JPH06344202A - 真珠核の製造方法及びその製造装置並びにその切削刃 - Google Patents

真珠核の製造方法及びその製造装置並びにその切削刃

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JPH06344202A
JPH06344202A JP5163935A JP16393593A JPH06344202A JP H06344202 A JPH06344202 A JP H06344202A JP 5163935 A JP5163935 A JP 5163935A JP 16393593 A JP16393593 A JP 16393593A JP H06344202 A JPH06344202 A JP H06344202A
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JP
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cutting
cutting blade
concave surface
cut
tip
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JP5163935A
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Hiroaki Horiuchi
浩彰 堀内
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Kyosei Corp
Original Assignee
Kyosei Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被削材から品質のよい真珠核を能率的に製造
し、又歩留りの向上を図る。 【構成】 半球状に湾曲する凹面12を有する一対の切
削刃10,10を、その軸線を合致させ且つ凹面12,
12を対向させて配置する。切削刃の先端35,35間
に被削材31を挟んで、両切削刃10,10を回転させ
つつその先端を徐々に接近させる。それにより、凹面1
2及び先端35によって前記被削材31を球状に切削す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、品質のよい真珠核を能
率的に製造でき又歩留りの向上を期しうる真珠核の製造
方法に関するものである。又その製造方法に用いて好適
である製造装置及びその製造方法に用いて好適である切
削刃に関するものである。
【0002】
【従来の技術】真珠核は、従来、どぶ貝(土負貝)を原
料貝として次の工程を経ることにより製造していた。
【0003】即ち先ず、図14に示すように原料貝aの
蝶番側の頭部分bを切断除去する。この頭部分bは、硬
度の高い部分と低い部分が混在して、後述するバレル研
磨機や荒丸め機による加工段階で割れて製品にならない
ため、予め不要部分として切除しておくのであった。こ
の不要部分の切除された原料貝を、図15に示す所要幅
の短冊状に切断して後(切断線が図14に一点鎖線で示
されている)、各短冊状の被削貝cをサイコロ状に切断
して図16に示す霰状片dを形成する。この各切断工程
は、切断機を手動操作して行っていた。
【0004】この霰状片dは、バレル研磨機によって研
磨され、図17に示すように角落しされる。このように
角落しされた角落ち霰状片eは、図18に示す荒丸め機
fによって荒方丸められ、図19に示す荒丸め物gとさ
れる。
【0005】この荒丸め機fは、モータhにより水平面
内で回転せしめられる円盤状の砥石iと、その上面に対
して上下動可能に設けられた円盤状の押圧板jとを具え
る。そして、該押圧板jの中央部に設けられた投入口k
より前記角落ち霰状片eを投入することにより、該角落
ち霰状片eは、押圧板の押えゴム面mによって砥石面n
に押圧され、砥石iの回転により順次削られて砥石周縁
より排出され、再び投入口に投入されて同様に削られ
る。これが約2時間の間何回も繰り返されて、1回の荒
削り工程を終了する。
【0006】角落ち霰状片eが立方体に近い形態を有す
るときは、この荒削り工程は1回ですむ場合もあるが、
短冊状の被削貝cの肉厚が図15に示すように一定でな
く又この被削貝cを手作業によってサイコロ状に切断し
ていたことから、角落ち霰状片eの形態は立方体に近い
ものばかりではなく図20〜21に示すような直方体状
