JPH0582947B2 - - Google Patents

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JPH0582947B2
JPH0582947B2 JP11587587A JP11587587A JPH0582947B2 JP H0582947 B2 JPH0582947 B2 JP H0582947B2 JP 11587587 A JP11587587 A JP 11587587A JP 11587587 A JP11587587 A JP 11587587A JP H0582947 B2 JPH0582947 B2 JP H0582947B2
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cockpit
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flight
spatial disorientation
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JP11587587A
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Tadafumi Suzuka
Ichiro Aoki
Masaru Kotai
Nobuyuki Fukuda
Tetsuo Furumura
Akira Mizuma
Masaru Narasaki
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Mitsubishi Precision Co Ltd
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Mitsubishi Precision Co Ltd
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、操縦者が空間における位置関係の混
乱、或いは錯覚によつて陥る空間識失調を安全な
地上で模擬的に体験し、かつその空間識失調から
離脱を図る対処訓練を実行できるように開発され
た空間識失調に対する対処訓練用模擬装置に関す
る。
〔従来技術〕
従来より、航空機の模擬装置は、操縦者の訓練
用に汎用れており、特に、戦闘機の操縦は飛行形
態が多種を極めることから、これら種々の飛行形
態に慣熟するために、高性能の模擬訓練装置が提
案されている。また、航空機の操縦、特に上記戦
闘機のように飛行形態が激しく変化する操縦に当
たつては、飛行中に操縦者が、空間において、位
置関係の混乱或いは錯覚によつて陥る空間識失調
状態を経験することが、しばしば有り、故にこの
ような空間識失調状態を安全な地上で体験させる
ようにした模擬装置も若干、提供されている。
即ち、空間識失調の体験が可能な従来の模擬装
置は、操縦者の視覚的な錯覚を体験させるために
簡単な窓外視界を模擬装置内の操縦者に表示、提
供するようにしたものや、操縦者の内耳性の錯覚
を物理的に実現するもの等がある。
〔解決すべき問題点〕
然しながら、従来の模擬装置においては、各種
空間識失調を夫々単独的に体験させるに留まり、
また、空中を飛行する航空機の極めて簡単な飛行
形態を模擬しながら、そのような単独的な空間識
失調を散発的に体験させるだけで、戦闘機のよう
な複雑な飛行形態を模擬しながら、飛行中に操縦
者が遭遇するような各種、複雑な各種の空間識失
調を単独的にも複合的にも誘発させ、実機体験に
略等しい空間識失調感を体験させ、かつ、誘発さ
れた空間識失調に対する対処要領を訓練させると
共にそこからの離脱訓練をも実行し得る高度な模
擬装置は未だ提供されていないから、操縦者の模
擬訓練装置として不充分であると云う問題点があ
る。よつて、本発明は、斯る問題点を解消し、例
えば戦闘機等特定の航空機の性能、特性を模擬す
ることにより、通常の状況下での飛行形態を模擬
し得ると同時に被訓練者、即ち、多くの飛行機操
縦者に対して、そのような通常の飛行中における
多数種の視覚的、物理的錯覚を誘発し易い状況現
