JP4339044B2 - 静電潜像現像用キャリア - Google Patents
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Description
このようなスペント化を防止するため、磁性微粉体表面に、表面エネルギーの低い樹脂、例えばフッ素樹脂、シリコーン樹脂などをコートすることによりキャリアの長寿命化が図られてきた。
しかしながら、いずれの発明のキャリアでも分光反射率法による膜厚測定を達成することは不可能である。
また絶縁性の静電潜像現像用キャリアにおいては、キャリア用磁性微粉体表面を被覆する光透過性の樹脂コート膜が均一で、キャリアと共に用いられる特定のトナーとの摩擦により、極性の帯電状態が安定に得られることが要求される。
例えば、キャリア用磁性微粉体の表面層である樹脂コート膜が平滑性を保たない不均一な状態であると、絶縁性樹脂をある一定量被覆した場合においても、平滑な部分と谷間の部分の被覆厚さに不均一が生じ、したがって単一粒子各部における静電気特性の不均一が発生するのはさけられない。
静電潜像現像用キャリアでは、前述した如く磁性微粉体に対する樹脂質量を計測する質量膜厚測定法が広く行われていることと、計測に必要な2界面からの表面反射を稼げないことから、キャリア樹脂コート膜厚を繰り返し反射干渉原理で計測するということは過去行われていない。
しかも、樹脂コート膜表面の平滑性は、分光反射率法による膜厚測定を達成するだけでなく、現像剤の特性を充分付与させる意味でも効果があることを見い出し、本発明を完成するに至った。
この様に樹脂コート膜表面とサブストレイトである真球状の磁性微粉体表面での垂直入射光に対する界面反射率が大きくなる静電潜像現像用キャリア構成とし、分光反射率法での膜厚計測が行えるようにしたことで、本発明のキャリアは先の目的を達成し得るものであり、長寿命で、二成分現像に好適な現像性を両立させるものである。
(1)表面の凹凸の周期と振幅が各々0.1μm以下である真球状の磁性微粉体上に、少なくとも微細粒子とバインダー樹脂から成る光透過性の樹脂コート膜を設けた静電潜像現像用キャリアであって、該微細粒子と該バインダー樹脂との相対屈折率(=微細粒子屈折率/バインダー樹脂屈折率)が1.0〜1.3であり、磁性微粉体と光透過性の樹脂コート膜との相対屈折率(=磁性微粉体屈折率/樹脂コート膜屈折率)が1.5〜2.1であり、樹脂コート膜と空気との相対屈折率(=樹脂コート膜屈折率/空気屈折率)が1.4〜1.8であることを特徴とする静電潜像現像用キャリア。
(2)前記真球状の磁性微粉体の可視域の消光係数が2.0〜5.0であることを特徴とする前記(1)に記載の静電潜像現像用キャリア。
(3)前記微細粒子が球状の光透過性粒子であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の静電潜像現像用キャリア。
(4)前記微細粒子の可視域の消光係数が0.1以下であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
(5)前記微細粒子が金属酸化物であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
(6)前記微細粒子のバンドギャップエネルギーが3.0eV以上であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
(7)前記樹脂コート膜中の前記微細粒子の含有率が85重量%以下であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
(8)前記微細粒子の凝集径が0.6μm以下であることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
(9)前記真球状の磁性微粉体表面に、微細粒子を分散させた光透過性の樹脂コート膜を設けることによって形成される樹脂コート層表面の凹凸の周期と振幅が各々0.1μm以下であることを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
また本発明の静電潜像現像用キャリアは、キャリア粒子が元来持っている電荷付与能力と耐久性を併せ持った優れたキャリアである。
