JP4344358B2 - 真珠核の再生方法及び装置 - Google Patents
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Description
第17図の粗丸め機201は、モータによって水平面内で回転駆動される円盤状の砥石207と、その上面に対向して設けられた円盤状の押圧板209とを備えている。押圧板209の下面には、押さえゴム211が設けられている。押さえゴム211は、前記砥石207に一定の隙間をもって対向している。押さえ板209には、投入口213が設けられている。投入口213は、押さえゴム211を貫通し、砥石207上に連通している。
前記モータ205によって砥石207を回転させる。被削貝である母貝をさいころ状に切断した片215を前記投入口213から投入する。片215は砥石207と押さえゴム211との間に移動し、押さえゴム211によって砥石207に押さえつけられながら砥石207の回転により順次削られ、粗削りが行われる。荒削りされた片218は、第18図の仕上げ機203で仕上げ削りされる。
前記仕上げ機203は、鉄製の固定円盤217と、該固定円盤217上に同心に重ねられた鉄製の回転円盤219とを備えている。固定円盤217及び回転円盤219の対向面には、周溝221,223が同心に複数設けられている。
前記第17図の粗丸め機201により粗削りされた片218を第18図の仕上げ機203の周溝221,223間に並べて配置し、砥粒を供給しながら回転円盤219を回転させる。この回転によって、前記荒削りされた片218が仕上げ削りされ、球状の真珠核225を得ることができる。
前記真珠核225は、養殖真珠貝に入れられる。真珠核225の入れられた養殖真珠貝は、海中に入れて保持される。これにより真珠核225の回りに真珠層が形成され、真珠を得ることができる。
この真珠の製造過程において、真珠層がうまく形成されず、真珠層が変形するなど屑真珠になるものも多く存在する。この屑真珠であっても、その真珠核は外側の真珠層を取り除けばそのまま新たな真珠核として用いることが可能である。屑真珠から真珠核を再生することによって、高価な真珠核を無駄にせず、有効に再生使用することができる。
この真珠核の再生には、前記のように第18図の仕上げ機203が用いられていた。
前記屑真珠を固定円盤217と回転円盤219との周溝221,223間に並べて配置し、砥粒を供給しながら回転円盤219を回転させる。この回転によって屑真珠の真珠層を削り取り、真珠核を取り出すことができる。
しかしながら、屑真珠の真珠層を、第18図の仕上げ機203により削り取ると、真珠核の表面まで部分的に不必要に削ってしまうことが極めて多かった。これによって取り出された真珠核の表面は部分的に再研磨されたような状態となり、部分的な疵或いは全体的な変形を招くことになる。
この疵付き真珠核或いは変形した真珠核をそのまま用いると、良質の真珠を得ることが困難となる。
このため、真珠核の部分的な疵や全体的な変形をなくすように小さな粒径に対応した別の仕上げ機による研磨が行われる。仕上げられた真珠核は、より粒径が小さくなり、粒径が大きい程価値の高い真珠核としての価値が大きく低下するという問題があった。
本発明の目的は、真珠の外面に局部的な圧力を与えることにより、該真珠の真珠層を割って除去し、内部の真珠核を取り出すことにより達成される。
従って、真珠層を削り取る場合に比較して、真珠核を傷つけることなく、そのまま取り出すことができる。このため、真珠核の粒径を維持することができ、価値の高い真珠核を再生することができる。
本発明の真珠核の再生装置は、真珠の外面に局部的な圧力を付与可能な一対の挟圧体と、該挟圧体を対向支持して挟圧体相互間を接近離反駆動可能な駆動機構とを備え、前記駆動機構により前記挟圧体を接近させ該挟圧体間で前記真珠の外面に局部的な圧力を付与することができる。
