JP4342920B2 - クランプ部材保持用治具、くさび型引留クランプ、およびクランプ施工方法 - Google Patents

クランプ部材保持用治具、くさび型引留クランプ、およびクランプ施工方法 Download PDF

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Description

本発明は、くさびを用いて電線を切断せずに把持して鉄塔等の支持物に引留める型のくさび型引留クランプ、その構成部材を保持するための治具、およびくさび型クランプを用いて電線を架設するクランプ施工方法に関するものである。
図4(1)〜(4)は、現在使用されていて、本発明を適用することが可能となるくさび型引留クランプの一例を示す図であり、それぞれの図は、図4(1)はくさび型引留クランプ100を組み上げた状態を示す正面図、図4(2)は図4(1)のA−A断面矢視図、図4(3)は一対の連結板16を含む構造を示す図4(1)のB矢視図、図4(4)はくさび体26を示す外観図、である。
図4(1)〜(4)において、くさび型引留クランプ100のクランプ本体10は、アルミ合金などの板状材料によって、断面U字形で、この断面U字形溝が長辺となる正面略三角形の形状に形成されている。また、このクランプ本体10の外側には補強板として添板12が添設されている。この添板12は、クランプ本体10の三角形の長辺から対向する隅付近に至って添設され、やはりアルミ合金などの板状材料からなり、断面U字形で開口部がU字形溝の外寸より幅広となっている。そして、クランプ本体10と添板12には、クランプ本体10の長辺に対向する隅部付近で貫通孔が穿設され、ここにセンターボルト14が貫通してその一端にはナット15が螺合されている。
さらに、一対の平行な連結板(16,16)は、その一端部が、クランプ本体10と添板12の間に挿入されるとともに、センターボルト14に遊貫されて回動自在に連結されている。この一対の連結板(16,16) は、中間部に緊線用の引手板18が2本のボルトとナット(20,20)により固定されている。
また、くさび押え体22はクランプ本体10内で挾持されており、センターボルト14に遊貫されて電線方向への回動動作は自在である。このくさび押え体22は、クランプ本体10のU字形溝に挿入される電線24の長さ方向に長辺を有する略三角形のアルミ合金板である。そして、クランプ本体10に挿入された電線24とこのくさび押え体22の間には、アルミ合金からなり先細り形状のくさび体26が押込まれる。このくさび体26には、クランプ本体10に押し込まれない側の端部に張り出し部(28,28)が設けられ、Uボルト(30,30)が挿通されて、その突出部にナットが螺合されている。
ここでの電線24は、くさび体26とアルミ合金からなるジャンパー金具32の一端部とで挾持されており、このジャンパー金具32は、Uボルト(30,30)によってくさび体26側に締め付け固定される。さらに、ジャンパー金具32の他端部には、電線押え34とUボルト36によって電線24が挾持固定される。
また、クランプ本体10のU字形溝の幅は、電線24の外径とほぼ同じである。そして、くさび体26、ジャンパー金具32、および電線押え部34の電線24との当接する面には、電線24の外径に沿うように断面円弧状の溝が形成されている。さらに、くさび押え体22とくさび体26とは相互に面当接する細長形状の平坦面を有していて、そこが摺接面または摺動面となって移動動作が可能であり、そのときの面圧が低くなるように適宜な面積となるように設定される。
くさび型引留クランプ100は上記のような構成であり、このクランプを用いて内部に電線24を中に挿入させてこれを把持する作業は、以下のごとく行なわれる。
まず、センターボルト14とUボルト(30,30,36)をすべて抜き取り、各部品がバラバラに分解された状態とされる。そして、クランプ本体10のU字形溝に電線24がスライド式に挿入され、さらにセンターボルト14が挿入されて、クランプ本体10に一対の連結板(16,16)とくさび押え体22が固定される。
