JP4339044B2 - 静電潜像現像用キャリア - Google Patents

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Description

本発明は、トナー粒子と共に撹拌することによりトナー粒子に電荷を付与する電荷付与部材である静電潜像現像用キャリアに関する。
電子写真の原理を用いる乾式現像方式は、摩擦帯電付与部材と摩擦させた粉体トナーを、静電潜像に静電的に付着させて可視像を形成するものである。この乾式現像方法には、トナーのみを主成分とするいわゆる一成分系現像方式と、磁性体キャリア、或いは、それらの表面を樹脂などで被覆したコートキャリアとトナーを混合して使用する、いわゆる二成分系現像方式がある。
後者で用いられる二成分現像剤は、比較的大きなキャリア粒子表面上に微小なトナー粒子が両粒子の摩擦により発生した電気力により保持されている。静電潜像に近接されると、静電潜像が形成する電界により、トナー粒子はキャリア粒子との結合力に打ち勝って静電潜像上に現像されるものである。そして、現像剤は現像によって消費されたトナーを補充しながら反複使用される。従って、キャリア粒子は長時間の使用中、常にトナー粒子を所望する極性で、かつ、充分な帯電量に摩擦帯電しなければならない。
しかしながら、粒子間の衝突、粒子と現像装置内での機械的攪拌、又はこれらによる発熱で、キャリア粒子表面にトナーが融着し、いわゆるスペントトナーが生じ、キャリア粒子の帯電特性が使用時間と共に低下する。それに伴い、画像の地肌汚れやトナー飛散が生じる為、現像剤全体を取りかえる必要が生じる。
このようなスペント化を防止するため、磁性微粉体表面に、表面エネルギーの低い樹脂、例えばフッ素樹脂、シリコーン樹脂などをコートすることによりキャリアの長寿命化が図られてきた。
一般に、二成分現像剤において、画像濃度を上げる為に、トナー濃度を上げること、トナー帯電量を低くすること、また、キャリアの低抵抗化などが行われている。キャリアを低抵抗化する方法は、従来から幾つか検討されており、その一つに「極めて薄い樹脂コート膜を形成する」手段が講じられている。
これら樹脂コート膜の厚さを測る手段は、対象が100μm以下の微粉体で有ること、樹脂コート膜が一般にサブミクロンオーダーの薄膜であること、及び光透過性の樹脂コート膜の表面が一般に荒れていること、サブストレイトである磁性微粉体の表面性が一般に荒れていることから、樹脂コート膜表面と磁性微粉体界面間の膜厚という尺度で膜厚を計測することが困難であり、従来から、磁性微粉体に対する樹脂質量を計測する質量膜厚測定法(例えば、特許文献1〜3参照)、既知のシリコーン膜厚を測定して検量線から膜厚を求める蛍光X式膜厚計測法(例えば、特許文献4参照)、或いは破壊計測であるSEM断面観察を用いた膜厚の測定(例えば、特許文献5参照)などが為されてきた。
従来の静電潜像現像用キャリアに用いられる磁性微粉体表面はとても粗れており、光透過性の樹脂コート膜表面も磁性微粉体の表面性に倣って付着することから表面性が粗れ、所謂、薄膜計測に広く使用されている繰り返し反射干渉(分光反射率測定法)に必要なオプティカルフラットが確保できていなかった。
ここで従来の計測法を簡単に説明すると、質量膜厚測定法は、磁性微粉体に対する樹脂の質量%で定義するものであって、キャリア全体の平均的な樹脂付着量をモニターすることは可能だが、個々のキャリアにおける光透過性の樹脂コート膜厚を測定及び品質管理できるものでは無い。また、樹脂コート膜の付着量を高精度で定義することも難しい。
蛍光X線膜厚計測法は既知のシリコーン膜厚を蛍光X線で測定し、予め検量線を求めて膜厚を測定する光学的測定であるから、物理的な接触なしに膜厚を測定できる利点を有している。しかしながら、静電潜像現像用キャリアの樹脂コート膜には、物理的な接触に対する強度を補強するために、無機や有機の微細粒子が分散されることがあり、このような樹脂コート層では「微細粒子による蛍光X線の放射」が無い場合が多く、微細粒子とバインダー樹脂の混合比によっては、必要な計測精度を実現できなかったり、光透過性の樹脂コート膜厚が薄くなった場合も発生する蛍光X線量が少なくなり、膜厚測定自体が不可能になる。また、膜厚を測定できる光透過性の樹脂コート膜の種類が限定され、汎用性の面からも問題がある。
直接、光透過性の樹脂コート膜厚を測定する測定方式として従来から知られた「SEM或いはSTEM断面観察」により樹脂コート層の膜厚測定を行うことも実施されているが、試料調整をしてSEM或いはSTEM断面観察することは容易では無く、また観察視野が狭いためのデメリットも多い。
従来、静電潜像現像用キャリアの開発及び生産はこれらの計測技術によって達成されているが、非接触、非調整で短時間のうちに光透過性のキャリア樹脂コート膜の膜厚を容易に測り得ることが可能な、製造時の計測性を考慮した静電潜像現像用キャリアが嘱望されている。
これまでの静電潜像現像用キャリアでは、表面形状の課題や界面反射の問題から樹脂コート層表面とサブストレイトである磁性微粉体表面との繰り返し反射干渉が確保出来ないため、酸化膜・窒化膜・レジスト・ポリシリコンの様な半導体膜、ハードコートや反射防止コートなどの光学コーティング、ポリイミドやレジスト、セルギャップのようなフラットパネルディスプレイ、CDやDVD等のコーティングなどの膜精密測定に用いられる分光反射率法による膜厚測定が不可能であった。
表面形状の解決手段としてキャリアの形状改善を試みた例(例えば、特許文献6参照)では、キャリアの嵩密度を示し、キャリア芯材の表面の凹凸によりキャリアの帯電性とスペントを防止することが示されている。また別の例(例えば、特許文献7参照)では、キャリアの空気透過法から推定される比表面積と平均粒径から算出される表面積の比を特定することによりキャリアの凹凸に着目した例がある。