従って、一対の挟圧体によって、真珠の外面に局部的な圧力を確実に付与することができる。
本発明の真珠核の再生装置における前記駆動機構は、ベースと、該ベースに一端が回転可能に支持された駆動アームと、前記ベース及び駆動アームの中間部に設けられ前記挟圧体を支持した挟圧体支持部とよりなり、前記駆動アームの他端に力を加えて、該駆動アームを回転させ前記挟圧体間で前記真珠に局部的な圧力を付与することができる。
従って、駆動アームの操作によって、挟圧体により真珠に局部的な圧力を確実に付与することができる。
本発明の真珠核の再生装置は、前記ベース側に、駆動アームの一定以上の回転移動を規制するストッパを設けている。
従って、駆動アームの一定以上の回転移動をストッパによって確実に規制し、真珠核に不必要な圧力を与えないようにすることができる。
本発明の真珠核の再生装置における前記各挟圧体は、相互の対向面に中央部へ向かって深くなる凹部を備えると共に、断面が先細山形の突条歯を前記凹部内に沿って放射状に設けている。
従って、一方の挟圧体の凹部に対し、放射状の突条歯で真珠を安定して支持させ、この真珠に対して他方の挟圧体の凹部の各放射状の突条歯を当てることができる。各突条歯の先細山形の形状によって、真珠の外面に安定した状態で局部的な圧力を確実に付与することができる。
本発明の真珠核の再生装置における前記突条歯は、前記凹部に着脱自在に設けられたため、屑真珠の大きさ等に合わせて、突条歯を変更することができる。また、突条歯の修理、交換等も極めて容易に行うことができる。
本発明の真珠核の再生装置における前記各挟圧体は、相互の対向面に断面が先細山形の突条歯を複数備え、前記挟圧体相互間で一方の突条歯が他方の突条歯間に対向するように支持されている。
従って、一方の突条歯の突条歯間に屑真珠を安定的に支持させ、他方の挟圧体の突条歯を真珠に当てることによって、先細山形の形状により、真珠の外面に安定した状態で局部的な圧力を確実に付与することができる。
第2図は、一実施形態に係り第1図の矢印SA方向から見た駆動アーム支持構造を示す断面図である。
第3図は、一実施形態に係り挟圧体支持部の支持構造を示す断面図である。
第4図は、一実施形態に係り第1図の矢印SB方向から見た長穴周辺の側面図である。
第5図は、一実施形態に係り狭圧体の平面図である。
第6図は、一実施形態に係り狭圧体の側面から見た説明図である。
第7図は、一実施形態に係り狭圧体ベースの平面図である。
第8図は、一実施形態に係り第7図のSC−SC矢視断面図である。
第9図は、一実施形態に係り第7図のSD−SD矢視断面図である。
第10図は、一実施形態に係り突条歯の取り付け状態に対応した平面図である。
第11図は、一実施形態に係り突条歯の取り付け状態に対応した側面図である。
第12図は、一実施形態に係り突条歯の断面図である。
第13図は、他の実施形態に係り一方の狭圧体の平面図である。
第14図は、他の実施形態に係り一方の狭圧体の断面図である。
第15図は、他の実施形態に係り他方の狭圧体の平面図である。
第16図は、他の実施形態に係り他方の狭圧体の断面図である。
第17図は、従来の真珠核の製造に用いる粗丸め機の概略断面図である。
第18図は、従来の真珠核の再生にも用いる仕上機の要部断面図である。
第1図のように、真珠核の再生装置1は、一対の挟圧体3,5と、駆動機構7とを備えている。前記挟圧体3,5は、真珠、特に屑真珠Wの外面に局部的な圧力を付与可能なものである。前記駆動機構7は、前記挟圧体3,5を対向支持して、挟圧体3,5相互間を接近離反駆動可能となっている。
従って、前記駆動機構7により、前記挟圧体3,5を接近させて該挟圧体3,5間で屑真珠Wの外面に局部的な圧力を付与することができる。
