JP4342098B2 - スパークプラグ製造用雌ねじ治具、スパークプラグ製造用複製雌ねじ治具及びスパークプラグの製造方法 - Google Patents

スパークプラグ製造用雌ねじ治具、スパークプラグ製造用複製雌ねじ治具及びスパークプラグの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、スパークプラグ製造用雌ねじ治具及びスパークプラグ製造用複製雌ねじ治具、さらにはこれらを用いたスパークプラグの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
スパークプラグの主体金具は、一般にシリンダヘッドのシール面に対して直接又はガスケット等を介して間接的に接するプラグ座面を備えるガスシール部と、このガスシール部のプラグ座面より先端側に形成される先端部を有している。そして、このような主体金具の先端部外周には、主体金具をシリンダヘッドのプラグホールに形成された取付雌ねじにねじ込むための取付雄ねじが、転造等のねじ加工により形成されている。
【0003】
ところで、最近の自動車用エンジン等においては、排気ガス規制が強化されるに伴い、混合気の空燃比をリーン領域(燃料が薄い状態)に設定するものが多く使用されるようになってきている(いわゆるリーンバーンエンジン)。このうち、図11に示すエンジンでは、スパークプラグ200の主体金具201に形成されたガスシール部201cのプラグ座面Sと、シリンダヘッドSHのシール面RとでガスケットGを挟み込みながら、主体金具201のプラグ座面Sより先端側に形成された先端部201aの外周に形成された取付雄ねじ201bが、シリンダヘッドSHのプラグホールPHに形成された取付雌ねじ250にねじ込まれている。これにより、スパークプラグ200は、燃焼室K内の燃焼ガスに対するガスシール性を保持しつつ、シリンダヘッドSHに固定される。ここで、主体金具201の先端部210a先端面には、中心電極203と火花放電ギャップgを隔てて対向する接地電極204が接合されているのが通常である。しかし、この接地電極204の燃焼室K内における配置位置によっては、燃焼室K内での圧縮行程において発生するスワール流(混合気流)に対して火花放電ギャップgが接地電極204の陰になったり、接地電極204が火炎成長を妨げるような方向に存在したりして、点火ミス等を生じることがある。そして、リーンバーンエンジンのように空燃比がリーン領域である場合には、この接地電極204の燃焼室K内における配置位置による混合気の燃焼阻害が発生しやすく、エンジン性能に影響を与えるおそれがある。
【0004】
図11(b)のように、燃焼室K内において混合気流に対する接地電極204の角度位置θ(すなわち接地電極204と混合気流のなす角θ)を設定したとき、角度位置θとエンジンの燃料消費率との間には一般的に図12に示すような関係が認められる。混合気流に直交する平面による接地電極204の切断面の面積が最小となる位置(θ=90゜,270゜)で燃料消費率が小さくなり、一方、混合気流に対して火花放電ギャップgが接地電極204の陰になる位置(θ=0゜,360゜)では、燃料消費率が最大となる。また、θ=180゜でも燃料消費率が大きくなるのは、接地電極204が火炎成長を妨げるような方向に位置するからと考えられる。このように、混合気流に対する接地電極204の角度位置θは、エンジン性能に影響を与えることが想定される。
【0005】
そのため、このようなエンジンにおいては、接地電極204が点火に最適な位置(以下、このような位置を配置選定位置という)となるように要望され、燃焼室K内における接地電極204の配置選定位置、具体的にはプラグホールPHの軸線O(図11参照)を中心とした周方向における接地電極204の接合位置204aが指定されることがある。このことは、主体金具201の取付雄ねじ201bのねじ切り開始(又は終了)位置(以下の記載において、ねじ切り開始位置というときはねじ切り終了位置を含むものとする)と、主体金具201に対する接地電極204の接合位置204aとの相対位置関係が指定されることを意味している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般にシリンダヘッドに形成されるプラグホールの取付雌ねじのねじ切り開始位置はエンジンの型式によって(場合によっては同じ型式でも複数シリンダのプラグホール毎にあるいはエンジン個体によって)まちまちである。したがって、主体金具の先端部において、取付雄ねじのねじ切り開始位置と接地電極の接合位置とを一定の位置関係を有するように定めたとしても、この主体金具(スパークプラグ)をプラグホールの取付雌ねじに規定トルクにてねじ込んで固定したとき、主体金具における接地電極の接合位置が上記配置選定位置に常に位置しているとは限らない。例えば、図13において、主体金具W’に対する接地電極X’の接合位置と取付雄ねじW0’のねじ切り開始位置とを周方向にてA位置で一致させた主体金具(スパークプラグ)W’が準備された場合を想定する。プラグホールwの取付雌ねじw0’のねじ切り開始位置は上記の通り周方向においてまちまちであるから、主体金具W’の取付雄ねじW0’をプラグホールwの取付雌ねじw0’に規定トルクにてねじ込んだ場合、主体金具W’における接地電極X’の接合位置Aは、上記配置選定位置(例えばプラグホールwの軸線Oを中心とした周方向における接地電極X’の配置角度範囲a)と所定の相対位置関係(例えば一致する関係)を常に維持しているとは限らない。
【0007】
そこで本出願人は、特開平11−13613号公報において、シリンダヘッドに形成された取付雌ねじとねじ切り開始位置が一致し、かつ主体金具の取付雄ねじと螺合する雌ねじを螺刻した治具(ねじリング)に、接地電極の接合位置(溶接位置)を示す目印を設け、この治具に主体金具を螺合させて上記目印に臨むように接地電極を接合することで、主体金具の先端部において、取付雄ねじのねじ切り開始位置と接地電極の接合位置との間に所定の相対位置関係を維持することを提案した。
【0008】
上記公報技術によれば、雌ねじを螺刻した治具を用いることにより、接地電極を上記配置選定位置となるように位置決めして、主体金具の先端部の先端面に接合することができる。しかし、上記公報技術では、治具に螺刻する雌ねじとプラグホールに形成する取付雌ねじとの螺刻状態を同一にしなければならず、加工コストが高価になる問題がある。すなわち、ねじ切りバイト等の加工工具をプラグホール及び治具の加工開始位置にそれぞれ正確に位置決めしなければならない。ところが、ねじ切り開始位置が軸線方向に僅かにずれても周方向においてはかなり大きな差となって表れる。例えば、JIS B8031―1995においてスパークプラグのねじの呼びがM14Sの場合、ピッチは1.25mmであるから、ねじ切り開始位置が軸線方向に約0.3mmずれただけで、周方向においては約90゜の回転角となって表れる。したがって、ねじ切り開始時の加工工具と治具又はプラグホールとの間での滑り等の発生を考慮すると、治具に螺刻する雌ねじのねじ切り開始位置をプラグホールの取付雌ねじのねじ切り開始位置と合致させることは、かなりの加工精度を要することになる。
【0009】
そこで本発明の課題は、ねじ加工精度を要することなく一対の雄ねじ治具と雌ねじ治具とを作成でき、スパークプラグの主体金具に形成される取付雄ねじをプラグホールの取付雌ねじに規定トルクにてねじ込んで固定するとき、これら各ねじ治具を用いることによって、プラグホールの軸線を中心とした周方向において最適な点火性能を発揮できる位置(すなわち配置選定位置)に、スパークプラグの主体金具における接地電極の接合位置又は接合予定位置を容易に位置決めすることのできるスパークプラグ製造用雌ねじ治具、スパークプラグ製造用複製雌ねじ治具及びスパークプラグの製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
