JP4344983B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザプリンタなどの画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザプリンタなどの画像形成装置では、通常、用紙を給紙するための給紙機構と、給紙された用紙に画像を形成するための画像形成機構とを備えている。
【0003】
給紙機構は、用紙を積層状にスタックする着脱自在の給紙トレイと、その給紙トレイの一端部側の上方に設けられ、互いに対向状に配置される給紙ローラおよび給紙パットとを備えており、給紙トレイの最上位にある用紙を、給紙ローラの回転によって給紙ローラと給紙パットとで挟むようにして、1枚毎に給紙するようにしている。
【0004】
また、画像形成機構は、感光ドラムと、その感光ドラムの周りに、帯電器、スキャナ装置、現像ローラおよび転写ローラとを、感光ドラムの回転方向に従って順次備えている。感光ドラムの表面は、その感光ドラムの回転に伴なって、まず、帯電器により一様に帯電された後、スキャナ装置からのレーザービームの高速走査により露光され、所定の画像データに基づく静電潜像が形成され、次いで、現像ローラの回転により、現像ローラ上に担持されているトナーが、感光ドラムの表面上に形成されている静電潜像に供給され、選択的に担持されることによって可視像が形成される。そして、感光ドラムの表面上に担持された可視像を、給紙機構から給紙される用紙が感光ドラムと転写ローラとの間を通る間に、その用紙に転写することにより、用紙に所定の画像を形成するようにしている。
【0005】
このような画像形成装置において、用紙は、給紙ローラと給紙パットとで挟まれながら1枚毎に給紙されるので、給紙パットとの間の擦れによって用紙上に紙粉が発生することが不回避となり、そのような紙粉が画像形成機構においてトナーに混入すると、画像品質の低下を招くという不具合を生じる。
【0006】
そのため、たとえば、特開平4−250485号公報には、紙粉除去部材として、紙粉を付着させる搬送ローラと、紙粉搬送部材として、その搬送ローラの上方に対向配置され、スパイラル状のブラシが設けられる紙粉除去ローラと、紙粉貯留部材として、紙粉除去ローラの一端部に設けられる紙粉収納箱とを備えて、搬送される用紙の紙粉を搬送ローラに付着させ、次いで、その付着した紙粉を、搬送ローラが紙粉除去ローラと対向した時に、紙粉除去ローラのブラシの回転により、紙粉除去ローラの軸方向一端部に向けて搬送し、その後、その一端部に設けられる紙粉収納箱において貯留するものが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような、用紙から除去された紙粉を搬送して貯留するタイプのものでは、紙粉を搬送するための紙粉搬送部材を駆動するための駆動機構が必要となるが、そのような駆動機構は、従来より、搬送部材や紙粉貯留部材と水平方向において同じ位置であるか、あるいは、それよりも低い位置に配置されており、しかも、それらと仕切られていなかったため、駆動機構に紙粉が入り込んで、作動不良を引き起こすという不具合を生じている。
【0008】
そこで、本発明は、このような不具合に鑑みなされたもので、その目的とするところは、紙粉を搬送する紙粉搬送手段を駆動するための搬送駆動手段の良好な作動を確保して、長期にわたって良好な紙粉除去動作を達成することのできる、画像形成装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、画像形成手段に供給される記録媒体の紙粉を除去するための紙粉除去手段と、前記紙粉除去手段によって除去された紙粉を搬送するための紙粉搬送手段と、前記紙粉搬送手段により搬送された紙粉を貯留するための紙粉貯留部とを備える画像形成装置において、前記紙粉搬送手段を駆動するための搬送駆動手段を備え、前記搬送駆動手段は、前記紙粉搬送手段および前記紙粉貯留部と仕切り壁を隔てて画成され、前記紙粉搬送手段は、実質的に水平方向に往復移動して、前記紙粉除去手段によって除去された紙粉を掃くように駆動されることを特徴としている。
【0010】
このような構成によると、搬送駆動手段は、紙粉搬送手段および紙粉貯留部と仕切り壁を隔てて画成されているので、その仕切り壁によって、紙粉搬送手段によって搬送される紙粉や紙粉貯留部において貯留される紙粉が、搬送駆動手段に入り込むことを有効に防止することができる。そのため、紙粉の侵入に起因する搬送駆動手段の作動不良を防止して、搬送駆動手段の良好な作動を確保することができ、長期にわたって良好な紙粉除去動作を達成することができる。
また、紙粉は、実質的に水平方向に往復移動する紙粉搬送手段によって、掃かれるようにして紙粉貯留部に搬送される。そのため、オーガ部材などの複雑な搬送機構によって構成しなくとも、簡易な構成により、確実な搬送を達成することができる。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、画像形成手段に供給される記録媒体の紙粉を除去するための紙粉除去手段と、前記紙粉除去手段によって除去された紙粉を搬送するための紙粉搬送手段と、前記紙粉搬送手段により搬送された紙粉を貯留するための紙粉貯留部とを備える画像形成装置において、前記紙粉搬送手段を駆動するための搬送駆動手段を備え、前記搬送駆動手段は、前記紙粉搬送手段および前記紙粉貯留部の上方に配置され、前記紙粉搬送手段は、実質的に水平方向に往復移動して、前記紙粉除去手段によって除去された紙粉を掃くように駆動されることを特徴としている。
【0012】
このような構成によると、搬送駆動手段は、紙粉搬送手段および紙粉貯留部の上方に配置されているので、紙粉搬送手段によって搬送される紙粉や紙粉貯留部において貯留される紙粉が、搬送駆動手段に入り込むことを有効に防止することができる。そのため、紙粉の侵入に起因する搬送駆動手段の作動不良を防止して、搬送駆動手段の良好な作動を確保することができ、長期にわたって良好な紙粉除去動作を達成することができる。
【0013】
また、紙粉は、実質的に水平方向に往復移動する紙粉搬送手段によって、掃かれるようにして紙粉貯留部に搬送される。そのため、オーガ部材などの複雑な搬送機構によって構成しなくとも、簡易な構成により、確実な搬送を達成することができる。
【0014】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記紙粉搬送手段は、前記紙粉除去手段の長手方向に沿って直線的に往復移動することを特徴としている。
【0015】
たとえば、紙粉搬送手段を、一端部を軸心として揺動させることにより往復移動させるような場合には、掃き残しを防止するために、その揺動軌跡を大きくする必要があるが、揺動軌跡を大きくすると装置の大型化が不回避となる。一方、大型化を防止すべく、揺動軌跡を大きくすることなく他の部材と当接した時に撓むような可撓性部材を装着することも可能であるが、そのような場合には、可撓性部材を装着するための構成の複雑化や部品点数の増加を生じる。
【0016】
しかし、この構成によると、紙粉搬送手段は、紙粉除去手段の長手方向に沿って直線的に往復移動するので、簡易な構成により、最小限のスペースで、掃き残しを生じさせることもほとんどなく、紙粉を紙粉貯留部に良好に搬送することができる。
【0017】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の発明において、前記紙粉搬送手段は、100mm/秒以下の速度で駆動されることを特徴としている。
【0018】
このような構成によると、紙粉搬送手段は、100mm/秒以下の速度で、ゆっくりと往復移動されるので、搬送される紙粉の飛散を有効に防止することができる。そのため、紙粉が搬送駆動手段に入り込むことを、より一層有効に防止することができ、より一層、長期にわたって良好な紙粉除去動作を達成することができる。
【0019】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の発明において、記録媒体を積層状に収容する記録媒体収容部を着脱自在に備えており、前記紙粉搬送手段は、前記記録媒体収容部が着脱される着脱経路の上方に配置されていることを特徴としている。
【0020】
このような構成によると、紙粉搬送手段が、紙粉除去手段によって除去された紙粉を、水平方向に往復移動して紙粉貯留部に搬送するので、その下方に紙粉を貯留するためのスペースを設けることを不要とすることができる。そのため、紙粉搬送手段を記録媒体収容部の着脱経路の上方に配置して、記録媒体収容部から供給される記録媒体の紙粉の除去を円滑に行なうことができながら、かつ、記録媒体収容部の円滑な着脱動作をも確保することができる。
【0021】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の発明において、前記紙粉除去手段によって除去された紙粉を受ける受け面を備え、前記紙粉搬送手段は、前記受け面上に、前記受け面と所定の隙間を隔てて配置されていることを特徴としている。
【0022】
このような構成によると、紙粉搬送手段は、受け面上において、その受け面と所定の隙間を隔てた状態で、水平方向に往復移動するので、紙粉搬送手段と受け面との摺擦を防止して、紙粉搬送手段の損傷による搬送不良を有効に防止することができる。そのため、紙粉搬送手段の耐久性の向上を図ることができ、より一層、長期にわたって良好な紙粉除去動作を達成することができる。
