JP4344080B2 - フライトシミュレータ装置 - Google Patents

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JP4344080B2
JP4344080B2 JP2000315230A JP2000315230A JP4344080B2 JP 4344080 B2 JP4344080 B2 JP 4344080B2 JP 2000315230 A JP2000315230 A JP 2000315230A JP 2000315230 A JP2000315230 A JP 2000315230A JP 4344080 B2 JP4344080 B2 JP 4344080B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モーション機構を有するフライトシミュレータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
人が乗り込むことができる操縦席を有し、その操縦席をアクチュエータで動かして、G(加速度)の変化や振動などを搭乗者に感じさせ、実際の飛行機に搭乗しているような感覚を体験させるモーション機構付きフライトシミュレータ装置が知られている。
【0003】
従来、このようなフライトシミュレータ装置としては、航空会社等においてパイロットの飛行訓練に使用するような大型で複雑な構造のものがあるが、これは非常に高価であり、個人や小規模の企業などが購入できるものではなかった。
【0004】
一方、ゲームセンター等に設置されるような娯楽用のフライトシミュレータ装置もあるが、これは、ゲームとしての色彩が濃く、実機の操縦感とは乖離が大きかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、市販のフライトシミュレータソフトウェアを用い、かつ簡単な構成で、実際の飛行機操縦に近い感覚を操縦者に体験させることができるフライトシミュレータ装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)、(2)の本発明により達成される。
【0007】
(1) 人が乗り込むことができる操縦席と、
市販のフライトシミュレータソフトウェアを実行するコンピューターと、
前記フライトシミュレータソフトウェアの実行結果に対応して、少なくとも計器パネルを表示するディスプレイと、
前記フライトシミュレータソフトウェアの実行結果に対応して、前記操縦席を少なくとも左右方向に傾斜させ得るモーション機構とを有し、
前記コンピューターは、前記フライトシミュレータソフトウェアの実行結果のうち、前記ディスプレイに表示される旋回滑り計のボールの位置を表すのに用いられる数値データを利用して、前記操縦席の左右方向の傾斜姿勢の制御目標値を決定するように構成されていることを特徴とするフライトシミュレータ装置。
【0008】
(2) 人が乗り込むことができる操縦席と、
市販のフライトシミュレータソフトウェアを実行するコンピューターと、
前記フライトシミュレータソフトウェアの実行結果に対応して、少なくとも計器パネルを表示するディスプレイと、
前記フライトシミュレータソフトウェアの実行結果に対応して、前記操縦席を少なくとも前後方向と左右方向とに傾斜させ得るモーション機構とを有し、
前記コンピューターは、前記フライトシミュレータソフトウェアの実行結果のうち、前記ディスプレイに表示される姿勢指示器で示されるピッチ角度を表すのに用いられる数値データを利用して、前記操縦席の前後方向の傾斜姿勢の制御目標値を決定し、
前記コンピューターは、前記フライトシミュレータソフトウェアの実行結果のうち、前記ディスプレイに表示される旋回滑り計のボールの位置を表すのに用いられる数値データを利用して、前記操縦席の左右方向の傾斜姿勢の制御目標値を決定するように構成されていることを特徴とするフライトシミュレータ装置。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のフライトシミュレータ装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明のフライトシミュレータ装置の実施形態を右斜め前から見た斜視図、図2は、図1に示すフライトシミュレータ装置1を左斜め前から見た斜視図、図3は、フライトシミュレータ装置1を左斜め後ろからみた斜視図、図4は、フライトシミュレータ装置1の内部構成を模式的に示す右側面図、図5は、フライトシミュレータ装置1の内部構成を模式的に示す背面図、図6は、フライトシミュレータ装置1のブロック図、図7は、フライトシミュレータ装置1のディスプレイ5に表示される計器類の一例を示す図、図8および図9は、それぞれ、ディスプレイ5に表示される姿勢指示器(水平儀)の一例を示す図、図10および図11は、それぞれ、ディスプレイ5に表示される旋回滑り計の一例を示す図、図12は、ディスプレイ5に表示される高度計の一例を示す図である。