示を単独的にも且つ複合的にも行うことにより、
空間識失調体験とそれらに対する対処要領を連続
して訓練させることができる空間識失調に対する
対処訓練用模擬装置を提供せんとするものであ
る。
〔解決手段〕
上述の発明目的に鑑みて、本発明は、縦軸線回
りに旋回する回転テーブル上に配置されると共に
ピツチ軸、ロール軸を形成する直交2軸回りの動
揺作用を生起する動揺台上に設けられた模擬操縦
室と、該模擬操縦室内で被訓練者に対して模擬窓
外視界を表示するように設けられた模擬視界表示
装置部と、予め準備された空間飛行プログラムと
空間識失調プログラムに従つて飛行模擬信号と空
間識失調誘発信号とを演算、発生する演算制御装
置と、前記模擬操縦室内の被訓練者に対する対処
訓練計画に従つて前記演算制御装置の作動を制御
する制御パネルを有した教官卓部と、前記演算制
御装置から発生する飛行模擬信号と空間識失調誘
発信号とに基づいて前記模擬視界表示装置に対す
る視界映像信号を発生する模擬視界映像発生装置
と、同じく飛行模擬信号と空間識失調誘発信号と
に基づいて前記回転テーブル及び動揺台の模擬動
作制御信号を発生する操縦室動揺制御装置とを具
備して構成されたことを特徴とする空間識失調に
対する対処訓練用模擬装置を提供するものであ
る。以下、本発明を、添付図面に示す実施例に基
づいて詳細に説明する。
〔実施例〕
さて、先ず、本発明に係る空間識失調に対する
対処訓練用模擬装置により、体験することのでき
る空間識失調の基本的な錯覚について説明する
と、これらには、視覚的及び物理的原因に基づい
て次ぎの8種のものがある。即ち、(イ)自動運動錯
覚と言われるもので、目標とするものが、空間内
で他にない場合、固定された物体が動いているよ
うに見える錯覚、(ロ)相対運動錯覚と言われるもの
で、相手の姿勢や速度が変化した場合に相対的に
自分の姿勢や速度が変化したように感じる錯覚、
(ハ)水平線誤認錯覚と言われるもので、他に明確な
基準がない状態で、横に長いものを見ると平行、
縦に長いものを見ると垂直に感じる錯覚、例え
ば、雲海の頂部が斜めであつても、それを水平と
錯覚するもの、(ニ)光源誤知錯覚と言われるもの
で、夜間飛行の場合に星と地上や水面上の灯火が
同一平面上にあるものと感じる錯覚、(ホ)太陽や月
による錯覚で、他に明確な基準がない場合、太陽
や月は常に自分の頭上にあるものと感じる錯覚、
(ヘ)リーン錯覚と言われるもので、三半規管が角加
速度にだけ反応し、角速度に応答しないことと、
またあるレベル以上の入力でないと感知できない
ことによる錯覚、(ト)眼重力錯覚と言われるもので
重力以外の直線加速度が作用したときに重力と該
直線加速度との合力方向に重力加速度を感じる錯
覚、(チ)コリオリー錯覚と言われる急激なターンや
スピンなどの回転運動を行う場合、回転面以外の
方向に頭を向ると、感ずる異様な感覚等である。
本発明は、これらの基本的な8種の空間識失調を
基礎にしてこれらを組合わせ、複合的な錯覚感を
も体験させ得るのである。
さて、本発明に係る模擬装置は、第1図に示す
ように、模擬操縦室動揺装置部10と、この模擬
操縦室動揺装置部10によつて縦軸回りの旋回及
び空間における航空機のピツチ動作、ロール動作
を生起し得るように設けられた模擬操縦室部20
と、予め準備されたプログラムに従つて空間識失
調に対する対処訓練を含めた模擬飛行訓練に必要
な演算処理を実行するデイジタル計算機を備えた
演算制御部30と、前記模擬操縦室部20に備え
られた後述の模擬視界表示装置部に表示する模擬
窓外視界の映像信号を前記演算制御部30の制御
信号に従つて発生させる模擬視界発生装置40
と、被訓練者に対する対処訓練計画に従つて上記
演算制御部30の作動を制御すると共に該被訓練
者の操作の監視や指導並びに本訓練装置の始動や
停止制御を行う操作端子をも有した教官制御卓部
50と、前記演算制御部30と教官制御卓部50
又は、前記演算制御部30と前記模擬操縦室動揺
装置部10及び前記模擬操縦室部20とを信号連
結する信号変換装置部60と、電源部70とを具
備して構成されている。
上記模擬操縦室動揺装置部10は、前述した空