先ず、本発明の静電潜像現像用キャリアは、少なくとも真球状の磁性微粉体表面に、微細粒子とバインダー樹脂から成る光透過性の樹脂コート層を設けた静電潜像現像用キャリアであって、該微細粒子と該バインダー樹脂との相対屈折率(=微細粒子屈折率/バインダー樹脂屈折率)を1.0〜1.3、磁性微粉体と樹脂コート膜との相対屈折率(=磁性微粉体屈折率/樹脂コート膜屈折率)を1.5〜2.1、樹脂コート膜と空気との相対屈折率(=樹脂コート膜屈折率/空気屈折率)を1.4〜1.8とすることを特徴とするものである。
真球状の磁性微粉体表面に光透過性の樹脂コート膜を設けた場合、樹脂コート膜表面と真球状の磁性微粉体表面の二つの平行な平面に垂直に光が入射した時の反射光は、空気と接する樹脂コート膜表面、及び樹脂コート膜表面を透過して真球状の磁性微粉体表面からそのまま反射する光、真球状の磁性微粉体表面と樹脂コート膜表面で1回ずつ反射してから出て来る光、2回ずつ反射してから出てくるもの、…n回ずつ反射してから出て来るものの合計になる。
光路が波長の整数倍の時に反射の位相が合い、強め合う方向で加算され、光透過性の樹脂コート膜の場合は、樹脂コート膜の屈折率:n1、膜厚:d、光の波長:λとした場合、2n1d=mλ(m:干渉の次数)の場合にこの現象が成り立つようになる。また、位相が合った状態から、1/2波長ずれたとき反射の位相が打ち消し合う方向で加算されることになる。
両反射界面の反射率を高めると繰り返し反射が起こり、可視度の高い干渉波形が得られることから、樹脂コート膜表面での反射を確保することと、真球状の磁性微粉体表面からの反射を確保することが測定上必須となってくる。
但し、樹脂コート膜表面での反射が1に近づき過ぎると、樹脂コート膜内へ光が入射し難くなるので注意が必要である。
磁性微粉体表面の場合、ミクロに見るとサブストレイトが金属である場合は、反射率は自由電子のプラズマ振動に基づくドルーデの法則に従い、伝導電子の数が多いと光の周波数領域における誘電率の実数部が負となり、光の電界を遮蔽してしまうので光が中に入り込めなくなり、界面での反射率が高くなる。
但し、鉄(Fe)と同じくフェライト(Fe2O3)などは自由電子が少ないのでプラズマ振動数は赤外線の波長領域にあって、可視光線波長では反射率がかなり低くなる。それで芯材粒子自体は一般に黒く見えている。
R1={(n1−1)2+κ2}/{(n1+1)2+κ2}
で表され、光透過性の膜が誘電体の場合、消光係数:κ≒0となるので、
R1=|(n1−1)/(n1+1)|2
となる。
消光係数は屈折率の虚数部で光吸収の程度を表しているものであり、透けるのは消光係数κが小さい時だが、上式よりκ=0の条件下でも反射は生じてくる。
つまり空気(n=1)との屈折率差が大きければ、樹脂コート層表面での反射率を高くすることが可能となる。
R2={(ns−n1)2+κs 2}/{(ns+n1)2+κs 2}
で表され、磁性微粉体と光透過性の樹脂コート膜との相対屈折率(=磁性微粉体屈折率/樹脂コート膜屈折率)が高ければ、磁性微粉体界面での反射率を確保することが容易になる。
また吸光度を表す消光係数κが、ns±n1より十分大きい場合もRは1に近づく。
この場合、磁性微粉体と光透過性の樹脂コート膜との相対屈折率(=磁性微粉体屈折率/樹脂コート膜屈折率)は1.5〜2.1の範囲であることが好ましいことが確認された。
ここで磁性微粉体が金属の場合は、消光係数κは一般には屈折率より値が大きくなるため、例えば真球状の磁性微粉体が鉄(Fe)であり、鉄の屈折率nsは2.35であるから、樹脂コート膜の屈折率n1が1.45程であった場合は、鉄(Fe)の消光係数は凡そκs=3.25となり、R2={(2.35−1.45)2+3.252}/{(2.35+1.45)2+3.252}より、反射率は凡そ45%となってくる。
この様に、Rの選択には真球状の磁性微粉体の消光係数κも大きく寄与してくる。好適な繰り返し反射干渉を取得する場合は、真球状の磁性微粉体の持つ消光係数の好適な数値が、可視域で2.0〜5.0の範囲であることが確認されている。
微細粒子とバインダー樹脂との相対屈折率(=微細粒子屈折率/バインダー樹脂屈折率)は1.0〜1.3の範囲であれば、干渉計測に支障が無いことが確認されている。