スパークプラグの製造方法に係る本発明の第一の構成は、
先端側にプラグ座面を備えるガスシール部と、このガスシール部のプラグ座面より先端側に配置され、かつシリンダヘッドのプラグホールに形成された取付雌ねじと螺合するための取付雄ねじが外周に形成された先端部とを有するスパークプラグの筒状の主体金具を形成し、
さらに、互いに螺合しあい、かつ一定の回転角度位置関係を有する周方向原点が各々表示された一対の雄ねじ治具と雌ねじ治具とを利用したスパークプラグの製造方法であって、上記の課題を解決するために、以下のように構成したことを特徴とする。
【0011】
すなわち、前記雄ねじ治具を前記プラグホールに螺合して、該雄ねじ治具の前記周方向原点に基づき、前記取付雌ねじのねじ切り位相角度範囲を特定する一方、
前記雌ねじ治具を前記主体金具の前記先端部に螺合して、該雌ねじ治具の前記周方向原点に基づき、前記先端部の先端面に接合される接地電極となるべき接地電極材の接合位置又は接合予定位置を、前記ねじ切り位相角度範囲に対応して定めることにより、
前記主体金具を前記プラグホールに規定トルクにて螺合したときに、該主体金具における接地電極接合位置が、該プラグホールの軸線を中心とした周方向の所定位置に配置されるようにしたことを特徴とする。
【0012】
このように、雄ねじ治具と雌ねじ治具とには、螺合が完了した状態にて一定の回転角度位置関係を有する周方向原点が各々表示されているので、雄ねじ治具のねじ切り開始位置、雌ねじ治具のねじ切り開始位置及び両周方向原点の4者の相互間にはそれぞれ一定の回転角度位置関係が存在することになる。そして、雄ねじ治具を取付雌ねじが形成されたプラグホールに螺合すると、プラグホールの軸線を中心とした周方向においてエンジンが最適な点火性能を発揮できる接地電極の位置(すなわち配置選定位置)と、雄ねじ治具の周方向原点との間にねじ切り位相角度範囲が特定される。このとき、雄ねじ治具とプラグホールとが螺合完了状態にあることから、雄ねじ治具の周方向原点は取付雌ねじのねじ切り開始位置と所定の回転角度位置関係を有することになる。その結果、上記ねじ切り位相角度範囲の特定により、プラグホールの取付雌ねじのねじ切り開始位置に対する接地電極の配置選定位置(の角度範囲)が特定されることになる。
【0013】
次に、雌ねじ治具を主体金具の先端部に螺合すると、雌ねじ治具の周方向原点を基準として、上記雄ねじ治具を用いて既に特定されているねじ切り位相角度範囲に対応した位置に、主体金具の先端部の先端面に接合される接地電極材の接合位置又は接合予定位置が定められる。このとき、雌ねじ治具と主体金具の取付雄ねじとが螺合完了状態にあることから、雌ねじ治具の周方向原点は取付雄ねじのねじ切り開始位置と所定の回転角度位置関係を有することになる。したがって、上記のようにして雌ねじ治具の周方向原点に基づき既に特定されているねじ切り位相角度範囲に対応して接地電極材の接合位置又は接合予定位置が定められることにより、主体金具の先端部外周に形成された取付雄ねじのねじ切り開始位置に対する接地電極材の接合位置又は接合予定位置(の角度範囲)も定められることになる。
【0014】
これにより、スパークプラグ(主体金具)をプラグホールに規定トルクにてねじ込み固定したとき、主体金具における接地電極接合位置を、プラグホールの軸線を中心とした周方向の所定位置すなわち混合気の燃焼阻害が発生しにくい位置に配置することができる。つまり、一定の回転角度位置関係を有する周方向原点を各々表示した互いに螺合しあう雄ねじ治具と雌ねじ治具とを利用することで、最適な点火性能を発揮する位置に接地電極が配置されるスパークプラグを容易に製造することができる。また、各ねじ治具の作成に当たっては、主体金具の取付雄ねじもしくはプラグホールの取付雌ねじの各寸法に対応して形成すればよく、ねじ加工開始位置の調整といった格別の加工精度を要求されることもない。これらによって、製造コストの大幅な上昇を招来することもない。
【0015】
そして、周方向原点が、雄ねじ治具と雌ねじ治具との螺合が完了したとき、これらの周方向において一致するように設定すれば、2つの周方向原点間で角度換算する煩わしさがなく、雄ねじ治具と雌ねじ治具とのねじ切り開始位置を一致させた状態にて周方向原点を表示できることになる。そして、このような周方向原点を、雄ねじ治具と雌ねじ治具との螺合が手締めにて完了した状態を基準に決めてあると、これらねじ治具同士ひいてはねじ治具と取付ねじとの締め付け等にトルクレンチ等の工具を使用せずに済む。したがって、スパークプラグの生産能率向上に寄与するとともに、ガスケットを用いないでプラグホールに螺合されるコニカルシートタイプのスパークプラグの場合にも、本発明は適用できる。
【0016】
既に述べたように、ねじ切り位相角度範囲は、プラグホールの軸線を中心とした周方向においてエンジンが最適な点火性能を発揮できる接地電極(接地電極材)の配置位置と、雄ねじ治具の周方向原点との間の位相角度範囲と言い表すことができる。また、ねじ切り位相角度範囲は、上記した接地電極の(接地電極材)の配置位置と、プラグホールの取付雌ねじのねじ切り開始位置との間の位相角度範囲を間接的に表わしているとも言える。このねじ切り位相角度範囲が所定の角度範囲を有して設定されることにより、スパークプラグの締め付けトルクやガスケットの潰れ代のばらつき等に対する許容幅を設けることができ、この角度範囲は適宜の幅で設定される。ただし、これらのばらつき等が一定量以下に抑えられる場合には、ねじ切り位相角度範囲は特定の位相角度すなわち一点に集約してもよい。
【0017】
さらに、上記のようにして、雄ねじ治具の周方向原点に基づき、プラグホールに形成された取付雌ねじのねじ切り位相角度範囲が特定されることによって、雄ねじ治具には、周方向原点を基準とする1又は複数のねじ切り位相角度範囲を設定表示することができる。ねじ切り位相角度範囲を周方向に1又は複数設定表示した雄ねじ治具を、雌ねじ治具とともに用い、上記の手順を踏むことによって、ねじ切り開始位置の異なるプラグホールに対してもねじ切り位相角度範囲の特定がしやすくなり、最適な点火性能を発揮できる位置に接地電極が配置されることになるスパークプラグを効率よく製造することができる。なお、雄ねじ治具に設定表示するねじ切り位相角度範囲の数や角度範囲は適宜設定(特定)することができる。
【0018】
また、雌ねじ治具の周方向原点に基づき、主体金具における接地電極材の接合位置又は接合予定位置を定めるにあたり、雌ねじ治具には、周方向原点を基準とする1又は複数の接合位相角度範囲をねじ切り位相角度範囲に対応する形で設定表示することができる。そして、雄ねじ治具と、周方向原点を基準とする1又は複数の接合位相角度範囲を設定表示した雌ねじ治具とを用い、雄ねじ治具により特定されたねじ切り位相角度範囲に対応する、雌ねじ治具における接合位相角度範囲を特定して、その特定された接合位相角度範囲となるように主体金具における接合位置又は接合予定位置を定めることができる。これによって、ねじ切り開始位置の異なる主体金具に対しても接地電極材の接合位置又は接合予定位置の決定がしやすくなり、最適な点火性能を発揮できる位置に接地電極が配置されることになるスパークプラグを効率よく製造することができる。なお、接合位相角度範囲の数は適宜設定することができ、さらに、ねじ切り位相角度範囲と同様に適宜幅の角度範囲を設けてもよい。