前記駆動機構7は、ベース9と、駆動アーム11と、挟圧体支持部13,15とからなっている。
前記ベース9は、矩形平板状に形成されている。ベース9の一端には、アーム支持支柱17が固定されている。アーム支持支柱17の上端部には、前記駆動アーム11の一端がアーム支持ピン19によって回転自在に支持されている。
前記一方の挟圧体支持部13は、前記ベース9に設けられ、前記他方の挟圧体支持部15は、駆動アーム11に設けられている。挟圧体支持部13は、ベース9に凹部として設けられ、挟圧体支持部15は、駆動アーム11に挟圧体支持ピン21によって回転自在に支持されている。
前記挟圧体3は、前記挟圧体支持部13に嵌合して取り付けられ、ボルト23によって締結固定されている。前記挟圧体5は、前記挟圧体支持部15に取り付けられ、ボルト25によって締結固定されている。
前記駆動機構7のベース9に取り付けられたガイド支柱27に、駆動軸29とストッパ31とが設けられている。
前記ガイド支柱27は、前記ベース9の他端部にボルト33によって固定されている。ガイド支柱27には、その中間部に上下の長穴35が設けられている。
前記駆動軸29は、ねじ軸によって構成され、先端37は球面状に形成されている。駆動軸29の上端には、ねじ操作用の頭部39が設けられている。駆動軸29は、支持ブラケット41に螺合している。支持ブラケット41は、前記ガイド支柱27の上端にボルト43によって締結固定されている。
前記ストッパ31は、前記ガイド支柱27の長穴35に取り付けられている。ストッパ31は、長穴35を貫通する調節ボルト45に螺合して位置決められている。調節ボルト45を緩めると、ストッパ31を調節ボルト45と共に長穴35に沿って上下移動させることができる。ストッパ31の移動後の位置で調節ボルト45を締め込むと、ストッパ31の上下位置を固定することができる。
第2図は、第1図のSA方向から見た駆動アーム支持構造を示す断面図であり、第3図は、同方向から見た挟圧体支持部15の支持構造を示す断面図であり、第4図は、SB方向から見た長穴35周辺の側面図である。
第2図のように、前記アーム支持支柱17には、アーム支持凹部47が設けられている。前記アーム支持ピン19は、前記アーム支持支柱17に着脱自在に締結され、前記アーム支持凹部47を横切るように配置されている。前記駆動アーム11の一端は、前記アーム支持凹部47内に回転可能に配置され、前記アーム支持ピン19に回転自在に支持されている。
第3図のように、前記挟圧体支持部15には、アーム収容凹部49が設けられている。前記挟圧体支持ピン21は、前記挟圧体支持部15に着脱自在に締結され、前記アーム収容凹部49を横切るように配置されている。前記駆動アーム11は、前記アーム収容凹部49内に回転可能に収容され、前記挟圧体支持ピン21を回転自在に支持している。
第4図のように、前記ストッパ31を支持する長穴35は、ガイド支柱27の幅方向の中央に上下方向に長く設けられている。
前記挟圧体3は、例えば第5図、第6図のようになっている。第5図は、狭圧体の平面図、第6図は、狭圧体の側面から見た説明図である。
前記挟圧体5は、前記挟圧体3と同一構成で上下対称に形成されている。ここでは前記挟圧体3について説明し、狭圧体5については括弧を付して対応を示す。
前記挟圧体3は、挟圧体ベース51と、突条歯53,54,55とからなっている。前記挟圧体ベース51に対し、突条歯53,54,55は放射状に設けられ、本実施形態では120°配置で3本設けられている。但し、突条歯53,54,55の本数は限定されず、菊ナットの溝状に面全体に細い歯を設ける構成にすることもできる。
