチングを行い、予め定めた許容範囲内で一致した場合に、その基準データに関する生物が実際に当該センサ端末2の設置箇所に存在すると判断する。
そして、さらに集計サーバ3のCPU(3B)には、実際に特定の生物が存在すると判断された生物存在予想箇所に設置されたセンサ端末2を生物存在箇所に設置されたものとし、当該センサ端末2から送信されたセンサ識別データをセンサ特定データとして記憶するセンサ特定データ記憶機能を有する処理部が備えられている。このように、本実施例では、予め人などの調査により生物の存在を確認するのではなく、センサにより確認して、生物存在箇所に設置されたセンサ端末2を特定するセンサ特定データを事後的に生成する。
また、集計サーバ3のCPUには、上述同様の計測データ振り分け部(機能)、境界値算出部(機能)、さらには、振り分けデータ検証部(機能)、データ出力部(機能)が備えられている。これにより、取得した計測データと、生成したセンサ特定データとを用いて、上述同様に、境界値や不存在条件データを算出し、継続して監視する環境データの状況を管理者等に出力する。
(動作)
次に、本実施例におけるシステムの動作、すなわち、集計サーバ3の動作を説明する。特に、本実施例の特徴となる生物存在有無判断処理を、図11を参照して説明する。なお、以下では、計測データに含まれる生物存在状況データは、画像データであるとして説明する。すなわち、センサ端末2では、環境データを計測する各種センサの他に、設置箇所の周囲画像を取得する画像センサも備えている。
まず、集計サーバ3は、無線通信基地局1を介して総てのセンサ端末2から計測データを要求する(ステップC1)。もちろん、計測データには、画像データも含まれている。そして、一定時間分の画像データをセンサ毎に取得して記憶する(ステップC2,C3)。例えば、10分間の画像データをセンサ毎に記憶したり、あるいは、10分間隔毎に取得した1コマ(1フレーム)の画像データを一日分、センサ毎に記憶する。
続いて、生物特徴データである生物存在有無基準データを読み出して(ステップC4)、当該基準データ内に記憶されている特徴値がセンサ毎に取得した画像データ内に存在するか否かを検出する(ステップC5)。そして、特徴値が一致するデータが含まれている場合には(ステップC5にて肯定判断)、その画像データを取得したセンサ端末2が設置されている箇所を生物存在箇所として特定し(ステップC6)、そのセンサ端末2のセンサ識別データを、センサ特定データとして登録する(ステップC7)。一方、画像データ内に特徴値が一致するデータが含まれていない場合には(ステップC5にて否定判断)、当該画像データを取得したセンサ端末2については、特にセンサ特定データに登録するようなことは行わない。なお、仮に、そのセンサ端末2の識別データが、以前の上記処理にてセンサ特定データに登録されていた場合には(ステップC8にて肯定判断)、当該センサ特定データからそのセンサ識別データを削除する(ステップC9)。すなわち、一定時間、特定の生物の存在が画像データ中に発見されなかった場合には、その画像データを取得したセンサ端末2の設置箇所を生物が存在しない箇所と判断し、当該センサ端末2の識別データをセンサ特定データには記憶せず、以前に登録されている場合には削除する。
このようにすることで、センサによる計測により、特定の生物が存在すると確認された箇所のセンサ端末2のみが生物存在箇所のものとしてその識別データがセンサ特定データに登録される。従って、人などによる調査を必要とせず、容易に生物存在箇所を特定することができる。
その後は、上述した実施例1と同様に、新たに登録されたセンサ特定データに基づいて、センサ端末2から計測した計測データの振り分けを行い、振り分けられた各データ群の境界値を算出する。そして、必要に応じて、上述した不存在基準データをも算出して記憶しておくことで、その後にさらに計測した環境データを不存在基準データと比較することにより、環境状態の変化を監視することができる。
次に、本発明の第3の実施例について説明する。本実施例における環境データ計測システムは、上述した実施例1あるいは実施例2の構成に以下の構成を加えたものであり、特に、データ出力部が種々のデータを出力する、というシステムである。
