JP4345107B2 - 圧送式トイレ装置 - Google Patents
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図8により、従来の圧送式トイレ装置の一例を説明する。図8に示すように、従来の圧送式トイレ装置50は、洗浄スイッチ52をオンすると、制御装置53の制御により電磁弁54が開いてロータンク55より洗浄水が便器本体56へ流れるようになっている。洗浄スイッチ52がオンした後、貯留槽58のフロートスイッチ60がオンしていれば、ポンプ62が起動し、貯留槽58に溜まった汚水は、排水管64を通って排水マス(図示せず)へ圧送されるようになっている。
また、ポンプ62起動後、破砕機66が起動し、便器本体56から破砕機66に流れた汚物は細かく粉砕される。ポンプ62の運転により貯留槽58の水位が下がり、フロートスイッチ60がオフするとポンプ62が停止するようになっている。
さらに、貯留槽58から水があふれ、防水パン68に水が溜まって漏水センサ70の電極が水没して水漏れが検知されると、制御装置53の制御により給水側の電磁弁72が閉じて制御装置53の異常ランプ74が点灯してシステム全体が停止するようになっている。また、水漏れ発生時に貯留槽58に汚水が溜まってフロートスイッチ60がオンしていれば、ポンプ62が所定時間運転し、フロートスイッチ60がオフになるまで貯留槽58の汚水を排水圧送するようになっている。
さらに、上述したフロートスイッチ60では、貯留槽内の水位を高精度かつ確実に検知することが難しいという問題がある。また、フロートの上部に近接スイッチを設けたタイプのフロートスイッチもあるが、水位変化に応じたフロートの上下方向のストロークに対応するガイド機構が必要となり、このようなガイド機構は、実際には汚水に水没させて使用せざるを得ないため、汚物等の付着によって不具合が生じやすく、不具合が生じた場合には、オーバーフローを防止することができないという問題がある。
また、上述した従来の圧送式トイレ装置50では、漏水センサ70そのものが故障していた場合に補助的に水漏れを検知する手段が設けられていない。このため、漏水センサ70そのものに故障等が生じていた場合には、トイレ装置の排水系や給水系のトラブルによって水漏れが生じていても未検知となり、さらにトラブルの被害が大きくなってしまうという問題がある。
このように構成された本発明の圧送式トイレ装置においては、第1水位検知手段が第1許容限界水位を検知し、さらに第2水位検知手段が第1許容限界水位よりも高い第2許容限界水位を検知し、二段階の許容限界水位を検知することができ、水位検知を高精度かつより確実に行うことができる。さらに、水位が第1許容限界水位よりも上昇した場合でも制御部が給水洗浄手段とポンプ手段を制御し、貯留槽からのオーバーフローを未然に回避することができる。
本発明において、更に、警告手段を有し、制御部は、第1水位検知手段が第1許容限界水位を検知した場合、又は、第2水位検知手段が第2許容限界水位を検知した場合に上記警告手段に警告を表示させることが好ましい。
このように構成された本発明の圧送式トイレ装置においては、第1水位検知手段が第1許容限界水位を検知した場合、又は、第2水位検知手段が第2許容限界水位を検知した場合に、警告手段により警告され、給水洗浄手段とポンプ手段が制御されるため、便器本体から洗浄水が溢れたり、貯留槽内が満水となってメンテナンスが手遅れになる等のトラブルを未然に回避することができる。
本発明において、制御部は、第1水位検知手段が第1許容限界水位を検知した場合、又は、第2水位検知手段が第2許容限界水位を検知した場合にポンプ手段を所定時間作動させた後停止させることが好ましい。
このように構成された本発明の圧送式トイレ装置によれば、ポンプ手段が作動しても排水不良等によって水位が所定水位まで下がらない場合に、ポンプ手段が作動しつづけるのを防ぐことができる。
このように構成された本発明の圧送式トイレ装置によれば、警告手段が排水異常を表示することにより、トラブルの原因が排水系のトラブルであることを特定し、貯留槽からのオーバーフローを未然に回避することができる。
