JP4344813B2 - 特許評価装置 - Google Patents
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Description
所定の技術分野に属する、複数の特許データ、および該特許データ各々の特許属性情報を特許データベースより取得する手段と、
前記取得した各特許データを所定期間毎のグループに分類する手段と、
前記グループ毎に、該グループに属する各特許データの特許属性情報を利用し、該特許データ各々の評価値を、該グループ毎に求めた値を用いて算出する評価値算出手段と、を有すること
を特徴とする。
前記経過情報には、前記特許データに対する所定行為の有無を示す情報、該特許データの引用回数を示す情報、および該特許データの期間に関する情報のうちの少なくとも1つが含まれていて、
前記評価値算出手段は、前記所定行為の有無を示す情報、前記引用回数を示す情報、および該特許データの期間に関する情報のうちの少なくとも1つを用いて、前記経過情報の種類毎に定められた規則にしたがい、前記特許データ各々の評価値を算出することとしてもよい。
前記経過情報には、少なくとも、前記特許データに対する所定行為の有無を示す情報、該特許データの引用回数を示す情報、および該特許データの期間に関する情報が含まれていて、
前記評価値算出手段は、
第1規則にしたがい前記所定行為の有無を示す情報を用いて第1評価点を算出し、第2規則にしたがい前記特許データの引用回数を示す情報を用いて第2評価点を算出し、第3規則にしたがい該特許データの期間に関する情報を用いて第3評価点を算出し、
前記第1評価点、前記第2評価点、および前記第3評価点を用いて、前記評価値を算出することとしてもよい。
前記特許データの引用回数を示す情報には、拒絶理由通知書における被引用回数が含まれていて、
前記特許データの期間に関する情報には、該特許データに対する手続日が含まれていることとしてもよい。
前記経過情報には、前記特許データに対する所定行為の有無を示す情報、該特許データの引用回数を示す情報、および該特許データの期間に関する情報のうちの少なくとも1つが含まれていて、
前記評価値算出手段は、前記所定行為の有無を示す情報、前記引用回数を示す情報、および該特許データの期間に関する情報のうちの少なくとも1つと、前記内容情報とを用いて前記評価値を算出することとしてもよい。
前記経過情報には、少なくとも、前記特許データに対する所定行為の有無を示す情報および該特許データの引用回数を示す情報のうちの何れかと、該特許データの期間に関する情報とが含まれていて、
前記内容情報には、請求項数、全頁数、および請求項あたりの平均文字数乃至単語数のうちの少なくとも1つが含まれていて、
前記評価値算出手段は、
前記所定行為の有無を示す情報および前記引用回数を示す情報のうちの何れかを用いて第1又は第2評価点を算出し、
前記特許データの期間に関する情報および前記内容情報の両者を用いて第3評価点を算出し、
前記第1又は第2評価点と、前記第3評価点とを用いて、前記評価値を算出することとしてもよい。
前記経過情報には、少なくとも、当該特許データが他社の特許出願の審査において引用された回数を示す情報と、当該特許データが自社の他の特許出願において引用された回数を示す情報とが含まれていて、
前記評価値算出手段は、前記他社の特許出願の審査において引用された回数の影響を前記自社の他の特許出願の審査において引用された回数より大きく受ける増加関数の値を用いて評価点を算出し、この評価点を用いて、前記特許データ各々の評価値を算出することとしてもよい。
本発明の一態様によれば、被引用回数を他社引用と自社引用とに分けて考え、後者の回数をより大きく評価値に反映させることにより、特許出願又は特許権の適切な評価が可能となる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。先ず、本発明の一実施形態が適用された特許評価装置の概略構成について説明する。
図示するように、特許評価装置は、特許公報等の特許データの評価を行う情報処理装置1と、評価対象の特許データ200等の各種情報を記憶する記憶装置2と、分析者からの各種要求を受け付ける入力装置3と、情報処理装置1が実行した特許評価結果を出力する出力装置4と、を備える。
また、本実施形態では、評価値算出部120は、特許データの評価値の算出に、経過情報210に加えて、内容情報220を利用する。このようにしたのは、特許の主体的側面のみならず、特許の客体的側面を加味した評価を行うことができるようにするためである。その結果、特許データの評価精度を向上させることができる。
なお、本実施形態では、調査対象の特許データ200を、予め記憶装置2に格納しておくものとする。記憶装置2に、特許属性情報205を登録する処理は、後述する。
次に、本実施形態の情報処理装置1のハードウェア構成について説明する。
図2は、本実施形態の情報処理装置1のハードウェア構成図である。
図示するように、情報処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)10と、RAM(Random Access Memory)等の主記憶装置11と、HDD等の補助記憶装置12と、周辺装置(ここでは、入力装置3および出力装置4)との間で行われるデータの送受信を制御するIOインタフェース13と、ネットワークに接続されている装置(ここでは、記憶装置2)との間で行われるデータの送受信を制御するネットワークインタフェース14と、を有する。
続いて、本実施形態の特許評価装置が行う処理の概略を説明する。
図3は、本実施形態の特許評価装置の概略処理を示すフローチャートである。
図示するように、特許評価装置が行う概略フローは、特許評価装置の初期設定のための初期設定フェーズA1と、実際に特許評価を行う特許評価フェーズA2とに分類される。
続いて、本実施形態の特許評価装置が行う処理のうち初期設定フェーズA1の詳細を説明する。
図4は、本実施形態の特許評価装置が行う処理のうち初期設定フェーズA1の経過情報設定処理の詳細を示すフローチャートである。
サンプルを抽出したら、そのサンプル全体について、特許権設定登録後の維持率を算出する(S102)。
次に、このサンプルの中から、採用候補となる経過情報を具備した特許を抽出する(S103)。
次に、抽出された当該経過情報を具備した特許について、経過情報の種類ごとに特許権設定登録後の経過年数ごとの維持率を算出する(S104)。
維持率が有意に高いか否かは、例えば次のように判定する。
任意の経過情報(i)が付与されている特許群の平均維持率をR(i)、標準偏差をdR(i)、サンプル全体の平均維持率をRavg、標準偏差をdRavgとし、次式
R(i)±dR(i)>Ravg±dRavg
を満たす場合、当該経過情報(i)が付与された特許の平均維持率が、サンプル全体の平均維持率よりも有意に高いと判定する。
実際にはdRavgは十分小さいので無視し、
R(i)−dR(i)≧Ravg
によって求めても良い。
当該経過情報を採用すると判定した場合は(S105:YES)、次に、選択された各評価項目の具体的データを加工する処理を行う。データを加工するにあたっては、まず、上記採用された各評価項目に対し、予め記憶された複数の算定規則の中から、各評価項目より評価点を求めるための算定規則を選定する(S106)。複数の算定規則の具体例については後述する。
続いて、特許評価装置が行う処理のうち初期設定フェーズA1の内容情報設定処理を説明する。なお、以下の説明では、特許データの評価に利用する内容情報の種類は、予め定められているものとする。
先ず、初期設定部110は、記憶装置2にアクセスして、評価対象の特許データを読み出す。
具体的には、初期設定部110は、複数の特許データを読み出し、読み出した特許データを利用して、特許データ毎に内容情報(請求項数、独立請求項数、請求項あたりの平均文字数、明細書頁数、図面枚数、出願人数、発明者数等)を生成する。
例えば、内容情報が「請求項数」の場合、複数の特許データを「請求項数」が所定項数より多い特許データと、請求項数が所定項数より少ない特許データとに分類し、それぞれ維持率を求める。そして、求めた維持率の差が閾値より大きければ、「請求項数」を特許評価に利用する内容情報として選択する。
図7及び図8に、本実施形態の記憶装置に格納される特許属性情報の例を示している。それぞれ多数の特許出願又は特許権たとえば過去10年間における日本国内での全特許出願約400万件について、特許データID2100、2200(公開番号など)と、各特許出願についての特許属性情報が格納される。
図7に示す経過情報のうち、「出願からの経過日数」2105、「審査請求からの経過日数」2110、および「登録日からの経過日数」2115は、当該特許データの期間に関する情報である。「出願からの経過日数」は出願日、「審査請求からの経過日数」は出願審査請求日、「登録日からの経過日数」は特許権設定登録日に基づき、それぞれ評価日まで又は評価日に近い所定日付までの経過日数を算出したものが記憶装置2に格納される。未だ出願審査請求されていない特許出願についての「審査請求からの経過日数」はNULLとなり、未だ設定登録されていない特許出願についての「登録日からの経過日数」はNULLとなる。なお、数値の単位は日数に限らず、月数、年数等でもよい。
このように、本実施形態では、出願人、特許庁、及び競合他社等多様な主体による判断が反映されている経過情報210を利用して特許データを評価するようにしている。その結果、特許データの評価を行う上での客観性を担保することができる。
なお、本実施形態では、図7で示した経過情報を利用して特許データを評価する場合を説明したが、特にこれに限定されるものではない。例えば、図7に示した特許データの中の少なくとも1つを利用して、特許データを評価するようにしてもよい。
また、当該特許データに対する所定行為の有無を示す情報として、上記以外に、「新規性喪失の例外証明書提出書の有無」、「刊行物提出書(情報提供)の有無」、「審査前置の有無」を用いてもよい。
図8に示す内容情報のうち、「請求項数」2205は、当該特許出願の請求項数を示す情報であり、「独立請求項数」2215は、当該特許出願の独立請求項数を示す情報である。「請求項の平均文字数」2220は、当該特許出願の請求項1項あたりの平均文字数(又は単語数)を示す情報である。「明細書頁数」2225は、当該特許出願の明細書頁数又は公報頁数を示す情報である。「図面枚数」2230は、当該特許出願の図面の枚数又は図面数を示す情報である。これらの情報は各特許出願の公開特許公報その他の特許データより抽出される。
内容情報の他の例としては、出願人数(共同出願人の数が多い方が維持率が高い)、発明者数(共同発明者の数が多い方が維持率が高い)、付与されたIPCの種類数(平均に近い方が維持率が高い)等が考えられる。
このように、特許出願又は特許権の経過情報又は内容情報に基づいて客観的に定まる数値情報に基づいて、特許出願又は特許権の価値を適切に評価することが可能な本発明は、膨大な数の特許出願又は特許権を迅速に評価することに適している。従って例えば、膨大な数の特許出願又は特許権から「光る石」を見つけ出したり、ある特許出願又は特許権について詳細評価を行う前段階として分析対象母集団内での大まかな位置づけを把握したりすることが簡単にできる。
