JP4345008B2 - 撮像装置および撮像方法 - Google Patents

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Description

本発明は撮像装置に係り、特に撮影モードの設定を行える撮像装置に関する。
従来、ユーザが操作手段を直接目視しなくても操作状況を知ることができるようにする技術が考案されている。例えば特許文献1のキー入力装置は、キーボード上の各キースイッチを画面上の各表示マークに対応付けると共に、いずれかのキースイッチからの第1の信号入力に従って対応する表示マークの表示態様を変更し、かつ第2の信号入力に従って対応する表示マークの機能を付勢する。
特開2001−236168号公報
ところで、被写体をデジタルカメラで撮影する時の撮影モードは、ダイヤルスイッチなどで設定することが一般であるが、モード設定の操作を行っていると、ダイヤルスイッチに目を奪われてしまい、シャッターチャンスを逃してしまうという問題がある。本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、主要被写体と撮影モードの設定状況を同時に確認できる撮像装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、光学像を電気信号に変換する撮像部と、前記撮像部を介して撮像した原画像を記録媒体に記録する記録部と、表示部と、被写体を撮影する時の撮影モードを設定するモード設定部とを備えた撮像装置において、前記モード設定部による撮影モードの設定状態を示すイメージ画像を前記撮像部から供給されるスルー画像中の主要被写体の一部又は全部と重複しない位置に合成して前記表示部に表示する表示制御部を備える撮像装置を提供する。
この発明によると、撮影モードの設定状態を示すイメージ画像が、スルー画像中の主要被写体の一部又は全部と重複しない位置に合成されて表示部に表示される。撮影者は、表示部を参照することで、主要被写体と現在の撮影モードを同時に確認でき、モード設定部の設定に目を奪われることなく主要被写体のシャッターチャンスをうかがうことができる。
請求項2に係る発明は、現在設定されている撮影モードが前記主要被写体の撮影に相応しい撮影モードである推奨モードであるか否かを判断するモード判断部をさらに備え、前記表示制御部は前記推奨モードを示す情報を前記イメージ画像とともに表示する請求項1に記載の撮像装置を提供する。
この発明によると、主要被写体の撮影に相応しい撮影モードを表示部に表示して撮影者に視覚的に知らせることができる。
請求項3に係る発明は、前記表示部に積層されており押圧を検知するタッチパネルをさらに備え、前記モード設定部は前記タッチパネルが前記推奨モードを示す情報の表示位置で押圧を検知した場合に前記推奨モードを設定する請求項2に記載の撮像装置を提供する。
この発明によると、推奨モードを示す情報の表示位置に押圧を加えることで推奨モードを設定することが可能である。
請求項4に係る発明は、前記表示制御部は前記スルー画像が前記イメージ画像を透過するように表示させる請求項1〜3のいずれかに記載の撮像装置を提供する。
この発明によると、主要被写体がモードダイヤルイメージで覆い隠されてしまうのを防ぐことができる。
請求項5に係る発明は、前記表示制御部は前記イメージ画像を前記表示部の表示領域の中央部以外の部分に表示させる請求項1〜4のいずれかに記載の撮像装置を提供する。
この発明によると、表示領域の中央に位置することが多い主要被写体がモードダイヤルイメージで覆い隠されるのを極力避けることができる。
この発明によると、撮影モードの設定状態を示すイメージ画像が、スルー画像中の主要被写体の一部又は全部と重複しない位置に合成されて表示部に表示される。撮影者は、表示部を参照することで、主要被写体と現在の撮影モードを同時に確認でき、モード設定部の設定に目を奪われることなく主要被写体のシャッターチャンスをうかがうことができる。
以下、添付した図面を参照し本発明の好ましい実施の形態を説明する。
[概略構成]