本発明において、制御部は、第1水位検知手段が第1許容限界水位を検知した場合、又は、第2水位検知手段が第2許容限界水位を検知した場合には、給水洗浄手段を作動させないようにすることが好ましい。
このように構成された本発明の圧送式トイレ装置によれば、貯留槽からのオーバーフローを未然に回避することができる。
このように構成された本発明の圧送式トイレ装置によれば、警告手段が給水異常を表示することにより、トラブルの原因が給水系のトラブルであることを特定することができ、トラブルの対処をスムーズに行うことができる。
本発明において、更に、警告手段を有し、制御部は、第1水位検知手段が第1許容限界水位を検知し、第2水位検知手段が第2許容限界水位を検知した場合には、警告手段に排水異常を表示させることが好ましい。
このように構成された本発明の圧送式トイレ装置によれば、警告手段が排水異常を表示することにより、トラブルの原因が排水系のトラブルであることを特定し、トラブルの対処をスムーズに行うことができる。
本発明において、更に、警告手段を有し、制御部は、第1水位検知手段が第1許容限界水位を検知せずに、第2水位検知手段が第2許容限界水位を検知した場合には、警告手段に第1水位検知手段の異常を表示させることが好ましい。
このように構成された本発明による圧送式トイレ装置によれば、警告手段が第1水位検知手段の異常を表示することにより、トラブルの原因が第1水位検知手段のトラブルであることを特定し、トラブルの対処をスムーズに行うことができる。
図1は、本発明の一実施形態による圧送式トイレ装置を示す概略構成図であり、図2は、図1に示す本実施形態による圧送式トイレ装置のA−A断面図である。
図1及び図2に示すように、本発明の一実施形態による圧送式トイレ装置1は、便器本体2と、この便器本体2に便器給水路4aを経て給水する給水装置4とを備えている。この給水装置4の給水方式については、水道に直結して給水する水道直結方式であってもよいし、貯水したタンクから給水するタンク方式のいずれの方式であってもよい。
便器本体2への給水量は、給水装置4の給水方式が水道直結方式の場合には、電磁バルブ等からなる給水弁4cが制御装置6によって開閉制御されて調整されるようになっている。一方、給水装置4の給水方式がタンク方式の場合には、タンクの洗浄レバーをリモコン(図示せず)で制御して給水弁4cが開閉制御され、便器本体2への給水量が調整されるようになっている。
例えば、便器本体2の着座検知用センサー(図示せず)等が使用者の着座を検知したり、使用者がリモコン(図示せず)等に設けられた給水指令用の給水スイッチ(図示せず)をオンにすると、制御装置6が、これらの着座検知用センサー(図示せず)の検知情報やリモコンスイッチ(図示せず)等からの指令に基づいて給水装置4に給水指令し、給水装置4から便器本体2内へ所定時間給水が行われ、便器本体2内に所定量の水が溜まるようになっている。さらに、使用者がトイレ使用後、便器本体2を洗浄するためのリモコンの洗浄スイッチ(図示せず)をオンにすると、給水装置4から便器本体2に洗浄用の給水がなされて、便器本体2が洗浄されるようになっている。
ここで、上述したように、本実施形態の圧送式トイレ装置1の便器本体2として使用される便器については、一例として、便器本体2の排出口2aにフラップ弁9を設けたフラップ弁方式の便器の形態について説明しているが、このような形態に限定されず、フラップ弁のない洗い落し式の便器あるいはサイホン式やサイホンジェット式の便器等についても適用可能である。
さらに、貯留槽10内には、便器本体2の排出口2aから貯留槽10に排出された汚水中の糞やトイレットペーパ等の固形物11を粉砕する粉砕部12と、この粉砕部12の下部には、貯留槽10内の汚水を外部へ強制的に圧送するポンプ14が設けられている。
また、粉砕部12は、複数の孔16を有するスクリーン18によって形成された粉砕室20を備え、便器本体2の排出口2aから貯留槽10内に排出される汚水は、まず粉砕室20に一旦収容されるようになっている。この粉砕室20内の汚水については、スクリーン18の孔16の大きさよりも大きい固形物11は孔16を通過できずに粉砕室20内に捕捉され、水分やスクリーン18の孔16の大きさよりも小さい固形物は、孔16を通過して粉砕室20から貯留槽10へ流れるようになっている。
