JP4339530B2 - 光ディスク - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、少なくとも一つ以上の半透過反射膜から成る信号記録層を備えた情報記録媒体としての多層光ディスクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば高密度情報記録用の光ディスクは、その情報記録の方式により、両面記録,片面記録そして記録層の数により単層または多層の種類に分かれており、例えば片面単層,片面二層,両面単層及び両面二層の型式がある。
これらの型式のうち、片面二層の光ディスクは、以下のように構成されている。
【0003】
図1は、片面二層の光ディスクを示している。
図において、光ディスク1は、例えばポリカーボネイト等の透明合成樹脂から成る円板状の第一のディスク基板2の表面(下面)が、情報を表わす形状に形成されていて、この下面に対してアルミニウム薄膜による反射膜3が形成され、この反射膜3の表面に保護膜4が形成され、さらにその表面に対して、第一のディスク基板2と同様の第二のディスク基板5が、接着層6を介して当接され、前記接着層6を硬化させることにより、ディスク基板2,5を貼り合わせることにより、構成されている。
【0004】
ここで、第一のディスク基板2の外側面には、例えば記録内容を示すための不定形の印刷パターン7が形成されている。
また、第二のディスク基板5の内側面は、情報を表わす凹凸形状に形成された後、反射膜3の代わりに、半透過反射膜5aが形成されている。
【0005】
このような構成の片面二層の光ディスクによれば、図において、下方から光ビームを反射膜3または半透過反射膜5aに照射して、その反射光ビームを検出することにより、信号読取を行なうようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような片面二層の光ディスクにおいては、その半透過反射膜5aは、一般的に金,シリコンやこれらの化合物から構成されている。
しかしなから、金は、貴金属であることから、材料コストが高くなってしまうため、光ディスク一枚当たりの製造コストに占める成膜材料の割合が高くなってしまう。
【0007】
シリコンは、金と比較して低価格であるが、硬くて脆い特性であることから、ディスク基板へのスパッタリング法による成形時に、ターゲットとして加工することが困難である。また、スパッタチャンバー壁や防着板に堆積したシリコンがフレーク状となってスパッタチャンバー内に剥がれ落ちることにより、ディスク基板表面やシリコンによる半透過反射膜の表面が汚染されてしまう等のトラブルが発生しやすい。このため、シリコンをターゲットとして使用した場合、半透過反射膜を成膜するための装置を頻繁に停止させて、スパッタチャンバ壁や防着板等を洗浄する必要があった。
【0008】
さらに、銀またはその合金は、高反射率であり、上述した成膜時の問題も発生しないので、半透過反射膜の材料として使用することが可能である。しかしながら、銀またはその合金は、耐久性に乏しいことから、まだ実用化はされていない。
【0009】
これに対して、コストの面から、アルミニウムを半透過反射膜の材料として使用することも考えられる。しかし、金属膜形成等に通常用いるアルミニウムは耐久性が低いという欠点があること等から、全反射膜よりも薄い膜厚でなる半透過反射膜に適用する場合、純アルミニウムにより成膜することができないことは明らかである。
このような観点から、アルミニウムを使用した場合に、いかなる合金とすればよいか等については、未だ十分な検討がなされていない。
【0010】
本発明は、以上の点に鑑み、半透過反射膜の材料としてアルミニウムを使用することにより製造コストを低減でき、しかも半透過反射膜が、要求される十分な耐久性を備える光ディスクを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的は、請求項1の発明によれば、円板状のディスク基板の少なくとも片面にて、重ねて配設された二つ以上の信号記録層を含んでおり、前記ディスク基板を透過させて光を前記信号記録層に照射し、記録された信号を読み取るようにした光ディスクであって、前記信号記録層のうち、読み出し側から最も遠い信号記録層が反射膜として形成され、他の信号記録層が、膜厚9nmないし12nmで形成された半透過反射膜であり、前記半透過反射膜が、アルミニウム(Al)と、他の金属として、タン(Ti)およびMnのみとを含むアルミニウム合金により形成されている、ディスクにより、達成される。
