JP4340370B2 - アクティブ消音装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクティブ消音装置において、騒音信号に対して逆位相の消音信号出力するための出力手段が、エンジンの排気管からの熱によって破損しないようにする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、エンジン排ガス管、給気ダクト、及び換気ダクト等のダクトにスピーカを設けて、該スピーカからダクト内の騒音とは逆位相の信号を出力して消音を行うアクティブ消音装置は知られている。
このようなアクティブ消音装置を、エンジンのマフラー等の排気部分に配置した場合、スピーカ等の消音信号を出力する手段は騒音通過ダクトから分岐した枝管の端部に配置されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、騒音が通過するダクトはエンジンからの高温の排ガスが通過するので、その高温の熱が枝管から入り、出力手段を破損することがあった。そこで、この出力手段が熱で破壊されないように、ファンを設けて冷却風で出力手段を冷却するようにしていたが、万が一発電機や冷却ファンが故障して冷却ファンを駆動できなかったり、落雷等で一時的に電力の供給が停止された場合等では、出力手段は短時間であっても高温に晒されると破損してしまい、アクティブ消音ができなくなっていたのである。
そこで、本発明はエンジンや発電機や冷却ファン等に異常が生じた時に、手動または自動で消音出力手段に至る枝管の途中で遮蔽して、熱が消音出力手段に至らないようにするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決する為の手段を説明する。
即ち、請求項1においては、エンジン発電機側に配置されるダクトに第一の騒音検出手段と、該ダクトの下流側に配置されて消音信号を出力する手段と、前記第一の騒音検出手段にて検出した騒音信号に対して逆位相の消音信号を算出する演算手段、及び、前記出力手段よりも下流側に配置される第二の騒音検出手段を有したアクティブ消音装置において、前記ダクトから分岐して設けた分岐管に前記消音信号出力手段を設け、前記ダクトから分岐した位置と、消音信号出力手段の配置位置との間に、開閉部材を設けた。
【0005】
また、請求項2においては、前記分岐管の外周に回動支点を設け、該回動支点に開閉部材として遮蔽板を支持し、該遮蔽板の回動により分岐口を開閉可能に構成した。
【0006】
また、請求項3においては、前記消音信号出力手段の近傍に冷却ファンを配置するとともに、前記開閉部材を前記冷却ファンの風力で開く構成とした。
【0007】
また、請求項4においては、前記開閉部材を遮蔽板とし、該遮蔽板をアクチュエーターと連結して開閉可能とした。
【0008】
また、請求項5においては、前記遮蔽板を閉じる方向に付勢した。
【0009】
また、請求項6においては、前記アクチュエーターをアクティブ消音装置を制御するコントローラと接続し、遮蔽板の開閉をアクティブ消音装置の作動と連動させた。
【0010】
また、請求項7においては、前記消音信号出力手段の近傍に冷却手段を配置してコントローラと接続し、該冷却手段に異常が発生すると遮蔽板を閉じるようにした。
【0011】
また、請求項8においては、前記消音信号出力手段の近傍に冷却手段を配置してコントローラと接続し、該冷却手段が作動している時遮蔽板を開けるようにした。
【0012】
また、請求項9においては、前記エンジン発電機をコントローラと接続し、該エンジン発電機に異常が発生すると遮蔽板を閉じるようにした。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は本発明のアクティブ消音装置の概略構成と制御を示すブロック図、図2は消音信号出力手段取付部の断面図、図3は同じく側面図、図4は遮蔽板取付部の側面断面図、図5は矩形管で構成した枝管にシャッターを設けた場合の側面断面図、図6はブラインド型の開閉部材を示す正面断面図、図7は弾性体で構成した開閉部材の側面断面図、図8は枝管に電磁弁を設けたアクティブ消音装置の概略図である。
【0014】
まず、アクティブ消音装置の概略について、エンジン発電機の排気音の消音を行うように構成したアクティブ消音装置10の例を説明する。