現像剤特性の経時変動の抑制に注目した例として、磁性微粉体の表面に1〜20μm程度の微小な凹凸を有することにより、トナー粒子との接触確率を上げることにより、衝撃力を低減しつつ帯電性を向上させることが(例えば、特許文献8参照)、また、キャリア粒子を被覆する樹脂コート層のマトリックス樹脂に樹脂微粒子及び導電性微粒子を分散し、かつ、マトリックス樹脂がトナーの結着樹脂を構成する樹脂成分と同じものを10%以上含有することにより、帯電性能に対するトナースペントの影響を受けにくくすること(例えば、特許文献9参照)等が提案されている。
しかしながら、いずれの発明のキャリアでも分光反射率法による膜厚測定を達成することは不可能である。
また一般に、サブストレイトとなる磁性微粉体が真球状でない場合は、磁性微粉体の凹凸に依存して光透過性の樹脂コート膜が被覆されるため、磁性微粉体の表面形状をそのまま反映し、オプティカルフラットが形成され難くなるばかりでなく、結果として長期間の運転中に凹部へトナーが付着する、所謂トナーのスペント化が起きてしまい、現像剤の耐久性に問題を残したままになってしまったり、一方、磁性微粉体と光透過性の樹脂コート膜との接着性にも問題があり、長期間の使用中に被覆層が剥離してしまう問題が生じることが一般に知られている。
また絶縁性の静電潜像現像用キャリアにおいては、キャリア用磁性微粉体表面を被覆する光透過性の樹脂コート膜が均一で、キャリアと共に用いられる特定のトナーとの摩擦により、極性の帯電状態が安定に得られることが要求される。
すなわち、キャリアの樹脂コート膜表面が不均一であると、かかるトナーとキャリアの摩擦帯電が不安定となり、結果として複写後得られる可視像の画質低下を招く。
例えば、キャリア用磁性微粉体の表面層である樹脂コート膜が平滑性を保たない不均一な状態であると、絶縁性樹脂をある一定量被覆した場合においても、平滑な部分と谷間の部分の被覆厚さに不均一が生じ、したがって単一粒子各部における静電気特性の不均一が発生するのはさけられない。
特許第2832013号(第6頁第7行) 特開2002−131987号公報(第6頁) 特開平5−34991号公報(第4頁) 特開2000−347465号公報(第4頁第42行) 特開平8−211675号公報(第6頁第18行) 特開平5−34991号公報 特開平7−98521号公報 特開平5−197212号公報 特開平10−198078号公報
本発明は、上記の様な現状の問題点に鑑み、分光反射率法を用いた光透過性の樹脂コート膜厚測定が可能な静電潜像現像用キャリアを提供することを目的とする。
本発明者等は、以上の認識に基づき、電荷付与能力と充分な耐久性を確保しつつ、光学的物性を利用したものでは最も簡単で実用性が高く、あらゆる形状膜厚測定法の基本となっている、分光反射率測定法が適用可能な静電潜像現像用キャリアを検討した。
静電潜像現像用キャリアでは、前述した如く磁性微粉体に対する樹脂質量を計測する質量膜厚測定法が広く行われていることと、計測に必要な2界面からの表面反射を稼げないことから、キャリア樹脂コート膜厚を繰り返し反射干渉原理で計測するということは過去行われていない。
しかも、樹脂コート膜表面の平滑性は、分光反射率法による膜厚測定を達成するだけでなく、現像剤の特性を充分付与させる意味でも効果があることを見い出し、本発明を完成するに至った。
本発明は「真球状の磁性微粉体上に、微細粒子を分散させた光透過性の樹脂コート層を設けた静電潜像現像用キャリア」に関するものである。
この様に樹脂コート膜表面とサブストレイトである真球状の磁性微粉体表面での垂直入射光に対する界面反射率が大きくなる静電潜像現像用キャリア構成とし、分光反射率法での膜厚計測が行えるようにしたことで、本発明のキャリアは先の目的を達成し得るものであり、長寿命で、二成分現像に好適な現像性を両立させるものである。
即ち、本発明によれば、下記(1)〜(9)の静電潜像現像用キャリアが提供される。
(1)表面の凹凸の周期と振幅が各々0.1μm以下である真球状の磁性微粉体上に、少なくとも微細粒子とバインダー樹脂から成る光透過性の樹脂コート膜を設けた静電潜像現像用キャリアであって、該微細粒子と該バインダー樹脂との相対屈折率(=微細粒子屈折率/バインダー樹脂屈折率)が1.0〜1.3であり、磁性微粉体と光透過性の樹脂コート膜との相対屈折率(=磁性微粉体屈折率/樹脂コート膜屈折率)が1.5〜2.1であり、樹脂コート膜と空気との相対屈折率(=樹脂コート膜屈折率/空気屈折率)が1.4〜1.8であることを特徴とする静電潜像現像用キャリア。
(2)前記真球状の磁性微粉体の可視域の消光係数が2.0〜5.0であることを特徴とする前記(1)に記載の静電潜像現像用キャリア。
(3)前記微細粒子が球状の光透過性粒子であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の静電潜像現像用キャリア。
(4)前記微細粒子の可視域の消光係数が0.1以下であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
(5)前記微細粒子が金属酸化物であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
(6)前記微細粒子のバンドギャップエネルギーが3.0eV以上であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
(7)前記樹脂コート膜中の前記微細粒子の含有率が85重量%以下であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
(8)前記微細粒子の凝集径が0.6μm以下であることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
(9)前記真球状の磁性微粉体表面に、微細粒子を分散させた光透過性の樹脂コート膜を設けることによって形成される樹脂コート層表面の凹凸の周期と振幅が各々0.1μm以下であることを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
