JP4341024B2 - ガス燃料エンジン - Google Patents

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Description

本発明は、CNG(Compressed Natural Gas;圧縮天然ガス)や水素等のガス燃料を燃焼させることによって動作する内燃機関に関する。
近年、燃費の向上や排ガス対策を目的として、燃料を主に圧縮行程後半に噴射することで燃料を点火プラグの近傍に偏在させて着火性を向上させる成層燃焼が注目されている。この成層燃焼では、燃料を主に吸気行程に噴射することで燃料をエンジンの燃焼室内全体に均等に分布させる均質燃焼に比し、NOx(窒素酸化物)の排出量は少ない反面、排ガス中の残留酸素が大きいので、三元触媒ではNOx排出量を十分に低減できない場合がある。そのため、成層燃焼を行うエンジンでは、空気余剰雰囲気中でNOx、HC(炭化水素)等を選択的に取り込んで還元作用を行わせる、いわゆるNOx触媒が多く採用されている。このNOx触媒によれば、希薄燃焼により発生した排ガス中のNOxがOと反応してNOとなり、さらに、このNOがHCと反応して還元浄化されると解されている。
他方、一般に成層燃焼では空燃比をリッチにすることが困難であるため、成層燃焼は主として低回転・低負荷の領域で行い、高回転・高負荷の領域では均質燃焼を行うのが通常であり、両者の切替えは例えば回転数および基本噴射量(または要求負荷)によって定義された負荷領域に応じて行われる。しかし、NOx触媒は硫黄被毒や熱劣化によりその性能が時系列的に劣化してゆき、吸蔵されるNOx量はNOx触媒の劣化に伴って減少することになる。このため従来、成層燃焼を行う負荷領域をNOx触媒の劣化に応じて縮小するガソリンエンジンが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−141330号公報
しかし、成層燃焼を行う負荷領域をNOx触媒の劣化に応じて縮小するのでは、均質燃焼時における高いポンプ損失(吸気損失)および高い燃料濃度に起因して、それだけ燃費が悪化することになる。
ところで、CNGや水素などの気体を燃料とするガス燃料エンジンでは、ガソリンエンジンの場合に比べて噴流速度が速く、燃料と空気との混合も速いため、燃料と空気との混合時間(具体的には、噴射から点火までの期間)を長くすることで、成層混合気を比較的容易にリーン化することができる。また、ガス燃料はリーン側の着火限界となる空気過剰率λ(空燃比/理論空燃比)がガソリンに比して高く、リーン化による失火が生じにくい特性をもつ。
そこで本発明の目的は、リーン化が容易かつリーン化による失火が生じにくいというガス燃料の好適な特性を利用して、燃費の悪化を抑制しながらNOx等の所定の物質を低減することにある。
第1の本発明は、機関の負荷領域に応じて成層燃焼または均質燃焼を選択する制御手段を備えたガス燃料エンジンにおいて、前記機関からの排気経路中に設けられたNOx浄化触媒の劣化状態を検出する劣化検出手段と、前記劣化検出手段が検出した劣化状態に応じて、前記機関の燃料噴射時期と点火時期との間隔を補正する補正手段と、を更に備え、前記制御手段は、前記補正手段によって補正された前記間隔をもって、前記燃料噴射時期と前記点火時期とのうち少なくとも一方を変更することを特徴とするガス燃料エンジンである。
第1の本発明では、劣化検出手段がNOx浄化触媒の劣化状態を検出すると、この劣化状態に応じて、補正手段が、燃料噴射時期と点火時期との間隔を補正する。この燃料噴射時期と点火時期との間隔の補正によって、燃料と空気との混合時間が延長され、燃焼室内の空燃比がリーン化され、これによってNOxの排出量が低減される。
第1の本発明における燃料噴射時期と点火時期との間隔の補正は、第2の本発明のように燃料噴射時期の通常値に対する変更によって実行するのが特に好適である。
第3の本発明は、請求項1または2に記載のガス燃料エンジンであって、前記補正手段による補正量を所定値以内に制限する補正制限手段を更に備えたことを特徴とするガス燃料エンジンである。
第3の本発明では、補正手段による補正量が、補正制限手段によって所定値以内に制限されるので、燃料噴射時期の進角または点火時期の遅角が過剰に行われることによる燃費や燃焼変動特性の悪化および失火の発生を抑制できる。