図1にはアクティブ消音装置の概略構成を示している。
騒音源(一次音源)となるエンジン発電機2のエンジン2aの排気管に、音源通過ダクト1を連通し、図1における左側から右側へ騒音が流れるように一次元音場を形成している。該音源通過ダクト1の騒音源側、即ち、エンジン側(図1における左側)には第一の騒音検出手段としてマイクからなる第一音波センサ4が設けられ、該音源通過ダクト1の第一音波センサ4よりも下流側(図1における右側)には、第二の騒音検出手段としてマイクからなる第二音波センサ6が設けられている。
【0015】
前記音源通過ダクト1の第一音波センサ4と第二音波センサ6との間には分岐管1aが配置され、該分岐管1aに分岐口1bが開口され、該分岐口1bの端部には枝管9を連通して、該枝管9の端部に消音出力手段としてのスピーカ3と冷却手段としての冷却ファン7が配置され、該スピーカ3近傍に温度センサー13が配置されて、そのスピーカ3部分の温度が検知されている。そして、冷却ファン7によって音源通過ダクト1から伝わってくる熱によってスピーカ3が破損されないように冷却している。
【0016】
また、前記分岐管1aと第一音波センサ4の間に複数の整音管からなるパッシブ消音装置11が配置され、本実施例では整音管11a・11bを二つ直列に配置してパッシブ消音装置11としている。該パッシブ消音装置11は高周波域の騒音を消音して低減するようにしている。但し、本実施例では該パッシブ消音装置11は音源通過ダクト1の上流側に配置しているが、音源通過ダクト1の途中部や下流側に配置することも可能である。
前記パッシブ消音装置11は、例えば、略円筒形状に形成され、内周部に吸音部材が設けられており、該吸音部材により、パッシブ消音装置内を通過する騒音を消音するように構成されている。
また、内部に吸音部材を設けたパッシブ消音装置11は、高周波域の騒音の消音効果が高くなるように、その内部容積等が設定されている。
【0017】
そして、前記第一音波センサ4、第二音波センサ6、冷却ファン7、温度センサー13がコントローラ5と接続され、スピーカ3はアンプ12を介してコントローラ5に接続されている。
該第一音波センサ4は騒音である排気音を検知し、スピーカ3は前記排気音と逆位相の音波を出力して消音するためのものであり、第二音波センサ6は消音作用の結果をモニターしてコントローラ5へフィードバックする。コントローラ5は前記第一音波センサ4により検出した騒音信号に対して逆位相の消音信号を算出演算したり、フィードバック信号からさらに効率よく消音する信号を演算して出すようにアクティブ消音装置10を制御したり、更に、エンジン発電機2や警報装置16や後述する本発明の開閉部材等を制御している。
【0018】
該警報装置16はランプ17やブザー19やモニター20等からなり、前記温度センサー13の検出値が第一設定温度以上になると、冷却ファン7が駆動され、第一設定温度以下となると冷却ファン7が停止される。また、温度センサー13が第一設定温度以上の第二設定温度となると、警報装置16が作動されてオペレーターに認識させ、エンジン発電機2を停止させたりする。また、コントローラ5にはタイマー18を接続してエンジン発電機2が停止した後、設定時間冷却ファン7を駆動して、余熱でスピーカ3が破損することを防止している。
【0019】
以上の如く構成されたアクティブ消音装置における動作について説明する。
即ち、エンジン発電機2を作動させると、エンジンが運転されて音源通過ダクト1から排気ガスが排出されると、それに伴う排気音が第一音波センサ4で検出され、その検出信号がコントローラ5に入力されて、この検出信号はコントローラ5によって同振幅で逆位相の消音信号が生成される。この消音信号がアンプ12を介してスピーカ3に出力されて、消音用音波が出力される。この消音用音波が、音源通過ダクト1から放出される排気音に対して逆位相で同振幅となるようにしてあるので、消音用音波で排気音が打ち消されて消音作用がなされることになる。
さらに排気音と消音用音波の合成音波が第二音波センサ6で検知(モニタ)されて、消音作用の結果がコントローラ5にフィードバックされ、消音作用がより十分に行われるように消音信号が補正されるのである。
【0020】