【0013】
なお、以下では、図4中の右側を「前」、左側を「後」、図5中の右側を「右」、左側を「左」として説明する。また、図4および図5では、内部構成を示すために、各部を覆うカバー部材や後述するサーボドライバー収納部23、コンピューター収納部24、シート43等を適宜省略して図示している。
【0014】
これらの図に示すフライトシミュレータ装置1は、基台2と、基台2に対してバンク回転中心線100の周りに回動可能に支持されたバンク回転部3と、バンク回転部3に対して回動可能に支持された操縦席4と、操縦席4の内部に設置されたディスプレイ5と、市販のフライトシミュレータソフトウェア7を実行可能なコンピューター6と、バンク回転用サーボモータ11と、ピッチ回転用サーボモータ12と、バンク回転用サーボモータ11を駆動するドライバー(駆動回路)13と、ピッチ回転用サーボモータ12を駆動するドライバー(駆動回路)14とを有している。以下、各部の構成について説明する。
【0015】
基台2は、フライトシミュレータ装置1の土台となるものであり、枠状をなしている。図4に示すように、基台2の後端部には、支柱21が立設されており、この支柱21の上端には、バンク回転部3の後ろ側に形成されたバンク回転軸31を支持する軸受22が設置されている。
【0016】
バンク回転部3のバンク回転軸31は、軸受22により、前後方向に沿って、かつ、ほぼ水平な姿勢で、基台2に対し回動可能に支持されている。これにより、バンク回転部3は、前後方向に沿ったバンク回転中心線100の周りに回動可能になっている。
【0017】
このように、バンク回転部3が基台2に対しバンク回転中心線100の周りに回動することにより、バンク回転部3に支持された操縦席4は、左右方向(図5中の矢印で示すような方向)に所定角度範囲で回動可能になっている。
【0018】
バンク回転部3のバンク回転軸31の前端部には、左右一対のアーム32、33が前方に突出するように設置されている。図5に示すように、これらのアーム32、33の前端部の上側には、それぞれ、操縦席4の下部に設置されたピッチ回転軸41を支持する軸受34、35が設けられている。すなわち、操縦席4の下部に設置されたピッチ回転軸41は、軸受34、35により、バンク回転部3に対し回動可能に支持されている。これにより、操縦席4は、バンク回転部3に対しピッチ回転中心線200の周りに回動可能になっている。
【0019】
ピッチ回転中心線200(ピッチ回転軸41)は、バンク回転部3が基台2に対し傾斜していない状態(図4および図5に示す状態)では、横方向に沿って、かつ、ほぼ水平に位置している。
【0020】
このような構成により、操縦席4は、前後方向(図4中の矢印で示すような方向)に所定角度範囲で回動可能になっている。
【0021】
バンク回転部3が基台2に対してバンク回転中心線100を中心として回転し、さらに、操縦席4がバンク回転部3に対してピッチ回転中心線200を中心として回転することにより、操縦席4の左右方向の傾斜と前後方向の傾斜とが合成される。
【0022】
フライトシミュレータ装置1は、後述するフライトシミュレータソフトウェア7の実行結果に対応して、操縦席4を上述したような前後方向と左右(ロール)方向とに傾斜させ得るモーション機構を有している。
【0023】
図4に示すように、支柱21の後ろ側には、バンク回転部3のバンク回転軸31をベルト111を介して回転駆動するバンク回転用サーボモータ11が設置されている。このバンク回転用サーボモータ11が回転することにより、操縦席4は、基台2に対し左右方向に回動する。
【0024】
また、図5に示すように、バンク回転部3の右側のアーム33には、ピッチ回転軸41をベルト121を介して回転駆動するピッチ回転用サーボモータ12が設置されている。このピッチ回転用サーボモータ12が回転することにより、操縦席4は、基台2に対し前後方向に回動する。
