JP4343013B2 - エネルギフィルタ及び電子顕微鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、エネルギフィルタ及びこのエネルギフィルタを備えた電子顕微鏡に関する。
従来、試料を透過した電子ビームをエネルギフィルタを介して蛍光板に拡大投射するエネルギフィルタを備えた透過型電子顕微鏡が提供されている。この透過型電子顕微鏡は、電子光学系内にエネルギフィルタを配置し、特定エネルギを持つ荷電粒子のみを選択的に透過させ、試料によって影響を受けた透過電子(透過荷電粒子)のうち、特定のエネルギの透過電子のみに基づく顕微鏡像、回折像等を形成することができる。
図16は、エネルギフィルタとしてオメガフィルタを組み込んだ電子顕微鏡1の構成を示す図である。
この電子顕微鏡1は、電子銃2で発生した電子ビームをコンデンサレンズ3及び対物レンズ4を通して試料5に照射し、更に試料5を透過した電子ビームを、中間レンズ6、入力絞り7、スペクトロメータ8、スリット9及び投影レンズ10を通して蛍光板11に導いている。このため、電子顕微鏡1は、試料5の観察像を蛍光板11に投影するものである。入力絞り7、スペクトロメータ8及びスリット9がエネルギフィルタ12を構成する。
図17は、オメガ型エネルギフィルタ12を入力絞り7、スリット9と共に構成するスペクトロメータ8のマグネット配置を示す図である。スペクトロメータ8は、4個の第1ないし第4マグネットM,M,M,Mを入射側から出射側に向けてこれらの順に配置している。これらの第1ないし第4マグネットM,M,M,Mは、一対の第1及び第4マグネットMとM 、一対の第2及び第3マグネットMとMが、それぞれ図17において上下面対称に配置されている。そして、スペクトロメータ8は、入射してきた電子ビームのうち、これらの第1ないし第4マグネットM,M,M,Mを順に通過し得る特定のエネルギを電子ビームを入射ビームと同一直線上となるように出射させることにより、オメガ(Ω)字状の電子軌道を形成するようになっている。
このようなスペクトロメータ8においては、歪と非点収差を小さくするために、4個の第1ないし第4マグネットM,M,M,Mにより完全に上下対称な磁場を発生する構造が求められる。また、各マグネットM,M,M,Mの電子光学的特性も上下対称となることが求められる。このため、各マグネットM,M,M,Mの形状の詳細な設計が必要となる。
しかしながら、実際に各マグネットM,M,M,Mを加工し、かつ組み立てると、素材の不均質、加工誤差及び組み立て誤差によって、スペクトロメータの構造は微小に上下対称とはならず、微小な非対称性をどうしても避けることはできない。マグネットで作られる磁場の強さの上下対称性及び機械的寸法誤差を補うための励磁電流は、ともに0.1%以下の精度が求められる。しかし、微小な非対称性により、マグネットのみではこの精度を達成することは難しい。このように、微小な非対称性が生じていると、その分、スペクトロメータ8は歪みが生じるとともに非点収差が大きくなる。
スペクトロメータ8のように2個以上のマグネットにより構成されるスペクトロメータにおいては、その制御を容易なものにするために励磁コイルを直列に結線して単一パラメータ制御にすることが行われる場合がある。これによってマグネットの独立制御の要素が全くなくなってしまうという欠点がある。
また、2個以上のマグネットにより構成されるスペクトロメータにおいて、その性能(分解能、結像型であれば歪みなどの補正)を発揮させるためにマグネット同士の強さの関係を微小に可変することが要求される場合がある。これは、以下の理由による。複数のマグネットより構成されるスペクトロメータを設計する場合、その磁場の強さは最も高い性能となるようにマグネット同士の関係が詳細に決定される。しかし、実際の装置を製作する場合、部品の加工誤差や組み立て誤差、材料(素材)のばらつきによって当初の設計とは食い違いが生じる虞がある。これによってマグネット間バランスが崩れ、所望の性能が得られなかったり、光軸に狂いが生じて使用上支障が出る場合がある。
