JP4344729B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、リーンNO触媒を備えた内燃機関の制御装置に関し、詳しくは、燃焼音の増大やPMの排出を抑制しつつ、迅速かつ円滑なサルファパージを行うための技術に関する。
ディーゼル機関を搭載した自動車の排気系には、排気ガス中の窒素酸化物(以下、NOと記す)を還元浄化するNO吸蔵還元型のリーンNO触媒(lean NOx catalyst:以下、LNCと略称する)が設けられることがある。LNCは、バリウム等のNO吸蔵材とパラジウム等の触媒物質とをアルミナ等の担体に担持させたもので、排気ガスの空燃比(以下、排気A/Fと略称する)がリーンの時(すなわち、酸素濃度が高い時)に触媒物質によってNOを酸化して硝酸塩のかたちでNO吸蔵材に吸蔵し、排気A/Fがリッチの時(すなわち、酸素濃度が低い時)にNO吸蔵材からNOを放出すると同時にこれを触媒物質によって還元・無害化する機能を有する。
ディーゼル機関では大部分の運転領域において排気A/Fがリーンとなるため、定速運転等を続けるとNO吸蔵材に吸蔵されたNOの量が徐々に増大し、LNCのNO吸蔵能力が低下してしまう。そのため、リッチ状態でごく短時間運転する再生運転(リッチスパイク運転)を行うことで排気ガス中の還元剤(COやHC)の濃度を高め、NO吸蔵材からのNOの放出および還元を促進させてLNCのNO吸蔵能力を回復させるようにしている。
リッチスパイク運転は、コモンレール型ディーゼル機関の場合、燃料噴射タイミングやコモンレールの内圧、DBW(Drive By Wire System)を用いての吸気絞り量、EGR(Exhaust gas recirculation)弁の開度等、種々の運転パラメータを制御することによって行われる。一般に、リッチスパイク運転を行った場合、燃焼室内での燃焼状態が通常運転時から変化することで燃焼音が増大し、運転者が違和感を憶える等の問題が生じることがある。そこで、通常運転からリッチスパイク運転に移行する際の燃焼音の変化を抑制すべく、リッチスパイク運転時に、通常運転時と筒内圧の変化が近似するように運転パラメータを制御する技術が提案されている(特許文献1参照)。
一方、ディーゼル機関の燃料やエンジンオイルには硫黄分が含まれているため、排気ガス中には少量の硫黄酸化物(以下、SOと記す)が存在し、NO吸蔵材にはNOと同様の機序でこのSOも吸収される。NO吸蔵材にSOが吸収された場合、NO浄化性能が当然に低下するため、適切な時期にSO除去運転(以下、サルファパージ運転と記す)を行ってLNCからSOを除去しなければならない。SOはリーンNO触媒内で安定した硫酸塩を形成するため、NOのように単に排気A/FをリッチにしただけではLNCから放出されず、LNCの温度を所定の温度まで高める(昇温させる)ことが必要となる(特許文献2参照)。
特開2004−346844号公報 特開2005−23822号公報
サルファパージ運転を行うと、リッチスパイク運転時と同様に、燃焼室内での燃焼状態が通常運転時から変化して燃焼音が増大することが多い。この際、特許文献2の方法を採る、すなわち、通常運転時と筒内圧の変化が近似するような運転パラメータの制御(以下、燃焼音抑制制御と記す)を行うことで、通常運転からサルファパージ運転に移行する際の燃焼音の変化を抑制することが可能であるが、この場合には以下に述べる別種の問題が生じる。
サルファパージ運転は、比較的長時間かつ継続的にリッチ状態で行われるため、排気ガス中の粒子状物質(Particulate Matter:以下、PMと記す)の発生量が増大する。PMは、LNCの上流に設置されたDPF(Diesel Particulate Filter)により捕捉され、排気温度の上昇時にDPF内で燃焼する。ところが、サルファパージ運転時に燃焼音抑制制御を行った場合、DPF内でPMを燃焼させる温度に排気温度が到達せず、DPFの目詰まりによる背圧の上昇(出力の低下)やDPF再生運転インターバルの短縮等がもたらされる虞があった。
本発明は、上記状況に鑑みなされたものであり、燃焼音の増大やPMの排出を抑制しながら、迅速かつ円滑なサルファパージを実現した内燃機関の制御装置を提供することにある。