またもし完全にランダムなら全方向に一様に散乱される。この場合は、多重反射干渉に必要な「垂直入射/垂直受光」の基本原理が崩れ、干渉波形の可視度が低下し、樹脂コート膜の膜厚が計測できないようになる。
更に、磁性微粉体表面の凹凸の周期と振幅が0.1μmより大きい場合、磁性微粉体の凹凸に依存して光透過性の樹脂コート膜が被覆されるため、磁性微粉体の表面形状をそのまま反映し、分光反射率測定に必要なオプティカルフラットが形成できなくなる可能性が生じる。
ここで磁性微粉体表面及び樹脂コート層表面の凹凸の周期、振幅とは次に定義するものである。
周期は、X方向及びY方向の表面粗さの曲線から、基準長さだけ抜き取り、隣り合う山(ピーク)と山(ピーク)の長さの平均をあらわしたものと定義する。また、振幅は、X方向及びY方向の表面粗さの曲線から、基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から測定曲線までの高さの偏差の絶対値を合計し、平均した値と定義する。
該周期及び振幅は、下記の方法で測定できる。
例えば、光学式位相シフト干渉法と白色干渉法を用いたバーチカルスキャン干渉法による表面形状測定法により測定することができる。具体的には、Veeco社のWyko NT3300 Optical Profiler、或いはzygo社のNew View 5000 3次元表面構造解析顕微鏡を用いて測定することができる。
磁性微粉体が滑らかで真球の静電潜像現像用キャリアから取得した干渉波形からは、理想的な多重反射干渉を生じさせることが可能となる。
微細粒子の大きさが波長に比べて無視できない程度の大きさの場合にはミー散乱が生じ、測定光の直進性が妨げられ、分光反射率法に必要な「垂直入射/垂直受光」の基本測定原理が達成できなくなる
更に該樹脂コート膜中の微細粒子の含有率を85重量%より小さくすることにより、膜の散乱性が押さえられ、好適な分光反射率法による膜厚計測が可能となる。
また可視域の消光係数が0.1以下である場合は、分光反射率法が好適に実施される。
特に微細粒子のバンドギャップエネルギーが3.0eV(413nm)以上であれば、分光反射率計測に必要な可視光下限以上の波長の光を吸収することなく干渉光が透過することが可能となる。
バンドギャップエネルギーが大きく、光学吸収端が紫外線の領域に有る場合は、干渉計測に必要な可視光は吸収されずに透過するので透明となる。
ここで、真球状の磁性微粉体上に、微細粒子を分散させた光透過性の樹脂コート層を設けた静電潜像現像用キャリアの「光透過性の樹脂コート膜厚」は、概略以下のようにして測定される。
光透過性の樹脂コート膜2のバインダー樹脂屈折率は、1.4〜1.8程であり、従って、微細粒子3の屈折率が1.77程の場合は、微細粒子とバインダー樹脂との相対屈折率(=微細粒子屈折率/バインダー樹脂屈折率)が1.0〜1.3の範囲となれば、膜厚測定に当たってバインダー樹脂と微細粒子3の界面反射は殆ど無視して考えることができる。
また、測定波長が「光透過性の樹脂コート膜に含まれた微細粒子の粒径よりもある程度大きく」なると、光は微細粒子に散乱されなくなり、検出光において良好に干渉する。
そうすると、光透過性の樹脂コート膜の厚さ:dと、光透過性の樹脂コート膜の屈折率:n1と、上記干渉の次数:mとの間には周知の如く、
2m=4n1d/λ2m
2m+1=4n1d/λ2m+1
の関係が成り立つので、これらから干渉次数:mを消去すると、
n1d=λ2m・λ2m+1/4(λ2m−λ2m+1)
が得られる。
従って、上記極大・極小を与える波長:λ2m、λ2m+1が分かると、光透過性の樹脂コート膜の光学的膜厚:n1dが知られ、さらに、屈折率:n1が分かれば、求める光透過性の樹脂コート膜の厚さ:dは、
d=λ2m・λ2m+1/4n1(λ2m−λ2m+1)(1)
として算出することができる。
一般に屈折率:n1は、バインダー樹脂の種類、微細粒子の含有率、微細粒子の屈折率が定まれば決定されるものであり、樹脂コート膜中にバインダー樹脂より高い屈折率を有する微細粒子がフィラーリッチ状態で存在する場合、樹脂コート膜の屈折率は微細粒子の光学的特性が支配的となり、樹脂コート膜自体の屈折率が微細粒子の影響を多く受ける形となる。