続いて、本実施形態の特許評価装置が行う処理のうち特許評価フェーズA2の詳細を説明する。
図3に戻って説明すると、特許評価フェーズA2では、まず、データ取得部105により、分析者が入力装置より入力したIPCコードを取得し、この指定されたIPCコードに基づき、記憶装置2より特許データ200と特許属性情報205を取得して分析対象母集団とする(S200)。
IPC「B01J35/02」の分野においては、このサブグループだけで1227件の特許データが存在し、このサブグループでのある特許出願の評価値(偏差値)は、メイングループ、サブループでの評価値と大きな違いがなく、安定していた。
またIPC「C10L1/00」の分野においては、このサブグループだけでは90件の特許データしか存在せず、このサブグループでのある特許出願の評価値は、メイングループでの評価値と大きな開きがあった。分析対象母集団をメイングループまで広げるとようやく1521件となり、このメイングループでの評価値はサブグループでの評価値と大きな違いがなく、安定していた。
この図では説明を簡略化するため5例しか示していないが、他の分野においても、分析対象母集団1000件未満では評価値が安定せず、1000件以上で安定する傾向がある。
次に、データ分類部115により、取得した特許データに関する特許属性情報のうち出願日の情報又は優先日の情報等に基づき、特許データを所定期間ごと(例えば出願年ごと、優先日が属する年ごと等)のグループtに分類する(S210)。
次に、評価値算出部120により、各特許データの評価値を算出する(S220)。この処理の詳細を、図10に基づいて説明する。
評価値算出部120は、S210の分類によって生成されたグループに属する特許データ200について、特許属性情報205を取得する(S221)。ここで、当該取得した1つのグループがJ件の特許データからなるものとし、J件のそれぞれを区別するため添え字j(j=1,2,・・・,J)を用いる。
J件の特許データを取得したら、これらJ件の特許データの特許属性情報205を用いて、後述のS223B〜S223Dで用いる「評価項目の該当有無データのJ件分の合計値」等を予め求めておくことが望ましい。
特許データの属性情報は、分析対象母集団内での相対評価に有用であるが、この分析対象母集団内の特許出願又は特許権を平等に扱ってしまうと適切な評価はできない。本実施形態によれば、分析対象母集団を時期ごとのグループに分類し、この分類されたグループごとに求めた値を分母として用いることで、異なる時期の特許出願又は特許権を含む分析対象母集団内において、適切な相対評価が可能となる。
また、例えばある技術分野において、特許出願が少ない同時期グループにおける1件の価値と、特許出願が多くなった同時期グループにおける1件の価値とでは、前者の価値の方が高いことが多い。一方で例えば、出願公開されて間もない特許出願より、数年経過した特許出願の方が、閲覧請求を受けた等の経過情報が付与される可能性は必然的に高いが、だからといって出願公開されて間もない特許出願をそのまま低く評価するのは誤りである。同時期グループ内の特許出願の中で、例えば閲覧請求を受けたものが数少ない場合、その閲覧請求を受けた特許出願は格別注目度の高い特許出願であり、高く評価されるべきである。逆に、同時期グループ内の特許出願の中で、閲覧請求を受けたものが数多い場合、その閲覧請求を受けた特許出願は、閲覧請求を受けたというだけの理由で高く評価されるべきものではない。
本実施形態によれば、各グループに属する各特許データの特許属性情報を利用して求めた値と、該グループに属する各特許データの特許属性情報を利用して求めた値を該グループ毎に合計した値の減少関数の値と、の積により評価点を算出する。この構成によれば、それぞれのグループにおける各特許データの相対的な位置づけを考慮した値を評価値として求めることができる。その結果、経過情報に基づく数値情報の前記同時期グループにおける合計値が低いほど高い重み付けをし、逆に当該合計値が高いほど低い重み付けをすることにより、分析対象文書群における特許出願又は特許権の適切な評価が可能となる。
なお、本実施形態では、分母に各評価項目の平均経過年数を用いることも可能である。上述のように分母に該当件数を用いた場合であっても特許データの適切な評価は可能であるが、分母に平均経過年数を用いることにより、さらに評価精度を向上させることができる。
なお、以下では、図8に示した内容情報220の中から、特許データの請求項当たりの平均文字数(図8の2220参照)と、特許データの頁数(図8の2225)と、特許データの請求項数(図8の2205参照)と、を利用する場合を例にする。
経過情報のみにより評価する場合、出願公開後又は特許権設定登録後間もない特許出願又は特許権には、今後付与されると期待される経過情報がなく評価が正しく行えない可能性がある。従ってこれを補正するため、経過情報による評価に内容情報を加味することが好ましい。しかし、内容情報は、経過情報ほど維持率との相関が高くない傾向にあり、不用意に内容情報を加味すると却って評価の精度が落ちる可能性がある。
そこで、経過情報が十分に付与された特許の評価には内容情報の影響を小さくとどめ、経過情報が不十分な特許の評価に内容情報を効果的に反映させるため、このS223C〔時間減衰型〕で算出された評価点にのみ、内容情報に基づく補正係数を乗算する。
このように本実施形態によれば、出願の古い新しいを問わず、どの特許データにも一律に付与されやすい特性を有する期間に関する情報に、各々の特許データの内容情報を加味することができる。その結果、経過情報があまり付与されていない新しい出願からなる特許データについても、適切な評価を行うことができる。
a1×a2×a3
ここで、
a1=21/3(請求項当たりの平均文字数が平均以下の場合)又は
2-1/3(請求項当たりの平均文字数が平均以上の場合)
a2=21/3(全頁数が平均以上の場合)又は
2-1/3(全頁数が平均以下の場合)
a3=21/3(請求項数が平均値±1標準偏差以内の場合)又は
2-1/3(請求項数が上記範囲外の場合)
を乗算することが好ましい。a1、a2、a3の最大値をそれぞれ21/3とすることにより、a1×a2×a3を最大値とする補正にとどめている。但し、a1、a2、a3の値は上記に限らず、内容情報と維持率との相関に基づき互いに異なる値を用いても良い。
なお、上記実施形態では、a1×a2×a3の値が最大で2になるようにしているが、あくまでもこれは例示である。
本実施形態によれば、被引用回数を他社引用と自社引用とに分けて考え、後者の回数をより大きく評価値に反映させることにより、特許出願又は特許権の適切な評価が可能となる。
初期設定フェーズで選択されたすべての評価項目i(i=1,2,・・・,I)について、特許データjの評価点が算出されたら、これに基づいて当該特許データjの評価素点を、例えば次の[数5]により算出する(S224)。
なお、上述のようにS223C〔時間減衰型〕で算出された評価点に対し、内容情報による補正を行う場合は、「審査請求からの経過日数」、「出願日からの経過日数」、「登録日からの経過日数」に基づき上述の[数2]で算出された評価点にそれぞれ上述のa1×a2×a3を乗算した上で、[数5]に従い二乗和の平方根をとることになる。
この問題を解決する1つの方法として、各評価点iのうち最大値を評価素点とする方法も可能である(最大値法)。特に、ある経過情報と特許群の維持率との相関を調べる場合に、他にどんな経過情報が付与されているか無関係に相関を調べた場合には、ある特許の維持率は、最高の維持率を持つ経過情報の維持率で最もよく表現できると期待されるので、評価点iの最大値を評価素点とすることは一見合理的である。但し、評価点iの最大値が2つの特許で同じである場合に優劣がつけられない。さらに、最大値法を用いた場合は、出願人、特許庁及び競合他社の異なる3主体の観点を加味した評価を行うことができず、それらの主体のうちのいずれか一者の観点のみが反映されることとなってしまい、残りの主体の観点を特許データの評価に反映させることができない。
二乗和の平方根をとる上述の方法は、単純和法と最大値法の長所を兼ね備えた方法ということができる。すなわち、二乗和の平方根をとることにより、ある特許データjに関するI個の評価項目iの中に高い評価点iがあるときは、その高い評価点iが評価素点に大きく影響する。そして、評価点iの高い評価項目以外の評価点についても、幾らか考慮された評価素点となる。従って、評価点iの高くなりやすい「早期審査」、「異議申立維持決定」、「無効審判維持審決」等に複数該当するような特許データjに対しては、突出して高い評価素点を与えることができる。
このように本実施形態では、特許属性情報の種類に応じて算出した評価点を全て加味した特許評価を行うようにしている(S223、S224)。その結果、特許データの価値を多面的に評価することが可能となる。
評価素点が算出されたら、その対数(例えば自然対数)を算出して当該特許データjの評価値とする(S225)。
経過情報又は内容情報に基づいて算出される評価値は、特異な経過又は内容が読み取れる数少ない特許出願又は特許権に対しては高い値が与えられるが、その他大勢の特許出願又は特許権に対しては低い値が与えられることが多い。従って評価値別の件数分布を見ると、評価値が高い特許出願又は特許権は数少なくまばらな分布となり、評価値が低い特許出願又は特許権は数多く密集した分布となる。
このような場合には、評価値の高い少数の特許出願又は特許権によって平均値(相加平均値)が大きく左右されるので、このような平均値との比較によって評価する際は注意が必要となる。また例えば高い評価値が得られた2つの特許出願又は特許権を比較する場合に、数値の上では評価値に大きな差があるように見えたとしても、実際には有意な差ではないこともある。
本実施形態によれば、評価値を対数(自然対数、又はその他の対数)に換算することにより、評価値の比較を適切に行うことができるようになる。
特に、評価値ごとの件数分布は多くの場合対数正規分布に近いものとなるので、評価値を対数に換算することによって、件数分布を正規分布に近いものとすることができる。従って、評価値を対数に換算した上で例えば偏差値を算出すれば、より適切な評価が可能となる。
すべての特許データjについて評価値を算出した場合は(S226:YES)、当該グループに属する特許データに関する評価値の算出処理を終了する。
このように本実施形態では、特性の異なる複数の特許データを、技術分野ごと、出願時期ごとの特性を加味した上で評価するようにしている。その結果、特許データの価値をより適切に評価することができる。
S221〜S227までの評価値算出処理は、S200で取得した特許データをS210で分類して得られたすべてのグループtについて実行する。
すべてのグループtについて評価値を算出したら図3に戻り、この評価値に基づいて、S200で取得した分析対象母集団における偏差値を標準化評価値として算出する(S230)。この偏差値は、本来ならば比較することが困難な、異なる技術分野間の特許データの相対比較(S200で異なるIPCにより別途選択される分析対象母集団との比較)をも可能とするもので、偏差値に代えて他の標準化した値を用いても良い。また、分析対象母集団における偏差値に限らず所定期間ごとに分類した各グループ内での偏差値を算出しても良い。
