JP2000182493A - 回路用保護素子 - Google Patents

回路用保護素子

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JP2000182493A
JP2000182493A JP10352002A JP35200298A JP2000182493A JP 2000182493 A JP2000182493 A JP 2000182493A JP 10352002 A JP10352002 A JP 10352002A JP 35200298 A JP35200298 A JP 35200298A JP 2000182493 A JP2000182493 A JP 2000182493A
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JP
Japan
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electrode
fuse element
resistor
fuse
melting point
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Application number
JP10352002A
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English (en)
Inventor
Mitsuaki Uemura
充明 植村
Takashi Igarashi
孝 五十嵐
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Uchihashi Estec Co Ltd
Original Assignee
Uchihashi Estec Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】抵抗体5を設けた温度ヒュ−ズの小型化乃至は
作動特性の向上を図る。 【解決手段】抵抗体用兼ヒュ−ズエレメント用電極3と
溶融したエレメント6,6との濡れ面積をヒュ−ズエレ
メント用電極2,2と前記溶融エレメントとの濡れ面積
よりも大きくするようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は回路用保護素子に関
し、特にリチウムイオン二次電池の保護に有用なもので
ある。
【0002】
【従来の技術】ヒュ−ズエレメントに低融点可溶合金片
を用いた温度ヒュ−ズとして、絶縁基板上に一対の電極
を設け、この電極間に低融点可溶合金片を接続し、該低
融点可溶合金片にフラックスを塗布し、該フラックス塗
布低融点可溶合金片を樹脂等で封止した、所謂基板型温
度ヒュ−ズが汎用されており、機器の異常発熱により低
融点可溶合金片が溶融され、溶融フラックスとの共存下
溶融合金が電極への濡れによる引張りで分断されて機器
への通電が遮断され、機器の致命的破壊が未然に防止さ
れる。
【0003】本出願人においては、上記の基板型温度ヒ
ュ−ズに抵抗体を付設した抵抗体付き温度ヒュ−ズを用
い、上記機器の異常発熱に対する保護の外、この異常発
熱とは異なる機器の異常を検出して抵抗体を通電発熱さ
せ、この発熱でも低融点可溶合金片を溶断させる、機器
の保護方法を既に提案した(特許第2715297
号)。
【0004】この抵抗体付き温度ヒュ−ズによる機器の
保護方法をリチウムイオン二次電池の過充電や過放電に
対する保護に利用することが提案されている。すなわ
ち、リチウムイオン二次電池では、過充電により溶媒分
解が発生し、また過放電により負極集電体が溶解するの
で、過電圧や最低電圧を検出し、この検出により上記抵
抗体付き温度ヒュ−ズの抵抗体を通電発熱させ、その発
熱で低融点可溶合金片を溶断させてリチウムイオン二次
電池を負荷回路や充電回路から遮断することが提案され
ている。
【0005】図5はリチウムイオン二次電池の保護に使
用される保護素子としての抵抗体付き温度ヒュ−ズの一
