JP4410372B2 - 古紙ボードの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は古紙ボードの製造方法に関し、詳しくは、新聞紙、雑誌、段ボールなどの古紙を解繊した解繊ファイバーにバインダーを配合したボード原料を、熱板により加熱・圧締してボード状に成形する工程(ホットプレス工程)を含む古紙ボードの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
工場やオフィス、あるいは一般家庭などから排出される多量の古紙は、環境保護、資源の有効活用などの見地から、近年、種々の用途に再利用されるようになっている。そして、その再利用方法の一つとして、古紙から建材用などに用いられる古紙ボードを製造する方法が知られている。
【0003】
そして、古紙ボードの製造方法の一つに、例えば、古紙を乾式解繊した解繊ファイバーにバインダーを添加したボード原料を、熱板を押圧して、ボード原料を加熱・圧締する、いわゆるホットプレス法によりボード状に成形するようにした古紙ボードの製造方法がある。
【0004】
ところで、上記ホットプレス法により成形を行った古紙ボードは、ホットプレス工程に供給されるボード原料を予備的に成形した予備成形体の含水率や密度などのばらつきにより、一定の条件でホットプレスを行った場合にも、ボード厚みにばらつきが生じるという問題点がある。
【0005】
また、このようなボード厚みのばらつきを防止する方法として、中質繊維ボード(MDF)や、パーティクルボードのような木質ボードなどを製造する場合に用いられているような、表面研磨によりボード厚みを調整する方法が考えられるが、古紙ボードの場合、通常、表面近傍が高密度に圧締されており、厚み方向中央部(内部)よりも機械的強度が大きいため、表面研磨を行うと、強度の大きい部分を除去してしまうことになり、古紙ボードの強度を低下させてしまうという問題点がある。また、この表面研磨の方法の場合、粉塵が発生して、作業環境を悪化させるという問題点がある。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するものであり、表面研磨を行うことを必要とせず、所望のボード厚みを有する古紙ボードを効率よく製造することが可能な古紙ボードの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明(請求項1)の古紙ボードの製造方法は、
古紙を解繊した解繊ファイバーにバインダーを配合したボード原料を、熱板により加熱・圧締してボード状に成形する工程(ホットプレス工程)を含む古紙ボードの製造方法であって、
前記ホットプレス工程が、
ボード原料をボード状に成形する一次ホットプレス工程と、
前記一次ホットプレス工程の後に、前記一次ホットプレス工程で成形された一次成形ボードを、所定の厚みになるように加熱・圧締する二次ホットプレス工程と
を備えており、かつ、
前記一次ホットプレス工程を、
(a)圧締圧力:15〜20kgf/cm 2
(b)加熱温度:160〜200℃
(c)加熱・圧締時間:2分〜15分
の条件で実施し、
前記二次ホットプレス工程を、
見かけ密度が0.60〜0.90g/cm 3 の範囲にある前記一次成形ボードに対して、
(a)圧締圧力:10kgf/cm2以上
(b)加熱温度:120〜220℃
(c)加熱・圧締時間:1分以上
(d)加熱・圧締前の一次成形ボードの含水率:3〜11重量%
の条件で実施すること
を特徴としている。
【0008】
ホットプレス工程を、ボード原料をボード状に成形する一次ホットプレス工程と、一次ホットプレス工程で成形された一次成形ボードを、所定の厚みになるように加熱・圧締する二次ホットプレス工程の二つの工程に分け、一次ホットプレス工程を、(a)圧締圧力:15〜20kgf/cm 2 、(b)加熱温度:160〜200℃、(c)加熱・圧締時間:2分〜15分、の条件で実施し、二次ホットプレス工程を、見かけ密度が0.60〜0.90g/cm 3 の範囲にある前記一次成形ボードに対して、(a)圧締圧力:10kgf/cm2以上、(b)加熱温度:120〜220℃、(c)加熱・圧締時間:1分以上、(d)加熱・圧締前の一次成形ボードの含水率:3〜11重量%の条件で実施することにより、従来のような表面研磨の工程を必要とすることなく、ホットプレス工程だけで、ボード厚みのばらつきを抑えて、所望のボード厚みを有する古紙ボードを効率よく製造することが可能になる。
【0009】