このため、集計サーバ3の記憶部3Cには、ディスクプレイに表示可能な地図データが記憶されており、当該地図データ上における各センサ端末2の設置箇所を表すデータも含まれている。また、各センサ設置箇所に関するデータも予め記憶されている。例えば、センサ設置箇所周辺がいかなる環境であるかを表す内容の文書データや周辺画像データ、さらには、生息する可能性のある生物名や、実際に生息していることが確認された生物名などである。そして、これら設置箇所に関するデータは、地図データ上のセンサ設置箇所表示に関連付けられている。このとき、各データの関連付けは、センサ端末2毎に固有の上記センサ識別データが用いられている。従って、地図データ上のセンサ設置表示部分には、当該設置箇所に実際に設置されているセンサ端末2のセンサ識別データが関連付けられており、また、各設置箇所に関するデータにも、当該設置箇所のセンサ端末のセンサ識別データが関連付けられている。
そして、集計サーバ3のCPU(3B)に構築されたデータ出力部35は、上記地図データを当該サーバ3のディスプレイに表示する機能を有している。そして、地図データと共にセンサ設置箇所も表示し、また、センサ設置箇所に関するデータも表示する機能を有する。このとき、センサ設置箇所が上述した生物存在箇所のものか否かということも、当該設置箇所表示と共に表示する。例えば、センサ設置箇所表示に関連付けられたセンサ識別データがセンサ特定データとして登録されているか否かにより、異なる表示を行う。すなわち、センサ特定データに登録されている場合には、生物存在箇所としてのセンサ設置箇所表示を行う。また、各センサ端末から収集した計測データも、当該センサ設置箇所表示に対応させて表示する。さらに、上述した境界値算出機能にて算出された境界値や不存在条件データなども、その環境データの項目毎に表示する。かかる表示の具体例を以下に示す。
まず、操作者からの要求に応じて、集計サーバ3のディスプレイには環境データを計測している地域全体の地図が表示され、この地図上に、予め設置されたセンサ端末2の設置箇所が表示される。このとき、例えば、生物存在箇所のセンサ設置箇所は青色マークで表示され、その他の箇所は赤色マークで表示される。そして、各センサ設置箇所表示をマウスなどの操作にて選択すると、当該センサ表示部分の実際の環境状況に関するデータが表示される。例えば、当該設置箇所の環境状況を説明するデータや、予め撮影された画像データなどである。また、地図データ上の位置と合致する実際の箇所に設置されているセンサ端末2にて計測された温度や湿度、大気汚染物質量などの環境データも表示される。なお、このデータ表示の関連付けは、上述したように、センサ端末2から送信される計測データに含まれるセンサ識別データと、センサ表示部分に関連付けられたセンサ識別データとの対応により行われる。このとき、各環境データと共に、計測している環境データ種別毎、及び、対象となる生物毎に算出した上記境界値をも表示する。
また、上記データ出力部35は、さらに、上記振り分けデータ検証部34にて、特定の生物存在箇所の環境データが、境界値に対して反対側(生物不存在箇所側)に位置するように変化したと判断されると、そのセンサ設置箇所を特定して表示する。例えば、センサ設置箇所表示部分を黄色マークにて表示する。
このようにすることで、環境データを取得する者は、各センサ端末設置箇所における現在の環境データをほぼリアルタイムで閲覧できると共に、このとき、生物存在箇所とその他の箇所における環境データの境界値も認識できる。また、そのセンサ端末の設置箇所の地域的な状況なども把握することができる。従って、環境の変化をいち早く容易に認識することができ、自然環境の維持、回復の迅速かつ適切な対応を取ることができる。
ここで、上述した例では、操作者からの要求に応じて、集計サーバ3のディスプレイに地図データやセンサ端末による計測データを表示する場合を例示したが、必ずしもこれに限定されない。ネットワークN上の他のコンピュータからの要求に応じて、当該コンピュータに表示可能なよう地図データや環境データ等を送信してもよい。すなわち、他のコンピュータに上記計測データを配信するサイトを開設する機能を有していてもよい。
本発明である環境データ計測システムは、自然環境に関するデータを生物の生息状況に合わせて効率よく取得することができるセンシングシステムとして、自然保護活動団体などによる設置が図られることから、産業上利用可能である。