尚、一般に排気音の成分は、そのほとんどがエンジンの回転数と気筒数とから決まる成分と、その高調波とで構成される比較的低い周波数成分であり、しかも排気管内でこれを検出すると周波数の低い成分ほど増強される度合いが強い。
このため、第一音波センサ4の出力信号をそのままコントローラ5に入力したのでは、周波数の低い成分に対する消音作用が大きくなる反面、感度が高くて耳ざわりになりやすい周波数領域の成分に対する消音作用は不十分となる。
【0021】
そこでアクティブ消音装置10に、さらにパッシブ消音装置11を設けることで、通常低周波域での消音効果が高いアクティブ消音装置による消音に加えて、高周波域での消音効果が高いパッシブ消音装置11による消音により、全周波数域での消音効果を向上するようにしているのである。
【0022】
次に、消音出力手段の冷却構成について説明する。
図1、図2において、分岐管1aはT字型パイプに構成されて、分岐口1bに枝管9が連通され、該枝管9の他端にスピーカ3と冷却ファン7と温度センサー13が一体的に配置されている。
即ち、枝管9の先端部にスピーカ3が固定され、枝管9の端部の一部を重複して、その外周に冷却ケース44が固設されてスピーカ3を収納している。この枝管9と冷却ケース44が重複している部分に形状は限定しないが、例えばドーナッツ状等の空間を形成して空気室39としている。該空気室39が位置する枝管9の外周部分に比較的小さな孔に形成した連通孔9a・9a・・・が開口されて、冷却ケース44内と枝管9内が連通されている。
【0023】
そして、前記冷却ケース44の他端側に空気導入パイプ45が連通され、空気源と連通されている。この導入パイプ45を冷却ケース44に連通する連通口44aの内部側に冷却ファン7が設置され、スピーカ3の背面側に冷却ファン7を配置している。該冷却ファン7は軸流ファンや横断流ファン等限定するものではないが、本実施例ではターボファンを用いている。そして、図2、図3に示すように、冷却ファン7の吐出部の冷却ケース44に連通孔44bが開口され、前記連通孔9aが配置される重複部分の冷却ケース44に連通孔44cが開口され、該連通孔44bと連通孔44cの間の冷却ケース44の外面に半円筒状の連通管46が固定されて、冷却ファン7の吐出部と空気室39が連通されている。
【0024】
また、前記空気導入パイプ45には切換バルブ48が介装され、該切換バルブ48は3位置切換の電磁バルブで構成してコントローラ5と接続し、空気源としての大気と連通する連通位置と、導入パイプ45の他側に配置するエアタンク47と連通する位置と、連通を遮断するブロック位置に切換可能としている。該エアタンク47はエンジン2aに付設するコンプレッサー49と接続されている。該コンプレッサー49はエンジン2aがディーゼルエンジンの場合には殆ど搭載されており、例えば、エンジン起動用に使われたり、または、他のエアアクチュエーター(エアシリンダー等)を駆動するために搭載している。
【0025】
そして、前記切換バルブ48はエンジン2aに付設した発電機2bが作動して電力が供給され冷却ファン7が駆動されると、大気側に切り換えて冷却風をスピーカ3側に送り冷却し、エンジン2aや発電機2bの故障や停電や落雷等で電力が供給されなくなると、エアタンク47側に切り換えて圧縮空気を送りスピーカ3を冷却する。そして、エアタンク47内の圧力が下がると、またはタイマー18で設定した設定時間が経過すると、切換バルブ48をブロック位置に切り換えて、スピーカ3を含む枝管9内の空気の流動を止めて、ダクト1からの熱がスピーカ3側へ至らないようにしている。
【0026】
このような構成において、エンジン発電機2が運転中は常時冷却ファン7は駆動されて、同時に切換バルブ48のソレノイド48aに電力が供給されて、切換バルブ48が大気側に切り換わり、スピーカ3を冷却する。つまり、冷却ファン7の駆動によって大気が切換バルブ48、導入パイプ45を介して吸引され、冷却ファン7の吐出口から連通孔44b、連通管46、連通孔44c、連通孔9aを介して枝管9内に入り、音源通過ダクト1側に冷却空気が送られて、スピーカ3の近傍を冷却する。そして、エンジン発電機2が停止し、あるいは、エンジン2aや発電機2bの故障による停電や落雷等により発電機2bより電力が供給されない場合等においては、前記温度センサ13の検出値が第一設定温度以上であると、非常用電源14からインバーター15を介してDC−AC変換されて冷却ファン7が駆動され、第二設定温度以下となると冷却ファン7が停止される。また、コントローラ5にはタイマー18を接続してエンジン発電機2が停止した後、設定時間冷却ファン7を駆動して、余熱でスピーカ3が破損することを防止しており、前記どちらかの温度または時間に先に到達したときに冷却ファン7を停止するようにしている。