次に、くさび体26が、くさび押え体22と電線24の間に、押込機(図示しない)を用いて所定寸法だけ押し込まれる。このくさび体26の押し込みにより、クランプ本体10と電線24とはくさび効果により強固に挟持固定がなされる。さらに、くさび体26とジャンパー金具32により電線24が挾持されるとともに、Uボルト(30,30)によっても締め付け固定される。そしてさらに、ジャンパー金具32の他端部に電線24が電線押え34とUボルト36を用いて締め付け固定される。
図5は、くさび型引留クランプ100の主要な構成部材を分解して示した説明図であって、この図5の中には、クランプ本体10・連結板16・くさび押え体22・センターボルト14・ナット部材15・電線24・添板12が示されている。
ここでのくさび押え体22は、外観的には略三角形のセンター孔22Cを有する平板状体であって、クランプ本体10内に挿入可能な均一な板厚tからなる3面の周囲側面(22a,22b,22b’)を有し、この周囲側面は、電線長さ方向の長平面状の押さえ面22aとその他の外側面(22b,22b’)とからなる。また、この図5のくさび押え体22は、センター孔22Cを有する略三角形の外観からなるが、半円状や矩形状など他の形状であってもよい。
これまで説明してきたように、くさび型引留クランプ100では、クランプを組み立てる際は、延線されている電線24を切断しないで、クランプ本体10の断面U字の開口箇所からスライド式に挿入してから、クランプ本体10・連結板16・くさび押え体22の三者を、一本のセンターボルト14で貫通させて一体化しなくてはならなかった。
ところが、この作業は、高所・不安定な鉄塔等の支持物上で行なわれるので、このようなくさび型引留クランプ100は、その構造上、構成部材が分離しやすくて落下しやすいという心配がある。構成部材のうち、くさび押え体22はとりわけ分離しやすくて扱い難く、クランプ本体10内に埋没してしまうこともあって、組み立て時にこのくさび押え体22を落下させてしまうことがしばしばあった。
実用新案登録公報第2586645号
図6は、くさび型引留クランプ100により、延線された状態の電線24を切断せずに鉄塔側に引き留める施工作業の様子を説明するための状況図である。
電線24は、各鉄塔(図示せず)に吊下して取り付けられた金車(図示せず)を経由して、鉄塔間を延線されてゆく。各鉄塔においては、電線24の所定箇所がカムアロング40に把持され、電線を鉄塔側に緊線する作業が行われる。このカムアロング40には緊線用金車50が連結接続されており、くさび型引留クランプ100には連結板16に設けられた緊線用引手18があり、鉄塔上には緊線用のウインチ(図示せず)があるので、これらの作業用の部材を用いて、緊線用ワイヤ52を介することによって、電線24を鉄塔側へ引き寄せてゆく。すなわち、緊線用ワイヤ52の一端は連結板16の緊線用引手18に結び付けられており、緊線用ワイヤ52の他端を鉄塔上にある緊線用ウインチが巻き取ることにより、緊線用ワイヤ52上の緊線用金車50が鉄塔側に引っ張られて、カムアロング40に把持された電線24は鉄塔側に移動されて緊線されていく。
図6に示すくさび型引留クランプ100は、延線されている電線24をクランプ本体10の内部にスライド式に挿入して、クランプ本体10/くさび押え体22/連結板16の三部材を、センターボルト14を介して一体的に組み上げてしまった図である。
この図6のくさび型引留クランプ100は、図5で示したように、電線24を挿入する前には、クランプ本体10とくさび押え体22とセンターボルト14の三部材は、鉄塔と連結されている連結板16からあらかじめ分離させておく。そして、フリーとなったクランプ本体10内に引き寄せられてきた電線24をスライド式に挿入させて配置して、センターボルト14によって上記の部材を一体的に組み立てたものが、鉄塔側に取り付けられているのが図6である。
図5および図6のように、断面U字形のクランプ本体10とくさび押え体22を1本のボルト14で一体化させる作業は、鉄塔上の不安定かつ危険な場所で行われる。このため、これらの部材は分離してバラバラになったり落下したりする虞が常につきまとうため、作業には大変な熟練した作業者を必要としていた。とりわけ、くさび押え体22の貫通孔を他の部材と位置決めする作業は難しく、そのとき部材を落下させることがしばしばあった。また、くさび押え体22がクランプ本体10内に入って埋没してしまう虞もあって、くさび押え体22の取り扱いは容易でなかった。そして、これらのくさび型引留クランプの組立作業が1人の作業者だけでは難しいときは、2人の作業者で行なわれる場合もあるが、それでも作業は容易ではなかった。