本発明である環境データ計測システムの構成を示す概略図である。 環境データ計測システム内におけるデータの流れを示す図である。 無線通信基地局及びセンサ端末によるデータ転送経路構築の際におけるデータの流れを示す図である。 図4(a)〜(e)は、無線通信基地局及び各センサ端末が備える経路表の一例を示す図である。 センサ端末の構成を示す機能ブロック図である。 センサ端末の設置状況を説明する図である。 集計サーバの構成を示す機能ブロック図である。 図8(a),(b)は、それぞれ計測データの境界値を算出する方法を説明する図である。 集計サーバによる境界値算出処理の動作を示すフローチャートである。 集計サーバによる環境監視処理の動作を示すフローチャートである。 集計サーバによる生物存在有無判断処理の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 無線通信基地局(通信基地局)
2 センサ端末
3 集計サーバ
31 計測データ受信部(手段)
32 計測データ振り分け部(手段)
33 境界値算出部(手段)
34 振り分けデータ検証部(手段)
35 データ出力部(手段)
36 センサ特定データ
37 境界値算出ルールデータ
39 不存在条件データ
N ネットワーク

Claims (32)

  1. 相互に交信を行う通信基地局と複数のセンサ端末とを備えると共に、前記通信基地局にネットワークを介して接続された集計サーバを備え、
    前記センサ端末が、設置された箇所における環境に関するデータを計測するデータ計測手段と、センサ端末固有のセンサ識別データを記憶するセンサ識別データ記憶手段と、前記計測した環境データを前記センサ識別データと共に計測データとして前記通信基地局に対して送信する計測データ送信手段とを備えると共に、
    前記通信基地局が、前記複数のセンサ端末から送信される前記計測データを収集して、前記集計サーバに送信する計測データ収集手段を備え、
    前記集計サーバが、前記通信基地局から送信された前記計測データを受信する計測データ受信手段と、前記各センサ端末の設置箇所における特定生物の生存有無を表す生物生存データを前記センサ端末の前記センサ識別データと関連付けて外部から受け付ける生物生存データ受付手段と、前記計測データが前記特定生物の生存箇所とその他の箇所とで有意な差異が生じるか否かを判定するための基準データを記憶する有意差判定基準記憶手段と、前記計測データと前記生物生存データと前記有意差判定の基準データとに基づいて,前記特定生物の生存の有無に対する前記環境データの有意な差異の存否を判定する有意差判定手段と、
    を備えたことを特徴とする環境データ計測システム。
  2. 前記集計サーバが、前記環境データのうち生物の存在する箇所のものとその他のものとの境界値を算出するための予め定められたルールデータを記憶する境界値算出ルール記憶手段と、前記有意差判定手段にて有意差があると判定した場合に,前記計測データと前記生物生存データと前記境界値算出ルールデータとに基づいて,前記特定生物が生存する前記センサ端末からの前記計測データ群とその他の計測データ群との境界値を算出する境界値算出手段と、を備えたことを特徴とする請求項1記載の環境データ計測システム。
  3. 相互に交信を行う通信基地局と複数のセンサ端末とを備えると共に、前記通信基地局にネットワークを介して接続された集計サーバを備え、
    前記センサ端末が、設置された箇所における環境に関するデータを計測するデータ計測手段と、センサ端末固有のセンサ識別データを記憶するセンサ識別データ記憶手段と、前記計測した環境データを前記センサ識別データと共に計測データとして前記通信基地局に対して送信する計測データ送信手段とを備えると共に、
    前記通信基地局が、前記複数のセンサ端末から送信される前記計測データを収集して、前記集計サーバに送信する計測データ収集手段を備え、
    前記集計サーバが、前記通信基地局から送信された前記計測データを受信する計測データ受信手段と、前記各センサ端末の設置箇所における特定生物の生存有無を表す生物生存データを前記センサ端末の前記センサ識別データと関連付けて外部から受け付ける生物生存データ受付手段と、前記環境データのうち生物の存在する箇所のものとその他のものとの境界値を算出するための予め定められたルールデータを記憶する境界値算出ルール記憶手段と、前記計測データと前記生物生存データと前記境界値算出ルールデータとに基づいて,前記特定生物が生存する前記センサ端末からの前記計測データ群とその他の計測データ群との境界値を算出する境界値算出手段と、を備えたことを特徴とする環境データ計測システム。