【0027】
また、エンジン発電機2が停止した後に、非常用電源14からの電力で冷却ファン7を駆動する代わりに、前記第一設定温度以上のときに切換バルブ48を切り換えて、エアタンク47内の空気を冷却ケース44に送りスピーカ3を冷却するようにすることもできる。この場合非常用電源14を使用しないので、電力の消費を削減できる。その後、切換バルブ48をブロック位置に切り換えて空気が流動しないようにする。
【0028】
また、前記消音出力手段となるスピーカ3を音源通過ダクト1側からの熱により保護する構成として次のように構成している。
即ち、図1、図4に示すように、前記分岐口1bと枝管9を連結する部分には開閉部材となる遮蔽板66が配置されており、該遮蔽板66は分岐口1bと枝管9のフランジ部1e・9bの間に固定され、該遮蔽板66は小判型に構成されて、遮蔽板66の中央を回動支点として、前記フランジ部1e・9bに設けた回動支点軸65に回転自在に支持され、一側に枝管9及び分岐口1bの開口に合わせた連通孔66aが設けられ、他側は枝管9及び分岐口1bの開口を閉じる広さの板体としている。なお、66bは遮蔽板66で分岐口1bを閉じた時に、フランジ部1e・9bに固定するためのボルト孔である。
このように構成することによって、エンジン2aや発電機2bやインバーター15等が故障した場合等で、冷却ファン7が駆動できなかったり、エアを送ることができなくなった場合でも、フランジ部1e・9bを固定するボルトを外して、回動支点軸65を中心に遮蔽板66を180度回転させることによって、分岐口1bを閉じることができ、ダクト1側から熱風がスピーカ3側へ入ることができず、人力によって確実にスピーカ3を保護することができるのである。
【0029】
また、開閉部材の他の実施例として、前記遮蔽板66は枝管9または分岐口1bを矩形状に構成した場合には、図5で示すように、フランジ部1e・9bにレールを構成してシャッター67を摺動させて開閉できるように構成することもできる。但し、摺動部には音や排気が漏れないようにシールする必要がある。
また、開閉部材として図6に示すように、遮蔽板66の代わりにブラインド状の開閉片68を用いることもできる。即ち、短冊状の開閉片68・68・・・を上下の一部が重複するように平行に配置して、各開閉片68の上部側面に枢支軸68a・68aを水平外方向に突出し、各枢支軸68a・68aを枝管9または分岐口1bの内側面に上下方向に順に枢支する。
【0030】
このように構成することによって、冷却ファン7が作動すると、該冷却ファン7の風力によって開閉片68が開き、冷却ファン7が停止すると開閉片68の自重によって垂れ下がって閉じるのである。即ち、エンジン発電機2が作動してアクティブ消音を行うと、冷却ファン7が駆動されてスピーカ3を冷却し、その風力によって開閉片68・68・・・が開きアクティブ消音ができる。そして、アクティブ消音を終了したり、電源側が故障したり、冷却ファン7が故障すると、冷却ファン7が停止し、風力が落ちて開閉片68・68・・・は閉じてダクト側からの熱はスピーカ3側へ入ることはなく保護することができるのである。なお、開閉片68は軽量で容易に冷却ファン7の風で回動できるようにする。
【0031】
また、円筒状の枝管9または分岐口1bの場合には、開閉片68の代わりに図7に示すように、枝管9または分岐口1bの断面と略等しい弾性体板69によって閉じ、該弾性体板69はゴムや合成樹脂等で構成して、中心より放射状に切り込み69a・69a・・・を設け、冷却ファン7を駆動すると、その風力によって押し広げられ、停止すると弾性体板69の有する弾性によって元に戻り閉じるように構成することもできる。なお、矩形管の場合も短冊状となるように切り込みを入れることもできる。
【0032】