図1〜3は、本発明の好ましい実施形態に係るカメラ10の外観斜視図である。このカメラ10は、ズームレンズ12を備えたデジタルカメラであり、カメラ本体から前方へ突出したレンズ部14と本体側部のグリップ部22を撮影者が確実に保持して、撮影ブレを防止できる大きさと形状を有している。ズームレンズ12には、例えば光学6倍ズームレンズが用いられ、望遠(テレ)側又は広角(ワイド)側のズーム操作に応じて鏡胴15が進退駆動される。
カメラ上部にはポップアップ式のストロボ16が設けられ、ストロボ発光部の横にはストロボ調光センサ18が設けられている。符号40は、ストロボ16を利用可能状態の位置にポップアップさせるストロボポップアップボタンである。グリップ部22上面にはシャッターボタン80が配置され、セルフタイマーランプ20はグリップ部22の前面に設けられている。
レンズ14にはフォーカス・ズームリング(以下FZリングという)24が設けられており、マニュアルフォーカスモード(MF)時に撮影者がFZリング24を手で回動操作すると、手動によるピント調整を行うことができる。あるいは、コンティニュアスオートフォーカス(C−AF)モード若しくはシングルオートフォーカス(S−AF)モード時に撮影者がFZリング24を手で回動操作すると、手動による光学ズーム調整を行うことができる。MF/C−AF/S−AFモードの切り換えは、モード切換スイッチ30で行う。
カメラ10の側面には、C−AFモード、S−AFモード又はMFモードを選択するモード切換スイッチ30、ズームキー32、情報ボタン34、露出補正ボタン36、及びホワイトバランス調整ボタン38等が配設されている。これら各操作部は、撮影者がカメラ10のレンズ部14を保持した左手の親指で操作できる位置に設けられている。
ズームキー32は、ズームレンズ12の焦点距離の調節と電子ズーム機能による拡大/縮小の指示に兼用される操作部である。ズームキー32は、カメラ10の前後方向に傾動するシーソー型スイッチ構造を有し、傾動方向に応じてズームレンズ12の焦点距離をテレ側及びワイド側へ変更できる。ズームキー32の前側部分(Tキー)が押されると、テレ方向(拡大方向)にズーム制御され、ズームキー32の後側部分(Wキー)が押されると、ワイド方向(縮小方向)にズーム制御される。なお、TキーとWキーを分離して別々の方向とすることも可能である。
モード切換スイッチ30がC−AFモード又はS−AFモード側に選択されると、FZリング24を手で回動操作して手動による光学ズーム調整を行うことができる。一例として、カメラ10背面から見てFZリング24を右側に回動するとテレ方向(拡大方向)にズーム制御され、FZリング24を左側に回動すると、ワイド方向(縮小方向)に光学ズーム制御される。回動方向とテレ方向/ワイド方向の関係は上記と逆でもよい。
情報ボタン34は、撮影時の撮影条件をワンタッチでカメラ10の液晶モニタ68(図2参照)に表示させる指示を与える手段である。露出補正ボタン36は、撮影画像の露出補正量を指示するときに使用され、ホワイトバランス調節ボタン38は、ホワイトバランスの設定を変更するときに使用される。
カメラ10側面に設けられている端子カバー42を開けると、他の電子機器と情報の送受信を行うための通信コネクタ(例えばUSB端子)44、映像信号を送受信する映像出力端子46、外部から電源を供給する際に利用する電源入力端子48が設けられている。
図2は、カメラ10の背面側斜視図である。カメラ背面には、ファインダー50及び液晶モニタ68が設けられ、操作部として、十字キー52、メニュー/実行ボタン54、キャンセル/戻るボタン56、表示ボタン58、シフトボタン60、表示切換ボタン62、拡大表示ボタン64、並びにAEロックの指示を入力するAE固定ボタン66等が設けられている。
ファインダー50は、電子ビューファインダーで構成されるが、このファインダー50を光学式ファインダーに置換する態様も可能である。液晶モニタ68は、撮影時に画角確認用の電子ファインダーとして使用できるとともに、撮影した画像のプレビュー画やメモリカード等の外部記録装置から読み出した再生画像等を表示する表示手段である。また、十字キー52やモードダイヤル96(図4参照)を使用したメニューの選択や各メニューにおける各種項目の設定なども液晶モニタ68の表示画面を用いて行われる。更に液晶モニタ68には、撮影可能枚数(コマ数)や再生コマ番号の表示、マクロモード表示、記録画質(クオリティー)表示、画素数表示等の情報を表示することができる。