【0023】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の発明において、前記搬送駆動手段は、一方向に駆動する動力が入力される動力入力手段と、前記動力入力手段により入力された一方向に駆動する動力を、往復方向に駆動する動力に変換するための駆動方向変換手段と、前記駆動方向変換手段により変換された動力を、前記紙粉搬送手段に出力するための動力出力手段とを備えていることを特徴としている。
【0024】
このような構成によると、動力入力手段に、一方向に駆動する動力が入力されると、その一方向に駆動する動力が、駆動方向変換手段によって、往復方向に駆動する動力に変換され、その後、その往復方向に駆動する動力が、動力出力手段によって、紙粉搬送手段に出力される。そのため、簡易な構成によって、一方向に駆動する動力を往復方向に駆動する動力に変換して、紙粉搬送手段を往復移動させることができる。
【0025】
また、請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の発明において、前記画像形成手段が、静電潜像を現像することにより形成される可視像を、記録媒体に転写することによって画像を形成する、電子写真方式によって構成されていることを特徴としている。
【0026】
静電潜像を現像して可視像を形成し、それを記録媒体に転写する電子写真方式では、記録媒体上に紙粉があると、転写時において、その紙粉が画像形成手段内に混入してしまうため、記録媒体上の紙粉を除去することが特に必要であるが、このような構成によると、紙粉除去手段によって記録媒体上の紙粉を効率的に除去することができるので、電子写真方式によって良好な画像形成を確実に達成することができる。
【0027】
また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、前記画像形成手段は、静電潜像が形成される感光体と、現像剤を供給する現像手段とを備えており、前記現像剤として、非磁性1成分の現像剤が用いられ、かつ、転写後に前記感光体に残存する前記現像剤を現像手段によって回収するクリーナレス現像が行なわれるように構成されていることを特徴としている。
【0028】
電子写真方式において、非磁性1成分の現像剤を用いて、クリーナレス現像を行なえば、転写後の感光体上に残存する現像剤を除去するための格別の部材および貯留部が不要となり、装置構成の簡略化を図ることができる。しかし、一方で、クリーナレス現像では、転写後に感光体に残存する現像剤を現像手段によって回収するため、転写時に、記録媒体からの紙粉が感光体に付着すると、その紙粉が回収される現像剤とともに現像手段に混入してしまい、画像品質に直接影響してしまうという不具合を生じる。
【0029】
しかし、このような構成によると、紙粉除去手段によって記録媒体上の紙粉を効率的に除去することができるので、クリーナレス現像によって、簡易に現像剤を回収しつつ、良好な画像形成を確実に達成することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の画像形成装置としてのレーザプリンタの一実施形態を示す要部側断面図である。図1において、このレーザプリンタ1は、電子写真方式により画像を形成するレーザプリンタとして構成されており、本体ケーシング2内に、記録媒体としての用紙3を給紙するためのフィーダ部4や、給紙された用紙3に所定の画像を形成するための画像形成手段としての画像形成部5などを備えている。
【0031】
フィーダ部4は、本体ケーシング2内の底部に、着脱可能に装着される記録媒体収容部としての給紙トレイ6と、給紙トレイ6の一端側端部に設けられる給紙機構部7と、給紙トレイ6内に設けられた用紙押圧板8と、給紙機構部7に対し用紙3の搬送方向の下流側(以下、用紙3の搬送方向上流側または下流側を、単に、上流側または下流側という場合がある。)に設けられる後述する紙粉除去手段としての第1搬送部9と、同じく紙粉除去手段としての第2搬送部10と、第1搬送部9および第2搬送部10に対し用紙3の搬送方向の下流側に設けられるレジストローラ11とを備えている。
【0032】
給紙トレイ6は、用紙3を収容し得る上面が開放されたボックス形状をなし、本体ケーシング2の底部に対して水平方向に着脱可能とされている。
【0033】
給紙機構部7は、供給ローラとしての給紙ローラ12と、その給紙ローラ12に対向する分離パット13とを備えている。分離パット13は、図2にも示すように、支持フレーム13aとパット部材13bとばね13cとを備えている。
【0034】
支持フレーム13aは、給紙ローラ12の下方において対向する平板状の部材と、その平板部材の一側端から、略直交方向下向きに屈曲形成される支持部材とを備える、断面略L字状部材として形成されており、支持部材の下端部が、揺動可能に支持されている。そして、その給紙ローラ12に対向する平板部材の表面にパット部材13bが埋設されるとともに、その裏側には、ばね13cが配置され、そのばね13cによって給紙ローラ12にパット部材13bが押圧されるように付勢されている。
【0035】
パット部材13bは、図3に示すように、略矩形板状をなし、ウレタンゴムなどの弾性部材からなり、用紙3の搬送方向に直交する方向のパット部材13bの幅B(以下、用紙3の搬送方向に直交する方向における幅を、単に幅という場合がある。)が、用紙3の幅A(レーザプリンタ1において、印刷可能な最大の用紙3の幅)よりも狭く形成されている。すなわち、このパット部材13bは、給紙のために用紙3の幅方向中央部のみと接触する幅として形成されている。
【0036】
用紙押圧板8は、図1に示すように、用紙3を積層状にスタック可能とされ、給紙ローラ12に対して遠い方の端部において揺動可能に支持されることによって、近い方の端部を上下方向に移動可能とし、また、その裏側から図示しないばねによって上方向に付勢されている。そのため、用紙押圧板8は、用紙3の積層量が増えるに従って、給紙機構部7に対して遠い方の端部を支点として、ばねの付勢力に抗して下向きに揺動される。そして、用紙押圧板8上の最上位にある用紙3は、用紙押圧板8の裏側から図示しないばねによって給紙ローラ12に向かって押圧され、その給紙ローラ12の回転によって給紙ローラ12とパット部材13bとで挟まれた後、それらの協動により、1枚毎に分離されて給紙される。給紙された用紙3は、給紙機構部7と画像形成部5との間の給紙搬送経路38において、後述する第1搬送部9および第2搬送部10によってレジストローラ11に送られる。レジストローラ11は、1対のローラから構成されており、用紙3を所定のレジスト後に、画像形成部5に送るようにしている。
【0037】
画像形成部5は、スキャナ部17、プロセス部18、定着部19などを備えている。
【0038】
スキャナ部17は、本体ケーシング2内の上部に設けられ、レーザ発光部(図示せず。)、回転駆動されるポリゴンミラー20、レンズ21aおよび21b、反射鏡22などを備えており、レーザ発光部からの発光される所定の画像データに基づくレーザビームを、鎖線で示すように、ポリゴンミラー20、レンズ21a、反射鏡22、レンズ21bの順に通過あるいは反射させて、後述するプロセス部18の感光ドラム23の表面上に高速走査にて照射させている。
【0039】
プロセス部18は、スキャナ部17の下方に配設され、本体ケーシング2に対して着脱自在に装着されるように構成されている。このプロセス部18は、感光体としての感光ドラム23と、現像カートリッジ24と、転写ローラ25と、スコロトロン型帯電器37とを備えている。現像カートリッジ24は、プロセス部18に対して着脱自在に装着されており、トナー収容部26、現像手段としての現像ローラ27、層厚規制ブレード28、トナー供給ローラ29などを備えている。
【0040】
トナー収容部26には、現像剤として、正帯電性の非磁性1成分の重合トナーが充填されており、そのトナーが、トナー供給ローラ29によって現像ローラ27に供給され、さらに、層厚規制ブレード28の摺擦によって一定厚さの薄層として現像ローラ27に担持される。一方、感光ドラム23は、現像ローラ27と対向状に回転可能に配設されており、ドラム本体が接地されるとともに、その表面がポリカーボネートなどから構成される正帯電性の感光層により形成されている。
【0041】
そして、感光ドラム23の表面は、感光ドラム23の矢印方向への回転に伴なって、スコロトロン型帯電器37により一様に正帯電された後、スキャナ部17からのレーザービームの高速走査により露光され、所定の画像データに基づく静電潜像が形成され、その後、現像ローラ27と対向した時に、現像ローラ27上に担持されかつ正帯電されているトナーが、その感光ドラム23の表面に形成される静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光ドラム23の表面のうち、レーザービームによって露光され電位が下がっている部分に供給され、選択的に担持されることによって可視像化され、これによって反転現像が達成される。
【0042】
