JP4342857B2 - 鍵装置及びこれを用いた料金精算処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、メカニカル錠と認証手段とを備えた鍵装置及びこれを用いた料金精算処理装置に関し、特に、利便性とセキュリティー性を向上させた鍵装置及びこれを用いた料金精算処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、駐車場の料金精算機や自動販売機または券売機等の料金精算処理装置には、一般に装置毎に異なる個別の鍵装置が用いられていた。そのため、装置の保守や集金等の際には、保守作業者等は全ての装置のキーを携行しなければならず、不便であった。また、キーの異なる鍵装置が各装置について個別に設けられたものであっても、警備会社や料金徴収会社(以下、保守会社等と記載)がそれぞれ全てのキーを所有することになるため、例えば内部犯行があった場合にも犯人を特定することが困難であった。
【0003】
さらに、保守作業者等が携行するキーの数を減らすために、キーを各装置について共通化することも行われているが、この場合、多くの保守作業者や警備員が同じキーを持つことになるため、内部犯行を抑制することが困難であり、セキュリティー性に難があった。また、この場合、共通キーを紛失したときには、全ての装置のキーを直ちに変更しなければならず、膨大な経費と労力が必要となる問題があった。
【0004】
一方、セキュリティー性を改善するために、単一のキーにより二つの錠の施錠・解錠を可能とし、一つの錠の解錠については暗証番号に応じたキー操作を必要とする二重ロックの鍵装置を提供したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
この二重ロックの鍵装置は、単一のキーの操作により機械的に施錠・解錠される第1の錠と、上記単一のキーの操作で電気制御により施錠・解錠される第2の錠とを有し、第2の錠の施錠状態において、上記単一のキーの回転動作回数をセンサーで検知して計数し、それが予め定めた暗証番号と一致したときに第2の錠を解錠するようにしている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−342757号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来の二重ロックの鍵装置においては、一般家庭の玄関ドアの防犯用としてはセキュリティー性が高く有効であるが、より高いセキュリティー性が求められる料金精算処理装置等に用いられる鍵装置としては、暗証番号が保守会社等の関係者全員に知られることになり、前述の内部犯行の防犯用としては有効ではなかった。
【0008】
このような場合、関係者がそれぞれ個別の暗証番号を予め登録してもよいが、そうすると暗証番号の入力操作を例えばでたらめに行っても登録された複数の暗証番号のいずれかに該当する確率が増え、逆にセキュリティー性を低下させてしまう問題がある。
【0009】
このような問題に対処するために、暗証番号を複雑化する方法も考えられるが、そうすると解錠操作が複雑になり利便性に劣る問題がある。
【0010】
そこで、本発明は上記問題点に着目してなされたもので、利便性とセキュリティー性を向上させた鍵装置及びそれを用いた料金精算処理装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このために、請求項1の発明は、キー操作により解錠し、扉開閉用のハンドルユニットのハンドルを扉の前面側に突出させて回動操作可能な状態にする第1の錠と、前記ハンドルと一体的に回動する連結部材を前記ハンドルの回動操作により回動して筐体に開閉自在に支持された扉のロックを解除する第2の錠とを有するメカニカル錠と、前記連結部材の回動を阻止する阻止手段、記録媒体に記録された個人識別情報を読み取る読取手段、及び読み取った個人識別情報を予め登録された個人識別情報と照合して登録者か否かを判断する判断部を設け、該判断部が登録者と判断したときに前記阻止手段を駆動して前記連結部材の回動阻止を解除し、前記メカニカル錠の前記ハンドルの回動操作を可能にして前記第2の錠の解錠を可能にする認証手段と、前記キー操作により前記メカニカル錠の第1の錠が解錠されて前記ハンドルが扉の前面側に突出されたことを検知し、前記認証手段を動作可能な状態にする検知手段と、キー操作により筐体内部に押し込み可能となるシリンダー、及び一端部が前記扉の内側面に取付けられ前記シリンダーを常時扉方向に弾性付勢した板部材を有し、前記シリンダーの押し込み操作により前記板部材を弾性付勢力に抗して前記一端部を支点に移動し、該板部材により前記認証手段の阻止手段を前記連結部材の回動阻止が解除される位置まで押圧移動して前記メカニカル錠の前記ハンドルの回動を可能にする非常解錠用錠と、を備えて構成した。
