JP4340726B2 - アルドール化合物又はその脱水不飽和物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬中間体等の各種化成品などやその製造原料などに有用である、アルドール化合物又はその脱水不飽和物である不飽和アルデヒドないしは不飽和ケトンを、二酸化炭素を反応媒体とする触媒反応によって効率的に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルドール化合物は、カルボニル化合物の酸または塩基による触媒反応により得られることが古くから知られている。
そこで、これまでアルドール化合物を合成するため非常に多くの触媒や改良法が検討されてきた(例えば、近年では、特許文献1〜4参照)。
しかし、特許文献2〜4などの合成法では、その反応制御が主に触媒性能に依拠しているため必要に応じた連続的な反応制御は実際上不可能であるし、また、特許文献1の合成法では、二酸化炭素を用いているものの、カルボニル化合物に加えシリルエノールエーテル類という特殊な化合物を要し、場合によっては、両者の反応では、先ずアルドール化合物のβ‐ヒドロキシ基がシリル化された中間体が生じるにすぎず、さらに該中間体をアルカリ性水溶液、酸性水溶液、フッ化水素水溶液、テトラn‐ブチルアンモニウムフロリド溶液等で処理するという脱シリル化行程が余分に増え、非効率となるなどの問題があった。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−284729号公報(特許請求の範囲、7頁)
【特許文献2】
特開2002−28493号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献3】
特開2002−275120号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献4】
特開2002−275118号公報(特許請求の範囲等)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、このような事情の下、反応制御を容易に行え、中間体処理等の余分な行程を要することなく、効率的にアルドール化合物又はその脱水不飽和物を製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、より有利なアルドール化合物又はその脱水不飽和物の製造法について鋭意検討した結果、液体二酸化炭素、超臨界二酸化炭素、亜臨界二酸化炭素、気体状態の二酸化炭素等の二酸化炭素を反応媒体とし、触媒として酸化マグネシウムを用いることにより、アルドール化合物又はその脱水不飽和物を効率よく製造することが可能となり、場合によりさらに圧力制御でアルドール化合物又はその脱水不飽和物を良好な選択率で製造することが可能となることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、液体二酸化炭素、超臨界二酸化炭素、亜臨界二酸化炭素又は気体状態の二酸化炭素中、酸化マグネシウムの存在下に、α位に水素原子をもつカルボニル化合物を反応させるか或いはα位に水素原子をもつカルボニル化合物と他のカルボニル化合物とを反応させることを特徴とするアルドール化合物又はその脱水不飽和物の製造方法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明方法において原料に用いられるカルボニル化合物は、アルデヒド類又はケトン類であって、その中の少なくとも一種はα位に水素原子をもつものであり、このもののみすなわちα位に水素原子をもつカルボニル化合物のみであってもよいし、また、このものと他のカルボニル化合物であってもよい。
アルデヒド類又はケトン類は、上記制約下、一般式(1)で示される。
【0008】
【化1】
(式中、R1およびR2はいずれも水素であるか或いは一方は水素で、他方が置換又は非置換の炭化水素基又は複素環基であるか、或いはR1およびR2はそれぞれ同一または相異なって、置換又は非置換の炭化水素基又は複素環基であるか或いはR1およびR2が、それらが結合する炭素原子と共に、一緒になって、環状構造を形成するものである)
【0009】
アルデヒド類では一般式(1)の式中のR1およびR2はいずれも水素であるか或いは一方は水素で、他方が置換又は非置換の炭化水素基又は複素環基であり、また、ケトン類では一般式(1)の式中のR1およびR2はそれぞれ同一または相異なって、置換又は非置換の炭化水素基又は複素環基であるか或いはR1およびR2が、それらが結合する炭素原子と共に、一緒になって、環状構造を形成するようなものとしてもよい。