【0019】
ところで、主体金具の先端部の先端面に対する接地電極材の接合後において、接地電極材の接合位置により主体金具又はスパークプラグを選別するために上記雌ねじ治具を用いてもよい。これにより、例えば主体金具に対する接地電極材の接合予定位置を決定したのと同様に、雌ねじ治具と主体金具又はスパークプラグとを螺合して、主体金具に対する接地電極材の接合位置が、雌ねじ治具に対して、プラグホールに形成された取付雌ねじのねじ切り位相角度範囲に対応する形で設定表示された接地電極材の接合位相角度範囲のいずれにあたるかを選別することができる。なお、選別には、複数の接合位相に分類すること、検査により特定の接合位相に属するか否か判別すること等が含まれる。
【0020】
次に、スパークプラグの製造方法に係る本発明の第二の構成は、上記の課題を解決するために、
第一の構成に係るスパークプラグの製造方法であって、
一対の前記雄ねじ治具と前記雌ねじ治具とは別に、該雌ねじ治具と螺合し、その雌ねじ治具の前記周方向原点を一定の回転角度位置関係を有する形で転写した複製雄ねじ治具を備えるとともに、
前記プラグホールに形成された前記取付雌ねじの前記ねじ切り位相角度範囲を特定する際に、前記雄ねじ治具に代えて、前記複製雄ねじ治具を用いることを特徴とする。
【0021】
本発明の第二の構成では、取付雌ねじのねじ切り位相角度範囲を特定する際に、雄ねじ治具に代えて、周方向原点を有する雌ねじ治具と螺合し、その雌ねじ治具の周方向原点を一定の回転角度位置関係を有する形で転写した複製雄ねじ治具を用いるようにしている。複製雄ねじ治具は、雌ねじ治具から複数個作成し、複数のスパークプラグ製造ラインで同時にスパークプラグを製造するに際して、各製造ラインに備えておけるので、エンジン型式やプラグホールの変更に対してねじ切り位相角度範囲を周方向原点に基づいて直ちに特定し直すことができ、生産能率の低下を抑制することができる。また、雄ねじ治具がプラグホールとの螺合を繰り返すことがなくなるので、雄ねじ治具のねじ形成部分に摩耗やガタを生じるおそれも回避できる。しかも、ねじ加工精度を要することなく複製雄ねじ治具を作成でき、一定の回転角度位置関係を有する周方向原点が各々表示される複製雄ねじ治具と雌ねじ治具とを用いることによって、最適な点火性能を発揮できる位置に接地電極が配置されることになるスパークプラグを容易に製造することができる。
【0022】
さらに、スパークプラグの製造方法に係る本発明の第三の構成は、上記の課題を解決するために、
第一又は第二の構成に係るスパークプラグの製造方法であって、
一対の前記雄ねじ治具と前記雌ねじ治具とは別に、該雄ねじ治具と螺合し、その雄ねじ治具の前記周方向原点を一定の回転角度位置関係を有する形で転写した複製雌ねじ治具を備えるとともに、
前記主体金具における前記接地電極材の前記接合位置又は接合予定位置を定める際に、前記雌ねじ治具に代えて、前記複製雌ねじ治具を用いることを特徴とする。
【0023】
本発明の第三の構成では、接地電極材の接合位置又は接合予定位置を定める際に、雌ねじ治具に代えて、周方向原点を有する雄ねじ治具と螺合し、その雄ねじ治具の周方向原点を一定の回転角度位置関係を有する形で転写した複製雌ねじ治具を用いるようにしている。複製雌ねじ治具は、雄ねじ治具から複数個作成し、複数のスパークプラグ製造ラインで同時にスパークプラグを製造するに際して、各製造ラインに備えておけるので、エンジン型式やプラグホールの変更に対しては勿論、接地電極の配置選定位置の変更に対しても、接合予定位置を、周方向原点に基づき直ちに定め直すことができ、生産能率の低下を抑制することができる。また、雌ねじ治具が主体金具の取付雄ねじとの螺合を繰り返すことがなくなるので、雌ねじ治具のねじ形成部分に摩耗やガタを生じるおそれも回避できる。しかも、ねじ加工精度を要することなく複製雌ねじ治具を作成でき、一定の回転角度位置関係を有する周方向原点が各々表示される雄ねじ治具と複製雌ねじ治具とを用いることによって、最適な点火性能を発揮できる位置に接地電極が配置されることになるスパークプラグを容易に製造することができる。
【0024】
そして、そのようにして雄ねじ治具から複製雌ねじ治具に転写された周方向原点に基づき、主体金具における接地電極材の接合位置又は接合予定位置を定めるにあたり、周方向原点を基準とする1又は複数の接合位相角度範囲がねじ切り位相角度範囲に対応する形で設定表示され複製雌ねじ治具を用いて、接合位相角度範囲に基づいて接地電極材の接合位置又は接合予定位置を定めることができる。この場合、1個の複製雌ねじ治具には、複数特定されるねじ切り位相角度範囲のうちのいずれか1つもしくは複数に対応させて接地電極材の接合位相角度範囲を設定表示してもよい。したがって、このような複製雌ねじ治具を、プラグホールに形成された取付雌ねじのねじ切り位相角度範囲に対応して設定表示された接合位相角度範囲に基づき接地電極材の接合予定位置を位置決めしたり、設定表示された接合位相角度範囲に対応させて接地電極材が接合された主体金具又はスパークプラグを選別分離したりするための専用治具として使用すれば、これらの位置決め・選別等の作業が能率よく行え、作業ミス(接合ミス、選別ミス等)の発生を減少させ歩留まり向上にも効果がある。
【0025】
さて、本発明に係るスパークプラグ製造用雌ねじ治具は、上記の課題を解決するために、
雄ねじ治具と螺合することにより、一定の回転角度位置関係を有する周方向原点が各々表示された一対のねじユニットを構成するとともに、
この周方向原点に基づき、スパークプラグの主体金具に接合され接地電極となるべき接地電極材の接合位置又は接合予定位置が、接合位相角度範囲として1又は複数設定表示され、
前記主体金具に形成された取付雄ねじと螺合したとき、前記接合位相角度範囲に対応させて前記接地電極材を前記主体金具における前記接合位置又は接合予定位置に位置合わせするために用いられることを特徴とする。
【0026】
このように、本発明のスパークプラグ製造用雌ねじ治具は、雄ねじ治具と螺合して一対のねじユニットの一方を構成し、一定の回転角度位置関係を有する周方向原点を表示するだけでスパークプラグ製造用の治具として使用できるので、雌ねじ治具の作成に当たり格別の加工精度を要求されることがない。そして、この雌ねじ治具は、この周方向原点に基づき、スパークプラグの主体金具に接合され接地電極となるべき接地電極材の接合位置又は接合予定位置が、接合位相角度範囲として1又は複数設定表示されるので、主体金具の取付雄ねじと螺合して、接地電極材の接合予定位置を接合位相角度範囲へ位置合わせする作業が容易に行える。さらに、この位置合わせの後、接地電極材を主体金具の先端部の先端面において接合予定位置に接合したり、主体金具の先端部の先端面における接地電極材の接合位相を選別(分類、判別、確認等)したりする操作がスムーズに行え、スパークプラグの生産能率を低下させずに済む。
【0027】
さらに、本発明に係るスパークプラグ製造用複製雌ねじ治具は、上記の課題を解決するために、
互いに螺合しあい、かつ一定の回転角度位置関係を有する周方向原点が各々表示された一対の雄ねじ治具と雌ねじ治具とのうち、該雄ねじ治具と螺合し、その雄ねじ治具の前記周方向原点を一定の回転角度位置関係を有する形で転写表示するとともに、
この転写された周方向原点に基づき、スパークプラグの主体金具に接合され接地電極となるべき接地電極材の接合位置又は接合予定位置が、接合位相角度範囲として1又は複数設定表示され、