請求項1の発明に係る内燃機関の制御装置は、コモンレールと燃料噴射手段とを有するとともに排気通路にリーンNO触媒が設置された内燃機関に設けられ、前記リーンNO触媒に吸蔵された硫黄分を除去すべく、所定の条件下で前記内燃機関にサルファパージ運転を行わせる内燃機関の制御装置であって、前記内燃機関の燃焼音を検出する燃焼音検出手段を備え、前記サルファパージ運転時に、前記燃焼音検出手段が検出した燃焼音が第1燃焼音判定値を超えた場合、レール圧を低減させるとともに、パイロット噴射時期およびメイン噴射時期をリタードさせることで当該燃焼音を抑制する燃焼音抑制制御を実行することを特徴とする。
また、請求項2の発明に係る内燃機関の制御装置は、請求項1の発明に係る内燃機関の制御装置において、前記燃焼音抑制制御時に、前記燃焼音検出手段が検出した燃焼音が前記第1燃焼音判定値より小さい第2燃焼音判定値を下回った場合、前記レール圧を増大させることを特徴とする。
また、請求項3の発明に係る内燃機関の制御装置は、請求項1または請求項2の発明に係る内燃機関の制御装置において、前記内燃機関の排気ガス温度または前記リーンNO触媒の温度を検出する温度検出手段を更に備え、前記燃焼音抑制制御時に前記温度検出手段の検出温度が所定値以下となった場合、当該燃焼音抑制制御を中止することを特徴とする。
また、請求項4の発明に係る内燃機関の制御装置は、請求項1〜請求項3のいずれか一項の発明に係る内燃機関の制御装置において、前記レール圧の低減は、前記コモンレールに燃料を供給するサプライポンプによって行われることをことを特徴とする。
本発明によれば、燃焼音の増大やPMの排出を抑制しながら、迅速かつ円滑なサルファパージを行うことが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明が適用されたエンジンシステムの一実施形態を詳細に説明する。
図1は実施形態に係るエンジンシステムの概略構成図であり、図2はエンジンシステムの構成要素とエンジンECUとの接続状態を示すブロック図である。
≪実施形態の構成≫
図1に示すように、エンジンシステム1は、ディーゼルエンジン(内燃機関)Eを中核に、エアクリーナ2や吸気管3、吸気マニホールド4等からなる吸気系と、排気マニホールド5や排気管6等からなる排気系と、コモンレール7や電子制御式の燃料噴射弁8等からなる燃料供給系とを備えている。本実施形態では、車室内にエンジンシステム1を統括制御するエンジンECU(Electronic Control Unit:以下、単にECUと記す)9が設置される一方、運転席には運転者によって操作されるアクセルペダル10が設置されている。なお、エンジンEには、そのクランク角度を検出するクランク角センサ11と、気筒内の圧力を検出する筒内圧センサ12とが設置されている。また、アクセルペダル10には、その踏込量を検出するアクセルペダルセンサ13が付設されている。
吸気管3と排気管6との間には可変容量型ターボチャージャ(Variable Geometry Turbocharger:以下、VGターボと記す)21が設置され、排気ガスのエネルギーによって加圧された空気がエンジンEに常に供給される。また、吸気管3の管路には電子制御式のスロットル弁22が設置され、所定の運転領域でエンジンEの吸気量が絞られる。また、吸気管3と吸気マニホールド4との間には、低回転低負荷運転域等で流路断面積を絞って吸気流速が高めるべく、スワールコントロール弁23が設けられている。なお、吸気管3にには、VGターボ21の上流側に吸気流量を検出する吸気流量センサ24が設置され、VGターボ21の下流側に過給圧を検出する過給圧センサ25が設置されている。また、スロットル弁22には、その開度を検出するスロットル弁開度センサ26が付設されている。
スワールコントロール弁23と排気マニホールド5とは、高温の排気ガスを燃焼室に導くべく、排気ガス再循環(以下、EGRと記す)通路31を介して互いに連結されている。EGR通路31は、切換弁32を介して分岐されたクーラー通路31aとバイパス通路31bとからなっており、燃焼室に流入させる排気ガス(EGRガス)の量を調節するEGR弁33がその合流部に設けられている。なお、EGR弁33には、その開度を検出するEGR弁開度センサ34が付設されている。