間識失調の各種錯覚のうち、体感情報の混乱によ
り発生する内耳性錯覚を誘発するための体感を被
訓練者に与えると共に通常の飛行形態でのピツチ
軸、ロール軸に関する飛行運動感覚を被訓練者に
与える装置部分であり、加減速及び正逆回転が可
能な通常の直流モータ(図示なし)を回転駆動源
として縦軸回りに旋回可能な回転テーブル11
と、この回転テーブル11上に載置されると共に
上記模擬操縦室部20を下方から複数(3本)の
油圧アクチユエータ(図示なし)と、適宜のリン
ク機構から成るアクチユエータ部13を介して支
持し、そのアクチユエータ部13の2本の油圧ア
クチユエータを交互的に又は同時的に作動させて
該模擬操縦室部20にピツチ軸回りと、ロール軸
回りの2自由度の運動感覚を与えるように動揺々
作させる動揺台12と、油圧源装置14と、前記
動揺台12のアクチユエータ部13の作動を制御
する動揺台制御装置15と、前記回転テーブル1
1の直流モータの作動を制御する回転テーブル制
御装置16を備えている。
特に図示はしないが、模擬操縦室内に、日本シ
ユミレーシヨン学会シミユレーシヨン誌第5巻第
1号にて開示しているGシートを装備し、演算制
御部30が計算する模擬飛行の加速度ベクトルに
応じて、Gシートを構成する空気圧クツシヨンの
それぞれの厚さを制御して、Gシートのクツシヨ
ン全体の形状を変化させることにより、Gシート
に着席した被訓練者に持続加速度の体感を与える
ことができる。また、前述の雑誌に開示されてい
るGスーツを着用した被訓練者に、演算制御部3
0が計算する垂直方向の機体加速度に応じた空気
圧をGスーツに供給することにより、戦闘機の実
飛行を模擬する加速度の感覚を与えることができ
る。
上記模擬操縦室部20は、模擬視界表示装置部
21を備えた被訓練者用の操縦室として形成され
ており、既存の航空機用シミユレータの模擬操縦
室(例えば、既存の戦闘機のシミユレータのコツ
クピツト)を流用して実機と同じ臨場感を与える
構造と装備(例えば、計器パネル24)を備えて
形成することもできる。そして、上記模擬視界表
示装置部21は、模擬操縦室の前方に装着された
2台の周知のCRT型映像表示装置22,23を
有して被訓練者に実機の窓外視界と同様な視界を
凹面鏡の利用により無限遠的に表示するようにな
つている。2台のCRT型映像表示装置が用いら
れているのは、被訓練者の視点位置を中心として
左方、中央の横方向に実機の場合と同程度の広い
表示視野を確保し、例えば、編隊長機等の僚機を
自機の左側に表示し得るようにし、かつ上方、下
方にも適正規模の表示視野を確保するためであ
る。操縦室内には、更にモニターカメラ25が具
備され、操縦席内の被訓練者をモニター可能にな
つている。
演算制御部30は、既述のようにデイジタル計
算機31を備え、予め準備されたプログラムを演
算処理する実行と、それらプログラムデータを入
出力するもので、32ビツトの汎用計算機で構成す
ればよい。また、予め準備されるプログラムには
通常の飛行形態の模擬に用いられる模擬視界の表
示内容を規定した模擬視界用データベース、航空
機の通常の飛行形態を模擬する際の航空機性能、
特性やエンジン性能、特性や航空機各系統、航法
系統等の機能、性能等の模擬計算を実行して模擬
訓練データを供するためのプログラムと本発明に
係る空間識失調の各種錯覚を誘発して模擬操縦室
部20において模擬表示させる計算を実行するプ
ログラムと、模擬操縦室動揺装置部10、模擬視
界発生装置部40、教官制御卓部50、信号変換
装置部60等の夫々の装置部の駆動信号を演算・
発生するプログラムとから成る運用プログラム、
各装置部の機能点検や診断を行う整備プログラ
ム、各種データの作成、変更、保存及び管理を遂
行するための支援プログラム、上記各種のプログ
ラムの実行の制御、監視、並びに入出力の制御を
行う管理プログラム等から構成されている。
模擬視界発生装置部40は、上記演算制御部3
0のデイジタル計算機31からの模擬視界発生用
の出力データにより、映像を発生する装置部であ
り、昼間と夜間との両条件下における実感的な模
擬視界、つまり、僚機(編隊長機)の像、雲、
霧、地上灯火、河面または海面上の灯火、水平線