【0012】
請求項1の構成によれば、半透過反射膜を構成するアルミニウム合金においてタン(Ti)が添加されていることにより、アルミニウム結晶粒が微細化される。これにより、転位の発生が抑制され、半透過反射膜の強度が高められるので、膜変形が発生しにくくなり、安定した状態に保持されると共に、アルミニウム結晶粒の微細化により、結晶粒界腐蝕が防止され、半透過反射膜の耐久性が高められることになる。
【0013】
また、半透過反射膜を構成するアルミニウム合金において、タン(Ti)の添加により、シリコン(Si)と同様に、アルミニウム結晶粒が微細化がされるだけでなく、アルミニウムの電気伝導度が低下することになり、アルミニウムと異種金属との電食作用が防止されるので、より一層半透過反射膜の耐久性が高められることになる。
【0016】
求項1構成において、前記半透過反射膜が、タン(Ti)に加えて、さらにマンガン(Mn)を添加したアルミニウム合金から構成されていることを特徴とする。請求項の構成によれば、半透過反射膜を構成するアルミニウム合金に対してさらにマンガン(Mn)が添加されることにより、アルミニウムに含まれる不純物としての鉄(Fe)がアルミニウムと反応してFeAl3になることが防止される。これにより、針状結晶であるFeAl3によってアルミニウム合金が硬く且つ脆くなることが阻止され、アルミニウム合金そして半透過反射膜の腐蝕が防止されることになる。
【0017】
請求項の発明は、請求項1構成において、前記半透過反射膜が、ルミニウム(Al)に、チタン(Ti)とマンガン(Mn)を含むアルミニウム合金あって、ンガン(Mn)の含有量が0.2ないし2.0重量パーセント、チタン(Ti)の含有量が0.05ないし2.0重量パーセントとされていることを特徴とする。
請求項の構成によれば、半透過反射膜を、ルミニウム(Al)に、チタン(Ti)とマンガン(Mn)を含むアルミニウム合金で形成する場合の含有量は、シリコン(Si)が0.3ないし2.0重量パーセント、マンガン(Mn)が0.2ないし2.0重量パーセント、チタン(Ti)が0.05ないし2.0重量パーセントとするものである。
【0018】
すなわち、ンガン(Mn)の含有量が0.2重量パーセントよりも少ないと、上述した膜の耐久性について、要求される効果を得られない。マンガン(Mn)の含有量が2.0重量パーセントを超えると、半透過反射膜の反射率が低下する。
チタン(Ti)の含有量が0.05重量パーセントよりも少ないと、上述した膜の耐久性について、要求される効果を得られない。チタン(Ti)の含有量が2.0重量パーセントを超えると、製造過程における溶融が極端に困難になり、合金の形成を妨げる。
【0019】
請求項の発明は、請求項の構成において、前記マンガン(Mn)の含有量が0.3ないし2.0重量パーセントであることを特徴とする。
請求項の構成によれば、好ましくは、前記半透過反射膜を形成するためのアルミニウム合金に含有されるマンガン(Mn)の含有量を0.3重量パーセント以上とすることで、より十分な膜耐久性を得ることができる。
【0020】
請求項の発明は、請求項の構成において、前記チタン(Ti)の含有量が0.05ないし1.0重量パーセントであることを特徴とする。
請求項の構成によれば、好ましくは、前記半透過反射膜を形成するためのアルミニウム合金に含有されるチタン(Ti)含有量を1.0重量パーセントまでに抑えることで、製造過程においてチタン(Ti)を溶融しやすくして、合金の形成を容易にすることができる。
【0021】
求項1構成において、前記半透過反射膜の膜厚が、9nmないし12nmであることを特徴とする。請求項の構成によれば、前記半透過反射膜の膜厚が、9nm以上ないと、当該半透過反射膜における反射光量が不足する。また、半透過反射膜の膜厚が、12nmを超えると、当該半透過反射膜よりも奥側の膜による反射光量が不足する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施形態を図1を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0023】