図18は、4個のマグネットにより構成されるスペクトロメータにおいて、設計上の電子軌道(光軸)に対して、部品の加工誤差や組み立て誤差等によって実際に得られた起動の光軸ずれを示す図である。実線で示す設計上の電子軌道に対して前記誤差等によって実際に得られた光軸は波線で示すようになり出射時にはΔだけずれている。
そのため理想設計からのずれΔを補正するための手段を用意し、補正を行わなければならない。つまり、マグネット同士の強さの関係を微小に可変する手段が必要になる。そのためには、マグネットの数だけ独立した電源を設け、独立制御することが考えられる。
すると、本来、単純に電子軌道を曲げるための磁場を発生させる制御と、部品工作誤差及び組み立て誤差を補正して最高性能を引き出すための微小調整の制御が混然となってしまい操作が煩雑になる。
そこで、本件出願人は、特許文献1に記載のように、複数のマグネットのうち、互いに上下面対称に配置された一対のマグネットをそれぞれ励磁するコイルを互いに直列に接続するとともに、これらのコイルを電源に接続し、更にこれらのコイルに並列に可変抵抗からなるポテンショメータを接続するとともに、このポテンショメータの可動端子を前記コイルの直列接続部に接続して分流回路を形成することによって、電源を増やすことなくバランス制御を可能とする技術を開発した。
特開平11−250849号公報
しかし、前記特許文献1に記載のように分流回路を形成した場合でも、励磁コイルと分流回路が全く別位置となる際には周囲環境が異なることになり、電流を流したときの発熱により、励磁コイル及び分流抵抗がアンバランスに変化し、分流量が変化してバランス調整が狂ってしまうことがある。また、励磁コイルに流れる電流が変化して電子出力位置が変化してしまうことがある。すなわち、前記特許文献1に基づいて分流回路を設けたエネルギフィルタを採用しても、使用環境によっては安定性が悪くなる虞があった。
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、電源の数を減らすことができ、しかも最終的な電子出力位置の変化が少なく調整を容易にすることができるエネルギフィルタ及びこのようなエネルギフィルタを備えた電子顕微鏡の提供を目的とする。
前述の課題を解決するために、本発明に係るエネルギフィルタは、上下面対称に配置された複数2m個(mは自然数)のマグネットからなり、これらマグネットにより、入射してきた電子のうち、特定のエネルギを持つ電子を出射させるものであって、前記複数2m個のマグネットのうち、互いに上下面対称に配置されて対をなすマグネットをそれぞれ励磁する主コイルを互いに直列に結線するとともに、前記互いに上下面対称に配置された少なくとも一対のマグネットに前記主コイルとは独立な補助コイルを相互に直列に結線して、電源に接続するものである。
前記エネルギフィルタは、オメガフィルタであることが好ましい。
前記主コイルは相互に同極に結線され、前記補助コイルは相互に極性を逆にして結線されることが好ましい。
本発明に係る電子顕微鏡は、前記エネルギフィルタを備えるものである。
本発明によると、電源の数を減らすことができ、しかも最終的な電子出力位置の変化が少なく調整を容易にすることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。この実施の形態は、透過型電子顕微鏡にあって、試料によって影響を受けた透過電子(透過荷電粒子)のうち、特定のエネルギを持つ透過荷電電子のみを蛍光板に導く結像型エネルギフィルタである。
この結像型エネルギフィルタは、図16を用いて既に説明したように、入力絞り7、スペクトロメータ8及びスリット9によって構成される。本実施の形態は、特にスペクトロメータ8として4個のマグネットを上下面対称、かつオメガ型に配置してなるオメガ型エネルギフィルタを用いている。
図1は、オメガ型エネルギフィルタのスペクトロメータ8の外観を示す斜視図である。このスペクトロメータ8は、図17にも既に示したように、一対の第1マグネットMと第4マグネットM、及び第2マグネットMと第3マグネットMの形状を、それぞれ上下面対称に形成していると共に、第1マグネットM,第2マグネットM,第3マグネットM,第4マグネットMを、オメガ(Ω)字状の電子軌道を形成するように上下面対称に配置している。