前記主体金具に形成された取付雄ねじと螺合したとき、前記接合位相角度範囲に対応させて前記接地電極材を前記主体金具における前記接合位置又は接合予定位置に位置合わせするために用いられることを特徴とする。
【0028】
このように、本発明のスパークプラグ製造用複製雌ねじ治具は、一対の雄ねじ治具と雌ねじ治具とのうち雄ねじ治具と螺合して、この雄ねじ治具の周方向原点を転写表示するだけでスパークプラグ製造用の治具として使用できるので、複製雌ねじ治具の作成に当たり格別の加工精度を要求されることがない。そして、この複製雌ねじ治具は、この転写された周方向原点に基づき、スパークプラグの主体金具に接合され接地電極となるべき接地電極材の接合位置又は接合予定位置が、接合位相角度範囲として1又は複数設定表示されるので、主体金具の取付雄ねじと螺合して、接地電極材の接合予定位置を接合位相角度範囲へ位置合わせする作業が容易に行える。さらに、この位置合わせの後、接地電極材を主体金具の先端部の先端面において接合予定位置に接合したり、主体金具の先端部の先端面における接地電極材の接合位相を選別(分類、判別、確認等)したりする操作がスムーズに行え、スパークプラグの生産能率を低下させずに済む。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に示す実施例を参照して説明する。本実施例で主眼とするところは、主体金具の先端部の先端面において接地電極材を接合するにあたり、プラグホールの軸線を中心とした周方向において、エンジン性能を最大限に発揮できる接地電極の位置(配置選定位置)を選定し、その配置選定位置に対応する主体金具の先端部の先端面に接地電極材を位置合わせすることであり、そのために採るべき具体的手段の一例を図1〜図8に工程順に示している。
【0030】
図1はスパークプラグの製造工程、特に主体金具のガスシール部のプラグ座面より先端側に形成された先端部の先端面に対する接地電極材の位置合わせ工程で用いるマスターねじユニットの一実施例をその周方向原点表示工程とともに示す。マスターねじユニット1(ねじユニット)は、互いに独立して形成された一対のマスター雄ねじ治具3(雄ねじ治具)とマスター雌ねじ治具5(雌ねじ治具)とからなる。このうちマスター雄ねじ治具3の本体部3aの外周には基準雄ねじ3bが形成され、マスター雌ねじ治具5の貫通孔5aの内面に形成された基準雌ねじ5bと螺合する。基準雄ねじ3bと基準雌ねじ5bとは、スパークプラグ200の主体金具201(図11参照)となるべき主体金具101外周に形成される取付雄ねじ101b(図5・図6参照)と同様に、JIS B8031―1995で規定されるスパークプラグ用のねじ(例えば、ねじの呼びM14S、ピッチ1.25mm)で構成されている。なお、マスター雄ねじ治具3のつまみ部3c外周面とマスター雌ねじ治具5の外周面とには、それぞれ回転時の滑り止め用のローレット3d,5cが設けてある。
【0031】
そして、図1(a)のように組み付けられたマスター雄ねじ治具3の本体部3aの先端面(図中下方)とマスター雌ねじ治具5の先端面(図中下方)とに、一定の回転角度位置関係を有する周方向原点O1,O2を各々けがき表示する。この実施例では、マスター雄ねじ治具3の周方向原点O1とマスター雌ねじ治具5の周方向原点O2とは、マスター雄ねじ治具3(の基準雄ねじ3b)とマスター雌ねじ治具5(の基準雌ねじ5b)との螺合が完了した状態で、これらの周方向において一致するように、言い換えればマスター雄ねじ治具3とマスター雌ねじ治具5とが周方向原点を共有するように設定する。このように、雄ねじ治具3と雌ねじ治具5とには、螺合が完了した状態にて一定の回転角度位置関係を有する周方向原点O1,O2が各々表示されているので、雄ねじ治具3のねじ切り開始位置、雌ねじ治具5のねじ切り開始位置及び両周方向原点O1,O2の4者の相互間にはそれぞれ一定の回転角度位置関係が存在することになる。
【0032】
また、周方向原点O1,O2は、マスター雄ねじ治具3とマスター雌ねじ治具5とを手締めにて螺合させた状態を基準に決められる。具体的には、親指・人差し指・中指の手指3本での締め付けを基準(数値的には締付トルク1.96N・mを想定)に周方向原点O1,O2が設定される。
【0033】
ところで、マスター雄ねじ治具3は、エンジンのシリンダヘッドSHのプラグホールPHに形成された取付雌ねじ150のねじ切り位相角度範囲(つまり、プラグホールPHの軸線Oを中心とした周方向においてエンジンが最適な点火性能を発揮できる接地電極204の位置(配置選定位置)と、マスター雄ねじ治具3の周方向原点O1との間の位相角度範囲を指す;図11参照)を特定する(図3参照;詳細は後述)ために用いられる。他方、マスター雌ねじ治具5は、主体金具101において接地電極となるべき接地電極材104の接合位置又は接合予定位置を定める(図6・図8参照;詳細は後述)ために用いられる。このように、マスター雄ねじ治具3とマスター雌ねじ治具5とは、プラグホールPHの取付雌ねじ150(図3参照)や主体金具101の先端部101a外周に形成される取付雄ねじ101b(図5・図6参照)をねじ切りするための工具ではなく、これらに螺合して上記の作用をなす治具として、本発明の主要な役割を担っている。
【0034】
しかしながら、複数のスパークプラグ製造ラインで同時にスパークプラグを製造するに際して、一対(一組)のマスター雄ねじ治具3とマスター雌ねじ治具5とを用いて本発明を実施する場合には、ねじ切り位相角度範囲を特定したり、主体金具101における接地電極材104の接合位置又は接合予定位置を定めたりするために、マスター雄ねじ治具3とマスター雌ねじ治具5とを複数の製造ライン間で使い回しする必要がある。このため、製造ラインの初期設定や段取り替えに手間取り、生産能率の低下を招きかねない。また、マスター雄ねじ治具3がプラグホールPHの取付雌ねじ150と、マスター雌ねじ治具5が主体金具101の先端部101a外周に形成される取付雄ねじ101bと、それぞれ螺合を繰り返す間に、治具のねじ形成部分に摩耗やガタを生じ初期の精度を保持できなくなるおそれもある。
【0035】
このため、本実施例では、マスター雄ねじ治具3の上記のような治具としての役割を、マスター雌ねじ治具5と螺合する複製雄ねじ治具50(図3参照)で代行するようにしている。同様に、マスター雌ねじ治具5の上記のような治具としての役割を、マスター雄ねじ治具3と螺合する複製雌ねじ治具30,31(図6〜図8参照)で代行するようにしている。そして、マスター雄ねじ治具3とマスター雌ねじ治具5とから、複製雌ねじ治具30,31や複製雄ねじ治具50が必要により何個でもまた何度でも作成される。
【0036】
そこで、マスターねじ治具3,5(マスター雄ねじ治具3とマスター雌ねじ治具5とを合わせてこのように呼ぶことがある)を用いて複製ねじ治具30,31,50(複製雌ねじ治具30,31と複製雄ねじ治具50とを合わせてこのように呼ぶことがある)を作成する方法と手順について図2〜図4を用いて概説する。まず図2は、マスター雌ねじ治具5の周方向原点O2を複製雄ねじ治具50に対して一定の回転角度位置関係を有する形で転写する工程を示している。複製雄ねじ治具50の本体部50aの外周に形成された基準雄ねじ50bは、マスター雌ねじ治具5の基準雌ねじ5bと同様に、JIS B8031―1995で規定されるスパークプラグ用のねじで構成されている。また、複製雄ねじ治具50は、マスター雌ねじ治具5と螺合して、マスター雌ねじ治具5の周方向原点O2を転写した周方向転写原点O2’を有する。なお、雌ねじ治具50のつまみ部50cは、ローレット形成部50c1と表示部50c2と拡径部50c3とを有している。ローレット形成部50c1は、滑り止めのローレット50dが形成され、本体部50aと反対側に位置している。表示部50c2は、ローレット形成部50c1と拡径部50c3とに両端が接続され、周方向転写原点O2’が表示される。拡径部50c3は、本体部50aに一端が接続され、本体部50aから離れるほど徐々に拡径している。