このように、くさび型引留クランプ100を用いた電線24の把持固定作業は、鉄塔上の高所不安定で危険な環境で行なわれ、しかも従来のくさび型引留クランプの構造にあっては、各構成部品をバラバラに分解した状態にして電線24を組み入れて把持固定するので、その作業は高度の熟練が要求され、作業性が良くないものであり、作業の途中で部品を落下させることがないように慎重かつ安全確実な作業が必要であり、作業能率を向上させる改善が望まれていた。
本発明は、上述のごとき従来のくさび型引留クランプの事情に鑑みてなされたもので、主要な構成部材であるくさび押さえ体22について、その組立時の取り扱い性を向上させ、分解したり落下したりすることがなく、クランプ組立作業を効率化させるとともに、電線の鉄塔への緊線引留作業を大幅に向上させるようなくさび型引留クランプとその治具、および施工方法を提供することを目的とする。
(1)電線を引き留めるためのくさび型引留クランプの構成部材と着脱自在な係合を行うためのクランプ部材保持用治具であって、
前記くさび型引留クランプは、クランプ本体が断面U字形に形成され、くさび押え体を介してくさび体を押し込むことにより、このくさび体とクランプ本体との間に電線を把持する引留クランプであり、
前記くさび押え体は、センター孔を有する平板状体であって、クランプ本体内に挿入可能な板厚からなる周囲側面を有し、この周囲側面は、電線長さ方向の細長平面状の押さえ面とその他の外側面とからなり、
前記クランプ部材保持用治具は、前記くさび押え体の外側面に設けられた螺子孔と螺合するための螺合手段を備えて構成されるクランプ部材保持用治具、とした。
(2)(1)のクランプ部材保持用治具において、
前記クランプ部材保持用治具は、前記クランプ本体に一時的な位置設定が可能となる仮保持構造を備えて構成される。
(3)電線を引き留めるためのくさび型引留クランプの構成部材と着脱自在な係合を行うためのクランプ部材保持用治具であって、
前記くさび型引留クランプは、クランプ本体が断面U字形に形成され、くさび押え体を介してくさび体を押し込むことにより、このくさび体とクランプ本体との間に電線を把持する引留クランプであり、
前記くさび押え体は、センター孔を有する平板状体であって、クランプ本体内に挿入可能な板厚からなる周囲側面を有し、この周囲側面は、電線長手方向の長平面状の押さえ面とその他の外側面とからなり、
前記クランプ部材保持用治具は、前記くさび押え体の押さえ面を電線長手方向の両端側から掛止するための掛止手段を備えて構成される、クランプ部材保持用治具とした。
(4)(1)〜(3)いずれかのクランプ部材保持用治具において、
前記クランプ部材保持用治具は、保持用治具部材と、この保持用治具部材に取り付けられる紐状部材(分離防止用部材)とを備えて構成される。
(5)電線を引き留めるためのくさび型引留クランプであって、
前記くさび型引留クランプは、クランプ本体が断面U字形に形成され、くさび押え体を介してくさび体を押し込むことにより、このくさび体とクランプ本体との間に電線を把持する引留クランプであり、
前記くさび押え体は、センター孔を有する平板状体であって、クランプ本体内に挿入可能な板厚からなる周囲側面を有し、この周囲側面は、電線長手方向の細長平面状の押さえ面とその他の外側面とからなり、
前記くさび押え体の外側面には、このくさび押え体と着脱自在な係合を行うためのクランプ部材保持用治具と螺合するための螺子孔を配設したくさび型引留クランプとした。
(6)引留クランプによって電線を鉄塔に引き留めて、電線の架設を行うクランプ施工方法において、
この方法では、引留クランプの構成部材の分離防止または位置決めのために、作業者が所定の治具を用いて施工を行い、
前記所定の治具として、(1)〜(4)いずれかのクランプ部材保持用治具が適用されるクランプ施工方法とした。
(7)(6)のクランプ施工方法において、
前記引留クランプとして、(4)のくさび型引留クランプが適用されるクランプ施工方法とした。