本実施形態を説明するために図面に表れる形状は、従来の光ディスク1の断面の形状と同じであることから、上述した従来の光ディスク1の構造を説明するための図1を用いて、従来の光ディスクと本実施形態の光ディスクとを共通の図面を参照して本実施形態の構成を説明する。このため、従来の光ディスク1と対応する本実施形態の各構成には、従来の光ディスク1と異なる符号を併記して示している。
図1において、光ディスク10は、片面二層式の光ディスクであって、例えばポリカーボネート,アクリル樹脂,ポリオレフィン等のプラスチックから成る円板状の第一のディスク基板11及び第二のディスク基板12と、各ディスク基板11,12の互いに対向する内面にそれぞれ形成された反射膜13及び半透過反射膜14と、これらの反射膜13及び半透過反射膜14の表面を覆う保護膜15,16と、保護膜15,16を貼り合わせる接着層17とを有している。
この光ディスク10は、図において下方から光ビームが照射され、反射膜13及び半透過反射膜14でなる各信号記録層に記録された情報が片側から読みだされるようになっている。
【0024】
前記ディスク基板11,12は、それぞれ読み出し側から見て、最も奥側の反射膜13とこれより手前の半透過反射膜14による信号記録層のベースとして使用されるものであり、射出成形法等により成形され、その際内面が、例えばスタンパを利用することにより、情報を表わす形状(例えばピット)に形成される。
【0025】
前記反射膜13は、従来の光ディスク1の反射膜と同様に、例えばアルミニウム合金により、例えば膜厚45乃至60nmで形成されている。
ここで、反射膜13を構成する材料は、反射膜13の耐久性やコストの点で可能であるならば、半透過反射膜14と同じ材料であることが望ましい。
この反射膜13においては、アルミ合金の膜厚が厚いことにより、十分に高い反射率が得られる。
【0026】
半透過反射膜14は、本実施形態では、特に、アルミニウム合金で形成されている。
半透過反射膜14は、例えば、ディスク基板12の表面に、後述する合金のターゲットを用いたスパッタリングにより形成される。このスパッタ条件としては、チャンバー内に、5ないし12sccmの流量でアルゴンガスを導入し、出力2.00kWの電力を印加して、成膜時間を1.00秒とすることで、後述する膜厚の半透過反射膜14を形成することができる。
図2は、実際に半透過反射膜14をアルミニウム合金で形成した場合の実施例1ないし11と比較例を示しており、その際の合金の組成と各金属の合金中への含有量(重量パーセント)を示しており、あわせて、膜の耐久性をテストした表である。
【0027】
半透過反射膜14は、アルミニウムと、シリコン(Si)またはチタン(Ti)を含むアルミニウム合金にマンガン(Mn)を添加したもの、あるいは、これら全てを含有するアルミニウム合金で形成される。
このように、半透過膜14を形成するためのアルミニウム合金では、アルミニウムにシリコン(Si)またはチタン(Ti)が添加されていることにより、アルミニウム結晶粒が微細化される。これにより、転位の発生が抑制され、半透過反射膜の強度が高められるので、膜変形が発生しにくくなり、安定した状態に保持されると共に、アルミニウム結晶粒の微細化により、結晶粒界腐蝕が防止され、半透過反射膜の耐久性が高められる。
図2の実施例11は、アルミニウムとシリコンで合金を形成した場合である。
【0028】
図2の実施例1ないし4及び実施例10は、半透過反射膜14を、アルミニウムに対して、シリコンとマンガンを加えたアルミニウム合金で形成した例を示している。
また、実施例6と実施例7及び実施例9は、半透過反射膜14を、アルミニウムに対して、チタンとマンガンを加えたアルミニウム合金で形成した例を示している。
実施例8は、半透過反射膜14を、アルミニウムに対して、シリコンとチタンとマンガンを加えたアルミニウム合金で形成した例を示している。
【0029】
これらの実施例において、半透過膜14を形成するためのアルミニウム合金では、アルミニウムに、チタン(Ti)が添加される場合には、チタン(Ti)の添加により、シリコン(Si)と同様に、アルミニウム結晶粒が微細化がされるだけでなく、アルミニウムの電気伝導度が低下することになり、アルミニウムと異種金属との電食作用が防止されるので、より一層半透過反射膜の耐久性が高められることになる。