前記挟圧体ベース51は、第7図〜第9図のようになっている。第7図は、挟圧体ベースの平面図、第8図は第7図のSC−SC矢視断面図、第9図は、第7図のSD−SD矢視断面図である。
第7図〜第9図のように、挟圧体ベース51は、平面から見て円形に形成されている。挟圧体ベース51の挟圧体3,5相互間の対向面57は、平坦に形成されている。
前記対向面57には、挟圧体ベース51に前記ボルト23(第1図)を挿通するための貫通孔63が設けられている。前記対向面57には、取付溝65,67,69が設けられている。取付溝65,67,69は、挟圧体ベース51の中心側へ下降傾斜するように設けられている。取付溝65,67,69は、挟圧体ベース51の平面から見て120°配置で設けられている。取付溝65,67,69において、挟圧体ベース51を貫通する締結孔71,73,75が設けられている。
前記突条歯53,54,55は、同一形状に形成され、第10図〜第12図のようになっている。第10図は、突条歯の平面図、第11図は、同側面図、第12図は、同断面図である。
前記突条歯53,54,55は、突条歯55を代表して説明し、他の突条歯53,54は括弧内に符号を付して対応を示す。第10図〜第12図のように、突条歯55は、断面が先細山形に形成されている。すなわち、突条歯55の稜線77の両側に、斜面79,81が設けられている。斜面79,81相互のなす角は、α=90°に設定されている。但し、αの選択は自由である。各突条歯55の先端面83,85は、相互のなす角がθ=120°に設定されている。θは、突き合わせる突条歯の個数に応じている。
前記突条歯55は、前記対向面57(第7図)の取付溝69に取り付けた傾斜状態で先端面83,85が鉛直方向に沿って挟圧体ベース51の中心側に対向する構成となっている。
前記突条歯55には、上端側にカット面87,89が設けられている。カット面87は、突条歯55が取付溝69に取り付けられた傾斜状態でほぼ水平状態をなし、カット面89は、ほぼ鉛直状態に設定配置されるようになっている。
これら先端面83,85、カット面87,89は、第11図で2点鎖線で示すカット部91,93,95をそれぞれカットして形成したものである。
前記突条歯55の底面97は、前記取付溝69に応じて平坦に形成され、該底面97に雌ねじ99が設けられている。
そして、前記各突条歯53,54,55を挟圧体ベース51の各取付溝65,67,69に嵌め込むように取り付ける。締結孔71,73,75にビスを挿通して突条歯53,54,55の各雌ねじ99に締め込む。この締め込みで各突条歯53,54,55を第5図、第6図のように対向面57内に固定することができる。
この取付状態で、各突条歯53,54,55の先端面83,85は、相互に突き合わされ、挟圧体3,5相互間のカット面87はほぼ平行に対向することになる。
前記のようにカット部93をカットしてカット面87を形成したことにより、挟圧体3,5を相互に近接する方向に移動させるとき、挟圧体3,5相互の対向間隔がより狭くなるように近接させることができ、小粒の屑真珠に対しても容易に対応させることができる。
そして、第5図、第6図のように形成した挟圧体3,5を第1図のように装着して、挟圧体3,5間で屑真珠Wの外面に局部的な圧力を付与することができる。
具体的には、第1図において、挟圧体3の中央部に屑真珠Wを乗せる。
次に、駆動アーム11の回動操作によって、相手側の挟圧体5を屑真珠Wの上部に乗せる。駆動軸29の頭部39を把持して該駆動軸29を支持ブラケット41に対してねじ込む。このねじ込みで駆動軸29の先端37が駆動アーム11の端部を押圧する。この押圧によって、駆動アーム11がアーム支持ピン19を支点に回転する。この回転で挟圧体5が駆動アーム11の挟圧体支持部15と共に下降する。この下降によって、挟圧体3,5の各突条歯53,54,55の稜線77が屑真珠Wの表面に圧接される。