偏差値を算出したら、算出した偏差値に基づいて特許データをクラス分けする(S240)。クラス分けは、例えば次のように行う。
偏差値 クラス
110±5 A+++
100±5 A++
90±5 A+
80±5 A
70±5 A-
60±5 B+
50±5 B
40±5 B-
30±5 C+
20±5 C
10±5 C-
クラス分けが終了したら、結果を出力部130により出力して一連の処理を終了する(S250)。
図12は、一例として表形式の出力結果を示す図である。この図に挙げられた特許群は、幾つかの団体がそれぞれ有力特許として抽出した特許群であり、技術分野は多岐にわたっている。この特許群の各々が属するIPCサブクラスに基づいてそれぞれ分析対象母集団を抽出し、それぞれに属する特許データの評価値を算出した上で、母集団抽出の元になった上述の有力特許の評価値がどのように算出されたかを出力した。算出結果は、誰でも入手可能な経過情報及び内容情報による計算結果であるにも関わらず、いずれもB以上の評価となり、上記団体による評価に近い結果となった。
本実施形態では技術分野ごとに評価値(偏差値)を算出しているので、異なる技術分野間で経過情報や内容情報の傾向に差異があっても相対比較が可能となる。むろん、異なる技術分野間で単純な数値比較のみをしてしまうと誤解を生む恐れもあるが、分析対象母集団を明示することで、誤解の恐れを避けることができる。
続いて、本実施形態の変形例を説明する。なお、以下の変形例の説明において、上記実施形態と同じ構成のものは同じ符号を用いる。
最初に、本実施形態の第1変形例を説明する。
第1変形例は、上記実施形態の経過情報210に、さらに、回数型の評価点の算出用の評価項目を追加したものである。
具体的には、第1変形例では、図13に示す経過情報を利用して、特許データの評価を行うようにした以外は、上述した実施形態と同じである。以下、上記実施形態と異なる経過情報の内容について説明する。
図示する経過情報は、上述した図7の経過情報210に、さらに、「異議証拠の被引用回数」、「異議採用証拠の被引用回数」、「審判請求証拠の被引用回数」、「審判採用証拠の被引用回数」、「分割出願」の回数、「優先権」の回数、「無効審判維持審決」の回数を付加するようにしたものである。なお、図13では、便宜上、図7の2105〜2155のデータを省略している。
さらに、「異議証拠の被引用回数」を登録するためのフィールド2165と、「異議採用証拠の被引用回数」を登録するためのフィールド2170と、「審判請求証拠の被引用回数」を登録するためのフィールド2175と、「審判採用証拠の被引用回数」を登録するためのフィールド2180と、「分割出願」の回数を登録するためのフィールド2185と、「優先権」の回数を登録するためのフィールド2190と、「無効審判維持審決」の回数を登録するためのフィールド2195とを備えて1つのレコードが構成される。なお、経過情報250は、複数のレコードよりなる。
なお、異議証拠の被引用回数」、「異議採用証拠の被引用回数」、「審判請求証拠の被引用回数」、「審判採用証拠の被引用回数」については、自社被引用と他社被引用とを分けていないが、フィールド2160に登録する「拒絶理由の被引用回数」と同様、自社被引用と他社被引用とを分けるようにしてもよい。この場合は、上記実施形態と同様の手順で、評価点を算出する際、自社被引用か他社被引用かに応じた重み付けを行うようにするとよい。
つぎに、本実施形態の第2変形例を説明する。
上記実施形態の説明では、特許データの引用回数を示す情報として、他社の特許出願に対する拒絶理由通知での引用回数と、自社の他の特許出願に対する拒絶理由通知での引用回数とを用いる場合について説明したが、第2変形例では、当該特許データが引用された上記「他社の特許出願」や「自社の他の特許出願」が更に他の特許出願で引用されている場合(リサイテーション:孫引き)に、その事実を評価に加える。
まず、評価値を算出する分析対象母集団の各特許データを記憶装置から抽出する。ここで抽出された母集団に属する各特許データを特許データ(PS)と称することにする(S2801)。以下の処理は、抽出された各特許データについて個別に行う。
次に、抽出された分析対象母集団のうちのある特許データ(PS)について、記憶装置に記憶された経過情報を用いて出願番号及び出願日(優先権主張を伴う場合は基礎出願日)を特定する。ここで、特許データ(PS)の出願番号及び出願日をそれぞれ出願番号(PS)及び出願日(PS)と称することにする(S2802)。
そして、当該特定された出願日(PS)を用いて、当該出願日以降の出願日(優先権主張を伴う場合は基礎出願日)を有する特許データを、記憶装置に記憶された全特許データの中から抽出する。ここで、抽出された後願特許データを特許データ群A(PS)と称することにする(S2803)。
次に、特許データ群A(PS)の中から、経過情報に引用公報番号を有する特許データを抽出する。抽出された特許データを特許データ群B(PS)と称することにする(S2804)。
次に、上述したある特許データ(PS)の出願番号(PS)を用いて、当該特許データ(PS)を引用した特許データ(i,j)を上記特許データ群B(PS)の中から全件(J件)抽出する。ここでiは引用世代数(正の整数)であり、本ステップではi=1である。jは後願特許データの識別番号であり、同一特許データ(PS)が引用された後願特許データがJ件あれば、jは1からJまでの整数となる(S2805)。
そして、当該世代iの特許データ数Jが正の数でない場合(S2807:NO)、そもそも当該特許データ(PS)を引用した後願特許データは存在しないので加点対象とせず加点の処理を終了する(S2808)。
当該世代iの特許データ数Jが正の数である場合(S2807:YES)、この特許データ数Jを、特許データ(PS)が引用された特許データ数として集計し(S2809)、所定の重みを付与して(S2810)特許データ数Jに応じた加点要素(PS)を算出する(S2811)。特許データ数Jは被引用回数を示すので、例えばグループ内の全特許データ(PS)について算出された値(の総和の正の平方根)を用いて上述の[数3]により算出した値を、加点要素(PS)とする。
まず、ある後願特許データ(i,j)について、記憶装置に記憶された経過情報を用いて出願番号及び出願日を特定する。ここで、特許データ(i,j)の出願番号及び出願日をそれぞれ出願番号(i,j)及び出願日(i,j)と称することにする(S2813)。
そして、当該特定された出願日(i,j)を用いて、当該出願日以降の出願日を有する特許データを、記憶装置に記憶された全特許データの中から抽出する。ここで、抽出された後願特許データを特許データ群A(i,j)と称することにする(S2814)。
次に、特許データ群A(i,j)の中から、経過情報に引用公報番号を有する特許データを抽出する。抽出された特許データを特許データ群B(i,j)と称することにする(S2815)。
次に、上述したある特許データ(i,j)の出願番号(i,j)を用いて、当該特許データ(i,j)を引用した特許データ(i+1,j)を上記特許データ群B(i,j)の中から全件(J件)抽出する(S2816)。特許データ(i+1,j)は、分析対象母集団に属する特許データ(PS)から見ると孫引き又はそれ以上の引用世代に属することになる。
まず、特許データ(i,j)を引用した次世代i+1の特許データ数Jが正の数でない場合(S2817:NO)、そもそも当該特許データ(i,j)を引用した後願特許データは存在しないので新たな加点対象とはしない。この場合、同じ世代iに属するすべての特許データ(i,j)について次世代の特許データ(i+1,j)を抽出するまで(S2819)、カウンタjに1を加えて(S2820)次世代の特許データ(i+1,j)の抽出処理を繰り返す。
特許データ(i,j)を引用した次世代i+1の特許データ数Jが正の数である場合(S2817:YES)、この特許データ数Jを、特許データ(i,j)が引用された特許データ数として集計する(S2818)。この集計結果は孫引きとしての新たな加点要素の算出に利用されるが、好ましくは上述と同様に同じ世代iに属するすべての特許データ(i,j)について次世代の特許データ(i+1,j)を抽出するまで(S2819)、カウンタjに1を加えて(S2820)次世代の特許データ(i+1,j)の抽出処理を繰り返し、当該世代iについて抽出された次世代i+1の特許データ数の総和ΣJに、所定の重み(後の世代ほど加点への影響が小さくなるような重みが好ましい)を付与し(S2821)、1つの世代iに1つの加点要素(i)を算出する(S2822)。例えば次世代i+1の特許データ数(孫引き回数又はそれ以後の各世代の被引用回数)の総和ΣJをグループ内の全特許データ(PS)について算出し、その値を用いて上述の[数3]により算出した値を、加点要素(i)とする。
同じ世代iに属するすべての特許データ(i,j)について次世代の特許データ(i+1,j)の抽出が終了し(S2819:YES)、且つ、次世代i+1の特許データ数Jが正の数でなくなった場合(S2823:NO)、上述の処理で算出された加点要素(PS)及び各世代の処理において算出された加点要素(i)の総和(加点要素(PS)+Σ{加点要素(i)})を算出し(S2825)、この総和を上述の特許データ(PS)の加点値とする(S2826)。そして、例えばこの加点値をグループ内で合計した値Σ(加点値)の正の平方根で各特許データ(PS)の加点値を除算することにより、被引用回数(孫引きを含む)としての評価点
(加点値)/√Σ(加点値)
を算出する。
また例えば、当該特許データが引用された「他社の特許出願」が更に他の特許出願(自社、他社を問わない)で引用された場合(他社引用の孫引き)はその回数(所定の割引率を掛けるのが好ましい)を上述の[数4]で用いた他社引用回数と加算する。一方、当該特許データが引用された「自社の他の特許出願」が更に他の特許出願(自社、他社を問わない)で引用された場合(自社引用の孫引き)はその回数(所定の割引率を掛けるのが好ましい)を上述の[数4]で用いた自社引用回数と加算する。こうして得られた引用回数に、上述の[数4]を適用して被引用回数という上述の評価項目としての評価点を算出することも可能である。
つぎに、本実施形態の第3変形例を説明する。
上記実施形態の説明では、所定行為の有無を示す情報として「分割出願」を用いることにより、結果として、分割出願はそうでない出願より(他の経過情報が同等なら)高い評価値となる場合について説明したが、特にこれに限定されるものではない。第3変形例では、分割出願の「原出願」であるか否かを加味して評価する。分割出願の原出願は、分割出願の基礎となったコア出願と言える。分割出願されたことにより、その原出願が存在価値を失い出願失効又は特許権消滅する場合もあるが、失効も消滅もせず維持されている限りは、分割出願と同等又はこれに準じた評価を与えられるべきと考えられる。なお、分割出願の原出願が失効又は特許権消滅した場合は、上述の[数5]により評価素点が0となる。