さらに、粉砕室20内にはカッター22が設けられており、このカッター22が回転することにより、粉砕室20内に捕捉された固形物11が粉砕されるようになっている。カッター22の回転軸24の下端にはインペラ26が取り付けられており、回転軸24の上端には、回転軸24を正逆転可能に駆動する粉砕圧送用モータ28が取り付けられている。この粉砕圧送用モータ28の駆動は、貯留槽10に設けられた水位センサ30(詳細は後述する)が検知した水位に基づき制御装置6によって可変に制御されるようになっており、カッター22とインペラ26の回転は、互いに連動して制御されるようになっている。
また、上述した給水装置4については、粉砕部12に追加給水する粉砕部給水路4bが設けられている、この給水装置4及び粉砕部給水路4bは、水位センサ30の水位情報に基づく制御装置6からの指令により給水弁4dが開き、固形物の粉砕時に粉砕部12の水位がカッター22の上端の水位(カッター上端水位)よりも常に高くなるように粉砕部12に追加給水するようになっている。
本実施形態では、水位センサ30が検知する貯留槽10内の水位として、便器本体2から1回の洗浄によって排出される排水量、ポンプ14の排水能力、貯留槽10の容量等を考慮し、貯留槽10の下方側からポンプ作動停止水位、ポンプ作動開始水位、及び、第1許容限界水位の3つの特定水位が設定されている(図1及び図2参照)。便器本体2の洗浄後、汚水が貯留槽10内に排出されて貯留槽10内の水位が上昇し、水位センサ30が検知した水位がポンプ作動開始水位に達した場合には、粉砕圧送用モータ28と共にポンプ14の作動が開始されるようになっている。ポンプ14が所定時間駆動して水位が低下し、水位センサ30が検知した水位がポンプ作動停止水位に達した場合には、粉砕圧送用モータ28と共にポンプ14の作動が停止するようになっている。
さらに、上述した第1許容限界水位は、ポンプ作動開始水位よりも上方に位置し、貯留槽10が満水となる水位よりも低く設定されている。この第1許容限界水位は、圧送式トイレ装置1の正常な運転下では達することのない水位であるが、圧送路32の配管の詰まりやポンプ14の不具合等の排水系のトラブルによって、貯留槽10内の水位が異常に上昇した場合に、水位センサ30が第1許容限界水位で異常を検知するようになっている。
また、貯留槽10内の水位が開口下端部30bの水位を下回ると水位が測定できなくなるため、貯留槽10内の底面と開口下端部30bとの間の距離hをできるだけ小さくして開口下端部30bを低位置にするのが好ましいが、貯留槽10内の底面と開口下端部30bとの間に汚物がひっかからないように、距離hについては、10mm以上に設定するのが好ましい。
一方、開口下端部30bの直径Dについては、20mm程度の寸法であれば閉塞しないことが経験的にわかっているため20mm程度が好ましい。また、開口下端部30b以外の部分についての直径寸法を20mmよりも小さく設定し、貯留槽10内の容量をかせいでもよい。
ここで、本実施形態で使用されるリミットセンサ31としては、電極式のセンサが好ましい。この電極式のセンサ31は、電極31a,31bの間に水が浸水した際の電極31a,31b間の抵抗変化に基づいて、水位を検知するものである。また、電極31a,31bの周囲には、円筒状の遮蔽体31cが設けられており、この遮蔽体31cにより、粉砕部12のスクリーン18の孔16等から飛散した汚物が電極31a,31bに直撃しないようになっている。
また、リミットセンサ31としては、上述した電極式のセンサ以外にも、上述した水位センサ30と同様な感圧式のセンサも適用可能であるが、水位センサ30とリミットセンサ31に同種のセンサを用いると、故障が同時に起こる可能性もあるため、ダイアフラム式のセンサ、静電式のセンサ、あるいはフロート式のセンサ等、感圧式のセンサとは異なる種類のセンサが好ましい。