を呈するものも多い。このような直方体状を呈する角落
ち霰状片を荒丸めするには、この荒削り工程を2〜3回
繰り返す必要があった。
【0007】この荒削り工程を経て形成された荒丸め物
gは、図22〜23に示す荒円盤仕上機oによって球形
に仕上げられる。この荒円盤仕上機oは、鉄製の固定円
盤pと、該固定円盤pに同心に重なる鉄製の回転円盤q
とを具え、固定円盤pと回転円盤qの対向面には、上下
対向する断面半円形をなす周溝r,rが同心に多数設け
られており、この上下対向する周溝r,r間に前記荒丸
め物gを並べて、砥粒を供給しながら回転円盤qを回転
させることによって、この荒丸め物を図24に示す球状
物sに仕上げるように構成されていた。荒丸め物の仕上
がり状態が良好であるときは、この荒円盤仕上工程は1
回ですむ場合もあったが、傷があるなど仕上がりが悪い
ときは2〜3回繰り返す必要があった。
【0008】その後、該球状物sを、前記荒円盤仕上機
と同様の構成を有する仕上円盤機にかけて精密な球形に
仕上げる。このようにして仕上げられた球状物を、養殖
真珠の真珠核として採用できる一等核と、模造真珠の核
としては採用できても養殖真珠の核としては採用し難
い、ひびの入った2等核と、同様に養殖真珠の核として
は採用し難い、表面に色が入った色玉や表面光沢に不備
があるギラ玉や表面に年輪状の模様が入ったモク玉等の
不良な3等核の3種類に選別する。その割合は略1/3
ずつであった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の製
造方法によるときは、手作業を主体とする多くの製造工
程を要して製造能率が悪く、製造コストの上昇を招く問
題があった。又製造段階でひびが入ったり割れたりして
品質の良好な真珠核を得にくい問題があった。その上、
作業は勘に頼る面が多いために、作業者の熟練度合いに
よって歩留りや品質が左右される問題があった。これを
より具体的に説明すれば次のようである。
【0010】 製造能率が悪い問題について 従来の製造方法においては、真珠核の基本形態である球
状物を得るまでに、原料貝の不要部分を切除する工程、
原料貝を短冊状に切断する工程、短冊状被削貝を霰状に
切断する工程、霰状物を角落しする工程、角落しされた
ものを荒方丸める荒丸め工程、荒丸めされたものを荒円
盤仕上げして球状物に仕上げる工程を要した。しかも、
長時間を要する荒丸め工程や荒円盤仕上げ工程は1回で
すまないことが多く、2〜3回繰り返すのが通常であっ
た。このようなことからその製造工程は非常に多いもの
となり、多くの手間と時間を要して製造能率が悪く、製
造コストの上昇を招く問題があった。
【0011】 不良品が発生しやすい問題について 霰状物を角落しする工程や、角落としされたものを荒丸
めする工程において、加工物は、割れて球状に仕上がら
なかったりひびが入った不良品となりやすかった。特に
荒丸め工程における不良率が高かった。このような不良
が生ずる理由は次のようである。即ち、貝は層をなして
いて元々、層間で剥離が生じやすいものである。角落し
工程は、サイコロ状をなす霰状片を、バレル研磨機によ
って研磨して図17に示すように角落しするものである
ため、加工時間は短くても、遠心力で飛散した加工物
(貝)同士が衝撃的に衝突することによって層間剥離を
起こし、前記不良が生ずるのであった。又荒丸め工程
は、砥石と押圧板との間に角落ち霰状片を挟んで該砥石
の回転によってこれを荒削りするものであり、1回当た
りの加工時間も2時間程度と非常に長かったため、加工
物(貝)同士の衝撃的な衝突状態が長く継続することと
なり、角落し工程における場合よりもなお一層不良品が
生じたのであった。
【0012】 歩留りや真珠核の品質が作業者の熟練
度合いに左右される問題について 特に荒丸め工程においては、角落ち霰状片の形態やその
損傷度合い適合させて押圧板の押圧力を調節する必要が
ある。又荒削り後の仕上がり状態に応じて、更に荒丸め
工程を繰り返すか否かを、仕上がり状態を目視観察して
的確に判断しなければならない。又荒削り時の微妙な音
の変化を聞き分けて加工時間を適切に設定しないと、削
り過ぎによって丸く仕上がらなかったり、又製品重量を
必要以上に減少させて真珠核としての商品価値を下落さ
せるとともに、材料の無駄によるコスト上昇を招くこと
ともなる。
【0013】このようなことから、この荒丸め工程の作
業には相当の熟練を要したのであり、作業者の熟練度合