撮影者はファインダー50又は液晶モニタ68に映し出される映像を見て画角を調整することができる。表示切換ボタン62には、画像や情報の表示先としてファインダー50を使用するか液晶モニタ68を使用するかを切り換える指示を入力する操作部である。
十字キー52は、上下左右のいずれかの縁部を押圧することによって、対応する4方向(上下左右)の指示を入力できるように構成された多機能キーであり、メニュー画面における各種設定項目の選択や、設定内容の変更を指示する操作キーとして使用されるとともに、ズームレンズ12の焦点距離調整(テレ/ワイド操作)、電子ズームの倍率調整、ズーム中心の移動指示、再生コマの送り/戻しを指示する手段として用いられる。なお、十字キー52は、一つの操作部材が上下左右に傾動するタイプでもよいし、上下左右の4つのキーが別々に設けられていてもよい。
メニュー/実行ボタン54は、各モードの通常画面からメニュー画面へ遷移させる時、あるいは選択内容の確定、処理の実行指示の時などに使用される。キャンセル/戻るボタン56は、処理のキャンセル又は処理を以前の状態に戻すことを指定する手段であり、メニューから選んだ項目の取消や一つ前の操作状態に戻す時などに使用される。
表示ボタン58は、液晶モニタ68をON/OFF操作したり、再生中のコマ番号等の表示/非表示を切り換えるための手段である。シフトボタン60は、十字キー52などの多機能キーの機能を拡張するためのプッシュスイッチである。拡大表示ボタン64は、被写体に対する合焦状態を確認するために画面の一部(例えば、画面中心部)を拡大表示させる指示を行う操作ボタンである。
カメラ背面に設けられた操作部のうち、シフトボタン60は、他の操作ボタン(キー)との同時押しの必要に鑑み、撮影者が左手で操作できる位置に設けられているが、シフトボタン60以外の操作部(52、54、56、58、62、64、66)は、撮影者がグリップ部22を把持した右手の親指で操作できる位置に設けられている。
グリップ部22のあるカメラ側部にはスロットカバー70が開閉自在に設けられており、カバー内部には、外部記録装置を装着するメディアスロット(不図示)が設けられている。また、カメラ10の底面には、図示せぬ電池を装着する部分を覆う電池カバー72及び三脚用ねじ穴74が設けられている。
図3は、ストロボ16と鏡胴15を収納した状態のカメラ10の斜視図である。カメラ10の上面には、シャッターボタン80、電源スイッチ82、モードレバー84、ストロボ16の発光モード又は発光禁止を指示するストロボボタン86、マクロ(近距離撮影)モードの設定又は解除を指示するマクロボタン88、セルフタイマーボタン90、連写モードの設定又は解除を指示する連写ボタン92、及び各種モードを設定するモードダイヤル96が設けられている。
シャッターボタン80は、画像の記録開始を指示する手段であり、シャッターボタン80を軽く押して止める「半押し」の状態で自動ピント合わせ(AF)及び自動露出制御(AE)が作動し、「半押し」から更に押し込む「全押し」の状態を指示する録画ボタンとして兼用される。モードレバー84は、カメラ10を撮影又は再生の各モードに設定する手段である。モードレバー84は、電源スイッチ82の外周に回動自在に支持されたレバースイッチで構成され、該モードレバー84の停止位置によって撮影モードと再生モードを切り換えることができる。
モードダイヤル96は、各種の撮影モードを切り換える手段である。モードダイヤル96を回し、ダイヤル上に描かれた各モードのマークを指標に合わせることにより、セットアップモード、マニュアル撮影モード、絞り優先の撮影モード、シャッター速度優先の撮影モード(通常撮影モード)、夜景、人物、遠景等の撮影シーンを設定して撮影するシーンセレクトモード、動画記録モード等のモード選択を行うことができる。
セットアップモードは、例えば記録画像の解像度、圧縮率、シャープネス、記録色、日付、ビープ音の有無等の設定を行うモードである。なお、画像の記録に関する解像度、圧縮率などは、撮影モードにおけるメニュー画面からも設定できる。マニュアル撮影モードに設定したときは、露出やストロボの発行量あるいはフォーカスなどを全て手動で設定することができる。