まず、評価値を算出する分析対象母集団の各特許データを記憶装置から抽出する。ここで抽出された母集団に属する各特許データを特許データ(PS)と称することにする(S2901)。以下の処理は、抽出された各特許データについて個別に行う。
次に、抽出された分析対象母集団のうちのある特許データ(PS)について、記憶装置に記憶された経過情報を用いて出願番号及び出願日を特定する。ここで、特許データ(PS)の出願番号及び出願日をそれぞれ出願番号(PS)及び出願日(PS)と称することにする(S2902)。
そして、当該特定された出願日(PS)を用いて、当該出願日以降の出願日を有する特許データを、記憶装置に記憶された全特許データの中から抽出する。ここで、抽出された後願特許データを特許データ群A(PS)と称することにする(S2903)。
次に、特許データ群A(PS)の中から、経過情報に分割の原出願番号を有する特許データを抽出する。抽出された特許データを特許データ群B(PS)と称することにする(S2904)。
次に、上述したある特許データ(PS)の出願番号(PS)を用いて、当該特許データ(PS)を原出願とする特許データ(i,j)を上記特許データ群B(PS)の中から全件(J件)抽出する。ここでiは分割世代数(正の整数)であり、本ステップではi=1である。jは後願特許データの識別番号であり、同一特許データ(PS)から分割出願された後願特許データがJ件あれば、jは1からJまでの整数となる(S2905)。
そして、当該世代iの特許データ数Jが正の数でない場合(S2907:NO)、そもそも当該特許データ(PS)を原出願とした後願特許データは存在しないので加点対象とせず加点の処理を終了する(S2907)。
当該世代iの特許データ数Jが正の数である場合(S2907:YES)、この特許データ数Jを、特許データ(PS)を原出願とする特許データ数として集計し(S2908)、所定の重みを付与して(S2909)特許データ数Jに応じた加点要素(PS)を算出する(S2910)。特許データ数Jは特許データ(PS)を原出願とする分割出願数を示すので、例えばグループ内の全特許データ(PS)について算出された値(の総和の正の平方根)を用いて上述の[数3]により算出した値を、加点要素(PS)とする。
まず、ある後願特許データ(i,j)について、記憶装置に記憶された経過情報を用いて出願番号及び出願日を特定する。ここで、特許データ(i,j)の出願番号及び出願日をそれぞれ出願番号(i,j)及び出願日(i,j)と称することにする(S2912)。
そして、当該特定された出願日(i,j)を用いて、当該出願日以降の出願日を有する特許データを、記憶装置に記憶された全特許データの中から抽出する。ここで、抽出された後願特許データを特許データ群A(i,j)と称することにする(S2913)。
次に、特許データ群A(i,j)の中から、経過情報に分割の原出願番号を有する特許データを抽出する。抽出された特許データを特許データ群B(i,j)と称することにする(S2914)。
次に、上述したある特許データ(i,j)の出願番号(i,j)を用いて、当該特許データ(i,j)を分割の原出願とした特許データ(i+1,j)を上記特許データ群B(i,j)の中から全件(J件)抽出する(S2915)。特許データ(i+1,j)は、分析対象母集団に属する特許データ(PS)から見ると孫出願又はそれ以上の分割世代に属することになる。
まず、特許データ(i,j)を分割出願の原出願とする次世代i+1の特許データ数Jが正の数でない場合(S2917:NO)、そもそも当該特許データ(i,j)を原出願とする後願特許データは存在しないので新たな加点対象とはしない。この場合、同じ世代iに属するすべての特許データ(i,j)について次世代の特許データ(i+1,j)を抽出するまで(S2919)、カウンタjに1を加えて(S2920)次世代の特許データ(i+1,j)の抽出処理を繰り返す。
特許データ(i,j)を分割出願の原出願とする次世代i+1の特許データ数Jが正の数である場合(S2917:YES)、この特許データ数Jを、特許データ(i,j)を原出願とする特許データ数として集計する(S2918)。この集計結果は孫出願を有することによる新たな加点要素の算出に利用されるが、好ましくは上述と同様に同じ世代iに属するすべての特許データ(i,j)について次世代の特許データ(i+1,j)を抽出するまで(S2919)、カウンタjに1を加えて(S2920)次世代の特許データ(i+1,j)の抽出処理を繰り返し、当該世代iについて抽出された次世代i+1の特許データ数の総和ΣJに、所定の重み(後の世代ほど加点への影響が小さくなるような重みが好ましい)を付与し(S2921)、1つの世代iに1つの加点要素(i)を算出する(S2922)。例えば次世代i+1の特許データ数(孫出願件数又はそれ以後の各世代の分割出願件数)の総和ΣJをグループ内の全特許データ(PS)について算出し、その値を用いて上述の[数3]により算出した値を、加点要素(i)とする。
同じ世代iに属するすべての特許データ(i,j)について次世代の特許データ(i+1,j)の抽出が終了し(S2919:YES)、且つ、次世代i+1の特許データ数Jが正の数でなくなった場合(S2923:NO)、上述の処理で算出された加点要素(PS)及び各世代の処理において算出された加点要素(i)の総和(加点要素(PS)+Σ{加点要素(i)})を算出し(S2925)、この総和を上述の特許データ(PS)の加点値とする(S2926)。そして、例えばこの加点値をグループ内で合計した値Σ(加点値)の正の平方根で各特許データ(PS)の加点値を除算することにより、分割出願の原出願としての評価点
(加点値)/√Σ(加点値)
を算出する。
つぎに、本実施形態の第4変形例を説明する。
第4変形例は、処理装置1のデータ取得部105の機能を追加し、図3に示したS200の処理を、図16および図17に示す手順にしたがい行うようにした。このようにするのは、特許評価フェーズA2において、信頼性が高い評価値を求めるためには、分析対象のデータとして、ある程度の規模の母集団が必要となるためである。
図16および図17は、図3に示すS200の処理の具体的な手順の一例を示したフローチャートである。以下、図1および図3を参照しながら、図16および図17に示した処理の手順を説明していく。
つぎに、S2003において、データ取得部105は、カウントした特許データの件数(Nsg)が5000件(Ta)以上か否かを判定する。そして、データ取得部105は、特許データの件数(Nsg)が5000件(Ta)以上であれば、S2004に進み、特許データの件数(Nsg)が5000件(Ta)未満であればS2011に進む。
IPC「B01J35/02」の分野において、メイングループでは2,211件の特許データが存在し、サブクラスでは17,852件の特許データが存在し、このサブクラスでのある特許出願の評価値(偏差値)は、メイングループの評価値と同一で、安定していた。
またIPC「C22C27/02」の分野においては、このサブグループだけでは62件の特許データしか存在せず、このサブグループでのある特許出願の評価値は、メイングループでの評価値とまだ大きな開きがあった。分析対象母集団をメイングループまで広げるとようやく242件となったが、このメイングループでのある特許出願の評価値は、サブクラスでの評価値とまだ大きな開きがあった。分析対象母集団を更にサブクラスまで広げるとようやく19,129件となり、安定していた。
この図では説明を簡略化するため5例しか示していないが、他の分野においても、分析対象母集団が5,000件以上で安定する傾向がある。
データ取得部105は、上記の判定結果を利用して記憶装置2にアクセスし、分析対象のデータとして、20件(Tb)より大きい年度に分類された特許データ、およびその特許データの特許属性情報を取得する(S2006〜S2008)。すなわち、データ取得部105は、集計した特許データの年度別の件数(Nsg(y))毎に、S2006〜S2008の処理を行う。
具体的には、S2006において、データ取得部105は、特許データの年度別の件数(Nsg(y))が20件(Tb)より大きいか否かを判定する。判定により、特許データの年度別の件数(Nsg(y))が20件(Tb)より大きければS2007に進み、その年度別の件数(Nsg(y))に属する特許データ、およびその特許データの特許属性情報を取得する。判定により、特許データの年度別の件数(Nsg(y))が20件(Tb)より大きくなければS2008に進み、その年度別の件数(Nsg(y))に属する特許データを分析対象のデータとして扱わないようにする。
S2011では、データ取得部105は、S2001で指定されたIPCサブグループの1つ上の階層のIPCメイングループを特定する。すなわち、本ステップでは、分析対象の母集団の候補となる技術分野をIPCメイングループまで広げる。例えば、S2001で指定されたIPCサブグループが「A01B1/02」であれば、データ取得部105は、IPCサブグループの「A01B1/02」の1つ上の階層のIPCメイングループである「A01B1/00」を特定する。
また、S2013において、データ取得部105は、カウントした特許データの件数(Nmg)が5000件(Ta)以上か否かを判定する。そして、データ取得部105は、特許データの件数(Nmg)が5000件(Ta)以上であれば、S2014に進み、特許データの件数(Nmg)が5000件(Ta)未満であれば、図17のS2021に進む。
Nmg÷Nsg>2・・・・・・(式6)
一方、「分析者により指定されたIPCサブグループの1つ上の階層のIPCメイングループに属する特許データの件数(Nmg)が5000件(Ta)以上」であっても、「特許データの件数(Nmg)が、分析者により指定されたIPCサブグループに属する特許データの件数(Nsg)の2倍より大きくない」場合には、分析対象の母集団として、分析者により指定されたIPCサブグループが選定されるようになる。
このようにS2014の処理を行うのは以下の点を考慮したためである。
本実施形態の評価値を算出する手法は、同じ技術分野の特許データ群を母集団にとり、その母集団に属する各特許データの評価値を各々算出することで、評価値の精度を高めようとしている。したがって、各評価値の精度を高めるためには、母集団として、より狭い範囲に分類される技術分野の特許データを集めることが望まれる。また、本実施形態の評価値を算出する手法では、上述したように評価値の安定性の観点から、分析対象の特許データの母集団が5000件以上あることが望まれる。すなわち、本実施形態の評価値を算出する手法では、母集団が、(i)より狭い範囲に分類される技術分野の特許データであることと、(ii)5000件以上あることが望まれる。
しかし、出願件数が少ない技術分野の特許データでは、上記(i)の要件が満たされない。また、技術分野を広げ過ぎると上記(ii)の要件が満たされないこととなる。
そこで、出願件数が少ない技術分野の特許データが評価対象の場合、本ステップの処理を行うことで、上記(i)によりもたらされる評価値の精度と、上記(ii)によりもたらされる評価値の安定性との調和を図るようにしている。