【0030】
そして、半透過反射膜14が、アルミニウム(Al)と、シリコン(Si)及びチタン(Ti)を含むアルミニウム合金により形成されている場合には、各金属を加える場合の効果が相乗効果となって発揮される
【0031】
さらに、半透過反射膜14が、シリコン(Si)及び/またはチタン(Ti)に加えて、さらにマンガン(Mn)を添加したアルミニウム合金から構成されている場合には、次のような効果がある。
すなわち、アルミニウム合金に対してさらにマンガン(Mn)が添加されることにより、アルミニウムに含まれる不純物としての鉄(Fe)がアルミニウムと反応してFeAl3 になることが防止される。これにより、針状結晶であるFeAl3 によってアルミニウム合金が硬く且つ脆くなることが阻止され、アルミニウム合金そして半透過反射膜の腐蝕が防止されることになる。
【0032】
次に、図2に基づいて、上述のアルミニウム合金が含有するアルミニウム以外の他の金属の含有量について説明する。
実施例11に見るように、半透過反射膜14を形成するアルミニウム合金を得る上で、アルミニウムにシリコンだけを添加する場合には、その含有量を0.2重量パーセント以上とした場合に、成膜後、半透過反射膜14を大気暴露して、10日以上20日未満の耐久性を得ることができた。また、これとは逆にアルミニウムにシリコンだけを添加する場合には、その含有量が0.2重量パーセントを下回ると、耐久性が損なわれると考えられる。
ここで、半透過反射膜14の耐久性は、大気暴露された半透過反射膜14が腐食して、光反射率が低下し、この状態で光ディスク10を形成した時に、再生信号のジッター(Jitter)が増大する。図2では、ジッターが8.0パーセント以下を、耐久性に関して良品として○印を付している。
【0033】
また、実施例11を除く他の実施例に示されているように、シリコン(Si)の含有量が0.3重量パーセントよりも少ないと、上述した膜の耐久性について、要求される効果を得られない。シリコン(Si)の含有量が2.0重量パーセントを超えると、後述する半透過反射膜14の反射率が低下する。
マンガン(Mn)の含有量が0.2重量パーセントよりも少ないと、上述した膜の耐久性について、要求される効果を得られない。マンガン(Mn)の含有量が2.0重量パーセントを超えると、後述する半透過反射膜14の半透過反射膜の反射率が低下する。
チタン(Ti)の含有量が0.05重量パーセントよりも少ないと、上述した膜の耐久性について、要求される効果を得られない。チタン(Ti)の含有量が2.0重量パーセントを超えると、製造過程における溶融が極端に困難になり、合金の形成を妨げる。
【0034】
しかも、好ましくは、半透過反射膜14を形成するためのアルミニウム合金に含有されるマンガン(Mn)の含有量を0.3重量パーセント以上とすることで、より十分な膜耐久性を得ることができる。
すなわち、実施例1と実施例10とを対比すると、実施例1の方が膜の耐久性が高い。
【0035】
さらに、半透過反射膜14を形成するためのアルミニウム合金に含有されるチタン(Ti)含有量を1.0重量パーセントまでに抑えることで、製造過程において、合金の溶融温度が摂氏950度程度となることから、合金の形成をより容易にすることができる。
そして、図2に示していないが、実施例12として、半透過反射膜14を形成するためのアルミニウム合金をアルミニウム(Al)に、シリコン(Si)、チタン(Ti)、マンガン(Mn)の全てを含有させてアルミニウム合金を形成した場合において、種々試みた結果、シリコン(Si)の含有量が1.1重量パーセントないし1.3重量パーセント、チタン(Ti)の含有量が0.12重量パーセントないし0.17重量パーセント、マンガン(Mn)の含有量が0.8重量パーセントないし1.0重量パーセントとするのが最も好ましい。すなわち、このような組成とすると、半透過反射膜14の膜の耐久性が高く、また、合金化することによる光の反射率の低下が少なく、さらに、この組成によれば、溶融しやすく、合金の作成が容易であり、金属間化合物が生成されにくいという点で、最も優れた半透過反射膜14を得ることができる。
【0036】
図3は、このようなアルミニウム合金で形成された半透過反射膜14と読み取り(もしくは記録用)光ビームL1,L2(図1参照)の反射率との関係を示している。