図2(a)は、いずれか一つのマグネットMの外観を示す図である。図2(b)は、切断面SecでのマグネットMの断面を示す。マグネットMは、上部ポールピース1aと下部ポールピース1bの間のポールピース間隙2に、励磁コイル3a、励磁コイル3bによって磁場を発生させて電子を通過させる。励磁コイル3aは、上部ポールピース1aを間に挟み、外側を巻くように配置されている。言い換えると、上部ポールピース1aの外側を巻くようにソレノイド状に巻回されている。また、励磁コイル3bは、下部ポールピース1bを間に挟み、外側を巻くように配置されている。言い換えると、下部ポールピース1bを巻くようにソレノイド状に巻回されている。励磁コイル3a及び励磁コイル3bは、後述する電源から励磁電流を供給されることによって励磁され、ポールピース間隙2に磁界を発生させる。
また、マグネットMには、前記ポールピース間隙2に磁場を発生させる主コイルである励磁コイル3a,3bとは、独立にかつ接近してバランスを調整するための補助コイル4a,4bをそれぞれ上部ポールピース1a,下部ポールピース1bを間に挟んでソレノイド状に巻回している。補助コイル4a,4bも後述する電源から励磁電流を供給されることによって、励磁され、ポールピース間隙2にバランス調整のための磁界を発生させる。補助コイル4a,4bの巻き数は、前記主コイルである励磁コイル3a,3bよりも少ない。図2において、励磁コイル3aに対して巻き数の少ない補助コイル4aは、ポールピース間隙2側に巻かれている。また、励磁コイル3bに対して巻き数の少ない補助コイル4bも、ポールピース間隙2側に巻かれている。
図3は、上下面対称に配置された一対の第1マグネットMと第4マグネットMにおける励磁コイルの結線を示す図である。前記マグネットMでは、励磁コイルの符号を3a、3bとしたが、以下では励磁コイルの符号を3a、3bとは異ならせ、それぞれのマグネットに固有の符号とする。第1マグネットMには、前記マグネットMを例に説明したのと同様に上部ポールピース1aと下部ポールピース1bの間のポールピース間隙2に磁場を発生させるために第1マグネットMを励磁する励磁コイル5aと励磁コイル5bが直列に設けられている。励磁コイル5aと励磁コイル5bは一つの第1マグネットMの励磁コイルであり、かつ対をなすものである。したがって、それらは同じ極性になるように直列結線されコイル対5となる。また、第4マグネットMにも、前記ポールピース間隙2に磁場を発生させるために第4マグネットMを励磁する励磁コイル8aと励磁コイル8bが直列に設けられている。励磁コイル8aと励磁コイル8bも一つの第1マグネットMの励磁コイルであり、かつ対をなすものである。したがって、それらは同じ極性になるように直列結線されコイル対8となる。
また、これらの二対の励磁コイル5a及び励磁コイル5b、励磁コイル8a及び励磁コイル8bは、励磁コイル5bの一端と励磁コイル8aの一端とが接続点32で接続されることにより互いに直列に接続されている。また、励磁コイル5aの一端と励磁コイル8bの一端は、それぞれ接続点31及び33にて電源(PS)20に接続されている。つまり、励磁コイル5a及び励磁コイル5bよりなるコイル対5と励磁コイル8a及び励磁コイル8bからなるコイル対8は直列結線されて一つの電源20から電流が供給される。したがって、第1マグネットMと第4マグネットMは、オメガ型スペクトロメータを構成するに際し、同じ偏向能力を備えるように構成されることになる。
図4は、上下面対称に配置された一対の第2マグネットMと第3マグネットMにおける励磁コイルの結線を示す図である。第2マグネットMには、前記マグネットMを例に説明したのと同様に上部ポールピース1aと下部ポールピース1bの間のポールピース間隙2に磁場を発生させるために第2マグネットMを励磁する励磁コイル6aと励磁コイル6bが直列に設けられている。励磁コイル6aと励磁コイル6bは一つの第2マグネットMの励磁コイルであり、かつ対をなすものである。したがって、それらは同じ極性になるように直列結線されコイル対6となる。また、第3マグネットMにも、前記ポールピース間隙2に磁場を発生させるために第3マグネットMを励磁する励磁コイル7aと励磁コイル7bが直列に設けられている。励磁コイル7aと励磁コイル7bも一つの第3マグネットMの励磁コイルであり、かつ対をなすものである。したがって、それらは同じ極性になるように直列結線されコイル対7となる。