炭化水素基は特に制限されず、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香脂肪族炭化水素基等があり、脂肪族炭化水素基としてはメチル基、エチル基、n‐プロピル基、イソプロピル基、n‐ブチル基、イソブチル基、sec‐ブチル基、tert‐ブチル基、n‐ヘキシル基、n‐オクチル基、n‐デシル基、ラウリル基、ステアリル基、パルミチル基等の直鎖状、分枝鎖状アルキル基や、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、オクテニル基、ノナデセニル基、ペンタコセニル基等のアルケニル基等が、脂環式炭化水素基としてはシクロヘキシル基、シクロペンチル基等のシクロアルキル基や、シクロアルケニル基等が、芳香族炭化水素基としてはフェニル基、ナフチル基等のアリール基等が、芳香脂肪族炭化水素基としてはベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等がそれぞれ挙げられる。複素環基としては、ピロリル基、ピリジル基、フリル基、インドリル基、キノリル基、ベンゾフラニル基等が挙げられる。置換の炭化水素基又は複素環基における置換基は、本発明方法を損なわないものであれば特に制限されず、ハロゲン、アルコキシ基、水酸基、カルボキシル基、カルボアルコキシ基、アミノ基、アシル基、チオ基(例えばアルキルチオ基、フェニルチオ基、トリルチオ基、ピリジルチオ基等)、アミノ基(例えば非置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、フェニルアミノ基等)、シアノ基、ニトロ基等がある。
【0010】
アルデヒド類の具体例としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、イソブチルアルデヒド、トリメチルアセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、バレルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、2‐エチルヘキサナール、ヘプチルアルデヒド、オクチルアルデヒド、ノニルアルデヒド、デシルアルデヒド、ドデシルアルデヒド等の飽和脂肪族アルデヒド、アクロレイン、メタクロレイン、クロトンアルデヒド、2‐メチルブテナール、2‐ペンテナール、2‐オクテナール、シトロレナール、4‐デカナール、シクロプロパンカルボキシアルデヒド、シクロヘキサンカルボキシアルデヒド、1,2,3,6‐テトラヒドロベンズアルデヒド、ペリルアルデヒド、(2,6,6‐トリメチルシクロヘキシル)アセトアルデヒド、レチナール、5‐ノルボルネン‐2‐カルボキシアルデヒド、ミルテナール、クロロアセトアルデヒド、トリブロモアセトアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、ヒドロシンナムアルデヒド、2‐フェニルプロピオンアルデヒド、ベンジルオキシアセトアルデヒド、シンナムアルデヒド、4‐ヒドロキシ‐3‐メトキシシンナムアルデヒド、4‐スチルベンカルボキシアルデヒド、フェニルグリオキサール、3‐フェニルプロパナール、ベンズアルデヒド、o‐トルアルデヒド、α,α,α‐トリフルオロ‐o‐トルアルデヒド、p‐クロロベンズアルデヒド、p‐アニスアルデヒド、4‐ジメチルアミノベンズアルデヒド、p‐ニトロベンズアルデヒド、2,3‐メチレンジオキシベンズアルデヒド、2,4‐ジメチルベンズアルデヒド、4‐ビフェニルカルボキシアルデヒド、3‐(4‐メトキシフェノキシ)ベンズアルデヒド、1‐ナフトアルデヒド、2‐ナフトアルデヒド、フルフラール等が挙げられる。
【0011】
ケトン類の具体例としては、アセトン、2‐ブタノン、3‐ヘキサノン、2‐オクタノン、2‐ウンデカノン等の飽和脂肪族ケトン、ゲラニルアセトン、フルオロアセトン、クロロアセトン、1,1,1‐トリクロロアセトン、3‐クロロペンタンジオン、ジシクロヘキシルケトン、シクロブタノン、シクロペンタノン、パーフルオロシクロペンタノン、シクロヘキサノン、2‐メチルシクロヘキサノン、2‐ニトロシクロヘキサノン、シクロデカノン、カンファー、ノルカンファー、3‐クロロノルボルナノン、1‐デカロン、2‐アダマンタノン、ベンジルアセトン、1,3‐ジフェニルアセトン、2‐フェニルシクロヘキサノン、2‐インダノン、β‐テトラロン、7‐メトキシ‐2‐テトラロン、アセトフェノン、プロピオフェノン、デオキシベンゾイン、1‐インダノン、2,3‐ジフェニルインダノン、3,4‐ジメチルアセトフェノン、1′‐アセトナフトン、6′‐メチル‐2′‐アセトナフトン、2‐クロロアセトフェノン、2,2‐ジクロロアセトフェノン、2,2,2‐トリフルオロアセトフェノン、2′‐クロロアセトフェノン、3‐クロロアセトフェノン、4‐(トリフルオロメチル)アセトフェノン、2′,4′‐ジクロロアセトフェノン、2′,4′‐ジメトキシアセトフェノン、4‐ニトロアセトフェノン、ベンゾフェノン、3‐トリフルオロメチルベンゾフェノン等が挙げられる。
【0012】
本発明方法においては、上記カルボニル化合物を、単独で(この場合はα位に水素原子をもつカルボニル化合物が用いられる)或いは2種以上(この場合はα位に水素原子をもつカルボニル化合物と他のカルボニル化合物が1種以上用いられる)用い、これを液体二酸化炭素、超臨界二酸化炭素、亜臨界二酸化炭素又は気体状態の二酸化炭素中、無機酸化物触媒の存在下に反応させる。