以上説明したように、本発明によれば、垂直入射による分光反射率測定法により樹脂コート膜の膜厚を良好に測定できる新規な静電潜像現像用キャリアを提供することができる。
また本発明の静電潜像現像用キャリアは、キャリア粒子が元来持っている電荷付与能力と耐久性を併せ持った優れたキャリアである。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
先ず、本発明の静電潜像現像用キャリアは、少なくとも真球状の磁性微粉体表面に、微細粒子とバインダー樹脂から成る光透過性の樹脂コート層を設けた静電潜像現像用キャリアであって、該微細粒子と該バインダー樹脂との相対屈折率(=微細粒子屈折率/バインダー樹脂屈折率)を1.0〜1.3、磁性微粉体と樹脂コート膜との相対屈折率(=磁性微粉体屈折率/樹脂コート膜屈折率)を1.5〜2.1、樹脂コート膜と空気との相対屈折率(=樹脂コート膜屈折率/空気屈折率)を1.4〜1.8とすることを特徴とするものである。
本発明において、キャリア粒子構成を、上記特定なものとすることにより、該キャリア粒子は、分光反射率測定法での膜厚計測性を有するようになる。その理由以下の通りである。
真球状の磁性微粉体表面に光透過性の樹脂コート膜を設けた場合、樹脂コート膜表面と真球状の磁性微粉体表面の二つの平行な平面に垂直に光が入射した時の反射光は、空気と接する樹脂コート膜表面、及び樹脂コート膜表面を透過して真球状の磁性微粉体表面からそのまま反射する光、真球状の磁性微粉体表面と樹脂コート膜表面で1回ずつ反射してから出て来る光、2回ずつ反射してから出てくるもの、…n回ずつ反射してから出て来るものの合計になる。
この2つの界面からの反射は光の持つ波の性質により、お互いの位相関係で反射光の明るさが加算されたり、減算されたりする。お互いの位相関係は2つの反射の光路、即ち、膜厚、光学定数、光の波長で決定される。
光路が波長の整数倍の時に反射の位相が合い、強め合う方向で加算され、光透過性の樹脂コート膜の場合は、樹脂コート膜の屈折率:n、膜厚:d、光の波長:λとした場合、2nd=mλ(m:干渉の次数)の場合にこの現象が成り立つようになる。また、位相が合った状態から、1/2波長ずれたとき反射の位相が打ち消し合う方向で加算されることになる。
何回も反射させた光を合成させるということが、多重反射干渉という言葉の意味となり、この繰り返された反射に依って干渉縞の強め合う部分と弱め合う部分の可視度が著しく増加する。
両反射界面の反射率を高めると繰り返し反射が起こり、可視度の高い干渉波形が得られることから、樹脂コート膜表面での反射を確保することと、真球状の磁性微粉体表面からの反射を確保することが測定上必須となってくる。
但し、樹脂コート膜表面での反射が1に近づき過ぎると、樹脂コート膜内へ光が入射し難くなるので注意が必要である。
反射の現象は、空気と樹脂コート膜、或いは樹脂コート膜と磁性微粉体表面の間に屈折率や消光係数の違いが有れば生じることとなる。即ち、金属でも半導体でも、絶縁物でも屈折率や消光係数の違いがあれば界面反射が生じる。
磁性微粉体表面の場合、ミクロに見るとサブストレイトが金属である場合は、反射率は自由電子のプラズマ振動に基づくドルーデの法則に従い、伝導電子の数が多いと光の周波数領域における誘電率の実数部が負となり、光の電界を遮蔽してしまうので光が中に入り込めなくなり、界面での反射率が高くなる。
但し、鉄(Fe)と同じくフェライト(Fe)などは自由電子が少ないのでプラズマ振動数は赤外線の波長領域にあって、可視光線波長では反射率がかなり低くなる。それで芯材粒子自体は一般に黒く見えている。
このため磁性微粉体がフェライト等の場合は、磁性微粉体表面の垂直反射成分は微弱と考えられるが、それが光透過性の樹脂コート膜表面での微弱な垂直反射成分と上手く干渉し、干渉の可視度が弱い乍らも干渉波形を形成している。
空気と接する光透過性の樹脂コート膜表面からの垂直入射反射率は、樹脂コート膜の屈折率をn、消光係数をκとすると、
={(n−1)+κ}/{(n+1)+κ
で表され、光透過性の膜が誘電体の場合、消光係数:κ≒0となるので、
=|(n−1)/(n+1)|
となる。
消光係数は屈折率の虚数部で光吸収の程度を表しているものであり、透けるのは消光係数κが小さい時だが、上式よりκ=0の条件下でも反射は生じてくる。
つまり空気(n=1)との屈折率差が大きければ、樹脂コート層表面での反射率を高くすることが可能となる。
即ち、光透過性の樹脂コート膜と空気との相対屈折率(=樹脂コート膜屈折率/空気屈折率)が高ければ、界面反射が増し、光透過性の樹脂コート膜表面での反射率を高くすることが可能となり、磁性微粉体表面からの反射光と相乗されて干渉波形の可視度が向上する。但し、相対屈折率が高すぎると、光が樹脂コート膜内部へ透過し難くなり、干渉計測が出来なくなってしまうが、その好適な数値が1.4〜1.8の範囲であることが確認された。
同様に光透過性の樹脂コート膜と真球状の磁性微粉体界面との反射率は、光透過性の樹脂コート膜に比べて真球状の磁性微粉体の屈折率が充分大きい場合(ns≫n)、真球状の磁性微粉体表面での反射は、磁性微粉体の屈折率:n、消光係数:κとすると、
={(n−n+κ }/{(n+n+κ
で表され、磁性微粉体と光透過性の樹脂コート膜との相対屈折率(=磁性微粉体屈折率/樹脂コート膜屈折率)が高ければ、磁性微粉体界面での反射率を確保することが容易になる。
干渉波形の可視度を上げる為には、R、Rをなるべく1に近づけることが望ましいが、そうすると干渉縞全体が暗くなって測定が困難になる。そこで実状に応じたRの選択も必要になる。
また吸光度を表す消光係数κが、ns±n1より十分大きい場合もRは1に近づく。
この場合、磁性微粉体と光透過性の樹脂コート膜との相対屈折率(=磁性微粉体屈折率/樹脂コート膜屈折率)は1.5〜2.1の範囲であることが好ましいことが確認された。