排気管6の管路には、ディーゼル酸化触媒(Diesel Oxidation Catalyst:以下、DOCと記す)41と、DPF42と、LNC43とを、排気の流れに沿ってこの順に連設してなる排気浄化装置40が設置されている。なお、DOC41とDPF42との間には排気温度を検出する排気温センサ45が設置されている。また、LNC43には、その上流側にLNC温度センサ46、上流側LAF(Linear Air Fuel ratio)センサ47U、上流側NOxセンサ48Uが設置され、下流側に下流側LAFセンサ47L、下流側NOxセンサ48Lが設置されている。
コモンレール7には、エンジン駆動のサプライポンプ51により、燃料タンク52内の燃料が所定の圧力をもって圧送される。なお、コモンレール7には、その内圧(以下、レール圧と記す)を検出するレール圧センサ53が付設されている。
ECU9は、マイクロコンピュータやROM、RAM、周辺回路、入出力インタフェース、各種ドライバ等から構成されている。図2に示すように、ECU9には各センサ(クランク角センサ11や筒内圧センサ12等)からの検出信号が入力する一方、ECU9からはエンジン制御機器(燃料噴射弁8やVGターボ21等)への駆動信号が出力される。
≪実施形態の作用≫
エンジンシステム1が起動されると、ECU9は、図3のフローチャートにその手順を示すサルファパージ制御が所定の処理インターバル(例えば、10ms)で繰り返し実行される。
ECU9は、サルファパージ制御を開始すると、先ず、図3のステップS1で初期値0のサルファパージ開始フラグFspが1であるか否かを判定する。サルファパージ制御の開始直後はこの判定が当然にNoとなるため、ECU9は、ステップS2においてLNC43のSOx被毒量の推定と、サルファパージに必要な還元剤量(必要還元剤量)の算出とを行う。
SO被毒量は、図4に示すようにNO浄化率と逆比例の関係にあり、NO浄化率が高いとSO被毒量は小さく、SO被毒が進行するとNO浄化率は低下するため、NO浄化率の低下度合いからSO被毒量を推定することができる。ここで、NO浄化率は、LNC43の上流側に設置された上流側NOセンサ48Uの出力と、下流側に設置された下流側NOセンサ48Lの出力との比率を求めることで算出できる。また、必要還元剤量は、図5に示すようにSO被毒量と正比例の関係にあるため、SO被毒量から算出できる。なお、SO被毒量は、走行距離、運転時間、燃料消費量等からも推定することができる。
ECU9は、次に、ステップS3でSO被毒量が予め設定した判定値を超えたか否かを判断し、この判定がNoであれば、スタートに戻ってステップS1〜S3の処理を繰り返す。
長期間の運転によりLNC43のSO被毒量が増大し、ステップS3の判定がYesになった場合、ECU9は、ステップS4でサルファパージ開始フラグFspを1とした後、ステップS5でLNC温度センサ46から入力したLNC温度TLNCが第1温度判定値T1(例えば、600℃)を超えているか否かを判定する。第1温度判定値T1は排気ガス中のPMがDPF42内で燃焼可能と推定できる温度であり、LNC温度TLNCが第1温度判定値T1を超えていれば、排気A/FをリッチにしてもPMによるDPF42の目詰まり等が起こり難い。なお、ステップS5の判定は、排気温センサ45から入力した排気温度Texに基づいて行ってもよい。
<昇温制御>
LNC温度TLNCが第1温度判定値T1より低く、ステップS5の判定がNoとなった場合、ECU9は、ステップS6に移行して、図6のフローチャートにその手順を示す昇温制御を実行する。
昇温制御を開始すると、ECU9は、先ず、図6のステップS21で初期値0のマップ選択フラグFmapが1であるか否かを判定する。昇温制御の開始直後はこの判定が当然にNoとなるため、ECU9は、ステップS22において昇温用マップの選択を行った後、ステップS23でマップ選択フラグFmapを1とする。