  4. 前記集計サーバが、前記生物生存データに基づいて前記計測データを生物生存箇所に設置された前記センサ端末からの前記計測データ群とその他の計測データ群とに振り分けて記憶する計測データ振り分け手段を備えた、ことを特徴とする請求項2又は3記載の環境データ計測システム。
  5. 前記生物生存データは、前記各センサ端末設置箇所において計測された当該箇所における生物の存否判断可能なデータであると共に、
    前記集計サーバが、
    前記生物生存データから前記特定生物の存否を判断するための特徴データを記憶した生物特徴データ記憶手段と、
    前記生物存否判断可能データと前記生物特徴データとを照合して,前記生物存否判断可能データが計測されたセンサ端末設置箇所における前記特定生物の存否を判定する生物存否判断手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の環境データ計測システム。
  6. 前記生物生存データである生物存否判断可能データは、前記センサ端末に設置された計測手段から取得されたデータであって、当該センサ端末から前記通信基地局を介して前記集計サーバに送信されたデータである、ことを特徴とする請求項5記載の環境データ計測システム。
  7. 前記生物生存データである生物存否判断可能データは、前記センサ端末設置箇所周囲の画像データであることを特徴とする請求項5又は6記載の環境データ計測システム。
  8. 前記生物生存データは、予め特定生物が生存することが確認された箇所に設置された前記センサ端末を特定するデータであって、外部より入力されたデータである、ことを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の環境データ計測システム。
  9. 前記生物生存データは、予め特定生物が生存することあるいは存在していないことが確認された箇所に設置された前記センサ端末を特定するデータであって、外部より入力されたデータである、ことを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の環境データ計測システム。
  10. 前記集計サーバが有する境界値算出手段が、算出した境界値と,当該境界値を算出する際に用いた各計測データ群と,予め前記集計サーバに記憶された前記境界値に対して生物生存箇所において計測された前記計測データ群とは反対側に位置する領域を特定するための領域特定ルールデータと,に基づいて、前記境界値に対して生物存在箇所において計測された前記計測データ群側とは反対側の領域を特定して,当該領域に関するデータを不存在条件データとして記憶する不存在データ記憶手段を備えると共に、
    前記集計サーバが、前記計測データ振り分け手段にて生物存在箇所におけるものとして新たに振り分けた計測データが前記記憶した不存在条件データを満たすか否かを検証する振り分けデータ検証手段と、振り分けた計測データが前記不存在条件データを満たす場合に,新たに振り分けた計測データに含まれるセンサ識別データを抽出して当該センサ識別データにて特定される前記センサ端末を表すデータを外部に出力する出力手段とを備えた、ことを特徴とする請求項4記載の環境データ計測システム。
  11. 前記センサ端末が有する計測データ送信手段は、別のセンサ端末から送信された前記計測データを受信して、当該計測データを前記通信基地局に対して送信すると共に、
    当該通信基地局と交信可能である場合には当該通信基地局に,自己のセンサ端末による前記計測データあるいは別のセンサ端末から受信した前記計測データを送信し、あるいは、前記通信基地局と交信不可能である場合には交信可能な他のセンサ端末に,自己のセンサ端末による前記計測データあるいは別のセンサ端末から受信した前記計測データを送信する、ことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9又は10記載の環境データ計測システム。
  12. 前記センサ端末の設置箇所は、予め特定生物が存在すると予想される特定箇所を基準とする当該生物の予め定められた行動距離範囲内において,当該生物が存在すると予想される箇所である、ことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10又は11記載の環境データ計測システム。