転写ローラ25は、感光ドラム23の下方において、この感光ドラム23に対向するように配置されている。この転写ローラ25は、金属製のローラ軸に、導電性のゴム材料からなるローラが被覆されており、感光ドラム23に対して所定の転写バイアスが印加されている。そのため、感光ドラム23上に担持された可視像は、用紙3が感光ドラム23と転写ローラ25との間を通る間に用紙3に転写される。可視像が転写された用紙3は、搬送ベルト30を介して、定着部19に搬送される。
【0043】
定着部19は、プロセス部18の側方下流側に配設され、加熱ローラ31、加熱ローラ31を押圧する押圧ローラ32、および、これら加熱ローラ31および押圧ローラ32の下流側に設けられる搬送ローラ33を備えている。
【0044】
加熱ローラ31は、金属製で加熱のためのハロゲンランプを備えており、プロセス部18において用紙3上に転写されたトナーを、用紙3が加熱ローラ31と押圧ローラ32との間を通過する間に熱定着させ、その後、その用紙3を定着部19の搬送ローラ33によって、本体ケーシング2に設けられた搬送ローラ34および排紙ローラ35に搬送するようにしている。搬送ローラ34に送られた用紙3は、その後、排紙ローラ35によって排紙トレイ36上に排紙される。
【0045】
また、このレーザプリンタ1では、転写ローラ25によって用紙3に転写された後に感光ドラム23の表面上に残存する残存トナーを現像ローラ27によって回収する、いわゆるクリーナレス現像方式によって残存トナーを回収している。このようなクリーナレス現像方式によって残存トナーを回収すれば、ブレードなどの残存トナーを除去するための格別の部材および廃トナーの貯留部が不要となり、装置構成の簡略化を図ることができる。
【0046】
また、このレーザプリンタ1には、用紙3の両面に画像を形成するための再搬送ユニット41を備えている。この再搬送ユニット41は、反転機構部42と、再搬送トレイ43とが、一体的に構成され、本体ケーシング2における後部側から、反転機構部42が外付けされるとともに、再搬送トレイ43がフィーダ部4の上方に挿入されるような状態で、着脱自在に装着されている。
【0047】
反転機構部42は、本体ケーシング2の後壁に外付けされ、略断面矩形状のケーシング44に、フラッパ45、反転ローラ46および再搬送ローラ47を備えるとともに、上端部から、反転ガイドプレート48を上方に向かって突出させている。
【0048】
フラッパ45は、本体ケーシング2の後部において回動可能に支持されており、搬送ローラ33の下流側近傍に配置され、図示しないソレノイドの励磁または非励磁により、一方の面に画像が形成され搬送ローラ33によって搬送されてきた用紙3を、搬送ローラ34に向かう方向(実線の状態)と、後述する反転ローラ46に向かう方向(仮想線の状態)とに選択的に切り換えることができるように揺動可能に設けられている。
【0049】
反転ローラ46は、フラッパ45の下流側であって、ケーシング44の上部に配置され、1対のローラからなり、正方向および逆方向に回転の切り換えができるように構成されている。この反転ローラ46は、まず正方向に回転して、用紙3を反転ガイドプレート48に向けて搬送し、その後、逆方向に回転して、用紙3を反転方向に搬送できるように構成されている。
【0050】
再搬送ローラ47は、反転ローラ46の下流側であって、ケーシング44における反転ローラ46のほぼ真下に配置され、1対のローラからなり、反転ローラ46によって反転された用紙3を、再搬送トレイ43に搬送できるように構成されている。
【0051】
また、反転ガイドプレート48は、ケーシング44の上端部から、さらに上方に向かって延びる板状部材からなり、反転ローラ46により送られる用紙3をガイドするように構成されている。
【0052】
そして、用紙3の両面に画像を形成する場合には、この反転機構部42において、まず、フラッパ45が、用紙3を反転ローラ46に向かわせる方向に切り換えられ、この反転機構部42に、一方の面に画像が形成された用紙3が受け入れられる。その後、その受け入れられた用紙3が反転ローラ46に送られてくると、反転ローラ46は、用紙3を挟んだ状態で正回転して、この用紙3を一旦反転ガイドプレート48に沿って、外側上方に向けて搬送し、用紙3の大部分が外側上方に送られ、用紙3の後端が反転ローラ46に挟まれた時に、正回転を停止する。次いで、反転ローラ46は、逆回転して、用紙3を、前後逆向きの状態で、ほぼ真下に向かうようにして、再搬送ローラ47に搬送する。なお、反転ローラ46を正回転から逆回転させるタイミングは、定着部19の下流側に設けられる用紙通過センサ56が、用紙3の後端を検知した時から所定時間を経過した時となるように制御されている。また、フラッパ45は、用紙3の反転ローラ46への搬送が終了すると、元の状態、すなわち、搬送ローラ33から送られる用紙3を搬送ローラ34に送る状態に切り換えられる。
【0053】
次いで、再搬送ローラ47に逆向きに搬送されてきた用紙3は、その再搬送ローラ47によって、次に述べる再搬送トレイ43に搬送される。
【0054】
再搬送トレイ43は、用紙3が供給される用紙供給部49、トレイ本体50および斜行ローラ51を備えている。
【0055】
用紙供給部49は、反転機構部42の下側において本体ケーシング2の後部に外付けされ、湾曲形状の用紙案内部材52を備えている。この用紙供給部49では、反転機構部42の再搬送ローラ47からほぼ鉛直方向で送られてくる用紙3を、用紙案内部材52によって、略水平方向に向けて案内し、トレイ本体50に向けて略水平方向で送り出すようにしている。
【0056】
トレイ本体50は、略矩形板状をなし、給紙トレイ6の上方において、略水平方向に設けられており、その上流側端部が、用紙案内部材52に連結されるとともに、その下流側端部が、トレイ本体50から第2搬送部10に用紙3を案内するために、その下流側端部が給紙搬送経路38の途中に接続されている再搬送経路53に連結されている。
【0057】
また、トレイ本体50の用紙3の搬送方向途中には、用紙3を、図示しない基準板に当接させながら搬送するための斜行ローラ51が、用紙3の搬送方向において所定の間隔を隔てて2つ配置されている。
【0058】
各斜行ローラ51は、トレイ本体50の幅方向一端部に設けられる図示しない基準板の近傍に配置され、その軸線が用紙3の搬送方向と略直交する方向に配置される斜行駆動ローラ54と、その斜行駆動ローラ54と用紙3を挟んで対向し、その軸線が、用紙3の搬送方向と略直交する方向から、用紙3の送り方向が基準面に向かう方向に傾斜する方向に配置される斜行従動ローラ55とを備えている。
【0059】
そして、用紙供給部49からトレイ本体50に送り出された用紙3は、斜行ローラ51によって、その用紙3の幅方向一端縁が基準板に当接されながら、再搬送経路53を介して、再び、表裏が反転された状態で、画像形成部5に向けて搬送される。そして、画像形成部5に搬送された用紙3は、その裏面が、感光ドラム23と対向接触され、可視像が転写された後、定着部19において定着され、両面に画像が形成された状態で、排紙トレイ36上に排紙される。
【0060】
そして、このレーザプリンタ1においては、図2に示すように、用紙3の裁断時などにおいて、もともと用紙3の全体に生じている紙粉、および、給紙機構部7のパット部材13bと給紙ローラ12との擦れによって用紙3の表面に生じた紙粉を、給紙搬送経路38に配設されている第1搬送部9および第2搬送部10によって、バランスよく除去できるように構成されている。
【0061】
第1搬送部9は、給紙搬送経路38の前方側において、給紙機構部7の給紙ローラ12に対して用紙3の搬送方向における下流側であって、給紙搬送経路38における再搬送経路53の下流側端部との接続部分よりも上流側において、給紙ローラ12と所定の間隔を隔てて配置されており、用紙3を搬送する第1搬送ローラ9aと、給紙搬送経路38を挟んで第1搬送ローラ9aに対向配置される第1紙粉取りローラ9bと、その第1紙粉取りローラ9bの下方において対向配置される第1スポンジ部材9cとを備えている。
【0062】
第1搬送ローラ9aは、給紙搬送経路38に内側から臨み、金属製のローラ軸9dにゴム製のローラ9eが被覆されており、図示しないモータからの動力が伝達されることにより矢印方向(図1では時計方向)に回転駆動されるように構成されている。
【0063】
第1紙粉取りローラ9bは、給紙搬送経路38に外側から臨み、金属製のローラ軸9fに、フッ素樹脂からなるローラ、または、表面がフッ素コートされたローラなど、表面が帯電されやすいゴム製のローラ9gが被覆されている。この第1紙粉取りローラ9bは、図3に示すように、給紙ローラ12によって給紙された用紙3のパット部材13bに接触した面(感光ドラム23と接触する画像形成面)におけるパット部材13bの接触部分と接触するように、用紙3の搬送方向において、分離パット13と重なる第1搬送ローラ9aに対する略中央部に配置されており、そのローラ9gの幅は、後述する第2紙粉取りローラ10bのローラ10gの幅よりも狭く、かつ、パット部材13bの幅Bよりも少し広く形成されている。
【0064】
なお、この第1紙粉取りローラ9bは、第1搬送ローラ9aに従動して矢印方向、すなわち、給紙搬送経路38に臨む部分において用紙3の搬送方向と同方向(図1では反時計方向)に回転駆動され、用紙3の紙粉を除去しつつ、第1搬送ローラ9aと第1紙粉取りローラ9bの間に用紙3を挟んで、用紙3を搬送するように構成されている。