【0037】
図2において、周方向転写原点O2’は次のようにしてけがき表示される。複製雄ねじ治具50とマスター雌ねじ治具5とを手締めにて螺合し(図2(a))、螺合が完了した状態にて、マスター雌ねじ治具5の先端面に表示された周方向原点O2を、複製雄ねじ治具50の本体部50aの先端面に一定の回転角度位置関係を有する形で(本実施例では、互いの周方向にて一致する形で)転写した後、マスター雌ねじ治具5から複製雄ねじ治具50を取り外す。周方向転写原点O2’は、本体部50aの先端面周縁から本体部50aの外周に沿って上方に見通されて、拡径部50c3の表面にけがき表示され、次いで拡径部50c3の周縁から表示部50c2の外周表面に延長表示される(同(b))。
【0038】
次に図3は、プラグホールPHの取付雌ねじ150上においてねじ切り位相角度範囲αを特定する工程を示している。図2の工程を経て周方向転写原点O2’がけがき表示された複製雌ねじ治具50の基準雄ねじ50bを、シリンダヘッドSHのプラグホールPHに形成された取付雌ねじ150に手締めにて螺合する(図3(a))。ここでは、エンジンが最適な点火性能を発揮できる接地電極の位置(配置選定位置)として、プラグホールPHの軸線Oを中心とした周方向において、混合気流に直交する平面による接地電極の切断面の面積が最小となる位置(図3(b)又は図11(b)において、主体金具201における接地電極接合位置と混合気流の流れ方向とのなす角度θが90°となる位置)Aを選択した場合について考える。
【0039】
上記角度位置θが90°となる位置Aと複製雄ねじ治具50の周方向転写原点O2’との間にねじ切り位相角度範囲αが特定される。このとき、複製雄ねじ治具50とプラグホールPHの取付雌ねじ150とが螺合完了状態にあることから、複製雄ねじ治具50の周方向転写原点O2’は取付雌ねじ150のねじ切り開始位置と所定の回転角度位置関係を有している。その結果、上記ねじ切り位相角度範囲αの特定により、取付雌ねじ150のねじ切り開始位置に対して接地電極材104の配置選定位置がA位置に特定されることになる。そして、ねじ切り位相角度範囲αの特定により位置決めされたA位置には、Aを中心とする90°(±45°)の角度範囲β(範囲A)が設定され、これに引き続いて90°毎の角度範囲βが順次設定されて、全周が4つの範囲A,B,C,Dに区切られる。なお、これらの範囲の区画数や角度範囲βは適宜変更して設定することができる。
【0040】
次に図4は、マスター雄ねじ治具3の周方向原点O1を複製雌ねじ治具30,31に対して一定の回転角度位置関係を有する形で転写する工程を示している。第一複製雌ねじ治具30及び第二複製雌ねじ治具31はそれぞれ、貫通孔30b,31bを有する本体部30a,31aと、この貫通孔30b,31bが開口する両端部において本体部30a,31aから半径方向外側に膨出形成されたフランジ部30c,31cとから構成される。また、長手方向(軸線方向)の中央部から一端側開口に至る間の貫通孔30b,31b内面には、マスター雄ねじ治具3と同様に、JIS B8031―1995で規定されるスパークプラグ用のねじで構成された基準雌ねじ30d,31dを形成する。このとき本実施例では、基準雌ねじ30d,31dは、軸線方向の中央部から一端側開口に至る間の第一貫通孔30b1,31b1内面にのみ形成される。また、軸線方向の中央部から他端側開口に至る間の第二貫通孔30b2,31b2の内径は、基準雌ねじ30d,31dの谷径よりもやや大に形成され、ここに挿入される主体金具101の先端部101aの導入ガイドの役割を有している。なお、30e,31eは、フランジ部30c,31cの外周面に形成された滑り止めのローレットである。
【0041】
また、第一複製雌ねじ治具30(又は第二複製雌ねじ治具31)にマスター雄ねじ治具3を手締めにて螺合し(図4(a))、螺合が完了した状態にてマスター雄ねじ治具3の本体部3a先端面に表示された周方向原点O1が、第一複製雌ねじ治具30(又は第二複製雌ねじ治具31)の先端面に一定の回転角度位置関係を有する形で(本実施例では、互いの周方向にて一致する形で)転写され、周方向転写原点O1’としてけがき表示される。
【0042】
次に、プラグホールPHの軸線Oを中心とした周方向における接地電極材104の接合位置又は接合予定位置の位相角度範囲(以下、接合位相角度範囲という)α0が、第一複製雌ねじ治具30の周方向転写原点O1’を基準として、上記マスター雄ねじ治具3(複製雄ねじ治具50)を用いて既に特定されているねじ切り位相角度範囲α(図3(b)参照))に対応した位置(範囲)に定められる。ところで、第一複製雌ねじ治具30の周方向転写原点O1’と複製雄ねじ治具50の周方向転写原点O2’とは、ともにマスターねじ治具3,5の周方向原点O1,O2を周方向にて一致する位置に転写したものである。したがって、第一複製雌ねじ治具30の周方向転写原点O1’は、複製雄ねじ治具50の周方向転写原点O2’とそのねじ切り開始位置とに対してそれぞれ所定の回転角度位置関係を有している。このようにして、接合位相角度範囲α0が定められることにより、第一複製雌ねじ治具30と螺合することになる主体金具101の先端部101a外周に形成される取付雄ねじ101bのねじ切り開始位置に対して、接地電極材104の接合位置又は接合予定位置が定められることになる。そこで、第一複製雌ねじ治具30は、主体金具101の先端部101aと螺合し、主体金具101の先端部101aの先端面に接地電極材104を接合する際に、周方向転写原点O1’に基づき定められる接合位相角度範囲α0に対応させて接地電極材104の接合予定位置A0を位置合わせするための治具として、主に用いられる(図6参照)。
【0043】
そして、接合位相角度範囲α0により位置決めされた接合予定位置A0には、その位置A0を中心とする所定角度の角度範囲β0(範囲A0)が、複製雄ねじ治具50の場合(図3(b)参照)に倣って設定される。これに引き続いて、接合位相角度範囲α0が接合予定位置A0から90°ずつずれた接合予定位置B0,C0,D0が位置決めされ、それらの接合予定位置B0,C0,D0を中心とする所定角度の角度範囲β0(範囲B0,C0,D0)が順次設定される。なお、これらの範囲の区画数や角度範囲β0は適宜変更して設定することができる。
【0044】
ところで、第一複製雌ねじ治具30の接合位相角度範囲α0は、複製雄ねじ治具50で設定されたねじ切り位相角度範囲αに一致する形で対応表示されるのが望ましい。しかし、実際にはねじ切りの加工誤差やガスケットの潰れ誤差等により、第一複製雌ねじ治具30の基準雌ねじ30dと主体金具101の取付雄ねじ101bとのねじ切り開始位置の螺合状態(図6参照)が、複製雄ねじ治具50の基準雄ねじ50bとプラグホールPHの取付雌ねじ150とのねじ切り開始位置の螺合状態(図3参照)と一致しない場合がある。かかる場合には、接合位相角度範囲α0はねじ切り位相角度範囲αに一致しないことがある。それより、第一複製雌ねじ治具30は接地電極材104の接合予定位置A0,B0,C0,D0を定めるための治具として用いられるので、図4(b)に示すように第一複製雌ねじ治具30の上記角度範囲β0は、複製雄ねじ治具50の角度範囲β(90°に設定)よりも小さい角度範囲(例えば45°)に設定するのが望ましい。これによって、抵抗溶接等によって接地電極材104を主体金具101の先端部101aの先端面に対して接合する際に、その狙い位置をできるだけ絞ることによって正確を期すことができる。