【0013】
2種以上のカルボニル化合物を用いる場合は、α位に水素原子をもつカルボニル化合物に対し、他のカルボニル化合物全量を、モル比で1:10〜10:1、好ましくは1:1.5〜1.5:1の範囲の用量とするのがよい。
【0014】
本発明方法においては、触媒として酸化マグネシウムを用いる。
酸化マグネシウムの形態としては、高表面積となるように、粉末状、特に微粉末状の粒子で、例えば平均粒径10〜10000Å、中でも50〜3000Åの範囲のものが好ましく、また、表面積は1〜200m2/g、中でも7〜200m2/gの範囲とするのが好ましい。
【0015】
酸化マグネシウムの使用量は、それが少ないと効果が小さいため、α位に水素原子をもつカルボニル化合物のみ用いる場合はそれに対し、また、2種以上のカルボニル化合物を用いる場合は、α位に水素原子をもつカルボニル化合物及び他のカルボニル化合物全量のいずれか使用量の少ない方に対して、通常0.1モル%以上、好ましくは1モル%以上である。上限は特にないが、あまり多いと経済的に不利になりやすいため、実用的には、α位に水素原子をもつカルボニル化合物のみ用いる場合はそれに対し、また、2種以上のカルボニル化合物を用いる場合は、α位に水素原子をもつカルボニル化合物及び他のカルボニル化合物全量のいずれか使用量の多い方に対して、100モル%以下とするのがよい。
【0016】
本発明方法において、反応は、液体二酸化炭素、超臨界二酸化炭素、亜臨界二酸化炭素又は気体状態の二酸化炭素中で、カルボニル化合物と酸化マグネシウムを混合することにより行われ、通常反応器には耐圧容器が用いられる。
【0017】
その際、水を併用してもよく、それにより、圧力を制御することで、アルドール化合物の脱水不飽和物の選択率或いは収率を上げることができる。
【0018】
反応温度および圧力については、二酸化炭素の三重点は、温度が−56.5℃で圧力が0.53MPaであり、また、二酸化炭素の臨界温度は31.1℃、臨界圧力は7.38MPaであるため、液体二酸化炭素中で反応を行う場合には、反応温度−56.5℃以上、かつ圧力0.53MPa以上であって、二酸化炭素が液体である領域で反応を行えばよく、また、超臨界二酸化炭素中で反応を行う場合には、反応温度31.1℃以上、かつ圧力7.38MPa以上で反応を行えばよい。ただし、反応系内には、カルボニル化合物等の反応基質が存在しており、これら反応基質を含んだ二酸化炭素の三重点、臨界点が、二酸化炭素単独の三重点、臨界点と異なることがありうるので、かかる反応基質の影響を考慮し、反応系内で、二酸化炭素が液体または超臨界状態となるよう反応温度および圧力を適宜選択すればよい。
本発明方法において、上記のように液体二酸化炭素や超臨界二酸化炭素を用いる場合、実用的な反応温度は−50〜200℃、好ましくは−10〜150℃の範囲であり、実用的な圧力は1〜50MPa、好ましくは2〜30MPaの範囲であるが、亜臨界二酸化炭素や気体状態の二酸化炭素を用いる場合も同様である。
【0019】
また、圧力を制御することで、反応生成物の選択性を変えることが可能になる。例えば、プロピオンアルデヒドを用いた場合は、圧力が低いと(実施例1では2〜6MPa)アルドール化合物を高選択率で得ることができ、また、圧力が高いと(実施例1では8〜17MPa)アルドール化合物の脱水不飽和物を高選択率で得ることができ、また、アセトアルデヒドを用いた場合は、圧力が変動してもアルドール化合物の脱水不飽和物を高選択率で得ることができるが、特に圧力を高めると(実施例3では11〜17MPa)アルドール化合物の脱水不飽和物をより一層高選択率で得ることができる。
【0020】
本発明方法により得られる反応生成物は、従来のアルドール反応によるものと同様のアルドール化合物やその脱水不飽和物であるが、α位に水素原子をもつカルボニル化合物としてα位に活性メチレン基を有するカルボニル化合物を用いた場合について次に反応式を例示する。
【0021】
【化2】
【0022】
【実施例】
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
なお、%表示は質量基準である。
【0023】
実施例1
アルデヒドからバッチ式で触媒反応によりアルドール化合物(以下、アルドール体又はアルドールということもある)及びその脱水不飽和物(以下、脱水不飽和物又は脱水物ということもある)を製造する一例としてアルデヒドにプロピオンアルデヒドを用いた場合を示す。
すなわち、容積25mlの耐圧容器にプロピオンアルデヒド10.0mmol、触媒として高純度超微粉マグネシア100Å(商品名、宇部マテリアルズ社製、酸化マグネシウム粉末、平均粒径100Å)50mg、純水0.1mlを入れ、これを湯浴に浸け、内温80℃に保持しながら、耐圧容器に表1に示す圧力となるように二酸化炭素を導入したのち、6時間反応させた。反応後直ちに耐圧容器を氷水で急冷し、十分冷却してから開封し、次いで触媒をフィルターで除去して得られた生成物をエーテルで薄めて、GC−MS分析に付した。その結果を表1に示す。
