JP4346266B2 - 健康食品とその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、担子菌の生産する生理活性物質に関し、詳しくは同生理活性物質を主成分とし、とくに高血圧を改善するγ−アミノ酪酸を主成分とする健康食品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
担子菌 Agaricus属および Lentinus属は、現在、免疫賦活剤、抗ガン剤、などとして健康食品等に利用されている。その有効成分は、免疫賦活剤、抗ガン剤においては菌体中の糖質に由来していると推定される。
【0003】
しかしながら、担子菌の生産するγ-アミノ酸に由来する高血圧改善作用および糖尿病改善作用などは報告されていない。
【0004】
一方、子嚢菌類のあるものが、神経伝達物質として知られるγ−アミノ酪酸(以下、GABAともいう)を生産することは分かっており、健康食品等として商業的に利用されているが、担子菌が、大量のγ−アミノ酪酸を生産することは報告されていない。
【0005】
また、穀物胚芽および茶葉の酵素がグルタミン酸をγ−アミノ酪酸に変換することは知られているが、担子菌のあるものが同様の変換を行い、また大量のγ−アミノ酪酸を生産することは知られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが本発明者らは、担子菌の生理活性物質について種々研究を重ねる間に、担子菌 Agaricus属および Lentinus属が、これらの子嚢菌類以上に高濃度のγ−アミノ酪酸を生産することを見い出し、さらにγ−アミノ酪酸の生産量を著しく増大させる方法を発明した。
【0007】
γ−アミノ酪酸は、神経伝達物質として知られ、高血圧改善効果があり、また、γ−アミノ酪酸の生産不全がある種の糖尿病発症と関係していることは広く知られている。しかし、化学合成によらないγ−アミノ酪酸の生産が、胚芽、子嚢菌培養によって可能であることは既に提案されているが、その低い生産性のために、商業的には小規模にしか行われていない。
【0008】
本発明は、従来から行われている胚芽、子嚢菌培養による方法に比して数倍の生産性をもってγ−アミノ酪酸を大量に含有させることができ、高血圧改善および糖尿病改善に有効なγ−アミノ酪酸を主成分とする健康食品の製造方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明で使用する担子菌には、Agaricus blazei Murillもしくは Lentinus edodesの子実体の乾燥物を用いる。使用する担子菌乾燥物は、市販の食用、または健康食品としての抽出飲用のもの、若しくは医薬品製造用のものが使用でき、好適には70℃以下の温度で乾燥されたものが望ましい。
【0010】
担子菌乾燥物は次工程を容易にするために、任意に切断あるいは粉砕してよい。本発明の特徴であるγ-アミノ酪酸の生産量を増大する方法は、担子菌の乾燥物を温水中に浸漬し、温水をpH4.0〜9.0、30℃〜50℃の温度、好適には37℃において2時間〜8時間、好適には4時間保持することによって、担子菌の酵素を作用させ、たんぱく質を酵素分解させ、さらに、これにより生成するアミノ酸(グルタミン酸)をγ-アミノ酪酸に酵素変換させることによる。この工程により、浸漬前に含有されていた、γ−アミノ酪酸に加え、酵素により生成されたγ−アミノ酪酸が加わり、著しいγ−アミノ酪酸の生産量の増大が図られる。pH4.0〜9.0に保つのは、グルタミン酸脱炭酵素はpH4.0を下まわると活性を示さないためGABAは生産されなくなる一方、pH9.0を超えるとタンパク質が変性するからである。
【0011】
γ−アミノ酪酸は水溶性であるため、主として浸漬液中から回収する。方法としては、遠心分離機若しくはフィルタープレス等の濾過機を用いたエキスの回収方法、若しくは、浸漬物中に、デンプン、糖類等の固形分を投入して、あるいは固形分を投入せずに、加熱あるいは真空乾燥によって固形分の回収を行う。
【0012】