なお、前記挟圧体支持部15は、挟圧体支持ピン21を中心に回転自在となっているため、駆動アーム11の回転移動に拘わらず挟圧体支持部15及び狭圧体5は、自重で回動し、挟圧体5は挟圧体3に対しほぼ平行な状態を維持することができる。
このような状態で、前記各稜線77による局部的な圧力を屑真珠Wの真珠核の径方向に沿って確実に付与することができる。この圧力付与によって、真珠核の回りの真珠層が割れて除去され、内部の真珠核を傷つけることなく容易に取り出すことができる。
前記駆動軸29の操作による駆動アーム11の下降回動の限界位置は、駆動アーム11の端部がストッパ31に当接することによって決められ、屑真珠Wに必要以上の圧力を加えないようにしている。従って、屑真珠Wの真珠核の真珠層のみを確実に割って真珠核を確実に取り出すことができる。
前記ストッパ31の位置を長穴35に沿って調整することにより、屑真珠Wの大きさに合わせて駆動アーム11の下降限界位置を決定することができる。従って、種々の大きさの屑真珠Wに容易に対応することができる。
一般に真珠層は、構造的に極薄の層間基質(コンキオリンの膜)と、多数の薄板状結晶(あられ石型の炭酸カルシウムの結晶)が交互に積み重なった層状構造をなしている。薄板状結晶の大きさは2〜8ミクロン程度、厚さは0.3〜0.6ミクロン程度となっている(町井昭著 真珠物語)。
すなわち、真珠層は厚い第1層と、薄い第2層とが単位層となって、該単位層が複数層形成されている。従って、このような構造の真珠層は、局部的な圧力が加えられることによって割れが進行しやすく、上記のようにして真珠核を容易に取り出すことができる。
前記のようにして真珠層を割って除去する場合、真珠層の破片は粉状の場合に比較して集め易く、また2次製品として種種の粒径の粒、粉に加工することができ、利用価値を高めることができる。
例えば、集められた真珠層の破片を化粧品工場へ搬送し、該工場で所望の粒径の粉、粒に加工し、化粧品に混入させて再利用を図ることができる。また、同様に食品工場などにおいても所望の粒径の粒、粉に加工し、食品に混入させて健康食品として再利用を図ることもできる
第13図、第14図、及び第15図、第16図は、挟圧体の他の実施形態を示している。第13図は、挟圧体3Aの平面図、第14図は、同断面図、第15図は、挟圧体5Aの平面図、第16図は、同断面図である。
第13図、第14図のように、挟圧体3Aは、挟圧体ベース51Aの対向面101に先細山形の突条歯103が複数設けられたものである。各突条歯103の稜線105は、平行となっている。各突条歯103は、挟圧体ベース51Aの中央に谷部107が配置される構成となっている。前記突条歯103の斜面79,81がなす相互角度は、本実施形態においてβ=90°設定されている。但し、斜面79,81がなす相互角度は、真珠層を割るのに適していれば他の角度を選択することも自由である。
前記挟圧体ベース51Aには、貫通孔63が一対設けられている。挟圧体3Aは、第1図において挟圧体支持部13に嵌め込まれる。前記貫通孔63にボルト23が挿通され、該ボルト23を前記ベース9に締結することにより挟圧体3Aの取り付けが行われる。
前記挟圧体5Aは、第15図、第16図のようになっている。挟圧体5Aの基本的な構成は、挟圧体3Aと同様である。挟圧体5Aでは、突条歯103の稜線105が挟圧体ベース51Aの中央に位置するように配置されている。
従って、前記挟圧体5Aの各突条歯103は、前記挟圧体3Aの各突条歯103とは位置ずれして対向し、挟圧体5Aの稜線105が挟圧体3Aの谷部107に対向している。
前記挟圧体5Aは、貫通孔63にボルト25を挿通し、該ボルト25を挟圧体支持部15に締結することにより取り付けられる。
