JP4342692B2 - 古紙ボードの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は古紙ボードの製造方法に関し、詳しくは、新聞紙、雑誌、段ボールなどの古紙を主原料とする解繊ファイバーにバインダーを配合してなるボード原料を、熱板により加熱・圧締してボード状に成形する工程を経て製造される古紙ボードの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
工場やオフィス、あるいは一般家庭などから排出される多量の古紙は、環境保護、資源の有効活用などの見地から、近年、種々の用途に再利用されるようになっている。そして、その再利用方法の一つとして、古紙から建材用などに用いられる古紙ボードを製造する方法が知られている。
【0003】
そして、古紙ボードの製造方法の一つに、例えば、古紙を乾式解繊した解繊ファイバーにバインダーを添加してなるボード原料を、熱板により加熱・圧締してボード状に成形するようにした古紙ボードの製造方法がある。
【0004】
ところで、上記の古紙ボードの製造方法において用いられる加熱・圧締装置(例えばホットプレス装置)は、通常、熱板と被圧着材(ボード)との離型性(剥離性)を良好に保つために、熱板の表面に剥離板(例えば、Al合金からなる基材の表面にフッ素樹脂コーティングを施したものなど)が取り付けられており、熱板がこの剥離板を介してボード原料に押し付けられるように構成されている。
【0005】
しかし、長期間繰り返して使用した場合、フッ素樹脂コーティングからなる剥離層が磨耗して、Al合金からなる基材が露出し、ボードとの離型性(剥離性)が低下するという問題点があり、長期間安定操業の見地からすれば、必ずしも信頼性が十分とはいえないのが実情である。
【0006】
また、古紙ボードを、コンクリート型枠パネルなど、水と接する用途に使用する場合、十分な耐水性、耐湿性を備えていることが必要であるが、紙を原料とする古紙ボードにおいて、そのような場合に要求される耐水性、耐湿性を実現することは、必ずしも容易ではないのが実情である。
【0007】
本願発明は、上記問題点を解決するものであり、加熱・圧締工程における加熱・圧締装置(例えばホットプレス装置の熱板)とボードとの離型性(剥離性)を良好に保って、長期間安定して製造することが可能で、かつ、機械的強度などの基本的特性はもちろん、耐水性や耐湿性にも優れた古紙ボードを効率よく製造することが可能な古紙ボードの製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願発明(請求項1)の古紙ボードの製造方法は、
古紙を乾式解繊した解繊ファイバーを主原料とする古紙ボードの製造方法であって、
熱硬化性樹脂が添加された解繊ファイバーを主成分とするボード原料をマット状に成形する原料成形工程と、
マット状に成形されたボード原料の両面側に、シート状材料に熱硬化性樹脂を含浸させた熱硬化性樹脂含浸シートを配設する樹脂含浸シート配設工程と、
前記ボード原料の両面側に前記熱硬化性樹脂含浸シートが配設された複合予備成形ボードを、予備的に加熱・圧締して、以後のボード成形工程までの過程において、変形および/または破損が生じないように、予備的に硬化させる予備硬化工程と、
前記予備硬化工程で予備的に硬化させた前記複合予備成形ボードを加熱・圧締してボード状に成形するボード成形工程と
を具備することを特徴としている。
【0009】
本願発明の古紙ボードの製造方法においては、熱硬化性樹脂が添加された解繊ファイバーを主成分とするボード原料をマット状に成形し、その両面側に熱硬化性樹脂含浸シートを配設した複合予備成形ボードを、予備的に加熱・圧締して、以後のボード成形工程までの過程において、変形および/または破損が生じないように、予備的に硬化させた後、所定の条件で加熱・圧締するようにしているので、ボード原料中の熱硬化性樹脂と、熱硬化性樹脂含浸シートを構成する熱硬化性樹脂がほぼ同時に硬化して、ボード原料と熱硬化性樹脂含浸シートが強固に一体化したボード状の成形体が成形されることになる。そして、ボード成形工程においては、複合予備成形ボードの表面の熱硬化性樹脂含浸シートが、加熱・圧締装置(例えばホットプレス装置の熱板)と接触することになり、この熱硬化性樹脂含浸シートが熱板との離型性(剥離性)に優れていることから、ボード成形工程において熱板がボードに付着するという問題が大幅に軽減され、生産効率を向上させることが可能になるとともに、ボード全体としての機械的強度などの基本的な特性を、主として解繊ファイバーに熱硬化性樹脂を添加したボード原料からなる層(ボード本体層)により確保することが可能になる。
したがって、本願発明の古紙ボードの製造方法によれば、所望の特性を備えた古紙ボードを効率よく製造することが可能になる。