すなわち、一次ホットプレス工程では、水分の蒸発及びバインダー(接着剤)の反応硬化収縮などにより、スペーサの厚みよりもボード厚みが薄くなり、位置的なばらつきも避けられないのに対して、二次ホットプレス工程では、一次ホットプレス工程で未反応のバインダー(接着剤)が再加熱により反応硬化するが、反応量は一次ホットプレス工程の場合の反応量に比べてわずかであり、水分の蒸発も一次ホットプレス工程に比べて少ないため、効率よくボード厚みの調整を行うことが可能になる。
【0010】
なお、一次ホットプレス工程を、圧締圧力:15〜20kgf/cm 2 、加熱温度:160〜200℃、加熱・圧締時間:2分〜15分の条件で実施するようにしているので、その後に、上記条件で二次ホットプレス工程を実施することにより、ボード厚みを効率よく調整することが可能になる。
【0011】
一次ホットプレス工程において、加熱・圧締する際の圧締圧力を15〜20kgf/cm 2 、加熱温度を160〜200℃としたのは、この範囲で一次ホットプレス工程を実施することにより、二次ホットプレス工程におけるボード厚みの調整が可能な一次成形ボードを確実に形成することが可能になるからである。
【0012】
また、加熱・圧締時間を2〜15分としたのは、加熱・圧締時間が2分以内では、十分な成形ができず、また、15分以上の加熱・圧締はエネルギーのロスとなることによる。
【0013】
また、二次ホットプレス工程を、見かけ密度が0.60〜0.90g/cm 3 の範囲にある一次成形ボードに対して実施することにより、通常、必要となる厚み調整量を確保することが可能になる。
【0014】
なお、二次ホットプレス工程での圧締圧力を10kgf/cm2以上としたのは、圧締圧力が10kgf/cm2未満になると十分な成形が困難になるからであり(一次成形ボードとの見かけ密度との関係もある)、加熱温度:120〜220℃としたのは、加熱温度が120℃以下ではボード厚みを短時間で効率よく調整することが困難であり、220℃を超えると、バインダー(接着剤)の分解が始まるからである。
さらに、加熱・圧締時間を1分以上としたのは、二次ホットプレス工程でのバインダー(接着剤)の反応硬化を十分に行わしめるためである。
また、加熱・圧締前の一次成形ボードの含水率を3〜11重量%としたのは、含水率が3重量%未満になると、バインダー(接着剤)の反応硬化が進まないため、ボード厚みの調整を行うことがほとんどできなくなり、11重量%を超えると、水の蒸発によりボード厚みが薄くなり、ボード厚みの調整精度が低下するからである。
【0015】
また、請求項2の古紙ボードの製造方法は、
前記二次ホットプレス工程を、
(a)圧締圧力:15〜40kgf/cm2
(b)加熱温度:160〜200℃
(c)加熱・圧締時間:1.5分〜5分
(d)加熱・圧締前の一次成形ボードの含水率:5〜9重量%
の条件で実施すること
を特徴としている。
【0016】
二次ホットプレス工程を上述のような条件で実施することにより、さらに確実にボード厚みを調整することが可能になり、本発明を実効あらしめることができるようになる。
【0017】
すなわち、圧締圧力を15〜40kgf/cm2、加熱温度を160〜200℃の範囲とすることにより、さらに確実に、ボード密度の過度の上昇を招いたりすることなく、ボード厚みを効率よく調整することができるようになり、また、加熱・圧締時間を1.5〜5分の範囲とすることにより、生産効率の低下を招いたりすることなく、効率よくボード厚みを調整することが可能になる。
なお、圧締圧力が40kgf/cm2を超えると、熱板が、圧締工程において用いられているスペーサと当接することにより歪みが生じる場合があり、成形される古紙ボードのボード厚みに位置的なばらつきが発生することになるため、望ましくない。
また、加熱・圧締前の一次成形ボードの含水率を5〜9重量%とすることにより、さらに効率よくボード厚みを調整することが可能になる。
【0018】
また、請求項3の古紙ボードの製造方法は、前記バインダーがポリイソシアネート化合物であり、かつ、バインダー(ポリイソシアネート化合物)の配合割合(含有率)が乾燥基準で5〜15重量%であることを特徴としている。
【0019】
ポリイソシアネート化合物をバインダーとして使用することにより、比較的低い薬剤コストで、強度の大きい古紙ボードを得ることが可能になる。
また、ポリイソシアネート化合物の硬化反応には水が関与するため、水分を含有するボード原料のバインダーとして用いるのに適している。さらに、ポリイソシアネートを用いることにより、一次ホットプレス工程に供されるボード原料の含水率がある程度変動した場合にも、安定した品質の古紙ボードを得ることが可能になり、製造工程の自由度を向上させることが可能になる。