くさび型引留クランプ100を用いた電線を鉄塔へ緊線して引留める施工工事において、主要な構成部材であるくさび押さえ体22について、その組立時の取り扱い性を向上させ、部材の位置決めを容易にし、作業の途中で分解したり落下したりすることがなく、クランプ組立作業の効率化させるとともに、電線の鉄塔への緊線引留作業を大幅に向上させるようなくさび型引留クランプと施工用治具、およびクランプ施工方法を提供することができる。
図1(1)は、本発明によるクランプ部材保持用治具60を示す外観斜視図であり、図1(2)は、本発明によるくさび押え体22を示す外観斜視図である。
図1(1)に示す本発明によるクランプ部材保持用治具60は、他部材と螺合するためのネジ山を有するボルト部材61と、このボルト部材61に螺合する複数のナット部材(62,63) と、このボルト部材61のナット部材(62,63)の位置間で移動自在の遊嵌状態にして設けられると係止用部材63とを備える。
この係止用部材63は、クランプ本体10上で一時的な位置設定を可能とさせる仮保持構造を形成するための肝要な部材であって、その上下に設けられたナット部材(62,63)を締め込むことによって、ボルト部材61軸上の所定位置に配置されるよう設定がなされる。
このボルト部材61は一本の螺子付きボルトであって、図面下方の端部側位置61aでは、クランプのくさび押さえ体22と係合して連結するための螺合構造を有する。また、上方の端部側位置61cには、ボルト部材61を貫通するリング部材65が嵌め込まれており、さらにこのリング部材65には紐状体66が挿通により接続されている。
このリング部材65は、紐状体66との連結や接続に用いられる部材ではあるが、ボルト部材61の回転させてネジ込みを行う場合に用いられると便利である。
この紐状体66は、可撓性を有する樹脂や繊維ひも、細巻ロープ、金属チェーンなどからなるものであり、ボルト部材61が分離したり紛失したりすることがないようにするため、この箇所を保持しておくための部材である。
この紐状体66の長さはいかようにでも設定できるが、作業者は自分の首回りやベルトなどに通したり引っ掛けたり結びつけたりして、保持しやすい程度の長さとするとよい。また、作業者自身が保持するのではなく、作業場所である鉄塔の構造部材などにこの紐状体66を取り付けるか結びつけておくかすることも可能である。
本発明によるクランプ部材保持用治具60の主要な構成部材である係止用部材63は、平板な金属片・樹脂片などの材料により、下向き開放の凹型形状または「コ」の字型形状になるよう形成したものであり、弾性力があると尚のことよい。この係止用部材63は、第1側面部63a−上面部63b−第2側面部63cとからなり、第1側面部63aと第2側面部63cとはクランプ本体10に取り付けるのに用いられる箇所であって、第1側面部63aと第2側面部63cとの形状や幅寸法は、クランプ本体10の形状または大きさに合わせ、保持用治具60が位置設定し易いように設計されるとよい。
保持用治具60の係止用部材63は、その上面部63bの中央に丸孔を有しており、螺子付きボルト部材61の主部61bがこの丸孔に遊嵌して挿通されている。よって、図1(1)においては、係止用部材63を配置設定する前は、ナット部材62と64の間おいて、その位置の移動が自在となっているものの、配置設定後の係止用部材63のボルト部材61上での位置は、上下に存在するナット部材62と64の位置に依存することとなる。また、螺子付きボルト部材61の先端部61は、押さえ体22の螺子孔22Hと螺合するが、その先端部61がナット部材62からの突出する長さは、ボルト部材61の長さやナット部材62の位置によって依存されることとなる。
このように、本発明による保持用治具60は、いくつかの構成部材を相互に組み合わせて製作されるので、ボルト部材61の全体長さ・突出させる先端長さ・複数のナット部材・係止用部材63とその移動調整距離、などを適宜に計算して、施工に用いられるくさび型引留クランプによく適合する寸法や形状のものを設計するとよい。なお、ナット部材としては、2個ずつのペアのナット部材を、係止用部材63を挟んで上下配置しているが、2個ペアのナット部材は緩み防止の面に優れており、締め込むナットの位置の設定をする際に大変有効である。