また、前記遮蔽板66またはシャッター67をシリンダーやモーター等のアクチュエーターで駆動して開閉することも可能であり、該アクチュエーターは前記コントローラ5と接続され、エンジン停止時や故障等の場合に自動で閉じるようにしたり、監視室等のアクティブ消音装置10から離れた位置の操作盤で開閉操作できるようにすることもできる。
また、遮蔽板66またはシャッター67の代わりに図8に示すように、電磁バルブ70を枝管9または分岐口1bに配置してコントローラ5と接続し、該電磁バルブ70を開閉するように構成することもできる。なお、この場合電磁バルブ70のソレノイドがアクチュエーターとなる。また、前記遮蔽板66またはシャッター67はバネ等によって常時閉じるように付勢し、電磁バルブ70も電力の供給がなくなると閉じる側に切り換わるようにする。
【0033】
このような構成において、コントローラ5によって次のように前記アクチュエーターを制御する。即ち、エンジン2aが始動すると、或いは、発電機2bが作動して設定電圧以上となると、或いは、第一設定温度以上となると、或いは、冷却ファン7が駆動すると、アクチュエーターが作動されて、開閉部材が開けられて、ダクト側からの音は枝管9側に入り、スピーカ3は冷却ファン7で冷却される。
そして、エンジン2a、または、発電機2b、または、冷却ファン7が停止したり、または、故障したり、または、その他の音波センサ4・6やインバーター15等が故障して警報装置16が作動してエンジン発電機2を停止させた場合には、アクチュエーターを駆動して、または、付勢部材によって開閉部材を閉じ、ダクト側から熱が消音出力発生部材に至らないようにするのである。
但し、前記開閉部材の配置位置は分岐口1bや枝管9に限定されるものではなく、ダクト1から分岐した位置と、消音信号出力手段の前部位置の間であればよい。
【0034】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。即ち、請求項1の如く、エンジン発電機側に配置されるダクトに第一の騒音検出手段と、該ダクトの下流側に配置されて消音信号を出力する手段と、前記第一の騒音検出手段にて検出した騒音信号に対して逆位相の消音信号を算出する演算手段、及び、前記出力手段よりも下流側に配置される第二の騒音検出手段を有したアクティブ消音装置において、前記ダクトから分岐して設けた分岐管に前記消音信号出力手段を設け、前記ダクトから分岐した位置と、消音信号出力手段の配置位置との間に、開閉部材を設けたので、該開閉部材を閉じることにより、エンジンの排気側からの熱を遮断して、消音信号手段に高温の熱が伝わることがなく、消音出力手段を保護することができる。
【0035】
また、請求項2の如く、前記分岐管の外周に回動支点を設け、該回動支点に開閉部材として遮蔽板を支持し、該遮蔽板の回動により分岐口を開閉可能に構成したので、回動支点を中心に遮蔽板を180度回動すると、遮蔽板が分岐口を閉じるようになり、手動で閉じることができて、電源等の駆動が不要となり、安価に開閉部材を構成でき、冷却部材や発電機が故障した場合等において消音出力手段を保護できる。
【0036】
また、請求項3の如く、前記消音信号出力手段の近傍に冷却ファンを配置するとともに、前記開閉部材を前記冷却ファンの風力で開く構成としたので、冷却ファンが作動していないときには、開閉部材は閉じており、熱が消音出力手段側へ至らず保護でき、冷却ファンの風力が所定以上となると開閉部材が開いて冷却できるようになり、開閉するための駆動源が不要でランニングコストが不要な保護装置を構成できる。
【0037】
また、請求項4の如く、前記開閉部材を遮蔽板とし、該遮蔽板をアクチュエーターと連結して開閉可能としたので、該アクチュエーターを操作手段と連結することで、外部より遠隔操作によって任意に開閉操作が可能となり、また、アクチュエーターをコントローラと接続することにより、自動で開閉することも可能となる。
【0038】
また、請求項5の如く、前記遮蔽板を閉じる方向に付勢したので、アクチュエーターやその他エンジンや発電機等が故障した場合、常に遮蔽板は閉じられるので、熱が消音出力手段側へ至らず保護ができ、所謂、フェールセーフとすることができる。
【0039】