なお、本実施形態では、水位センサ30として感圧式のセンサを使用した例を説明しているが、このセンサ以外にも超音波式のセンサ等、他の種類のセンサを使用してもよい。
また、制御装置6は、ポンプ14を所定時間作動させた後、水位センサ30又はリミットセンサ31によって検知される水位が所定水位まで低下していない場合、又は、水位センサ30が第1許容限界水位を検知し、リミットセンサ31が第2許容限界水位を検知した場合には、異常表示器33に排水異常を表示させるようになっている。
さらに、制御装置6は、給水装置4を所定時間作動させた後、水位センサ30が検知した水位が所定水位未満である場合には、異常表示器33に給水異常を表示させるようになっている。
また、制御装置6は、水位センサ30が第1許容限界水位を検知せずに、リミットセンサ31が第2許容限界水位を検知した場合には、異常表示器33に水位センサ30の異常を表示させるようになっている。
図3は、本実施形態による圧送式トイレ装置1におけるシーケンスの一例を示す概略図である。
ここで、図3の最上段から最下段までの8つのチャートをA〜Hで示し、チャートAは、使用者の便器着座を検知したかどうかのオンオフ動作、または使用者のリモコン操作等によるリモコンスイッチのオンオフ動作を示し、チャートBは、使用者による洗浄スイッチのオンオフ動作を示している。
また、チャートCは、粉砕圧送用モータ28の回転動作を示し、チャートDは、貯留槽10(または粉砕室20)内の水位を示し、チャートEは、フラップ弁9の開閉動作を示し、チャートFは、給水装置4の便器給水路4aから便器本体2への便器給水の動作を示している。
さらに、チャートGは、給水装置4の粉砕部給水路4bから貯留槽10(粉砕部12)への貯留槽給水の動作を示し、チャートHは、電動ボール弁34の開閉動作を示している。また、チャートA〜Hにおいて、横軸を時間「t」で示し、この時間tに添えられている数字は工程の順序を示しており、時系列順に値が大きくなっている。
つぎに、t2で着座の検知が終了するか、リモコンスイッチがオフになり(チャートA参照)、t3で給水装置4から便器本体2への給水が停止する(チャートF参照)。
使用者がトイレ使用後、t4で便器本体2を洗浄するための洗浄スイッチがオンされると(チャートB参照)、これと同時に便器本体2の洗浄工程が開始し、給水装置4から便器本体2に洗浄用の給水がなされ、便器本体2内が洗浄される(チャートF参照)。また、これと同時にt4で粉砕圧送用モータ28が作動し、例えば、約2500rpm以上の回転数で正回転する(チャートC参照)。
また、t7でフラップ弁9が開き、便器本体2内の汚水が便器本体2の排出口2aから貯留槽10内の粉砕部12に排出される(チャートE参照)。t8で給水装置4から便器本体2への給水が停止し、t9でフラップ弁が閉じる(チャートE及びF参照)。
さらに、t10で給水装置4の粉砕部給水路4bから貯留槽10への追加給水が開始されると同時に電動ボール弁34が閉じる(チャートG及びH参照)。t11で粉砕圧送用モータ28が再び作動し、約2500rpm以上の回転数で正回転すると同時に、粉砕部給水路4bから貯留槽10へ追加給水が停止する(チャートC及びG参照)。t7からt11までの間は、貯留槽10内の水位が上昇し、t11で最高位置に達する(チャートD参照)。
上述したt11からt15までの粉砕圧送用モータ28の回転に関する制御モード(以下「回転制御モードI」と呼び、詳細は後述する)により、t11からt13の間では、ポンプ14が約2500rpm以上の比較的高い回転数で回転し、貯留槽10内の汚水が圧送されて、貯留槽10内の水位は最高位置からほぼ中位置まで低下する(チャートD参照)。これと同時に、粉砕部12のカッター22は、完全に水没した状態で約2500rpm以上の比較的高い回転数で回転して粉砕室20内の固形物11のほとんどを粉砕する。
また、t13からt14の間では、ポンプ14のインペラ26が約1500〜1700rpmの比較的低速で正回転し、貯留槽10内の汚水は緩やかに圧送される。これと同時に、貯留槽10内の水位は、ほぼ中位置から緩やかに低下し(チャートD参照)、粉砕部12のカッター22の上下端位置を通過してゆくが、水位がカッター上端水位からカッター22の下端の水位(カッター下端水位)まで完全に通過し終わるまでは、カッター22は比較的低い回転数で回転する。