図4は、モードダイヤル96を上面から見た図である。モードダイヤル96には、撮影シーンを直感的に認識可能なマークであるアイコン96a〜96jが印刷されている。モードダイヤル96は、図中矢印方向に回転可能であり、撮影者は、撮影しようとする撮影シーンに近いアイコンが位置合わせマーク97の位置にくるようにモードダイヤル96を回転させることにより、撮影モードを選択することができる。
アイコン96aは、シャッタースピードと絞り値を自由に設定できるマニュアルモードに対応する。アイコン96bは、動画を撮影する動画モードに対応する。アイコン96cは、夜景を撮影するのに適した夜景モードに対応する。アイコン96dは、スポーツシーン等の動きの速い被写体を撮影するのに適したスポーツモードに対応する。アイコン96eは、風景を撮影するのに適した風景モードに対応する。アイコン96fは、人物を撮影するのに適した人物モードに対応する。アイコン96gは、様々な撮影シーンに適応した撮影が可能なオートモードに対応する。アイコン96hは、シャッタースピード/絞り以外の各種設定ができるプログラムオートモードに対応する。アイコン96iは、絞り値を設定できる絞り優先オートモードに対応する。アイコン96jは、シャッタースピードを設定できるシャッター優先オートモードに対応する。
図5は、カメラ10の内部構成を示すブロック図である。ズームレンズ12を含む光学ユニット100の後方にはCCD等の固体撮像素子102が配置されており、ズームレンズ12を通過した光は、固体撮像素子102に入射する。固体撮像素子102の受光面には、フォトセンサが平面的に配列されており、該受光面に結像された被写体像は、各フォトセンサによって入射光量に応じた量の信号電荷に変換される。こうして蓄積された信号電荷は、図示せぬドライバ回路から与えられるパルス信号に基づいて信号電荷に応じた電圧信号(画像信号)として順次読み出され、撮像回路106に加えられる。
撮像回路106は、ゲイン調整回路及びA/D変換器を含み、撮像回路106を通してデジタル信号に変換された画像データは、画像処理回路108及びハイパスフィルタ(HPF)125へ送られる。画像処理回路108は、輝度・色差信号生成回路、ガンマ補正回路、シャープネス補正回路、コントラスト補正回路、ホワイトバランス補正回路、撮影画像に対する輪郭補正を含む画像処理を行う輪郭処理部、画像のノイズ低減処理を行うノイズ低減処理部、トリミング処理回路127等を含む画像処理手段であり、RISC(Reduced Instruction Set Computer)などで構成される処理部110からのコマンドに従って画像信号を処理する。
画像処理回路108に入力された画像データは、輝度信号(Y信号)及び色差信号(Cr、Cb信号)に変換されるとともに、ガンマ補正等の所定の処理が施された後、メモリ112に格納される。メモリ112に記憶された画像データは、処理部110の指令に従って読み出され、NTSC方式などの所定の信号形式に変換された後、表示部114に出力される。表示部114は、カメラ10に内蔵されたファインダー50、液晶モニタ68又は映像出力端子46等に接続された外部の表示装置に相当する。なお、処理部110は、OSD信号発生回路110aを含み、OSD信号発生回路110aはシャッター速度や絞り値、撮影可能枚数、撮影日時、警告メッセージ等の文字及びアイコン等の記号を表示するための信号を発生させる。このOSD信号発生回路110aから出力される信号は、必要に応じて画像信号に混合されて、表示部114に供給される。これにより、スルー画像や再生画像に文字やアイコン等が合成された合成画像が表示される。
固体撮像素子102から出力される画像信号によってメモリ112内の画像データが定期的に書き換えられ、その画像データから生成される映像信号が表示部114に供給されることにより、固体撮像素子102を介して撮像される画像がリアルタイムに表示部114に表示される。
