JP4341085B2 - 抵抗体付き温度ヒュ−ズ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は二次電池保護回路に組み込んで使用する抵抗体付き温度ヒュ−ズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
リチウムイオン二次電池等の二次電池を有する回路の保護方法として、図4に示すように回路の異常電圧を検出回路D’で検出しトランジスタTr’を導通状態にして抵抗体1’に電流を流し、この抵抗体1’の通電発熱で温度ヒュ−ズエレメント2’を溶断させて電池S’を回路Z’から遮断することが公知である。
特に、充電回路でリチウムイオン二次電池を充電する場合、過充電に起因する事故を防止するために過充電電圧で検出回路のツェナダイオ−ドを順方向状態にしてトランジスタを導通状態にし、抵抗体を通電発熱させ、この抵抗体の通電発熱で温度ヒュ−ズエレメントを溶断させて電池を充電回路から遮断することが公知である。
【0003】
上記の温度ヒュ−ズエレメント2’及び抵抗体1’については、図5に示すように絶縁基板3’上に膜電極41’〜43’を形成し、膜電極41’−43’間に膜抵抗1’を設け、膜電極41’−42’間に温度ヒュ−ズエレメント2’(低融点可溶合金片)を接続し、この低融点可溶合金片2’にフラックス21’を塗布し、これらの上に絶縁層(図示されていない)を被覆した構成、すなわち抵抗体付き温度ヒュ−ズとすることが公知である。
【0004】
また、上記の二次電池と抵抗体付き温度ヒュ−ズや異常電圧検出回路やトランジスタ等とをまとめて密閉ケ−ス内に収納すること、または樹脂モ−ルドにより包み込むこと、すなわち電池パックとすることも公知である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記電池を有する回路おいて、温度ヒュ−ズエレメントが溶断されたとき電池が充電エネルギ−を内蔵しているから、その後電池パックがエネルギ−を内蔵したままで廃棄・放置されることになる。
この場合、温度ヒュ−ズエレメントが溶断されたとき電池が満充電状態にあれば、その内蔵エネルギ−が大であり、特にリチウムイオン二次電池においては、エネルギ−密度が高いために、上記電池パックの廃棄・放置中に電池の破裂や液漏れ等が生じ易い。
従って、電池の充電中、過充電時に温度ヒュ−ズエレメントが溶断されたとき、電池パックをその満充電状態のままで廃棄・放置することは危険である。
【0006】
このため、その満充電状態の電池パックを放電させてから廃棄することが要請されるが、従来の電池パックではこの放電に特殊な器具を必要とし極めて厄介である。
【0007】
本発明の目的は、二次電池を有する回路の異常を検出して抵抗体に電流を流し、該抵抗体の通電発熱で温度ヒュ−ズエレメントを溶断させて電池を回路から遮断する場合、その遮断後電池の充電エネルギ−を簡単に放電させて電池を安全に廃棄乃至は放置できるようにする抵抗体付き温度ヒュ−ズを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る抵抗体付き温度ヒューズは、二次電池と負荷回路または充電回路との間に二次電池側温度ヒューズエレメントと負荷回路または充電回路側温度ヒューズエレメントとを直列に接続し、両温度ヒューズエレメントの間に分岐して発熱用抵抗を接続し、発熱用抵抗とアースとの間に二次電池の異常時に導通する導通手段を接続し、二次電池側温度ヒューズエレメント及び発熱用抵抗に対し放電用抵抗を並列に接続し、二次電池の異常時に前記導通手段を導通させて発熱用抵抗を二次電池または充電回路の電力で通電発熱させてその発