【0012】
このような構成により、キー操作によりメカニカル錠の第1の錠が解錠されてハンドルが扉の前面側に突出されると、検知手段でそれを検知して認証手段を動作可能な状態にし、認証手段で記録媒体に記録された個人識別情報を読み取り、該読み取った個人識別情報を予め登録された個人識別情報と照合して登録者か否かを判断し、登録者と判断したときに上記ハンドルと一体的に回動する連結部材の回動を阻止する阻止手段を駆動して連結部材の回動阻止を解除し、これにより上記ハンドル操作が可能となり、ハンドルが回動操作されて連結部材が回動するとメカニカル錠の第2の錠が解錠して筐体に開閉自在に支持された扉のロックを解除する。これにより、メカニカル錠のキーの共通化を可能として利便性を向上すると共に、鍵装置を操作した個人の特定を可能としてセキュリティー性を向上する。さらに、非常時には、キー操作により筐体内部に押し込み可能にされたシリンダーの押し込み操作により、一端部が扉の内側面に取付けられシリンダーを常時扉方向に弾性付勢した板部材を該弾性付勢力に抗して上記一端部を支点に移動し、該板部材により認証手段の上記阻止手段を連結部材の回動阻止が解除される位置まで押圧移動してメカニカル錠のハンドルの回動を可能にし、扉のロック解除を可能にする。
【0014】
この場合、請求項2のように前記第2の錠は、前記連結部材に連結し、前記筐体に設けた係止穴に前記ハンドル操作に応動して係止し扉の開動作を阻止する係止部材を備える構成とするとよい。
【0015】
ここで、前記阻止手段は、請求項3のようにカム部材と、該カム部材を偏心回動させる駆動手段とを備え、前記カム部材で前記連結部材の回動を阻止する構成とするとよい。
【0018】
また、請求項4の構成は、前記認証手段が、前記扉の開閉情報を記録する構成とした。
【0019】
そして、請求項5の発明は、料金が投入されると所定の精算処理動作をする料金精算処理装置であって、筐体に開閉自在に設置された扉に、請求項1〜4に記載の鍵装置を用いている。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る鍵装置の第1実施形態を適用した駐車場の料金精算機の正面図である。
図1において、本第1実施形態の鍵装置1は、駐車時間に応じた駐車料金を精算処理する料金精算機の扉2に料金精算の操作パネル3と共に設けられている。
【0021】
この鍵装置1は、キー操作により解錠するメカニカル錠4と、個人識別情報に基づいてメカニカル錠4の解錠を可能にする認証手段5とを備えた二重ロックの鍵装置を構成している。さらに、この鍵装置1は、停電等の非常時に認証手段5の後述の阻止手段を手動により動かしてメカニカル錠4の解錠を可能とする非常解錠用錠6を備えて構成している。
【0022】
上記メカニカル錠4は、共通キーの操作により後述の扉2開閉用のハンドルユニット9のハンドル9aを扉2の前面側に突出させて回動操作可能な状態にする第1の錠と、ハンドル9aの回動操作により解錠する第2の錠とを備える構成としている。
【0023】
ここで、第1の錠は、図2に示すようにハンドル9a中央部に嵌着固定され、共通キー挿入穴7に共通キーを挿入して回動操作することにより解錠し、図示省略のバネ部材によりハンドル9aを、図3に二点鎖線で示すように扉2の前方に押し出すシリンダー錠8である。
【0024】
そして、第2の錠は、図4に示すようにハンドルユニット9のハンドル9aと連動する連結部材10と、連結部材10に連結し扉2を開閉自在に支持する筐体に設けた図示省略の係止穴にハンドル9aの回動操作に応動して係止し扉2の開動作を阻止する係止部材としてのロッド部材11a,11bとを有して構成している。
【0025】