また、これらの二対の励磁コイル6a及び励磁コイル6b、励磁コイル7a及び励磁コイル7bは、励磁コイル6bの一端と励磁コイル7aの一端とが接続点35で接続されることにより互いに直列に接続されている。また、励磁コイル6aの一端と励磁コイル7bの一端は、それぞれ接続点34及び36にて電源(PS)21に接続されている。つまり、励磁コイル6a及び励磁コイル6bからなるコイル対6と励磁コイル7a及び励磁コイル7bからなるコイル対7は、直列結線されて一つの電源21から電流が供給される。したがって、第2マグネットMと第3マグネットMは、オメガ型スペクトロメータを構成するに際し、同じ偏向能力を備えるように構成されることになる。
図5は、上下面対称に配置された一対の第1マグネットMと第4マグネットMにおける補助コイルの結線を示す図である。前記マグネットMでは、補助コイルの符号を4a、4bとしたが、以下では補助コイルの符号を4a、4bとは異ならせ、それぞれのマグネットに固有の符号とする。第1マグネットMには、ポールピース間隙2にバランス調整のための磁場を発生させるための補助コイル9aと補助コイル9bをそれぞれ励磁コイル5aと励磁コイル5bに接近して配置している(図2)。補助コイル9aは励磁コイル5aの補助コイルであり、励磁コイル5aよりもポールピース間隙2側に、上部ポールピース1aの外側を巻くように配置されている。また、補助コイル9bは励磁コイル5bの補助コイルであり、励磁コイル5bよりもポールピース間隙2側に、下部ポールピース1bの外側を巻くように配置されている。補助コイル9aと補助コイル9bは対の補助コイルであり、同極性で直列接続されコイル対9となる。
また、第4マグネットMにも、前記ポールピース間隙2にバランス調整のための磁場を発生させるための補助コイル12aと補助コイル12bをそれぞれ励磁コイル8aと励磁コイル8bに接近して配置している。補助コイル12aは励磁コイル8aの補助コイルであり、励磁コイル8aよりもポールピース間隙2側に、上部ポールピース1bの外側を巻くように配置されている。また、補助コイル12bは励磁コイル8bの補助コイルであり、励磁コイル8bよりもポールピース間隙2側に、下部ポールピース1bの外側を巻くように配置されている。補助コイル12aと補助コイル12bは対の補助コイルであり、同極性で直列接続されコイル対12となる。
また、これらの二対の補助コイル9a及び補助コイル9b、補助コイル12a及び補助コイル12bは、補助コイル9bの一端と補助コイル12bの一端とが接続点42で接続されることにより互いに直列ではあるが、逆極性になるように接続されている。また、補助コイル9aの一端と補助コイル12aの一端は、それぞれ接続点41及び43にて電源(PS)20に接続されている。したがって、補助コイル9a及び補助コイル9bからなるコイル対9と補助コイル12a及び補助コイル12bからなるコイル対12は、互いに逆極性で直列結線し、電源20に接続している。
図6は、上下面対称に配置された一対の第2マグネットMと第3マグネットMにおける補助コイルの結線を示す図である。第2マグネットMには、ポールピース間隙2にバランス調整のための磁場を発生させるための補助コイル10aと補助コイル10bをそれぞれ励磁コイル6aと励磁コイル6bに接近して配置している。補助コイル10aは励磁コイル6aの補助コイルであり、励磁コイル6aよりもポールピース間隙2側に、上部ポールピース1aの外側を巻くように配置されている。また、補助コイル10bは励磁コイル6bの補助コイルであり、励磁コイル6bよりもポールピース間隙2側に、励磁コイル6bに接近して下部ポールピース1bの外側を巻くように配置されている。補助コイル10aと補助コイル10bは対の補助コイルであり、同極性で直列接続されコイル対10となる。