さて図1(2)は、本発明によるくさび押え体22を示す図であり、このくさび押え体22はセンター孔22cを有するほぼ2等辺3角形の板状体であって、板厚tを有する。このくさび押え体22の厚さtは、クランプ本体内に挿入可能なようにクランプ本体の内幅よりやや小さく設定されている。
また、センター孔22cは、ほぼ3角形のくさび押え体22の、ほぼ中央付近に設けられた貫通孔であり、このセンター孔22Cを貫通してかつクランプ本体10の両側部の孔を貫通するセンターボルト14によって、クランプ本体10に枢着されている。
そして、このくさび押え体22は、その周囲側面(22a,22b,22b’)を有しており、この周囲側面のうちの底面22aは、略三角形状の長辺にあたり、電線長さ方向の細長平面状の押さえ面22aである。この押さえ面22aは、くさび体26の勾配面と面同士で接触するくさび受け面であり、接触後にくさび体26がさらに摺動してもぐり込み移動することが可能となっている。また、このくさび押え体22は、略三角形状の短辺である2つの外側面(22b,22b’)を有する。
図1(2)のくさび押え体22では、セーターボルト14を貫通するボルト孔22cのほかに、外側面(22b,22b’)の上部または頂部には、螺子孔22Hを配設している。 この螺子孔22Hは、図1(1)に示したクランプ部材保持用治具60が備える螺子部材をここで螺合させることにより、保持用治具60とくさび押え体22との係合して連結させる螺合構造であり、保持用治具60とくさび押え体22とは着脱自在で一体的係合関係を形成できる。
この二つの部材の螺合構造によって、二つの部材同士の脱着が自在となり、また一体的に二部材を結合させた場合では、この構造により相互の部材の分離を防止することができる。このようにして、鉄塔上の不安定な作業場所において、くさび押え体9の分離や紛失を防止することができ、また、くさび型引留クランプを組み立てる作業においては、くさび押え体22と結合させた保持用治具60を作業者が手で操作するによって、クランプ本体10におけるくさび押え体9の相対的な位置を簡単に決めることもできる。
なお、これまで示してきたくさび押え体22は、センター孔22Cを有する略三角形の外観形状からなるものであったが、特にこの三角形の形状に限定されるわけではない。すなわち、くさび押え体22としては、くさび体と26面で接触する細長平面状の押さえ面22aと、センター孔22Cとを有する平板な板状体であればよいので、三角形の2つの短辺の代わりうる形状として、外観的には半円状や矩形状など種々な形状を用いることも可能である。このように、くさび押え体22の形状は、クランプの製作や設計上の都合に合わせて適宜に選択して採用されればよいものである。
さて、図2は、くさび押え体22に連結させた保持用治具60を用いて、くさび押え体22とクランプ本体10との位置設定を行う様子を示す状況図である。
ここでの保持用治具60については、係止用部材63の第1側面部63aと第2側面部63cとの内幅寸法は、クランプ本体10の外幅h1に合わせて設定しておく。また、保持用治具60の先端部61aのナット部材からの突出する長さと、平面部63bから先端部61aの最先端までの距離は、くさび押え体22とクランプ本体10との形状および寸法にあわせて設定しておく。
図2を見ると、鉄塔間を延線されて所定の鉄塔に緊線された電線24は、クランプ本体10内にすでに挿入されているので、このつぎに、くさび押え体22とこれに連結させた保持用治具60を用いて、くさび押え体22とクランプ本体10との位置の設定を行う。この位置の設定は、くさび押え体22のセンター孔22cと、クランプ本体10のセンター孔10aとの位置合わせをする作業である。
ここでは、クランプ本体10に対して、保持用治具60と一体に係合されたくさび押え体22を準備しておき、保持用治具60の係止用部材63を、クランプ本体10の最上端面付近に載置する。これだけで、くさび押え体22のセンター孔22cと、クランプ本体10のセンター孔10aとは、概略一致する位置に来ることとなる。そしてさらには、くさび押え体22を電線24の長手方向に、係止用部材63を中心に振り子状に揺動させることにより細部の微調整ができるので、作業者は鉄塔上であっても、容易で正確な部材の組み合わせ作業をすることができる。このように、本発明の保持用治具60は、クランプ本体に一時的な位置設定が可能とする仮保持構造を備えて構成されている。