例を示し、絶縁基板1’上に抵抗体用電極4’とヒュ−
ズエレメント用電極2’,2’と抵抗体用兼ヒュ−ズエ
レメント用電極3’が設けられ、抵抗体用電極4’と抵
抗体用兼ヒュ−ズエレメント用電極3’との間に膜抵抗
5が設けられ、ヒュ−ズエレメント用電極2’,2’と
抵抗体用兼ヒュ−ズエレメント用電極3’との間に低融
点ヒュ−ズエレメント6,6が設けられ、低融点ヒュ−
ズエレメント6’にフラックス7’が塗布され、抵抗体
やフラックス塗布低融点可溶合金片がエポキシ樹脂等の
封止材9’で封止されている。
【0006】図2は上記の保護素子で保護するようにし
たリチウムイオン二次電池を電源とする機器回路を示
し、回路に異常電圧が発生すると、この異常電圧が異常
電圧検出IC回路Dで検出され、この検出作動でトランジ
スタTrが導通状態にされ(異常電圧が異常電圧検出IC
回路Dに加わると、トランジスタTrにベ−ス電流が流
れ、これに伴いコレクタ電流が流れる)、抵抗体付き温
度ヒュ−ズの抵抗体5が通電発熱され、この発熱により
低融点ヒュ−ズエレメント6,6が溶断されてリチウム
イオン二次電池が負荷回路や充電回路から遮断されると
共に抵抗体5の通電が遮断される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近来、機器本体の小型
化に伴い付帯機器の小型化が進められ、上記二次電池と
抵抗体付き温度ヒュ−ズや異常電圧検出回路やトランジ
スタ等とをまとめて密閉ケ−ス内に収納すること、また
は樹脂モ−ルドにより包み込むこと、すなわち電池パッ
クとすることが検討され、抵抗体付き温度ヒュ−ズの超
小型化が要求されている。
【0008】上記抵抗体付き温度ヒュ−ズにおける低融
点可溶合金片の溶断過程は、(1)抵抗体の通電発熱に
よるフラックス及び低融点可溶合金片の溶融、(2)溶
融合金の電極への濡れで発生する引張り力による溶融合
金の分断、(3)分断された各溶融合金の各電極への濡
れ進行による分断間距離の増加、(4)分断間距離が所
定の絶縁距離に達することによる絶縁保証等を経るもの
と考えられる。この場合、抵抗体用兼ヒュ−ズエレメン
ト用電極が絶縁基板に較べ良熱伝導性であるために抵抗
体の発生熱が主に抵抗体用兼ヒュ−ズエレメント用電極
を経て低融点ヒュ−ズエレメントに伝達されて抵抗体用
兼ヒュ−ズエレメント用電極上の低融点ヒュ−ズエレメ
ントが早く溶融され、上記(2)や(3)の作用がヒュ
−ズエレメント用電極よりも抵抗体用兼ヒュ−ズエレメ
ント用電極側で優先的に行われると推定される。
【0009】本発明の目的は、上記抵抗体付き温度ヒュ
−ズの抵抗体用兼ヒュ−ズエレメント用電極がそのヒュ
−ズ作動時に果たす作用に注目して抵抗体付き温度ヒュ
−ズの小型化乃至は作動特性の向上を図ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る回路用保護
素子は、絶縁基板上に抵抗体用電極とヒュ−ズエレメン
ト用電極と抵抗体用兼ヒュ−ズエレメント用電極が設け
られ、抵抗体用電極と抵抗体用兼ヒュ−ズエレメント用
電極との間に抵抗体が設けられ、ヒュ−ズエレメント用
電極と抵抗体用兼ヒュ−ズエレメント用電極との間に低
融点ヒュ−ズエレメントが設けられ、回路の異常検出に
より抵抗体が通電発熱され、その発熱で低融点ヒュ−ズ
エレメントが溶融され、この溶融エレメントと抵抗体用
兼ヒュ−ズエレメント用電極及びヒュ−ズエレメント用
電極との濡れにより溶融エレメントが分断される保護素
子において、抵抗体用兼ヒュ−ズエレメント用電極と溶
融エレメントとの濡れ面積をヒュ−ズエレメント用電極
と溶融エレメントとの濡れ面積よりも大きくするように
抵抗体用兼ヒュ−ズエレメント用電極及びヒュ−ズエレ
メント用電極の平面寸法が設定されていることを特徴と
する構成であり、ヒュ−ズエレメント用電極を2個とし
各ヒュ−ズエレメント用電極と1箇の抵抗体用兼ヒュ−
ズエレメント用電極との間に低融点ヒュ−ズエレメント
を設けること、更に1個の抵抗体用兼ヒュ−ズエレメン
ト用電極を挾んでヒュ−ズエレメント用電極を設けるこ