このような挟圧体3A,5Aを用いても、前記同様に屑真珠Wの真珠層を割って除去し、内部の真珠核を的確に取り出すことができる。
すなわち、前記挟圧体3Aの中央の谷部107上に屑真珠Wを載置するようにセットする。
前記同様にして、駆動軸29のねじ込みによって駆動アーム11に駆動力を付与し、挟圧体3Aに対し挟圧体5Aを下降移動させる。この下降移動で挟圧体5Aの稜線105が屑真珠Wの上部に当接して圧力を加え、挟圧体3Aの突条歯103と協働して屑真珠Wの真珠層を割ることができる。
尚、上記実施形態では、駆動アーム11を手動によって駆動する構成にしたが、駆動アーム11の端部に球状支持部を設け、該球状支持部に駆動軸29を螺合し、駆動軸29をモータ等によって正逆駆動制御することにより、駆動アーム11を駆動することも可能である。この場合、真珠層が割れたときの駆動アーム11の加圧力の変化をモータの駆動力の変化で検出し、真珠層が割れると同時にモータを逆転制御させ、真珠核を確実に取り出す構成にすることも可能である。
前記挟圧体3,5,3A,5Aに対し、横方向からコンベアによって屑真珠を供給し、連続的に再生加工をすることも可能である。
前記ガイド支柱27の下端を、前記ベース9に対して回転待避可能且つ第1図の起立状態に復帰固定可能に支持し、ガイド支柱27を回転待避させた状態でロボットにより屑真珠Wを一粒ずつ挟圧体3,5間に供給し、ガイド支柱27を待避位置から戻してベース9に固定し、前記作業を行わせる構成にすることもできる。
前記駆動アーム11を用いず、前記挟圧体支持部15をピストンシリンダ装置に支持して直接的に上下駆動する構成にすることもできる。
真珠核の再生方法は、真珠の外面に局部的な圧力を与えることにより該真珠の真珠層を割って除去し、内部の真珠核を取り出すことができるものであればよく、上記真珠核の再生装置1以外の装置を適用することもできる。
上記実施形態では、屑真珠からの真珠核再生を説明したが、使用後に傷の付いた真珠から真珠核を取り出し再生する場合などにも利用することができることは勿論である。
上記実施形態では、局部的な圧力を真珠核の径方向に沿って付与したが、局部的な圧力により真珠層を割ることができればよく、真珠核に対する局部的な圧力付与の形態は自由に選択することができる。例えば真珠核に対し剪断力として局部的な圧力を付与し真珠層を割る構成にすることも可能である。
Claims (5)
- 真珠の外面に局部的な圧力を与えることにより該真珠の真珠層を割って除去し、内部の真珠核を取り出すことを特徴とする真珠核の再生方法。
- 相互の対向面に中央部へ向かって深くなる凹部を備えると共に、断面が先細山形の突条歯を前記凹部内に沿って放射状に設けて真珠の外面に局部的な圧力を付与可能な一対の狭圧体と、
該狭圧体を対向支持して狭圧体相互間を接近離反駆動可能な駆動機構とを備え、
前記駆動機構により前記狭圧体を接近させ該狭圧体間で前記真珠の外面に局部的な圧力を付与することを特徴とする真珠核の再生装置。 - 請求項2記載の真珠核の再生装置であって、
前記駆動機構は、ベースと、該ベースに一端が回転可能に支持された駆動アームと、前記ベース及び駆動アームの中間部に設けられ前記狭圧体を支持した狭圧体支持部とよりなり、
前記駆動アームの他端に力を加えて該駆動アームを回転させ前記狭圧体間で前記真珠に局部的な圧力を付与することを特徴とする真珠核の再生装置。 - 請求項3記載の真珠核の再生装置であって、
前記ベース側に、駆動アームの一定以上の回転移動を規制するストッパを設けたことを特徴とする真珠核の再生装置。 - 請求項2〜4の何れかに記載の真珠核の再生装置であって、
前記突条歯は、前記凹部に着脱自在に設けられたことを特徴とする真珠核の再生装置。
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