昇温用マップは、燃料噴射弁8による燃料噴射量や燃料噴射時期の他、VGターボ21による過給圧、スワールコントロール弁23による燃焼室内のスワール強度、サプライポンプ51によるレール圧、スロットル弁22による新規吸入空気量等を排気温度を上昇させるようにマッピングしたものである。昇温用マップが選択された場合、メイン噴射タイミングの遅角、ポスト噴射の増量、吸入空気量の減量等が行われ、排気A/Fがリッチとなると同時に排気温度も上昇して低負荷運転領域等であってもサルファパージが可能となる。
ステップS23でマップ選択フラグFmapを1とした後、ECU9は、ステップS24で、クランク角センサ11から入力したクランク軸回転速度と、アクセルペダルセンサ13から入力したアクセルペダル10の操作量、すなわちエンジンEの運転負荷に基づき、図示しない領域判別マップから現在の運転状態がポスト噴射領域にあるか否かを判定する。
エンジンEが低回転・低負荷運転領域にあり、ステップS24の判定がYesとなった場合、ECU9は、ステップS25で第1L/Rタイマ(例えばリーン5秒(L1)/リッチ30秒(R1))を起動し、スロットル弁22の開度等を制御して吸気流量を変化させることで、排気A/Fが所定値よりも高い(吸気量が相対的に多い)リーン状態と、A/Fが所定値よりも低い(吸気量が相対的に少ない)リッチ状態とを一定の周期で交互に反復させる。
次に、ECU9は、ステップS26でLNC温度TLNCが第1温度判定値T1を超えているか否かを判定する。昇温制御開始直後でこの判定がNoであった場合、ECU9は、ステップS27でポスト噴射量を増量し、未燃HC濃度を高めることでLNC温度TLNCを上昇させる。
ステップS27の処理が繰り返されてLNC温度TLNCが第1温度判定値T1を超えた場合、ECU9は、ステップS28でLNC温度TLNCが第2温度判定値T2(例えば、650℃)を超えているか否かを判定し、この判定がYesであった場合にはステップS29でポスト噴射量を減量し、未燃HC濃度を低めることでLNC温度TLNCを下降させる。第2温度判定値T2は、排気浄化装置40(DOC41,DPF42と,LNC43)の耐久性等が損なわれない範囲の温度であり、サルファパージ制御中においてもLNC温度TLNCがこれを超えないことが望ましい。
これにより、ポスト噴射を行う低回転・低負荷運転領域においては、図7に示す作動イメージのように、LNC温度TLNCをフィードバックしてポスト噴射量が増減されることになり、A/Fのリーン状態(一点鎖線の上側)とリッチ状態(一点鎖線の下側)とが一定の周期(L:R)で交互に反復する。その結果、LNC温度TLNCが第1温度判定値T1と第2温度判定値T2との間に維持されることになり、DPF42内でPMを燃焼させながら、LNC43のサルファパージを進行させることができる。なお、ポスト噴射領域における昇温制御時には、ポスト噴射がEGR通路31に流れ込まないように、EGR弁33は閉じておく。
一方、高い排気温度が得られるためにポスト噴射を行わなわずにサルファパージ可能なLNC温度TLNCが維持できる高回転速度・高負荷領域では、ポスト噴射による未燃HCでの反応熱に依存せず、以下に述べるように、LNC温度TLNCに応じてリーン/リッチ周期を変更することでLNC温度を維持する。
ステップS24の判定がNoとなった場合、ECU9は、ステップS30でLNC温度TLNCが第1温度判定値T1を超えているか否かを判定する。そして、ステップS30の判定がNoであった場合、ECU9は、ステップS31で第2L/Rタイマ(リーン3秒(L)/リッチ30秒(R))を起動し、主燃料噴射量に対する吸気流量を増量させてリッチ時間を相対的に長くし、HCをOと反応させることで(反応式:HC+O→HO+CO)LNC温度TLNCを上昇させる。
また、LNC温度TLNCが第1温度判定値T1を超え、ステップS30の判定がYesとなった場合、ECU9は、ステップS32でLNC温度TLNCが第2温度判定値T2を超えたか否かを判定する。そして、この判定がNoであった場合、ECU9は、ステップS33で第3L/Rタイマ(リーン3秒(L)/リッチ50秒(R))を起動し、主燃料噴射量に対する吸気流量を減量させてリッチ時間を相対的に短くしてLNC温度TLNCを下降させる。