図1は、本発明の一実施形態に係るガス燃料エンジン1の全体概要図である。このガス燃料エンジン1は筒内直噴式CNG機関であり、シリンダブロック2およびシリンダヘッド3を備えている。シリンダブロック2には、上下方向へ延びる複数個の気筒4が紙面の厚み方向へ並設され、各気筒4内には、ピストン5が往復動可能に収容されている。各ピストン5は、コネクティングロッド6を介し共通のクランクシャフト7に連結されている。各ピストン5の往復運動は、コネクティングロッド6を介してクランクシャフト7の回転運動に変換される。
シリンダブロック2とシリンダヘッド3との間において、各ピストン5の上側は燃焼室8となっている。シリンダヘッド3には、その両外側面と各燃焼室8とを連通させる吸気ポート9および排気ポート10がそれぞれ設けられている。これらのポート9,10を開閉するために、シリンダヘッド3には吸気弁11および排気弁12がそれぞれ略上下方向への往復動可能に支持されている。また、シリンダヘッド3において、吸気弁11および排気弁12の上方には、吸気側カムシャフト13および排気側カムシャフト14がそれぞれ回転可能に設けられている。カムシャフト13,14には、吸気弁11および排気弁12を駆動するためのカム15,16が取り付けられている。カムシャフト13および14の端部にそれぞれ設けられたタイミングプーリ17,18は、クランクシャフト7の端部に設けられたタイミングプーリ19へタイミングベルト20により連結されている。
吸気ポート9には、エアクリーナ31、スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34等を備えた吸気通路30が接続されている。ガス燃料エンジン1外部の空気(外気)は、燃焼室8へ向けて吸気通路30の各部31,32,33および34を順に通過する。なお、本実施形態におけるスロットルバルブ32は、いわゆる電子スロットルであり、運転席のアクセルペダルと直接機械的に結合されておらず、スロットルモータ37によって駆動される。
また、シリンダヘッド3には、各燃焼室8へ直接燃料を噴射するインジェクタ40が取り付けられている。燃料たる圧縮天然ガス(CNG)は、燃料ボンベ41に貯蔵されており、レギュレータ44にて一定圧力に調整された後、インジェクタ40に供給される。インジェクタ40から噴射される燃料は、吸気通路30、吸気ポート9および吸気弁11を介して燃焼室8へ導入される空気と燃焼室8において合流して混合気となる。
この混合気に着火するために、シリンダヘッド3には点火プラグ50が取り付けられている。各気筒には、気筒毎に独立して点火プラグ50に結合するイグナイタ内蔵点火コイル52が設けられている。点火時には、点火信号を受けた気筒毎のイグナイタ内蔵点火コイル52内でイグナイタが1次電流の通電および遮断を制御し、2次電流が点火プラグ50に供給される。
燃焼した混合気は、排ガスとして排気弁12を介して排気ポート10に導かれる。排気ポート10には、排気マニホルド61、NOx触媒62等を備えた排気通路60が接続されており、排ガスはこれらを経由しながら浄化されて排出される。排気マニホルド61と吸気マニホルド34とを接続するように、図示しないEGR(Exhaust Gas Recirculation)経路が設けられており、このEGR経路を選択的に連通させるように、図示しないEGRバルブが設けられている。EGRバルブの開度を制御することにより、EGR率を任意の値に変更することができる。
NOx触媒62は、NOxを触媒上に吸着することにより排ガス中のNOxを浄化する吸蔵型リーンNOx触媒であり、例えばアルミナAlでコートされたモノリス基材上に、白金・ロジウム系の触媒物質と、アルカリ、アルカリ土類、希土類酸化物からなる吸蔵材とが担持されて構成される。このNOx触媒62では、酸素過剰雰囲気(リーン雰囲気)下ではNOxが酸化されて硝酸塩として吸蔵され、リッチ時には吸蔵されたNOxがHCやCOとの反応により還元浄化されることによって、NOxが浄化される。
ガス燃料エンジン1には各種のセンサが取り付けられている。シリンダブロック2には、ガス燃料エンジン1の冷却水の温度を検出するための水温センサ74が取り付けられている。吸気通路30において、スロットルバルブ32の近傍には、その軸の回動角度を検出するスロットル開度センサ72と、アクセル操作量(アクセル踏み込み量、アクセル開度等とも呼ばれる)を検出するアクセル開度センサ77とが設けられている。サージタンク33には、その内部の負圧(吸気管圧力PM)を検出するためのバキュームセンサ71が取り付けられている。また、レギュレータ44とインジェクタ40とを結ぶ燃料配管には、燃料噴射圧を検出するための噴射圧センサ78が設けられている。また、排気マニホルド61には、排ガス中の酸素濃度を検出するためのOセンサ79が設けられている。