S2017〜S2019では、データ取得部105は、上述したS2006〜S2008と同様の手順にしたがい、S2016で集計した特許データの年度別の件数(Nmg(y))毎に、その年度別の件数(Nmg(y))が20件(Tb)より大きいか否かを判定する。そして、上記の判定結果を利用して、データ取得部105は、記憶装置2にアクセスし、分析対象のデータとして、20件(Tb)より大きい年度に分類された特許データ、およびその特許データの特許属性情報を取得する。
また、S2023において、データ取得部105は、カウントした特許データの件数(Nsc)が5000件(Ta)以上か否かを判定する。そして、データ取得部105は、特許データの件数(Nsc)が5000件(Ta)以上であれば、S2024に進み、特許データの件数(Nsc)が5000件(Ta)未満であれば、S2031に進む。
Nsc÷Nmg>2・・・・・・(式7)
S2027〜S2029では、データ取得部105は、上述したS2006〜S2008と同様の処理をする。すなわち、データ取得部105は、S2026で集計した特許データの年度別の件数(Nsc(y))毎に、その年度別の件数(Nsc(y))が20件(Tb)より大きいか否かを判定する。なお、20件(Tb)は、S2006と同じ値を用いる。そして、上記の判定結果を利用して、データ取得部105は、記憶装置2にアクセスし、分析対象のデータとして、20件(Tb)より大きい年度に分類された特許データ、およびその特許データの特許属性情報を取得する。
一方、データ取得部105は、特許データの件数(Nmc)が5000件(Ta)未満の場合、S2035に進み、分析対象の母集団として、S2031で特定したIPCメインクラスを選定する。本ステップでは、上述したS2003、S2013、2023と異なり、特許データの件数が5000件(Ta)未満の場合であっても、分析対象の母集団の候補となる技術分野を広げないようにしている。このようにするのは、分析対象の母集団の技術分野を広げ過ぎると、分析対象のデータの中に異なる技術分野のデータが混入してしまう恐れがあるためである。
Nmc÷Nsc>2・・・・・・(式8)
S2037〜S2039では、データ取得部105は、上述したS2006〜S2008と同様の処理をする。すなわち、データ取得部105は、S2036で集計した特許データの年度別の件数(Nmc(y))毎に、その年度別の特許データの件数(Nmc(y))が20件(Tb)より大きいか否かを判定する。ここでは、20件(Tb)は、S2006と同じ値を用いる。そして、上記の判定結果を利用して、データ取得部105は、記憶装置2にアクセスし、分析対象のデータとして、20件(Tb)より大きい年度に分類された特許データ、およびその特許データの特許属性情報を取得する。
次に、本実施形態の第5変形例について、図19〜図24を用いて説明する。第5変形例は、上述した実施形態の情報処理装置1が有する評価値算出部120の機能を一部変更したものである。第5変形例は、評価対象の特許データとして、米国特許庁に特許出願されたものを用いるようにしている。そして、米国で特許出願された特許データ(米国特許公報)の価値評価の精度を高めるため、上記の実施形態から以下の点を変更した。
このように変更したのは、本出願の発明者が、米国特許出願の経過情報および内容情報と、特許権の維持率との関係を統計的手法により分析を行った結果、特許権の維持率と、図19および図20に示す情報とが密接に関係していることを見出したためである。そして、特許権の維持率の高い特許は、企業等の特許権者にとり重要で価値が高いものと推定できるため、第5変形例では、図19および図20に示す情報を利用し、特許の価値を評価するようにした。すなわち、第5変形例は、米国出願の傾向を考慮し、価値評価に利用する経過情報および内容情報を上記の実施形態のものから変更するようにした。
このようにしたのは、本出願の発明者が、上述した分析を行った結果、内容情報と特許権の維持率との関係が、経過情報と特許権の維持率との関係と同様程度であることを見出したためである。
具体的には、記憶装置2に、図19に示す経過情報230と、図20に示す内容情報240とを格納しておく。そして、評価値算出部120は、経過情報230および内容情報240を利用して、後述する図21および図22に示す処理ステップを実行し、特許データを評価する。なお、第5変形例の機能は、上記実施形態と同様、図2に示すハードウェアにより実現されるものとする。
図示するように、経過情報230は、「特許データID(公報番号等)」を登録するためのフィールド2300と、「出願日からの経過日数」を登録するためのフィールド2305と、「登録日からの経過日数」を登録するためのフィールド2310と、「仮出願」の有無を示す情報を登録するためのフィールド2312と、「再審査請求」が行われた回数を示す情報を登録するためのフィールド2315と、「分割出願」の回数を示す情報を登録するためのフィールド2320と、「継続出願」の回数を示す情報を登録するためのフィールド2325、「一部継続出願」の回数を示す情報を登録するためのフィールド2330と、「優先権」の回数を示す情報を登録するためのフィールド2335と、「被引用回数」を示す情報を登録するためのフィールド2340とを備えて、1つのレコードが構成される。なお、経過情報230は、複数のレコードよりなる。
フィールド2330には、フィールド2300に登録された特許IDを持つ特許データに対して行われた「一部継続出願」の回数が与えられる。フィールド2335には、「優先権」の基礎出願の件数をもって、フィールド2300に登録された特許IDを持つ特許データに対して行われた「優先権」の回数が与えられる。フィールド2340に登録される情報は、上記実施形態のものと同じである。
なお、第5変形例では、経過情報230は、予め、記憶装置2に格納されているものとする。
例えば、仮出願に基づく特許出願の方が、仮出願に基づかない特許出願よりも特許維持率が高い傾向にある。また、例えば、再審査請求の回数が多い特許の方が、再審査請求の少ない特許よりも特許維持率が高い傾向にある。同様に、分割出願の回数が多い特許出願(或いは優先権の回数が多い出願)の方が、分割出願の回数が少ない出願よりも特許維持率が高い傾向にある。
従って、分割出願、継続出願、一部継続出願は、これらの回数を上述の[数3]による評価点の算出に用いるのが好ましい。
また、仮出願(及び必要に応じて外国優先権)は、その有無を上述の[数1]による評価点の算出に用いるのが好ましい。なお、[数1]に一定の補正係数を乗算して評価点としても良い。
図20は、本実施形態の第5変形例で利用する内容情報のデータ構成の一例を模擬的に示した図である。
図示するように、内容情報240は、「特許データID(公報番号等)」を登録するためのフィールド2400と、その特許データの「請求項数」を登録するためのフィールド2405と、「独立請求項当たりの平均単語数」を登録するためのフィールド2410と、その特許データの「独立請求項の割合」を登録するためのフィールド2415と、「発明の名称の単語数」を登録するためのフィールド2420と、その特許データの「全文の単語数」を登録するためのフィールド2425と、その特許データの「発明者の数」を登録するためのフィールド2430と、その特許データの「代理人の数」を登録するためのフィールド2435と、「図面枚数」を登録するためのフィールド2440とを備えて1つのレコードが構成される。なお、内容情報240は、複数のレコードよりなる。
例えば、米国特許出願では、「請求項数」が多い特許出願の方が「請求項数」が少ない特許出願よりも特許維持率が高い傾向にある。なお、「独立請求項の平均単語数」および「独立請求項の割合」は、少ないほど特許維持率が高い傾向にある。
第5変形例では、経過情報230および内容情報240を、予め、記憶装置2に格納しておくようにするため、初期設定フェーズA1を行う必要はない。また、第5変形例は、特許評価フェーズA2の中のS220以外の処理ステップは、上記実施形態のものと同じ処理を行う(図3参照)。なお、第5変形例は、評価対象の特許データとして米国特許公報を利用するようにしているため、S200のグループの指定を「USPCクラス」や「USPCサブクラス」で受け付けるようにするとよい。
以下、第5変形例のうち上記実施形態と異なる処理を中心に説明する。
先ず、評価値算出部120は、S210の分類によって生成されたグループに属する特許データ200の内容情報240を取得する(S3000)。ここでは、取得した1つのグループがJ件の特許データの内容情報240であるものとする。また、J件のそれぞれを区別するため添え字j(j=1,2,・・・,J)を用いる。また、説明を簡単にするため、1つのグループ(J件の特許データのグループ)の内容情報240の評価点を算出する場合の例を示す。
なお、内容情報が「独立請求項の平均単語数」の場合、および「独立請求項の割合」の場合の処理については後述する。
「請求項数」については5、
「発明の名称の単語数」については3、
「全文の単語数」については2、
「発明者の数」については2、
「代理人の数」については2、
「図面枚数」については2
とする。
ここで、「Σ(出願)」を用いたのは、母集団の影響を考慮したものであるとともに、出願件数という特許公報に共通の要素を媒介として分母にとることにより、経過情報と内容情報とを規格化するためである。
また、「Σ(出願)」の正の平方根で除算しているのは、母集団間の格差を緩和する目的があるとともに、経過情報の評価項目とのバランスをとるためである。つまり、経過情報の評価項目についての評価点は上述の[数1]や[数2]にあるように該当有無データ(例えば該当なら1、非該当なら0)の合計値の正の平方根で除算しているため、当該グループにおける出願件数が多いほど経過情報の評価項目についての評価点が小さくなりやすい。内容情報についても同様の調整を行わないと、当該グループにおける出願件数が多いほど、算出される評価素点に対する内容情報の評価項目についての評価点の比重が高くなりすぎてしまうおそれがあるため、内容情報については「Σ(出願)」の正の平方根で除算することとしている。
また、補正係数を乗算しているのは、内容情報毎に維持率との相関の有意性が異なるためである。
このように、S3005、3006、3007により、グループの中で平均以上の内容情報njだけを加点対象とするようにした(なお、「独立請求項の平均単語数」、および「独立請求項の割合」については、後述の通り、平均以下のものを加点対象としている)。このようにしたのは、本出願の発明者が、平均より小さい値の内容情報(「独立請求項の平均単語数」、および「独立請求項の割合」は除く)を利用した場合に、評価値の精度が悪くなることを見出したためである。
具体的には、評価値算出部120は、変数jが「j≧J」を満たすか否かを判定し、「j≧J」を満たせば、すべての特許データjの内容情報についての処理を行っていると判定して、図22の処理の処理に移る。
一方、評価値算出部120は、「j≧J」を満たさなければ、変数jをj+1にセットし(S3010)、S3004に戻って次の特許データの内容情報についての処理を行う。