モードレバー84によって撮影モードが選択され、モードダイヤル96によって静止画撮影のモードが選択された状態で、シャッターボタン80が押下されると撮影開始指示(レリーズON)信号が発せられる。即ち、図示せぬフォーカス駆動部を制御してフォーカス動作を行うとともに、固体撮像素子102の電荷蓄積時間(いわゆる電子シャッター)を制御することにより露出制御を行う。
シャッターボタン80の全押し操作に呼応して、取り込まれた記録用の画像データは、画像処理回路108において所定の処理が施された後、必要に応じて圧縮処理され、外部記録装置116に記録される。
外部記録装置116は、撮影で得た画像データを保持する手段であり、例えばスマートメディアと呼ばれるメモリカードが使用される。記録メディアの形態はこれに限定されず、PCカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、メモリスティックなどでもよく、電子的、磁気的、もしくは光学的、又はこれらの組み合わせによる方式などに従って読み書き可能な媒体を用いることができる。異種・同種の記録メディアを問わず、複数の媒体を装着可能な構成にしてもよい。また、画像ファイルを保存する手段は、カメラ本体に着脱可能なリムーバブルメディアに限らず、カメラに内蔵された記録媒体(内蔵メモリ)であってもよい。
モードダイヤル96によって動画記録モードが設定されたときには、シャッターボタン80の押下によって録画動作がスタートし、もう一度シャッターボタン80を押下すると録画動作が停止する。シャッターボタン80を押下継続している期間、録画動作を行い、押下解除によって録画を停止するようにしてもよい。動画データは、例えばモーションJPEG形式によって外部記録装置116に記録される。
モードレバー84によって再生モードが設定されると、外部記録装置116から画像ファイルが読み出される。読み出された画像データは、画像処理回路108において伸張処理され、表示部114に出力される。
一方、撮像回路106のA/D変換部でデジタル信号に変換された画像データは、HPF125でG画素成分のみ抽出される。そして、積算処理部126で抽出されたG画素成分に積算処理が施されて処理部110に送られる。処理部110は、積算処理部126から送られた1画面分の64分割の画像データの内、中心付近の4エリアの平均値を算出し、これをオートフォーカス(AF)評価値とする。AF評価値は、所定周期の経過毎に算出され、算出の度にメモリ112に更新記憶される。
撮影者がモード切換スイッチ30を操作してC−AF又はS−AFモードに切り換え、FZリング24をテレ方向又はワイド方向に回動させると、処理部110は、当該操作に応じてズーム制御回路120を制御し、モータ122を駆動させる。モータ122はDCモータが用いられ、モータ122に印加する電圧の極性を変えることにより、テレ方向又はワイド方向に駆動できる。モータ122の動力が図示せぬギヤその他の動力伝達機構を介してズームレンズ12に伝達されることにより、ズームレンズが移動して焦点距離が変更される。
なお、十字キー52をズーム操作キーとして機能させることもできる。例えば、カメラ10を水平に保持した状態(横位置)で、十字キー52の上キーがズームアップキー(Tキー)、下キーがズームダウンキー(Wキー)として機能させ、FZリング24に代えて、十字キー52を操作してズーム駆動してもよい。
カメラ10には、駆動したズームレンズ12の位置(ズームポジション)を検出するための手段としてレンズ位置検出回路124が設けられており、その検出結果は処理部110に通知される。処理部110は、レンズ位置検出回路124の検出信号に基づいてズーム位置制御を行う。
レンズ位置検出回路124は、モータ122の回転によりパルスを発生する回路であってもよいし、レンズ鏡胴15の外周に位置検出エンコード板を配置した態様であってもよく、本発明の実施に際して特に限定されるものではない。
処理部110は、カメラ10の各回路を統括制御する制御部であり、ズームキー32、シャッターボタン80、十字キー52、メニュー/実行ボタン54、FZリング24、モード切換スイッチ30、ズームキー32、マクロボタン88、モードレバー84、モードダイヤル96その他からなる操作部113から受信する信号に基づき、対応する回路の動作を制御するとともに、表示部114における表示制御、ストロボ発光制御、オートフォーカス(AF)制御、トリミング範囲の計算及び自動露出(AE)制御等を行う。