【0065】
第1スポンジ部材9cは、図2に示すように、ウレタンフォームなどの第1紙粉取りローラ9bを帯電させやすい材料からなり、第1紙粉取りローラ9bに対して給紙搬送経路38の反対側下方において紙粉を掻き取ることができるように、第1紙粉取りローラ9bの下方において、第1紙粉取りローラ9bに圧接されるように配置されており、第1紙粉取りローラ9bに付着した紙粉を掻き取るとともに、第1紙粉取りローラ9bとの摺擦によって、第1紙粉取りローラ9bのローラ9gの表面を摩擦帯電するように構成されている。また、その幅は、図3に示すように、第1紙粉取りローラ9bのローラ9gの幅よりも少し広く形成されている。
【0066】
第2搬送部10は、図2に示すように、給紙搬送経路38の前方側の第1搬送部9の上方において、第1搬送部9に対して用紙3の搬送方向における下流側であって、給紙搬送経路38における再搬送経路53の下流側端部との接続部分よりも下流側近傍に配置されており、用紙3を搬送する第2搬送ローラ10aと、給紙搬送経路38を挟んで第2搬送ローラ10aに対向配置される第2紙粉取りローラ10bと、その第2紙粉取りローラ10bの下方において対向配置される第2スポンジ部材10cとを備えている。
【0067】
第2搬送ローラ10aは、給紙搬送経路38に内側から臨み、金属製のローラ軸10dにゴム製のローラ10eが被覆されており、図示しないモータからの動力が伝達されることにより矢印方向(図1では時計方向)に回転駆動されるように構成されている。
【0068】
第2紙粉取りローラ10bは、給紙搬送経路38に外側から臨み、金属製のローラ軸10fに、フッ素樹脂からなるローラ、または、表面がフッ素コートされたローラなど、表面が帯電されやすいゴム製のローラ10gが被覆されている。この第2紙粉取りローラ10bは、図3に示すように、給紙ローラ12によって給紙された用紙3のパット部材13bに接触した面(感光ドラム23と接触する画像形成面)の全面と接触するように、そのローラ10gの幅は、用紙3の幅Aよりも少し広く形成されている。
【0069】
なお、この第2紙粉取りローラ10bは、図3に示すように、図示しないモータからの動力が、第2紙粉取りローラ10bのローラ軸10fの一端部に設けられる入力ギヤ10hから入力されることにより矢印方向、すなわち、給紙搬送経路38に臨む部分において用紙3の搬送方向と同方向(図1では反時計方向)に回転駆動されるように構成されており、用紙3の紙粉を除去しつつ、第2搬送ローラ10aと第2紙粉取りローラ10bの間に用紙3を挟んで、用紙3を搬送するように構成されている。
【0070】
第2スポンジ部材10cは、ウレタンフォームなどの第2紙粉取りローラ10bを帯電させやすい部材からなり、第2紙粉取りローラ10bに対して給紙搬送経路38の反対側下方において紙粉を掻き取ることができるように、第2紙粉取りローラ10bの下方において、第2紙粉取りローラ10bに圧接されるように配置されており、第2紙粉取りローラ10bに付着した紙粉を掻き取るとともに、第2紙粉取りローラ10bとの摺擦によって、第2紙粉取りローラ10bのローラ10gの表面を摩擦帯電するように構成されている。また、その幅は、図3に示すように、第2紙粉取りローラ10bの幅よりも少し広く形成されている。
【0071】
そして、このレーザプリンタ1においては、給紙トレイ6に積層状にスタックされる用紙3は、給紙ローラ12および分離パット13の協動により、1枚毎に分離して給紙されるが、その給紙時において、分離パット13との間の擦れによって、画像形成面に多量の紙粉が発生する。しかし、用紙3は、まず、第1搬送部9に搬送されると、第1搬送ローラ9aと第1紙粉取りローラ9bとで挟まれて搬送される時に、その画像形成面が、第1紙粉取りローラ9bのローラ9gと接触する。そうすると、第1紙粉取りローラ9bが分離パット13の幅より少し広く形成されていることから、分離パット13との間の擦れによって用紙3上にパット部材13bの幅と略等しい幅で発生した紙粉は、第1紙粉取りローラ9bのローラ9gに掻き取られるとともに静電気的に吸着される。そして、第1紙粉取りローラ9bのローラ9gに付着した紙粉は、次いで、第1紙粉取りローラ9bの回転により、第1スポンジ部材9cと対向した時に、その第1スポンジ部材9cによって掻き取られる。
【0072】
次いで、用紙3が第2搬送部10に搬送されると、第2搬送ローラ10aと第2紙粉取りローラ10bとで挟まれて搬送される時に、その画像形成面が、第2紙粉取りローラ10bのローラ10gと接触する。そうすると、第2紙粉取りローラ10bが用紙3の幅より少し広く形成されていることから、用紙3の裁断時などにおいて、もともと用紙3の全体に生じている紙粉、および、上記の第1紙粉取りローラ9bが除去し残した紙粉は、第2紙粉取りローラ10bのローラ10gに掻き取られるとともに静電気的に吸着される。そして、第2紙粉取りローラ10bのローラ10gに付着した紙粉は、次いで、第2紙粉取りローラ10bの回転により、第2スポンジ部材10cと対向した時に、その第2スポンジ部材10cによって掻き取られる。
【0073】
そのため、このレーザプリンタ1では、給紙機構部7によって給紙された用紙3は、画像形成部5に至るまでの間に、第1紙粉取りローラ9bによって、パット部材13bの幅Bに対応する部分の紙粉が除去されるとともに、第2紙粉取りローラ10bによって、用紙3の幅Aに対応する部分の紙粉が除去される。
【0074】
これによって、パット部材13bとの間の擦れによって生じる、より多量の紙粉が、第1紙粉取りローラ9bおよび第2紙粉取りローラ10bによって除去されるとともに、用紙3の裁断時などおいてもともと用紙3の全体にわたって生じている、より少量の紙粉が、第2紙粉取りローラ10bによって除去される。その結果、これら第1搬送部9および第2搬送部10によって、パット部材13bとの間の擦れによって生じる紙粉と、もともと生じている紙粉とを、バランスよく除去することができ、除去のむらの少ない、均一な紙粉の除去を達成することができる。したがって、このレーザプリンタ1では、画像形成部5への紙粉の混入が有効に防止され、品質の高い画像を形成することができる。
【0075】
また、第2紙粉取りローラ10bは、用紙3の搬送方向において、第1紙粉取りローラ9bの下流側に配置されているため、給紙機構部7によって給紙された用紙3は、まず、第1紙粉取りローラ9bによって、パット部材13bとの間の擦れによって生じる、より多量の紙粉が除去された後、次いで、第2紙粉取りローラ10bによって、それに加えて、用紙3の裁断時などにおいてもともと用紙3の全体にわたって生じている、より少量の紙粉が除去される。そのため、紙粉の量の相違に基づく効率の良い紙粉の除去を達成することができるので、より一層、均一な紙粉の除去を達成することができる。
【0076】
また、第2紙粉取りローラ10bは、用紙3の幅よりも広い幅を有する一方で、第1紙粉取りローラ9bは、分離パット13の幅よりも広く、かつ、第2紙粉取りローラ10bの幅よりも狭い幅を有しているので、第1紙粉取りローラの幅を不必要に長くすることなく、紙粉をバランスよく除去できながら、コストの低減化を図ることができる。
【0077】
また、上記したように、このレーザプリンタ1においては、第1紙粉取りローラ9bが、給紙ローラ12と接触しないように、給紙ローラ12と所定の間隔を隔てて、用紙3の搬送方向における上流側に配置されている。
【0078】
たとえば、第1紙粉取りローラ9bが給紙ローラ12と接触していると、次に給紙されようとする用紙3が、給紙ローラ12と分離パット13との摺動により、既に給紙された用紙3に追従して少し引き出され、その用紙3の先端部分が、給紙ローラ12と第1紙粉取りローラ9bとの間に挟まれて、そのままの状態でレーザプリンタ1が停止されてしまう場合などにおいては、給紙ローラ12と第1紙粉取りローラ9bとの間に挟まれる用紙3の先端部分にカール状のくせがついてしまう場合がある。そのような場合に、次にその用紙3を供給した時には、ジャムの発生原因となったり、あるいは、そのカール状となった先端部分に画像のみだれを生じたりするおそれがある。
【0079】
しかし、このように、第1紙粉取りローラ9bが、給紙ローラ12と接触しないように配置されていれば、たとえ、次に給紙されようとする用紙3が、既に給紙された用紙3に追従して少し引き出されても、給紙ローラ12と第1紙粉取りローラ9bとの間に挟まれることはなく、その用紙3の先端部分にカール状のくせがつくことを防止することができる。そのため、良好な紙粉の除去を図りつつ、常に良好な用紙3の給紙を達成することができる。
【0080】
また、第1搬送部9および第2搬送部10においては、第1紙粉取りローラ9bに対向して、第1紙粉取りローラ9bに付着した紙粉を掻き取るための第1スポンジ部材9cが設けられるとともに、第2紙粉取りローラ10bに対向して、第2紙粉取りローラ10bに付着した紙粉を掻き取るための第2スポンジ部材10cが設けられているため、第1紙粉取りローラ9bおよび第2紙粉取りローラ10bに付着した紙粉は、第1スポンジ部材9cおよび第2スポンジ部材10cによってそれぞれ掻き取られるので、第1紙粉取りローラ9bおよび第2紙粉取りローラ10bの紙粉除去性能を維持することができ、長期にわたって、良好な紙粉の除去を達成することができる。