ここで磁性微粉体が金属の場合は、消光係数κは一般には屈折率より値が大きくなるため、例えば真球状の磁性微粉体が鉄(Fe)であり、鉄の屈折率nsは2.35であるから、樹脂コート膜の屈折率nが1.45程であった場合は、鉄(Fe)の消光係数は凡そκ=3.25となり、R={(2.35−1.45)+3.25}/{(2.35+1.45)+3.25}より、反射率は凡そ45%となってくる。
この様に、Rの選択には真球状の磁性微粉体の消光係数κも大きく寄与してくる。好適な繰り返し反射干渉を取得する場合は、真球状の磁性微粉体の持つ消光係数の好適な数値が、可視域で2.0〜5.0の範囲であることが確認されている。
さらに微細粒子を分散させた光透過性の樹脂コート膜における微細粒子は、同様の考え方でバインダー樹脂との屈折率差が少ない場合は、フレネル則に従い、界面反射を小さく見積もることが可能となり、散乱、回折の無い良好な多重反射干渉波形を得ることが可能となる。
微細粒子とバインダー樹脂との相対屈折率(=微細粒子屈折率/バインダー樹脂屈折率)は1.0〜1.3の範囲であれば、干渉計測に支障が無いことが確認されている。
真球状の磁性微粉体表面の荒れを考えた場合、波長より一桁以上小さい周期と振幅の凹凸であればほとんど反射率は低下しないが、波長と同程度の表面粗さとなった場合は、仮に周期的であれば回折現象が起き、特定の角度に強く反射するようになる。
またもし完全にランダムなら全方向に一様に散乱される。この場合は、多重反射干渉に必要な「垂直入射/垂直受光」の基本原理が崩れ、干渉波形の可視度が低下し、樹脂コート膜の膜厚が計測できないようになる。
真球状の磁性微粉体表面の凹凸の周期と振幅が各々0.1μm以下であれば磁性微粉体表面は実質上平面となりこの問題を回避することが可能となる。
更に、磁性微粉体表面の凹凸の周期と振幅が0.1μmより大きい場合、磁性微粉体の凹凸に依存して光透過性の樹脂コート膜が被覆されるため、磁性微粉体の表面形状をそのまま反映し、分光反射率測定に必要なオプティカルフラットが形成できなくなる可能性が生じる。
真球状の磁性微粉体表面に、微細粒子を分散させた光透過性の樹脂コート膜を設けることによって形成される樹脂コート層表面の凹凸の周期と振幅が各々0.1μm以下である場合は同様にこの問題を回避できる。
ここで磁性微粉体表面及び樹脂コート層表面の凹凸の周期、振幅とは次に定義するものである。
周期は、X方向及びY方向の表面粗さの曲線から、基準長さだけ抜き取り、隣り合う山(ピーク)と山(ピーク)の長さの平均をあらわしたものと定義する。また、振幅は、X方向及びY方向の表面粗さの曲線から、基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から測定曲線までの高さの偏差の絶対値を合計し、平均した値と定義する。
該周期及び振幅は、下記の方法で測定できる。
例えば、光学式位相シフト干渉法と白色干渉法を用いたバーチカルスキャン干渉法による表面形状測定法により測定することができる。具体的には、Veeco社のWyko NT3300 Optical Profiler、或いはzygo社のNew View 5000 3次元表面構造解析顕微鏡を用いて測定することができる。
磁性微粉体が滑らかで真球の静電潜像現像用キャリアから取得した干渉波形からは、理想的な多重反射干渉を生じさせることが可能となる。
また、光は波長より大きな微細粒子を散乱の無い状態で透過する事ができない為、分光スペクトル強度を取得する選択波長領域が微細粒子径、或いは微細粒子凝集径以上で有ることが好ましく、この時、散乱の影響を受けずに良好な分光スペクトル強度を取得できる。
測定に白色光を用いる場合は、計測対象となる微細粒子を分散させた光透過性の、樹脂コート膜の微細粒子の凝集径が0.6μm以下で有ることが特に好ましい。
微細粒子の大きさが波長に比べて無視できない程度の大きさの場合にはミー散乱が生じ、測定光の直進性が妨げられ、分光反射率法に必要な「垂直入射/垂直受光」の基本測定原理が達成できなくなる
また凸部を形成する微細粒子は球状に近いことが好ましい。異方性のある形態、例えば、針状、板状の粒子はキャリアの樹脂コート膜の表面性を低下させることから好ましくない。
更に該樹脂コート膜中の微細粒子の含有率を85重量%より小さくすることにより、膜の散乱性が押さえられ、好適な分光反射率法による膜厚計測が可能となる。
ここで用いられる微細粒子は、種々の金属酸化物粒子などの無機微粒子が好ましく用いられ、中でも酸化チタン、アルミナ、シリカなどは、容易に均一な微細粒径の粒子が得られ、かつ、使用する粒子に依って様々な電気特性や機械的な強度を得ることが出来ることから特に好ましい。
微細粒子に光の波長選択吸収がある場合は、樹脂コート膜内で、磁性微粉体表面に光が到達する際、及び磁性微粉体表面で反射して樹脂コート膜界面に到達する際の光路内で、垂直入射光及び垂直反射光が弱められるので、樹脂コート膜厚計測に必要な干渉波形の可視度が低くなることから、微細粒子は光透過性であることが好ましい。
また可視域の消光係数が0.1以下である場合は、分光反射率法が好適に実施される。
特に微細粒子のバンドギャップエネルギーが3.0eV(413nm)以上であれば、分光反射率計測に必要な可視光下限以上の波長の光を吸収することなく干渉光が透過することが可能となる。
バンドギャップエネルギーが大きく、光学吸収端が紫外線の領域に有る場合は、干渉計測に必要な可視光は吸収されずに透過するので透明となる。
また微細粒子の選択に当っては、シリコーン樹脂等の縮合硬化の過程で、キャリアを高温に過熱しても、微細粒子が熱的に安定であることも重要である。
ここで、真球状の磁性微粉体上に、微細粒子を分散させた光透過性の樹脂コート層を設けた静電潜像現像用キャリアの「光透過性の樹脂コート膜厚」は、概略以下のようにして測定される。