  13. 前記センサ端末の設置箇所は、予め定められた行動距離範囲が異なる複数の特定生物が存在すると予想される同一の特定箇所を基準とする当該生物毎の移動範囲内において,当該各特定生物が存在すると予想される箇所である、ことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10又は11記載の環境データ計測システム。
  14. 複数のセンサ端末にて計測された当該各センサ端末の設置箇所における環境に関するデータを、当該センサ端末毎に固有のセンサ識別データと共に計測データとして受信する計測データ受信手段と、
    前記各センサ端末の設置箇所における特定生物の生存有無を表す生物生存データを前記センサ端末の前記センサ識別データと関連付けて外部から受け付ける生物生存データ受付手段と、
    前記計測データが前記特定生物の生存箇所とその他の箇所とで有意な差異が存在するか否かを判定するための基準データを記憶する有意差判定基準記憶手段と、
    前記計測データと前記生物生存データと予め記憶された前記有意差判定の基準データとに基づいて,前記特定生物の生存の有無に対する前記環境データの有意な差異の存否を判定する有意差判定手段と、
    を備えたことを特徴とする集計サーバ。
  15. 前記環境データのうち生物の存在する箇所のものとその他のものとの境界値を算出するための予め定められたルールデータを記憶する境界値算出ルール記憶手段と、
    前記有意差判定手段にて有意差があると判定した場合に,前記計測データと前記生物生存データと前記境界値算出ルールデータとに基づいて,前記特定生物が生存する前記センサ端末からの前記計測データ群とその他の計測データ群との境界値を算出する境界値算出手段と、を備えたことを特徴とする請求項14記載の集計サーバ。
  16. 複数のセンサ端末にて計測された当該各センサ端末の設置箇所における環境に関するデータを、当該センサ端末毎に固有のセンサ識別データと共に計測データとして受信する計測データ受信手段と、
    前記各センサ端末の設置箇所における特定生物の生存有無を表す生物生存データを前記センサ端末の前記センサ識別データと関連付けて外部から受け付ける生物生存データ受付手段と、
    前記環境データのうち生物の存在する箇所のものとその他のものとの境界値を算出するための予め定められたルールデータを記憶する境界値算出ルール記憶手段と、
    前記計測データと前記生物生存データと前記境界値算出ルールデータとに基づいて,前記特定生物が生存する前記センサ端末からの前記計測データ群とその他の計測データ群との境界値を算出する境界値算出手段と、
    を備えたことを特徴とする集計サーバ。
  17. 前記生物生存データに基づいて前記計測データを生物生存箇所に設置された前記センサ端末からの前記計測データ群とその他の計測データ群とに振り分けて記憶する計測データ振り分け手段を備えた、ことを特徴とする請求項15又は16記載の集計サーバ。
  18. 前記生物生存データは、前記各センサ端末設置箇所において計測された当該箇所における生物の存否判断可能なデータであると共に、
    前記生物生存データから前記特定生物の存否を判断するための特徴データを記憶した生物特徴データ記憶手段と、
    前記生物存否判断可能データと前記生物特徴データとを照合して,前記生物存否判断可能データが計測されたセンサ端末設置箇所における前記特定生物の存否を判定する生物存否判断手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項14,15,16又は17記載の集計サーバ。
  19. 前記生物生存データである生物存否判断可能データは、前記センサ端末に設置された計測手段から取得されたデータであって、当該センサ端末から前記集計サーバに対して送信されたデータである、ことを特徴とする請求項18記載の集計サーバ。
  20. 前記生物生存データである生物存否判断可能データは、前記センサ端末設置箇所周囲の画像データであることを特徴とする請求項18又は19記載の集計サーバ。
  21. 前記生物生存データは、予め特定生物が生存することが確認された箇所に設置された前記センサ端末を特定するデータであって、外部より入力されたデータである、ことを特徴とする請求項14,15,16又は17記載の集計サーバ。