この半透過反射膜14の膜厚は、光ディスクの規格書に規定された反射率(例えばDVD規格においては、18パーセント以上30パーセント以下)となるように選定される必要がある。
したがって、図3の表より、半透過反射膜14の膜厚は、9nm以上で、12nm以下に設定される。
【0037】
図1の保護膜15,16は、例えばエポキシアクリレート系の紫外線硬化樹脂を反射膜13または半透過反射膜14の表面にコーティングし、紫外線照射により硬化させることにより、形成される。
尚、この保護膜15,16は、省略されてもよい。
【0038】
図1の接着層17は、第一の基板11または第二の基板12の内面(実際には、前記保護膜15,16の表面)に対して、例えば、スピンコート法等により塗布された所定厚さの接着剤により形成されており、第一の基板11及び第二の基板12を貼り合わせることにより、第一の基板11と第二の基板12を貼り合わせた状態で固定保持する。
尚、接着層17により互いに貼り合わされた第一の基板11及び第二の基板12のうち、第一の基板11の信号記録層とは反対側の面(外面)は、直接にまたは所謂レーベルにより、品番,記録内容等の必要事項の表示(図示せず)等が印刷される。
【0039】
本実施形態による光ディスク10は、以上のように構成されており、以下のように再生される。
図1において、光ディスク10の反射膜13による信号記録層の再生の場合には、その下方から信号読取用の光ビームL1が照射されることにより、この光ビームL1は、半透過反射膜14を透過して、反射膜13に入射し、この反射膜13による戻り光が、再び半透過反射膜14を透過して、下方に向かって進む。
この戻り光を光学ピックアップの光検出器により検出することにより、前記反射膜13による信号記録層に記録された信号の読取が行なわれることになる。
【0040】
また、光ディスク10の半透過反射膜14による信号記録層の再生の場合には、その下方から信号読取用の光ビームL2が照射されることにより、この光ビームL2は、半透過反射膜14に入射し、この半透過反射膜14による戻り光が、下方に向かって進む。
この戻り光を光学ピックアップの光検出器により検出することにより、前記半透過反射膜14による信号記録層に記録された信号の読取が行なわれることになる。
【0041】
この場合、前記半透過反射膜14は、膜厚9乃至12nmと薄く形成されていることから、光ビームL1に対する光吸収率が低減されるので、反射膜13による信号記録層からの戻り光の光量が十分高くなり、反射膜13による信号記録層の再生が確実に行なわれることになる。
【0042】
半透過反射膜14がアルミニウム合金から構成されていることにより、膜厚が薄くても十分に高い反射率を確保することができると共に、半透過反射膜14が容易に形成されることから、光ディスクの生産効率が向上することになる。
また、半透過反射膜14がアルミニウム合金から構成されていることにより、材料コストが低いことから、光ディスクの製造コストが低減されると共に、半透過反射膜14がDCスパッタにより形成されるので、スパッタ装置に特別な構造が不要となり、光ディスクの製造装置の設備コストが低減される。
【0043】
ここで、前記半透過反射膜14は、アルミニウムにシリコン(Si)を添加することによって、アルミニウムの結晶粒が微細化される。これにより、アルミニウムの転位の発生が防止され、膜強度が高められるので、膜変形の発生が抑制され、安定した状態に保持されることになる。また、アルミニウムの結晶粒の微細化により、結晶粒界腐蝕が防止されるので、半透過反射膜14の耐久性が高められ得る。
さらに、前記半透過反射膜14は、アルミニウムにマンガンMnを添加することによって、アルミニウムに含まれる不純物としての鉄Feが、アルミニウムと結合してFeAl3 となることが防止される。これにより、アルミニウムの所謂錆びが防止され、半透過反射膜14の腐蝕が防止されることになる。
【0044】
また、反射膜13が半透過反射膜14と同じ材料により形成される場合には、さらに以下のような利点が得られる。
即ち、異種金属と近接された際に、電位差が発生するガルバニック電池が構成されないので、光ディスクの耐久性がより一層高められることになる。