また、上記ハンドルユニット9は、図4に示すように扉2に固定されたハンドルケース9bの軸筒部9cに内筒9dを回動可能かつ前後への移動不能の状態に装着し、この内筒9d内にハンドル9aを前面部に備えたハンドル軸部9e(図3参照)を回動不能かつ前後への移動可能状態に嵌挿してバネ部材によって前進方向に付勢した構成としている。さらに、連結部材10は、図4に示すようにハンドル9aの上記内筒9dの後面側に固定され同図中点Oを中心に回動するように設けられている。そして、ロッド部材11a,11bは、連結部材10の両端部10a,10bに連結している。これにより、ハンドル9aを回動操作することにより、ハンドル軸部9eを介して内筒9dと一体的に連結部材10が回動し、それに伴ってロッド部材11a,11bが同図中矢印A及びB方向の料金精算機内側に引き込まれ、上記筐体に設けた係止穴から抜けて扉2のロックを解除するようになっている。
【0026】
また、図3に示すように扉2の内側面には、例えばプッシュスイッチからなる検出手段としてのハンドルスイッチ12を設けている。このハンドルスイッチ12は、ハンドル9aによって押圧されているときはOFFしており、シリンダー錠8が解錠し、ハンドル9aが扉2の前方に押し出されて押圧力が解除されるとONするように構成している。これにより、ハンドルスイッチ12がシリンダー錠8の解錠を検知し、開信号を出力して認証手段5を動作可能な状態とするようになっている。なお、ハンドルスイッチ12のON/OFF動作は上述と反対の動作であってもよし、ハンドルスイッチ12は上記プッシュスイッチに限られない。
【0027】
また、上記認証手段5は、個人識別情報に基づく阻止解除操作がされるまでメカニカル錠4の第2の錠の解錠を阻止するものであり、図1に示すIDカード等の個人識別情報を読み取る読取手段13と、図4に示すようにカム部材14及びカム部材14を偏心回動させる駆動手段15を有する阻止手段と、図5に示すように登録者の個人識別情報を記憶する記憶部17と、扉2の開閉時刻を知るための時計ユニット19と、読み取った個人識別情報を予め記憶部17に登録された個人識別情報と照合して登録者か否かを判断する判断部の機能を備えた制御部18とを備えて構成している。そして、上記阻止手段としてのカム部材14及び駆動手段15は、図4に示すように保持部材16a,16bによって扉2の背面部に保持されている。
【0028】
ここで、上記カム部材14は円柱状の部材であり、端面に上記第2の錠の連結部材10を当接させて連結部材10の解錠方向の動作を阻止するようになっており、駆動手段15は、例えば低速回転するモータである。なお、駆動手段15は、カム部材14の回動の開始点及び終了点を検出する図示省略の検出部を備えている。
【0029】
そして、認証手段5は、図5に示すように読取手段13、駆動手段15、記憶手段17及び時計ユニット19をそれぞれ制御手段18に接続して回路部を構成しており、ハンドルスイッチ12の開信号が入力されると読取手段13を起動して個人識別情報を読み取り可能とするようにしている。なお、認証手段5は、通信部を備えて、センターとの各種データ通信を行えるようにしてもよい。さらに、制御手段18は、認証手段5の制御のみを行うものに限られず、例えば図5に示すように料金精算機の精算処理機構の制御機能を兼ね備えてもよい。
【0030】
また、上記非常解錠用錠6は、メカニカル錠4の近傍部に設けられており、図3に示すようにキー20の操作により筐体内部に押し込み可能となるシリンダー21と、このシリンダーの後部に設けられ一体的に回動する係止片22と、一端部が扉2の内側面2aに軸部材23に軸支され、軸部材23に設けられたコイルバネ24によりシリンダー21を常時扉2方向に弾性付勢するように取付けられた板部材25とを備え、同図中二点鎖線で示すようにシリンダー21の押し込み操作により板部材25を弾性付勢力に抗して軸部材23回りに回動し、認証手段5のカム部材14を押圧移動してメカニカル錠4のハンドル9aを回動可能にする構成としている。これにより、シリンダー21が押し込まれることにより、図6に示すように板部材25の上端部が矢印C方向に回動してカム部材14を矢印D方向に回動し、連結部材10の回動阻止状態を解除してハンドル9aを回動可能にするようにしている。なお、シリンダー21は、板部材25に固定して保持されている。
【0031】
そして、上記係止片22は、通常時は図4に実線で示すように倒れて保持部材16aの側面に設けた縦に長いスリット状の係止穴26に係止しており(図7参照)、図7に示すようにシリンダー21を矢印E方向の筐体内部に押し込めないようになっている。また、非常時には、キー20を挿入操作して図4に二点鎖線で示すように係止片22を起立させることにより係止片22を係止穴26から外し、シリンダー21の押し込み操作が可能となるようにしている。