さらに、t14からt15の間では、ポンプ14が再び約2500rpm以上の比較的高い回転数で回転し、貯留槽10内の汚水がさらに圧送されると共に貯留槽10の水位はさらに低下してt15で最低位置となる(チャートD参照)。
つぎに、回転制御モードIで粉砕しきれなかった粉砕室20内の残留固形物を粉砕して貯留槽10から排出するために、t20で粉砕圧送用モータ28が再び作動し、約2500rpm以上の回転数で正回転すると同時に、粉砕部給水路4bから貯留槽10へ追加給水が停止する(チャートC及びG参照)。
t15からt20の間では、貯留槽10内の水位は、t15の最低水位からt11での最高水位とほぼ等しい位置まで上昇する(チャートD参照)。
つぎに、t20からt31で粉砕しきれなかった粉砕室20内の残留固形物を粉砕して貯留槽10から排出するために、t32で粉砕圧送用モータ28が再び作動して約2500rpm以上の回転数で正回転する同時に電動ボール弁34が開く。t32からt35までの粉砕圧送用モータ28は、t11からt15までの粉砕圧送運転と同様なモードで回転する。これにより、t32以前に粉砕しきれなかった粉砕室20内の残留固形物をt32からt35においてカッター22でさらに粉砕してポンプ14で圧送する。
t33からt34までは、ポンプ14のインペラ26が約1500〜1700rpmの比較的低速で正回転してポンプ14の緩やかな圧送が行われ、貯留槽10内の水位は緩やかに低下し、t34からt35までは、t32からt33までと同様に、ポンプ14のインペラ26が約2500rpm以上の回転数で正回転してポンプ14の本格的な圧送が行われ、貯留槽10内の水位は最低位置となる。
また、t35からt36までは貯留槽10内の水位は変わらず、t36からt37にかけて水位はほぼ中位置まで上昇し、一連の工程が終了する。
図4に示すように、給水装置4から便器本体2に給水が行われて洗浄が開始されると、ポンプ作動停止水位であった貯留槽10内の水位は上昇してポンプ作動開始水位に達する。水位センサ30がこのポンプ作動開始水位に達した水位を検出して出力すると、ポンプ14が作動し、ポンプ14が作動した直後は水位がやや上昇するものの所定時間TA圧送運転が行われると水位が低下する。
所定時間TA圧送運転が行われて水位センサ30がポンプ作動停止水位に達した水位を検知すると、この検知してから所定時間後にポンプ14が停止する。
また、図4では、水位センサ30が検出した水位は、第1許容限界水位に一度も達していないため、表示器33は、トイレ装置1にトラブルが一切発生しておらず正常運転していることを示す正常モードとなっている。
図5に示すように、水位センサ30が、第1許容限界水位に達した貯留槽10内の水位を検出して出力すると、給水装置4が停止すると共にポンプ14が水位を下げるために所定時間TB作動した後、停止する。ただし、圧送路32の配管の詰まりやポンプ14の故障によって排水ができず、貯溜槽10内の水位がポンプ作動停止水位に達しない場合や、水位センサ30やリミットセンサ31の故障によりポンプ14の停止信号が得られない場合に備え、ポンプ14は所定時間作動後にタイマー(図示せず)等によって停止するようになっている。
また、ポンプ14が所定時間TB作動しても、水位センサ30が検出した水位が第1許容限界水位よりも下回らない限り、表示器33は、排水系のトラブルを異常として表示する排水異常モードになっている。
図6に示すように、水位センサ30がポンプ作動開始水位を検知するとポンプ14が作動し、所定時間TC作動しても貯留槽10内の水位がポンプ作動停止水位まで下がらない、あるいは貯留槽10内の水位がポンプ作動停止水位まで下がったとしても所定時間TC以上かかった場合には、給水装置4及びポンプ14が停止すると共に、表示器33は、排水異常モードとなる。すなわち、表示器33は、水位センサ30が検知した水位が第1許容限界水位に達しなくても、排水速度が所定速度以下であれば制御装置6が圧送路32の配管の詰まりやポンプ14の故障等の排水系のトラブルと判断し、排水異常を知らせるようになっている。