【0025】
バンク回転用サーボモータ11とピッチ回転用サーボモータ12とは、それぞれ、ドライバー13、ドライバー14によって駆動される。このドライバー13およびドライバー14は、基台2の支柱21の右方に設置されたサーボドライバー収納部23の内部に設置・収納されている。
【0026】
操縦席4は、その後面側を除いて、カバー42で覆われている。これにより、操縦者は、部屋の内部の様子などが目に入らないため、後述するディスプレイ5に表示される画像のシーナリーの地平線(水平線)を現実の地平線であると感じやすく(錯覚しやすく)なる。よって、操縦者は、ディスプレイ5に表示されるシーナリーの地平線がディスプレイ5に対して傾いた時、シーナリーの地平線が動いたのではなく、自分が傾いたように感じる。
【0027】
図2に示すように、操縦席4のカバー42の左側面には、その上部にドア421が、その下部にドア422がそれぞれ設けられており、操縦者は、このドア421、422を開けて操縦席4の内部に出入りする。
【0028】
図4および図5に示すように、操縦席4の内部には、ディスプレイ5と、シート43と、操縦装置44と、ペダル(ラダーペダル)45とがそれぞれ設置されている。そして、操縦装置44には、操縦桿46が設けられている。
【0029】
操縦装置44には、さらに、スロットルノブ、プロップコントロールノブ、ミクスチャコントロールノブ等の、その他の操作部47がそれぞれ設置されている。ペダル45と、操縦桿46と、その他の操作部47とは、後述するコンピューター6への入力装置40となるものである。
【0030】
また、操縦席4には、エンジン音等を再現するスピーカ(図示せず)や、エンジン等の振動を再現するための振動を発生する機構(図示せず)等が適宜設置されていてもよい。
【0031】
ディスプレイ5は、中央ディスプレイ51と、左ディスプレイ52と、右ディスプレイ53との3つの液晶ディスプレイで構成されている。
【0032】
コンピューター6は、基台2の支柱21の左方に設けられたコンピューター収納部24の内部に設置・収納されている。
【0033】
図6に示すように、コンピューター6は、マザーボード61と、ビデオカード62と、制御ボード63と、CPU64とを有しており、ビデオカード62および制御ボード63は、CPU64に対して信号ラインを介して接続されている。
【0034】
そして、ビデオカード62は、ディスプレイ5に接続されている。また、制御ボード63は、バンク回転用サーボモータ11を駆動するドライバー13と、ピッチ回転用サーボモータ12を駆動するドライバー14とにそれぞれ接続されている。
【0035】
また、マザーボード61には、コンピューター6に各種の入力を行うキーボード(入力手段)50が接続されている。
【0036】
このようなコンピューター6は、市販のフライトシミュレータソフトウェア7を実行可能なものである。市販のフライトシミュレータソフトウェア7としては、特に限定されないが、例えば、マイクロソフト社製「Flight Simulator 2000」や、同「Flight Simulator 98」等が挙げられる。
【0037】
このような市販のフライトシミュレータソフトウェア7は、近年、著しく発達し、実際の飛行機の飛行・操縦を非常に忠実にシミュレート(再現)することが可能であるとともに、価格も誰にでも購入することができる程に安価になっている。本発明によれば、このような市販のフライトシミュレータソフトウェア7の実行結果のうちから取り出した数値データを利用して、それに応じて操縦席4を傾斜させることにより、操縦者に実際の飛行機操縦に近い感覚を体験させることができるフライトシミュレータ装置を簡単な構成で実現することができる。これにより、従来の大型・複雑なフライトシミュレータ装置と比べて大幅に安価で提供することが可能である。
【0038】
マザーボード61には、ぺダル45、操縦桿46およびその他の操作部47等の入力装置40が、図示しないインターフェースを介して接続されている。これにより、操縦者の操作するぺダル45や操縦桿46等からの操作信号がCPU64に入力される。
【0039】
CPU64は、入力装置40からの操作信号等に基づいてフライトシミュレータソフトウェア7を実行する。
【0040】
フライトシミュレータソフトウェア7を実行したCPU64は、その実行結果として、画像を表示するための計算に用いられるデータを出力する。
【0041】