さて、図3は、本発明による別のクランプ部材保持用治具70を示す図であって、図3(1)は保持用治具70の構成と、この保持用治具70をくさび押え体22に取り付ける前の状況を示す説明図であり、また、図3(2)は保持用治具70がくさび押え体22に取り付けられた状況を示す外観斜視図である。
図3に示すクランプ部材保持用治具70は、くさび押え体22の押さえ面22aを、電線長手方向の両端側(a1,a2)から掛止または掛合するための手段を備えて構成されている。ここでの保持用治具70は、保持用本体71・開閉バー体72・弾性フック体73を主要な構成部材とし、この保持用本体71はさらに、連結用部材(76,77,78)を介して紐状体79に連結接続されている。
保持用本体71は、くさび押え体22の外側面に合わせた「く」の字状で、薄厚の細幅の長尺片によって構成されており、一方の端部は掛止部71aを備え、他方の端部側では開閉バー体72が連結されている。
保持用本体71の外側には取り付け部74が設けられており、そこにある回動部74’を介して、その開閉バー体72は平面上で約180度回動する動作(⇔M1)が可能となっており、その開閉バー体72はさらに開閉操作部72aを備える。
この開閉バー体72は、共通の回動部75を介して、別の部材である弾性フック体73と連結されている。この弾性フック体73は、主部73c−弾性部73b−掛止フック部73aからなる一連の連結された弾性フックの構成を備え、この掛止フック部73aは、その開閉バー体72の開閉動作に追随して連動させることによって、往復移動動作(⇔M2)をすることができる。
図3(1)に示すクランプ部材保持用治具70は、くさび押え体22の押さえ面22aの両端側(a1,a2)に掛止される前の状態を示す図である。
この図3(1)に見られるように、くさび押え体22の片端側a1と保持用本体71の掛止部71aとが掛止できるような位置に上記2部材を配置し、また、くさび押え体22の片端側a2と、弾性フック体73の掛止フック部73aとが掛止できるような位置に上記2部材を配置しておく。そこで、開閉バー体72の開閉操作部72aを上方向に回動させれば、弾性部材73bが働いて、つぎの図3(2)のように、片端側a1と掛止部71a、片端側a2と掛止フック部73aとが掛止し、保持用治具70がくさび押え体22に取り込まれるように係合された状態となり、保持用治具70とくさび押え体22との緊密な保持構造が形成できる。
本発明によるくさび型引留クランプの部材保持用治具60およびくさび押さえ体22を説明するための図である。 本発明によるくさび型引留クランプの部材保持用治具60を用いた仮保持および位置合わせ作業を説明するための図である。 本発明によるくさび型引留クランプの別の部材保持用治具70を説明するための図である。 本発明で適用されるくさび型引留クランプの構成を示す図である。 本発明で適用されるくさび型引留クランプにおいて、その主要な構成部材を分解して示した図である。 本発明によるくさび型引留クランプを用いて、電線を鉄塔に引留めるための架線作業状況を説明するための図である。
符号の説明
100 くさび型引留クランプ
10 クランプ本体
14 センターボルト
22 くさび押え体
22H 螺子孔
22a 押さえ面
22b、22c 外側面
16 連結板
24 電線
26 くさび体
60 保持用治具(螺合式のクランプ部材保持用治具)
63 係止用部材(仮保持用部材)
66 紐状体
70 保持用治具(掛止式のクランプ部材保持用治具)

Claims (6)

  1. 電線を引き留めるためのくさび型引留クランプの構成部材と着脱自在な係合を行うためのクランプ部材保持用治具であって、
    前記くさび型引留クランプは、クランプ本体が断面U字形に形成され、くさび押え体を介してくさび体を押し込むことにより、このくさび体とクランプ本体との間に電線を把持する引留クランプであり、