生熱で前記の両温度ヒューズエレメントを溶断させ、二次電池の充電エネルギーを前記の放電用抵抗を経て放電させる二次電池保護回路に使用する保護素子であり、、第1端子用膜電極、第2端子用膜電極、第1端子用膜電極と第2端子用膜電極との中間の中間膜電極及び第3端子用膜電極を共通の絶縁基板上に設け、第1端子用膜電極と中間膜電極との間に前記負荷回路側または充電回路側温度ヒューズエレメントを、第2端子用膜電極と中間膜電極との間に前記二次電池側温度ヒューズエレメントをそれぞれ接合し、中間膜電極と第3端子用膜電極との間に前記発熱用抵抗を、第2端子用膜電極と第3端子用膜電極との間に前記放電用抵抗をそれぞれ設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る抵抗体付き温度ヒュ−ズは、請求項1の抵抗体付き温度ヒュ−ズにおいて、発熱用膜抵抗と温度ヒュ−ズエレメントとが少なくとも一部分において耐熱性の熱良伝導性絶縁層を介して上下に重ねられていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る抵抗体付き温度ヒュ−ズは、請求項1または2の抵抗体付き温度ヒュ−ズにおいて、温度ヒュ−ズエレメントがヒュ−ズ設置部分の許容温度で溶断されるように、該ヒュ−ズエレメントが設定されていることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る抵抗体付き温度ヒューズが使用される二次電池保護回路を示している。
図1において、Sは二次電池、例えばリチウムイオン二次電池である。Dは異常電圧検出IC回路、Trは異常電圧検出IC回路Dの検出作動により導通状態とされるトランジスタである。11はトランジスタTrの導通により通電発熱される発熱用抵抗体、2は発熱用抵抗体11の発熱により溶断される温度ヒュ−ズエレメント(低融点可溶合金片)である。12は放電用抵抗体である。Zは負荷回路、Cは充電回路である。
【0012】
図1において、回路に異常電圧が発生されると、この異常電圧を異常電圧検出IC回路Dで検出させ、この検出作動でトランジスタTrを導通状態にさせる(異常電圧が異常電圧検出IC回路Dに加わると、トランジスタTrにベ−ス電流が流れ、これに伴いコレクタ電流が流れる)。
上記発熱用抵抗体11の抵抗値rと放電用抵抗体12の抵抗値rとは、r<rとしてあり(r/r>1.1、好ましくはr/r=5〜40、より好ましくは10〜30とされる)、トランジスタTrの導通に伴い電池Sの電力で発熱用抵抗体11を通電発熱させ、この発熱で温度ヒュ−ズエレメント2を溶断させる。
この温度ヒュ−ズエレメント2の溶断で電池Sと負荷回路Zとの間を遮断させ、この遮断後は電池Sの充電エネルギ−を放電用抵抗体12を通じて放電させていく。
【0013】
この場合、放電用抵抗体12に発生するジュ−ル熱は、電池電圧をVとすればV/rで与えられ、rを充分に高くしてあるから、放電用抵抗体12を発熱させることなく電池Sの充電エネルギ−を安全に放電できる。また、電池電圧の時間的変化は、電池Sの静電容量をcとすると(e-t/cr )で与えられ、電池Sの放電速度は時定数1/cr で評価できる。
【0014】
電池を充電する場合は、図1において充電回路Cが電池Sに接続され(この充電中での負荷回路Zへの給電は、充電回路Cから行うことが可能)、この充電時、過充電に起因する事故の発生を防止するには、検出回路Dに過電圧デテクタ−、例えばツェナダイオ−ドを使用し、該ツェナダイオ−ドの降伏電圧を越える過充電電圧(逆電圧として作用)の発生でトランジスタTrを導通状態にし、トランジスタTrの導通に伴い電池Sの電力で発熱用抵抗体11を通電発熱させ、この発熱で温度ヒュ−ズエレメント2を溶断させて電池Sを充電回路Cから遮断させ、この遮断後は電池Sの充電エネルギ−を放電用抵抗体12を通じて放電させていく。