いによって、歩留りや真珠核の品質が左右されたのであ
る。本発明は、以上のような問題点を一挙に解決しうる
真珠核の製造方法の提供を目的とし、又その製造方法に
用いて好適である製造装置及びその製造方法に用いて好
適である切削刃の提供を目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は以下の手段を採用する。本発明に係る製造
方法は、軸線回りに回転することによって、半球状に湾
曲する凹面12を形成する一対の切削刃10,10を、
その軸線を合致させ且つ凹面12,12を対向させて配
置するとともに、その先端35,35間に被削材31を
挟んで、両切削刃10,10を回転させつつその先端3
5,35を徐々に接近させ、切削部となる凹面12及び
先端35によって前記被切削部を球状に切削することを
特徴とするものである。
【0015】本発明に係る製造方法のより具体的な態様
は,軸線回りに回転する円柱部11の先端面部に、該円
柱部11と軸線を共通にして、半球状に湾曲する凹面1
2を形成し、その底部には切削液供給用の供給孔16を
設け、前記凹面12及び先端35を切削部としてなる切
削刃10,10を、その軸線を合致させ且つ凹面12,
12を対向させて配置するとともに、その先端35,3
5間に被削材31を挟んで、両切削刃10,10を回転
させつつその先端35,35を徐々に接近させ、前記切
削部によって被削材を球状に切削することを特徴とする
ものである。
【0016】上記製造方法において,切削刃10の凹面
の直径に略等しい幅を有する短冊状被削材を被削材とし
て用い、切削刃の先端35を短冊状被削材の左右端面に
当接させて、該短冊状被削材31を切削刃の先端35,
35間に挟んで後、両切削刃10,10を回転させつつ
その先端35,35を徐々に接近させて短冊状被削材を
球状に切削するのが好ましい。なお二枚貝を原材料とす
る場合は、この貝を前記幅で切断して短冊状被削材と
し、その切断面に切削刃の先端35を当接させる。
【0017】切削刃の底部に切削液供給用の供給孔16
を設ける場合、該供給孔16は、その開口端17に底部
の中心19が含まれないように稍偏心して設けるのがよ
い。
【0018】又本発明に係る製造装置は、軸線回りに回
転せしめられる円柱部11の先端面部に、該円柱部11
と軸線を共通にして、半球状に湾曲する凹面12を形成
し、その底部には切削液供給用の供給孔16を設け、前
記凹面12及び先端35を切削部としてなる切削刃1
0,10を、その軸線を合致させ且つ凹面12,12を
対向させて配置するとともに、両切削刃の少なくとも一
方を、切削刃の先端35,35が接近する方向に前進さ
せるようにしたことを特徴とするものである。該製造装
置において、供給孔16は、その開口端17に底部の中
心19が含まれないように稍偏心して設けるのがよい。
【0019】又本発明に係る切削刃は、軸線回りに回転
せしめられる円柱部11の先端面部に、該円柱部11と
軸線を共通にして、半球状に湾曲する凹面12を形成
し、その底部には切削液供給用の供給孔16を設け、前
記凹面12及び先端35を切削部としたことを特徴とす
るものである。該切削刃において、供給孔16は、その
開口端17に底部の中心19が含まれないように稍偏心
して設けるのがよい。又切削刃の凹面の周壁53に切屑
排出用の排出孔55が設けられることや、切削刃の凹面
12に、その先端から基端に向かって延びる切屑排出用
の凹溝56が設けられることがある。又切削刃の凹面の
周壁53に、その先端から基端に向かって延びる切屑排
出用の割溝57が設けられることもある。
【0020】
【作用】然して、切削刃10,10の先端35,35間
に被削材31を挟んで、両切削刃10,10を回転させ
つつその先端35,35を徐々に接近させると、切削部
となる凹面12及び先端35が被削材31を順次切削し
ていき、最終的に球状物46が削成される。
【0021】切削刃10に設ける切削液供給用の供給孔
16を、その開口端17が底部の中心19を含まないよ
うに稍偏心して設けるときには、切削刃の回転によっ
て、底部の中心19を含まないように開口端17の位置
が順次変わる。従って被削材31は、削り残しがない状
態で球面に仕上げられていく。
【0022】又切削刃の凹面12の周壁53に設けた排
出孔55や凹溝56、割溝57からは、供給孔16より
供給された切削液とともに切屑が順次排出される。