と、更に1個の抵抗体用兼ヒュ−ズエレメント用電極を
挾んでヒュ−ズエレメント用電極を対称に設けこれらの
ヒュ−ズエレメント用電極と抵抗体用兼ヒュ−ズエレメ
ント用電極とにわたり直線状低融点ヒュ−ズエレメント
を接続し、この直線状低融点ヒュ−ズエレメントにフラ
ックスを塗布すること、更に全体を直線状低融点ヒュ−
ズエレメントの長さ方向に直交する抵抗体用兼ヒュ−ズ
エレメント用電極中央線に対し対称とすることもでき
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
実施の形態について説明する。図1の(イ)は本発明に
係る回路用保護素子の一実施例を示す図面、図1の
(ロ)は図1の(イ)におけるロ−ロ断面図である。図
1の(イ)及び図1の(ロ)において、1は耐熱性の絶
縁基板である。2,2は絶縁基板1上に設けた一対のヒ
ュ−ズエレメント用電極であり、低融点ヒュ−ズエレメ
ントが接合されるランド部21とリ−ド線が接合される
リ−ド部22を備えている。3はヒュ−ズエレメント用
電極2,2の中央に設けた抵抗体用兼ヒュ−ズエレメン
ト用電極であり、この抵抗体用兼ヒュ−ズエレメント用
電極3の後述する溶融ヒュ−ズエレメントに対する濡れ
面積をヒュ−ズエレメント用電極2の溶融ヒュ−ズエレ
メントに対する濡れ面積よりも大きくするように抵抗体
用兼ヒュ−ズエレメント用電極3の巾aをヒュ−ズエレ
メント用電極2のランド部21の巾bよりも広くしてあ
る。4は絶縁基板1上に設けた抵抗体用電極であり、抵
抗体が接合されるランド部41とリ−ド線が接合される
リ−ド部42を備えている。
【0012】5は抵抗体用兼ヒュ−ズエレメント用電極
3と抵抗体用電極4との間に設けた抵抗体である。6,
6は両ヒュ−ズエレメント用電極2,2のランド部2
1,21と抵抗体用兼ヒュ−ズエレメント用電極3にま
たがり配設してこれらの各電極に溶接した線状の低融点
ヒュ−ズエレメント、7は低融点ヒュ−ズエレメント上
に塗布したフラックスである。8,…はヒュ−ズエレメ
ント用電極2のリ−ド部22及び抵抗体用電極4のリ−
ド部42に接合したリ−ド線である。91は抵抗体5及
びフラックス塗布低融点ヒュ−ズエレメント6,6を封
止した樹脂封止材、例えばエポキシ樹脂である。92は
樹脂封止層を機械的に補強するための補強板であり、省
略することもできる。
【0013】上記において、低融点ヒュ−ズエレメント
6,6を同等に溶断させるように抵抗体用兼ヒュ−ズエ
レメント用電極3の中央線を基準線として抵抗体用兼ヒ
ュ−ズエレメント用電極3、低融点ヒュ−ズエレメント
6,6及びヒュ−ズエレメント用電極2,2の形状、配
置を左右対称としてある。
【0014】本発明に係る回路用保護素子は、リチウム
イオン二次電池等の二次電池を電源とする携帯用機器、
例えばノ−ト型パ−ソナルコンピュ−タのプロテクタ−
として使用できる。図2は上記した実施例に係る回路用
保護素子の使用状態を示す回路図である。図2におい
て、Aは上記実施例の回路用保護素子を、6,6はその
低融点ヒュ−ズエレメントを、5は抵抗体をそれぞれ示
している。Eはリチウムイオン二次電池を、Bは負荷回
路を、Cは充電回路を、Dは異常電圧検出器(例えば、
ツエナダイオ−ドやFET)を、Trはトランジスタ−をそ
れぞれ示している。図2において、異常電圧が作用する
と、この異常電圧が異常電圧検出器Dで検出されてトラ
ンジスタ−Trが導通状態にされ、抵抗体5が通電され
て発熱し、この発生熱で低融点ヒュ−ズエレメント6,
6が溶断され、電池Eが負荷回路または充電回路Cから
遮断されると共に抵抗5の通電が遮断される。
【0015】この遮断は、(1)溶融された低融点ヒュ
−ズエレメントが溶融されたフラックスのフラックス作
用を受けつつ電極との濡れによって発生する引張り力で
分断され、(2)この分断された溶融ヒュ−ズエレメン
ト間の分断間隔が分断溶融ヒュ−ズエレメントの各電極
への濡れによって拡大されて所定の絶縁距離に達した際
に通電が遮断される、過程を経る。この際、抵抗体5に
熱的に直結されている抵抗体用兼ヒュ−ズエレメント用