ビデオカード62は、CPU64から入力された前記データに基づいて所定の処理を行い、ディスプレイ5に対して画像信号を出力する。
【0042】
ディスプレイ5は、ビデオカード62からの前記画像信号に基づいて、各種の計器類やシーナリー(風景)等を表示する。例えば、中央ディスプレイ51には、図7に示すように、姿勢指示器(水平儀)60、旋回滑り計70および高度計80等を含む各種の計器類(計器パネル)と前方の視界とが表示され、左ディスプレイ52には、斜め左前方の視界が表示され、右ディスプレイ53には、斜め右前方の視界が表示される。なお、本発明では、ディスプレイ5は少なくとも計器パネルを表示するものであればよく、例えば、シーナリーは外部のスクリーンに投影機で投影するような構成であってもよい。
【0043】
CPU64から出力される、計器パネル表示のための計算に用いられる数値データには、中央ディスプレイ51に表示される計器類のうちの姿勢指示器60でバンク角度を表すのに使われるバンク角度データb(例えば Microsoft FS2000 では、変数 PLANE_BANK_DEGREES)と、姿勢指示器60でピッチ角度を表すのに使われるピッチ角度データp(例えば Microsoft FS2000 では、変数 PLANE_PITCH_DEGREES)と、旋回滑り計70のボールの位置を表すのに使われるボール位置データt(例えば Microsoft FS2000 では、変数 TURN_COORDINATOR_BALL_POS)と、高度計80で高度を表すのに使われる高度データa(例えば Microsoft FS2000 では、変数 PLANE_ALTITUDE)とがそれぞれ含まれている。
【0044】
ビデオカード62に入力される前記データの中には、これらの他に、速度計で示される機体の飛行速度やプロペラ回転計で示されるプロペラ回転数等を表すのに使われる各種の数値データが含まれており、さらには、シーナリーを表示するためのデータ等も含まれている。図6においては、これらを総称して、その他のデータrとして示す。
【0045】
図8に示すように、姿勢指示器60には、模擬の水平線601があり、この模擬の水平線601が機体姿勢に応じて動くことにより、機体のピッチ角度とバンク角度とがそれぞれ表示される。
【0046】
例えば、図9に示すように、模擬の水平線601が下に移動すると、ピッチ角度が機首上げの方向に10°であることを示している。ピッチ角度データpは、姿勢指示器60においてこのピッチ角度を表示するために用いられる数値データである。
【0047】
また、機体のバンク角度は、模擬の水平線601が傾斜することにより示される。バンク角度データbは、姿勢指示器60においてこのバンク角度を表示するために用いられる数値データである。
【0048】
図10に示すように、旋回滑り計70には、機体の横滑り量に応じて左右に移動するボール701と、バンクの方向および大きさを示す飛行機シンボル702とがある。ここで言う「滑る」とは、飛行方向と機首の向きとが左右にずれている状態で飛行(旋回)することを意味する。
【0049】
実際の飛行機においては、旋回中は、搭乗者は、重力と旋回による遠心力との合力を受ける。正常な旋回の時は、この合力は座席の方に向かい、従って操縦者は、横方向の力(以下、「横G」と言う。)を受けない。旋回滑り計70のボール701も同様の力を受け、正常な旋回の時は、中央に位置する。滑りを生じたときは、操縦者は、横Gを感じ、旋回滑り計70のボール701は、外滑り・内滑りに対応して左右に移動して、機体の横滑りを表示する。
【0050】
例えば、図11に示すように、ボール701が左に移動したときは、機体が左に滑っていることを示している。ボール位置データtは、この旋回滑り計70においてボール701の位置を表示するために用いられる数値データである。
【0051】
図12に示すように、高度計80は、気圧高度を示すものである。例えば、図12に示す状態では、高度は、6,220フィートであることを示している。高度データaは、この高度計80において高度を表示するために用いられる数値データである。
【0052】
図6に示すように、制御ボード63は、CPU64から出力される、計器パネル表示のための計算に用いられる数値データのうち、ピッチ角度データpと、ボール位置データtと、高度データaとを読み出すようになっている。すなわち、制御ボード63には、ピッチ角度データpと、ボール位置データtと、高度データaとがそれぞれ入力される。