【0045】
一方、第二複製雌ねじ治具31は、ガスケット101dを主体金具101のガスシール部101cのプラグ座面101c1と自身のシール面31c1とで挟み付けつつ主体金具101の先端部101aと螺合し、主体金具101における接地電極材104の接合後の接合位置を確認する際に、周方向転写原点O1’に基づき定められる接合位相角度範囲α1すなわち接合位置A1に対応させて接地電極材104の上記接合位置を位置合わせするための治具として、主に用いられる(図8参照)。このため、図4(c)に示すように、第二複製雌ねじ治具31における接地電極材104の接合位相角度範囲α1は、主体金具201のガスシール部201cのプラグ座面SとシリンダヘッドPHのシール面Rとで挟持され規定トルクで締め付けられた状態のガスケットG(図11参照)に関して、締め付け後の厚みと締め付けに伴う潰れ代とを含んで設定表示される。第二複製雌ねじ治具31では、ガスケットを用いてより実際に近い締め付け状態で、接地電極材104の接合位置A1,B1,C1,D1に対する上記位置合わせができるので、接地電極材104の接合位置の確認に適している。具体的には、ガスケットGの締め付け後の厚みと締め付けに伴う潰れ代とをねじピッチで除して回転角に換算し、第一複製雌ねじ治具30における接合位相角度範囲α0の位置A0から、上記回転角分だけ時計方向に進んだ位置A1として設定表示される。
【0046】
そして、複製雄ねじ治具50におけるねじ切り位相角度範囲αの場合と同様に、位置A1を中心とする90°(±45°)の角度範囲β1(範囲A1)が設定され、これに引き続いて90°毎の角度範囲β1が順次設定されて、全周が4つの範囲A1,B1,C1,D1に区切られる。なお、これらの範囲の区画数や角度範囲β1も適宜変更できる。
【0047】
さて、複製雌ねじ治具30,31を主体金具101の先端部101aに螺合して、主体金具101における接地電極材104の接合位置又は接合予定位置を、複製雌ねじ治具30,31の周方向転写原点O1’に基づいてねじ切り位相角度範囲αに対応して定める方法と手順について、図5〜図8を用いて説明する。図5に、主体金具101に取付雄ねじ101bを加工する工程を示す。主体金具101に形成されたガスシール部101cのプラグ座面101c1より先端側に形成された先端部101aの外周にねじ切り加工を施し、取付雄ねじ101bを形成する。ねじ切り加工は、図示のようなねじ転造ダイスRDによる転造加工の他、ねじ切りバイトやねじ切りダイスを用いたねじ加工等、既知の手段を採用できる。
【0048】
次に図6は、第一複製雌ねじ治具30を主体金具101の先端部101aに手締めにて螺合して、主体金具101の先端部101aの先端面に対する接地電極材104の接合予定位置を定める工程を示す。第一複製雌ねじ治具30を主体金具101の先端部101aに螺合すると、接地電極材104の接合予定位置(例えばA0)が、第一複製雌ねじ治具30の周方向転写原点O1’を基準として、上述のマスター雄ねじ治具3(複製雄ねじ治具50)を用いて既に特定されているねじ切り位相角度範囲(例えばα)に対応した形の接合位相角度範囲(例えばα0)として定められる。既に述べたように、第一複製雌ねじ治具30と主体金具101の先端部101aとが螺合完了状態にあることから、第一複製雌ねじ治具30の周方向転写原点O1’は取付雄ねじ101bのねじ切り開始位置と所定の回転角度位置関係を有している。したがって、接合位相角度範囲によって第一複製雌ねじ治具30の周方向転写原点O1’に対する接地電極材104の接合予定位置が定められることにより、取付雄ねじ101bのねじ切り開始位置に対する接地電極材104の接合予定位置も定められることになる。
【0049】
続いて図7は、主体金具101の先端部101aの先端面に接地電極材104を接合する工程を示し、接地電極材104は前の工程で定められた接合予定位置(例えば位置A0)に対応する、主体金具101の先端部101aの先端面に、抵抗溶接等既知の手段によって接合される。なお、接地電極材104の接合にあたっては、接合予定位置(例えば位置A0)を中心とする所定角度範囲(例えばβ0)に実施すればよい。また、接合予定位置を主体金具101の先端部101aの先端面に転写した後、第一複製雌ねじ治具30を主体金具101から取り外して接地電極材104を接合してもよいが、図示のように第一複製雌ねじ治具30は主体金具101との螺合状態のままで、接地電極材104を接合してもよい。なお、接地電極材104は中心電極側へ折り曲げられた接地電極の最終形態(図11参照)ではなく、折り曲げ前の直棒状にて主体金具101の先端部101aの先端面に接合される。
【0050】
図7において、主体金具101の先端部101aの先端面に接地電極材104を接合するにあたり、ガスケットGの規定トルクでの締め付け後の厚みと締め付けに伴う潰れ代とを考慮して第一複製雌ねじ治具30を用いることもできる。この場合には、規定トルクでの締め付け後の厚みと締め付けに伴う潰れ代とをねじピッチで除して回転角に換算し、ガスケットGがないときの第一複製雌ねじ治具30における接合位相角度範囲(例えばα0)の位置(例えばA0)から、上記回転角分だけ時計方向に進んだ位置(例えばD0)において、接地電極材104を主体金具101の先端部101aの先端面に接合すればよい。
【0051】
そして図8は、接地電極材104の検査工程を示す。主体金具101のガスシール部101cのプラグ座面101c1と第二複製雌ねじ治具31のフランジ部31cのシール面31c1との間にガスケット101dを挟み付けつつ、第二複製雌ねじ治具31に主体金具101の先端部101aを手締めにて螺合する。そして、接地電極材104が、前の工程で接合が予定された接合位置(例えば位置A1)もしくは接合位置を中心とする所定角度範囲(例えば範囲A1)内に正しく位置するか否かを確認・判別する。そして合格品には、接地電極材104の接合側とは軸方向反対側に該当する主体金具101の後端部に、上記接合位置に対応するマーキング101eが施される。そして、以上の説明による手順(工程)を経ることで、スパークプラグ200(主体金具201)をプラグホールPHに規定トルクにて取り付ける時に、主体金具201における接地電極204の接合位置204aが配置選定位置(すなわち混合気の燃焼阻害が発生しにくい位置)に配置されることになる。また、接地電極204が燃焼室Kの内部にあっても、マーキング101eにより外部から接地電極204の接合位置204aが確認できる(図11参照)。
【0052】
なお、図8に示す接地電極材104の検査工程は、図7に示す接地電極材104の接合工程からスパークプラグ200(図11参照)として完成するまでのいずれかの工程間で行うことができる。また、図6の工程で定められる接地電極材104の接合予定位置が、実際に混合気の燃焼室阻害を発生しにくい位置に定められていることが試行等によって実証されれば、図8に示す検査工程は、生産サイクルの最初からあるいはその途中から省略することができる。
【0053】