ここで、排水速度の測定については、ポンプ作動中に貯留槽10内の水位が任意の2つの水位間を通過する時間を測定してもよいし、圧送路32の配管等に流量計(図示せず)を設けて測定してもよい。
図7に示すように、本実施形態の圧送式トイレ装置1では、制御装置6が使用者からリモコン等により洗浄給水の指令を受けると、給水装置4が作動して、洗浄給水が開始されるが、給水が所定時間TD行われても貯留槽10内の水位が所定最低水位に達しない場合には、給水装置4が停止すると共に、表示器33は、給水系のトラブルを異常として表示する給水異常モードとなる。すなわち、表示器33は、水位センサ30が検知した水位が所定最低水位に達しない場合には、制御装置6が断水や便器排出口2aの詰まり等の給水系のトラブルと判断し、給水異常を知らせるようになっている。
この他、水位センサ30が第1許容限界水位を検知し、リミットセンサ31が第2許容限界水位を検知した場合には、表示器33は排水異常モードとなる。また、水位センサ30が第1許容限界水位を検知せずに、リミットセンサ31が第2許容限界水位を検知した場合には、表示器33は、水位センサ30の不具合等によるトラブルを異常として表示する水位センサ異常モードとなる。
また、本実施形態の圧送式トイレ装置1によれば、水位センサ30として感圧式のセンサが使用され、この感圧式のセンサの感圧部30cが空洞管30a内の空気を介して水圧を感知するため、この感知した水圧に応じて貯留槽10内の水位を高精度かつ任意に検知することができる。また、この感圧式のセンサは、感圧部30cが直接汚水に接触しないため、汚物等の付着によるセンサの不具合を回避することができる。さらに、貯留槽10内の底面と開口下端部30bとの間の距離と開口下端部30bの直径については、汚物がひっかからい程度の十分な寸法に設定されているため、汚物の詰まりによる水位センサ30の不具合を回避することができる。
さらに、本実施形態の圧送式トイレ装置1によれば、排水系や給水系のトラブル等の異常事態が発生した場合には、表示器33により使用者に異常が知らされると共に給水が停止する。この結果、便器本体2から洗浄水が溢れたり、貯留槽10内が満水となってメンテナンスが手遅れになる等のトラブルを未然に回避することができる。
さらに、本実施形態の圧送式トイレ装置1によれば、水位センサ30がポンプ作動開始水位を検知するとポンプ14が作動し、所定時間作動しても貯留槽10内の水位がポンプ作動停止水位まで下がらない、あるいは貯留槽10内の水位がポンプ作動停止水位まで下がったとしても所定時間以上かかった場合には、給水装置4及びポンプ14が停止すると共に表示器33が排水異常モードとなる。この結果、水位センサ30が検知した水位が第1許容限界水位に達しなくても、排水速度が所定速度以下であれば制御装置6が圧送路32の配管の詰まりやポンプ14の故障等の排水系のトラブルを検知することができる。また、トラブルの原因が排水系のトラブルであることを特定することができ、トラブルの対処をスムーズに行うことができる。
また、本実施形態の圧送式トイレ装置1によれば、制御装置6が使用者からリモコン等により洗浄給水の指令を受けると、給水装置4が作動して、洗浄給水が開始される。このとき、給水が所定時間行われても貯留槽10内の水位が所定最低水位に達しない場合には、制御装置6が断水や便器排出口2aの詰まり等の給水系のトラブルと判断し、給水装置4が停止すると共に表示器33が給水異常モードとなる。この結果、配管の詰まりやポンプ14の故障等の排水系のトラブル以外にも、断水や便器排出口2aの詰まり等の給水系のトラブルを検知することができる。また、トラブルの原因が給水系のトラブルであることを特定することができ、トラブルの対処をスムーズに行うことができ、洗浄水不足による汚物の粉砕不良や配管詰まりのトラブルを最小限に留めることができる。