また、カムシャフト13には、クランク角(CA)に換算して720℃Aごとに基準位置検出用パルスを発生させるクランク基準位置センサ80が設けられている。また、クランクシャフト7には、30℃Aごとに回転速度検出用パルスを発生させるクランク角センサ81が設けられている。電子制御装置(ECU)90においては、クランク角センサ81のパルス信号が入力する毎に、そのパルス間隔から機関回転数が算出され、そのデータが内部のメモリにエンジン回転数Nとして格納される。
ECU90は、双方向バスによって互いに結合されたCPU、RAM、ROM、不揮発性メモリおよび入出力インターフェイスを備えた周知のワンチップマイクロプロセッサとして構成されている。
ECU90は、以下に述べる燃料噴射制御、ならびに本発明とは別途に行われる点火時期制御、スワールコントロールバルブ制御、EGRシステムにおけるEGRバルブ制御等を実行するものであり、ROMに格納されたプログラムおよび各種のマップに従って、各種センサからの信号を入力し、その入力信号に基づいて演算処理を実行し、その演算結果に基づき各種アクチュエータ用制御信号を出力する。とくにECU90では、従来の構成と同様に、車両の運転状態(例えば、吸入空気量とエンジン回転数)に基づいて基本噴射量が算出されると共に、この基本噴射量、および別途に算出される点火時期に基づいて、燃料噴射時期(噴射開始時期)の通常値が算出される。
他方、ECU90には、エンジン回転数および要求負荷に応じた燃焼領域を規定した燃焼領域マップが格納されている。この燃焼領域マップでは、図2に示されるように、回転数しきい値Ntおよび負荷しきい値Ttよりも低回転・低負荷の領域には成層燃焼が、また高回転・高負荷の領域には均質燃焼が、それぞれ燃焼形態として割り当てられている。この燃焼領域マップは、以下に述べる燃料噴射制御において、現在のエンジン回転数および基本噴射量によって参照され、対応する燃焼形態(成層燃焼か、均質燃焼か)が選択される。成層燃焼領域では均質燃焼領域に比して、空燃比が高い(リーンな)値に設定され、またスロットル開度が大きい値に設定されており、運転状態が成層燃焼から均質燃焼に移行すると、空燃比が低い(リッチな)値に、またスロットル開度は小さい値に、それぞれ概ねステップ的に変更される。また均質燃焼から成層燃焼に移行する場合には、概ねその逆の変更が行われる。
また、この燃焼領域マップにおける成層燃焼領域の一部(エンジン回転数N:N1<N<Nt、負荷T:T1<T<Tt)には、後述する燃料噴射時期の進角を実行するための領域として噴射進角対象領域が予め割り当てられている。本実施形態では噴射進角対象領域は、成層燃焼領域内であって均質燃焼領域に隣接した部分、つまり、本発明による改良前においては、成層燃焼領域内であるが触媒が劣化した場合には均質燃焼に切り替えられている領域に設定されている。
またECU90には、噴射時期進角マップが格納されている。この噴射時期進角マップは、エンジン回転数、基本噴射量、および後述する触媒劣化度数に対応する燃料噴射時期の通常値に対する進角値(°CA)が格納された3次元マップであり、進角値はNOxの低減割合から予め算出されている。
以上のとおり構成された第1実施形態における燃料噴射制御について、以下に説明する。図3において、まず、触媒の劣化度合いを示す触媒劣化度数が算出される(S10)。この触媒劣化度数は、クランク角センサ81からの信号に基づいて積算されている過去の(出荷時または触媒交換時からの)走行距離や、過去の燃料噴射量の積算値などを入力変数とする所定の関数によって算出される。
次に、負荷状態が成層燃焼領域かが判定される(S20)。この判断は、エンジン回転数および要求負荷による燃焼領域マップの参照によって行われる。なお、要求負荷はエンジン回転数およびスロットル開度(スロットルバルブ32の開度)などに基づいて別途の処理により算出される。ステップS20で否定の場合には、均質燃焼制御(S60)、つまり燃料を燃焼室8内全体に均等に分布させる制御が行われて、処理がリターンされる。
ステップS20で肯定の場合、つまり現在の負荷状態が成層燃焼領域に該当する場合には、次に、現在の負荷状態が噴射進角対象領域内かが判定される(S30)。噴射進角対象領域内である場合には、現在のエンジン回転数、基本噴射量および触媒劣化度数に応じた進角量(°CA)をもって、噴射時期の進角が行われる(S40)。ステップS30で否定の場合には、ステップS40の処理がスキップされる。