【0053】
制御ボード63では、これらの入力データのうち、ピッチ角度データpを利用して、操縦席4の前後方向の傾斜姿勢の制御目標値が決定される。すなわち、制御ボード63は、ピッチ角度データpに基づいて所定の演算を行い、その結果に応じて、ピッチ回転用サーボモータ12を駆動するドライバー14に対して制御信号を出力する。
【0054】
ドライバー14は、制御ボード63から入力された前記制御信号に対して増幅等の所定の処理を行い、ピッチ回転用サーボモータ12を駆動する制御信号(制御電圧)を出力する。これにより、ピッチ回転用サーボモータ12が駆動され、その結果、操縦席4は、基台2(バンク回転部3)に対して、前後方向に回動する。
【0055】
このようにして、操縦席4の前後方向の傾斜姿勢は、ディスプレイ5の中の姿勢指示器60で示される機体のピッチ角度に応じて制御される。これにより、操縦者は、フライトシミュレータソフトウェア7の実行結果としてディスプレイ5に表示されているシーナリーの地平線(水平線)に対応した前後方向の傾斜を体感し、実機操縦と同様の感覚を体験することができる。
【0056】
また、制御ボード63では、前記入力データのうち、ボール位置データtを利用して、操縦席4の左右方向の傾斜姿勢の制御目標値が決定される。すなわち、制御ボード63は、ボール位置データtに基づいて所定の演算を行い、その結果に応じて、バンク回転用サーボモータ11を駆動するドライバー13に対して制御信号を出力する。
【0057】
ドライバー13は、制御ボード63から入力された前記制御信号に対して増幅等の所定の処理を行い、バンク回転用サーボモータ11を駆動する制御信号(制御電圧)を出力する。これにより、バンク回転用サーボモータ11が駆動され、その結果、操縦席4は、基台2に対して、バンク回転部3とともに左右方向に回動する。
【0058】
このようにして、操縦席4の左右方向の傾斜姿勢は、ディスプレイ5の中の旋回滑り計70のボール701の位置に応じて制御される。
【0059】
ここで、通常、姿勢指示器60で示されるバンク角度を表すのに使われるバンク角度データbに基づいて操縦席4の左右方向の傾斜姿勢を制御するのが容易に想到されるところであるが、上述したように、本発明においては、旋回滑り計70のボール701の位置を表すのに使われるボール位置データtを利用して、操縦席4の左右方向の傾斜姿勢を制御している。これにより、フライトシミュレータ装置1では、以下に述べるように、より実機操縦に近い感覚を操縦者に体験させることができる。
【0060】
すなわち、本発明と異なり、姿勢指示器60で示されるバンク角度を表すのに使われるバンク角度データbを利用して、操縦席4の左右方向の傾斜姿勢の制御目標値を決定することとした場合には、ボール701が中央に位置する、横滑りのない正常旋回の状態でも操縦席4が左右方向に傾斜する。これにより、操縦者は、横Gを感じるが、これは、実際の飛行機操縦で体験する感覚とは異なるものである。
【0061】
実際の飛行機では、横滑りのない正常旋回の状態では、機体の傾斜により操縦者にかかる横方向の力は、旋回による遠心力で相殺される。よって、飛行機の旋回による遠心力と、重力との合力の向きは、機体に対し下方向(機体の下側に向かう方向)となり、飛行機の搭乗者は、横Gを感じない。よって、姿勢指示器60で示されるバンク角度を表すバンク角度データbを利用して、操縦席4の左右方向の傾斜姿勢の制御目標値を決定することとした場合には、実機操縦で体験する感覚と異なる感覚が生じ、娯楽用のゲーム的なフライトシミュレータ装置の場合には問題ないが、実機の飛行訓練用には適さない。
【0062】
これに対し、本発明においては、旋回滑り計70のボール701の位置を表すボール位置データtを利用して、操縦席4の左右方向の傾斜姿勢の制御目標値が決定されることから、実際の飛行機操縦と同様の感覚が得られる。例えば、フライトシミュレーション上で機体がバンクして旋回している状態でも、旋回滑り計70のボールの701が中央に位置するときには、操縦席4は、左右方向に傾斜しないように制御され、操縦者は、実機と同様に、横Gを感じない。
【0063】
そして、旋回滑り計70のボール701が中央から左右いずれかに移動しているとき、すなわち機体が横滑りして旋回しているときには、ボール701の移動方向および移動量に応じて、操縦席4が左右方向に傾斜する。これにより、操縦席4内の操縦者には、操縦席4の座席に対して傾斜した方向に重力が作用するため操縦者は倒されようとするが、この倒されようとする力を操縦者に旋回中の横Gであると感じさせる(錯覚させる)ことができる。