また、γ−アミノ酪酸は酸化安定性が高いため、回収エキスからの噴霧乾燥等による粉末化などが可能である。
【0013】
さらにγ−アミノ酪酸の生産量を増大するために、上記工程中の浸漬液中にグルタミン酸ナトリウムを1g/l〜50g/l ほど添加する。これは浸漬当初からでもよく、浸漬中、あるいは浸漬終了後、浸漬物の固形分分離前に行なってもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
▲1▼ キノコ子実体のグルタミン酸脱炭酸酵素(以下、GADという)活性:市販のキノコ子実体を凍結乾燥または50℃の温度で乾燥して30メッシュのふるいをかけた。キノコ乾燥物10gに水道水100mlを試験管に入れ、必要に応じてグルタミン酸ナトリウムを500mg添加して37℃の温度下で、4時間酵素反応を行った。続いて100℃にて30分間沸騰させたのち、冷めてから濾過してHPLC法でアミノ酸分析を行った。その結果を表1に示す。GAD酵素活性は1gの 乾燥キノコが4時間37℃酵素反応によって生成されるGABA(γ−アミノ酪酸)1mgを1単位とした。
【0015】
【表1】
【0016】
▲2▼ キノコ子実体のプロテアーゼ活性: 上記乾燥条件にて乾燥して得られたキノコ乾燥物を用いて国税庁所定分析法に準じてプロテアーゼ活性を測定した。酵素抽出条件は酢酸緩衝液(pH5.0)にて15〜20℃で3時間抽出して固液分離後その濾液を分析サンプルとした。プロテアーゼ活性は1gのキノコ乾燥物が40℃で60分間に1μgチロシン相当量の呈色を示す活性を1単位とした。
【0017】
【表2】
【0018】
▲3▼ Agaricus blaze1 M.の子実体乾燥物5種類を、各々卓上ブレンダーを用いて室温で粉砕した。5種の粉砕物をそれぞれサンプル1、2、3、4、5とし、各サンプルにγ−アミノ酪酸の生産量を増大させる浸漬処理を行わないものを各々無処理区とし、各無処理区に対応する粉砕物に当該処理を行うものを処理区とした。さらに、当該浸漬処理において、グルタミン酸ソーダを添加したものを各々添加処理区とした。各処理区の粉砕物は各10gをビーカ中で100mlの水に攪拌して分散させ、50%乳酸を用いてpH5.5に調整し、37℃に昇温して攪拌しながら4時間保持した後、100℃で30分間加熱し、冷却後、遠心分離機をもちいて固形分を除いた上澄みを、No.2濾紙を用いて濾過し、その濾液を得て、その濾液中のγ−アミノ酪酸濃度はアミノ酸分析機を用いて測定した。γ−アミノ酪酸量は、濾液中の濃度から、粉砕物100g当たりから得られる重量として換算し、mg/100gを単位として得た。
【0019】
各添加処理区においては粉砕物を水に分散後、グルタミン酸ソーダを各0.5g添加してから50%乳酸を用いて、pH5.5に調整した。他の処理はすべて処理区と同様である。各無処理区においては50%乳酸を用いて、pH5.5に調整後直ちに100℃で30分間加熱した。その他の処理はすべて処理区と同様である。
【0020】
以上の結果を表3に示した。
【表3】
表3に示すとおり、浸漬処理により、γ−アミノ酪酸の生産量が増大し、かつグルタミン酸ソーダを添加することによりさらにγ−アミノ酪酸の生産量が増大する。
【0021】
▲4▼ Lentinus edodesの子実体乾燥物の5種類を各々卓上ブレンダーを用いて室温で粉砕した。5種の粉砕物をそれぞれサンプル1、2、3、4、5とし、各サンプルにγ−アミノ酪酸を増大させる浸漬処理を行わないものを各々無処理区とし、各無処理区に対応する粉砕物に当該処理を行うものを処理区とした。さらに、当該浸漬処理において、グルタミン酸ソーダを添加したものを各々添加処理区とした。
【0022】
各処理区の粉砕物は各10gをビーカ中で100mlの水に攪拌して分散させ、50%乳酸を用いてpH5.5に調整し、37℃に昇温し攪拌しながら4時間保持した後、100℃で30分間加熱し、冷却後、遠心分離機をもちいて固形分を除いた上澄みをNo.2濾紙を用いて濾過し、その濾液を得て、その濾液中のγ−アミノ酪酸濃度はアミノ 酸分析機を用いて測定した。
【0023】