電極3の方がヒュ−ズエレメント用電極2,2より優位
に上記(1)の作用による溶融ヒユ−ズエレメント6,
6の分断に関与する。
【0016】而るに、本発明に係る回路用保護素子にお
いては、溶融ヒユ−ズエレメント6,6の分断に優位に
関与する抵抗体用兼ヒュ−ズエレメント用電極3の溶融
ヒュ−ズエレメントに対する濡れ面積をヒュ−ズエレメ
ント用電極2,2の溶融ヒュ−ズエレメントに対する濡
れ面積よりも大きくするように抵抗体用兼ヒュ−ズエレ
メント用電極3とヒュ−ズエレメント用電極2のランド
部21の寸法を設定してあるから、上記(1)の作用を
効果的に行わせることができ、電流遮断の確実性を増大
できる。従って、後述の実施例と比較例との対比からも
明らかなように、抵抗体用兼ヒュ−ズエレメント用電極
の巾とヒュ−ズエレメント用電極のランド部が等しい場
合に対し、抵抗体用兼ヒュ−ズエレメント用電極の巾を
Δxだけ増加しヒュ−ズエレメント用電極のランド部の
巾をΔyだけ減少し(2Δy>Δxとする)全体として
寸法を(2Δy−Δx)減少させるにもかかわらず、1
00%の遮断成功率を保持でき、回路用保護素子の作動
性能を充分に保持して寸法縮小を図ることが可能にな
る。
【0017】上記の実施例では各ヒュ−ズエレメント用
電極2,2に対する低融点ヒュ−ズエレメント6,6を
共通の一本ものにしてあるが、個別的にすることも可能
である。
【0018】本発明に係る回路用保護素子は、図3に示
すように、低融点ヒュ−ズエレメント6を単一とし、抵
抗体用兼ヒュ−ズエレメント用電極3にリ−ド部32を
設けこのリ−ド部32にリ−ド線8を接合する形態で実
施することもできる。
【0019】図4の(イ)は本発明に係る回路用保護素
子の別実施例の一部平面水平断面図を、図4の(ロ)は
同じく底面図を、図4の(ハ)は図4の(イ)における
ハ−ハ断面図をそれぞれ示し、回路板にフエィス−フエ
ィス方式で実装されるチップタイプであり、ヒュ−ズエ
レメント用電極2,2のリ−ド部22,22及び抵抗体
用電極4のリ−ド部42を絶縁基板1の裏面側に回り込
ませてあり、この裏面側電極部分が回路板の導体にはん
だ付けされる。この実施例が抵抗体用兼ヒュ−ズエレメ
ント用電極の中央線に対し完全に左右対称とされている
点、チップタイプである点以外は、図1に示した実施例
と実質的に同じ構成とされている。
【0020】上記図3及び図4中、図1と同一の符号は
図1と実質的に同一の構成要素を示し、図3及び図4に
おいて、1は耐熱性の絶縁基板、2はヒュ−ズエレメン
ト用電極、3は抵抗体用兼ヒュ−ズエレメント用電極、
6は低融点ヒュ−ズエレメント、7は低融点ヒュ−ズエ
レメント上に塗布したフラックス、91は抵抗体及びフ
ラックス塗布低融点ヒュ−ズエレメントを封止した樹脂
封止材、例えばエポキシ樹脂、92は樹脂封止層を機械
的に補強するための補強板である。
【0021】上記図4に示す実施例においては、通常低
融点ヒュ−ズエレメント6の融点が裏面側電極部分2
2,22,42と回路板導体とのはんだ付け温度よりも
高く設定される。図1及び図3に示す実施例では、低融
点ヒュ−ズエレメント6の融点(T)をリ−ド線8と回
路板導体とのはんだ付け温度よりも低くでき、この場
合、前記の温度Tを機器の許容温度に設定して機器を異
常発熱から未然に保護することもできる。
【0022】本発明において、絶縁基板にはアルミナセ
ラミック基板、ガラスセラミック基板、ガラス板、ガラ
スエポキシ基板、窒化アルミニウム基板等の無機質基
板、ガラスエポキシ基板、ポリエチレンテレフタレ−ト
板、ポリイミド板、紙フェノ−ル基板等の合成樹脂板、
樹脂コ−ト金属板等を使用できる。特に、低融点ヒュ−
ズエレメントの融点(T)を機器の許容温度に設定して
機器を異常発熱から未然に保護する場合は、機器の異常
発熱が絶縁基板を経て低融点ヒュ−ズエレメントに効率
良く伝達されるように、絶縁基板にはセラミック基板、
ガラスセラミック基板、窒化アルミニウム基板等の熱良
伝導性基板を用いることが好ましい。
【0023】また、電極は導電ペ−ストの印刷焼付けに