[処理の流れ]
次に、図6のフローチャートを参照し、上記の如く構成されたカメラ10の処理について説明する。図6はカメラ10の実行するモードダイヤル表示処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、モードレバー84によって「撮影モード」が選択された場合に開始する。
S1では、モードダイヤル96(図4参照)のアイコン96a〜96jのいずれか1つが位置合わせマーク97の位置に来るようにモードダイヤル96を回転させることにより、いずれかの撮影モードが設定されたか否かを判断する。撮影モードが設定された場合はS2へ移行し、モードダイヤル96が回転されない場合はS6に移行する。なお、カメラ10に図示しない撮影モード表示ボタンを設け、撮影モード表示ボタンが押下された場合はS2に移行するようにしてもよい。あるいは、液晶モニタ68に図示しないタッチパネルを積層し、タッチパネルの所定位置(例えば「撮影モード表示」ボタンが表示されている位置)で押圧を検知した場合はS2に移行するようにしてもよい。
S2では、S1で設定された撮影モード(設定モード)が主要被写体の撮影に相応しい撮影モード(推奨モード)に設定されているか否かを判断する。設定された撮影モードが推奨モードである場合はS3に移行し、設定された撮影モードが推奨モードでない場合はS4に移行する。設定された撮影モードが推奨モードに設定されているか否かの判断は、各種の方法で実施できる。例えば、シャッターボタン80の半押し状態で固体撮像素子102に入射された光量を測光した上、画角内の被写体が十分な明るさを持っていない場合、点光源が多数存在している場合、あるいは明暗のコントラストが非常に高いような場合で、かつ設定モードが夜景モードの場合は推奨モードが設定されていると判断する。あるいは、モード切換スイッチ30でC−AFモードが設定されており、主要被写体が頻繁に動いている場合即ち主要被写体への合焦が何度も行われており、かつ設定モードがスポーツモードである場合は推奨モードが設定されていると判断する。
S3では、OSD信号発生回路110aはモードダイヤル96の設定モードに対応するアイコンが位置合わせマーク97の位置に合わせられた状態を示すモードダイヤルイメージの表示信号を生成する。一方、S4では、OSD信号発生回路110aはモードダイヤル96の設定モードに対応するアイコンが位置合わせマーク97の位置に合わせられた状態を示し、かつ推奨モードに対応するアイコンを示したモードダイヤルイメージの表示信号を生成する。
S5では、処理部110はスルー画像から主要被写体を認識する。そして、モードダイヤルイメージが、認識された主要被写体の全部又は一部と重複しないようにスルー画像とモードダイヤルイメージを合成する。合成後の画像は表示部114に供給される。図9(a)はS3で生成されたモードダイヤルイメージとスルー画像を合成した表示例であり、図9(b)はS4で生成されたモードダイヤルイメージとスルー画像を合成した表示例である。図9(a)に示すように、液晶モニタ68の表示面には、設定モードであるプログラムオートモード(P)のアイコンI1が位置合わせマークI0の位置に合わせられた状態を示すモードダイヤルイメージD1が、主要被写体である人物被写体O1と重複しない位置に表示されている。一方、図9(b)に示すように、液晶モニタ68の表示面には、設定モードであるプログラムオートモード(P)のアイコンI1が位置合わせマークI0の位置に合わせられた状態と、推奨モードであるスポーツモードに対応するアイコンI2を示したモードダイヤルイメージD2が、人物被写体O1と重複しない位置に表示されている。撮影者は、液晶モニタ68を参照することで、主要被写体と現在の設定モードを同時に確認でき、モードダイヤル96の設定に目を奪われることなく主要被写体を撮影するチャンスをうかがうことができる。
ここで、主要被写体の認識は、主要被写体が人物であれば、公知の顔認識技術で行うことができる。あるいは、主要被写体が建物であれば、被写体の幾何学的形状(四角形や五角形など)を認識することで主要被写体が建物であると認識することができる。