静電潜像現像用キャリアの断面図を図1(a)に示し、該キャリアの光透過性の樹脂コート膜厚測定の原理を、キャリア10の構成として、図1(b)の如き場合を例として説明する。即ち、この場合、光透過性の樹脂コート膜は微細粒子3と樹脂コート膜2により構成される。
光透過性の樹脂コート膜2のバインダー樹脂屈折率は、1.4〜1.8程であり、従って、微細粒子3の屈折率が1.77程の場合は、微細粒子とバインダー樹脂との相対屈折率(=微細粒子屈折率/バインダー樹脂屈折率)が1.0〜1.3の範囲となれば、膜厚測定に当たってバインダー樹脂と微細粒子3の界面反射は殆ど無視して考えることができる。
集光された光は、一部が、キャリアの表面、即ち光透過性の樹脂コート膜2の表面で反射され、一部は、光透過性の樹脂コート膜2内に入射し、磁性微粉体1の表面で反射される。これら反射光は図2に示す対物レンズ94及び顕微鏡光学系93を介して「検出光伝送用ファイバ95の端面」に集光され、同ファイバ95により分光手段96へ「検出光」として伝送される。伝送された検出光は分光手段96により分光され、その分光スペクトル強度がスペクトル強度検出手段97により検出される。9は膜厚計測システム、91は光源、99はケーラー照明系の開口絞りである。
図3は、上記のようにしてスペクトル強度検出手段97により検出されたデータ(検出値)と、演算手段98において非線形最小2乗法(例えば、シンプレックス法等のカーブフィットアルゴリズム)により「連続した分光スペクトル強度」として演算されたもの(演算値)である。図3に示すように、分光スペクトル強度は、可視域を含む、波長:450nmから波長800nmの300nm以上の領域にわたって有限であり、全波長領域で強度が波長とともに振動的に変化する。
分光スペクトル強度のこのような振動的な変化は「検出光における干渉」の結果であるが、分光スペクトル強度の振動的な変化の振幅は、波長:450nmより短波長側と780nmより長波長側ではノイズが急激に重畳してくる。これは、顕微鏡光学系と対物レンズの透過率が急激に低下する事に起因しており、この場合、透過波長領域が狭いと、膜厚計測に必要な分光スペクトル強度の極小と極大を与える各波長の検出が出来なくなり、膜厚計測の精度が著しく低下する。
また、測定波長が「光透過性の樹脂コート膜に含まれた微細粒子の粒径よりもある程度大きく」なると、光は微細粒子に散乱されなくなり、検出光において良好に干渉する。
波長:450nm〜800nmの波長領域において、演算値の分光スペクトル強度の変化において「隣接する極大と極小」の適当なものを選択し、これら極大・極小を与える波長を、λ2m、λ2m+1とする。mは「干渉の次数」であり適宜に定めることができる。
そうすると、光透過性の樹脂コート膜の厚さ:dと、光透過性の樹脂コート膜の屈折率:nと、上記干渉の次数:mとの間には周知の如く、
2m=4nd/λ2m
2m+1=4nd/λ2m+1
の関係が成り立つので、これらから干渉次数:mを消去すると、
d=λ2m・λ2m+1/4(λ2m−λ2m+1
が得られる。
従って、上記極大・極小を与える波長:λ2m、λ2m+1が分かると、光透過性の樹脂コート膜の光学的膜厚:ndが知られ、さらに、屈折率:nが分かれば、求める光透過性の樹脂コート膜の厚さ:dは、
d=λ2m・λ2m+1/4n(λ2m−λ2m+1)(1)
として算出することができる。
屈折率:nは、光透過性の樹脂コート膜2の材質が定まれば一義的に定まるものであり、その分光特性、即ち、波長による屈折率の変化(分光屈折率)を予め制御手段98内にテーブルあるいは「波長の関数」として記憶しておくことができ、このようにして、分光スペクトル強度における極小と極大を与える各波長:λ2m+1、λ2mと、光透過性の樹脂コート膜2の屈折率:nとに基づき光透過性の樹脂コート膜の膜厚:dを、上記(1)式に従って演算算出することができる。
一般に屈折率:nは、バインダー樹脂の種類、微細粒子の含有率、微細粒子の屈折率が定まれば決定されるものであり、樹脂コート膜中にバインダー樹脂より高い屈折率を有する微細粒子がフィラーリッチ状態で存在する場合、樹脂コート膜の屈折率は微細粒子の光学的特性が支配的となり、樹脂コート膜自体の屈折率が微細粒子の影響を多く受ける形となる。
即ち、演算手段98は、スペクトル強度検出手段97により検出されたデータを「連続した分光スペクトル強度」として演算し、得られた分光スペクトル強度に対して微分演算等により、極小・極大を与える各波長:λ2m+1、λ2mを特定し、光透過性の樹脂コート膜2の屈折率:nとに基づき光透過性の樹脂コート膜の膜厚:dを、上記の(1)式に従って演算算出する。
この様に、所望波長領域のスペクトル光を放射する光源からの光を、ケーラー照明系92を備えた顕微鏡光学系93を介して対物レンズにより集光し、集光光束を上記光透過性の樹脂コート膜2に垂直入射させる。スペクトル光の「所望波長領域」は、光透過性の樹脂コート膜厚測定を可能ならしむる波長領域を意味し、光透過性樹脂コート膜2の構成(微細粒子の粒径、凝集径等)により定められる。
この場合、集束光のフォーカス位置を樹脂コート膜表面から磁性微粉体側に寄せた状態で、上記光透過性の樹脂コート膜表面と磁性微粉体表面とにより反射して互いに干渉した反射光を、上記対物レンズ94を介して顕微鏡光学系93に戻し、検出光伝送用ファイバ95により分光手段96に導いて可視域を含む300nm以上の波長幅で分光する。分光により得られる分光スペクトル強度の極小と極大を与える各波長と、上記樹脂コート膜2の屈折率とに基づき、光透過性の樹脂コート膜の膜厚を演算算出する。
即ち、本発明の静電潜像現像用キャリアの樹脂コート膜厚計測には、周知の「分光反射率測定法」の原理を利用できる。
以上、説明したように、膜厚(光透過性の樹脂コート膜2の厚み)の演算算出には「光透過性の樹脂コート膜の複素屈折率のデータ」が必要であり、上記に説明した例では、光透過性の樹脂コート膜の複素屈折率が、制御手段98に利用可能に記憶されている。静電潜像現像用キャリアは、画像形成装置の機種毎に種々のものが用いられており、それらキャリアにおける光透過性の樹脂コート膜の材質も多岐にわたっている。