より形成でき、導電ペ−ストには金属粉末とガラスと金
属混合物に有機質バインダ(ビヒクル)を加えたものを
使用でき、例えば金属粉末がAg、Ag−Pd、Ag−
Ptの銀系ぺ−スト、Auの金系ペ−スト、Niのニッ
ケル系ペ−スト、Cuの銅系ペ−スト等を使用できる。
さらに、電極と低融点ヒュ−ズエレメントとの溶接性を
向上するために、Niべ−ス膜の表面に金めっきを施し
たもの、Cuベ−ス膜の表面に錫めっきを施したもの等
を使用することもできる。更に導電ペ−ストの印刷焼付
けに代え、めっき法、金属泊積層絶縁板の金属泊のエッ
チング法の使用も可能である。
【0024】また、抵抗体は抵抗ペ−ストの印刷焼付け
により形成でき、抵抗ペ−ストには酸化金属粉末とガラ
スと金属混合物に有機質バインダ(ビヒクル)を加えた
ものを使用でき、例えば酸化金属粉末に酸化ルテニウム
を使用したルテニウム系を使用できる。その外、Ag−
Pd、Ag−Pt等の配合調整により所定の固有抵抗値
に調整した銀系ぺ−スト、抵抗粉末に炭素を用いた炭素
系ペ−スト、樹脂に金属粉末を混合した樹脂系等も使用
できる。抵抗値の調整を必要とする場合は、レ−ザトリ
ミング法、サンドブラスト法、抵抗体加熱法等により抵
抗値調整を行い、この場合、トリミング前に必要に応じ
酸化鉛系等の保護皮膜を形成することができる。更に、
膜抵抗上に保護膜を被覆することもでき、この保護膜材
としては、酸化鉛系、アミノケイ酸系、ほうけい酸塩系
のガラス絶縁体、エポキシ樹脂、ポリイミド、フェノ−
ル樹脂等の樹脂系絶縁体を使用できる。
【0025】また、低融点ヒュ−ズエレメントには、S
n,Pb,In,Bi,Cd,Cu,Ag,Au,P
t,Zn,Ni等の金属を所定の比率で配合した所定の
融点を有する低融点可溶合金の丸線、帯状体等を使用で
き、本発明に係る回路用保護素子を前記リチウムイオン
二次電池の保護に使用する場合は低融点ヒュ−ズエレメ
ントに融点140℃程度の低融点可溶合金を使用すれ
ば、リチウムイオン二次電池を前記異常電圧及び異常発
熱の双方に対して保護できる。また、フラックスにはロ
ジン系フラックス、水溶性フラックス、活性剤を添加し
たロジン系フラックス等を使用できる。
【0026】また、リ−ド線には、銅線の外、溶接が容
易なニッケル線、リ−ド線の回路基板へのはんだ付け時
に熱が温度ヒュ−ズエレメントに伝わるのを防止するの
に有利な低熱伝導線例えば鉄線や銅めっき鉄線を使用で
きる。また、はんだ付けを容易にするためにこれらのリ
−ド線に錫、はんだ、銀、金等をめっきすることもでき
る。
【0027】本発明において抵抗体及びフラックス塗布
低融点ヒュ−ズエレメントの封止には、前記したエポキ
シ樹脂の外、フェノ−ル樹脂、シリコン樹脂等も使用で
きる。補強板にはアルミナセラミック、グリ−ンシ−
ト、ガラス、ガラスセラミック、ガラスエポキシ、紙フ
ェノ−ル、窒化アルミニウム、ポリイミド、ポリエチレ
ンテレフタレ−ト等のシ−トを使用できる。更に図に示
すように絶縁基板上にケ−スを載置し、ケ−スと絶縁基
板との間をエポキシ樹脂等の接着剤で封止するケ−スパ
ッケ−ジ方式を用いることもでき、このケ−スには樹脂
製ケ−ス例えばナイロン、ポリエチレンテレフタレ−
ト、エポキシ樹脂、フェノ−ル製等のケ−ス、絶縁被覆
金属ケ−ス等を使用できる。また、アルミニウムや鉄等
の金属ケ−スを使用し、このケ−スとリ−ド線との間を
絶縁物で絶縁すること、例えばエポキシ樹脂塗料をリ−
ド線側に塗布することも可能である。封止ケ−ス内には
封止剤、例えばエポキシ樹脂を充填することもできる。
【0028】本発明に係る回路用保護素子の製造におい
ては、未焼成のセラミックスシ−ト(グリ−ンシ−ト)
に導電ペ−ストを電極パタ−ンで印刷し、抵抗ぺ−スト
を所定の電極パタ−ン間に所定のパタ−ンで印刷し、セ
ラミックスシ−トの焼成と同時に電極や抵抗体を焼成す
ることもできる。
【0029】本発明に係る回路用保護素子の寸法は、図
1において外郭の巾wが通常2〜10mm、高さhが
0.3〜3.0mm、抵抗体用兼ヒュ−ズエレメント