【0020】
また、ポリイソシアネート化合物の配合割合(含有率)は、乾燥基準で5〜15重量%の範囲とすることが好ましいが、これは、ポリイソシアネートの配合割合が5重量%未満になると、十分な強度を得ることが困難になり、また、15重量%を超えて配合しても顕著な添加効果が得られなくなるとともに、コストの増大を招くことによる。
なお、ポリイソシアネート化合物の種類については特別の制約はなく、ジフェニルメタンジイソシアネートその他種々のポリイソシアネート化合物を用いることが可能である。
【0021】
また、請求項4の古紙ボードの製造方法は、前記一次ホットプレス工程において成形された一次成形ボードを、含水率が5重量%以上になるまで放置した後、二次ホットプレス工程を実施することを特徴としている。
【0022】
一次ホットプレスを行った後のボード(一次成形ボード)は含水率が低く、そのまま二次ホットプレス工程を実施しても、ボード厚みを調整することはほとんどできないが、含水率が5重量%以上になるまで放置した後、二次ホットプレス工程を実施することにより、ボード密度の過度の増大を招くことなく、効率よくボード厚みを調整することが可能になる。
【0023】
また、請求項5の古紙ボードの製造方法は、前記一次成形ボードの含水率が5〜10重量%になるような条件で一次ホットプレス工程を実施した後、一次成形ボードが常温にまで冷却されてしまう前に、二次ホットプレス工程を実施することを特徴としている。
【0024】
一次成形ボードの含水率が5〜10重量%になるような条件で一次ホットプレス工程を実施することにより、一次成形ボードが常温に戻る前に、二次ホットプレス工程を実施することが可能になり、熱エネルギーのロスを抑えて、コストの低減を図ることが可能になり、本発明をさらに実効あらしめることができるようになる。
【0025】
また、請求項6の古紙ボードの製造方法は、前記一次ホットプレス工程において成形された一次成形ボードを強制冷却し、水分を付与して含水率を5〜10重量%の範囲に調整した後、二次ホットプレス工程を実施すること特徴としている。
【0026】
一次ホットプレス工程において成形された一次成形ボードを強制冷却した後、水分を付与して含水率を5〜10重量%の範囲に調整して二次ホットプレス工程を実施することにより、一次成形ボードを放置して冷却し、所定の含水率になるまで、雰囲気中の水分を吸収させるようにした場合に比べて、一次ホットプレス工程と、二次ホットプレス工程の間隔を短くして、生産効率を向上させることが可能になる。
なお、一次成形ボードに水分を付与する方法としては、水をスプレーする方法、水に浸漬する方法、表面に水を塗布する方法などを適用することが可能である。
【0027】
また、請求項7の古紙ボードの製造方法は、前記一次成形ボードの表面にバインダーを塗布し、加熱乾燥を行った後、前記二次ホットプレス工程を実施することを特徴としている。
【0028】
一次成形ボードの表面にバインダーを塗布し、加熱乾燥を行った後、二次ホットプレス工程を実施することにより、二次ホットプレス工程において、ホットプレス装置の熱板が成形ボードに付着してしまうことを防止して、効率よく二次ホットプレス工程を実施することが可能になるとともに、製品の曲げ強度などの機械的強度を向上させることが可能になり、本発明をより実効あらしめることができる。
【0029】
また、請求項8の古紙ボードの製造方法は、前記一次成形ボードの表面に、その後に塗布されるバインダーの5〜20重量%の割合で水を付与した後、バインダーを塗布し、加熱乾燥を行った後、前記二次ホットプレス工程を実施することを特徴としている。
【0030】
一次成形ボードの表面に、その後に塗布されるバインダーの5〜20重量%の割合で水を付与した後、バインダーを塗布し、加熱乾燥を行った後、二次ホットプレス工程を実施することにより、バインダーにポリイソシアネート化合物を用いる場合に、ポリイソシアネート化合物の硬化反応を促進させることが可能になり、本発明をさらに実効あらしめることができる。
【0031】
また、請求項9の古紙ボードの製造方法は、前記バインダーの加熱乾燥を、100〜190℃の熱風を吹きつける熱風加熱乾燥の方法で行うことを特徴としている。
【0032】
バインダーの加熱乾燥を、100〜190℃の熱風を吹きつける熱風加熱乾燥の方法で行うことにより、簡単構成でバインダーを速やかに乾燥させることが可能になり、本発明をさらに実効あらしめることができる。