【0010】
また、上記熱硬化性樹脂表面層により、ボード表面の耐水性、耐湿性が向上するため、コンクリート型枠パネルなどの耐水性が要求される用途にも十分に用いることが可能な古紙ボードを得ることができるようになる。
【0011】
また、上述のように、樹脂含浸シート配設工程と、ボード成形工程との間に、予備硬化工程を設けて、複合予備成形ボードを予備硬化させることにより、以後のボード成形工程までの搬送過程などにおいて、変形や破損が生じにくく、取扱性に優れた複合予備成形ボードを得ることが可能になり、製造設備の簡略化や、生産性の向上を図ることが可能になる。
【0012】
すなわち、予備硬化させていない場合には、通常、複合予備成形ボードを搬送用のプレート上に載置して搬送することが必要になるが、予備硬化させた場合には、以後のボード成形工程まで、搬送用のプレートを用いることなく、予備硬化させたボードのみで搬送することが可能になり、搬送設備を大幅に簡略化して、製造設備全体の合理化を図ることが可能になり、生産性を向上させることが可能になる。
【0013】
また、請求項2の古紙ボードの製造方法は、前記原料成形工程において、前記ボード原料を予備圧締してマット状に成形することを特徴としている。
【0014】
原料成形工程においてボード原料をマット状に成形する方法については、特に制約はないが、請求項2のように、ボード原料を予備圧締することにより、容易かつ確実に成形を行うことが可能になるとともに、その両面側に、熱硬化性樹脂含浸シートを配設することにより、その後のボード成形工程における加熱・圧締処理を円滑に行うことが可能な複合予備成形ボードを得ることが可能になり、本願発明を実効あらしめることができる。
【0015】
なお、ボード原料を予備圧締する場合の条件には特別の制約はないが、通常、圧力は10〜30kgf/cm2程度とすることが好ましい。なお、予備圧締時には、加温は不要であるが、加温することを排除するものではない。
【0016】
また、請求項3の古紙ボードの製造方法は、前記解繊ファイバーに、熱硬化性樹脂として、ポリイソシアネート系化合物を、乾燥基準で5〜15重量%の割合で添加することを特徴としている。
【0017】
ポリイソシアネート系化合物を、乾燥基準で5〜15重量%の割合で添加することにより、比較的低い薬剤コストで、強度の大きい古紙ボードを得ることが可能になり、有意義である。
【0018】
また、ポリイソシアネート系化合物の硬化反応には水が関与するため、水分を含有するボード原料のバインダーとして用いるのに適している。さらに、ポリイソシアネート系化合物を用いることにより、加熱・圧締工程に供されるボード原料の含水率がある程度変動した場合にも、安定した品質の古紙ボードを得ることが可能になり、製造工程の自由度を向上させることが可能になる。
なお、ポリイソシアネート系化合物の添加割合として、乾燥基準で5〜15重量%の割合が好ましいのは、ポリイソシアネート系化合物の割合が、乾燥基準で5重量%未満になると、バインダーとしての機能を十分に発揮できず、得られるボードの機械的強度などが不十分となり、また、15重量%を越えて添加しても、添加硬化に顕著な向上が認められず、いたずらにコストの上昇を招くことによる。
【0019】
また、請求項4の古紙ボードの製造方法は、前記熱硬化性樹脂含浸シートを構成する熱硬化性樹脂が、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、及びウレタン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴としている。
【0020】
熱硬化性樹脂含浸シートを構成する熱硬化性樹脂として、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、及びウレタン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることにより、加熱・圧締装置(例えばホットプレス装置の熱板)との離型性(剥離性)を良好に保つことが可能になるとともに、成形後のボードの耐水性、耐湿性を向上させることが可能になり、本願発明を実効あらしめることができる。
【0021】
なお、上記の各熱硬化性樹脂の中でも、フェノール樹脂は、経済性にも優れ、かつ、無溶剤タイプの環境汚染を生じにくいものを用いることが可能で、しかも、解繊ファイバーに添加する熱硬化性樹脂として、例えば、ポリイソシアネート系化合物を用いる場合、ポリイソシアネート系化合物の硬化条件とフェノール樹脂の硬化条件が比較的近いため、ボード本体層と熱硬化性樹脂表面層の結合力が大きくなり、信頼性を向上させることが可能になる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態を示してその特徴とするところをさらに詳しく説明する。