【0015】
上記において、発熱用抵抗体11と温度ヒュ−ズエレメント2と放電用抵抗体12とは後述するように抵抗体付き温度ヒュ−ズの構成とすることができる。
【0016】
上記抵抗体付き温度ヒュ−ズAや異常電圧検出回路DやトランジスタTrを回路基板に搭載し、電池Sとこの搭載回路基板を密閉ケ−ス内に収容し、このケ−スに引出端子を設けるか、または電池の缶体外面に抵抗体付き温度ヒュ−ズや異常電圧検出回路やトランジスタを配し、これらを樹脂で包囲するかして電池パックの形式とすることができる。
【0017】
上記発熱用抵抗体11及び放電用抵抗体12には抵抗ぺ−ストを印刷焼き付けて成る膜抵抗の外、炭素抵抗、チップ抵抗の使用も可能である。抵抗ペ−ストには、酸化金属粉末または金属粉末とバインダ−(ガラスまたは熱硬化性樹脂)との混合物を固形分とするものを使用でき、例えばAg系の導電系のぺ−ストであっても、金属粉末の配合調整により固有抵抗を高めて抵抗ぺ−ストとして使用することが可能である。
【0018】
前記の二次電池保護回路によれば、回路に異常電圧が発生したことを検出して温度ヒュ−ズエレメント2を溶断させることにより電池Sを負荷回路Zまたは充電回路Cから遮断したのち、保護回路中の放電用抵抗体12を通じて電池Sの充電エネルギ−をジュ−ル熱の発生をよく抑えつつ安全に放電させることができる。したがって、遮断時に満充電の電池パックでも、充電エネルギ−を容易に減じて安全に廃棄乃至放置できる。
また、電池Cが許容発熱温度に達したときに温度ヒュ−ズエレメント2が溶断するように温度ヒュ−ズエレメント(低融点可溶合金片)2の融点を設定しておくことにより、例えば過放電により電池温度が許容温度にまで上昇すると温度ヒュ−ズエレメントの溶断によりその放電を停止させることができる。従って、異常電圧を検出しての回路の保護と異常発熱を感知しての回路の保護に温度ヒュ−ズエレメントを併用でき、異常発熱を感知しての電池の保護に別途温度ヒュ−ズを使用する場合よりも、保護回路の小型化、簡易化を図ることができる。
あるいは、抵抗体付き温度ヒュ−ズを後述するように回路基板に直接のはんだ付けにより実装するチップタイプとしても、温度ヒュ−ズエレメントにその直接はんだ付け時の熱では損傷しない高融点合金を使用することにより安全に実装できる。
【0019】
図2の(イ)は本発明に係るリ−ド線方式の抵抗体付き温度ヒュ−ズを示す図面であり、図2の(ロ)は図2の(イ)におけるロ−ロ断面図である。
図2において、3は耐熱性及び良熱伝導性の絶縁基板である。41〜43は第1端子用膜電極〜第3端子用膜電極、44は中間膜電極である。51〜53は各端子膜電極に接続した平型リ−ド線である。2は第1端子電極41と第2端子電極42との間に溶接等により接合すると共に中間箇所を中間電極44に溶接等により接合した低融点可溶合金片、21は低融点可溶合金片2に塗布したフラックスであり、例えばロジンを主成分とするものを使用できる。11は中間電極44と第3端子膜電極43との間に設けた発熱用膜抵抗体(抵抗値r)、12は第2端子膜電極42と第3端子膜電極43との間に設けた放電用膜抵抗体(抵抗値r)であり、前述した通り、r<rとしてある。61,62は各膜抵抗体11,12上に設けた保護膜(例えば、膜抵抗体の亀裂防止のための保護)であり、通常トリ−ミング前に設けるが、、耐パルス特性を向上させるために、トリミング後に設けることもできる。これらの保護膜61,62としては、例えば、ガラスの焼付け膜を使用できる。71は封止カバ−、72は封止剤例えばエポキシ樹脂である。