なお、熱風を吹きつける場合、10〜30m/secの風速で吹きつけることが望ましい。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示してその特徴とするところをさらに詳しく説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる古紙ボードの製造方法を示すフローシートである。
【0034】
この実施形態の古紙ボードの製造方法は、図1に示すように、主要な工程として、古紙原料を粗粉砕する粉砕工程Aと、粗粉砕された古紙原料を乾式解繊する乾式解繊工程Bと、バインダーとしてポリイソシアネート化合物を添加・混合するバインダー添加工程Cと、ポリイソシアネート化合物が添加された古紙原料(ボード原料)を所定の形状、厚さに積層する(広げる)積層工程Dと、積層されたボード原料を予備的に成形する予備プレス工程Eと、予備プレスされたボード原料を所定の温度に加熱しながら加圧して成形を行う成形工程(ホットプレス工程)Fと、成形体(ボード)を最終製品(古紙ボード)にまで仕上げる製品仕上工程Gとを備えている。
【0035】
粉砕工程Aは、新聞紙、雑誌、段ボールなどの古紙原料を、乾式解繊機に供給できる形状になるまで粗粉砕する工程である。
なお、粗粉砕された古紙原料が供給される場合には、粉砕が不要な場合もある。
【0036】
また、乾式解繊工程Bは、粗粉砕された古紙原料を乾式解繊する工程であり、この工程で、古紙原料が十分解繊されファイバー状になる。なお、この乾式解繊工程Bでは、通常、大気空気により解繊対象物である古紙原料中の水分がある程度除去される。
【0037】
また、バインダー添加工程Cは、バインダーとしてポリイソシアネート化合物を添加、混合する工程である。なお、ポリイソシアネート化合物としては、ここでは、ジフェニルメタンジイソシアネートを用い、乾燥基準で8重量%の割合で添加した。
【0038】
さらに、積層工程Dは、ポリイソシアネート化合物が添加された古紙原料(ボード原料)を所定の形状、厚さに積層する(広げる)工程である。
【0039】
また、予備プレス工程Eは、所定の形状、厚さに積層されたボード原料を予備的にプレスする工程である。
【0040】
成形工程(ホットプレス工程)Fは、予備プレスされたボード原料を、所定の厚みのスペーサを介して、上下両面側から熱板を押圧することにより加熱・圧締してボード状に成形する工程であり、この工程で、ポリイソシアネート化合物が硬化してバインダー(接着剤)としての機能を発揮する。
【0041】
また、製品仕上工程Gは、成形体(ボード)を切断、トリミングして、所定の寸法の最終製品(古紙ボード)に仕上げる工程である。
【0042】
そして、この実施形態では、上記ホットプレス工程Fが、予備プレスされたボード原料をボード状(一次成形ボード)に成形する一次ホットプレス工程と、一次ホットプレス工程の後に、一次ホットプレス工程で成形された一次成形ボードを、所定の厚みになるように加熱・圧締する二次ホットプレス工程の2つの工程から構成されている。なお、一次ホットプレス工程及び二次ホットプレス工程では、スペーサを介して上下両面側から熱板を押圧してボード原料を成形するように構成している。
【0043】
一次ホットプレス工程の条件は次の通りである。
(a)圧締圧力:15〜20kgf/cm2
(b)加熱温度:160〜200℃
(c)加熱・圧締時間:2分〜15分
(d)スペーサの厚み:13mm
【0044】
また、二次ホットプレス工程の条件は次の通りである。
(a)圧締圧力:10kgf/cm2以上
(b)加熱温度:120〜220℃
(c)加熱・圧締時間:1分以上
(d)加熱・圧締前の一次成形ボードの含水率:3〜11重量%
(e)スペーサの厚み:11.5mm
【0045】
なお、二次ホットプレス工程の実施条件としては、
(a)圧締圧力:15〜40kgf/cm2
(b)加熱温度:160〜200℃
(c)加熱・圧締時間:1.5分〜5分
(d)加熱・圧締前の一次成形ボードの含水率:5〜9重量%
の条件とすることがさらに好ましい。
【0046】
以下、ホットプレス工程の具体例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
(1)一次ホットプレス工程
まず、一次ホットプレス工程においては、上述の範囲内で実施条件を設定し、厚み13mmのスペーサを介して、上下両面側から熱板を押圧してボード原料を加熱・圧締することにより、以下ようなボード厚み(平均ボード厚み)、含水率、見かけ密度を備えた一次成形ボード(試料1,2,3)を得た。