【0064】
このように、フライトシミュレータ装置1では、操縦者により実機操縦に近い感覚を体験させることができる。よって、本発明のフライトシミュレータ装置は、娯楽用はもちろん、実機の飛行訓練用にも適している。
【0065】
また、本実施形態においては、離陸時の滑走中には、操縦席4を左右方向に傾斜させないように制御が行われる。これにより、操縦者が感じる違和感をなくし、より自然な感覚を体験させることができる。これについて、以下に説明する。
【0066】
実際の飛行機においては、離陸時の滑走中に、プロペラー効果等による機体の蛇行の結果として横Gが生じ、旋回滑り計70のボール701が左右に移動するが、この現象は、フライトシミュレータソフトウェア7によるシミュレーションでも再現される。この現象が生じた場合、前述した制御によれば、操縦席4は、ボール701の位置に応じて、左右方向に傾斜する。
【0067】
しかし、離陸時の滑走中は、操縦者は、フライトシミュレータ装置1に乗り込んだばかりであることから、床面に立っているときの感覚が強く残っている。このため、操縦席4が傾斜したとき、横方向に力がかかっているだけと錯覚せずに、操縦席4の傾斜であると感じてしまいがちである。そして、地上(滑走路)を滑走中には、飛行機は傾かないという観念が強いので、操縦者は、違和感を感じてしまう。
【0068】
よって、離陸時の滑走中には、操縦席4を左右方向に傾斜させないよう制御を行うことにより、操縦者が感じる違和感をなくし、より自然な感覚を体験させることができる。
【0069】
このような制御を行うために、制御ボード63では、高度計80で示される高度を表すのに使われる高度データaを利用する。すなわち、高度データaが、離陸しようとする滑走路の高度の数値と等しい場合には、離陸滑走中であると判定し、旋回滑り計70のボール701の位置を表すボール位置データtの値によらず、ボール701が中央に位置する場合と同様の制御信号をバンク回転用サーボモータ11に対して出力する。これにより、操縦席4は、離陸時の滑走中には、左右方向に傾斜しないように制御される。
【0070】
また、着陸時の滑走中においても、上述したのと同様の制御を行い、操縦席4を左右方向に傾斜させないように制御を行うのが好ましい。
【0071】
なお、本発明においては、上述したような、離着陸時の滑走中に操縦席4を左右方向に傾斜させない制御を行わないものであってもよい。
【0072】
また、本実施形態では、離着陸を知るのに高度データaを利用したが、高度データa以外のものを利用することも考えられる。
【0073】
以上、本発明のフライトシミュレータ装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、フライトシミュレータ装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。
【0074】
例えば、モーション機構は、操縦席を前後方向と左右方向とに傾斜させ得るのみであるものに限らず、例えば、さらに、ヨー方向の回転、前後方向の移動、左右方向の移動および上下方向の移動が可能なもの(6軸方向の制御が可能なもの)等であってもよい。
【0075】
また、操縦席を傾斜させるアクチュエータは、サーボモータに限らず、例えば、油圧シリンダ、油圧モータ、空気圧シリンダ等でもあってもよい。
【0076】
また、操縦席は、シートが1つのものに限らず、2以上の座席を有するものであってもよい。
【0077】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、市販のフライトシミュレータソフトウェアを用い、かつ簡単な構成で、実際の飛行機操縦に近い感覚を操縦者に体験させることができ、従来の大型かつ複雑なフライトシミュレータ装置に比べて、大幅に安価に製造することができる。これにより、個人や小規模の企業などに対しても、普及させることが可能である。
【0078】
特に、シミュレーション上の旋回滑り計のボール位置を表すデータに基づいて操縦席の左右方向の傾斜姿勢を制御することにより、正常旋回時には実機操縦と同様に操縦者に横Gを感じさせない等の、実機に忠実な体感が得られる。これにより、娯楽用はもちろん、実機の飛行訓練用としても好適に使用することができる。
【0079】