図1は本願発明の一実施形態にかかる古紙ボードの製造方法を示すフローシートである。
【0023】
この実施形態の古紙ボードの製造方法は、図1に示すように、主要な工程として、古紙原料を粗粉砕する古紙粉砕工程Aと、粗粉砕された古紙原料を乾式解繊する古紙乾式解繊工程Bと、バインダーとしてポリイソシアネート系化合物を添加・混合するバインダー添加工程Cと、ポリイソシアネート系化合物が添加されたボード原料を広げて予備圧締することによりマット状に成形する原料成形工程(フォーミング・プリプレス工程)Dと、マット状に成形されたボード原料の両面側に、熱硬化性樹脂をシート状材料に含浸させた熱硬化性樹脂含浸シートを配設する樹脂含浸シート配設工程Eと、ボード原料の両面側に熱硬化性樹脂含浸シートが配設された複合予備成形ボードを、所定の条件で、加熱・圧締してボード状に成形するボード成形工程Fと、成形体(ボード)を最終製品(古紙ボード)にまで仕上げる製品仕上工程Gとを備えている。
【0024】
上記古紙粉砕工程Aは、新聞紙、雑誌、段ボールなどの古紙原料を、乾式解繊機に供給できる形状になるまで粗粉砕する工程である。
なお、粗粉砕された古紙原料が供給される場合には、粉砕が不要な場合もある。
【0025】
また、古紙乾式解繊工程Bは、粗粉砕された古紙原料を乾式解繊する工程であり、この工程で、古紙原料がファイバー状になるまで十分に解繊される。
【0026】
また、バインダー添加工程Cは、バインダーとしてポリイソシアネート系化合物を添加、混合する工程である。なお、ここではポリイソシアネート系化合物として、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を、乾燥基準で8重量%及び10重量%の割合で添加した。
【0027】
また、原料成形工程(フォーミング・プリプレス工程)Dは、ポリイソシアネート系化合物が添加されたボード原料を予備圧締して、所定の形状、厚さの層(マット状の成形体)に成形する工程である。なお、この実施形態では、約15kgf/cm2の圧力で、特に加熱することなく、常温で予備圧締を行った。
【0028】
樹脂含浸シート配設工程Eは、図2に示すように、マット状に成形されたボード原料からなる層(ボード本体層)1の両面側に、シート状材料2に熱硬化性樹脂3を含浸させた熱硬化性樹脂含浸シート4を配設する工程である。
【0029】
なお、熱硬化性樹脂含浸シートとして、紙製や布製などのシート状材料(基材)の両面又は片面に、例えばフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を、その含有率が40〜70重量%となるような割合で含浸させたシートなどを用いることが可能であり、この実施形態では、熱硬化性樹脂含浸シート4として、紙製のシート状材料2の両面側に、熱硬化性樹脂3として、半硬化状態のフェノール樹脂を約50重量%となるような割合で含浸させたシートを用いた。
なお、熱硬化性樹脂含浸シートは、空気を遮断するので、ボード原料中に含まれる空気などの気体をできるだけ除去した状態で、その両面に熱硬化性樹脂含浸シートを配設することが望ましい。かかる見地からは、原料成形工程(フォーミング・プリプレス工程)Dでボード原料を予備圧締するようにした場合、ボード原料中の空気などの気体を除去することができて好ましい。
【0030】
ボード成形工程Fは、ボード原料の両面側に熱硬化性樹脂含浸シートが配設された複合予備成形ボードを、ホットプレス装置などの加熱・圧締装置を用いて、所定の条件で、加熱・圧締することによりボード状に成形する工程である。
この実施形態では、
(a)圧締圧力 : 18kgf/cm2
(b)加熱温度 : 180℃
(c)加熱・圧締時間: 10分
の条件で加熱・圧締を行った。
【0031】
なお、ボード成形工程は、単段方式で行うことも可能であり、また、一次加熱・圧締工程、二次加熱・圧締工程というように復次の加熱・圧締工程を備えた多段方式、あるいは連続方式で行うことも可能で、その方式の特別の制約はない。
なお、加熱・圧締の工程と同時に又はその直前に、ボード原料中の空気などの気体を除去する処理を施すように構成することも可能である。
【0032】
このボード成形工程においては、ボード原料中のポリイソシアネート系化合物が硬化してバインダー(接着剤)としての機能を発揮し、また、熱硬化性樹脂含浸シート中のフェノール樹脂が硬化して、耐水性、耐湿性を向上させる機能を果たすとともに、フェノール樹脂が加熱・圧締装置(例えばホットプレス装置の熱板)との離型性(剥離性)を発揮して、成形されたボードが熱板に付着することを阻止する機能を果たす。
【0033】