なお、一次成形ボードが所定の水分を含有している状態(すなわち、絶乾状態になる前の状態)で加熱・圧締を停止するようにしたが、解圧時には、成形されたボード(一次成形ボード)が爆裂しないように、約一分間の時間をかけて徐々に解圧した。
【0047】
<一次ホットプレス工程を実施した後のボードの特性>
試料1
1)平均ボード厚み:12.0mm
2)含水率 :5.0重量%
3)見かけ密度 :0.80g/cm3
試料2
1)平均ボード厚み:12.3mm
2)含水率 :6.3重量%
3)見かけ密度 :0.75g/cm3
試料3
1)平均ボード厚み:12.5mm
2)含水率 :7.0重量%
3)見かけ密度 :0.75g/cm3
【0048】
(2)二次ホットプレス工程
上記一次ホットプレス工程において成形された一次成形ボード(試料1,2,3)を、厚み11.5mmのスペーサを介して、以下の条件で、上下両面側から熱板を押圧することにより二次ホットプレス工程を実施し、得られた古紙ボードのボード厚み(平均ボード厚み)、含水率、見かけ密度を測定した。
【0049】
<二次ホットプレス工程の実施条件>
(a)圧締圧力:20kgf/cm2
(b)加熱温度:180℃
(c)加熱・圧締時間:4分
【0050】
<二次ホットプレス工程を実施した後のボードの特性>
試料1
1)平均ボード厚み:11.6mm、
2)含水率 :4.0重量%
3)見かけ密度 :0.85g/cm3
試料2
1)平均ボード厚み:11.5mm、
2)含水率 :4.5重量%
3)見かけ密度 :0.80g/cm3
試料3
1)平均ボード厚み:11.5mm、
2)含水率 :4.5重量%
3)見かけ密度 :0.75g/cm3
【0051】
上述のように、一次ホットプレスの段階では、ボード厚みに差異のある試料1,2,3のそれぞれが、二次ホットプレス工程を実施した後においては、ほぼ同等のボード厚みを有するに至っていることがわかる。
【0052】
このことから、一次ホットプレス工程で成形された一次成形ボードのボード厚みにある程度のばらつきがある場合にも、所定の条件で二次ホットプレス工程を実施することにより、ボード厚みを調整して、ボード厚みが一定の範囲内にある古紙ボードを確実に製造することが可能になることがわかる。
このように、二次ホットプレス工程により、ボード厚みの調整を行うことが可能になる結果、一次ホットプレス工程の条件設定の自由度が向上し、古紙ボードの製造システム全体としての効率化を図ることが可能になる。
【0053】
なお、二次ホットプレス工程を施した古紙ボードにおいても、養生や保管の工程で含水率が変化すると、ボード厚みや見かけ密度などが変動することになるが、養生や保管の条件を考慮して、二次ホットプレス工程の条件を設定することにより、かかる問題の発生を回避することができる。
【0054】
なお、上記実施形態では、一次ホットプレス工程の実施条件を調整することにより、所定の含水率の一次成形ボートが得られるようにしたが、一次ホットプレス工程で成形された一次成形ボードを、所定の含水率となるまで放置した後、二次ホットプレス工程を実施することも可能であり、また、成形直後の一次成形ボードを強制冷却した後、一次成形ボードに水分を付与して含水率を所定の範囲に調整した後、二次ホットプレス工程を実施するように構成することも可能である。
【0055】
また、上記実施形態では、古紙を乾式解繊した解繊ファイバーにバインダーを配合したボード原料から古紙ボードを製造する場合を例にとって説明したが、場合によっては、乾式解繊以外の方法でファイバー状にした原料を用いて古紙ボードを製造する場合にも本発明を適用することが可能である。
【0056】
また、本発明の古紙ボードの製造方法においては、一次成形ボードの表面にバインダーを塗布し、加熱乾燥を行った後、二次ホットプレス工程を実施したり、あるいは、一次成形ボードの表面に、その後に塗布されるバインダーの5〜20重量%の割合で水を付与した後、バインダーを塗布し、加熱乾燥を行った後、二次ホットプレス工程を実施したりするように構成することも可能である。
このように、一次成形ボードの表面にバインダーを塗布し、加熱乾燥を行った後、二次ホットプレス工程を実施することにより、二次ホットプレス工程において、熱板が成形ボードに付着してしまうことを防止することが可能になるとともに、製品の曲げ強度などの機械的強度を向上させることが可能になる。