【0023】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。図1は本発明に係る真珠核の製造装置を説明する説
明図である。該製造装置1は、機台2に固定された固定
切削機3と、該固定切削機3と上下対向して設けられ且
つ機台2の案内レール4に案内されて上下動する可動切
削機5と、両切削機3,5間に配設されて上下動する可
動テーブル6とを具え、両切削機3,5の回転保持軸
7,9は垂直な軸線回りに回転でき、該上下の回転保持
軸9,7には切削刃10,10がその軸線を合致させて
保着される。
【0024】前記切削刃10は鋼製であり、図1、図2
〜3、図6に示すように、軸線回りに回転する円柱部1
1の先端面部に、該円柱部と軸線を共通にして、半球状
に湾曲する凹面12が形成され、該凹面12及び先端3
5は、例えば電着によるダイヤモンド被覆部15(図
2、図7)とされている。又底部には、切削液供給用の
供給孔16が、その開口端17に底部の中心19を含ま
ないように稍偏心して設けられている。又その基端側は
雄ネジ部20とされ、前記供給孔16は基端面21にお
いて開放せしめられている。なお切削刃10は、超硬や
セラミックスを素材として製作されることもある。
【0025】該切削刃10の雄ネジ部20が、前記切削
機の回転保持軸の軸線に沿って設けられた雌ネジ部22
に螺合緊締されることにより、切削刃10は回転保持軸
に保着される。該保着状態において、上下の切削刃1
0,10の軸線が合致し、凹面12,12が対向する。
なお切削刃10を回転保持軸に保持させる手段として
は、工作機械における公知の各種工具チャック手段を応
用できる。
【0026】又上下の切削機5,3には、回転保持軸
7,9に保着された切削刃10の供給孔開放端23に連
通する切削液供給管25が連設されている。
【0027】前記可動テーブル6は、図1、図4〜5に
示すように、その4隅がガイド軸27,27,27,2
7に案内され、図示しないエアシリンダの伸縮動作によ
って上下動でき、中央部分には開口29が設けられてい
る。該可動テーブル6の上面には、被削材31を載せる
載置台32が、開口29を覆う如く固定されており、該
載置台32の中心には、下の切削刃10が挿通する挿通
孔33が設けられている。該可動テーブル6は、下の切
削刃の先端35が載置台32の上面36と面一を呈する
状態から下降できる。
【0028】又可動テーブルの一側中央部位には、図5
に示すように、上下方向に伸縮しうる油圧シリンダ37
が固定されており、そのロッド39には、押圧杆40の
基端部分が固着されている。該油圧シリンダ37が縮小
すると、押圧杆40は、載置台32に載せられた被削材
31を、前記挿通孔33に接近した位置において載置台
32に押圧する(図1、図4)。
【0029】前記被削材31は、例えば図4に示す短冊
状被削材であり、貝(例えばどぶ貝)を原材料として、
これを、切削刃の凹面の直径に略等しい幅で短冊状に切
断して形成されている。なお原材料としては、貝の他、
比重や強度を貝に近似させた合成樹脂板等も採用でき
る。
【0030】かかる短冊状被削材を球状に切削する要領
を図1、図4〜6に基づいて説明すれば次のようであ
る。先ず、可動切削機5が上昇状態において且つ油圧シ
リンダ37が伸長状態において、前記短冊状被削材31
を、その一方の切断面を下にして載置台32に載置する
(図6)。その際、短冊状被削材31が前記挿通孔33
を塞ぐ状態にする。
【0031】その後、油圧シリンダ37を縮小させて、
押圧杆40により短冊状被削材31を押圧する(図
4)。これにより短冊状被削材31は、載置台32と押
圧杆40とによって挾持された状態となる(図5〜
6)。該挟持状態において、固定切削機3に保着された
下の切削刃の先端35は短冊状被削材31の下面42と
当接状態になる。
【0032】然る後可動切削機5を下降させて、図6に
一点鎖線で示すように、上の切削刃の先端35を短冊状
被削材31の上面43に当接させ、上下の切削刃10,
10を逆方向にあるいは同方向に回転させつつ、可動テ
ーブル6を下降させると同時に可動切削機5をその2倍
の下降速度で下降させる。
【0033】この可動テーブル6の下降動作、上下の切
削刃10,10の回転動作、及び上の切削刃の下降動作
により、切削部となる凹面12及び先端35が、短冊状
被削材31を順次切削していく。切屑は、供給孔16よ
り供給された切削液によって順次排出される。
【0034】なお凹面12による切削にあっては、供給
孔16を、その開口端17が底部の中心19を含まない