γ−アミノ酪酸量は、濾液中の濃度から、粉砕物100g当たりから得られる重量として換算し、mg/100gを単位として得た。
【0024】
各添加処理区においては粉砕物を水に分散後、グルタミン酸ソーダを各0.25g添加してから50%乳酸を用いて、pH5.5に調整した。他の処理はすべて処理区と同様である。各無処理区においては50%乳酸を用いて、pH5.5に調整後、直ちに100℃で30分間加熱した。
【0025】
その他の処理はすべて処理区と同様である。 以上の結果を表4に示した。
【表4】
表4に示すとおり、浸漬処理により、γ−アミノ酪酸の生産量が増大し、かつグルタミン酸ソーダを添加することによりさらにγ−アミノ酪酸の生産量が増大する。
【0026】
▲5▼ 上記表3および表4で示した各区の濾液を乾燥、希釈して得られた乾燥物と市販のγ−アミノ酪酸含有天然物のγ−アミノ酪酸含有量の分析値を示す。
濾液の乾燥は100mlあたり10gのデキストリン分散の上減圧乾燥した。
【表5】
【0027】
実施例
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
1. Agaricus blaze1 M.の子実体乾燥物840gを卓上ブレンダーで室温で粉砕した。
粉砕物を15lステンレススチールの容器中で8400mlの水に攪拌して分散後、グルタミン酸ソーダを42g添加し、50%乳酸を用いてpH5.5に調整し、37℃に昇温して50rpmで攪拌しながら4時間保持した後、100℃で1時間加熱し、冷却後、遠心分離機を用いて固形分を除いた上澄みを減圧濃縮機を用いて濃縮液を得、この濃縮液をγ−アミノ酸濃度2.0%となるように精製水で希釈し、γ−アミノ酸2.0%含有担子菌エキス865mlを得た。
【0028】
2. Lentinus edodes の子実体乾燥物1000gを卓上ブレンダーを用いて室温で粉砕した。粉砕物を15lステンレススチールの容器中で10lの水に攪拌して分散後、グルタミン酸ソーダを25g添加し、50%乳酸を用いてpH5.5に調整し、37℃に昇温し50rpmで攪拌しながら4時間保持した後、100℃で1時間加熱し、冷却後、遠心分離機を用いて固形分を除いた上澄みを減圧濃縮機を用いて濃縮液を得、この濃縮液をγ−アミノ酸濃度10%となるように、精製水で希釈しγ−アミノ酸10%を含有した担子菌エキス950mlを得た。
【0029】
ところで、上記した本発明にかかる健康食品は、いわゆる機能性を有する新規な食品と言えるが、本発明の健康食品についてその開発(発明に至る)過程で、次の結果が得られた。
(1)入手可能な食用微生物を調べたところ、担子菌 Agaricus属および Lentinus属が血圧低下作用を示すGABAを生産することが確認された。とくに Agaricus blazei Murill(以下、アガリクスという。)がGABAを高濃度に生産することが確認された。
(2)アガリクスを液体培養することによってアガリクスにGABAを生産させることができた(以下、このアガリスクをアガリクス菌糸体という。)。
(3)アガリクス子実体においても、自己消化により高濃度(3%以上)のGABAを蓄積させることができた(以下、このアガリスクをGABA蓄積アガリクスという)。
【0030】
そこで、GABA蓄積アガリクスおよびアガリクス菌糸体について、動物実験を行って血圧降下作用を有するか否かについて確認した。
【0031】
実験動物について
実験動物は星野試験飼育所から入手した雄性本態性高血圧自然発症ラット(以下、SHRという)を用いた。飼育および保管に関しては総理府告示第6号の基準に沿って行った。25週齢のラットを用いて1群5匹として、温度は28±1℃、照明は12時間おきに自動的に明(7:00〜19:00)暗に切り替わる部屋で個別に飼育した。飲料水は水道水を用いて飼料とともに自由摂取とした。
【0032】
飼料組成について
飼料の基本組成は実験1では表6に示したように、また実験2では表7に示したようにAIN組成に基づき、また血圧を上昇させるために食塩1%を加えた。アガリクス菌糸体およびGABA蓄積アガリクスを5%添加し、サッカロースを加えることで100(重量)%になるように調整した。また、実験飼料の給餌期間以外は、市販の固形飼料を与えた。固形飼料で1週間飼育後、試験飼料に切り替え3週間飼育した。