これにより、高回転・高負荷運転領域においては、図8に示した作動イメージのように、リーン/リッチの反復周期がLNC温度TLNCの温度に応じて持ち替えられ、LNC温度TLNCが第1温度判定値T1と第2温度判定値T2との間に維持されることになる。この理由は、リッチからリーンに切り替えると、リッチ時は供給されるO濃度が低いのでHCが反応しきれず、リーン時に供給される高濃度のOにより酸化反応を行い、その反応熱によってLNC43の温度が一時的に上昇するからである(図9参照)。つまり、リーンにする周期を変更することで酸化反応の頻度が変わり、温度の度合いが変化するのである。
また、図10に示すように、リーン/リッチの反復周期を変えることにより、LNC43の安定する温度に違いが生ずる。すなわち、リーン/リッチ比率をLNC温度TLNCに応じて変更することにより、LNC温度TLNCを所定値で安定させることができる。
なお、HSの発生メカニズムは、排気中に含まれるSOがBaSOなどの硫化塩としてLNC43に吸着され、この硫化塩がLNC43がリッチ雰囲気のときにSOとなってHSが生成されるのである。
反応式:
BaSO+CO→BaCO+SO
SO+H→H2S+O
この際、図11に示すように、SO、SOの放出開始からHSが発生するまでに所定のタイムラグがあるので、この時間内にリーンに戻すことでHSの発生を抑制することができ、これにより臭気の緩和が可能となる。
<燃焼音抑制制御>
LNC温度TLNCが第1温度判定値T1より高く、図3のステップS5の判定がYesとなった場合、ECU9は、ステップS7でエンジンEの燃焼音が第1燃焼音判定値NL1より大きいか否かを更に判定し、この判定がYesであれば、ステップS8で図12のフローチャートにその手順を示す燃焼音抑制制御を実行する。なお、LNC温度TLNCが第1温度判定値T1より高くても、焼音が第1燃焼音判定値NL1以下である場合には、ステップS7の判定がNoとなるため、ECU9は、ステップS6に移行して昇温制御を行う。本実施形態の場合、燃焼音は、筒内圧センサ12の検出結果とクランク角センサ11の検出結果とから、筒内圧の変化量dp/dθを算出して求めるが、シリンダヘッドにノイズセンサを装着して直接的に求めるようにしてもよい。
燃焼音抑制制御を開始すると、ECU9は、先ず、図12のステップS41で初期値0のマップ選択フラグFmapが1であるか否かを判定する。燃焼音抑制制御の開始直後はこの判定が当然にNoとなるため、ECU9は、ステップS42において燃焼音抑制用マップの選択を行った後、ステップS43でマップ選択フラグFmapを1とする。
燃焼音抑制用マップは、燃料噴射弁8による燃料噴射量や燃料噴射時期の他、VGターボ21による過給圧、スワールコントロール弁23による燃焼室内のスワール強度、サプライポンプ51によるレール圧、スロットル弁22による新規吸入空気量等を燃焼音を抑制するようにマッピングしたものである。燃焼音抑制用マップが選択された場合、昇温制御時に対してレール圧の低減やメインおよびパイロット噴射時期のリタード等が行われ、燃焼音の増大がもたらされない範囲でのサルファパージが可能となる。なお、通常運転時制御から昇温制御や燃焼音抑制に切り換わる場合を始め、昇温制御と燃焼音抑制との間で切り換わる場合等にも、運転パラメータの急激な変動に起因するドライバビリティの悪化を抑制すべくランプ制御がなされる。
ステップS43でマップ選択フラグFmapを1とした後、ECU9は、ステップS44で、燃焼音が第1燃焼音判定値NL1より大きいか否かを判定し、この判定がYesであればステップS45でレール圧を減少させる。これにより、燃料噴射弁8による燃料噴射量が減少し、筒内圧の減少によって燃焼音が低下する。
一方、ステップS45の処理が繰り返されて燃焼音が低下し、ステップS44の判定がNoになると、ECU9は、ステップS46で燃焼音が第2燃焼音判定値NL2より小さいか否かを判定し、この判定がYesであればステップS47でレール圧を増加させる。なお、第2燃焼音判定値NL2は、制御ハンチングを防止すべく、第1燃焼音判定値NL1に対して有意に小さい値に設定されている。
燃焼音抑制制御では、燃焼音が大きくならない範囲で、A/Fのリッチ状態とLNC温度TLNCとが維持され、昇温制御と同様にサルファパージが進行する。
<燃焼音抑制制御の中断>