【0032】
なお、この非常解錠用錠6は、鍵装置1に必須のものではないため省略してもよい。
【0033】
次に、このように構成された第1実施形態に係る鍵装置1の動作を、図8のフローチャートを参照して説明する。なお、ここでは、メカニカル錠4と認証手段5の動作に限定して説明する。
【0034】
先ず、ステップ1(図中S1で示し、以下同様とする)において、図2に示すメカニカル錠4の共通キー挿入穴7にキーを挿入して回動する。これにより、ハンドルユニット9のハンドル軸部9eを保持する内筒9dに係止してハンドル軸部9eの扉2前面への突出動作を阻止するようにした図示省略の係止部がハンドル軸部9e内部に引き込まれてシリンダー錠8が解錠する。そして、図3に二点鎖線で示すようにハンドル軸部9e及びハンドル9aが、図示省略のバネ部材により扉2の前方に押し出され、ハンドル9aが回動操作可能な状態となる。
【0035】
次に、ステップ2において、ハンドル9aが扉2の前方に押し出されるのに伴って、ハンドルスイッチ12に対する押圧力が解除され、ハンドルスイッチ12がONして開信号を出力する。この開信号は、図5の制御手段18に入力し、読取手段13を起動して個人識別情報の読み取りを可能にする。
【0036】
次に、ステップ3において、保守作業者等の個人識別情報を記録した例えばIDカードが読取手段13に挿入されると、ID番号のような個人識別情報(ID情報)が読み取られる。そして、ステップ4に進んで、記憶部17を検索して予め登録された個人識別情報と読み取った個人識別情報とを照合して一致/不一致を制御手段18で判断する。ここで、両識別情報が一致して“YES”判定、即ち正規のIDカードであると認めた場合には、ステップ5に進む。
【0037】
ステップ5においては、駆動手段15が駆動し、カム部材14を図6に示す矢印D方向に回動し、実線で示す部位から二点鎖線で示す部位まで移動する。これにより、ハンドル9aと一体的に回動する連結部材10(図2参照)の解錠方向の阻止状態が解除され、ハンドル9aの回動操作が可能となる。
【0038】
次に、ステップ6において、ハンドル9aを回動する。これにより、図4に示す連結部材10の両端部10a,10bに連結したロッド部材11a,11bが矢印A,B方向に引き込まれ、図示省略の筐体に設けた係止穴から抜けて扉2が開放可能にされる。そして、ハンドル9aを手前に引くことにより扉2が開放される。このとき、図示省略の検知部が扉2の開放を検知して検知信号を発し、このときの時計ユニット19の時刻が開放日時として記憶部17に記憶保存される。
【0039】
次に、ステップ7において、保守作業者が料金精算機の保守作業等を実施し、それが終了すると、ステップ8に進んで扉2が閉じられる。このとき、図示省略の上記検知部により扉2の閉動作を検知して時計ユニット19の時刻(扉閉日時)及び個人識別情報が記憶部17に記憶保存される。
【0040】
さらに、ステップ9において、ハンドル9aを所定位置に戻してロッド部材11a,11bを係止穴に係止させて第の2錠を施錠した後、扉2の前面に飛び出したハンドル9aを押し込むとシリンダー錠8が施錠し、メカニカル錠4が施錠する。これにより、ハンドル9aにより押圧されてハンドルスイッチ12がOFFし、閉信号を出力する。
【0041】
そして、ステップ10に進んで、この閉信号に基づいて駆動手段15が上述と反対方向に回動してカム部材14を所定位置に復帰させ、連結部材10をロック状態に保持して認証手段5がメカニカル錠4を施錠する。同時に、読取手段13が停止して個人識別情報の読み取りをできなくする。
【0042】
なお、上記ハンドルスイッチ12の開閉信号は、読取手段13の起動停止を行うものに限られず、駆動手段15の電源をON/OFFさせるようにしてもよい。
【0043】
また、料金精算機を通信回線によりセンターとオンライン接続して、ステップ6及びステップ8における扉2の開閉日時及び個人識別情報を、通信回線を通じてセンターに送信し、管理用コンピュータで一元管理してもよい。または、読取手段13を書込み可能にして、IDカード等の個人識別情報の記録媒体に上記開閉日時を記録保存し、保守作業者等がセンターに帰った際に管理用コンピュータに移してオフラインにより管理するようにしてもよい。
【0044】