ように稍偏心して設けているため、切削刃の回転に伴
い、底部の中心19を含まないように開口端17の位置
が順次変わる(図3)。従って短冊状被削材31は、削
り残しがない状態で球面に仕上げられていく。
【0035】前記した可動テーブル6と可動切削機5の
下降速度の関係から、上下の切削刃10,10は、短冊
状被削材31を同深さずつ球面に切削していき、両切削
刃の先端35,35が図7に示すように接近した状態
で、可動テーブル6及び可動切削機5の下降が停止す
る。
【0036】その後、可動切削機5及び可動テーブル6
を上昇させるとともに、油圧シリンダ37を伸長させて
短冊状被削材31の挾持状態を解除し、且つ短冊状被削
材の新たな被切削部が挿通孔33を塞いだ状態として、
前記と同様の要領により再び切削を開始する。
【0037】両切削刃によって削成された球状物46
は、赤道に沿って形成された薄肉のバリ47によって、
切削孔の周囲部と繋がった状態になるが、下の切削刃に
関してだけ切削液を供給しつつ上の切削刃を上昇させる
と、図8に示すように、バリ47が破壊されて球状物4
6が凹面12に吸着状態になり、球状物46が被削材3
1と分離する。その後、球状物が案内樋(図示せず)上
方に位置するように切削刃を旋回動作させ、上の切削刃
の供給孔16より切削液を供給すると、該球状物は案内
樋内に落下し、収容容器に収容される。
【0038】このようにして製造された球状物は、殆
ど、前記荒円盤仕上機によって仕上げられた球状物に相
当するものであり、その後従来と同様、仕上円盤機にか
けて精密な球状に仕上げられる。
【0039】図9〜10は、本発明に係る製造方法の他
の実施例を説明するものであり、半球状に湾曲する凹面
12を具える一対の切削刃10,10を、左右に配置さ
れた切削機49,50の回転保持軸51,52に、その
軸線を合致させ且つ凹面12,12を対向させて保着し
てなる製造装置1を用いる場合である。本実施例におい
ては、原料となる貝そのものを被削材31として、これ
を両切削刃の先端35,35間に挟んで、両切削刃を回
転させつつ切削刃先端を徐々に接近させることとしてい
る。これにより被切削部41は徐々に球面に切削されて
いく。そして切削刃の先端35,35が接近状態となる
ことにより、図10に示すように球状物46が得られ
る。切削刃としては、貝の被切削部の厚みに応じた直径
の凹面を有するものが用いられるが、貝の肉厚の不足に
よって球状物の表面に平坦部が生じたときには、必要に
応じ、従来と同様にして荒円盤仕上げを施して後、仕上
円盤機にかける。
【0040】なお前記切削刃先端35,35の接近は、
前記と同様、一方の切削刃を固定して他方の切削刃を前
進させて行ってもよく、両切削刃を同量ずつ徐々に前進
させて行ってもよい。
【0041】図11〜13は、切削刃10の他の実施例
を示すものである。図11は、凹面12の周壁53に、
切屑排出用の排出孔55を例えば90度の角度ピッチで
設けた切削刃を示し、切屑は、供給孔16より供給され
た切削液によって排出孔55から順次排出される。図1
2は、切削刃の凹面12に、その先端から基端に向かっ
て延びる切屑排出用の凹溝56を設けた切削刃を示し、
切屑はこの凹溝56に入り込み、供給孔16より供給さ
れた切削液によって順次排出される。図13は、凹面1
2の周壁53に、その先端から基端に向かって延びる切
屑排出用の割溝57を設けた切削刃を示し、切屑は、供
給孔16より供給された切削液によって割溝57から順
次排出される。
【0042】
【発明の効果】本発明は以下の如き優れた効果を奏す
る。 本発明によるときは被削材を直接的に球状に切削で
きる。そのため、従来のような、霰状片を形成した後こ
れを角落し、その後これを荒丸めする工程を経、荒丸め
されたものを荒円盤仕上げして球状物に仕上げる製造方
法に比し、製造工程を大幅に削減できる。又特別な熟練
を要することなく球状物を容易に製造できる。このよう
に本発明によるときは、製造能率の向上、製造コストの
低減を期し得る。
【0043】 従来の製造方法によるときは、サイコ
ロ状に角張った霰状物を角落としする際や、角落としさ
れた角張った形態のものを荒丸めする過程において、加
工物(貝)同士の衝撃的な衝突を原因として加工物が割
れて球状に仕上がらなかったり、ひびが入って不良品と
なりやすかったのであるが、本発明によるときは、被削
材を、衝撃が加わらない状態で無理なく球形に切削でき
る。従って、従来は球状に仕上がる前に割れて製品にな