また、第3マグネットMにも、前記ポールピース間隙2にバランス調整のための磁場を発生させるための補助コイル11aと補助コイル11bをそれぞれ励磁コイル7aと励磁コイル7bに接近して配置している。補助コイル11aは励磁コイル7aの補助コイルであり、励磁コイル7aよりもポールピース間隙2側に、下部ポールピース1bの外側を巻くように配置されている。また、補助コイル11bは励磁コイル7bの補助コイルであり、励磁コイル7bよりもポールピース間隙2側に、励磁コイル7bに接近して下部ポールピース1bの外側を巻くように配置されている。補助コイル11aと補助コイル11bは対の補助コイルであり、同極性で直列接続されコイル対11となる。
また、これらの二対の補助コイル10a及び補助コイル10b、補助コイル11a及び補助コイル11bは、補助コイル10bの一端と補助コイル11bの一端とが接続点45で接続されることにより互いに直列ではあるが、逆極性になるように接続されている。また、補助コイル10aの一端と補助コイル11aの一端は、それぞれ接続点44及び46にて電源(PS)21に接続されている。したがって、補助コイル10a及び補助コイル10bからなるコイル対10と補助コイル11a及び補助コイル11bからなるコイル対11は、互いに逆極性で直列結線し、電源21に接続している。
次に、図7〜図14を用いてオメガ型エネルギフィルタのスペクトロメータ8の動作を説明する。図7は、対をなす第1マグネットM及び第4マグネットMにおける、同極性で直列接続された励磁コイル5aと励磁コイル5b、同じく同極性で直列接続された励磁コイル8aと励磁コイル8bとを、同極性のまま接続した結線を簡略化した図である。
図8は、対をなす第2マグネットM及び第3マグネットMにおける、同極性で直列接続された励磁コイル6aと励磁コイル6b、同じく同極性で直列接続された励磁コイル7aと励磁コイル7bとを、同極性のまま接続した結線を簡略化した図である。
図9は、対をなす第1マグネットM及び第4マグネットMにおける、同極性で直列接続された補助コイル9aと補助コイル9b、同じく同極性で直列接続された補助コイル12aと補助コイル12bとを、逆極性にして接続した結線を簡略化した図である。
図10は、対をなす第2マグネットM及び第3マグネットMにおける、同極性で直列接続された補助コイル6aと補助コイル6b、同じく同極性で直列接続された補助コイル7aと補助コイル7bとを、逆極性にして接続した結線を簡略化した図である。
図7において、第1マグネットMの励磁コイル5a及び励磁コイル5bと、第4マグネットMの励磁コイル8a及び励磁コイル8bには、電源20から主励磁電流Imain1が流れる。このため、第1マグネットMと第4マグネットMは、ポールピース間隙2に磁場を発生させて、電子ビームを偏向することができる。
また、図8において、第2マグネットMの励磁コイル6a及び励磁コイル6bと、第3マグネットMの励磁コイル7a及び励磁コイル7bには、電源21から主励磁電流Imain2が流れる。このため、第2マグネットMと第3マグネットMは、ポールピース間隙2に磁場を発生させて、電子ビームを偏向することができる。
このように、一対のマグネットMとマグネットMでは、主励磁電流Imain1をコイル対5とコイル対8に流し、スペクトロメータ8の主制御を行っている。また、一対のマグットットMとマグネットMでも、主励磁電流Imain2をコイル対6とコイル対7に流し、スペクトロメータ8の主制御を行っている。
さらに、図9に示すように、スペクトロメータ8は、前記主励磁電流Imain1とは独立に、補助励磁電流Isub1を第1のマグネットMの補助コイル9aと補助コイル9b及び第4のマグネットMの補助コイル12aと補助コイル12bに流している。ただし、補助コイル対9と補助コイル対12は、それぞれは直列ではあるが、互いに逆極性になるように接続されている。また、図10に示すように、スペクトロメータ8は、前記主励磁電流Imain2とは独立に、補助励磁電流Isub2を第2のマグネットMの補助コイル10aと補助コイル10b及び第3のマグネットMの補助コイル11aと補助コイル11bに流している。ただし、補助コイル対10と補助コイル対11は、それぞれは直列ではあるが、互いに逆極性になるように接続されている。