用電極3の巾aが0.8〜2.5mm、ヒュ−ズエレメ
ント用電極2のランド巾bが0.4〜0.7mmとされ
る。抵抗体用兼ヒュ−ズエレメント用電極3とヒュ−ズ
エレメント用電極間2の間隔cは使用電圧及び低融点ヒ
ュ−ズエレメントの径に応じ設定され、低融点ヒュ−ズ
エレメントの外径が0.4mmの場合、0.6mmとさ
れる。ヒュ−ズエレメント用電極と絶縁基板縁端との間
隔dは溶融ヒュ−ズエレメント及び溶融フラックスの流
出を防止するに足る距離とされ、通常0.3〜1.0m
mとされる。
【0030】本発明に係る回路用保護素子においては、
次の実施例と比較例との対比からも明らかな通り抵抗体
と低融点ヒュ−ズエレメントを平面的に配設するにもか
かわらず、充分なサイズの縮小化を図ることができる。
したがって、この種回路用保護素子を、抵抗体と低融点
ヒュ−ズエレメントとの立体配置(積層配置)によらな
くても充分に小型化でき、回路用保護素子を少ない工程
で製造でき、製造の簡易化やコスト低減を保証できる。
【0031】
【実施例】〔比較例1〜3〕図5に示す回路用保護素子
であり、抵抗体用兼ヒュ−ズエレメント用電極(中央電
極)の巾a’及びヒュ−ズエレメント用電極(サイド電
極)のランド巾b’を等しくし、低融点ヒュ−ズエレメ
ントには融点140℃、直径0.4mmの低融点可溶合
金線を使用し、中央電極とサイド電極との間隔を0.6
mmとした。比較例1では中央電極の巾及びサイド電極
のランド巾を0.7mm(従って、両サイド電極の最両
端間の距離は3.3mm)、比較例2では中央電極の巾
及びサイド電極のランド巾を0.8mm(従って、両サ
イド電極の最両端間の距離は3.6mm)、比較例3で
は中央電極の巾及びサイド電極のランド巾を0.9mm
(従って、両サイド電極の最両端間の距離は3.9m
m)とした。抵抗体は酸化ルテニウムの塗布焼付けによ
り形成した。
【0032】〔実施例1〜3〕図1に示す回路用保護素
子であり、両サイド電極のランド巾bを比較例1〜3の
何れよりも小さい0.6mmとし、比較例1〜3と同様
に低融点ヒュ−ズエレメントには融点140℃、直径
0.4mmの低融点可溶合金線を使用し、中央電極とサ
イド電極との間隔cを0.6mmとした。実施例1では
中央電極の巾aを0.8mm(従って、両サイド電極の
最両端間の距離は3.2mm)、実施例2では中央電極
の巾aを0.9mm(従って、両サイド電極の最両端間
の距離は3.3mm)、実施例3では中央電極の巾aを
1.0mm(従って、両サイド電極の最両端間の距離は
3.4mm)とした。抵抗体は比較例1〜3と同様に酸
化ルテニウムの塗布焼付けにより形成した。
【0033】実施例1〜3及び比較例1〜3のそれぞれ
につき各試料数を30箇とし抵抗体を通電発熱させて低
融点可溶合金線を溶断させる試験を行った。溶断不良は
試験後での両サイド電極間の絶縁抵抗を測定して判断し
た。
【0034】この試験結果は表1の通りであった。
【表1】 中央電極と サイド電極 中央電極 両サイド電極 溶断不良 サイド電極 のランド巾 の巾 の最両端間の 箇数 間の距離 距離 (mm) (mm) (mm) (mm) 実施例1 0.6 0.6 0.8 3.2 4 実施例2 0.6 0.6 0.9 3.3 1 実施例3 0.6 0.6 1.0 3.4 0 比較例1 0.6 0.7 0.7 3.3 10 比較例2 0.6 0.8 0.8 3.6 5 比較例3 0.6 0.9 0.9 3.9 0
【0035】実施例3と比較例3との対比から明らかな
通り、本発明に係る回路用保護素子によれば溶断不良箇
数0、すなわち遮断成功率100%を充分に小サイズで
達成できる。また、実施例1〜3と比較例1との対比か
ら明らかなように、従来技術では溶断不良で使用できな
いサイズのものを本発明によればそのサイズのもとで充
分に良好な溶断特性を保証でき、定格アップによく対処
できる。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、絶縁基板上に抵抗体用
電極とヒュ−ズエレメント用電極と抵抗体用兼ヒュ−ズ