燃焼音抑制制御の実行中には、走行状態の変化等によって、LNC温度TLNCが第1温度判定値T1以下となることがある。この場合、燃焼音が第1燃焼音判定値NL1を超えていても、図3のステップS5の判定がNoとなるため、ECU9は、ステップS6に移行して昇温制御を行う。これにより、排気温度が低い状態(すなわち、DPF42でPMが燃焼されない状態)での排気ガス中のPMの増大が抑制され、DPF42の目詰まり等が起こり難くなる。なお、燃焼音抑制制御を中断した後にも、LNC温度TLNCが第1温度判定値T1を超えると、図3のステップS5の判定がYesとなるため、燃焼音の増大時に燃焼音抑制制御が再び実行されるようになる。
<サルファパージ完了判定>
ECU9は、図3のステップS6の昇温制御やステップS8の燃焼音抑制制御と並行して、ステップS9において、図13あるいは図14のフローチャートにその手順を示すサルファパージ完了判定を実行する。
サルファパージ完了判定にあたり、ECU9は、上流側LAFセンサ47Uの検出結果と、下流側LAFセンサ47Lの検出結果との差を積算して還元剤消費量を推定し、その推定値が図3のステップS2で算出した必要還元剤量を超えた時点でサルファパージが完了したと判定する。あるいは、所定の基準値(例えば、理論空燃比:14.7)と上流側LAFセンサ47Uの検出結果との差を積算して還元剤供給量を推定し、その推定値が図3のステップS2で算出した必要還元剤量を超えた時点でサルファパージが完了したと判定する。
(還元剤消費量による完了判定)
還元剤消費量によってサルファパージの完了判定を行う場合、ECU9は、先ず図13のステップS51で、上流側LAFセンサ47Uの検出結果LAF1と下流側LAFセンサ47Lの検出結果LAF2との差を下式により積算する。ここで、下式中の符号kは温度補正係数である。なお、LAF1とLAF2との差に排気ガス流量SVを掛けたものを積算してもよく、この場合には還元剤消費量の算出精度を更に向上させることができる。
消費量=Σ(LAF1−LAF2)・k
次に、ECU9は、ステップS52で還元剤消費量が必要還元剤量を超えたか否かを判定し、この判定がYesになった時点で初期値0のサルファパージ完了フラグFfinを1とする。
図15は、サルファパージ実行時における上流側LAFセンサ47Uと下流側LAFセンサ47Lとの出力差と、SO濃度との推移を示したものである。同図から判るように、サルファパージ開始初期には両LAFセンサ47U,47L間の出力差が大きく、サルファパージが進行してSO濃度が低下するに連れて出力差が減少してゆく。このことから、両LAFセンサ47U,47Lの出力差に基づき、SOの放出量を推定することが可能なことが分かる。
図16に示すように、サルファパージは、LNC温度TLNCが高い方が早く完了する傾向にある。しかしLAFセンサの感度には温度との相関があるので、還元剤消費量の積算値にLNC温度TLNCに応じた温度補正係数kを乗ずることにより、サルファパージ中の環境温度が変化した場合にも正確に還元剤消費量を把握することができ、サルファパージ完了判定の精度を向上させることができる。
(還元剤供給量による完了判定)
還元剤供給量によってサルファパージの完了判定を行う場合、ECU9は、先ず図14のステップS61で、理論空燃比(14.7)と上流側LAFセンサ47Uの検出結果LAF1との差を積算する。
消費量=Σ(LAF1−LAF2)・k
次に、ECU9は、ステップS62で還元剤供給量が必要還元剤量を超えたか否かを判定し、この判定がYesになった時点でサルファパージ完了フラグFfinを1とする。
なお、還元剤消費量による完了判定と還元剤供給量による完了判定とは、どちらか一方のみ行ってもよいが、平行して実行した後に両完了判定を比較することで判定精度を更に向上させることができる。
<サルファパージ終了処理>