【0081】
なお、これら第1スポンジ部材9cおよび第2スポンジ部材10cの幅は、それぞれ対向して接触する第1紙粉取りローラ9bおよび第2紙粉取りローラ10bの幅よりも少し広く形成されているため、用紙3上の紙粉が第1紙粉取りローラ9bおよび第2紙粉取りローラ10bとの接触によりその幅方向にわずかに広がっても、良好に掻き取ることができる。
【0082】
また、このレーザプリンタ1では、給紙機構部7によって給紙された用紙3は、まず、第1紙粉取りローラ9bと第1搬送ローラ9aとの間に挟まれて、紙粉が除去されながら搬送され、次いで、第2紙粉取りローラ10bと第2搬送ローラ10aとの間に挟まれて、紙粉が除去されながら搬送されるため、バランスのよい紙粉の除去を達成しつつ、画像形成部5に至るまでの用紙3の良好な搬送を確保することができる。
【0083】
しかも、第2紙粉取りローラ10bにおいては、第2搬送ローラ10aによって従動するのではなく、別途図示しないモータから入力ギヤ10hを介して動力が入力されているので、第2紙粉取りローラ10bは、それ自体で駆動することができる。そのため、第2紙粉取りローラ10bのローラ10gの全体に用紙3や第2スポンジ部材10cが接触して負荷トルクがかかっても、それ自体の駆動により、第2紙粉取りローラ10bの良好な回転を確保することができ、用紙3の良好な紙粉の除去および搬送を達成することができる。
【0084】
また、このレーザプリンタ1においては、再搬送ユニット41を備えており、第1搬送部9が、給紙搬送経路38における再搬送経路53の接続部分よりも、用紙3の搬送方向における上流側に配置される一方で、第2搬送部10が、その接続部分よりも、用紙3の搬送方向における下流側に配置されている。
【0085】
これにより、第1紙粉取りローラ9bは、給紙搬送経路38における再搬送経路53の接続部分よりも上流側に配置されるので、給紙機構部7から給紙される用紙3のみと接触し、また、第2紙粉取りローラ10bは、その接続部分よりも下流側に配置されているので、給紙機構部7から給紙される用紙3、および、再搬送経路53から再搬送される用紙3の両方と接触する。
【0086】
そのため、第1紙粉取りローラ9bは、給紙機構部7から給紙され、パット部材13bとの間の擦れによって生じるより多量の紙粉のみを除去する一方で、第2紙粉取りローラ10bは、給紙機構部7から給紙され、既に第1紙粉取りローラ9bによってパット部材13bとの間の擦れによって生じるより多量の紙粉の大部分が除去された用紙3の紙粉、および、給紙機構部7からではなく、再搬送経路53から再搬送される用紙3の紙粉(すなわち、再搬送される用紙3では、第1紙粉取りローラ9bのローラ9gと接触する画像形成面が、通常の裏面側となるため、その表面上には、パット部材13bとの間の擦れによって生じる紙粉がなく、第2紙粉取りローラ10bによって全体の紙粉を除去するのみで足りる)を除去するので、用紙3の紙粉の付着状態に応じた適切な紙粉の除去を、効率的に達成することができる。
【0087】
なお、このレーザプリンタ1では、第1紙粉取りローラ9bおよび第2紙粉取りローラ10bをそれぞれ備える第1搬送部9および第2搬送部10を1つずつ設けているが、本発明においては、それぞれを複数設けてもよく、また、第1搬送部9または第2搬送部10のいずれかのみを複数設けるようにしてもよい。
【0088】
また、第1紙粉取りローラ9bを備える第1搬送部9を、第2紙粉取りローラ10bを備える第2搬送部10の上流側に配置したが、このような配置とは逆に、第2紙粉取りローラ10bを備える第2搬送部10を、第1紙粉取りローラ9bを備える第1搬送部9より上流側に配置してもよい。
【0089】
なお、その場合には、用紙3上の紙粉は、第2紙粉取りローラ10bとの接触により、用紙3の幅方向にわずかに広がるため、第1紙粉取りローラ9bおよび第1スポンジ部材9cの幅を上記の説明よりも広く形成することが望ましい。
【0090】
また、このレーザプリンタ1のフィーダ部4は、図1に示すように、さらに、任意のサイズの用紙3が積層されるマルチパーパストレイ14と、マルチパーパストレイ14上に積層される用紙3を給紙するためのマルチパーパス給紙機構部15と、マルチパーパス搬送部16とを備えている。
【0091】
マルチパーパス給紙機構部15は、図2に示すように、マルチパーパス給紙ローラ15aと、そのマルチパーパス給紙ローラ15aに対向するマルチパーパス分離パット15bとを備えている。マルチパーパス分離パット15bは、支持フレーム15cとマルチパーパスパット部材15dとばね15eとを備えている。
【0092】
支持フレーム15cは、マルチパーパス給紙ローラ15aの下方において対向する平板状の一端部と、本体ケーシング2に揺動可能に支持される断面略L字状の他端部とが一体的に形成されており、その一端部にマルチパーパスパット部材15dが埋設されるとともに、その裏側には、ばね15eが配置され、そのばね15eによってマルチパーパス給紙ローラ15aにマルチパーパスパット部材15dが押圧されるように付勢されている。
【0093】
マルチパーパスパット部材15dは、略矩形板状をなし、ウレタンゴムなどの弾性部材からなり、マルチパーパス分離パット15bの幅が、用紙3の幅Aよりも狭く形成されている。すなわち、このマルチパーパス分離パット15bは、給紙のために用紙3の幅方向中央部のみと接触する幅として形成されている。
【0094】
そして、マルチパーパストレイ14上に積層される最上位の用紙3は、マルチパーパス給紙ローラ15aの回転によってマルチパーパス給紙ローラ15aとマルチパーパス分離パット15bとで挟まれた後、それらの協動により、1枚毎に分離されて給紙される。
【0095】
マルチパーパス搬送部16は、給紙搬送経路38の前方側の第2搬送部10の上方において、用紙3の搬送方向における、マルチパーパス給紙機構部15の下流側であって、かつ、レジストローラ11の上流側に配置されており、用紙3を搬送するマルチパーパス搬送ローラ16aと、マルチパーパス搬送ローラ16aに対向配置されるマルチパーパス紙粉取りローラ16bと、そのマルチパーパス紙粉取りローラ16bの下方において対向配置されるマルチパーパススポンジ部材16cとを備えている。
【0096】
マルチパーパス搬送ローラ16aは、金属製のローラ軸16dにゴム製のローラ16eが被覆されており、図示しないモータからの動力が伝達されることにより矢印方向(図1では反時計方向)に回転駆動されるように構成されている。
【0097】
マルチパーパス紙粉取りローラ16bは、上記した第1紙粉取りローラ9bと略同様の部材として形成されており、金属製のローラ軸16fに、フッ素樹脂からなるローラ、または、表面がフッ素コートされたローラなど、表面が帯電されやすいゴム製のローラ16gが被覆されている。このマルチパーパス紙粉取りローラ16bは、マルチパーパス給紙ローラ15によって給紙された用紙3のマルチパーパス分離パット15bのマルチパーパスパット部材15dに接触した面におけるマルチパーパスパット部材15dの接触部分と接触するように、用紙3の搬送方向において、マルチパーパス分離パット15bと重なるマルチパーパス搬送ローラ16aに対する略中央部に配置されており、そのローラ16gの幅は、マルチパーパスパット部材15dの幅よりも少し広く形成されている。
【0098】
なお、このマルチパーパス紙粉取りローラ16bは、マルチパーパス搬送ローラ16aに従動して矢印方向、すなわち、用紙3との接触部分においてその用紙3の搬送方向と同方向(図1では時計方向)に回転駆動され、用紙3の紙粉を除去しつつ、マルチパーパス搬送ローラ16aとマルチパーパス紙粉取りローラ16bの間に用紙3を挟んで、用紙3を搬送するように構成されている。
【0099】
マルチパーパススポンジ部材16cは、ウレタンフォームなどのマルチパーパス紙粉取りローラ16bを帯電させやすい材料からなり、マルチパーパス紙粉取りローラ16bに対してマルチパーパス給紙機構部15からの給紙経路の反対側下方において紙粉を掻き取ることができるように、マルチパーパス紙粉取りローラ16bの下方において、マルチパーパス紙粉取りローラ16bに圧接されるように配置されており、マルチパーパス紙粉取りローラ16bに付着した紙粉を掻き取るとともに、マルチパーパス紙粉取りローラ16bとの摺擦によって、マルチパーパス紙粉取りローラ16bのローラ16gの表面を摩擦帯電するように構成されている。また、その幅は、マルチパーパス紙粉取りローラ16bのローラ16gの幅よりも少し広く形成されている。
【0100】
そして、マルチパーパス給紙機構部15から給紙された用紙3においても、上記したように、マルチパーパス給紙ローラ15aおよびマルチパーパス分離パット15bの協動により、1枚毎に分離して給紙されるが、その給紙時において、マルチパーパス分離パット15bとの間の擦れによって、多量に紙粉が発生する。しかし、用紙3は、マルチパーパス搬送部16に搬送されると、マルチパーパス搬送ローラ16aとマルチパーパス紙粉取りローラ16bとで挟まれて搬送される時に、マルチパーパス紙粉取りローラ16bがマルチパーパス分離パット15bの幅より少し広く形成されていることから、マルチパーパス分離パット15bとの間の擦れによって用紙3上にマルチパーパスパット部材15dの幅と略等しい幅で発生した紙粉は、マルチパーパス紙粉取りローラ16bのローラ16gに掻き取られるとともに静電気的に吸着される。そして、マルチパーパス紙粉取りローラ16bのローラ16gに付着した紙粉は、マルチパーパス紙粉取りローラ16bの矢印方向(図1では時計方向)の回転により、マルチパーパススポンジ部材16cによって掻き取られる。