なお、バインダーの加熱乾燥を、100〜190℃の熱風を吹きつける熱風加熱乾燥の方法で行うことにより、簡単構成でバインダーを速やかに乾燥させることが可能になり、本発明をさらに実効あらしめることができる。また、熱風を吹きつける場合、10〜30m/secの風速で吹きつけることが望ましい。
【0057】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、一次ホットプレス工程及び二次ホットプレス工程の具体的な実施条件などに関し、発明の要旨の範囲内において種々の応用、変形を加えることが可能である。
【0058】
【発明の効果】
上述のように、本発明(請求項1)の古紙ボードの製造方法は、ホットプレス工程を、ボード原料をボード状に成形する一次ホットプレス工程と、一次ホットプレス工程で成形された一次成形ボードを、所定の厚みになるように加熱・圧締する二次ホットプレス工程の二つの工程に分け、一次ホットプレス工程を、(a)圧締圧力:15〜20kgf/cm 2 、(b)加熱温度:160〜200℃、(c)加熱・圧締時間:2分〜15分の条件で実施し、二次ホットプレス工程を、見かけ密度が0.60〜0.90g/cm 3 の範囲にある前記一次成形ボードに対して、(a)圧締圧力:10kgf/cm2以上、(b)加熱温度:120〜220℃、(c)加熱・圧締時間:1分以上、(d)加熱・圧締前の一次成形ボードの含水率:3〜11重量%の条件で実施するようにしているので、従来のような表面研磨の工程を必要とすることなく、ホットプレス工程だけで、ボード厚みのばらつきを抑えて、所望のボード厚みを有する古紙ボードを効率よく製造することが可能になる。
【0059】
また、請求項2の古紙ボードの製造方法のように、前記二次ホットプレス工程を、(a)圧締圧力:15〜40kgf/cm2、(b)加熱温度:160〜200℃、(c)加熱・圧締時間:1.5分〜5分、(d)加熱・圧締前の一次成形ボードの含水率:5〜9重量%の条件で実施するようにした場合、さらに確実にボード厚みを調整することが可能になり、本発明を実効あらしめることができるようになる。
【0060】
また、請求項3の古紙ボードの製造方法のように、ポリイソシアネート化合物をバインダーとして使用することにより、比較的低い薬剤コストで、強度の大きい古紙ボードを得ることが可能になる。
また、ポリイソシアネート化合物の硬化反応には水が関与するため、水分を含有するボード原料のバインダーとして用いるのに適している。さらに、ポリイソシアネートを用いることにより、一次ホットプレス工程に供されるボード原料の含水率がある程度変動した場合にも、安定した品質の古紙ボードを得ることが可能になり、製造工程の自由度を向上させることが可能になる。
【0061】
また、一次ホットプレスを行った後のボード(一次成形ボード)は含水率が低く、そのまま二次ホットプレス工程を実施しても、ボード厚みの調整はほとんどできないが、請求項4の古紙ボードの製造方法のように、含水率が5重量%以上になるまで放置した後、二次ホットプレス工程を実施するようにした場合、ボード密度の過度の増大を招くことなく、効率よくボード厚みを調整することができるようになる。
【0062】
また、請求項5の古紙ボードの製造方法のように、一次成形ボードの含水率が5〜10重量%になるような条件で一次ホットプレス工程を実施するようにした場合、一次成形ボードが常温に戻る前に、二次ホットプレス工程を実施することが可能になり、熱エネルギーのロスを抑えてコストの低減を図ることが可能になり、本発明をさらに実効あらしめることができるようになる。
【0063】
また、請求項6の古紙ボードの製造方法のように、一次ホットプレス工程において成形された一次成形ボードを強制冷却した後、水分を付与して含水率を5〜10重量%の範囲に調整して二次ホットプレス工程を実施することにより、一次成形ボードを放置して冷却し、所定の含水率になるまで、雰囲気中の水分を吸収させるようにした場合に比べて、一次ホットプレス工程と、二次ホットプレス工程の間隔を短くして、生産効率を向上させることが可能になり有意義である。
【0064】
また、請求項7の古紙ボードの製造方法のように、一次成形ボードの表面にバインダーを塗布し、加熱乾燥を行った後、二次ホットプレス工程を実施するようにした場合、二次ホットプレス工程において、ホットプレス装置の熱板が成形ボードに付着してしまうことを防止して、効率よく二次ホットプレス工程を実施することが可能になるとともに、製品の曲げ強度などの機械的強度を向上させることが可能になる。
【0065】