ECU9は、図3のステップS9でのサルファパージ完了判定の後、ステップS10でサルファパージ完了フラグFfinが1であるか否かを判定する。サルファパージ制御中においてはこの判定がNoとなるため、スタートに戻ってステップS1〜ステップS10までの処理を処理を繰り返すが、サルファパージが完了すると(サルファパージ完了判定においてサルファパージ完了フラグFfinが1となると)、ステップS11でサルファパージ終了処理を実行する。すなわち、昇温制御や燃焼音抑制制御を中止するとともに、サルファパージ開始フラグFspやサルファパージ完了フラグFfinを0にリセットしてサルファパージ制御を終了する。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明の態様は上記実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態はディーゼル機関におけるサルファパージに本発明を適用したものであるが、リーンNO触媒を備えた他種の内燃機関に本発明を適用してもよい。また、内燃機関の具体的構成や制御の具体的手順等についても、本発明の主旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。
実施形態に係るエンジンシステムの概略構成図である。 エンジンシステムの構成要素とエンジンECUとの接続状態を示すブロック図である。 サルファパージ制御の手順を示すフローチャートである。 SO被毒量とNO浄化率との関係を示すグラフである。 SO被毒量と還元剤必要量との関係を示すグラフである。 昇温制御の手順を示すフローチャートである。 昇温制御における各パラメータの変化を示す作動イメージである。 昇温制御における各パラメータの変化を示す作動イメージである。 酸素濃度とLNC温度との関係を示すグラフである。 リーン/リッチの反復周期とLNC温度との関係を示すグラフである。 SO、SO、HSの濃度変化を示すグラフである。 燃焼音抑制制御の手順を示すフローチャートである。 サルファパージ完了判定の手順を示すフローチャートである。 サルファパージ完了判定の手順を示すフローチャートである。 LAFセンサの出力差とSO濃度との推移を示すグラフである。 サルファパージ速度とLNC温度との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 エンジンシステム
6 排気管(排気通路)
8 燃料噴射弁
9 エンジンECU
11 クランク角センサ(燃焼音検出手段)
12 筒内圧センサ(燃焼音検出手段)
42 DPF
43 LNC(リーンNO触媒)
45 排気温センサ(温度検出手段)
46 LNC温度センサ(温度検出手段)
E エンジン(内燃機関)

Claims (4)

  1. コモンレールと燃料噴射手段とを有するとともに排気通路にリーンNO触媒が設置された内燃機関に設けられ、前記リーンNO触媒に吸蔵された硫黄分を除去すべく、所定の条件下で前記内燃機関にサルファパージ運転を行わせる内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関の燃焼音を検出する燃焼音検出手段を備え、
    前記サルファパージ運転時に、前記燃焼音検出手段が検出した燃焼音が第1燃焼音判定値を超えた場合、レール圧を低減させるとともに、パイロット噴射時期およびメイン噴射時期をリタードさせることで当該燃焼音を抑制する燃焼音抑制制御を実行することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記燃焼音抑制制御時に、前記燃焼音検出手段が検出した燃焼音が前記第1燃焼音判定値より小さい第2燃焼音判定値を下回った場合、前記レール圧を増大させることを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記内燃機関の排気ガス温度または前記リーンNO触媒の温度を検出する温度検出手段を更に備え、
    前記燃焼音抑制制御時に前記温度検出手段の検出温度が所定値以下となった場合、当該燃焼音抑制制御を中止することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記レール圧の低減は、前記コモンレールに燃料を供給するサプライポンプによって行われることをことを特徴とする、請求項1〜請求項3にいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
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