さらに、個人識別情報の記録媒体は、接触式のIDカードに限定されず、携帯電話機や、非接触IDタグを用いてもよい。また、認証方法は、予め登録したID番号のようなID情報の他に、個人の人体的特徴である網膜、指紋または人相等を現場で照合するようにしてもよい。
【0045】
保守作業者等の人体的特徴に基づいて本人か否かを照合する場合には、例えば保守作業者等が携帯した上記人体的特徴を記録したIDカードを読取手段13で読み取り、別に備えた人体情報読取手段により上記保守作業者等の人体情報を読み取り照合するようにしてもよい。この場合は、個人の人体情報は、予め登録保存しておく必要がない。
【0046】
このように構成された第1実施形態の鍵装置1は、認証手段5が解錠されない限りメカニカル錠4を解錠することができないため、メカニカル錠4の一部を破壊しても扉2を開けることができずセキュリティー性が向上する。
【0047】
また、認証手段5は、個人識別情報に基づいて解錠するため、メカニカル錠4のキーは共通化することができ、保守作業者等が携行するキーの数を減らすことができ、利便性が向上する。
【0048】
さらに、メカニカル錠4を解錠する共通キー及び認証手段5の解錠キーであるIDカード等の個人識別情報の両方が揃わないと鍵装置1を解錠できないため、共通キーとIDカード等のいずれか一方を紛失しても防犯が可能である。
【0049】
さらにまた、共通キー及びIDカード等の情報記録媒体の両方を紛失した場合にも、事前登録された個人識別情報の登録を抹消することにより防犯ができ、錠の取り替えは不要となりコストダウンを図ることができる。
【0050】
また、開閉日時及び個人識別情報は、記憶部17に記憶して保存されるため扉2を開閉した者を特定することができ、内部犯行を抑制することができる。
【0051】
さらに、料金精算機がオンライン設備を備えれば開閉日時及び個人識別情報の解錠情報は、オンラインでセンターに送られ管理用コンピュータ等で一元管理することができる。または、料金精算機がオンライン設備されていない場合にも、人体的特徴を含む個人識別情報を記録したIDカードや非接触IDタグまたは携帯電話機等の情報記録媒体に上記解錠情報を記録保存して持ち帰ることにより、オフラインでも運用することができる。
【0052】
さらにまた、ハンドル9aを有するメカニカル錠4を備えたことにより、凍結時や盗難にあって例えば扉2を筐体に固定保持するロッド部材11a,11b等の係止部材が固定されたり曲がったりしてハンドル9aに負荷がかかった状態であっても、ハンドル9aに対して負荷に抗した強い力を作用することにより容易に解錠することができる。
【0053】
そして、非常解錠用錠を備えれば、例えば停電時や認証手段5が故障した時にもこの非常解錠用錠で解錠することができ、上記事故に妨げられることなく集金や保守作業等を行うことができる。
【0054】
なお、ハンドル9aの回動を阻止する阻止手段は、前述したような連結部材10の回動を阻止するものに限られず、ロッド部材11a,11bの動きを阻止するものであってもよい。
【0055】
次に、本発明の鍵装置の第2実施形態を、図9を参照して説明する。なお、ここでは、第1実施形態と同一の要素については同一の符号を用いて示し、第1実施形態と異なる部分について説明する。
【0056】
図9に示す第2実施形態に係る鍵装置1は、阻止手段としてメカニカル錠4のシリンダー錠8を覆うシャッター27と、シャッター27を駆動する駆動手段15と、シャッター27及び駆動手段15を収納するカバー28を扉2の外側面部に備えており、認証手段5の解錠操作がなされると駆動手段15を駆動してシャッター27をカバー28に収納し、シリンダー錠8の前面を開放して共通キーの挿入操作を可能とすることによって、メカニカル錠4の解錠阻止を解除するように構成している。
【0057】
このように構成された第2実施形態の鍵装置1は、図10に示すフローチャートにしたがって動作をする。
即ち、ステップ11では、例えばIDカードが読取手段13に挿入され、個人識別情報が読み取られる。そして、ステップ12に進んで、図5に示す記憶部17を検索して予め登録された個人識別情報と読み取った個人識別情報との一致/不一致を制御手段18で判断する。ここで、正規のIDカードであると認めた場合(“YES”判定)には、ステップ13に進む。
【0058】