そしてECU90では成層燃焼制御(S50)、つまり均質燃焼時に比して早い噴射時期、高い(リーンな)空燃比、および大きいスロットル開度による運転制御が行われて、本ルーチンを抜ける。
以上の処理の結果、現在の負荷状態が成層燃焼領域に該当する場合であって、且つ噴射進角対象領域内である場合には、噴射時期の通常値に対する変更すなわち進角が行われる結果、燃料噴射時期と点火時期との間隔が増大側に補正される。これによって燃料と空気との混合時間が延長されると、仮にこの噴射時期の進角が行われない場合には混合気が点火プラグの近傍にほぼ理論空燃比で偏在するような燃料噴射量であっても、混合気の拡散によってリーンな燃料が燃焼室8内のほぼ全体に分布するようになり、その結果NOxが低減される。すなわち、一般に排ガス中のNOx量は、理論空燃比を境に空燃比が小の(燃料がリッチの)領域でも、空燃比が大の(燃料がリーンの)領域でも低下するものであるところ、本実施形態では噴射時期の進角に伴って空燃比が増大(リーン化)するために、NOxを低減することができる。
以上のとおり、本実施形態では、NOx触媒62の劣化状態が検出されると、この劣化状態に応じて、ECU90によって燃料噴射時期の通常値に対する進角が実行されるので、空燃比のリーン化によってNOxを低減することができる。そして、この進角が、NOx触媒62の劣化に応じて成層燃焼領域を縮小させずに、空燃比およびスロットル弁開度等の設定が成層燃焼時のままの燃焼条件下、すなわち空燃比大(リーン)かつスロットル開度大の条件下で行われるので、上記特許文献1のように触媒の劣化状態に応じて成層燃焼領域を縮小させる構成に比して、均質燃焼時の高いポンプ損失(吸気損失)および高い燃料濃度に起因した燃費の悪化を抑制することができる。また、ガス燃料はリーン側の着火限界となる空気過剰率λ(空燃比/理論空燃比)がガソリンに比して高いため、リーン化による失火のおそれは設定範囲内では些少である。
また本実施形態では、燃料と空気との混合時間の延長を、燃料噴射時期の通常値に対する進角によって実現したので、混合時間の延長を点火時期の通常値に対する遅角によって実現する場合に比して、点火時期がいわゆるMBT(Minimum advance for Best Torque;最もトルクが出る点火時期)からずれることによる燃費悪化を抑制できる。しかしながら本発明における燃料噴射時期と点火時期との間隔の延長は、点火時期の遅角のみによって実現してもよいし、燃料噴射時期の進角と点火時期の遅角との両者を行うことによって実現してもよい。
なお、第1実施形態では燃料噴射時期を進角することで排ガス中のNOxを低減することができるが、燃料噴射時期の進角量が大きすぎる場合には、燃費や燃焼変動特性の悪化を招きかねない(図4参照)。そこで、第1実施形態の構成において更に、燃料噴射時期の進角量に予め上限値t1を設け、必要なNOx処理量を燃料噴射時期の進角によって実現するためにはこの上限値t1を上回る(すなわち、図4における上限値t1よりも左側の領域の)補正量が必要な場合には、成層燃焼から均質燃焼に切り替える処理を行ってもよい。この場合には、補正手段による燃料噴射時期の進角または点火時期の遅角が、補正制限手段によって所定値以内に制限されるので、燃料噴射時期の進角または点火時期の遅角が過剰に行われることによる燃費や燃焼変動特性の悪化を抑制できる。
次に、本発明に関連する第2実施形態について説明する。成層燃焼時に失火が検出された場合に、失火回避手段としてEGRの減量を行ったり、あるいはEGRの減量とスロットル開度の減量との両者を行うことによって、燃焼の安定化を図る技術が知られている。しかし、この場合にはNOxが設定時より高くなり、エミッション上好ましくない。そこで第2実施形態は、失火が検出された場合には、上記失火回避手段の実施に加えて燃料噴射時期の通常値に対する進角(燃料噴射時期と点火時期との間隔の延長)をも行うことによって、NOxの増加を抑制するものである。