等通常視界映像信号と空間識失調の誘発用映像、
特に視覚情報の混乱により発生する視覚性錯覚の
誘発用映像信号とを発生して上述の模擬操縦室部
20の模擬視界表示装置部21へ映像信号を送出
するもので、デイジタル計算機31及び模擬視界
表示装置部21と組み合わせて映像発生をおこな
うために磁気デイスク装置や磁気テープ装置等の
プログラム記憶装置、各種プログラムの起動とデ
ータの入出力を行うターミナル、デイジタル計算
機31から出力された表示データを記憶し、その
中から飛行状況に応じて被訓練者の視野内及び可
視距離内に在る表示対象物の選択、不可視面の消
去、灯火の輝度変化の計算処理等を行う幾何計算
装置、上記幾何計算装置の計算結果に基づいて映
像表示装置22,23へ表示するためのビデオ信
号を作成、発生するビデオ信号装置、電源制御装
置等を具備して構成されるもので、この種の模擬
視界発生装置部40の具体的手段としては、本出
願人の出願に係る特公昭60−29430号公報に開示
された模擬視界発生装置が適用できる。
次に、教官制御卓部50は、模擬操縦室動揺装
置部10、模擬操縦室部20、演算制御部30、
信号変換部60等の他の装置部の夫々に接続され
ており、本発明に係る対処訓練用模擬装置の全般
の制御を担当する装置として形成されており、同
時に被訓練者の空間識失調の体験状況、離脱状況
の監視、被訓練者に種々の空間識失調錯覚におけ
る選択した錯覚体験を経験させるべく訓練問題の
選択・設定を行い、かつ訓練進行の制御を行う機
能を有していて、本模擬訓練装置の全般的制御を
遂行するための制御パネル51、模擬操縦室部1
0の内部の計器表示と同じ表示データを表示する
リピーター計器52、模擬訓練計画の目次の表示
や該訓練計画の進行状況の監視・制御用のデータ
表示を行うキヤラクターデイスプレイ53、模擬
訓練実施中の飛行緒元や飛行航跡の表示と僚機及
び自機の相対的位置関係の表示等を行う航跡テイ
スプレイ54、模擬訓練実施時の模擬操縦室内部
のモニターカメラ25と接続されて被訓練者の訓
練状況を監視するための模擬操縦室モニター装置
55、模擬操縦室内部の2台の映像表示装置2
2,23の表示内容を切り換えスイツチ71を介
してモニターする模擬視界モニター装置56等を
備えている。なお、上記の制御パネル51は、模
擬操縦室部20の飛行データ計器指示のモニター
計器、僚機の飛行状況を表示する計器、被訓練者
の空間識失調誘発状況を定量的に判定評価するた
めの客観的データを表示し且つ該データのプリン
ター57への出力制御を行う評価パネル、模擬操
縦室動揺装置部10や映像表示装置22,23や
上述の模擬操縦室モニター装置55と模擬視界モ
ニター装置56等の起動、停止を制御するための
デバイスコントロールパネル、模擬訓練計画にお
ける空間識失調誘発のための訓練計画の選択制御
及び上述のキヤラクターデイスプレイ53と航跡
デイスプレイ54との制御を行うためのシナリ
オ/デイスプレイ制御パネル、模擬訓練実施の際
の初期設定や訓練の開始・停止や空間識失調誘発
モードの導入/解除及び本模擬訓練装置の電源の
緊急停止制御等を行うためのシステム制御パネ
ル、模擬訓練が編隊飛行の訓練時に僚機の姿勢・
速度等の制御を行う僚機制御パネル、教官と被訓
練者の間の交話音量やエンジン音等の模擬音響音
量の制御を行うコミユニケーシヨン/サウンド制
御パネル等の各種のパネルを備えて構成されてい
る。
更に、信号変換装置部60は、リンケージ装置
61、第1の信号所処理装置62、第2の信号処
理装置63とを備え、また、電源装置70もこの
信号変換装置部60の構成要素として設け、本模
擬訓練装置の構成各装置部に必要な電源の供給と
電源投入シーケンスの制御をこの信号変換装置部
60で行うようにしてもよい。上記リンケージ装
置61は、演算処理部30のデイジタル計算機3
1から出力される信号を上記第1の信号処理装置
62、第2の信号処理装置63に対して必要な信
号に変換して入力すると同時に該両信号処理装置
62,63が発生した信号をデイジタル計算機3
1に必要な信号に変換して入力する装置であり、
従つてデイジタル計算機31と上記第1の信号処