  22. 前記生物生存データは、予め特定生物が生存することあるいは存在していないことが確認された箇所に設置された前記センサ端末を特定するセンサ特定データであって、外部より入力されたデータである、ことを特徴とする請求項14,15,16又は17記載の集計サーバ。
  23. 前記集計サーバが有する境界値算出手段が、算出した境界値と,当該境界値を算出する際に用いた各計測データ群と,予め前記集計サーバに記憶された前記境界値に対して生物生存箇所において計測された前記計測データ群とは反対側に位置する領域を特定するための領域特定ルールデータと,に基づいて、前記境界値に対して生物存在箇所において計測された前記計測データ群側とは反対側の領域を特定して,当該領域に関するデータを不存在条件データとして記憶する不存在データ記憶手段を備えると共に、
    前記集計サーバが、前記計測データ振り分け手段にて生物存在箇所におけるものとして新たに振り分けた計測データが前記記憶した不存在条件データを満たすか否かを検証する振り分けデータ検証手段と、振り分けた計測データが前記不存在条件データを満たす場合に,新たに振り分けた計測データに含まれるセンサ識別データを抽出して当該センサ識別データにて特定される前記センサ端末を表すデータを外部に出力する出力手段とを備えた、ことを特徴とする請求項17記載の集計サーバ。
  24. 複数のセンサ端末が、設置された箇所における環境に関するデータを計測すると共に、この計測された計測データを、自己であるセンサ端末を他のセンサ端末と識別するための予め記憶された固有のセンサ識別データを含めて相互に交信を行う通信基地局に対して送信するデータ計測工程と、
    前記通信基地局が、複数のセンサ端末から送信される計測データを収集して、当該通信基地局に接続された集計サーバに送信する計測データ収集工程と、
    前記集計サーバが、前記通信基地局から送信された計測データを受信する計測データ受信工程と、
    前記集計サーバが、前記計測データ受信工程に前後して,前記各センサ端末の設置箇所における特定生物の生存有無を表す生物生存データを前記センサ端末の前記センサ識別データと関連付けて外部から受け付ける生物生存データ受付工程と、
    前記集計サーバが、前記計測データと,前記生物生存データと,予め集計サーバが記憶している前記計測データが前記特定生物の生存箇所とその他の箇所とで有意な差異が生じるか否かを判定するための基準データと,に基づいて,前記特定生物の生存の有無に対する前記環境データの有意な差異の存否を判定する有意差判定工程と、
    から成ることを特徴とする環境データ計測方法。
  25. 前記集計サーバが、前記有意差判定工程にて有意差があると判定した場合に,前記計測データと,前記生物生存データと,予め集計サーバが記憶している前記環境データのうち生物の存在する箇所のものとその他のものとの境界値を算出するための予め定められた境界値算出ルールデータと,に基づいて,前記特定生物が生存する前記センサ端末からの前記計測データ群とその他の計測データ群との境界値を算出する境界値算出工程、を追加して成ることを特徴とする請求項24記載の環境データ計測方法。
  26. 複数のセンサ端末が、設置された箇所における環境に関するデータを計測すると共に、この計測された計測データを、自己であるセンサ端末を他のセンサ端末と識別するための予め記憶された固有のセンサ識別データを含めて相互に交信を行う通信基地局に対して送信するデータ計測工程と、
    前記通信基地局が、複数のセンサ端末から送信される計測データを収集して、当該通信基地局に接続された集計サーバに送信する計測データ収集工程と、
    前記集計サーバが、前記通信基地局から送信された計測データを受信する計測データ受信工程と、
    前記集計サーバが、前記計測データ受信工程に前後して,前記各センサ端末の設置箇所における特定生物の生存有無を表す生物生存データを前記センサ端末の前記センサ識別データと関連付けて外部から受け付ける生物生存データ受付工程と、
    前記集計サーバが、前記計測データと,前記生物生存データと,予め集計サーバが記憶している前記環境データのうち生物の存在する箇所のものとその他のものとの境界値を算出するための予め定められた境界値算出ルールデータと,に基づいて,前記特定生物が生存する前記センサ端末からの前記計測データ群とその他の計測データ群との境界値を算出する境界値算出工程と、