次に、第一複製雌ねじ治具30(図4参照)の変更例を図9に示す。この変更例では、複数(ここでは4個)のねじ切り位相角度範囲α(図3参照)のいずれかに対応する形で、接合予定位置A0,B0,C0,D0が設定表示された、複数(ここでは4個)の第一複製雌ねじ治具300,301,302,303(複製雌ねじ治具)を作成する。すなわち、図4の実施例では、周方向原点O1が表示されたマスター雄ねじ治具3を利用することで、1個の第一複製雌ねじ治具30に、周方向転写原点O1’を転写し、かつ4個のねじ切り位相角度範囲αのすべてに対応する形で、接合予定位置A0,B0,C0,D0を設定表示していた。これに対して、図9の実施例では、周方向原点O1が表示されたマスター雄ねじ治具3を利用することで、例えばA位置用第一複製雌ねじ治具300に、周方向転写原点O1’を転写し、かつ4個のねじ切り位相角度範囲αのうちの1個に対応する形で、1個の接合予定位置A0(及び位置A0を中心とする所定の角度範囲(範囲A0))のみを設定表示する。そして、同様にB位置用第一複製雌ねじ治具301には接合予定位置B0(及び位置B0を中心とする所定の角度範囲(範囲B0))のみを、C位置用第一複製雌ねじ治具302には接合予定位置C0(及び位置C0を中心とする所定の角度範囲(範囲C0))のみを、D位置用第一複製雌ねじ治具303には接合予定位置D0(及び位置D0を中心とする所定の角度範囲(範囲D0))のみを、それぞれ設定表示する。
【0054】
各々の第一複製雌ねじ治具300,301,302,303のフランジ部300c,301c,302c,303c外周面の一部には、その接合予定位置A0,B0,C0,D0のいずれかをそれぞれ平面状の表示部300f,301f,302f,303fに表示している。このような第一複製雌ねじ治具300,301,302,303は、設定表示された接合予定位置A0,B0,C0,D0に接地電極材104を位置決めしたり、設定表示された接合予定位置A0,B0,C0,D0に接地電極材104が接合された主体金具101又はスパークプラグ200を選別分離したりするための専用治具化を図り、位置決め・選別等の作業の効率化を図ったものである。なお、図9において、図4と共通する部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0055】
さらに図10には、図5〜図8のスパークプラグ製造工程の変更例を示し、図1〜図4(ただし、図9も含む)の工程に引き続いて実施することができる。この変更例では、主体金具101の先端部101aに取付雄ねじ101bを加工する前に、主体金具101の先端部101aの先端面に接地電極材104を接合することが最大の相違点である。なお、図10において、図5〜図8と共通する部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0056】
図10(a)は、主体金具101の先端部101aの先端面に接地電極材104を接合する工程を示す。ここでは、主体金具101の先端部101a外周にはねじ切りがなされていないので、雌ねじ治具5,複製雌ねじ治具30,31,300〜303等を使用して、主体金具101における接地電極材104の接合予定位置を定めることができない。したがって、この場合には、主体金具101の先端部101aの先端面において、任意の位置で接地電極材104を抵抗溶接等により接合する。
【0057】
図10(b)は、接地電極材104が接合された主体金具101の先端部101aに取付雄ねじ101bを加工する工程を示す。接地電極材104の接合位置とねじ切り開始位置との間に一定の関係を持たせた状態で、主体金具101の先端部101a外周にねじ切りを行う方法として、例えばポジショニング転造法等が知られているが、ねじ切り開始位置を一定位置に制御することが困難なため、広く一般に普及・実用化されるには至っていない。そこで、ここでは、主体金具101の先端部101a外周に、ねじ転造ダイスRDによる転造加工、ねじ切りバイトやねじ切りダイスを用いたねじ加工等、既知の手段によってねじ切り加工を施し、取付雄ねじ101bを形成する。
【0058】
図10(c)は接地電極材104の接合位置についての分類工程を示す。図8の場合と同様に、図4に示す第二複製雌ねじ治具31を用いて、主体金具101のガスシール部101cのプラグ座面101c1と第二複製雌ねじ治具31の上端シール面31c1との間にガスケット101dを挟み付けつつ、第二複製雌ねじ治具31に主体金具101の先端部101aを手締めにて螺合する。ただし、この実施例では、接地電極材104の接合位置が、第二複製雌ねじ治具31に設定表示された接合位置の4つの範囲A1,B1,C1,D1のいずれに属するかを選別・分類する。そして各々の主体金具101には、接地電極材104の接合側とは軸方向反対側に該当する後端部に、上記接合位置に対応するマーキング101eが施される。そして、以上の説明による手順(工程)を経て選別・分類されたスパークプラグ群の中から、プラグホールPHの軸線Oを中心とした周方向における配置選定位置(例えば、図13のA,B,C,Dのいずれかの位置)に、主体金具201における接地電極204の接合位置204aが位置するスパークプラグ201を選択して、プラグホールPHに規定トルクにて取り付ける。これによって、主体金具201における接地電極204の接合位置204aが配置選定位置(すなわち混合気の燃焼阻害が発生しにくい位置)に配置されることになる。
【0059】
図3の取付雌ねじ150のねじ切り位相角度範囲αを特定する工程において、複製雄ねじ治具50の代わりにマスター雄ねじ治具3を用いることができる。同様に、図6〜図8,図10(c)の各工程において、複製雌ねじ治具30,31,300〜303の代わりにマスター雌ねじ治具5を用いることができる。また、先端部101aに取付雄ねじ101bがねじ切り加工された主体金具101(図5参照)を、図1のマスター雄ねじ治具3として用いてもよい。同様に、このような主体金具101を図2及び図3の複製雄ねじ治具50として用いてもよい。
【0060】
なお、図6で示された接地電極材の接合予定位置を定める工程において、第一複製雌ねじ治具30の代わりに第二複製雌ねじ治具31を用いることもできる。さらに、主体金具101の先端部101aに形成される取付雄ねじ101bについて、種々のねじピッチ及び外径のものに適用されるのは勿論、ねじ部長さについても実施例に限定されない。したがって、図6及び図7においても図8と同様に主体金具101の先端部101a先端面が第一複製雌ねじ治具30の先端面より内側(図では上方)に入り込んでいてもよく、また逆に第一複製雌ねじ治具30の先端面よりも突出していてもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられるマスターねじユニットの一実施例を、その周方向原点表示工程とともに表わした正面図及び底面図。
【図2】マスター雌ねじ治具の周方向原点を複製雄ねじ治具に転写する工程を示す正面図及び底面図。
【図3】プラグホールの取付雌ねじのねじ切り位相角度範囲を特定する工程を示す正面図及び底面図。
【図4】マスター雄ねじ治具の周方向原点を複製雌ねじ治具に転写する工程を示す正面図及び底面図。
【図5】主体金具に取付雄ねじを加工する工程を模式的に示す正面図。
【図6】接地電極材の接合予定位置を定める工程を示す正面半断面図及び底面図。
【図7】主体金具の先端部の先端面に接地電極材を接合する工程を示す正面半断面図及び底面図。
【図8】接地電極材の検査工程を示す正面半断面図及び底面図。
【図9】図4における第一複製雌ねじ治具の変更例を示す説明図。
【図10】図5ないし図8のスパークプラグ製造工程の変更例を示す説明図であり、(a)は主体金具の先端部の先端面に接地電極材を接合する工程を示す正面図、(b)は接地電極材が接合された主体金具の先端部に取付雄ねじを加工する工程を模式的に示す正面図、(c)は接地電極材の接合位置についての分類工程を示す正面半断面図及び底面図。