具体的には、図21の処理が終わると、評価値算出部120は、経過情報230を用いて、図22の処理ステップを行い、各特許データの評価素点を求め、その評価素点を対数化する。なお、図22に示す処理は、図10に示すS230の処理の一部を変更した点と、S224の前に、S2235の処理を付加した点以外は、図10のものと同じである。そのため、以下では、図10のS230を変更したS2230の処理と、S2235の処理とを説明し、図10と同じ処理の説明は省略する。
具体的には、S2230Cでは、内容情報による補正を行わないようにする。すなわち、評価値算出部120は、フィールド2305、2310に登録された情報と、時間減衰型の評価算出方法である上述した(数2)とを用いて、評価点を求める。その評価点に対して内容情報による補正を行わない。そして、評価値算出部120は、S2230の処理を終えると、S2235に進む。
なお、経過情報230のうち、フィールド2312に登録された情報は、有無型の評価算出方法であるS223Bで利用される。また、フィールド2315、2320、2325、2330、2335、2340に登録される情報は、回数型の評価算出方法であるS223Dで利用される。
具体的には、次のように、内容情報を経過情報と同等に評価に組み込むのが好ましい。
なお、第5変形例では、米国特許の傾向を考慮した特許評価の例を示したが、あくまでもこれは例示である。例えば、各国の特許公報の傾向に応じて、評価に利用する、経過情報および内容情報を選定するようにすれば、各国特許の傾向を考慮した特許評価ができるようになる。
また、第5変形例において、内容情報が「独立請求項の平均単語数」の場合、および「独立請求項の割合」の場合は、S3004において(数9)で求めた正規化した内容情報の(sj)に「−1」を乗算し、次の値Sjを求める。
Sj=−sj
つまり、対数正規化した値sjが平均(0)未満である場合に、値Sjが0を超える。そして、S3005において値Sj=−sjが「0」より大きいか否かを判定する。このようにしたのは、「独立請求項の平均単語数」、および「独立請求項の割合」は、その値が小さいほど、その特許データの特許権の維持率が高くなる傾向にあるためである。すなわち、「sj」の符号を反点させることにより、以下のステップにおいて、平均より少ないものが加点されるようにしている。そして、値Sjが0を超える場合に、S3006において次式で求められる値を評価点とする。
「独立請求項の平均単語数」については5、
「独立請求項の割合」については2
とする。
また、第5変形例において、英語圏以外の言語の国の出願人の特許データについては、評価対象の内容データ240に補正を行うようにしてもよい。これは、母国語からの翻訳により、単語数が多くなり過ぎたり、或いは、少なくなり過ぎたりすることがあり、英語圏の国の出願人の特許データと単純に比較できないためである。例えば、日本の出願を基礎とする優先権主張出願においては、「独立請求項の平均単語数」と、「発明の名称の単語数」は、平均付近で維持率が高い傾向にある。そこで、日本の出願を基礎とする優先権主張出願については、上述の対数正規化した値sj(数9)を用いる点は上述と同様であるが、値sjを用いて以下の値Sjを算出する。
Sj=exp(−(sj2/2))−exp(−0.5)
つまり、|sj|=1(標準偏差)の場合にSj=0となり、sj=0(平均)付近の場合にSjは正数となり、|sj|<1の場合にSjは負数となる。
そして、S3005において値Sjが0を超える場合に、S3006において上記(数10B)で求められる値を評価点とする。
補正係数は例えば上述の通り、
「独立請求項の平均単語数」については5、
「発明の名称の単語数」については3
とする。
図24に、USPCの階層構造の一例を示す。USPCは、数百のクラス及びそれぞれに対する下層のサブクラスによって構成される階層的分類体系である。サブクラスも、上層から第1サブクラス、第2サブクラス、第3サブクラス、…と階層構造になっている。一般に、上層の分類ほど広い技術領域を規定し、下層の分類ほど狭い技術領域に限定される。ある特許が、上層の分類で規定された技術領域には含まれるがその配下の下層分類の何れにも属さない場合は、当該上層の分類番号のみを付与される。以下では、信頼性が高い評価値を求めるために望ましい規模X=5000件、最低限度の規模Y=1000件とした場合を例として説明する。
次に、上記第2サブクラスまで特定したUSPCコードにより記憶装置を検索し、ヒットした特許を母集団としてその件数をカウントする。図24の例では、例えば「段階0」で示す部分が母集団となる。この母集団件数を閾値X(=5000件)と比較し、母集団件数がX以上である場合は(S1802:YES)、当該母集団を分析対象母集団として確定し(S1803)、母集団形成処理を終了する。母集団件数がXに満たない場合は(S1802:NO)、次に述べるように下層への拡張処理に移行する。
一方、母集団内に最下層サブクラスを含む場合(S1804:YES)、上層への拡張処理に移行する。
一方、母集団内にクラスを含む場合(S1806:YES)、それ以上上層へは拡張できないので、クラス間結合処理に移行する。
類似クラスを母集団に追加するには、まず、母集団が属するUSPCのクラスの情報を用いてコンコーダンス情報を検索し、対応するIPCコードを取得する。そして、取得したIPCコードを用いてコンコーダンス情報を検索し、対応するUSPCコードを取得する。取得したUSPCコードの中に、母集団に含まれていないクラスがあれば、それを母集団が含まれるクラスに類似するクラスとして、新たに母集団に加えることができる。こうして取得した類似クラスは、もとの母集団が属するクラスと異なるものではあるが、同じIPCコードに対応する点で類似するものであり、母集団を拡張しても技術領域を大幅に変更してしまうことにはならない。
この新たな母集団件数を閾値X(=5000件)と比較し、新たな母集団件数がX以上である場合は(S1810:YES)、当該新たな母集団件数が、一段階だけ拡張前の母集団件数の倍以下であるか否かを判定する。
一方、上記新たな母集団件数が、一段階だけ拡張前の母集団件数の倍以下である場合には(S1811:YES)、母集団拡張により異分野混入のリスクがある割には母集団件数が大して充実していないことになるので、一段階だけ拡張前の母集団に戻して(S1812)分析対象母集団として確定し(S1803)、母集団形成処理を終了する。
しかし、以上の母集団形成処理によれば、母集団の拡張処理を行うことで、適切な規模の母集団を抽出することができる。また、IPCとのコンコーダンスを利用することにより、USPCの類似クラスを自動抽出することができる。
つぎに、本実施形態の第6変形例を説明する。
まずは、第6変形例を実現するハードウェアを説明する。第6変形例は、上記実施形態と同様、図2に示すハードウェアにより実現される。
具体的には、補助記憶装置12に、スコア算出部140の機能を実現するためのプログラム(スコア算出プログラム)を格納しておく。そして、スコア算出部140の機能は、CPU10が補助記憶装置12に格納されているスコア算出プログラムを実行することにより実現される。
上記の実施形態では、評価値算出部120は、経過情報210および内容情報220から求めた評価値を視覚的に見易くするため、対数化するようにしている。しかし、特許データの分析者が、各特許の優劣差を把握したい場合、対数化されているデータでは優劣差が圧縮されているため把握しにくいこともある。そのため、第6変形例では、スコア算出部140を設けるようにして、パテントスコアを逆対数化して、特許データ間の優劣の分析を容易にした。
図示するように、情報処理装置1bは、図1の情報処理装置1が有する機能に、さらに、スコア算出部140が付加されている。このスコア算出部140は、分析者からの要求に応じて、偏差値算出部125により算出されたパテントスコアの加重スコアを求める。
つぎに、スコア算出部140は、上記の求めた差分を規格化し(S3103)、その規格化した値を指数化した値を加重スコアとして算出する(S3104)。
なお、本変形例では、S3102〜S3104で行った、差分や規格化の手法について特に限定しないが、例えば、以下に示す(数12)を利用して、取得したパテントスコアの加重スコアを求めるようにしてもよい。
つぎに、本実施形態の第7変形例を説明する。
第7変形例は、上述した第6変形例の情報処理装置1が有するスコア算出部140の機能を変更したものである。具体的には、第7変形例は、第6変形例のスコア算出部140の機能に、2種類の指標を求める機能を付加した。
本変形例で求める2種類の指標は、総有効特許加重ストックスコア(以下では「WSS」という)、および有効特許加重スコア平均(以下では「WSA」という)である。これらの指標(WSS、WSA)は、各企業の総合的な技術力等を分析するために利用されることを想定している。なお、以下では、第6変形例と同じ構成の説明は省略する。
総有効特許加重ストックスコア(WSS)
=[{log(Σ特定企業の有効特許(加重スコア×残存年数))−業界内平均}/業界内標準偏差]×100+500
つまり、各特許について加重スコアと残存年数とを乗算したものを、特定企業が保有する現在有効な特許権全部で合計し、求められた合計値を対数化し(自然対数が好ましい)、業界内で正規化したものが総有効特許加重ストックスコア(WSS)である。業界内で正規化することにより、異業種間での比較も可能となる。
なお、式「Σ条件A B」は、条件Aに該当する特許についてBの総和を算出する処理を表すものとする。残存年数は、日本の特許権の場合はデータ取得部が経過情報から出願日又はこれに含まれる出願年号を取得し、評価値算出部が(出願年号+20年−現在年号)で算出する。現在有効な特許権であるかどうかは、経過情報に基づいて予め評価値算出部が判定しておき、判定結果を記憶装置に記憶しておくのが好ましい。
図示するように、スコア算出部140は、ユーザからWSSを算出する対象業種の指定を受け付け、その指定された業種について、業種毎に、その業種に属する特許データ(i(iは1以上の整数))を取得する(S3200)。なお、ここでは説明を簡単にするため、1つの業種(例えば、電機産業)の指定を受け付け、その業種の特許データ(i)を取得したものとする。
また、以下の説明では、取得した特許データ(i)の総数がI(iは1以上の整数)であるものとする。また、取得した特許データ(i)に含まれる出願人を「j(iは1以上の整数)」で示し、その出願人の総数がJ(iは1以上の整数)であることとする。
このように、S3210〜S3213の処理を行うことにより、指定された業種に属する出願人毎にWSS素点対数(j)が求められる。
S3216では、スコア算出部140は、指定された業種内での「WSS素点対数(j)」の標準偏差(σ)を算出する。
また、標準化の手法について特に限定しないが、例えば、以下の(式14)により「WSS素点対数(j)」の標準化を行うようにしてもよい。
なお、規格化の手法について特に限定しないが、例えば、以下の(式15)により「標準化WSS素点対数(j)」の規格化を行うようにしてもよい。