また、これを図1、図2にグラフ表示する。図1のグラフは上記反応における圧力と各生成物(アルドール体を○で、また、脱水不飽和物を●でそれぞれ表示)の収率との関係を示し、また、図2のグラフは上記反応における圧力とアルデヒド転化率(●で表示)及び脱水不飽和物選択率(○で表示)との関係を示す。
【0024】
【表1】
【0025】
これより、圧力を2〜6MPa、中でも5MPa程度とした場合に、アルドール体を、また、圧力を9〜14MPa、中でも11〜13MPa程度とした場合に脱水不飽和物をそれぞれ高選択率で得ることができることが分かる。
【0026】
実施例2
純水を用いないこと以外は実施例1と同様にして実施した。その結果を表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】
これより、広範囲の圧力条件下、中でも5MPa程度の圧力条件下で、アルドール体を高選択率で得ることができることが分かる。
【0029】
比較例1
触媒を用いないこと以外は実施例1と同様にして実施した。その結果を表3に示す。
【0030】
【表3】
【0031】
これより、触媒が無いと、少量のアルドール体は得られるものの、その収率もアルデヒド転化率も非常に低くなることが分かる。
【0032】
比較例2
触媒及び水を用いないこと以外は実施例1と同様にして実施した。その結果を表4に示す。
【0033】
【表4】
【0034】
これより、少量のアルドール体は得られるものの、その収率もアルデヒド転化率も非常に低くなることが分かる。
【0035】
実施例3
プロピオンアルデヒドに代えてアセトアルデヒドを用いたこと以外は実施例1と同様にして実施した。その結果を表5に示す。
【0036】
【表5】
【0037】
これより、圧力が変動してもアルドール体の脱水不飽和物を高選択率で得ることができ、特に圧力を8〜17MPa、中でも11〜17MPaとした場合にアルドール体の脱水不飽和物が極めて高い選択率で得られることが分かる。
【0038】
実施例4
純水を用いないこと以外は実施例3と同様にして実施した。その結果を表6に示す。
【0039】
【表6】
【0040】
これより、水が無くても圧力を5MPaとした場合に実施例3よりアルデヒド転化率もアルドール体収率も高くなり、また、圧力を11〜14MPaとした場合に脱水不飽和物を高選択率で得ることは可能であることが分かる。
【0041】
比較例3
触媒を用いないこと以外は実施例3と同様にして実施した。その結果を表7に示す。
【0042】
【表7】
【0043】
これより、触媒が無いとアルデヒド転化率が低下し、特に圧力を5MPaや11MPaと上げた場合に非常に低くなるか反応が進行しないことが分かる。
【0044】
比較例4
触媒と水の両方を用いないこと以外は実施例3と同様にして実施したところ、反応は進行しなかった。
【0045】
実施例5〜8
原料のカルボニル化合物として表8に示す各種のものを用い、耐圧容器に圧力11MPaとなるように二酸化炭素を導入した以外は実施例1と同様にして実施した。その結果を表8に示す。
【0046】
【表8】
【0047】
これより、アルドール体と脱水不飽和物がそれぞれ得られ、特に脱水不飽和物が高選択率で得られることが分かる。
【0048】
実施例9
原料のカルボニル化合物として表9に示す2種のものを等モル用い、耐圧容器に表9に示す圧力となるように二酸化炭素を導入した以外は実施例1と同様にして実施した。その結果を表9に示す。
【0049】
【表9】
【0050】
表中、脱水物1は式
【0051】
【化3】
で表わされ、また、脱水物2は式
【0052】
【化4】
で表わされる。
【0053】
これより、圧力が変動しても脱水不飽和物が高選択率で得られることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の反応における圧力と各生成物の収率との関係を示すグラフ。
【図2】 実施例1の反応における圧力とアルデヒド転化率及び脱水不飽和物選択率との関係を示すグラフ。
Claims (4)
- 液体二酸化炭素、超臨界二酸化炭素、亜臨界二酸化炭素又は気体状態の二酸化炭素中、酸化マグネシウムの存在下に、α位に水素原子をもつカルボニル化合物を反応させるか或いはα位に水素原子をもつカルボニル化合物と他のカルボニル化合物とを反応させることを特徴とするアルドール化合物又はその脱水不飽和物の製造方法。
- さらに水を併用する請求項1記載の製造方法。
- α位に水素原子をもつカルボニル化合物が飽和脂肪族アルデヒドである請求項1又は2記載の製造方法。
- 飽和脂肪族アルデヒドがプロピオンアルデヒド、アセトアルデヒドである請求項3記載の製造方法。
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