【0101】
これによって、マルチパーパス分離パット15bとの間の擦れによって、用紙3上にマルチパーパス分離パット15bの幅と略等しい幅で発生した紙粉は、マルチパーパス搬送部16において、用紙3の表面から良好に取り除かれる。
【0102】
そして、このレーザプリンタ1においては、上記した第1スポンジ部材9c、第2スポンジ部材10cおよびマルチパーパススポンジ部材16cによって掻き取られた紙粉は、ある程度の塊になった時に自重により落下するが、それら落下する紙粉を案内するための落下案内通路39が形成されている。すなわち、落下案内通路39は、給紙搬送経路38の前方側において、上下方向に延びる通路として形成されており、案内板61、延出部62および仕切り壁としての仕切り板63などから構成されている。
【0103】
案内板61は、用紙3を給紙機構部7から画像形成部5まで案内する給紙搬送経路38の前方側を構成する薄板状の部材であり、その裏側で紙粉を案内するように構成されている。より具体的には、この案内板61は、第2搬送部10からレジストローラ11に用紙3を導く第1案内板61aと、第1搬送部9から第2搬送部10に用紙3を導く第2案内板61bとを備えている。
【0104】
第1案内板61aは、レジストローラ11の前方から第2搬送部10の上方まで傾斜状に延びる薄板部材として形成されており、その表側面において、第2搬送部10からレジストローラ11まで用紙3の搬送を案内する一方、その裏側面において、この第1案内板61aの上方に配置されるマルチパーパス搬送部16から落下する紙粉を下方に向けて案内するように形成されている。また、その下側端部には、第2搬送部10の上方を覆うように、斜め下方に向かって延びる延出部62aが一体的に形成されている。
【0105】
第2案内板61bは、第2搬送部10の下方から第1搬送部9の下方まで緩やかに略S字状にカーブするように延びる薄板部材として形成されており、その表側面において、第1搬送部9から第2搬送部10まで用紙3の搬送を案内する一方、その裏側面において、マルチパーパス搬送部16から落下する紙粉に加えて、この第2案内板61bの上端部に配置される第2搬送部10から落下する紙粉を下方に向けて案内するように形成されている。また、その上下方向途中からは、第1搬送部9の上方を覆うように斜め下方に向かって延びる薄板状の延出部62bが設けられている。
【0106】
なお、第2案内板61bの下側端部には、前方側に向かって略直交状に屈曲形成される受け板61cが、一体的に形成されている。この受け板61cは、給紙トレイ6の着脱経路の上方において、その着脱経路に沿って略水平方向に配置され、その上側面がマルチパーパス搬送部16、第2搬送部10および第1搬送部9によって用紙3から除去された後に落下する紙粉を受ける受け面65とされている。
【0107】
仕切り板63は、第2案内板61bの前方において所定の間隔を隔てて対向配置されており、略垂直上下方向に配置される側板63cと、その側板63cの下端から前方に向かって屈曲形成される底板63dとが一体的に形成されている。また、底板63dの前側端部には、後述する紙粉搬送板66および搬送駆動部67が固定される板状の固定部63aが、上方に向かって略垂直状に屈曲形成されている。
【0108】
そして、マルチパーパス搬送部16において、マルチパーパススポンジ部材16cによって掻き取られた紙粉は、第1案内板61aの裏側面および延出部62aに案内されて、第2紙粉取りローラ10bの上側方まで落下し、さらに、第2案内板61bの裏側面および延出部62bに案内されて、第1紙粉取りローラ9bの上側方まで落下し、その後、受け面65に落下する。
【0109】
また、第2搬送部10において、第2スポンジ部材10cによって掻き取られた紙粉は、第2案内板61bの裏側面および延出部62bに案内されて、第1紙粉取りローラ9bの上側方まで落下し、その後、受け面65に落下する。
【0110】
また、第1スポンジ部材9cによって掻き取られた紙粉も受け面65に落下する。
【0111】
そして、このレーザプリンタ1は、マルチパーパス搬送部16、第2搬送部10および第1搬送部9によって用紙3から除去されて自重によって受け面65上に落下した紙粉を一括して貯留するための紙粉貯留部68と、受け面65に受けられている紙粉を紙粉貯留部68に搬送するための紙粉搬送手段としての紙粉搬送板66、および、その紙粉搬送板66を駆動するための搬送駆動手段としての搬送駆動部67とを備えている。
【0112】
紙粉貯留部68は、図5に示すように、マルチパーパス搬送部16、第2搬送部10および第1搬送部9の下方であって、受け面65の幅方向両側の空間として形成されており、受け面65に受けられている紙粉をまとめて貯留できるように構成されている。
【0113】
紙粉搬送板66は、受け面65を介して給紙トレイ6の着脱経路の上方に配置され、図5に示すように、正面視略T字平板状の基部69と、図2に示すように、その基部69の下部の幅方向中央から直交方向後方に突出形成され、その下部が第1搬送部9の下方まで延びる略L字薄板状の掃取板70とを一体的に備えており、図4に示すように、平面視において、基部69の幅方向中央部から掃取板70が突出した略T字形状に形成されている。そして、この紙粉搬送板66の基部69が、仕切り板63の固定部63aを挟んで後述する搬送駆動部67のラック74に、ねじ71によって固定されており、ラック74の移動により、固定部63aの横長孔部63bに沿って水平方向に往復移動するように構成されている。また、掃取板70の下端縁部は、図2に示すように、受け面65から所定の隙間(2mm程度)が隔てられるように配置されており、掃取板70の下端縁部が往復移動中に受け面65を摺擦することがないように構成されている。
【0114】
搬送駆動部67は、図2に示すように、紙粉搬送板66および紙粉貯留部68の上方であり、かつ、第1搬送部9、第2搬送部10およびマルチパーパス搬送部16と、仕切り板63を隔てて画成されるように配設されており、動力伝達機構94(図6参照)と、第1傘歯車72と、複合ギヤ73と、ラック74とを備えている。
【0115】
動力伝達機構94は、本体ケーシング2の側壁に沿って設けられており、図6に示すように、動力入力手段としての入力ギヤ77と、駆動方向変換手段としての変換ギヤ部78と、動力出力手段としての出力ギヤ79とを備えている。
【0116】
入力ギヤ77は、図示しないモータからの一方向に回転駆動される動力を伝達する入力軸80の軸端部に設けられており、後述する変換ギヤ部78の第1変換ギヤ81に噛み合うように構成されている。
【0117】
変換ギヤ部78は、第1変換ギヤ81と、第2変換ギヤ82と、振り子部材83と、第3変換ギヤ84とを備えている。
【0118】
第1変換ギヤ81は、入力ギヤ77と噛み合うより大径の第1外歯ギヤ85と、第1外歯ギヤ85の内側に設けられ、後述する第2変換ギヤ82と噛み合うより小径の第1内歯ギヤ86とを一体的に備えている。
【0119】
第2変換ギヤ82は、第1変換ギヤ81の第1内歯ギヤ86と噛み合う外周歯を有し、その軸心から径方向外方に所定間隔離れた位置に、軸方向に沿って内側に突出する円筒形状の突出筒部87が形成されており、その突出筒部87は、次に述べる振り子部材83の長孔部88に遊挿されている。
【0120】
振り子部材83は、細長い略扇形の板部材として形成されており、その下端の円弧部分には、後述する第3変換ギヤ84の第3内歯ギヤ92と噛み合う円弧歯部89が形成されている。また、この振り子部材83には、長手方向の中央部に沿って細長く開口される長孔部88が形成されるとともに、円弧歯部89と長孔部88との間には、揺動支点となる支持部90が設けられている。そして、この振り子部材83は、支持部90を支点として揺動可能に支持されるとともに、長孔部88に第2変換ギヤの突出筒部87が遊挿された状態で配設されている。
【0121】
第3変換ギヤ84は、後述する出力ギヤ79と噛み合うより大径の第3外歯ギヤ91と、第3外歯ギヤ91の内側に設けられ、振り子部材83の円弧歯部89と噛み合うより小径の第3内歯ギヤ92とを一体的に備えている。
【0122】
出力ギヤ79は、後述する第1傘歯車72に動力を伝達する出力軸93の一端側に設けられており、第3変換ギヤ84の第3外歯ギヤ91の動力を、後述する第1傘歯車72に伝達するように構成されている。
【0123】
第1傘歯車72は、図4に示すように、出力ギヤ79からの動力を伝達する出力軸93の他端側において、その第1傘歯車72と略直交に配置される複合ギヤ73の後述する第2傘歯車76に噛み合うように設けられている。
【0124】
複合ギヤ73は、図2にも示すように、その外周に後述するラック74と噛み合うピニオンギヤ75と、そのピニオンギヤ75の内側の軸心の周りに第1傘歯車72と噛み合う第2傘歯車76とが一体的に形成されており、ピニオンギヤ75が略水平方向に向くように配設されている。