また、製品仕上工程Gは、成形体(ボード)を切断、トリミングして、所定の寸法の最終製品(古紙ボード)に仕上げる工程である。
【0034】
上記実施形態の古紙ボードの製造方法によれば、図3に示すように、ボード原料からなる層(ボード本体層)1の表裏両面に、シート状材料2(図2)と一体化した熱硬化性樹脂3(図2)からなる表面層(熱硬化性樹脂表面層)5が配設された3層構造の古紙ボード6が得られる。
【0035】
この古紙ボード6においては、表面が熱硬化性樹脂表面層5により覆われているため、耐水性、耐湿性が高く、コンクリート型枠パネルなどの耐水性が要求される用途にも十分に用いることが可能な性能を有しており、種々の用途に広く用いることが可能である。
【0036】
また、実施形態の古紙ボードの製造方法においては、ボード原料の両面側に熱硬化性樹脂含浸シートを配設された複合予備成形ボードを加熱・圧締するようにしているので、加熱・圧締装置(例えばホットプレス装置の熱板)とボードとの離型性(剥離性)が長期間安定して良好に保たれ、十分に安定した操業を長期間継続して行うことができる。
【0037】
なお、上記実施形態では、ボード原料の両面側に熱硬化性樹脂含浸シートを配設して複合予備成形ボードを形成した後、所定の条件で、加熱・圧締してボード状に成形するようにしているが、樹脂含浸シート配設工程Eと、ボード成形工程Fとの間に、ボード原料の両面側に熱硬化性樹脂含浸シートが配設された複合予備成形ボードを、予備的に加熱・圧締して、以後のボード成形工程までの搬送などの工程において、変形や破損が生じない程度にまで、予備的に硬化させる予備硬化工程を設けるようにすることも可能である。
【0038】
樹脂含浸シート配設工程と、ボード成形工程との間に、予備硬化工程を設けることにより、以後のボード成形工程までの搬送過程などにおいて、変形や破損が生じにくく、取扱性に優れた複合予備成形ボードを得ることが可能になり、製造設備の簡略化や、生産性の向上を図ることが可能になる。すなわち、予備硬化させていない場合には、通常、複合予備成形ボードを搬送用のプレート上に載置して搬送することが必要になるが、予備硬化させた場合には、以後のボード成形工程まで、搬送用のプレートを用いることなく、予備硬化させたボードのみで搬送することが可能になり、搬送設備を大幅に簡略化して、製造設備全体の合理化を図ることが可能になり、生産性を向上させることが可能になる。
【0039】
なお、上記実施形態では、ボード原料として、主原料である古紙を乾式解繊した解繊ファイバーにバインダーを添加したものを用いているが、本願発明の方法により製造され、使用された古紙ボード(使用済ボード)及び/又はボード切断廃材、切断屑、仕損じボードなどの製品とならなかった材料(ボード廃材)を、粗粉砕した後、乾式解繊した解繊ファイバー(リサイクル解繊ファイバー)を、ボード原料の一部として使用することも可能である。
【0040】
なお、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、ボード原料へのバインダーの添加割合、バインダーの種類、加熱・圧締の条件、熱硬化性樹脂含浸シートの種類などに関し、発明の要旨の範囲内において種々の応用、変形を加えることが可能である。
【0041】
【発明の効果】
上述のように、本願発明(請求項1)の古紙ボードの製造方法は、熱硬化性樹脂が添加された解繊ファイバーを主成分とするボード原料をマット状に成形し、その両面側に熱硬化性樹脂含浸シートを配設した複合予備成形ボードを、予備的に加熱・圧締して、以後のボード成形工程までの過程において、変形および/または破損が生じないように、予備的に硬化させた後、所定の条件で加熱・圧締してボード状に成形するようにしているので、ボード成形工程においては、複合予備成形ボードの表面の熱硬化性樹脂含浸シートが、加熱・圧締装置(例えばホットプレス装置の熱板)と接触することになり、この熱硬化性樹脂含浸シートが熱板との離型性(剥離性)に優れていることから、ボード成形工程において熱板がボードに付着するという問題が大幅に軽減され、生産効率を向上させることが可能になるとともに、ボード全体としての機械的強度などの基本的な特性を、主として解繊ファイバーに熱硬化性樹脂を添加したボード原料からなる層(ボード本体層)により確保することが可能になる。したがって、本願発明の古紙ボードの製造方法によれば、所望の特性を備えた古紙ボードを効率よく製造することができる。
また、上記熱硬化性樹脂表面層により、ボード表面の耐水性、耐湿性が向上するため、コンクリート型枠パネルなどの耐水性が要求される用途にも十分に用いることが可能な古紙ボードを得ることができる。
【0042】