図11は、スペクトロメータ8における4個のマグネットの主励磁極性、補正励磁極性をまとめて模式的に示した図である。図12は、前記4個のマグネットのポールピース間隙2に作用する励磁方向と補正励磁方向の向きを図11に関連して示した図である。第1のマグネットMと第4のマグネットMは、励磁コイル対5と励磁コイル対8の主励磁極性をPo−main(+)として同極性としたが、補助コイル対9及び補助コイル対12の補正極性はPo−sub(+)及びPo−sub(・)のように逆極性とした。また、第2のマグネットM2と第3のマグネットM3は、励磁コイル対6と励磁コイル対7の主励磁極性をPo−main(・)として同極性としたが、補助コイル対10及び補助コイル対11の補正極性はPo−sub(・)及びPo−sub(+)のように逆極性とした。これにより、図12(a)及び図 12(b)に示すように、第1のマグネットM及び第4のマグネットMにあっては、主励磁の方向は実線矢印で示すように下向きの同一方向となるが、補正励磁の方向は点線矢印で示すように互いを補うような方向となる。また、第2のマグネットM及び第3のマグネットMにあっても、主励磁の方向は実線矢印で示すように上向きの同一方向となるが、補正励磁の方向は点線矢印で示すように互いを補うような方向となる(図12(c)、図 12(d))。
このため、第1のマグネットMと第4のマグネットM間、あるいは、第2のマグネットMと第3のマグネットM間では、発生磁場のバランスの微小制御を行うことができる。
例えば、補助励磁電流Isub1によって第1のマグネットMの磁場を強める作用を持たせた場合、同時に第4のマグネットMの磁場を弱める作用を持つ。また、補助励磁電流Isub1によって第1のマグネットMの磁場を弱める作用を持たせた場合、同時に第4のマグネットMの磁場を強める作用を持つ。これによって、第1のマグネットMと第4のマグネットMのバランスを調整するという目的は達せられる。すなわち、補助コイル対9と補助コイル対12が互いに逆向きの補助磁場を発生するので、第1のマグネットMと第4のマグネットMのバランス調整を行っても互いに補い合う電子への影響となり、補助調整の間に大きくスペクトロメータ条件が狂って出力電子を見失うことなく、補正作業が極めて容易になる(図13、図14)。
同様に、例えば、補助励磁電流Isub2によって第2のマグネットMの磁場を強める作用を持たせた場合、同時に第3のマグネットMの磁場を弱める作用を持つ。また、補助励磁電流Isub2によって第2のマグネットMの磁場を弱める作用を持たせた場合、同時に第3のマグネットMの磁場を強める作用を持つ。これによって、第2のマグネットMと第3のマグネットMのバランスを調整するという目的は達せられる。すなわち、補助コイル対10と補助コイル対11が互いに逆向きの補助磁場を発生するので、第2のマグネットMと第3のマグネットMのバランス調整を行っても互いに補い合う電子への影響となり、補助調整の間に大きくスペクトロメータ条件が狂って出力電子を見失うことなく、補正作業が極めて容易になる(図13、図14)。
図13及び図14は、第1のマグネットMと第4のマグネットMにおける補助コイル対9と補助コイル対12によるバランス調整を説明するための図である。特に、図13は、二つのコイル対9と12を逆極性直列にしなかった場合の補正例を示し、図14は逆極性直列にした場合の補正例を示す。二つのコイル対9と12を逆極性直列にしなかった場合には、誤差のある軌道(点線)Er−orを補正するために、第1のマグネットMの磁場を弱めると実線のような軌道Re−orになり、電子の出力位置は大きなずれΔWを生じてしまう。一方、二つのコイル対9と12を逆極性直列にした場合には、第1のマグネットM1の磁場を弱めると同時に第4のマグネットM4の磁場は強められ、誤差のある軌道(点線)Er−orは実線のような軌道Re−orへと変化して電子の出力位置のずれは微小なずれΔNにとどまる。
図15は、いずれか一つのマグネットMiにおける励磁コイル3a及び3bと、補助コイル4a及び4bとの巻き方の他の例を示す図である。図15(a)では、励磁コイル3aに対して巻き数の少ない補助コイル4aは、ポールピース間隙2から離れて上部ポールピース1a側に巻かれている。また、励磁コイル3bに対して巻き数の少ない補助コイル4bも、ポールピース間隙2から離れて下部ポールピース1b側に巻かれている。また、図15(b)では、補助コイル4aは、励磁コイル3aよりも上部ポールピース1aの外側に巻かれている。補助コイルbaは、励磁コイル3bよりも下部ポールピース1bの外側に巻かれている。図15(c)では、補助コイル4aは、励磁コイル3aよりも上部ポールピース1aの内側に巻かれている。補助コイル4bは、励磁コイル3bよりも下部ポールピース1bの内側に巻かれている。