【0125】
ラック74は、その表面に複合ギヤ73のピニオンギヤ75と噛み合うラック歯74aを有し、第1紙粉取りローラ9bの幅よりやや広い矩形板部材に形成されている。このラック74は、そのラック歯74aがピニオンギヤ75と噛み合う状態で第1紙粉取りローラ9bの軸方向と平行して配置されており、ピニオンギヤ75の回転により、その裏面が仕切り板63の固定部63aに摺動可能に当接して、第1紙粉取りローラ9bの軸方向に沿って水平方向に直線的に往復移動するように構成されている。
【0126】
そして、この搬送駆動部67では、図6に示すように、図示しないモータからの一方向に回転駆動される動力が入力ギヤ77に伝達されると、入力ギヤ77と噛み合う第1変換ギヤ81の第1外歯ギヤ85が回転駆動されるので、第1変換ギヤ81の第1内歯ギヤ86を介して第2変換ギヤ82が回転駆動され、その突出筒部87が円軌道を描いて周方向に移動する。これにより、その突出筒部87が長孔部88に挿通されている振り子部材83が、支持部90を支点として左右に揺動され、円弧歯部89が左右に往復移動することにより、円弧歯部89と噛み合う第3内歯ギヤ92には、一方向に回転駆動される動力が往復方向に駆動する動力に変換されて伝達される。そのため、この第3内歯ギヤ92から第3外歯ギヤ91を介して、出力ギヤ79にその動力が伝達されると、出力ギヤ79が所定の周期で正逆回転を繰り返すように回転駆動される。
【0127】
そして、図4に示すように、この動力が、出力軸93を介して第1傘歯車72に伝達され、さらに、第2傘歯車76からピニオンギヤ75を介してラック74に伝達されると、ラック74が所定の周期で水平方向に往復駆動される。これによって、そのラック74にねじ71を介して固定されている紙粉搬送板66は、図5に示すように、受け面65上を第1紙粉取りローラ9bの軸方向に沿って仮想線で示した両側位置(第1紙粉取りローラ9bの軸方向両端部より外側位置)まで実質的に水平方向に往復移動される。そのため、掃取板70が、後述するように、受け面65に落下した紙粉を、第1紙粉取りローラ9bの軸方向両端部よりも外側の紙粉貯留部68まで実質的に水平方向に直線的に往復移動して掃くように駆動される。
【0128】
また、この搬送駆動部67では、入力ギヤ77から出力ギヤ79まで駆動が伝達されるにあたり、ギヤの組み合わせによる減速により、紙粉搬送板66の往復移動の速度が100mm/秒以下となるように設定されている。
【0129】
そして、このレーザプリンタ1では、搬送駆動部67は、紙粉搬送板66および紙粉貯留部68よりも上方に配置され、仕切り板63を隔てて画成されているので、その仕切り板63によって、マルチパーパス搬送部16、第2搬送部10および第1搬送部9から自重によって落下する紙粉や、紙粉搬送板66によって搬送される紙粉、さらには、紙粉貯留部68において貯留される紙粉が、搬送駆動部67に入り込むことを有効に防止することができる。そのため、紙粉の侵入に起因する搬送駆動部67の作動不良を防止して、搬送駆動部67の良好な作動を確保することができ、長期にわたって良好な紙粉除去動作を達成することができる。
【0130】
また、このレーザプリンタ1では、紙粉は、実質的に水平方向に往復移動する紙粉搬送板66の掃取板70によって、掃かれるようにして紙粉貯留部68に搬送される。そのため、オーガ部材などの複雑な搬送機構によって構成しなくとも、簡易な構成により、確実な搬送を達成することができる。
【0131】
しかも、この掃取板70は、第1紙粉取りローラ9bの軸方向に沿って直線的に往復移動するので、簡易な構成により、最小限のスペースで、掃き残しを生じさせることもほとんどなく、紙粉を紙粉貯留部68に良好に搬送することができる。
【0132】
すなわち、たとえば、掃取板70の側方の一端部を軸心として揺動させることにより往復移動させるような場合には、掃き残しを防止するために、その揺動軌跡を大きくする必要があるが、揺動軌跡を大きくすると装置の大型化が不回避となる。一方、大型化を防止すべく、揺動軌跡を大きくすることなく他の部材と当接した時に撓むような可撓性のブレード部材を装着することも可能であるが、そのような場合には、可撓性のブレード部材を装着するための構成の複雑化や部品点数の増加を生じる。
【0133】
しかし、このように、掃取板70を、第1紙粉取りローラ9bの軸方向に沿って直線的に往復移動させれば、簡易な構成により、最小限のスペースで、掃き残しを生じさせることもほとんどなく、紙粉を紙粉貯留部68に良好に搬送することができる。
【0134】
さらに、この紙粉搬送板66は、100mm/秒以下の速度でゆっくりと往復移動するように設定されているので、受け面65上の紙粉を飛散させることなく紙粉貯留部68に搬送することができる。そのため、紙粉が搬送駆動部67に入り込むことを、より有効に防止して、より一層、長期にわたって良好な紙粉除去動作を達成することができる。
【0135】
また、掃取板70は、受け面65上において、その受け面65と所定の隙間(2mm程度)を隔てた状態で、水平方向に往復移動するので、掃取板70と受け面65との摺擦を防止して、掃取板70の損傷による搬送不良を有効に防止することができる。そのため、紙粉搬送板66の耐久性の向上を図ることができ、より一層、長期にわたって良好な紙粉除去動作を達成することができる。なお、受け面65に落下する紙粉は、ある程度の塊となっているため、このような、所定の隙間を設けても、掃取板70によって良好に掃くことができ、紙粉の搬送が阻害されることはない。
【0136】
また、このレーザプリンタ1では、マルチパーパス搬送部16、第2搬送部10および第1搬送部9によって除去された紙粉を、紙粉搬送板66の搬送により受け面65の幅方向両側に設けられる紙粉貯留部68に貯留するので、その受け面65の下方に紙粉を貯留するためのスペースを設けることを不要とすることができる。そのため、紙粉搬送板66を給紙トレイ6の着脱経路の上方に配置して、給紙トレイ6から給紙される用紙3の紙粉の除去を円滑に行なうことができながら、かつ、給紙トレイ6の円滑な着脱動作をも確保することができる。
【0137】
さらに、このレーザプリンタ1では、動力伝達機構94において、入力ギヤ77に、一方向に駆動する動力が入力されると、その一方向に駆動する動力が、変換ギヤ部78によって、往復方向に駆動する動力に変換され、その後、その往復方向に駆動する動力が、出力ギヤ79によって、紙粉搬送板66に出力されるので、簡易な構成によって、一方向に駆動する動力を往復方向に駆動する動力に変換して、紙粉搬送板66を往復移動させることができる。
【0138】
また、このレーザプリンタ1では、マルチパーパス搬送部16、第2搬送部10および第1搬送部9は、すべて給紙搬送経路38の前方側において上下方向に配置されており、それらマルチパーパス搬送部16、第2搬送部10および第1搬送部9によって除去されたそれぞれの紙粉は、落下案内通路39内を自重により落下して案内されるので、そのまま受け部65上に集められ、その後、掃取板70によって、紙粉貯留部68において一括して貯留される。そのため、マルチパーパス搬送部16、第2搬送部10および第1搬送部9ごとに除去される紙粉を、簡易な構成により案内および搬送して、紙粉貯留部68において一括して貯留することができる。その結果、マルチパーパス搬送部16、第2搬送部10および第1搬送部9ごとに貯留する必要がなく、装置構成の簡易化、部品点数の低減化、装置の小型化を図ることができる。
【0139】
また、このレーザプリンタ1では、落下案内通路39が、給紙搬送経路38の案内板61の裏側面を利用して構成されているので、より一層、装置構成の簡易化、部品点数の低減化、装置の小型化を図ることができる。
【0140】
また、このレーザプリンタ1では、第1案内板61aは、第2搬送部10の上方を覆う延出部62aを備えており、また、第2案内板61bも、第1搬送部9の上方を覆う延出部62bを備えているため、第2搬送部10に対して、その上方に配置されているマルチパーパス搬送部16によって除去された紙粉が落下してきても、延出部62aによって、第2搬送部10に紙粉が降りかかることを防止することができ、また、その下方に配置される第1搬送部9に対して、マルチパーパス搬送部16および第2搬送部10によって除去された紙粉が落下してきても、延出部62bによって、第1搬送部9に紙粉が降りかかることを防止することができる。そのため、第1搬送部9および第2搬送部10の良好な紙粉除去動作を長期にわたって確保することができる。
【0141】
また、このレーザプリンタ1では、第1搬送部9において、第1紙粉取りローラ9bが、その回転とともに、まず、用紙3と接触して、用紙3上の紙粉を除去した後、次いで、その第1紙粉取りローラ9bに付着した紙粉が、第1紙粉取りローラ9bに対して給紙搬送経路38の反対側において第1スポンジ部材9cによって掻き取られる。また、第2搬送部10においても、第2紙粉取りローラ10bが、その回転とともに、用紙3と接触して、用紙3上の紙粉を除去した後、その第2紙粉取りローラ10bに付着した紙粉が、第2紙粉取りローラ10bに対して給紙搬送経路38の反対側において第2スポンジ部材10cによって掻き取られる。そして、第1スポンジ部材9cおよび第2スポンジ部材10cによって掻き取られた紙粉は、給紙搬送経路38の反対側下方において滞留された後、ある程度の塊になった時に自重により落下案内通路39内から落下するため、その掻き取られた紙粉が、給紙搬送経路38に侵入することを有効に防止しつつ、第1搬送部9および第2搬送部10によって除去された紙粉を紙粉貯留部68において一括して貯留することができる。