【0033】
【表6】
【0034】
【表7】
【0035】
血圧測定と血清脂質測定法について
血圧は1週間ごとに無加温型非観血式血圧計Model−2000を用いて、23℃以上の室温で尾動脈圧の収縮期血圧を無麻酔下の間接(カフ)法により測定した。血液は血圧測定後、尾部より採血した。血清脂質(総コレステロール)(TC)、高密度リポ蛋白質コレステロール(HDL−C)、トリグリセライド(TG)、リン脂質(PL))は、酵素法により定量した。TCからHDL−Cを差し引き、超低比重リポ蛋白質コレステロール(VLDL−C)+低比重リポ蛋白質コレステロール(LDL−C)とした。HDL−Cと(VLDL−C+LDL−C)の比から動脈硬化指数(AI)を算出した。
【0036】
アンジオテンシン変換酵素阻害実験
アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害実験は、ヒプリルヒスチジルロイシン(HHL)を基質にACEにより酵素反応させ、生成した馬尿酸を定量することにより測定した。定量にはキャピラリー電気泳動を用い、馬尿酸のピーク面積が半減した濃度(IC50)をACE活性阻害濃度として算出した。
【0037】
統計処理
各群とも平均値±標準偏差(SD)で示し、群間の有意差検定にはTukey−Kramerの多重比較検定を行い、p<0.05で判定した。
【0038】
結果
(実験1:予備実験)
▲1▼ GABA蓄積アガリクスのSHRへの血圧上昇に対する影響
図1はGABA蓄積アガリクスを食餌成分として投与したSHRの3週間にわたる血圧の経時変化を示す線図である。同図に示すようにコントロール群では経時的に血圧が上昇したのに対して、GABA蓄積アガリクス投与群ではいずれにおいても血圧の上昇を抑制させる傾向を示した。
【0039】
(実験2:本実験)
▲2▼ GABA蓄積アガリクスとアガリクス菌糸体がSHRの生育に及ぼす影響
図2はGABA蓄積アガリクスおよびアガリクス菌糸体を食餌成分として与えた場合のSHR体重変化を示す線図である。図2に示すようにGABA蓄積アガリクスおよびアガリクス菌糸体投与において、SHRの体重が著しく低下するような変化は認められなかった。
【0040】
▲3▼ GABA蓄積アガリクスとアガリクス菌糸体のSHRへの血圧上昇に対する影響
図3はGABA蓄積アガリクスおよびアガリクス菌糸体を食餌成分として投与したSHRの3週間にわたる血圧の経過変化を示す線図である。図3に示すようにコントロール群では経時的に血圧が上昇したのに対して、GABA蓄積アガリクスおよびアガリクス菌糸体投与群ではいずれにおいても血圧の上昇を抑制させる傾向を示した。3週間試験をおこなった結果、最終的にはコントロール群で236±10mmHg、アガリクス菌糸体投与群で212±11mmHg、GABA蓄積アガリクス群で207±12mmHgとなった。以上の結果からアガリクスには、SHRに対する優れた血圧降下作用があることが認められる。
【0041】
▲4▼ GABA蓄積アガリクスとアガリクス菌糸体がSHRの血清脂質に及ぼす影響
図4にGABA蓄積アガリクスおよびアガリクス菌糸体を食餌成分としてSHRに投与し、尾部採血から測定した試験最終時の血清脂質結果を示した。コントロール群に比べて、GABA蓄積アガリクスとアガリクス菌糸体投与群ではTC、TG、AIの値を低下させる傾向を示した。このようにアガリクスの投与により、TC、TGの低下作用も認められた。
【0042】
▲5▼ GABA蓄積アガリクスおよびアガリクス菌糸体のACE阻害活性
GABA蓄積アガリクスおよびアガリクス菌糸体のACE活性阻害濃度を表8に示した。ACE活性阻害作用の程度を知るために、高血圧症、うっ血性心不全の治療薬であるカプトプリルについても同様に調べた。カプトプリルのACE活性阻害作用におけるIC50は、0.02mg/mlであったが、GABA蓄積アガリクスとアガリクス菌糸体は、いずれもカプトプリルに比べるとその効果は小さかった。GABAについてもACE活性阻害作用におけるIC50を測定したが、GABAはACE阻害作用をほとんど示さなかった。