また、請求項8の古紙ボードの製造方法のように、一次成形ボードの表面に、その後に塗布されるバインダーの5〜20重量%の割合で水を付与した後、バインダーを塗布し、加熱乾燥を行った後、二次ホットプレス工程を実施することにより、バインダーにポリイソシアネート化合物を用いる場合に、ポリイソシアネート化合物の硬化反応を促進させることが可能になり、本発明をさらに実効あらしめることができる。
【0066】
また、請求項9の古紙ボードの製造方法のように、バインダーの加熱乾燥を、100〜190℃の熱風を吹きつける熱風加熱乾燥の方法で行うようにした場合、簡単構成でバインダーを速やかに乾燥させることが可能になり、本発明をさらに実効あらしめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態にかかる古紙ボードの製造方法を示すフローシートである。
【符号の説明】
A 粉砕工程
B 乾式解繊工程
C バインダー添加工程
D 積層工程
E 予備プレス工程
F 成形工程(ホットプレス工程)
G 製品仕上工程
Claims (9)
- 古紙を解繊した解繊ファイバーにバインダーを配合したボード原料を、熱板により加熱・圧締してボード状に成形する工程(ホットプレス工程)を含む古紙ボードの製造方法であって、
前記ホットプレス工程が、
ボード原料をボード状に成形する一次ホットプレス工程と、
前記一次ホットプレス工程の後に、前記一次ホットプレス工程で成形された一次成形ボードを、所定の厚みになるように加熱・圧締する二次ホットプレス工程と
を備えており、かつ、
前記一次ホットプレス工程を、
(a)圧締圧力:15〜20kgf/cm 2
(b)加熱温度:160〜200℃
(c)加熱・圧締時間:2分〜15分
の条件で実施し、
前記二次ホットプレス工程を、
見かけ密度が0.60〜0.90g/cm 3 の範囲にある前記一次成形ボードに対して、
(a)圧締圧力:10kgf/cm2以上
(b)加熱温度:120〜220℃
(c)加熱・圧締時間:1分以上
(d)加熱・圧締前の一次成形ボードの含水率:3〜11重量%
の条件で実施すること
を特徴とする古紙ボードの製造方法。 - 前記二次ホットプレス工程を、
(a)圧締圧力:15〜40kgf/cm2
(b)加熱温度:160〜200℃
(c)加熱・圧締時間:1.5分〜5分
(d)加熱・圧締前の一次成形ボードの含水率:5〜9重量%
の条件で実施すること
を特徴とする請求項1記載の古紙ボードの製造方法。 - 前記バインダーがポリイソシアネート化合物であり、かつ、バインダー(ポリイソシアネート化合物)の配合割合(含有率)が乾燥基準で5〜15重量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の古紙ボードの製造方法。
- 前記一次ホットプレス工程において成形された一次成形ボードを、含水率が5重量%以上になるまで放置した後、二次ホットプレス工程を実施することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の古紙ボードの製造方法。
- 前記一次成形ボードの含水率が5〜10重量%になるような条件で一次ホットプレス工程を実施した後、一次成形ボードが常温にまで冷却されてしまう前に、二次ホットプレス工程を実施することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の古紙ボードの製造方法。
- 前記一次ホットプレス工程において成形された一次成形ボードを強制冷却し、水分を付与して含水率を5〜10重量%の範囲に調整した後、二次ホットプレス工程を実施すること特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の古紙ボードの製造方法。
- 前記一次成形ボードの表面にバインダーを塗布し、加熱乾燥を行った後、前記二次ホットプレス工程を実施することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の古紙ボードの製造方法。
- 前記一次成形ボードの表面に、その後に塗布されるバインダーの5〜20重量%の割合で水を付与した後、バインダーを塗布し、加熱乾燥を行った後、前記二次ホットプレス工程を実施することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の古紙ボードの製造方法。
- 前記バインダーの加熱乾燥を、100〜190℃の熱風を吹きつける熱風加熱乾燥の方法で行うことを特徴とする請求項7又は8記載の古紙ボードの製造方法。
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