また、請求項6の如く、前記アクチュエーターをアクティブ消音装置を制御するコントローラと接続し、遮蔽板の開閉をアクティブ消音装置の作動と連動させたので、アクティブ消音装置が作動するときに開いて、アクティブ消音装置を作動させないときや故障等の時には遮蔽板を閉じて、消音出力手段を保護することができる。
【0040】
また、請求項7の如く、前記消音信号出力手段の近傍に冷却手段を配置してコントローラと接続し、該冷却手段に異常が発生すると遮蔽板を閉じるようにしたので、冷却手段が異常となったときに消音出力手段に熱が至ることを防止でき、破損を未然に防ぐことができる。
【0041】
また、請求項8の如く、前記消音信号出力手段の近傍に冷却手段を配置してコントローラと接続し、該冷却手段が作動している時遮蔽板を開けるようにしたので、冷却手段が作動していないときには遮蔽板は常に閉じることとなり、冷却していないときにはダクトから熱が入ることがなく、冷却時のみ遮蔽板が開けられて消音出力手段は熱により破損することを防止できる。
【0042】
また、請求項9の如く、前記エンジン発電機をコントローラと接続し、該エンジン発電機に異常が発生すると遮蔽板を閉じるようにしたので、発電機が故障してエンジンが作動し、熱は発生しているが電力が供給されず冷却手段は停止した場合や、エンジンが停止して冷却手段も停止し余熱がある場合等において、熱が消音出力手段に至らず、保護できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアクティブ消音装置の概略構成と制御を示すブロック図である。
【図2】消音信号出力手段取付部の断面図である。
【図3】同じく側面図である。
【図4】遮蔽板取付部の側面断面図である。
【図5】矩形管で構成した枝管にシャッターを設けた場合の側面断面図である。
【図6】ブラインド型の開閉部材を示す正面断面図である。
【図7】弾性体で構成した開閉部材の側面断面図である。
【図8】枝管に電磁弁を設けたアクティブ消音装置の概略図である。
【符号の説明】
1 音源通過ダクト
1b 分岐口
2 エンジン発電機
3 スピーカ
4 第一音波センサ
5 コントローラ
6 第二音波センサ
7 冷却ファン
9 枝管
66 遮蔽板
68 開閉片

Claims (9)

  1. エンジン発電機側に配置されるダクトに第一の騒音検出手段と、該ダクトの下流側に配置されて消音信号を出力する手段と、前記第一の騒音検出手段にて検出した騒音信号に対して逆位相の消音信号を算出する演算手段、及び、前記出力手段よりも下流側に配置される第二の騒音検出手段を有したアクティブ消音装置において、前記ダクトから分岐して設けた分岐管に前記消音信号出力手段を設け、前記ダクトから分岐した位置と、消音信号出力手段の配置位置との間に、開閉部材を設けたことを特徴とするアクティブ消音装置。
  2. 前記分岐管の外周に回動支点を設け、該回動支点に開閉部材として遮蔽板を支持し、該遮蔽板の回動により分岐口を開閉可能に構成したことを特徴とする請求項1記載のアクティブ消音装置。
  3. 前記消音信号出力手段の近傍に冷却ファンを配置するとともに、前記開閉部材を前記冷却ファンの風力で開く構成としたことを特徴とする請求項1記載のアクティブ消音装置。
  4. 前記開閉部材を遮蔽板とし、該遮蔽板をアクチュエーターと連結して開閉可能としたことを特徴とする請求項1記載のアクティブ消音装置。
  5. 前記遮蔽板を閉じる方向に付勢したことを特徴とする請求項4記載のアクティブ消音装置。
  6. 前記アクチュエーターをアクティブ消音装置を制御するコントローラと接続し、遮蔽板の開閉をアクティブ消音装置の作動と連動させたことを特徴とする請求項4記載のアクティブ消音装置。
  7. 前記消音信号出力手段の近傍に冷却手段を配置してコントローラと接続し、該冷却手段に異常が発生すると遮蔽板を閉じるようにしたことを特徴とする請求項6記載のアクティブ消音装置。
  8. 前記消音信号出力手段の近傍に冷却手段を配置してコントローラと接続し、該冷却手段が作動している時遮蔽板を開けるようにしたことを特徴とする請求項6記載のアクティブ消音装置。
  9. 前記エンジン発電機をコントローラと接続し、該エンジン発電機に異常が発生すると遮蔽板を閉じるようにしたことを特徴とする請求項6記載のアクティブ消音装置。
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