また、反射膜13及び半透過反射膜14が同じスパッタ装置により形成されることになるので、製造装置が低コストで実現できると共に、製造装置全体が小型に構成されることになる。
さらに、光ディスクの廃材としてのリサイクルの際に、反射膜13及び半透過反射膜14が同じ材料から構成されていることにより、分離処理が容易に行なわれることになり、リサイクルに要するコストが低減される。
【0045】
半透過反射膜14が、アルミニウムにチタン(Ti)を添加して形成した場合、このような構成の光ディスク10においては、前述したシリコン(Si)を添加したアルミニウム合金から成る半透過反射膜14を備えた光ディスク10の場合と同様の効果が得られると共に、チタンTiの添加により、アルミニウムの電気伝導度が低下することになり、アルミニウムと異種金属との電食作用が防止されるので、より一層半透過反射膜の耐久性が高められることになる。
さらに、膜形成のためのスパッタリング工程の際に、シリコンを使用しないことから、シリコンの場合のように、防着板に付着したシリコンが、フレーク状となって剥離することがないので、スパッタチャンバ汚染が少なくなり、安定稼働が容易となる。
【0046】
上述した実施形態においては、光ディスク10は、片面二層式の光ディスクとして構成されており、二層の信号記録層のうち、一層が半透過反射膜14により構成されているが、これに限らず、三層以上の信号記録層を有する片面多層式の光ディスクや、それぞれ二層以上の信号記録層を有する両面多層式の光ディスクにおいて、信号読取側と反対側の一層を除いた他の信号記録層が半透過反射膜により構成されている光ディスクに本発明を適用できることは明らかである。
あるいはまた、1枚のディスク基板に信号記録層を多層に形成する光ディスクの半透過反射膜をアルミニウム合金で形成する場合にも適用することができる。また、光ディスク10において、図1の保護膜15,16は必要に応じて形成され、必須の構成ではない。
【0047】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、半透過反射膜の材料としてアルミニウムを使用することにより製造コストを低減でき、しかも半透過反射膜が、要求される十分な耐久性を備える光ディスクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光ディスクの第一の実施形態の構成を示す概略断面図である。
【図2】図1の光ディスク10の半透過反射膜14の膜組成と金属成分の含有量について、膜耐久性との関係を示した表である。
【図3】図1の光ディスク10の半透過反射膜14の厚みと反射率との関係を示した表である。
【符号の説明】
10・・・光ディスク、11,12・・・ディスク基板、13・・・反射膜、14・・・半透過反射膜、15,16・・・保護層、17・・・接着層

Claims (6)

  1. 円板状のディスク基板の少なくとも片面にて、重ねて配設された二つ以上の信号記録層を含んでおり、前記ディスク基板を透過させて光を前記信号記録層に照射し、記録された信号を読み取るようにした光ディスクであって、
    前記信号記録層のうち、読み出し側から最も遠い信号記録層が反射膜として形成され、他の信号記録層が、膜厚9nmないし12nmで形成された半透過反射膜であり、
    前記半透過反射膜が、アルミニウム(Al)と、他の金属として、タン(Ti)およびMnのみとを含むアルミニウム合金により形成されている、ディスク。
  2. 前記アルミニウム合金のマンガン(Mn)の含有量が0.2ないし2.0重量パーセント、チタン(Ti)の含有量が0.05ないし2.0重量パーセントとされている請求項1記載の光ディスク。
  3. 前記マンガン(Mn)の含有量が0.3ないし2.0重量パーセントである請求項に記載の光ディスク。
  4. 前記チタン(Ti)の含有量が0.05ないし1.0重量パーセントである請求項に記載の光ディスク。
  5. 前記反射膜が、アルミニウム(Al)と、他の金属として、チタン(Ti)およびMnのみとを含むアルミニウム合金により形成されている、請求項1記載の光ディスク。
  6. 前記反射膜が、膜厚45nmないし60nmで形成された、請求項1記載の光ディスク。
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