理装置62、第2の信号処理装置63との間に介
挿されている。一方、上記第1の信号処理装置6
2は上記リンケージ装置61に接続されると共に
前述の教官制御卓部50と模擬操縦動揺装置部1
0とに接続され、リンケージ装置61から送出さ
れる模擬訓練用の信号をこれらの教官制御卓部5
0と模擬操縦動揺装置部10との駆動信号に変換
して送出し、また同時にそれら教官制御卓部5
0、模擬操縦動揺装置部10から送出された夫々
のデータ信号を信号変換してリンケージ装置61
へ入力するものである。他方、上記第2の信号処
理装置63は、リンケージ装置61に接続される
と共に前述の模擬操縦室動揺装置部10と模擬操
縦室部20とに接続され、模擬操縦室部20の模
擬操縦室内部の制御器、指示器等の計器パネル2
4の駆動を行うためにリンケージ装置61を介し
て入力されたデイジタル計算機31からの信号に
必要な信号処理を施して該計器パネル24に入力
し、叉、動揺台制御装置15を介してアクチユエ
ータ部13へ入力する制御入力の信号処理も行
う。そして同時にリンケージ装置61との信号の
送受信を行う。なお、上述の説明から、第1、第
2の信号処理装置62,63を介して入力される
制御信号に応じて模擬操縦室動揺装置部10の回
転テーブル制御装置16と模擬操縦室部20の動
揺台制御装置15とが作動制御されることは、明
らかであるが、これら回転テーブル制御装置1
6、動揺台制御装置15は補修時に手動操作によ
り、回転テーブル11や動揺台12を作動させ得
るように独立の制御信号入力手段を備えた構成に
成つている。つまり、回転テーブル11の駆動モ
ータや動揺台12の油圧アクチユエータを教官制
御卓部50からの制御入力とは別の手動入力で作
動させ得るように成つているのである。
第2図は、上述した構成を有する本発明の空間
識失調に対する対処理訓練用模擬装置の具体的実
施例の配置構成を立体的に示したもので、広い床
面領域に上述の諸装置部が配置された大きなシス
テム構造を有した装置であることが、理解出来
る。
なお、80は、被訓練者が、回転テーブル11
を動揺台12を経て模擬操縦室部の操縦室内に乗
り込むための階段である。
次に本発明に係る模擬装置の構造面における特
徴と、装置作用とに就いて以下に説明する。
先ず、本発明の模擬装置では、模擬操縦室部
が、動揺台12によつて航空機の飛行形態におけ
るピツチ動作とローリング動作とを夫々独立的
に、また複合的に付与され得る構成と共に回転テ
ーブル11の中心位置から離れたネーブル面上の
地点に搭載・設置されていることから、回転テー
ブル11の回転に従つて、模擬操縦室も回転し、
飛行模擬訓練中にリーン錯覚、コリオリー錯覚、
眼重力錯覚と言つた各種の基本的内耳性の空間識
失調を体験させ得る構造が具備されていることで
あり、しかも、デイジタル計算機31を用いて実
行される模擬訓練計画プラグラムの一貫として、
通常飛行形態の模擬訓練中にこれらの内耳性錯覚
モードを折り込んで被訓練者に空間識失調の実感
を体験させて、そこからの離脱訓練をも経験させ
得るように成つている点である。勿論、模擬操縦
室部20の回転、動揺(ピツチ運動、ロール運
動)は、視覚性錯覚の誘発にも用いられるもの
で、例えば、水平線誤認錯覚等は視覚映像と操縦
室の動揺動作ないし回転動作との組み合わせで誘
発される。
そして、上記内耳性空間識失調による錯覚モー
ドは、更に既述のプログラムを用いてデイジタル
計算機で演算処理されることにより誘発し、模擬
操縦室部20の模擬視界表示装置部21によつて
映像表示装置22,23上に視覚現示される視覚
性の空間識失調誘発映像と組み合わされて複雑な
複合的空間識失調を被訓練者に体験させることも
可能である。勿論、視覚性の空間識失調誘発映像
は内耳性の空間識失調モードとは別に単独的に現
示させることも可能であることは、言うまでもな
い。
さて、既述のように、本発明に係る模擬装置で
は、予め準備したプログラム(本例では、運用プ
ログラム)に従つて、デイジタル計算機31の演
算処理と、その演算処理作用を教官制御卓50か
ら制御することで、通常の飛行形態の窓外視覚を
模擬視覚表示すると共にその視覚情報内に空間識