本発明のキャリアの構成は、前記特定の範囲のものである限り、それを構成する材料は限定するものではなく、従来公知のものが使用でき、例えば、真球状の磁性微粉体としては、マグネタイト、γ−酸化鉄、フェライト鉄、過剰型フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルの如き磁性金属;酸化鉄又は磁性金属と、コバルト、スズ、チタン、銅、鉛、亜鉛、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、珪素の如き金属との複合金属酸化物合金、又は混合物が挙げられる。これら磁性粒子は、平均粒径が30〜100μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは30〜60μmの範囲内であることが良い。
磁性粒子の形状としては、8面体、6面体、球形、針状、鱗片状があるが、真球形の異方性の少ないものが好ましい。
次に、樹脂コート膜を形成するバインダー樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、アクリル系樹脂(例えばポリメチルメタクリレート)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン等のポリビニル及びポリビニリデン系樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;オルガノシロキサン結合からなるシリコーン樹脂またはその変性品(例えばアルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン等による変性品);ペルヒドロポリシラザンまたはその変性品(部分酸化品を含む);ポリテトラフルオロエチレン、ポリ弗化ビニル、ポリ弗化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等の弗素樹脂;ポリアミド;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;ユリア樹脂;メラミン樹脂;ベンゾグアナミン樹脂;エポキシ樹脂等が挙げられる。中でも本発明の構成要件を満たすために好ましいコート層材料としては、シリコーン樹脂またはその変性品、ペルヒドロポリシラザンまたはその変性品、弗素樹脂、特にシリコーン樹脂またはその変性品等の主鎖および/または側鎖にシロキサン結合骨格を有する化合物がより好ましい。
シリコーン樹脂としては、従来から知られているいずれのシリコーン樹脂であってもよく、下記一般式で示されるオルガノシロキサン結合のみからなるストレートシリコーンおよびアルキド、ポリエステル、エポキシ、ウレタンなどで変性したシリコーン樹脂が挙げられる。
Figure 0004339044
(上記式中、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基、RおよびRは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルケニルオキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エチレンオキシド基、グリシジル基または下記一般式で示される基である。
Figure 0004339044
、Rはヒドロキシ基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルケニルオキシ基、フェニル基、フェノキシ基、k、l、m、n、o、pは1以上の整数を示す。上記各基は未置換のもののほか、例えばアミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、メルカプト基、アルキル基、フェニル基、エチレンオキサイド基、グリシジル基、ハロゲン原子のような置換基を有してもよい。)
また樹脂コート膜の電気抵抗を電気抵抗制御材料の分散により制御することが好ましい。その際に用いられる材料は、従来公知の物で良く、その例としては、鉄、金、銅等の金属;フェライト、マグネタイト等の酸化鉄;カーボンブラック等の顔料が挙げられる。この中でも特にカーボンブラックを用いることにより、少量の低抵抗微粉末の添加で効果的に導電性の調整が可能であり、好ましく用いられる。
光透過性の樹脂コート膜に外添する電気抵抗制御材料粒子の平均一次粒子径は、測定光に散乱・回折の影響を与えない20〜200nmであることが好ましく、また、キャリア樹脂コート膜に対する電気抵抗制御材料粒子の割合は、0.01〜2重量%であることが好ましい。電気抵抗制御材料粒子の一次粒子径が、200nmを上回る様な場合には、測定光の回折の影響が生じやすく、特にサブストレイトである真球状の磁性微粉体からの反射光が低減し、干渉波形が現れない場合がある。
さらに、樹脂コート膜中には、これらの密着性を向上させたり電気抵抗制御材の分散性を向上させる目的でシランカップリング剤、チタンカップリング剤等のカップリング剤を助剤として添加しても良い。本発明で用いられるシランカップリング剤の例としては、下記一般式で示される化合物が挙げられる。
Figure 0004339044
(上記式中、Xはけい素原子に結合している加水分解性基で、クロル基、アルコキシ基、アセトキシ基、アルキルアミノ基、プロペノキシ基などである。Yは有機マトリックスと反応する有機官能基で、ビニル基、メタクリル基、エポキシ基、グリシドキシ基、アミノ基、メルカプト基などである。Rは炭素数1〜20のアルキル基またはアルキレン基である。)