これら図15に示した巻き方の他の例を用いた4つのマグネットからなるスペクトロメータにあっても、前述の実施形態と同様の作用効果が得られる。
なお、本実施の形態では、上下面対称に配置された4個のマグネットからなるエネルギフィルタに本発明を適用した具体例を挙げたが、mを自然数としたときの2m個のマグネットを上下面対称に配置したエネルギフィルタであれば本発明を適用できる。例えば、2個、6個、8個のマグネットを上下面対称にしたタイプのエネルギフィルタである。
オメガ型エネルギフィルタのスペクトロメータの外観を示す斜視図である。 いずれか一つのマグネットの外観を示す図であり、かつ切断面でのマグネットの断面も示す図である。 上下面対称に配置された一対の第1マグネットと第4マグネットにおける励磁コイルの結線を示す図である。 上下面対称に配置された一対の第2マグネットと第3マグネットにおける励磁コイルの結線を示す図である。 上下面対称に配置された一対の第1マグネットと第4マグネットにおける補助コイルの結線を示す図である。 上下面対称に配置された一対の第2マグネットと第3マグネットにおける補助コイルの結線を示す図である。 対をなす第1マグネット及び第4マグネットにおける、励磁コイルの結線を簡略化した図である。 対をなす第2マグネット及び第3マグネットにおける、励磁コイルの結線を簡略化した図である。 対をなす第1マグネット及び第4マグネットにおける、補助コイルの結線を簡略化した図である。 対をなす第2マグネット及び第3マグネットにおける、補助コイルの結線を簡略化した図である。 スペクトロメータにおける4個のマグネットの主励磁極性、補正励磁極性をまとめて模式的に示した図である。 4個のマグネットのポールピース間隙に作用する励磁方向と補正励磁方向の向きを示した図である。 第1のマグネットと第4のマグネットにおける補助コイル対と補助コイル対を逆極性直列にしなかった場合のバランス調整を説明するための図である。 第1のマグネットと第4のマグネットにおける補助コイル対と補助コイル対を逆極性直列にした場合のバランス調整を説明するための図である。 いずれか一つのマグネットにおける励磁コイルと、補助コイルとの巻き方の他の例を示す図である。 2個以上のマグネットを上下面対称に配置してなるエネルギフィルタを組み込んだ電子顕微鏡の構成を示す図である。 スペクトロメータのマグネット配置を示す図である。 4個のマグネットにより構成されるスペクトロメータにおいて、設計上の電子軌道(光軸)に対して、部品の加工誤差や組み立て誤差等によって実際に得られた起動の光軸ずれを示す図である。
符号の説明
〜M スペクトロメータを構成するマグネット、1a 上部ポールピース、1b 下部ポールピース、2 ポールピース間隙、3a,3b 励磁コイル、4a,4b 補助コイル

Claims (3)

  1. 上下面対称に配置された複数2m個(mは自然数)のマグネットからなり、これらマグネットにより、入射してきた電子のうち、特定のエネルギを持つ電子を出射させるエネルギフィルタにおいて、
    前記複数2m個のマグネットのうち、互いに上下面対称に配置されて対をなすマグネットをそれぞれ励磁する主コイルを互いに直列に結線するとともに、前記互いに上下面対称に配置された少なくとも一対のマグネットに前記主コイルとは独立な補助コイルを相互に直列に結線して、電源に接続し、
    前記主コイルは相互に同極に結線され、前記補助コイルは相互に極性を逆にして結線されることを特徴とするエネルギフィルタ。
  2. オメガフィルタであることを特徴とする請求項1記載のエネルギフィルタ。
  3. 前記1又は2のいずれかに記載のエネルギフィルタを備えた電子顕微鏡。
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