ステップ13においては、駆動手段15が駆動してシャッター27をカバー28内に収納し、シリンダー錠8の前面を開放する。これにより、シリンダー錠8の共通キー挿入穴7に共通キーが挿入可能となる。
【0059】
次に、ステップ14において、上記共通キー挿入穴7に共通キーを挿入する。そして、共通キーを回動操作すると、シリンダー錠8が解錠し、図3に二点鎖線で示すようにハンドル軸部9e及びハンドル9aが、図示省略のバネ部材により扉2の前方に押し出され、ハンドル9aが回動操作可能な状態となる。また、同時に、ハンドルスイッチ12がONする。
【0060】
次に、ステップ15において、ハンドル9aを回動操作して連結部材10を回動し、連結部材10の両端部に連結されたロッド部材11a,11bを料金精算機内部に引き込み、筐体に対する係止状態を解除して扉2を開放する。このとき、同時に開放日時を記憶部17に記憶保存する。
【0061】
次に、ステップ16では、保守作業者が料金精算機の保守作業等を実施し、それが終了すると、ステップ17に進んで、扉2が閉じられ、図示省略の検出部で扉2の閉動作を検知して扉閉日時及び個人識別情報(ID情報等)を記憶部17に記憶保存する。
【0062】
次に、ステップ18においては、ハンドル9aを所定位置に戻して第2の錠を施錠した後、ハンドル9aを押し込んでシリンダー錠8を施錠し、メカニカル錠4を施錠する。このとき、ハンドルスイッチ12がOFFする。
【0063】
そして、ステップ19において、上記ハンドルスイッチ12のOFF信号を検出して駆動手段15が駆動し、シャッター27によりシリンダー錠8の前面を閉じて認証手段5が施錠する。
【0064】
このように構成された第2実施形態の鍵装置によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0065】
なお、上記阻止手段は、シリンダー錠8の前面を覆うものに限られず、共通キー挿入穴7に対して共通キーの挿入を阻止するものであればいかなる構成であってもよい。
【0066】
そして、本発明の鍵装置は、上述の駐車場の料金精算処理装置に用いられるものに限定されず、自動販売機や券売機にも適用でき、これら料金精算処理装置のようなセキュリティー性を要求されるあらゆる扉の鍵装置として適用することができる。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の鍵装置によれば、キー操作によりメカニカル錠の第1の錠が解錠されてハンドルが扉の前面側に突出されると、検知手段でそれを検知して認証手段を動作可能な状態にし、さらに認証手段で記録媒体に記録された個人識別情報を読み取り、該読み取った個人識別情報を予め登録された個人識別情報と照合して登録者か否かを判断し、登録者と判断したときに上記ハンドルと一体的に回動する連結部材の回動を阻止する阻止手段を駆動し、連結部材の回動阻止を解除して上記ハンドル操作を可能にし、ハンドルが回動操作されて連結部材が回動するとメカニカル錠の第2の錠が解錠して筐体に開閉自在に支持された扉のロックを解除することができる。このように、認証手段が正規の登録者と認証したときにのみメカニカル錠の解錠阻止状態が解除されるようにしたことにより、第3者が容易に解錠することができず、従来の暗証番号を用いたものよりもセキュリティー性をより高めることができる。
【0068】
また、鍵装置の解錠情報として個人識別情報を保存するようにしたことにより、扉を開閉した者の特定が可能となり、内部犯行を抑制することができ、セキュリティー性をより一層高めることができる。
【0069】
さらに、メカニカル錠のキーを共通化することができる。したがって、保守作業者等の携行するキーの数を減らすことができ、利便性を向上することができる。
【0070】
そして、メカニカル錠の一部を壊しただけでは鍵装置を解錠することができず、セキュリティー性を向上することができる。
【0071】
また、個人識別情報を記録したIDカード等の情報記録媒体等を利用するようになっているので、共通キー及び情報記録媒体の両方を紛失した場合にも、事前登録された個人識別情報の登録を抹消することにより防犯ができ、錠の取り替えは不要となりコストダウンを図ることができる。
【0072】