【0142】
なお、マルチパーパス搬送部16においても、マルチパーパス紙粉取りローラ16bが、その回転とともに、まず、用紙3と接触して、用紙3上の紙粉を除去した後、次いで、そのマルチパーパス紙粉取りローラ16bに付着した紙粉が、マルチパーパス紙粉取りローラ16bに対してマルチパーパス給紙機構部15からの給紙経路の反対側においてマルチパーパススポンジ部材16cによって掻き取られる。そして、マルチパーパススポンジ部材16cによって掻き取られた紙粉は、自重により落下案内通路39内から落下するため、その掻き取られた紙粉が、マルチパーパス給紙機構部15からの給紙経路に侵入することを有効に防止しつつ、マルチパーパス搬送部16によって除去された紙粉を紙粉貯留部68において一括して貯留することができる。
【0143】
そして、このレーザプリンタ1は、静電潜像を現像して可視像を形成し、それを用紙3に転写する電子写真方式のレーザプリンタとして構成されているので、用紙3上に紙粉があると、転写時において、その紙粉が画像形成部5内に混入してしまうため、用紙3上の紙粉を除去することが特に必要であるが、上記した構成によると、第1搬送部9、第2搬送部10およびマルチパーパス搬送部16によって、用紙3上の紙粉を効率的に除去することができるので、電子写真方式によって良好な画像形成を確実に達成することができる。
【0144】
さらに、このレーザプリンタ1では、上記したように、クリーナレス現像によって、転写後に感光ドラム23の表面上に残存する残存トナーを現像ローラ27によって回収しているが、転写時に、用紙3からの紙粉が感光ドラム23の表面に付着すると、その紙粉が残存トナーとともに現像ローラ27によって回収され、現像カートリッジ24内に混入してしまい、画像品質に直接影響してしまうという不具合を生じるが、上記の構成によると、第1搬送部9、第2搬送部10およびマルチパーパス搬送部16によって、用紙3上の紙粉を効率的に除去することができるので、クリーナレス現像によって、簡易に残存トナーを回収しつつ、良好な画像形成を確実に達成することができる。
【0145】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1に記載の発明によれば、搬送駆動手段が、紙粉搬送手段および紙粉貯留部と仕切り壁を隔てて画成されているので、紙粉の侵入に起因する搬送駆動手段の作動不良を防止して、搬送駆動手段の良好な作動を確保することができ、長期にわたって良好な紙粉除去動作を達成することができる。
また、オーガ部材などの複雑な搬送機構によって構成しなくとも、簡易な構成により、確実な搬送を達成することができる。
【0146】
請求項2に記載の発明によれば、搬送駆動手段が、紙粉搬送手段および紙粉貯留部の上方に配置されているので、紙粉の侵入に起因する搬送駆動手段の作動不良を防止して、搬送駆動手段の良好な作動を確保することができ、長期にわたって良好な紙粉除去動作を達成することができる。
【0147】
また、オーガ部材などの複雑な搬送機構によって構成しなくとも、簡易な構成により、確実な搬送を達成することができる。
【0148】
請求項3に記載の発明によれば、簡易な構成により、最小限のスペースで、掃き残しを生じさせることもほとんどなく、紙粉を紙粉貯留部に良好に搬送することができる。
【0149】
請求項4に記載の発明によれば、紙粉が搬送駆動手段に入り込むことを、より一層有効に防止することができ、より一層、長期にわたって良好な紙粉除去動作を達成することができる。
【0150】
請求項5に記載の発明によれば、記録媒体収容部から供給される記録媒体の紙粉の除去を円滑に行なうことができながら、かつ、記録媒体収容部の円滑な着脱動作をも確保することができる。
【0151】
請求項6に記載の発明によれば、紙粉搬送手段の耐久性の向上を図ることができ、より一層、長期にわたって良好な紙粉除去動作を達成することができる。
【0152】
請求項7に記載の発明によれば、簡易な構成によって、一方向に駆動する動力を往復方向に駆動する動力に変換して、紙粉搬送手段を往復移動させることができる。
【0153】
請求項8に記載の発明によれば、記録媒体上の紙粉を効率的に除去することができるので、電子写真方式によって良好な画像形成を確実に達成することができる。
【0154】
請求項9に記載の発明によれば、クリーナレス現像によって、簡易に現像剤を回収しつつ、良好な画像形成を確実に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像形成装置としての、レーザプリンタの一実施形態を示す要部側断面図である。
【図2】 図1に示すレーザプリンタの用紙の給紙搬送経路を示す要部拡大側断面図である。
【図3】 図1に示すレーザプリンタにおいて、(a)は、用紙の要部平面図、(b)は、第2紙粉取りローラの断面図、(c)は、第1紙粉取りローラの断面図、(d)は、パット部材の平面図を示す。
【図4】 図1に示すレーザプリンタにおける紙粉搬送部および搬送駆動部の要部平断面図である。
【図5】 図1に示すレーザプリンタの紙粉搬送部の正面図である。
【図6】 図1に示すレーザプリンタの動力伝達機構であって、(a)は、動力伝達機構の側断面図、(b)は、動力伝達機構の正面図を示す。
【符号の説明】
1 レーザプリンタ
3 用紙
5 画像形成部
6 給紙トレイ
9 第1搬送部
10 第2搬送部
23 感光ドラム
27 現像ローラ
63 仕切り板
65 受け面
66 紙粉搬送板
67 搬送駆動部
68 紙粉貯留部
77 入力ギヤ
78 変換ギヤ部
79 出力ギヤ
Claims (9)
- 画像形成手段に供給される記録媒体の紙粉を除去するための紙粉除去手段と、前記紙粉除去手段によって除去された紙粉を搬送するための紙粉搬送手段と、前記紙粉搬送手段により搬送された紙粉を貯留するための紙粉貯留部とを備える画像形成装置において、
前記紙粉搬送手段を駆動するための搬送駆動手段を備え、
前記搬送駆動手段は、前記紙粉搬送手段および前記紙粉貯留部と仕切り壁を隔てて画成され、
前記紙粉搬送手段は、実質的に水平方向に往復移動して、前記紙粉除去手段によって除去された紙粉を掃くように駆動されることを特徴とする、画像形成装置。 - 画像形成手段に供給される記録媒体の紙粉を除去するための紙粉除去手段と、前記紙粉除去手段によって除去された紙粉を搬送するための紙粉搬送手段と、前記紙粉搬送手段により搬送された紙粉を貯留するための紙粉貯留部とを備える画像形成装置において、
前記紙粉搬送手段を駆動するための搬送駆動手段を備え、
前記搬送駆動手段は、前記紙粉搬送手段および前記紙粉貯留部の上方に配置され、
前記紙粉搬送手段は、実質的に水平方向に往復移動して、前記紙粉除去手段によって除去された紙粉を掃くように駆動されることを特徴とする、画像形成装置。 - 前記紙粉搬送手段は、前記紙粉除去手段の長手方向に沿って直線的に往復移動することを特徴とする、請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 前記紙粉搬送手段は、100mm/秒以下の速度で駆動されることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。
- 記録媒体を積層状に収容する記録媒体収容部を着脱自在に備えており、
前記紙粉搬送手段は、前記記録媒体収容部が着脱される着脱経路の上方に配置されていることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記紙粉除去手段によって除去された紙粉を受ける受け面を備え、
前記紙粉搬送手段は、前記受け面上に、前記受け面と所定の隙間を隔てて配置されていることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記搬送駆動手段は、一方向に駆動する動力が入力される動力入力手段と、前記動力入力手段により入力された一方向に駆動する動力を、往復方向に駆動する動力に変換するための駆動方向変換手段と、前記駆動方向変換手段により変換された動力を、前記紙粉搬送手段に出力するための動力出力手段とを備えていることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記画像形成手段が、静電潜像を現像することにより形成される可視像を、記録媒体に転写することによって画像を形成する、電子写真方式によって構成されていることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記画像形成手段は、静電潜像が形成される感光体と、現像剤を供給する現像手段とを備えており、
前記現像剤として、非磁性1成分の現像剤が用いられ、かつ、転写後に前記感光体に残存する前記現像剤を現像手段によって回収するクリーナレス現像が行なわれるように構成されていることを特徴とする、請求項8に記載の画像形成装置。
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