さらに、水位センサ30が第1許容限界水位を検知せずに、リミットセンサ31が第2許容限界水位を検知した場合には、表示器33は、水位センサ異常モードとる。この結果、トラブルの原因が、上述した排水系や給水系のトラブル以外にも、水位センサ30のトラブルであることを特定することができ、故障箇所の特定が容易であり、トラブルの対処をスムーズに行うことができる。
2 便器本体
2a 便器排出口
4 給水装置
4a 便器給水路
4b 粉砕部給水路
4c,4d 給水弁
6 制御装置
8 固形物粉砕圧送装置
9 フラップ弁
10 貯留槽
11 固形物
12 粉砕部
14 ポンプ
14a ポンプ吸入口
14b ポンプ吐出口
16 孔
18 スクリーン
20 粉砕室
22 カッター
24 回転軸
26 インペラ
28 粉砕圧送用モータ
30 水位センサ
30a 空洞管
30b 開口下端部
30c 感圧部
31 リミットセンサ
31a,31b 電極
31c 遮蔽体
32 圧送路
33 表示器
34 電動ボール弁
36 粉砕完了検知装置
Claims (9)
- 便器本体の排出口から排出される汚水に含まれる固形物を粉砕して圧送する圧送式トイレ装置であって、
便器本体を給水洗浄する給水洗浄手段と、
上記便器本体の排出口に連通し便器本体の排出口から排出された汚水及びこの汚水に含まれる固形物を貯溜する貯留槽と、
この貯留槽内に設けられ、上記固形物を粉砕する粉砕手段を備えた粉砕部と、
この粉砕手段により粉砕された固形物及び汚水を上記貯留槽の外部へ圧送するポンプ手段と、
上記貯留槽内の水位を非接触で検知し、上記貯留槽内の上記ポンプ手段の作動停止水位及び作動開始水位、更には、第1許容限界水位までの任意の水位を検知する第1水位検知手段と、
上記第1許容限界水位よりも高い第2許容限界水位になったことを検知する第2水位検知手段と、
これらの第1水位検知手段及び第2水位検知手段の検知情報に基づいて上記貯留槽内の汚水が上記第1許容限界水位又は第2許容限界水位を越えてオーバーフローしないように上記給水洗浄手段、上記粉砕手段、及び、上記ポンプ手段を制御する制御部と、
を有することを特徴とする圧送式トイレ装置。 - 上記第1水位検知手段は空洞管を用いた感圧式のセンサであり、上記第2水位検知手段は電極式のリミットセンサである請求項1記載の圧送式トイレ装置。
- 更に、警告手段を有し、上記制御部は、上記第1水位検知手段が上記第1許容限界水位を検知した場合、又は、上記第2水位検知手段が上記第2許容限界水位を検知した場合に上記警告手段に警告を表示させる請求項1又は2に記載の圧送式トイレ装置。
- 上記制御部は、上記第1水位検知手段が上記第1許容限界水位を検知した場合、又は、上記第2水位検知手段が上記第2許容限界水位を検知した場合に上記ポンプ手段を所定時間作動させた後停止させる請求項1乃至3の何れか1項に記載の圧送式トイレ装置。
- 上記制御部は、上記ポンプ手段を所定時間作動させた後、上記第1水位検知手段よって検知される水位が所定水位まで低下していない場合には、上記警告手段に排水異常を表示させる請求項4記載の圧送式トイレ装置。
- 上記制御部は、上記第1水位検知手段が上記第1許容限界水位を検知した場合、又は、上記第2水位検知手段が上記第2許容限界水位を検知した場合には、上記給水洗浄手段が作動させないようにする請求項1乃至5の何れか1項に記載の圧送式トイレ装置。
- 更に、警告手段を有し、上記制御部は、上記給水洗浄手段を所定時間作動させた後、上記第1水位検知手段が検知した水位が所定水位未満である場合に上記警告手段に給水異常を表示させる請求項1又は2に記載の圧送式トイレ装置。
- 更に、警告手段を有し、上記制御部は、上記第1水位検知手段が上記第1許容限界水位を検知し、上記第2水位検知手段が上記第2許容限界水位を検知した場合には、上記警告手段に排水異常を表示させる請求項1又は2に記載の圧送式トイレ装置。
- 更に、警告手段を有し、上記制御部は、上記第1水位検知手段が上記第1許容限界水位を検知せずに、上記第2水位検知手段が上記第2許容限界水位を検知した場合には、上記警告手段に上記第1水位検知手段の異常を表示させる請求項1又は2に記載の圧送式トイレ装置。
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