らなかったものや、球状に仕上がってもひびが入って二
等核として選別されていたものを一等核に格上げでき、
製品単価を上昇させうる。又、従来は不要部分として捨
てていた部分からでも、一等核を製造できる可能性があ
り、悪くても二等核の製造が可能となる。又直接球状に
切削するため、従来のように角落し工程や荒丸め工程を
経るものに比し、削り量が少なくてすみ、同じ原料から
極力直径の大きい真珠核を製造できることとなって、製
品単価の上昇を期しうる。このように本発明による経済
効果には著しいものがある。
【0044】 特に、原料となる貝を短冊状に切断し
てなるものを被削材として用いる場合は、平面の切断面
に切削刃の先端を当接させて切削できる。かかることか
ら、表面に凹凸がある貝をその厚さ方向に切削する場合
に比し、切削刃の食い込み時の衝撃が小さく刃物の損傷
が少ない。又当初から高速で切削でき、良質の球状物を
効率的に製造できる。加えて、このように短冊状の貝を
以って被削材とするときは、被削材の幅(切削方向の厚
さ)を正確に設定できるため、その幅に応じて選定され
た同一の切削刃を用いて切削を繰り返すことが可能とな
り、効率よく切削できることとなる。又短冊状の被削材
はその幅が規格化されるため、その挾持手段が簡易とな
り、切削の自動化が可能となる。
【0045】 切削刃の凹面の底部に切削液供給用の
供給孔を偏心状態で設ける場合には、削り残しによる突
部を球状物の表面に生じさせることなく、正しく球形に
仕上げることができる。従ってその後は、従来の製造方
法における仕上円盤機にかけるだけで、精密な球状物を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る製造装置を説明する説明図であ
る。
【図2】切削刃を説明する部分斜視図である。
【図3】切削刃の回転に伴う供給孔開口端の位置の移動
状態を説明する説明図である。
【図4】可動テ−ブルの構成及びそれに付設された被削
材の挟持手段を、被削材を挟持した状態において説明す
る斜視図である。
【図5】挟持手段による被削材の挟持解除状態を説明す
る斜視図である。
【図6】被削材を球状に切削する要領を説明する説明図
である。
【図7】被削材を球状に切削した状態を説明する断面図
である。
【図8】削成された球状物を被削材から分離した状態を
説明する説明図である。
【図9】本発明に係る製造装置の他の実施例を説明する
説明図である。
【図10】図9に係る製造装置によって被削材を球状に
切削した状態を説明する断面図である。
【図11】切削刃の他の実施例を説明する一部を切欠し
た部分斜視図である。
【図12】切削刃の他の実施例を説明する一部を切欠し
た部分斜視図である。
【図13】切削刃の他の実施例を説明する一部を切欠し
た部分斜視図である。
【図14】原料となる貝を用いて短冊状の被削材を製作
する従来要領を説明する説明図である。
【図15】短冊状の被削材を説明する斜視図である。
【図16】霰状片を説明する斜視図である。
【図17】角落ち霰状片を説明する斜視図である。
【図18】荒丸め機を説明する説明図である。
【図19】荒丸め物を示す斜視図である。
【図20】霰状片の他の例を説明する斜視図である。
【図21】霰状片の他の例を説明する斜視図である。
【図22】荒円盤仕上機を説明する説明図である。
【図23】荒円盤仕上機の上下対向する周溝間に荒丸め
物を並べた状態を説明する断面図である。
【図24】球状物を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 製造装置 9 切削刃 11 円柱部 12 凹面 16 供給孔 17 供給孔の開口端 19 底部の中心 31 被削材 35 切削刃の先端 53 周壁 55 排出孔 56 凹溝 57 割溝

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線回りに回転することによって、半球
    状に湾曲する凹面12を形成する一対の切削刃10,1
    0を、その軸線を合致させ且つ凹面12,12を対向さ
    せて配置するとともに、その先端35,35間に被削材
    31を挟んで、両切削刃10,10を回転させつつその
    先端35,35を徐々に接近させ、切削部となる凹面1
    2及び先端35によって前記被削材を球状に切削するこ
    とを特徴とする真珠核の製造方法。
  2. 【請求項2】 軸線回りに回転する円柱部11の先端面