エレメント用電極が設けられ、抵抗体用電極と抵抗体用
兼ヒュ−ズエレメント用電極との間に抵抗体が設けら
れ、ヒュ−ズエレメント用電極と抵抗体用兼ヒュ−ズエ
レメント用電極との間に低融点ヒュ−ズエレメントが設
けられ、回路の異常検出により抵抗体が通電発熱され、
その発熱で低融点ヒュ−ズエレメントが溶融され、この
溶融エレメントと抵抗体用兼ヒュ−ズエレメント用電極
及びヒュ−ズエレメント用電極との濡れにより溶融エレ
メントが溶断される保護素子の小サイズ化を図ることが
でき、二次電池の保護のために電池パック内に組み込ま
れる回路用保護素子として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る回路用保護素子の一例を示す図面
である。
【図2】図1に示す回路用保護素子の使用状態を示す回
路図である。
【図3】本発明に係る回路用保護素子の別例を示す図面
である。
【図4】本発明に係る回路用保護素子の上記とは別の例
を示す図面である。
【図5】従来の回路用保護素子を示す図面である。
【符号の説明】
1 絶縁基板 2 ヒュ−ズエレメント用電極 3 抵抗体用兼ヒュ−ズエレメント用電極 4 抵抗体用電極 5 抵抗体 6 低融点ヒュ−ズエレメント 7 フラックス 91 封止材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁基板上に抵抗体用電極とヒュ−ズエレ
    メント用電極と抵抗体用兼ヒュ−ズエレメント用電極が
    設けられ、抵抗体用電極と抵抗体用兼ヒュ−ズエレメン
    ト用電極との間に抵抗体が設けられ、ヒュ−ズエレメン
    ト用電極と抵抗体用兼ヒュ−ズエレメント用電極との間
    に低融点ヒュ−ズエレメントが設けられ、回路の異常検
    出により抵抗体が通電発熱され、その発熱で低融点ヒュ
    −ズエレメントが溶融され、この溶融エレメントと抵抗
    体用兼ヒュ−ズエレメント用電極及びヒュ−ズエレメン
    ト用電極との濡れにより溶融エレメントが溶断される保
    護素子において、抵抗体用兼ヒュ−ズエレメント用電極
    と溶融エレメントとの濡れ面積をヒュ−ズエレメント用
    電極と溶融エレメントとの濡れ面積よりも大きくするよ
    うに抵抗体用兼ヒュ−ズエレメント用電極及びヒュ−ズ
    エレメント用電極の平面寸法が設定されていることを特
    徴とする回路用保護素子。
  2. 【請求項2】ヒュ−ズエレメント用電極が2個とされ、
    各ヒュ−ズエレメント用電極と1箇の抵抗体用兼ヒュ−
    ズエレメント用電極との間に低融点ヒュ−ズエレメント
    が設けられている請求項1記載の回路用保護素子。
  3. 【請求項3】1個の抵抗体用兼ヒュ−ズエレメント用電
    極を挾んでヒュ−ズエレメント用電極が対称に設けら
    れ、これらのヒュ−ズエレメント用電極と抵抗体用兼ヒ
    ュ−ズエレメント用電極とにわたり直線状低融点ヒュ−
    ズエレメントが接続され、この直線状低融点ヒュ−ズエ
    レメントにフラックスが塗布されている請求項2記載の
    回路用保護素子。
  4. 【請求項4】直線状低融点ヒュ−ズエレメントの長さ方
    向に直交する抵抗体用兼ヒュ−ズエレメント用電極中央
    線に対し対称とされている請求項3記載の回路用保護素
    子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007087783A (ja) * 2005-09-22 2007-04-05 Uchihashi Estec Co Ltd 抵抗付きヒューズ

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JP2007087783A (ja) * 2005-09-22 2007-04-05 Uchihashi Estec Co Ltd 抵抗付きヒューズ

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