さらに、非常解錠用錠を備えているので、例えば停電時や認証手段の故障時においても、キー操作により筐体内部に押し込み可能にされたシリンダーの押し込み操作により、一端部が扉の内側面に取付けられシリンダーを常時扉方向に弾性付勢した板部材を該弾性付勢力に抗して上記一端部を支点に移動し、該板部材により認証手段の上記阻止手段を連結部材の回動阻止が解除される位置まで押圧移動してメカニカル錠のハンドルの回動を可能にすることができ、ハンドルの回動操作により扉のロックを解除することができる。したがって、上記事故に妨げられることなく集金や保守作業等を行うことができる。
【0073】
さらにまた、認証手段が記憶部やIDカード等に扉の開閉情報を記録するようにすれば、鍵装置の操作情報を管理することができる。
【0074】
そして、本発明の鍵装置を料金精算処理装置に用いることにより、料金精算処理装置の金銭盗難事件を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による鍵装置の第1実施形態を示す正面図である。
【図2】 第1実施形態の要部拡大正面図である。
【図3】 第1実施形態の要部拡大側面図である。
【図4】 第1実施形態の要部拡大背面図である。
【図5】 認証手段の回路部の構成を示すブロック図である。
【図6】 第1実施形態の要部拡大上面図である。
【図7】 非常解錠用錠の構成を示す上面図である。
【図8】 第1実施形態の動作を説明するフローチャートである。
【図9】 本発明による鍵装置の第2実施形態を示す説明図であり、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図10】 第2実施形態の動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1…鍵装置
2…扉
4…メカニカル錠
5…認証手段
6…非常解錠用錠
7…共通キー挿入穴
8…シリンダー錠(第1の錠)
9…ハンドルユニット
9a…ハンドル
10…連結部材(第2の錠)
11a,11b…ロッド部材(係止部材、第2の錠)
12…ハンドルスイッチ(検知手段)
13…読取手段
17…記憶部
18…判断部
14…阻止手段
20…キー
21…シリンダー
25…板部材
27…シャッター
Claims (5)
- キー操作により解錠し、扉開閉用のハンドルユニットのハンドルを扉の前面側に突出させて回動操作可能な状態にする第1の錠と、前記ハンドルと一体的に回動する連結部材を前記ハンドルの回動操作により回動して筐体に開閉自在に支持された扉のロックを解除する第2の錠とを有するメカニカル錠と、
前記連結部材の回動を阻止する阻止手段、記録媒体に記録された個人識別情報を読み取る読取手段、及び読み取った個人識別情報を予め登録された個人識別情報と照合して登録者か否かを判断する判断部を設け、該判断部が登録者と判断したときに前記阻止手段を駆動して前記連結部材の回動阻止を解除し、前記メカニカル錠の前記ハンドルの回動操作を可能にして前記第2の錠の解錠を可能にする認証手段と、
前記キー操作により前記メカニカル錠の第1の錠が解錠されて前記ハンドルが扉の前面側に突出されたことを検知し、前記認証手段を動作可能な状態にする検知手段と、
キー操作により筐体内部に押し込み可能となるシリンダー、及び一端部が前記扉の内側面に取付けられ前記シリンダーを常時扉方向に弾性付勢した板部材を有し、前記シリンダーの押し込み操作により前記板部材を弾性付勢力に抗して前記一端部を支点に移動し、該板部材により前記認証手段の阻止手段を前記連結部材の回動阻止が解除される位置まで押圧移動して前記メカニカル錠の前記ハンドルの回動を可能にする非常解錠用錠と、
を備えて構成したことを特徴とする鍵装置。 - 前記第2の錠は、前記連結部材に連結し、前記筐体に設けた係止穴に前記ハンドル操作に応動して係止し扉の開動作を阻止する係止部材を備える構成としたことを特徴とする請求項1に記載の鍵装置。
- 前記阻止手段は、カム部材と、該カム部材を偏心回動させる駆動手段とを備え、前記カム部材で前記連結部材の回動を阻止する構成としたことを特徴とする請求項1に記載の鍵装置。
- 前記認証手段が、前記扉の開閉情報を記録する構成としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の鍵装置。
- 料金が投入されると所定の精算処理動作をする料金精算処理装置であって、
筐体に開閉自在に設置された扉に、請求項1〜4のいずれか一つに記載の鍵装置を備えたことを特徴とする料金精算処理装置。
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