第2実施形態における燃料噴射時期の進角には、エンジン回転数と燃料噴射量とに対応する進角量が定められた進角量マップが用いられるが、この進角量マップとしては、EGR「有り」の場合に用いられるEGR開時マップ(図5参照)と、EGR「無し」の場合に用いられるEGR閉時マップ(図6参照)とが予め作成され、ECU90のROMに格納されている。なお、EGR「有り」の場合に比べ、EGR「無し」の場合のほうが燃焼が安定するため、図5および図6から明らかなとおり、EGR閉時マップにおいては進角量限界値として比較的高い値が用いられる。なお、第2実施形態の残余の構成は上記第1実施形態と同様であるため、その詳細の説明は省略する。
以上のとおり構成された第2実施形態における燃料噴射制御について、以下に説明する。図7において、まず、負荷状態が成層燃焼領域かが判定される(S110)。この判断は、エンジン回転数および要求負荷による燃焼領域マップの参照によって行われる。なお、要求負荷はエンジン回転数およびスロットル開度などに基づいて別途の処理により算出される。ステップS110で否定の場合には、均質燃焼制御(S180)、つまり燃料をエンジンの燃焼室8内全体に均等に分布させる制御が行われて、処理がリターンされる。
ステップS110で肯定の場合、つまり現在の負荷状態が成層燃焼領域に該当する場合には、次に、失火が発生しているかが判定される(S120)。この失火判定は、例えばクランク角センサ81の信号から求められるエンジン回転数の変動が所定の基準値を上回った場合に失火と判定する方法、筒内圧センサ(不図示)の信号から求められる燃焼時の筒内圧(ピーク圧や図示平均有効圧)と所定の基準値との比較による方法、燃焼室に設けたイオン電流検出センサの検出値と所定の基準値との比較による方法、点火栓の電極間の絶縁抵抗と所定の基準値との比較による方法などによって行うことができる。失火が発生していない場合には、通常の成層燃焼制御、つまり後述する失火回避手段実施の際のNOx低減のための進角を伴わない成層燃焼制御が行われる(S170)。
失火が発生している場合には、失火回避手段としてEGRの減量とスロットル開度の減量とが行われる(S130)。
そして次に、EGRバルブが全閉かが判断され(S140)、肯定(全閉)の場合にはEGR閉時マップ(図6参照)に従って、同マップ中の限界進角値分、噴射時期が進角される(S150)。また否定の場合(すなわち全閉でない場合)には、EGR開時マップ(図5参照)に従って、同マップ中の限界進角値分、噴射時期が進角される(S160)。そして、このような進角が行われた状態で成層燃焼制御が行われ(S170)、本ルーチンを抜ける。
以上の処理の結果、第2実施形態では、失火が発生した場合に、失火回避手段の実施に加えて燃料噴射時期の進角が行われるので、燃料噴射時期と点火時期との間隔の延長によって燃焼室8内の空燃比がリーン化され、従って上記第1実施形態と同様の理由により、NOxを低減することができる。
次に、本発明に関連する第3実施形態について説明する。吸気管負圧を利用してブレーキペダルの踏圧力をアシストするブレーキブースターが搭載された車両において、成層燃焼時にブレーキブースターの負圧の不足が検出された場合に、成層燃焼から均質燃焼に切替えて負圧を確保する構成が知られている。他方、このような燃焼モードの変更を行わずに、負圧確保手段としてEGRバルブの閉じ込み(あるいは、EGRバルブの閉じ込みとスロットルバルブの閉じ込み)を行う方法もある。しかし、燃焼モードの切替えを行う方法では燃費の悪化が避けられず、またEGRバルブの閉じ込みを行う場合には排ガス中のNOxの大幅な増加が避けられない。そこで第3実施形態は、成層燃焼時にブレーキブースターの負圧の不足が検出された場合に、成層燃焼から均質燃焼への切り替えを行わずにEGRバルブの閉じ込みを行うことで燃費悪化を抑制しつつ、燃料噴射時期の通常値に対する進角(燃料噴射時期と点火時期との間隔の延長)をも行うことによって、NOxの増加を抑制するものである。
第3実施形態では、吸気管負圧を利用してブレーキペダルの踏圧力をアシストするブレーキブースター(不図示)が搭載されており、このブレーキブースターは吸気通路30におけるスロットルバルブ32よりも下流側に接続されている。ブレーキブースターに作用する吸気管圧力PMは、上述のとおりバキュームセンサ71によって検出される。
また、第3実施形態における燃料噴射時期の進角には、エンジン回転数と燃料噴射量とに対応する進角量が定められた進角量マップが用いられるが、この進角量マップとしては、上記第2実施形態と同様に、EGR「有り」の場合に用いられるEGR開時マップ(図5参照)と、EGR「無し」の場合に用いられるEGR閉時マップ(図6参照)とが予め作成され、ECU90のROMに格納されている。なお、第3実施形態における残余の構成は上記第1実施形態と同様であるため、その詳細の説明は省略する。