即ち、演算手段98は、スペクトル強度検出手段97により検出されたデータを「連続した分光スペクトル強度」として演算し、得られた分光スペクトル強度に対して微分演算等により、極小・極大を与える各波長:λ2m+1、λ2mを特定し、光透過性の樹脂コート膜2の屈折率:n1とに基づき光透過性の樹脂コート膜の膜厚:dを、上記の(1)式に従って演算算出する。
この場合、集束光のフォーカス位置を樹脂コート膜表面から磁性微粉体側に寄せた状態で、上記光透過性の樹脂コート膜表面と磁性微粉体表面とにより反射して互いに干渉した反射光を、上記対物レンズ94を介して顕微鏡光学系93に戻し、検出光伝送用ファイバ95により分光手段96に導いて可視域を含む300nm以上の波長幅で分光する。分光により得られる分光スペクトル強度の極小と極大を与える各波長と、上記樹脂コート膜2の屈折率とに基づき、光透過性の樹脂コート膜の膜厚を演算算出する。
即ち、本発明の静電潜像現像用キャリアの樹脂コート膜厚計測には、周知の「分光反射率測定法」の原理を利用できる。
磁性粒子の形状としては、8面体、6面体、球形、針状、鱗片状があるが、真球形の異方性の少ないものが好ましい。
例えば、前記したコート樹脂の内、熱硬化性を有する成分(熱硬化性成分)と熱可塑性を有する成分(熱可塑性成分)を特定の割合で混合またはブロック重合し、これを、浸漬コート法によって、均一に塗工後、熱硬化性成分の硬化温度以上、熱可塑性成分の軟化温度以上にかつ分解温度以下の温度範囲で焼成して、コート層成分の硬化および平滑化を同時に行うことにより、樹脂コート層表面の凹凸の周期と振幅を各々0.1μm以下にすることができる。コート層の厚さは0.1〜20μmが好ましい。
実施例1(キャリア1)
真球状の磁性微粉体としては、表面の凹凸の周期と振幅が各々0.1μm以下であり、磁性微粉体と光透過性の樹脂コート膜との相対屈折率(=磁性微粉体屈折率/樹脂コート膜屈折率)が1.5〜2.1の範囲に収まるように屈折率:2.42、消光係数:3.3のマグネタイト粒子を用いた。磁性微粉体表面の凹凸の周期と振幅はWyko NT3300 Optical Profilerで得られたX及びY−Profileで計測した。各々、0.1μm以下であった。
バインダー樹脂として、屈折率:1.4のシリコーン樹脂(SR2411:東レダウコーニングシリコーン社製)の固形分に対して、屈折率:1.78、消光係数:0のアルミナ微細粒子(住友化学工業製 スミコランダムAA−03、0.3μm、軸比1.1、バンドギャップエネルギー6.9eV、凝集径0.6μm)の20重量%を、ホモジナイザーを使用して30分間分散し、この分散液を固形分10重量%になるように希釈し、樹脂コート膜用分散液を得た。
上記磁性微粉体5kgに対して、上記の分散液を流動床型コーティング装置を用いて、100℃の雰囲気下で、約50g/minの割合で塗布した。更に、300℃で2時間加熱して、樹脂コート膜を乾燥硬化させたキャリアを得た。
形成された樹脂コート層表面をWyko NT3300 Optical Profilerで計測したところ凹凸の周期と振幅が各々0.08μmであった。
その結果、測定領域内にある各サンプルについて頂点部分を測定して、10点膜厚計測値を算出し、平均膜厚:0.49μm、分解能:0.005μm以下、同一箇所繰り返し精度(バラツキ)σ=0.0008μmの計測結果が得られた。
実施例1(キャリア1の製造例)において、真球状のキャリア芯材として、屈折率:2.94、消光係数:3.9のヘマタイト粒子(表面の凹凸の周期:0.08μm、振幅:0.08μm)を用いて磁性微粉体と光透過性の樹脂コート膜との相対屈折率(=磁性微粉体屈折率/樹脂コート膜屈折率)を1.84とした以外は、すべて実施例1と同様にしてキャリア2を得た。
その結果、界面反射が弱い磁性微粉体表面の反射を多く稼ぐことが可能となり、より可視度の高い干渉スペクトルを得る事ができた。
測定領域内にある各サンプルについて頂点部分を測定して、10点膜厚計測値を算出し、平均膜厚:0.38μm、分解能:0.005μm以下、同一箇所繰り返しバラツキσ=0.0003μmの計測結果が得られた。