【0020】
上記絶縁基板3には、セラミックス基板(例えばアルミナ基板、窒化アルミニウム基板)やガラス基板等の無機質基板、セラミックコ−ティング金属板、セラミック含浸ガラス繊維基板、エポキシ樹脂含浸ガラス繊維基板、紙フエノ−ル基板等を使用できる。
【0021】
上記膜電極41〜44は導電ペ−ストの印刷焼付けにより形成でき、導電ペ−ストには金属粉末とガラスと金属混合物に有機質バインダ(ビヒクル)を加えたものを使用でき、例えば金属粉末がAg、Ag−Pd、Ag−Ptの銀系ぺ−スト、Auの金系ペ−スト、Niのニッケル系ペ−スト、Cuの銅系ペ−スト等を使用できる。この導電ペ−ストの印刷焼付けに代え、めっき法、金属泊積層絶縁板の金属泊のエッチング法の使用も可能である。
【0022】
上記膜抵抗11,12は抵抗ペ−ストの印刷焼付けにより形成でき、抵抗ペ−ストには酸化金属粉末とガラスと金属混合物に有機質バインダ(ビヒクル)を加えたものを使用でき、例えば酸化金属粉末に酸化ルテニウムを使用したルテニウム系を使用できる。その外、Ag−Pd、Ag−Pt等の配合調整により所定の固有抵抗値に調整した銀系ぺ−スト、抵抗粉末に炭素を用いた炭素系ペ−スト、樹脂に金属粉末を混合した樹脂系等も使用できる。また、チップ抵抗をクリ−ムはんだ等で接合したものを用いることもできる。
【0023】
上記リ−ド線51〜53には、銅線の外、溶接が容易なニッケル線、リ−ド線の回路基板へのはんだ付け時に熱が温度ヒュ−ズエレメントに伝わるのを防止するのに有利な低熱伝導線例えば鉄線や銅めっき鉄線を使用できる。また、はんだ付けを容易にするためにこれらのリ−ド線に錫、はんだ、銀、金等をめっきすることもできる。
【0024】
上記封止カバ−71には、樹脂製カバ−例えばナイロンやフェノ−ル製カバ−、絶縁被覆金属カバ−等を使用できる。また、金属カバ−を使用し、このカバ−とリ−ド線との間を絶縁物で絶縁すること、例えばエポキシ樹脂塗料をリ−ド線側に塗布することも可能である。封止カバ−71内には封止剤72、例えばエポキシ樹脂を充填することもできるが、低融点可溶合金片2に塗布したフラックス21が外部と接触するのを防止し得ればよく、封止カバ−71と絶縁基板3との間を接着剤等で固着するだけでもよい。
【0025】
上記抵抗体付き温度ヒュ−ズは二次電池回路の保護に使用され、異常電圧検出回路や発熱用抵抗体と共に回路基板に搭載し、この回路基板と電池とで電池パックに組立て、この電池パックを負荷回路と充電回路を有する機器、例えば携帯式パソコン等に装着できる。
而して、異常電圧の検出に伴い発熱用抵抗体11が通電加熱され、温度ヒュ−ズエレメント2及びフラックス21が溶融され、溶融合金が溶融フラックスの活性作用を受けつつ第1端子膜電極41、中間電極44及び第2端子膜電極42との濡れにより引張られ分断される。この温度ヒュ−ズエレメント2の分断により電池と負荷回路または電池と充電回路との間が遮断されると共に電池の充電エネルギ−が放電用抵抗体を通じて放電されていく。この放電に伴い発生する放電用抵抗体12のジュ−ル熱は放電用抵抗体12の抵抗値r が大であるために低く、発熱をよく防止して安全に放電できる。従って、温度ヒュ−ズエレメント2が作動した電池パックを安全に廃棄乃至は放置できる。
【0026】
また、図2に示す抵抗体付き温度ヒュ−ズはリ−ド線タイプであり、温度ヒュ−ズエレメント2に電池の許容温度で溶断するような融点(例えば70℃〜150℃程度)のものを使用しても、リ−ド線51〜53を回路基板に温度ヒュ−ズエレメント2を熱損傷させることなく容易にはんだ付けでき、温度ヒュ−ズエレメント2を電池の感温プロテクタ−としても利用できる。