失調における視覚性錯覚誘発のための視覚映像を
表示させ、また、内耳性錯覚誘発のための動揺動
作を模擬操縦室に付与し得るものであるが、その
ような模擬装置の作用に就いて、具体例により以
下に説明する。
先ず、前述した(イ)の自動運動錯覚は、模擬操縦
室部20内の被訓練者に対して始め、映像表示装
置22,23により、鮮明な窓外視界を表示して
飛行を続行させ、しかも、一段と輝く星を表示し
てその星に向かつて飛行する形態の模擬訓練モー
ドとする。次いで、この錯覚を誘発するには、次
第に水平線等の表示を見えなくし、目標の星だけ
が表示された視界とする。模擬操縦室内の照明を
消し、暗黒の視界内で上記の星を固定表示状態に
する。被訓練者には教官指示で、模擬操縦室内の
操縦桿から手を離し、目標の星を凝視させる。次
いで、固定表示の星を微小運動させるように表示
し、その後再度、固定表示する。このようにする
と、被訓練者は、映像表示装置22,23上の視
覚情報だけしか感覚し得ないから、星の微小運動
表示を介して自動運動錯覚を体験できるのであ
る。
(ロ)の相対運動錯覚は、先ず、鮮明な視界表示で
僚機の映像も表示して、被訓練者を編隊飛行形態
で模擬飛行させる。次いでこの錯覚誘発段階で
は、雲の表示により、先ず雲中飛行させ、教官制
御卓50からの指示で操縦桿から手を離させ、そ
の後に外側(内側)旋回感を誘発するため、僚機
表示を上昇(下降)動作させると共に動揺台12
を左(右)に傾け作動すると、被訓練者は、僚機
の姿勢、速度変化に依つて、相対的に自機の姿
勢、速度が変化したように錯覚する体験を得るの
である。
(ハ)の水平線誤認錯覚は、始め、被訓練者に映像
表示装置22,23の表示を介して雲の上での正
常な飛行を模擬飛行させる。次いで、この錯覚を
誘発するため、傾斜した雲の映像を表示し、同時
に動揺台12の作動により、操縦室を傾斜した雲
と同方向に傾けると、中にいる被訓練者は、実際
の水平線では泣く、雲の上面を水平線と誤認する
錯覚を体験することができるのである。
(ニ)の光源誤知錯覚は、始め、鮮明な視界表示に
より、通常飛行を体験させ、次いで、上昇また下
降飛行を映像表示で体験させた上、雲の中に突入
させる。上昇中に動揺台12をピツチ・アツプ
(ダウン)させ、上昇(下降)感覚を被訓練者に
与える。次いで、水平化させ、雲を消し、星と漁
り火が同一平面に見えるシーンを表示すると共に
動揺台12をピツチアツプ(ダウン)に維持す
る。このように、模擬装置を作動させると、この
光源誤知錯覚を被訓練者は体験することができる
のである。
(ホ)の太陽(月)による錯覚は、先ず、被訓練者
を、鮮明な視界で通常飛行させ、次に斜めに傾い
た太陽光線を表示し、同時に模擬操縦室を動揺台
12を介して徐々に光線方向と一致する傾き方向
に傾けると、被訓練者は、この錯覚モードを体験
できるのである。
(ヘ)のリーン錯覚は、先ず、始めの段階では鮮明
な窓外視界中における飛行を行わせ、次に雲の表
示で雲中飛行を感覚させ、更に回転テーブル11
の回転により、雲中での旋回を行わせ、その後、
急激に動揺台12を介してロール・アウトさせる
と、被訓練者は、リーン錯覚を体験できるのであ
る。
(ト)の眼重力錯覚は、鮮明視界中での飛行から雲
中での飛行に移行させ、アフター・バーナ・オン
での急加速を模擬し、動揺台12を介して急激に
ピツチアツプさせ、そのピツチアツウを保持させ
る。更に、急減速飛行を行わせ、更に急激にピツ
チ・ダウンさせると、この錯覚を体験することが
できる。
(チ)のコリオリー錯覚は、先ず、鮮明な視界で正
常飛行させる。この錯覚の誘発段階では、雲中飛
行を比較的長時間行わせてから、回転テーブル1
1を介して模擬操縦室を徐々に回転させ、定常回
転となつた所で被訓練者に教官制御卓50からの
指示で頭を上下に振る動作を要求すると、そのと
き被訓練者は、このコリオリー錯覚を体験するこ
ととなる。
以上が、本発明に係る模擬装置で基本的な8つ
の空間識失調を誘発する際の動作態様であり、予
め準備したプログラムを用いて計算機で実行する
映像発生処理を介して模擬操縦室に現示される視
界表示と模擬操縦室の旋回、ピツチ運動、ロール