因みに、個々の特許の残存年数の長さで資産としてのストックの量は異なる。そのため、残存年数を各企業について算出することにより、各企業が現在保有する特許資産の大きさを評価することができる。
有効特許加重スコア平均(WSA)
=[{log((Σ特定企業の有効特許 加重スコア)/特定企業の有効特許件数)−業界内平均}/業界内標準偏差]×10+50
加重スコアを特定企業が保有する現在有効な特許権全部で合計して当該特定企業の有効特許件数で除算して平均を求め、求められた平均値を対数化し(自然対数が好ましい)、業界内で正規化したものが有効特許加重スコア平均(WSA)である。業界内で正規化することにより、異業種間での比較も可能となる。
なお、有効特許データとは、特許権として登録されている特許出願のデータ(存続期間が満了したものを除く)、および特許庁に係属中の特許出願のデータをいう。
つぎに、スコア算出部140は、図28のS3205と同様の手順にしたがい、カウンタiが「I」より小さいか否かを判定し(i<I)、カウンタiが「I」より小さければ、カウンタiに「1」を加算し(S3305)、S3302の処理に戻る。一方、スコア算出部140は、カウンタiが「I」以上であれば、S3304に進む(S3303)。
このように、S3310〜S3314の処理を行うことにより、指定された業種に属する出願人毎にWSA素点対数(j)が求められる。
S3317では、スコア算出部140は、指定された業種内での「WSA素点対数(j)」の標準偏差(σ)を算出する。
また、標準化の手法について特に限定しないが、例えば、以下の(式17)により「WSA素点対数(j)」の標準化を行うようにしてもよい。
なお、規格化の手法について特に限定しないが、例えば、以下の(式18)により「WSA素点対数(j)」の規格化を行うようにしてもよい。
また、WSAを参照することで、その業種内において各企業の持つ特許の平均的な価値を比較することができる。これにより、たとえ規模が小さくても優れた技術を持つ企業を適切に評価することができる。
つぎに、本実施形態の第8変形例を説明する。
第8変形例は、上述した実施形態の情報処理装置1が有する評価値算出部120の機能を一部追加しものである。評価値算出部120以外の構成は、上記実施形態のものと同じである。そのため、以下では、異なる部分を中心に説明する。なお、評価値算出部120は、上記実施形態のものと一部機能が異なるが、説明の便宜上、同じ符号を用いる。
なお、第8変形例では、記憶装置2に過去の経過情報210も格納しておくものとする。
図に示すように、ごく一部を除くほとんどの受賞特許は全体の平均値(50)を超える評価値を有しており、受賞特許での平均を見ると約65〜70程度のかなり高い評価値を有していることがわかる。この評価値は、各特許データの経過情報及び内容情報による計算結果であり、受賞歴など一切考慮しなかったものであるが、各種発明賞での評価と同様の高評価となった。
図に示すように、ごく一部を除くほとんどのパテントプール対象特許は全体の平均値(50)を超える評価値を有しており、対象特許での平均を見ると何れも60以上とかなり高い評価値を有していることがわかる。この評価値は、各特許データの経過情報及び内容情報による計算結果であり、パテントプール対象特許であるか否かなど一切考慮しなかったものであるが、重要特許であることを示す高評価となった。
また、上記実施形態では、分析対象母集団とする特許データをIPCコードで指定された特許群としたが、特にこれに限定されるものではない。IPCコードで指定された特許群以外でも、技術内容の関連する特許群、例えば、ある特許に対する類似度上位所定件数の特許群としてもよい。
また、上記実施形態では、分析対象母集団を出願年ごとのグループに分類するものとしたが、特にこれに限定されるものではない。例えば、優先日が属する年ごとでもよい。また、1年ごとに限らず、半年ごと、月ごとでも良いし、複数年ごとでも良い。
また、上記実施形態では、各グループに属する各特許データの特許属性情報を利用して求めた値に、該グループ毎に所定値を合計した値の減少関数の値を乗算して評価点を算出するものとしたが、特にこれに限定されるものではない。例えば、早い時期の同時期グループには軽く、遅い時期の同時期グループには重くするなどの重み付けでもよい。
また、上記実施形態では、評価点の二乗和の平方根を評価素点としたが、特にこれに限定されるものではない。例えば、複数種類の評価点をそれぞれα乗し、これらの和を[1/α]乗(但しα>1)した値としてもよい。
また、上記実施形態では、処理装置1の各機能部(制御部100、データ取得部105、初期設定部110、データ分類部115、評価値算出部120、偏差値算出部125、および出力部130)がソフトウェアにより実現される場合を例にしたが、特にこれに限定されるものではない。処理装置1の各機能部は、各機能部を実行するために専用に設計された回路(ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等)により実現されてもよい。
また、上記実施形態では、所定行為の有無を示す情報、特許データの引用回数を示す情報、および特許データの期間に関する情報を利用して、特許データの評価値を算出するようにしているが特にこれに限定されるものではない。特許データの評価値の算出に、所定行為の有無を示す情報、特許データの引用回数を示す情報、および特許データの期間に関する情報のうちの少なくとも1つを利用することとしてもよい。この場合には、記憶装置2に格納する経過情報は、所定行為の有無を示す情報、特許データの引用回数を示す情報、および特許データの期間に関する情報のうちの少なくとも1つでよい。
また、上記実施形態では、情報処理装置1が、評価対象の特許公報類等の特許データを記憶装置2から取得する場合を例にしたが、特にこれに限定するものではない。例えば、情報処理装置1は、インターネット等のネットワークを介して、外部の情報提供サーバと通信を行い、外部の情報提供サーバから、特許データを取得するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、特許データの評価に、図8に示した内容情報220の中から、特許データの請求項当たりの平均文字数と、特許データの頁数と、特許データの請求項と、を利用する場合を示したが、特にこれに限定するものではない。特許データの評価に、図8に示した内容情報のうち少なくとも1つを利用するようにしてもよい。また、図8示した内容情報は、あくまでも例示であり、他のもの(例えば、出願人数、発明者数等)を用いてもよい。
また、上記実施形態では、初期設定フェーズA1において、特許データの評価に利用する経過情報210および内容情報220を加工し、記憶装置2に格納する場合について説明したが、特にこれに限定されるものではない。情報処理装置1が、経過情報210および内容情報220を外部の装置から取得するようにしてもよい。なお、この場合には、初期設定フェーズは不要になる。
Claims (19)
- 複数の特許データを記憶していると共に、該特許データ各々の技術分野の情報と出願日の情報又は優先日の情報と経過情報に基づく数値情報とを含む特許属性情報を記憶している特許データベースに、アクセス可能な特許評価装置であって、
技術分野の指定を受け付ける手段と、
前記指定された技術分野に属する複数の特許データ、および該特許データ各々の特許属性情報を前記技術分野の情報に基づき前記特許データベースより取得する手段と、
前記取得した各特許データを前記出願日の情報又は前記優先日の情報に基づき所定期間毎のグループに分類する手段と、
前記グループ毎に、該グループに属する各特許データの前記経過情報に基づく数値情報と、該グループに属するすべての特許データの前記経過情報に基づく数値情報の合計値の減少関数の値とを乗算することにより、該特許データ各々の評価点を算出する評価点算出手段と、を有すること
を特徴とする特許評価装置。 - 請求項1に記載の特許評価装置であって、
前記経過情報に基づく数値情報には、前記特許データに対する所定行為の有無を示す情報、該特許データの引用回数を示す情報、および該特許データの期間に関する情報のうちの少なくとも1つが含まれていて、
前記評価点算出手段は、前記所定行為の有無を示す情報、前記引用回数を示す情報、および前記期間に関する情報のうちの少なくとも1つを用いて、前記特許データ各々の評価点を算出すること
を特徴とする特許評価装置。 - 請求項1に記載の特許評価装置であって、
前記経過情報に基づく数値情報には、少なくとも、前記特許データに対する所定行為の有無を示す情報、該特許データの引用回数を示す情報、および該特許データの期間に関する情報が含まれていて、
前記評価点算出手段は、前記所定行為の有無を示す情報を用いて第1評価点を算出し、前記引用回数を示す情報を用いて第2評価点を算出し、前記期間に関する情報を用いて第3評価点を算出するものであり、
前記第1評価点、前記第2評価点、および前記第3評価点の二乗和の正の平方根を算出することにより、前記特許データ各々の評価値を算出する評価値算出手段を更に有すること
を特徴とする特許評価装置。 - 請求項2又は3に記載の特許評価装置であって、
前記所定行為の有無を示す情報には、分割出願の有無、早期審査請求の有無、拒絶査定不服審判における特許審決の有無、特許異議申立てにおける維持決定の有無、無効審判における維持審決の有無、優先権主張の有無、PCT出願の有無、および包袋閲覧の有無を示す情報のうちの少なくとも1つが含まれていて、
前記引用回数を示す情報には、拒絶理由通知書における被引用回数の情報が含まれていて、
前記期間に関する情報には、該特許データに対する手続日の情報が含まれていること
を特徴とする特許評価装置。 - 請求項1に記載の特許評価装置であって、
前記特許属性情報には、前記特許データの内容情報に基づく数値情報が更に含まれていて、
前記経過情報に基づく数値情報には、少なくとも、前記特許データに対する所定行為の有無を示す情報および該特許データの引用回数を示す情報のうちの何れかと、該特許データの期間に関する情報とが含まれていて、
前記内容情報に基づく数値情報には、請求項数、全頁数、および請求項あたりの平均文字数乃至単語数のうちの少なくとも1つが含まれていて、
前記評価点算出手段は、
前記所定行為の有無を示す情報および前記引用回数を示す情報のうちの何れかを用いて第1又は第2評価点を算出し、且つ、
前記期間に関する情報を用いて第3評価点を算出し、前記内容情報に基づく数値情報と所定の閾値との大小関係を判定し、該大小関係に基づく所定の定数を前記第3評価点に乗算することにより前記第3評価点の補正値を算出するものであり、
前記第1又は第2評価点の少なくとも何れか及び前記第3評価点の補正値の、二乗和の正の平方根を算出することにより、前記特許データ各々の評価値を算出する評価値算出手段を更に有すること
を特徴とする特許評価装置。 - 請求項3又は5に記載の特許評価装置であって、
前記評価値算出手段は、更に前記特許データ各々の評価値の対数を算出し、この算出された対数の前記取得した所定技術分野の特許データ全体で標準化した値を標準化評価値として算出すること
を特徴とする特許評価装置。 - 請求項1〜6の何れか一項に記載の特許評価装置であって、