実施例1(キャリア1の製造例)において、バインダー樹脂として屈折率:1.48のアクリル樹脂溶液(日立化成社製 ヒタロイド3019)の固形分に対して、屈折率:1.78、消光係数:0のアルミナ微細粒子(住友化学工業製 スミコランダムAA−03 0.3μm 軸比1.1)の30重量%を、ホモジナイザーを使用して30分間分散し、この分散液を固形分5重量%になるように希釈し、樹脂コート膜用分散液を得た以外は、すべて同様にしてキャリア3を得た。微細粒子とバインダー樹脂との相対屈折率(=微細粒子屈折率/バインダー樹脂屈折率)は1.2となった。また樹脂コート膜の屈折率は1.61であった。
その結果、測定領域内にある各サンプルについて頂点部分を測定して、10点膜厚計測値を算出し、平均膜厚:0.27μm、分解能:0.005μm以下、同一箇所繰り返し精度(バラツキ)σ=0.0009μmの計測結果が容易に得られた。
実施例1(キャリア1の製造例)において、表面の凹凸の周期と振幅が各々0.1μm以下であり、屈折率:2.98、消光係数4.0のフェライト粒子を用い、バインダー樹脂として、屈折率:1.4のシリコーン樹脂(SR2411:東レダウコーニングシリコーン社製)の固形分に対して、屈折率:1.78、消光係数:0のアルミナ微細粒子(住友化学工業製 スミコランダムAA−03 0.3μm 軸比1.1)の含有率を88重量%とした以外は、すべて同様にしてキャリア4を得た。この際、樹脂コート膜の屈折率は、1.98であった。
ここで、キャリア粒子表面コート層の膜厚測定は、樹脂コート膜と空気との相対屈折率(=樹脂コート膜屈折率/空気屈折率)が1.98と1.8以上になってしまい、樹脂コート膜での界面反射が強くなりずぎることにより光が樹脂コート膜内に透過し難くなる為、図4に示す様に膜厚計測に必要な干渉波形の可視度が得られなくなり、分光反射率法を用いて樹脂コート膜厚計測を行うことが出来なかった。
1 磁性微粉体
2 樹脂コート膜
3 微細粒子
10 キャリア
(図2)
9 膜厚計測システム
10 キャリア
11 スライドガラス
91 光源
92 ケーラー照明系
93 顕微鏡光学系
94 対物レンズ
95 検出光伝送用ファイバ
96 分光手段
97 スペクトル強度検出手段
98 演算システム
99 ケーラー照明系の開口絞り
Claims (9)
- 表面の凹凸の周期と振幅が各々0.1μm以下である真球状の磁性微粉体上に、少なくとも微細粒子とバインダー樹脂から成る光透過性の樹脂コート膜を設けた静電潜像現像用キャリアであって、該微細粒子と該バインダー樹脂との相対屈折率(=微細粒子屈折率/バインダー樹脂屈折率)が1.0〜1.3であり、磁性微粉体と光透過性の樹脂コート膜との相対屈折率(=磁性微粉体屈折率/樹脂コート膜屈折率)が1.5〜2.1であり、樹脂コート膜と空気との相対屈折率(=樹脂コート膜屈折率/空気屈折率)が1.4〜1.8であることを特徴とする静電潜像現像用キャリア。
- 請求項1に記載の静電潜像現像用キャリアにおいて、バインダー樹脂がシリコーン樹脂またはその変性品であることを特徴とする静電潜像現像用キャリア。
- 前記真球状の磁性微粉体の可視域の消光係数が2.0〜5.0であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
- 前記微細粒子の可視域の消光係数が0.1以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
- 前記微細粒子が金属酸化物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
- 前記微細粒子のバンドギャップエネルギーが3.0eV以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
- 前記樹脂コート膜中の前記微細粒子の含有率が85重量%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
- 前記微細粒子の凝集径が0.6μm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
- 前記真球状の磁性微粉体表面に、微細粒子を分散させた光透過性の樹脂コート膜を設けることによって形成される樹脂コート層表面の凹凸の周期と振幅が各々0.1μm以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
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