【0027】
図3の(イ)は本発明に係るチップ方式の抵抗体付き温度ヒュ−ズを示す図面であり、図3の(ロ)は図3の(イ)におけるロ−ロ断面図、図3の(ハ)は同抵抗体付き温度ヒュ−ズの底面図である。
図3において、3は耐熱性及び良熱伝導性の絶縁基板である。41〜43は第1端子用膜電極〜第3端子用膜電極であり、絶縁基板3の表面から裏面にわたり形成してある。44は中間膜電極であり、T字型であり脚部を第3膜電極43側に向けてある。11,11は一対の発熱用膜抵抗であり、T字型中間電極44の頭部の各サイドと第3端子膜電極43との間に設けてある。61は各発熱用膜抵抗11上に設けた耐熱性及び良熱伝導性の絶縁膜、例えばガラス焼付け膜である。12は第2端子膜電極42と第3端子膜電極43との間に設けた放電用膜抵抗、62は放電用膜抵抗12上に設けた保護膜、例えばガラス焼付け膜である。2は第1端子膜電極41と第2端子膜電極42との間に溶接等で接続し、中間箇所を中間電極44に溶接等で接合した温度ヒュ−ズエレメント(低融点可溶合金片)であり、発熱用膜抵抗11に交叉させ相互に部分的に重ねてある。21は温度ヒュ−ズエレメント2に塗布したフラックスであり、例えばロジン主成分とするものを使用できる。72はエポキシ樹脂等の封止剤、73は外郭を絶縁基板3よりもやや小さくした封止板であり、高強度のプラスチックフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレ−トフィルム)、金属板(例えば、ステンレス板)、セラミック板等を使用できる。この封止板73を省略し、封止剤72のみで封止することもできる。
【0028】
図3に示す実施例においても、封止板73乃至は封止剤72による封止に代え、図2に示す実施例と同様に封止カバ−71により封止することができる。
また、図2に示す実施例においても、封止カバ−71による封止に代え、図3に示す実施例と同様に封止板73と封止剤72とにより封止することができる。
【0029】
図3に示す実施例において、絶縁基板、膜電極、膜抵抗、温度ヒュ−ズエレメント、フラックス等の材質や形成方法等については、図2に示す実施例と実質的に同じでり、説明は省略してある。
【0030】
図3に示す抵抗体付き温度ヒュ−ズも二次電池回路の保護に使用され、異常電圧検出回路や発熱用抵抗体と共に回路基板に搭載し、この回路基板と電池とで電池パックに組立て、この電池パックを負荷回路と充電回路を有する機器、例えば携帯式パソコン等に装着でき、温度ヒュ−ズエレメント2の作動で使用不可となった電池パックを充電エネルギ−の放電により安全に廃棄乃至は放置できる。
【0031】
図3に示す抵抗体付き温度ヒュ−ズにおいては、発熱用抵抗体11と温度ヒュ−ズエレメント2とを交叉させてあるから、発熱用抵抗体11の発熱による温度ヒュ−ズエレメント2の溶断を迅速に行わせることができ作動速度の高速化を図り得る。また、発熱用抵抗体と温度ヒュ−ズエレメントとを重ならないように配設するものに較べて抵抗体付き温度ヒュ−ズの小型化を図ることができる。
【0032】
【実施例】
図2に示す構成の抵抗体付き温度ヒュ−ズであり、絶縁基板に縦6mm,横8mm,厚み0.3mmのアルミナセラミックス基板(96%アルミナ)を使用し、膜電極をAg−Pt系導電ペ−ストの印刷焼き付けにより形成し、膜抵抗を酸化ルテニウム系の抵抗ペ−ストの印刷焼き付けにより設け、発熱用抵抗体の抵抗値をトリミングにより40Ωに、放電用抵抗体の抵抗値をトリミングにより1000Ωにそれぞれ調整し、各膜抵抗上にガラス系保護膜を印刷焼き付けにより形成した。さらに、固相線温度110℃の断面0.5mm×0.3mmの温度ヒュ−ズエレメントを接続し、この温度ヒュ−ズエレメントにロジン系フラックスを滴下塗布し、リ−ド線に錫めっき鉄線を使用し、封止にはナイロンカバ−を用い、このカバ−絶縁基板との間をエポキシ接着剤で接着した。