以上のとおり構成された第3実施形態における燃料噴射制御について、以下に説明する。図8において、まず、負荷状態が成層燃焼領域かが判定される(S210)。この判断は、エンジン回転数および要求負荷による燃焼領域マップの参照によって行われる。なお、基本噴射量はエンジン回転数およびスロットル開度などに基づいて別途の処理により算出される。ステップS210で否定の場合には、均質燃焼制御(S280)、つまり燃料をエンジンの燃焼室8内全体に均等に分布させる制御が行われて、処理がリターンされる。
ステップS210で肯定の場合、つまり現在の負荷状態が成層燃焼領域に該当する場合には、次に、ブレーキブースターの負圧が不足しているかが判定される(S220)。この負圧判定は、例えばバキュームセンサ71によって検出される吸気管圧力PMと所定値との比較によって行うことができる。ブレーキブースターの負圧が不足していない場合には、通常の成層燃焼制御、つまり後述する負圧確保手段実施の際のNOx低減のための進角を伴わない成層燃焼制御が行われる(S270)。
ブレーキブースターの負圧が不足している場合には、負圧確保手段としてEGRの減量とスロットル開度の減量とが行われる(S230)。
そして次に、EGRバルブが全閉かが判断され(S240)、肯定(全閉)の場合にはEGR閉時マップ(図6参照)に従って、同マップ中の限界進角値分、噴射時期が進角される(S250)。また否定の場合(すなわち全閉でない場合)には、EGR開時マップ(図5参照)に従って、同マップ中の限界進角値分、噴射時期が進角される(S260)。そして、このような進角が行われた状態で、成層燃焼制御が行われ(S270)、本ルーチンを抜ける。
以上の処理の結果、第3実施形態では、ブレーキブースターの負圧が不足した場合に、負圧確保手段の実施に加えて燃料噴射時期の進角が行われるので、燃料噴射時期と点火時期との間隔の延長によって燃焼室8内の空燃比がリーン化され、上記第1実施形態と同様の理由により、NOxを低減することができる。
以上、本発明の実施形態について述べてきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、様々な実施形態を採用することが可能である。また、上記実施形態ではCNG機関について本発明を適用した例について説明したが、本発明はLPG機関、水素機関、DME(ジメチルエーテル)機関等の他の種類の気体燃料エンジンについても広く適用可能である。
本発明の第1実施形態に係るガス燃料エンジンの全体概要図である。 燃焼領域マップを示すグラフである。 第1実施形態における燃料噴射制御を示すフロー図である。 燃料噴射時期の進角量と排出NOx量、燃費およびトルク変動特性との関係を示すグラフである。 第2実施形態においてEGR「有り」の際に用いられるEGR開時マップを示す図表である。 第2実施形態においてEGR「無し」の際に用いられるEGR閉時マップを示す図表である。 第2実施形態における燃料噴射制御を示すフロー図である。 第3実施形態における燃料噴射制御を示すフロー図である。
符号の説明
1 ガス燃料エンジン
32 スロットルバルブ
40 インジェクタ
41 燃料ボンベ
62 NOx触媒
90 電子制御装置(ECU)

Claims (3)

  1. 機関の負荷及び回転数に応じて予め規定された成層燃焼領域及び均質燃焼領域において、それぞれ成層燃焼制御及び均質燃焼制御を実行する制御手段を備えたガス燃料エンジンにおいて、
    前記機関からの排気経路中に設けられたNOx浄化触媒の劣化状態を検出する劣化検出手段と、
    機関の負荷及び回転数が前記成層燃焼領域内の均質燃焼領域に隣接する所定領域にある場合には、燃料と空気との混合時間が延長化されるように、前記劣化検出手段が検出した劣化状態に応じて、前記機関の燃料噴射時期と点火時期との間隔を補正する補正手段と
    を有することを特徴とするガス燃料エンジン。
  2. 請求項1に記載のガス燃料エンジンであって、
    前記補正が、前記燃料噴射時期の通常値に対する変更によって行われることを特徴とするガス燃料エンジン。
  3. 請求項1または2に記載のガス燃料エンジンであって、
    前記補正手段による補正量を所定値以内に制限する補正制限手段を更に備えたことを特徴とするガス燃料エンジン。
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