このシランカップリング剤の中でも、特に負帯電性を有する現像剤を得るにはYにアミノ基を有するアミノシランカップリング剤が好ましく、正帯電性を有する現像剤を得るにはYにエポキシ基を有するエポキシシランカップリング剤が好ましい。
樹脂コート層の形成法としては、コア材粒子の表面にコート層形成液を、樹脂コート層を平滑に塗布可能な浸漬法で塗布すればよい。
例えば、前記したコート樹脂の内、熱硬化性を有する成分(熱硬化性成分)と熱可塑性を有する成分(熱可塑性成分)を特定の割合で混合またはブロック重合し、これを、浸漬コート法によって、均一に塗工後、熱硬化性成分の硬化温度以上、熱可塑性成分の軟化温度以上にかつ分解温度以下の温度範囲で焼成して、コート層成分の硬化および平滑化を同時に行うことにより、樹脂コート層表面の凹凸の周期と振幅を各々0.1μm以下にすることができる。コート層の厚さは0.1〜20μmが好ましい。
さらに、前記したように光透過性の樹脂コート膜の表面の周期と振幅が各々0.1μm以下であることが好ましく、これ以上の場合には、前述した様に測定光が回折・散乱されて、分光反射率測定法で光透過性の樹脂コート膜厚を計測が出来ない事態が生じる場合がある。このような真球状の磁性微粉体上に、微細粒子を分散させた光透過性の樹脂コート層を設けた静電潜像現像用キャリア粒子は、前記した樹脂コート樹脂中の微細粒子成分を適正量に保ち、かつ、充分な分散を行わせることにより得られ、具体的には光透過性の樹脂コート膜組成中の微細粒子の成分が85重量%以下であることが好ましく、かつ、樹脂コート層内での分散状態が均一であることにより得られる。
以下、実施例により本発明を具体的に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、ここで「部」、「%」は全て重量部、重量%を示す。
分光反射率法により膜厚計測可能なキャリアは次の様に作製した。
実施例1(キャリア1)
真球状の磁性微粉体としては、表面の凹凸の周期と振幅が各々0.1μm以下であり、磁性微粉体と光透過性の樹脂コート膜との相対屈折率(=磁性微粉体屈折率/樹脂コート膜屈折率)が1.5〜2.1の範囲に収まるように屈折率:2.42、消光係数:3.3のマグネタイト粒子を用いた。磁性微粉体表面の凹凸の周期と振幅はWyko NT3300 Optical Profilerで得られたX及びY−Profileで計測した。各々、0.1μm以下であった。
バインダー樹脂として、屈折率:1.4のシリコーン樹脂(SR2411:東レダウコーニングシリコーン社製)の固形分に対して、屈折率:1.78、消光係数:0のアルミナ微細粒子(住友化学工業製 スミコランダムAA−03、0.3μm、軸比1.1、バンドギャップエネルギー6.9eV、凝集径0.6μm)の20重量%を、ホモジナイザーを使用して30分間分散し、この分散液を固形分10重量%になるように希釈し、樹脂コート膜用分散液を得た。
上記磁性微粉体5kgに対して、上記の分散液を流動床型コーティング装置を用いて、100℃の雰囲気下で、約50g/minの割合で塗布した。更に、300℃で2時間加熱して、樹脂コート膜を乾燥硬化させたキャリアを得た。
この際、微細粒子と光透過性のバインダー樹脂との相対屈折率(=微細粒子屈折率/バインダー樹脂屈折率)を1.3とした。また、磁性微粉体であるマグネタイトと光透過性の樹脂コート膜との相対屈折率(=磁性微粉体屈折率/樹脂コート膜屈折率)は、1.51であった。更に、樹脂コート膜と空気との相対屈折率(=樹脂コート膜屈折率/空気屈折率)は1.6であった。
形成された樹脂コート層表面をWyko NT3300 Optical Profilerで計測したところ凹凸の周期と振幅が各々0.08μmであった。
上記実施例1で得られた静電潜像現像用キャリアについて、オリンパス光学工業(株)製顕微鏡BX60の改造機と分光器を用い、真球状の磁性微粉体表面と光透過性の樹脂コート膜表面との繰り返し反射に起因する干渉波形の抽出を試み、光透過性の樹脂コート膜と磁性微粉体の光の分散値(複素屈折率データ)を用いることにより光透過性の樹脂コート膜厚の計測を試みた。測定サンプルである静電潜像現像用キャリア粒子は、スライドガラス平板上へ薄く散布した。
その結果、測定領域内にある各サンプルについて頂点部分を測定して、10点膜厚計測値を算出し、平均膜厚:0.49μm、分解能:0.005μm以下、同一箇所繰り返し精度(バラツキ)σ=0.0008μmの計測結果が得られた。
実施例2(キャリア2)
実施例1(キャリア1の製造例)において、真球状のキャリア芯材として、屈折率:2.94、消光係数:3.9のヘマタイト粒子(表面の凹凸の周期:0.08μm、振幅:0.08μm)を用いて磁性微粉体と光透過性の樹脂コート膜との相対屈折率(=磁性微粉体屈折率/樹脂コート膜屈折率)を1.84とした以外は、すべて実施例1と同様にしてキャリア2を得た。
上記実施例2で得られた静電潜像現像用キャリアについて、同様にオリンパス光学工業(株)製顕微鏡BX60の改造機と分光器を用い、真球状の磁性微粉体表面と光透過性の樹脂コート膜表面との繰り返し反射に起因する干渉波形の抽出を試み、光透過性の樹脂コート膜と磁性微粉体の光の分散値(複素屈折率データ)を用いることにより光透過性の樹脂コート膜厚の計測を試みた。測定サンプルである静電潜像現像用キャリア粒子は、スライドガラス平板上へ薄く散布した。
その結果、界面反射が弱い磁性微粉体表面の反射を多く稼ぐことが可能となり、より可視度の高い干渉スペクトルを得る事ができた。
測定領域内にある各サンプルについて頂点部分を測定して、10点膜厚計測値を算出し、平均膜厚:0.38μm、分解能:0.005μm以下、同一箇所繰り返しバラツキσ=0.0003μmの計測結果が得られた。
実施例3(キャリア3)