前記経過情報に基づく数値情報には、少なくとも、当該特許データが他社の特許出願の審査において引用された回数を示す情報と、当該特許データが自社の他の特許出願において引用された回数を示す情報とが含まれていて、
前記評価点算出手段は、前記他社の特許出願の審査において引用された回数の影響を前記自社の他の特許出願の審査において引用された回数より大きく受ける増加関数の値を算出することにより、前記特許データ各々の評価点を算出すること
を特徴とする特許評価装置。 - 複数の特許データを記憶していると共に、該特許データ各々の技術分野の情報と出願日の情報又は優先日の情報と経過情報に基づく数値情報とを含む特許属性情報を記憶している特許データベースにアクセス可能な情報処理装置が行う特許データの評価方法であって、
技術分野の指定を受け付けるステップと、
前記指定された技術分野に属する複数の特許データ、および該特許データ各々の特許属性情報を前記技術分野の情報に基づき前記特許データベースより取得するステップと、
前記取得した各特許データを前記出願日の情報又は前記優先日の情報に基づき所定期間毎のグループに分類するステップと、
前記グループ毎に、該グループに属する各特許データの前記経過情報に基づく数値情報と、該グループに属するすべての特許データの前記経過情報に基づく数値情報の合計値の減少関数の値とを乗算することにより、該特許データ各々の評価点を算出するステップと、を実行すること
を特徴とする特許データの評価方法。 - 複数の特許データを記憶していると共に、該特許データ各々の技術分野の情報と出願日の情報又は優先日の情報と経過情報に基づく数値情報とを含む特許属性情報を記憶している特許データベースにアクセス可能な情報処理装置に特許データを評価する処理を実行させるプログラムであって、
前記プログラムは、
技術分野の指定を受け付ける処理と、
前記指定された技術分野に属する複数の特許データ、および該特許データ各々の特許属性情報を前記技術分野の情報に基づき前記特許データベースより取得する処理と、
前記取得した各特許データを前記出願日の情報又は前記優先日の情報に基づき所定期間毎のグループに分類する処理と、
前記グループ毎に、該グループに属する各特許データの前記経過情報に基づく数値情報と、該グループに属するすべての特許データの前記経過情報に基づく数値情報の合計値の減少関数の値とを乗算することにより、該特許データ各々の評価点を算出する処理と、を前記情報処装置に実行させること
を特徴とするプログラム。 - 請求項2〜6の何れか一項に記載の特許評価装置であって、
前記経過情報に基づく数値情報のうち前記引用回数を示す情報には、少なくとも、当該特許データが他の特許出願の審査において引用された回数を示す情報と、当該他の特許出願が更に別の特許出願で引用された回数を示す情報とが含まれていることを特徴とする特許評価装置。 - 請求項2〜6の何れか一項に記載の特許評価装置であって、
前記経過情報に基づく数値情報のうち前記所定行為の有無を示す情報には、分割出願の原出願であるか否かの情報が含まれていること
を特徴とする特許評価装置。 - 請求項3又は5に記載の特許評価装置であって、
前記評価値算出手段により算出された複数の特許データの評価値を記憶する評価値記憶手段と、
所定の母集団に属する特許データの評価値を前記評価値記憶手段から取得すると共に、該取得した特許データの評価値の平均値を算出し、さらに、該取得した特許データ毎に、該特許データの評価値から、該算出した平均値を減算した値を求め、該減算した値を所定の正数値で除算した値の指数関数の値を加重スコアとして算出する加重スコア算出手段とを有することを特徴とする特許評価装置。 - 請求項12に記載の特許評価装置であって、
前記特許データには、該特許データの出願人及び業種に関する情報、並びに出願日に関する情報が含まれていて、
特許権の存続期間に関する情報を記憶する存続期間記憶手段と、
現在の日付に関する情報を記憶する現在日付記憶手段と、
前記加重スコア算出手段により算出された複数の特許データの加重スコアを記憶する加重スコア記憶手段と、
所定の業種の指定を受け付け、該受け付けた業種に属する出願人の特許データを前記出願人及び業種に関する情報に基づいて特定し、前記加重スコア記憶手段から、該業種に属する出願人の特許データの加重スコアを読み出す手段と、
前記読み出した業種に属する出願人の特許データの出願日に関する情報に前記存続期間を加算し、前記現在の日付に関する情報を減算することにより、該特許データの残存年数を算出し、該出願人の特許データの各加重スコアに該特許データの残存年数を乗算した値を求め、該出願人毎に、該求めた値の総和を算出すると共に、その総和を対数化する手段と、
前記業種に属する出願人毎に、前記対数化した値を標準化する手段とを有することを特徴とする特許評価装置。 - 請求項12に記載の特許評価装置であって、
前記特許データには、該特許データの出願人及び業種に関する情報が含まれていて、
前記加重スコア算出手段により算出された複数の特許データの加重スコアを記憶する加重スコア記憶手段と、
所定の業種の指定を受け付け、該受け付けた業種に属する出願人の特許データを前記出願人及び業種に関する情報に基づいて特定し、前記加重スコア記憶手段から、該業種に属する出願人の特許データの加重スコアを読み出す手段と、
前記読み出した業種に属する出願人の特許データ数を該出願人毎にカウントし、該出願人毎に、該加重スコアの総和を算出すると共に、該算出した総和を前記出願人の特許データ数で除算し、該除算した値を対数化する手段と、
前記業種に属する出願人毎に、前記対数化した値を標準化する手段とを有することを特徴とする特許評価装置。 - 請求項1〜7の何れか一項に記載の特許評価装置であって、
前記経過情報には、当該経過情報が付与された時期を示す情報が関連付けられていて、
分析時期を指定する情報を受け付ける手段を有し、
前記評価点算出手段は、前記分析時期の指定する情報を受け付けると、前記指定された分析時期より前に付された経過情報を利用して、前記特許データ各々の評価点を算出することを特徴とする特許評価装置。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載の特許評価装置であって、
前記特許データベースは、技術分野を上位の区分に分類し、該上位の区分をより下位の区分に分類し、該分類した区分毎に該区分を識別するコードであって該区分の上位の区分を識別する上位コードの末尾に所定の桁数を付加したコードを付し、各特許データに、前記上位コードを含んだ該区分を識別するコードを関連付けて記憶したものであって、
前記取得する手段は、
前記区分を指定するコードの入力を受け付け、
前記特許データベースにアクセスし、該受け付けたコードと関連付けられた特許データの数をカウントして、該カウントした数が所定値以上であれば、分析対象の特許データとして、前記受け付けたコードと関連付けられた特許データを取得し、該カウントした数が所定値より小さければ、所定値以上の特許データが含まれる区分が見つかるまで、前記受け付けたコードの末尾から前記所定の桁数を除去した上位コードを含むコードと関連付けられた特許データの数をカウントして、該カウントした数が該所定値以上であれば、分析対象の特許データとして該上位コードを含むコードと関連付けられた特許データを取得することを特徴とする特許評価装置。 - 請求項2又は3に記載の特許評価装置であって、
前記所定の行為の有無を示す情報には、分割出願の有無、早期審査請求の有無、拒絶査定不服審判における特許審決の有無、特許異議申立てにおける維持決定の有無、無効審判における維持審決の有無、優先権主張の有無、PCT出願の有無、および包袋閲覧の有無を示す情報のうちの少なくとも1つが含まれていて、
前記引用回数を示す情報には、拒絶理由通知書における被引用回数、異議証拠の被引用回数、異議採用証拠の被引用回数、審判請求証拠の被引用回数、審判採用証拠の被引用回数、分割出願の回数、優先権の回数、無効審判維持審決の回数のうちの少なくとも1つが含まれていて、
前記期間に関する情報には、該特許データに対する手続日が含まれていること
を特徴とする特許評価装置。 - 複数の特許データを記憶していると共に、該特許データ各々の技術分野の情報と出願日の情報又は優先日の情報と経過情報に基づく数値情報とを含む特許属性情報を記憶している特許データベースに、アクセス可能な特許評価装置であって、
前記経過情報に基づく数値情報には、前記特許データに対する所定行為の有無を示す情報、前記特許データに対する所定行為の回数を示す情報、および該特許データの期間に関する情報のうちの少なくとも1つが含まれていて、
前記所定行為の有無を示す情報には、仮出願の有無を示す情報が含まれ、
前記所定行為の回数を示す情報には、再審査請求が行われた回数、分割出願の回数、継続出願の回数、一部継続出願回数、優先権の回数、被引用回数のうちの少なくとも1つが含まれ、
技術分野の指定を受け付ける手段と、
前記指定された技術分野に属する複数の特許データ、および該特許データ各々の特許属性情報を前記技術分野の情報に基づき前記特許データベースより取得する手段と、
前記取得した各特許データを前記出願日の情報又は前記優先日の情報に基づき所定期間毎のグループに分類する手段と、
前記グループ毎に、該グループに属する各特許データの前記経過情報に基づく数値情報と、該グループに属するすべての特許データの前記経過情報に基づく数値情報の合計値の減少関数の値とを乗算することにより、該特許データ各々の評価点を算出する評価点算出手段とを有すること
を特徴とする特許評価装置。 - 請求項18に記載の特許評価装置であって、
前記特許データベースは、所定の技術分野に対し所定のコードを付し、前記所定の技術分野を更に限定した技術分野に対して前記所定のコードの末尾に所定の桁数を付加した下位コードを付し、各特許データに、前記所定のコード又は前記下位コードの何れかを関連付けて記憶したものであって、
前記取得する手段は、
分析対象の技術分野として前記コードの指定を受け付ける手段と、
前記特許データベースにアクセスし、該受け付けたコードと関連付けられた特許データの数をカウントし、該カウントした数が所定値以上であれば、分析対象の特許データとして、前記受け付けたコードと関連付けられた特許データを取得し、該カウントした数が所定値より小さければ、分析対象の技術分野を拡張した上で、分析対象の特許データを取得する母集団形成手段とを有し、
前記母集団形成手段は、前記分析対象の技術分野を拡張する場合、
前記受け付けたコードの末尾に所定の桁数を付加した下位コードを分析対象の技術分野として付加し、該受け付けたコードと関連付けられた特許データおよび該付加した下位コードと関連付けられた特許データの合計数をカウントする処理を、所定値以上の特許データがカウントされるまで行い、
前記所定値以上の特許データがカウントされると、分析対象の特許データとして、該受け付けたコードに関連付けられた特許データおよび該付加した下位コードに関連付けられた特許データを取得することを特徴とする特許評価装置。
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