運動等の運動の組み合わせで空間識失調の錯覚を
被訓練者に体験させ得るのである。勿論、上記8
つの錯覚モードを複合すれば、航空機の飛行中に
体験する他の複合的な空間識失調モードをも体験
させ得るのである。そして、そのような空間識失
調による錯覚に陥つていることを被訓練者に教官
が報知し、そこからの離脱操縦をも訓練すれば、
実機における斯かる危険な空間識失調からの離脱
を予め地上で訓練することが、できるのである。
〔発明の効果〕
以上の本発明の説明から明らかなように、本発
明によれば、例えば航空機、それも戦闘機のよう
な複雑な飛行モードを持つた航空機操縦における
飛行過程でパイロツトが陥る空間識失調による錯
覚を、地上において、安全に体験させ、そこから
の離脱訓練をも堆積させて、実機操縦における安
全操縦を確保させ得ると言う効果が得られるので
ある。しかも、本発明は、基本的には、従来の戦
闘機等の操縦模擬訓練装置における視界映像と、
模擬操縦室動揺機構の技術を利用して、プログラ
ム方式で、その飛行訓練過程に視覚的に機械動作
的に空間識失調を誘発する情報を混入させて行く
ものであり、従来の航空機操縦訓練模擬装置から
大幅にコスト増加を招くこと無く、装置構造を製
造し得る利点も有している。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る空間識失調に対する対
処訓練模擬装置の基本構成を示したブロツク図、
第2図は、同装置を具体的実施例としたときの各
装置部の配置を示した斜視図。 10……模擬操縦室動揺装置部、11……回転
テーブル、12……動揺台、13……アクチユエ
ータ部、15……動揺台制御装置、16……回転
テーブル制御装置、20……模擬操縦室部、21
……模擬視界表示装置部、22,23……映像表
示装置、30……演算制御部、31……デイジタ
ル計算機、40……模擬視界発生装置部、50…
…教官制御卓部、60……信号変換装置部、70
……電源装置。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 縦軸線回りに旋回する回転テーブル上に配置
    されると共にピツチ軸、ロール軸を形成する直行
    2軸回りの動揺作用を生起する動揺台上に設けら
    れた模擬操縦室と、該模擬操縦室内で被訓練者に
    対して模擬窓外視界を表示するように設けられた
    模擬視界表示装置部と、予め準備された空間飛行
    プログラムと空間識失調プログラムに従つて飛行
    模擬信号と空間識失調誘発信号とを演算、発生す
    る演算処理装置と、前記模擬操縦室内の被訓練者
    に対する対処訓練計画に従つて前記演算制御装置
    の作動を制御する制御パネルを有した教官卓部
    と、前記演算処理装置から発生する飛行模擬信号
    と空間識失調誘発信号とに基づいて前記模擬視界
    表示装置に対する視界映像信号を発生する模擬視
    界映像発生装置と、同じく飛行模擬信号と空間識
    失調誘発信号とに基づいて前記回転テーブル及び
    動揺台の模擬動作制御信号を発生する操縦室動揺
    制御装置とを具備して構成されたことを特徴とす
    る空間識失調に対する対処訓練用模擬装置。 2 前記動揺台は、前記回転テーブルの旋回中心
    から旋回半径方向に離れた位置に載設されている
    ことを特徴とした特許請求の範囲第1項に記載の
    空間識失調に対する対処訓練用模擬装置。 3 模擬操縦室が少なくともGシート及びGスー
    ツの何れかを備えたことを特徴とする特許請求の
    範囲第1項または第2項に記載の空間識失調に対
    する対処訓練装置。 4 ピツチ軸及びロール軸を形成する直交2軸回
    りの動揺作用を生起する前記動揺台の動揺動作模
    擬を前記模擬操縦室内に具備したGシートで行う
    ようにしたことを特徴とする特許請求の範囲第1
    項または第2項に記載の空間識失調に対する対処
    訓練装置。
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