GABA蓄積アガリクスおよびアガリクス菌糸体についてACE活性阻害濃度が、高血圧症の治療薬であるカプトプリルに比べると小さいことから、GABAにはACE活性阻害効果はないと考えられる。
【0043】
【表8】
【0044】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明にかかるγ−アミノ酪酸を主成分とする健康食品の製造方法には、次のような優れた効果がある。
(1)担子菌の生産するγ−アミノ酪酸を主成分とした健康食品であるので、高血圧改善作用がある。
【0045】
(2)また、前記担子菌がハラタケ科 Agaricus blazei Murillもしくはヒラタケ科( シメジ科 )の担子菌 Lentinus edodesであると、とくに高血圧改善作用が高い。
【0046】
(3)担子菌にはAgaricus blazei Murillもしくは Lentinus edodesの子実体の乾燥物を用い、この担子菌乾燥物を温水中に浸漬し、30℃〜50℃の温度において2時間〜8時間保持したのち、前記浸漬液中から遠心分離機若しくはフィルタープレス等の濾過機を用いてγ−アミノ酪酸を回収することにより、浸漬前に含有されていたγ−アミノ酪酸に加え、酵素により生成されたγ−アミノ酪酸が加わり、著しいγ−アミノ酪酸の生産量の増大が図られる。
【0047】
(4)前記温水の温度を37℃、前記浸漬時間を4時間にすれば、γ−アミノ酪酸の生産量の増大効果が一層向上する。
【0048】
(5)前記浸漬液中にグルタミン酸ナトリウムを1g/l〜50g/l ほど添加すると、γ−アミノ酪酸の生産量をさらに増大することができる。
【0049】
(6)前記浸漬液中に、デンプン、糖類等の固形分を投入し、あるいは固形分を投入せずに、加熱あるいは真空乾燥すると、γ−アミノ酪酸の固形分を回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】GABA蓄積アガリクスおよびコントロール群(比較例)を食餌成分として投与したSHRの3週間にわたる血圧の経時変化を示す線図である。
【図2】GABA蓄積アガリクスおよびアガリクス菌糸体ならびにコントロール群(比較例)を食餌成分として与えた場合のSHR体重変化を示す線図である。
【図3】GABA蓄積アガリクスおよびアガリクス菌糸体ならびにコントロール群(比較例)を食餌成分として投与したSHRの3週間にわたる血圧の経過変化を示す線図である。
【図4】GABA蓄積アガリクスおよびアガリクス菌糸体ならびにコントロール群(比較例)を食餌成分としてSHRに投与し、尾部採血から測定した試験最終時の血清脂質結果(TC、TG、PL、AI、HDL−CおよびTG)を示す棒グラフである。
【符号の説明】
A:コントロール群
B:GABA蓄積アガリクス
C:アガリクス菌糸体
Claims (3)
- 担子菌にはAgaricus blazei Murillもしくは Lentinus edodesの子実体の乾燥物を用い、この担子菌乾燥物を温水中に浸漬するとともに、この浸漬の当初から、または浸漬中、あるいは浸漬終了後、前記浸漬液中にグルタミン酸ナトリウムを1g/l〜50g/lほど添加し、pH4.0〜9.0、30℃〜50℃の温度において2時間〜8時間保持したのち、
γ−アミノ酪酸の生産量を増大させた前記浸漬液を濾過、または加熱、あるいは乾燥して前記γ−アミノ酪酸を回収し含有させることを特徴とするγ−アミノ酪酸を主成分とする健康食品の製造方法。 - 前記温水の温度を37℃、前記浸漬時間を4時間にした請求項1記載のγ−アミノ酪酸を主成分とする健康食品の製造方法。
- 前記浸漬液中に、デンプン、糖類等の固形分を投入しあるいは固形分を投入せずに、加熱あるいは真空乾燥することにより、γ−アミノ酪酸の固形分を回収し、食品中に含
有させる請求項1または2に記載のγ−アミノ酪酸を主成分とする健康食品の製造方法。
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