また、離陸時や着陸時の滑走中には、操縦席を左右方向に傾斜させないよう制御を行うこととした場合には、離陸時や着陸時の滑走中の違和感がなくなり、操縦者に対して、より自然な操縦感を体験させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフライトシミュレータ装置の実施形態を右斜め前から見た斜視図である。
【図2】図1に示すフライトシミュレータ装置を左斜め前から見た斜視図である。
【図3】図1に示すフライトシミュレータ装置を左斜め後ろから見た斜視図である。
【図4】図1に示すフライトシミュレータ装置を模式的に示す右側面図である。
【図5】図1に示すフライトシミュレータ装置を模式的に示す背面図である。
【図6】図1に示すフライトシミュレータ装置のブロック図である。
【図7】ディスプレイに表示される計器類の一例を示す図である。
【図8】ディスプレイに表示される姿勢指示器(水平儀)の一例を示す図である。
【図9】ディスプレイに表示される姿勢指示器(水平儀)の一例を示す図である。
【図10】ディスプレイに表示される旋回滑り計の一例を示す図である。
【図11】ディスプレイに表示される旋回滑り計の一例を示す図である。
【図12】ディスプレイに表示される高度計の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 フライトシミュレータ装置
2 基台
21 支柱
22 軸受
23 サーボドライバー収納部
24 コンピューター収納部
3 バンク回転部
31 バンク回転軸
32、33 アーム
34、35 軸受
4 操縦席
41 ピッチ回転軸
42 カバー
421、422 ドア
43 シート
44 操縦装置
45 ペダル
46 操縦桿
47 その他の操作部
5 ディスプレイ
51 中央ディスプレイ
52 左ディスプレイ
53 右ディスプレイ
6 コンピューター
61 マザーボード
62 ビデオカード
63 制御ボード
64 CPU
7 フライトシミュレータソフトウェア
11 バンク回転用サーボモータ
111 ベルト
12 ピッチ回転用サーボモータ
121 ベルト
13、14 ドライバー
40 入力装置
50 キーボード
60 姿勢指示器
601 模擬の水平線
70 旋回滑り計
701 ボール
702 飛行機シンボル
80 高度計
100 バンク回転中心線
200 ピッチ回転中心線
b バンク角度データ
p ピッチ角度データ
t ボール位置データ
a 高度データ
r その他のデータ

Claims (2)

  1. 人が乗り込むことができる操縦席と、
    市販のフライトシミュレータソフトウェアを実行するコンピューターと、
    前記フライトシミュレータソフトウェアの実行結果に対応して、少なくとも計器パネルを表示するディスプレイと、
    前記フライトシミュレータソフトウェアの実行結果に対応して、前記操縦席を少なくとも左右方向に傾斜させ得るモーション機構とを有し、
    前記コンピューターは、前記フライトシミュレータソフトウェアの実行結果のうち、前記ディスプレイに表示される旋回滑り計のボールの位置を表すのに用いられる数値データを利用して、前記操縦席の左右方向の傾斜姿勢の制御目標値を決定するように構成されていることを特徴とするフライトシミュレータ装置。
  2. 人が乗り込むことができる操縦席と、
    市販のフライトシミュレータソフトウェアを実行するコンピューターと、
    前記フライトシミュレータソフトウェアの実行結果に対応して、少なくとも計器パネルを表示するディスプレイと、
    前記フライトシミュレータソフトウェアの実行結果に対応して、前記操縦席を少なくとも前後方向と左右方向とに傾斜させ得るモーション機構とを有し、
    前記コンピューターは、前記フライトシミュレータソフトウェアの実行結果のうち、前記ディスプレイに表示される姿勢指示器で示されるピッチ角度を表すのに用いられる数値データを利用して、前記操縦席の前後方向の傾斜姿勢の制御目標値を決定し、
    前記コンピューターは、前記フライトシミュレータソフトウェアの実行結果のうち、前記ディスプレイに表示される旋回滑り計のボールの位置を表すのに用いられる数値データを利用して、前記操縦席の左右方向の傾斜姿勢の制御目標値を決定するように構成されていることを特徴とするフライトシミュレータ装置。
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