    から成ることを特徴とする環境データ計測方法。
  27. 前記集計サーバが、前記環境値算出工程の前に、前記生物生存データに基づいて前記計測データを生物生存箇所に設置された前記センサ端末からの前記計測データ群とその他の計測データ群とに振り分けて記憶する計測データ振り分け工程、を追加して成ることを特徴とする請求項25又は26記載の環境データ計測方法。
  28. 前記集計サーバが有する境界値算出工程が、前記境界値算出工程にて算出した境界値と,当該境界値を算出する際に用いた各計測データ群と,予め前記集計サーバに記憶された前記境界値に対して生物生存箇所において計測された前記計測データ群とは反対側に位置する領域を特定するための領域特定ルールデータと,に基づいて、前記境界値に対して生物存在箇所において計測された前記計測データ群側とは反対側の領域を特定して,当該領域に関するデータを不存在条件データとして記憶する不存在データ記憶工程を備えると共に、
    前記集計サーバが,前記計測データ振り分け工程にて生物存在箇所におけるものとして新たに振り分けた計測データが前記記憶した不存在条件データを満たすか否かを検証する振り分けデータ検証工程と、前記集計サーバが,振り分けた計測データが前記不存在条件データを満たす場合に,新たに振り分けた計測データに含まれるセンサ識別データを抽出して当該センサ識別データにて特定される前記センサ端末を表すデータを外部に出力する出力工程と、を追加して成ることを特徴とする請求項27記載の環境データ計測方法。
  29. 集計サーバを、
    複数のセンサ端末にて計測された当該各センサ端末の設置箇所における環境に関するデータを、当該センサ端末毎に固有のセンサ識別データと共に計測データとして受信する計測データ受信手段、
    前記各センサ端末の設置箇所における特定生物の生存有無を表す生物生存データを前記センサ端末の前記センサ識別データと関連付けて外部から受け付ける生物生存データ受付手段、
    前記計測データが前記特定生物の生存箇所とその他の箇所とで有意な差異が存在するか否かを判定するための基準データを記憶する有意差判定基準記憶手段、
    前記計測データと前記生物生存データと予め記憶された前記有意差判定の基準データとに基づいて,前記特定生物の生存の有無に対する前記環境データの有意な差異の存否を判定する有意差判定手段、
    として機能させるための環境データ計測用プログラム。
  30. 前記集計サーバを、
    前記環境データのうち生物の存在する箇所のものとその他のものとの境界値を算出するための予め定められたルールデータを記憶する境界値算出ルール記憶手段、
    前記有意差判定手段にて有意差があると判定した場合に,前記計測データと前記生物生存データと前記境界値算出ルールデータとに基づいて,前記特定生物が生存する前記センサ端末からの前記計測データ群とその他の計測データ群との境界値を算出する境界値算出手段、
    として機能させるための請求項29記載の環境データ計測用プログラム。
  31. 集計サーバを、
    複数のセンサ端末にて計測された当該各センサ端末の設置箇所における環境に関するデータを、当該センサ端末毎に固有のセンサ識別データと共に計測データとして受信する計測データ受信手段、
    前記各センサ端末の設置箇所における特定生物の生存有無を表す生物生存データを前記センサ端末の前記センサ識別データと関連付けて外部から受け付ける生物生存データ受付手段、
    前記環境データのうち生物の存在する箇所のものとその他のものとの境界値を算出するための予め定められたルールデータを記憶する境界値算出ルール記憶手段、
    前記計測データと前記生物生存データと前記境界値算出ルールデータとに基づいて,前記特定生物が生存する前記センサ端末からの前記計測データ群とその他の計測データ群との境界値を算出する境界値算出手段、
    として機能させるための環境データ計測用プログラム。
  32. 前記集計サーバを、
    前記生物生存データに基づいて前記計測データを生物生存箇所に設置された前記センサ端末からの前記計測データ群とその他の計測データ群とに振り分けて記憶する計測データ振り分け手段、
    として機能させるための請求項30又は31記載の環境データ計測用プログラム。
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