この抵抗体付き温度ヒュ−ズの第1端子電極のリ−ド線及び第2端子電極のリ−ド線と第3端子電極のリ−ド線とのリ−ド線との間に7.2Vの過充電の電池を接続したところ、接続後20秒で温度ヒュ−ズエレメントが溶断した。この溶断時の抵抗体付き温度ヒュ−ズの表面温度は約140℃であったが、温度ヒュ−ズエレメントの溶断後、放電用抵抗体にかかる電力は0.5ワット程度であり、表面温度がほぼ室温にまで降下し電池の充電エネルギ−を安全に放電できた。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、充電回路及び負荷回路を有しリチウムイオン二次電池等の電池を電源とする機器(特に携帯式機器、例えばノ−トパソコン)において、異常電圧の検出により温度ヒュ−ズエレメントが作動して使用不可となった電池パックを機器から取外して廃棄乃至は放置しても、電池の充電エネルギ−を電池パック内の放電用抵抗体で発熱をよく抑えて放電でき、使用不可となった電池パックを安全に廃棄乃至は放置できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る抵抗体付き温度ヒューズが使用される二次電池保護回路を示すための図面である
【図2】 本発明に係る抵抗体付き温度ヒュ−ズの一例を示す図面である。
【図3】 本発明に係る抵抗体付き温度ヒュ−ズの別例を示す図面である。
【図4】 従来の二次電池回路の保護方法を示すための図面である。
【図5】 従来の抵抗体付き温度ヒュ−ズを示す図面である。
【符号の説明】
11 発熱用抵抗
12 放電用抵抗
2 温度ヒュ−ズエレメント
3 絶縁基板
S 電池
Z 負荷回路
C 充電回路
A 抵抗体付き温度ヒュ−ズ

Claims (3)

  1. 二次電池と負荷回路または充電回路との間に二次電池側温度ヒューズエレメントと負荷回路または充電回路側温度ヒューズエレメントとを直列に接続し、両温度ヒューズエレメントの間に分岐して発熱用抵抗を接続し、発熱用抵抗とアースとの間に二次電池の異常時に導通する導通手段を接続し、二次電池側温度ヒューズエレメント及び発熱用抵抗に対し放電用抵抗を並列に接続し、二次電池の異常時に前記導通手段を導通させて発熱用抵抗を二次電池または充電回路の電力で通電発熱させてその発生熱で前記の両温度ヒューズエレメントを溶断させ、二次電池の充電エネルギーを前記の放電用抵抗を経て放電させる二次電池保護回路に使用する保護素子であり、、第1端子用膜電極、第2端子用膜電極、第1端子用膜電極と第2端子用膜電極との中間の中間膜電極及び第3端子用膜電極を共通の絶縁基板上に設け、第1端子用膜電極と中間膜電極との間に前記負荷回路側または充電回路側温度ヒューズエレメントを、第2端子用膜電極と中間膜電極との間に前記二次電池側温度ヒューズエレメントをそれぞれ接合し、中間膜電極と第3端子用膜電極との間に前記発熱用抵抗を、第2端子用膜電極と第3端子用膜電極との間に前記放電用抵抗をそれぞれ設けたことを特徴とする抵抗体付き温度ヒューズ。
  2. 発熱用膜抵抗と温度ヒュ−ズエレメントとが少なくとも一部分において耐熱性の熱良伝導性絶縁層を介して上下に重ねられている請求項記載の抵抗体付き温度ヒュ−ズ。
  3. 温度ヒュ−ズエレメントがヒュ−ズ設置部分の許容温度で溶断されるように、該ヒュ−ズエレメントが設定されている請求項1または2記載の抵抗体付き温度ヒュ−ズ。
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