また、上述のように、樹脂含浸シート配設工程と、ボード成形工程との間に、予備硬化工程を設けて、複合予備成形ボードを予備硬化させることにより、以後のボード成形工程までの搬送過程などにおいて、変形や破損が生じにくく、取扱性に優れた複合予備成形ボードを得ることが可能になり、製造設備の簡略化や、生産性の向上を図ることが可能になる。
すなわち、予備硬化させていない場合には、通常、複合予備成形ボードを搬送用のプレート上に載置して搬送することが必要になるが、予備硬化させた場合には、以後のボード成形工程まで、搬送用のプレートを用いることなく、予備硬化させたボードのみで搬送することが可能になり、搬送設備を大幅に簡略化して、製造設備全体の合理化を図ることが可能になり、生産性を向上させることが可能になる。
【0043】
また、原料成形工程においてボード原料をマット状に成形する方法については、特に制約はないが、請求項2のように、ボード原料を予備圧締することにより、容易かつ確実に成形を行うことが可能になるとともに、その両面側に、熱硬化性樹脂含浸シートを配設することにより、その後のボード成形工程における加熱・圧締処理を円滑に行うことが可能な複合予備成形ボードを得ることが可能になり、本願発明を実効あらしめることができる。
【0044】
また、請求項3の古紙ボードの製造方法のように、ポリイソシアネート系化合物を、乾燥基準で5〜15重量%の割合で添加するようにした場合、比較的低い薬剤コストで、強度の大きい古紙ボードを得ることが可能になり、有意義である。
また、ポリイソシアネート系化合物の硬化反応には水が関与するため、水分を含有するボード原料のバインダーとして用いるのに適している。さらに、ポリイソシアネートを用いることにより、加熱・圧締工程に供されるボード原料の含水率がある程度変動した場合にも、安定した品質の古紙ボードを得ることが可能になり、製造工程の自由度を向上させることが可能になる。
【0045】
また、請求項4の古紙ボードの製造方法のように、熱硬化性樹脂含浸シートを構成する熱硬化性樹脂として、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、及びウレタン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いるようにした場合、加熱・圧締装置(例えばホットプレス装置の熱板)との離型性(剥離性)を良好に保つことが可能になるとともに、成形後のボードの耐水性、耐湿性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の一実施形態にかかる古紙ボードの製造方法を示すフローシートである。
【図2】 本願発明の一実施形態にかかる古紙ボードの製造方法の一工程を示す図である。
【図3】 本願発明の実施形態にかかる古紙ボードの製造方法により製造した古紙ボードの断面図である。
【符号の説明】
1 ボード原料からなる層(ボード本体層)
2 シート状材料
3 熱硬化性樹脂
4 熱硬化性樹脂含浸シート
5 表面層(熱硬化性樹脂表面層)
6 古紙ボード
A 古紙粉砕工程
B 古紙乾式解繊工程
C バインダー添加工程
D 原料成形工程(フォーミング・プリプレス工程)
E 樹脂含浸シート配設工程
F ボード成形工程
G 製品仕上げ工程
Claims (4)
- 古紙を乾式解繊した解繊ファイバーを主原料とする古紙ボードの製造方法であって、
熱硬化性樹脂が添加された解繊ファイバーを主成分とするボード原料をマット状に成形する原料成形工程と、
マット状に成形されたボード原料の両面側に、シート状材料に熱硬化性樹脂を含浸させた熱硬化性樹脂含浸シートを配設する樹脂含浸シート配設工程と、
前記ボード原料の両面側に前記熱硬化性樹脂含浸シートが配設された複合予備成形ボードを、予備的に加熱・圧締して、以後のボード成形工程までの過程において、変形および/または破損が生じないように、予備的に硬化させる予備硬化工程と、
前記予備硬化工程で予備的に硬化させた前記複合予備成形ボードを加熱・圧締してボード状に成形するボード成形工程と
を具備することを特徴とする古紙ボードの製造方法。 - 前記原料成形工程において、前記ボード原料を予備圧締してマット状に成形することを特徴とする請求項1記載の古紙ボードの製造方法。
- 前記解繊ファイバーに、熱硬化性樹脂として、ポリイソシアネート系化合物を、乾燥基準で5〜15重量%の割合で添加することを特徴とする請求項1又は2記載の古紙ボードの製造方法。
- 前記熱硬化性樹脂含浸シートを構成する熱硬化性樹脂が、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、及びウレタン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の古紙ボードの製造方法。
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