    前記くさび押え体は、2等辺3角形状のセンター孔を有する平板状体であって、前記クランプ本体内に挿入可能な板厚からなる周囲側面を有して、この周囲側面は、電線長手方向の細長平面状の押さえ面と「く」の字状の外側面とからなり、
    前記クランプ部材保持用治具は、前記くさび押え体の外側面に配設された螺子孔と螺合するための螺合手段を備えるとともに、前記クランプ本体に一時的な位置設定を可能とする仮保持構造を備え、
    前記仮保持構造は、前記クランプ本体の断面U字形の端面に取り付けられる断面コの字形の係止用部材を備え、
    前記係止用部材は「第1側面部−上面部−第2側面部」からなり、前記第1側面部と第2側面部との内幅寸法を前記クランプ本体の外幅寸法に合わせて設定され、
    前記係止用部材が前記クランプ本体の端面に載置されたときに、前記係止用部材がクランプ本体に一時的に位置設定されるように構成される、ことを特徴とするクランプ部材保持用治具。
  2. 電線を引き留めるためのくさび型引留クランプの構成部材と着脱自在な係合を行うためのクランプ部材保持用治具であって、
    前記くさび型引留クランプは、クランプ本体が断面U字形に形成され、くさび押え体を介してくさび体を押し込むことにより、このくさび体とクランプ本体との間に電線を把持する引留クランプであり、
    前記くさび押え体は、2等辺3角形状のセンター孔を有する平板状体であって、前記クランプ本体内に挿入可能な板厚からなる周囲側面を有して、この周囲側面は、電線長手方向の細長平面状の押さえ面と「く」の字状の外側面とからなり、
    前記クランプ部材保持用治具は、前記くさび押え体の外側面に合わせられた形状の長尺片からなる保持用本体と、前記くさび押え体の押さえ面を電線長手方向の両端側から掛止するための2つの掛止部とを備え、
    前記クランプ部材保持用治具は、前記保持用本体の一方の端部に第1の掛止部が設けられ、前記保持用本体の他方の端部では「開閉バー体−弾性フック体」を介して第2の掛止部が連結され、
    前記開閉バー体は、回動部を介して前記保持用本体の長手方向の平面上を開閉式に移動して、連結された前記弾性フック体に往復移動動作を行わせて、前記弾性フック体の端部に連結された第2の掛止部にも往復移動動作を行わせ、前記第2の掛止部の前記くさび押え体への掛止と非掛止とを行うように構成される、ことを特徴とするクランプ部材保持用治具。
  3. 請求項1または2に記載のクランプ部材保持用治具において、
    前記クランプ部材保持用治具は、保持用治具部材と、この保持用治具部材に取り付けられる紐状部材とを備えて構成される、ことを特徴とするクランプ部材保持用治具。
  4. 電線を引き留めるためのくさび型引留クランプにおいて、
    前記くさび型引留クランプは、クランプ本体が断面U字形に形成され、くさび押え体を介してくさび体を押し込むことにより、このくさび体とクランプ本体との間に電線を把持する引留クランプであり、
    前記くさび押え体は、2等辺3角形状のセンター孔を有する平板状体であって、前記クランプ本体内に挿入可能な板厚からなる周囲側面を有して、この周囲側面は、電線長手方向の細長平面状の押さえ面と「く」の字状の外側面とからなり、
    前記くさび押え体の外側面には、このくさび押え体と着脱自在な係合を行うためのクランプ部材保持用治具と螺合するための螺子孔を配設したくさび型引留クランプであって、
    前記クランプ部材保持用治具として、請求項1に記載のものが適用される、ことを特徴とするくさび型引留クランプ。
  5. 引留クランプによって電線を支持物に引き留めて、電線の架設を行うクランプ施工方法において、
    この方法では、引留クランプの構成部材の分離防止または位置決めのために、作業者が所定の治具を用いて施工を行い、
    前記所定の治具として、請求項1〜3いずれかに記載のクランプ部材保持用治具が適用される、ことを特徴とするクランプ施工方法。
  6. 請求項5に記載のクランプ施工方法において、
    前記引留クランプとして、請求項4に記載のくさび型引留クランプが適用される、
    ことを特徴とするクランプ施工方法。
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