【図11】スパークプラグのシリンダヘッドへの取り付け状態を示す正面断面図及び底面図。
【図12】接地電極の角度位置と燃料消費率との関係を示すグラフ。
【図13】スパークプラグとシリンダヘッドとのねじ切り開始位置の適合性を示す模式図。
【符号の説明】
1 マスターねじユニット(ねじユニット)
3 マスター雄ねじ治具(雄ねじ治具)
5 マスター雌ねじ治具(雌ねじ治具)
30 第一複製雌ねじ治具(複製雌ねじ治具)
31 第二複製雌ねじ治具(複製雌ねじ治具)
50 複製雄ねじ治具
101 主体金具
101a 先端部
101b 取付雄ねじ
101c ガスシール部
101e マーキング
104 接地電極材
150 取付雌ねじ
200 スパークプラグ
201 主体金具
204 接地電極
204a 接地電極接合位置
O プラグホールの軸線
O1 雄ねじ治具の周方向原点
O2 雌ねじ治具の周方向原点
O1’ 複製雌ねじ治具の周方向転写原点
O2’ 複製雄ねじ治具の周方向転写原点
PH プラグホール
R シール面
S プラグ座面
SH シリンダヘッド
α ねじ切り位相角度範囲
α0 接合位相角度範囲(接合予定位置)
α1 接合位相角度範囲(接合位置)

Claims (13)

  1. 先端側にプラグ座面を備えるガスシール部と、このガスシール部のプラグ座面より先端側に配置され、かつシリンダヘッドのプラグホールに形成された取付雌ねじと螺合するための取付雄ねじが外周に形成された先端部とを有するスパークプラグの筒状の主体金具を形成し、
    さらに、互いに螺合しあい、かつ一定の回転角度位置関係を有する周方向原点が各々表示された一対の雄ねじ治具と雌ねじ治具とを利用したスパークプラグの製造方法であって、
    前記雄ねじ治具を前記プラグホールに螺合して、該雄ねじ治具の前記周方向原点に基づき、前記取付雌ねじのねじ切り位相角度範囲を特定する一方、
    前記雌ねじ治具を前記主体金具の前記先端部に螺合して、該雌ねじ治具の前記周方向原点に基づき、前記先端部の先端面に接合される接地電極となるべき接地電極材の接合位置又は接合予定位置を、前記ねじ切り位相角度範囲に対応して定めることにより、
    前記主体金具を前記プラグホールに規定トルクにて螺合したときに、該主体金具における接地電極接合位置が、該プラグホールの軸線を中心とした周方向の所定位置に配置されるようにしたことを特徴とするスパークプラグの製造方法。
  2. 前記周方向原点は、前記雄ねじ治具と前記雌ねじ治具との螺合が完了したとき、これらの周方向において一致するように設定される請求項1記載のスパークプラグの製造方法。
  3. 前記周方向原点は、前記雄ねじ治具と前記雌ねじ治具との螺合が手締めにて完了した状態を基準に決められる請求項1又は2記載のスパークプラグの製造方法。
  4. 前記雄ねじ治具の前記周方向原点に基づき、前記プラグホールに形成された前記取付雌ねじの前記ねじ切り位相角度範囲を特定するにあたり、
    前記雄ねじ治具には、前記周方向原点を基準とする1又は複数の前記ねじ切り位相角度範囲が設定表示される請求項1ないし3のいずれかに記載のスパークプラグの製造方法。
  5. 前記ねじ切り位相角度範囲が所定の角度範囲を有して特定される請求項1ないし4のいずれかに記載のスパークプラグの製造方法。
  6. 前記雌ねじ治具の前記周方向原点に基づき、前記主体金具における前記接地電極材の前記接合位置又は接合予定位置を定めるにあたり、
    前記雌ねじ治具には、前記周方向原点を基準とする1又は複数の接合位相角度範囲が前記ねじ切り位相角度範囲に対応する形で設定表示されており、前記接合位相角度範囲に基づいて前記接地電極材の前記接合位置又は接合予定位置を定める請求項1ないし5のいずれかに記載のスパークプラグの製造方法。
  7. 前記主体金具における前記接合予定位置は、前記プラグ座面と前記シリンダヘッドのシール面とで挟持されることとなるガスケットの、前記規定トルクで締め付け後の厚みと締め付けに伴う潰れ代とを含んで定められる請求項1ないし6のいずれかに記載のスパークプラグの製造方法。
  8. 前記主体金具の前記先端部の先端面に対する前記接地電極材の接合後において、該接地電極材の前記接合位置とは軸方向反対側の前記主体金具の後端部に、前記接合位置に対応するマーキングが施される請求項1ないし7のいずれかに記載のスパークプラグの製造方法。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載のスパークプラグの製造方法であって、
    一対の前記雄ねじ治具と前記雌ねじ治具とは別に、該雌ねじ治具と螺合し、その雌ねじ治具の前記周方向原点を一定の回転角度位置関係を有する形で転写した複製雄ねじ治具を備えるとともに、
    前記プラグホールに形成された前記取付雌ねじの前記ねじ切り位相角度範囲を特定する際に、前記雄ねじ治具に代えて、前記複製雄ねじ治具を用いることを特徴とするスパークプラグの製造方法。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載のスパークプラグの製造方法であって、
    一対の前記雄ねじ治具と前記雌ねじ治具とは別に、該雄ねじ治具と螺合し、その雄ねじ治具の前記周方向原点を一定の回転角度位置関係を有する形で転写した複製雌ねじ治具を備えるとともに、
    前記主体金具における前記接地電極材の前記接合位置又は接合予定位置を定める際に、前記雌ねじ治具に代えて、前記複製雌ねじ治具を用いることを特徴とするスパークプラグの製造方法。
  11. 前記雄ねじ治具から前記複製雌ねじ治具に転写された前記周方向原点に基づき、前記主体金具における前記接地電極材の前記接合位置又は接合予定位置を定めるにあたり、
    前記複製雌ねじ治具には、前記周方向原点を基準とする1又は複数の接合位相角度範囲が前記ねじ切り位相角度範囲に対応する形で設定表示されており、前記接合位相角度範囲に基づいて前記接地電極材の前記接合位置又は接合予定位置を定める請求項10記載のスパークプラグの製造方法。
  12. 雄ねじ治具と螺合することにより、一定の回転角度位置関係を有する周方向原点が各々表示された一対のねじユニットを構成するとともに、
    この周方向原点に基づき、スパークプラグの主体金具に接合され接地電極となるべき接地電極材の接合位置又は接合予定位置が、接合位相角度範囲として1又は複数設定表示され、
    前記主体金具に形成された取付雄ねじと螺合したとき、前記接合位相角度範囲に対応させて前記接地電極材を前記主体金具における前記接合位置又は接合予定位置に位置合わせするために用いられることを特徴とするスパークプラグ製造用雌ねじ治具。
  13. 互いに螺合しあい、かつ一定の回転角度位置関係を有する周方向原点が各々表示された一対の雄ねじ治具と雌ねじ治具とのうち、該雄ねじ治具と螺合し、その雄ねじ治具の前記周方向原点を一定の回転角度位置関係を有する形で転写表示するとともに、
    この転写された周方向原点に基づき、スパークプラグの主体金具に接合され接地電極となるべき接地電極材の接合位置又は接合予定位置が、接合位相角度範囲として1又は複数設定表示され、
    前記主体金具に形成された取付雄ねじと螺合したとき、前記接合位相角度範囲に対応させて前記接地電極材を前記主体金具における前記接合位置又は接合予定位置に位置合わせするために用いられることを特徴とするスパークプラグ製造用複製雌ねじ治具。
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