具体的には、画像処理回路108から出力されたスルー画像の画像データから、所定の観測点を識別する。観測点の一例としては、図7(a)に示すように、人物の左目LE、右目RE、鼻N、口MT若しくはこれらの組み合わせが挙げられる。次に、図7(b)に示すように、左目LE、右目RE、口MTを互いに結んだ三角形を観測図形とし、観測図形で囲まれる領域を主要被写体の表示領域と同視する。あるいは、図7(c)に示すように、観測点として建物の角P1〜P5を認識し、建物の角P1〜P4を互いに結んだ四角形を観測図形とする。
なお、所定の観測点のうち認識できた観測点の一部から、観測図形を幾何学的に推定することもできる。即ち、図8に示すように、鼻Nから右目REまでの線分の長さx1、鼻Nから左目LEまでの線分の長さx2、鼻Nから口MTまでの線分の長さyの比を、x1:x2:y=βと予め定めておき、かつ鼻Nから右目REまでの線分と鼻Nから左目LEまでの線分の夾角をθと予め定めておく。βとθの値は被写体の特性(性別、大人、子供など)に応じて変化させてもよい。そして、右目RE、左目LE、口MTのいずれか1つと鼻Nが観測点として認識できれば、βとθでその他の観測点の位置を算出できる。そして、算出した観測点と認識できた観測点である右目RE、左目LE及び口MTを結んでなる三角形を観測図形とする。
認識された主要被写体の全部又は一部とモードダイヤルイメージが重複しないように合成するには、観測図形とモードダイヤルイメージが重複する面積(重複面積)が最小となる位置にモードダイヤルイメージを合成すればよい。図9(a)及び(b)は、重複面積が0即ち観測図形とモードダイヤルイメージが全く重複しない状態を示している。この図のように、観測図形と全く重複しない位置にモードダイヤルイメージを合成することで、人物被写体O1の顔がモードダイヤルイメージで覆い隠されてしまい、液晶モニタ68で顔の確認が困難となるのを防ぐことができる。一方、図10は重複面積が0でない即ち観測図形とモードダイヤルイメージが重複する状態を示している。この場合、処理部110は、スルー画像がモードダイヤルイメージを透過するように表示する。このように、主要被写体とモードダイヤルイメージの重複が避けられない場合でも、モードダイヤルイメージを透過させてスルー画像を表示させることで、主要被写体がモードダイヤルイメージで覆い隠されてしまうのを防ぐことができる。
なお、主要被写体が認識できなかった場合はモードダイヤルイメージを表示部114の表示面の中央部分以外の部分に表示すれば、主要被写体がモードダイヤルイメージで覆い隠されるのを極力避けることができる。この場合もスルー画像がモードダイヤルイメージを透過するように表示することが好ましい。
また、液晶モニタ68にタッチパネルを積層した場合、タッチパネルでモードダイヤルイメージの各撮影モードに対応するアイコンの表示位置に押圧を加えることで、押圧位置に表示されたアイコンに対応する撮影モードを設定できるようにしてもよい。この場合、例えば、図9(b)の推奨モードを示すアイコンI2の表示位置に押圧を加えると、スポーツモードが設定される。こうすることでモードダイヤル96を直接目視することなく、主要被写体の確認と撮影モードの確認並びに設定を全て液晶モニタ68上で行うことができ便利である。
S6では、撮影が完了したか否か、即ちモードレバー84によって「再生モード」が選択されたか否かを判断する。撮影が完了した場合はこの処理を終了し、撮影が完了していない場合はS1に戻る。なお、S1に戻る前に、モードダイヤル96が所定時間(5秒間など)操作されなかったか否かを判断し、所定時間以上操作されなかった場合はモードダイヤルイメージの表示を消去してS1に戻るようにしてもよい。あるいは、図示しない撮影モード表示ボタンが所定時間操作されなかったか否かを判断し、所定時間以上操作されなかった場合はモードダイヤルイメージの表示を消去してS1に戻るようにしてもよい。
以上の処理により、撮影者は現在の設定モードあるいは推奨モードを被写体のスルー画像とともに液晶モニタ68で確認することができ、直接モードダイヤル96を目視せず液晶モニタ68を見ながらモードダイヤル96を操作して、あるいは各撮影モードのアイコン表示位置に押圧を加えて適切な撮影モードを設定できる。特に、運動会やスポーツ大会など非常に混雑した状況下では、液晶モニタ68で主要被写体を確認しながらシャッターチャンスをうかがう場合があるが、この場合にモード設定に目を奪われてシャッターチャンスを逃すといった不都合を回避できる。