実施例1(キャリア1の製造例)において、バインダー樹脂として屈折率:1.48のアクリル樹脂溶液(日立化成社製 ヒタロイド3019)の固形分に対して、屈折率:1.78、消光係数:0のアルミナ微細粒子(住友化学工業製 スミコランダムAA−03 0.3μm 軸比1.1)の30重量%を、ホモジナイザーを使用して30分間分散し、この分散液を固形分5重量%になるように希釈し、樹脂コート膜用分散液を得た以外は、すべて同様にしてキャリア3を得た。微細粒子とバインダー樹脂との相対屈折率(=微細粒子屈折率/バインダー樹脂屈折率)は1.2となった。また樹脂コート膜の屈折率は1.61であった。
上記実施例3で得られた静電潜像現像用キャリアについて、同様にオリンパス光学工業(株)製顕微鏡BX60の改造機と分光器を用い、真球状の磁性微粉体表面と光透過性の樹脂コート膜表面との繰り返し反射に起因する干渉波形の抽出を試み、光透過性の樹脂コート膜と磁性微粉体の光の分散値(複素屈折率データ)を用いることにより光透過性の樹脂コート膜厚の計測を試みた。測定サンプルである静電潜像現像用キャリア粒子は、スライドガラス平板上へ薄く散布した。
その結果、測定領域内にある各サンプルについて頂点部分を測定して、10点膜厚計測値を算出し、平均膜厚:0.27μm、分解能:0.005μm以下、同一箇所繰り返し精度(バラツキ)σ=0.0009μmの計測結果が容易に得られた。
比較例1(キャリア4)
実施例1(キャリア1の製造例)において、表面の凹凸の周期と振幅が各々0.1μm以下であり、屈折率:2.98、消光係数4.0のフェライト粒子を用い、バインダー樹脂として、屈折率:1.4のシリコーン樹脂(SR2411:東レダウコーニングシリコーン社製)の固形分に対して、屈折率:1.78、消光係数:0のアルミナ微細粒子(住友化学工業製 スミコランダムAA−03 0.3μm 軸比1.1)の含有率を88重量%とした以外は、すべて同様にしてキャリア4を得た。この際、樹脂コート膜の屈折率は、1.98であった。
上記比較例1で得られた静電潜像現像用キャリアについて、同様にオリンパス光学工業(株)製 顕微鏡BX60の改造機と分光器を用い、真球状の磁性微粉体表面と光透過性の樹脂コート膜表面との繰り返し反射に起因する干渉波形の抽出を試み、光透過性の樹脂コート膜と磁性微粉体の光の分散値(複素屈折率データ)を用いることにより光透過性の樹脂コート膜厚の計測を試みた。測定サンプルである静電潜像現像用キャリア粒子は、スライドガラス平板上へ薄く散布した。
ここで、キャリア粒子表面コート層の膜厚測定は、樹脂コート膜と空気との相対屈折率(=樹脂コート膜屈折率/空気屈折率)が1.98と1.8以上になってしまい、樹脂コート膜での界面反射が強くなりずぎることにより光が樹脂コート膜内に透過し難くなる為、図4に示す様に膜厚計測に必要な干渉波形の可視度が得られなくなり、分光反射率法を用いて樹脂コート膜厚計測を行うことが出来なかった。
(a)は本発明の静電潜像現像用キャリアの断面図である。 (b)は上記(a)の静電潜像現像用キャリアの表面近傍の拡大図である。 本発明の静電潜像現像用キャリアの樹脂コート層の膜厚計測システムの概略図である。 本発明の静電潜像現像用キャリアの膜厚測定における検出光の分光スペクトル強度の検出値と演算値を示すグラフである。 比較例の静電潜像現像用キャリアの膜厚測定における検出光の分光スペクトル強度の検出値を示すグラフである。
符号の説明
(図1)
1 磁性微粉体
2 樹脂コート膜
3 微細粒子
10 キャリア
(図2)
9 膜厚計測システム
10 キャリア
11 スライドガラス
91 光源
92 ケーラー照明系
93 顕微鏡光学系
94 対物レンズ
95 検出光伝送用ファイバ
96 分光手段
97 スペクトル強度検出手段
98 演算システム
99 ケーラー照明系の開口絞り

Claims (9)

  1. 表面の凹凸の周期と振幅が各々0.1μm以下である真球状の磁性微粉体上に、少なくとも微細粒子とバインダー樹脂から成る光透過性の樹脂コート膜を設けた静電潜像現像用キャリアであって、該微細粒子と該バインダー樹脂との相対屈折率(=微細粒子屈折率/バインダー樹脂屈折率)が1.0〜1.3であり、磁性微粉体と光透過性の樹脂コート膜との相対屈折率(=磁性微粉体屈折率/樹脂コート膜屈折率)が1.5〜2.1であり、樹脂コート膜と空気との相対屈折率(=樹脂コート膜屈折率/空気屈折率)が1.4〜1.8であることを特徴とする静電潜像現像用キャリア。
  2. 請求項1に記載の静電潜像現像用キャリアにおいて、バインダー樹脂がシリコーン樹脂またはその変性品であることを特徴とする静電潜像現像用キャリア。
  3. 前記真球状の磁性微粉体の可視域の消光係数が2.0〜5.0であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
  4. 前記微細粒子の可視域の消光係数が0.1以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
  5. 前記微細粒子が金属酸化物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
  6. 前記微細粒子のバンドギャップエネルギーが3.0eV以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
  7. 前記樹脂コート膜中の前記微細粒子の含有率が85重量%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
  8. 前記微細粒子の凝集径が0.6μm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
  9. 前記真球状の磁性微粉体表面に、微細粒子を分散させた光透過性の樹脂コート膜を設けることによって形成される樹脂コート層表面の凹凸の周期と振幅が各々0.1μm以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
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