    部に、該円柱部11と軸線を共通にして、半球状に湾曲
    する凹面12を形成し、その底部には切削液供給用の供
    給孔16を設け、前記凹面12及び先端35を切削部と
    してなる切削刃10,10を、その軸線を合致させ且つ
    凹面12,12を対向させて配置するとともに、その先
    端35,35間に被削材31を挟んで、両切削刃10,
    10を回転させつつその先端35,35を徐々に接近さ
    せ、前記切削部によって被削材を球状に切削することを
    特徴とする真珠核の製造方法。
  3. 【請求項3】 軸線回りに回転する円柱部11の先端面
    部に、該円柱部11と軸線を共通にして、半球状に湾曲
    する凹面12を形成し、その底部には切削液供給用の供
    給孔16を設け、前記凹面12及び先端35を切削部と
    してなる切削刃10,10を、その軸線を合致させ且つ
    凹面12,12を対向させて配置するとともに、その先
    端35,35間に、前記凹面の直径に略等しい幅を有す
    る短冊状被削材31を、切削刃の先端35を短冊状被削
    材の左右端面に当接させて挟んで後、両切削刃10,1
    0を回転させつつその先端35,35を徐々に接近さ
    せ、前記切削部によって短冊状被削材を球状に切削する
    ことを特徴とする真珠核の製造方法。
  4. 【請求項4】 供給孔16が、その開口端17に底部の
    中心19が含まれないように稍偏心して設けられている
    請求項2又は3記載の真珠核の製造方法。
  5. 【請求項5】 軸線回りに回転せしめられる円柱部11
    の先端面部に、該円柱部11と軸線を共通にして、半球
    状に湾曲する凹面12を形成し、その底部には切削液供
    給用の供給孔16を設け、前記凹面12及び先端35を
    切削部としてなる切削刃10,10を、その軸線を合致
    させ且つ凹面12,12を対向させて配置するととも
    に、両切削刃の少なくとも一方を、切削刃の先端35,
    35が接近する方向に前進させるようにしたことを特徴
    とする真珠核の製造装置。
  6. 【請求項6】 供給孔16が、その開口端17に底部の
    中心19が含まれないように稍偏心して設けられている
    請求項5記載の真珠核の製造装置。
  7. 【請求項7】 軸線回りに回転せしめられる円柱部11
    の先端面部に、該円柱部11と軸線を共通にして、半球
    状に湾曲する凹面12を形成し、その底部には切削液供
    給用の供給孔16を設け、前記凹面12及び先端35を
    切削部としたことを特徴とする真珠核製造用の切削刃。
  8. 【請求項8】 供給孔16が、その開口端17に底部の
    中心19が含まれないように稍偏心して設けられている
    請求項7記載の真珠核製造用の切削刃。
  9. 【請求項9】 切削刃の凹面の周壁53に切屑排出用の
    排出孔55を設けた請求項7〜8記載の真珠核製造用の
    切削刃。
  10. 【請求項10】 切削刃の凹面12に、その先端から基
    端に向かって延びる切屑排出用の凹溝56を形成した請
    求項7〜8記載の真珠核製造用の切削刃。
  11. 【請求項11】 切削刃の凹面の周壁53に、その先端
    から基端に向かって延びる切屑排出用の割溝57を形成
    した請求項7〜8記載の真珠核製造用の切削刃。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005011370A1 (ja) * 2003-07-30 2005-02-10 Nihon University 真珠核の再生方法及び装置
WO2005018314A1 (ja) * 2003-08-22 2005-03-03 Nihon University 母貝の切出方法及び装置
JP2006197905A (ja) * 2005-01-24 2006-08-03 Univ Nihon 真珠核の再生方法及び装置

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JP4604171B2 (ja) * 2005-01-24 2010-12-22 学校法人日本大学 真珠核の再生方法及び装置

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