なお、モードダイヤルイメージの表示が不要な場合もあるから、モードダイヤル表示処理を実行する又はしない旨を設定できるようにし、実行する旨が設定された場合にのみ上記処理を実行するようにしてもよい。
また、本実施形態に係るカメラ10の一部又は全部と同様の構成を携帯電話機やPDA(Personal Digital Data Assistants)などの各種電子機器に設け、上述の処理を実行させることも可能である。
本発明の好ましい実施形態に係るデジタルカメラの外観を示す図 デジタルカメラの背面側斜視図 デジタルカメラの正面側斜視図 モードダイヤルを上面から見た図 デジタルカメラのブロック図 モードダイヤル表示処理の流れを示すフローチャート 主要被写体の観測点及び観測図形の一例を示す図 推定された観測図形を示す図 観測図形と重複しない位置に合成されたモードダイヤルイメージを示す図 スルー画像を透過させるモードダイヤルイメージを示す図
符号の説明
10:デジタルカメラ、12:ズームレンズ、24:FZリング、30:モード切換スイッチ、88:マクロボタン、96:モードダイヤル、100:光学ユニット、102:固体撮像素子、106:撮像回路、108:画像処理回路、110:処理部、114:表示部、120:ズーム制御部、124:レンズ位置検出回路

Claims (8)

  1. 光学像を電気信号に変換する撮像部と、前記撮像部を介して撮像した原画像を記録媒体に記録する記録部と、表示部と、被写体を撮影する時の撮影モードを設定するモード設定部とを備えた撮像装置において、
    前記モード設定部による撮影モードの設定状態を示すイメージ画像を前記撮像部から供給されるスルー画像から認識された主要被写体の一部又は全部と重複しない位置に合成して前記表示部に表示する表示制御部を備える撮像装置。
  2. 現在設定されている撮影モードが前記主要被写体の撮影に相応しい撮影モードである推奨モードであるか否かを判断するモード判断部をさらに備え、
    前記表示制御部は前記推奨モードを示す情報を前記イメージ画像とともに表示する請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記表示部に積層されており押圧を検知するタッチパネルをさらに備え、
    前記モード設定部は前記タッチパネルが前記推奨モードを示す情報の表示位置で押圧を検知した場合に前記推奨モードを設定する請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記表示制御部は前記スルー画像が前記イメージ画像を透過するように表示させる請求項1〜3のいずれかに記載の撮像装置。
  5. 前記表示制御部は前記スルー画像から主要被写体が認識されなかった場合前記イメージ画像を前記表示部の表示領域の中央部以外の部分に表示させる請求項1〜4のいずれかに記載の撮像装置。
  6. 前記表示制御部は前記スルー画像から認識された所定の複数の観測点を結んでなる観測図形と前記イメージ画像との重複面積が最少となる位置に前記イメージ画像を合成して前記表示部に表示する請求項1〜5のいずれかに記載の撮像装置。
  7. 光学像を電気信号に変換する撮像部と、前記撮像部を介して撮像した原画像を記録媒体に記録する記録部と、表示部と、被写体を撮影する時の撮影モードを設定するモード設定部とを備えた撮像装置が、
    前記モード設定部による撮影モードの設定状態を示すイメージ画像を前記撮像部から供給されるスルー画像から認識された主要被写体の一部又は全部と重複しない位置に合成して前記表示部に表示する撮像方法。
  8. 前記スルー画像から認識された所定の複数の観測点を結んでなる観測図形と前記イメージ画像との重複面積が最少となる位置に前記イメージ画像を合成して前記表示部に表示する請求項7に記載の撮像方法。
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