JP4338342B2 - 蓋付き容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器本体の天面側に設けられた取出口を開閉可能な上蓋にて閉じるようにした容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
多数枚のウエットティッシュを所定枚数ずつ順に取り出せるように折り畳んで収容した袋詰め物品のための樹脂製容器として、例えば特開平11−180460号公報に開示されている蓋付き容器が知られている。この公報の容器は、容器本体の底部をほぼ全面的に開口させ、その開口部を容器本体から分離可能な底蓋にて閉じることにより、袋詰めされたウエットティッシュを交換可能としたものである。容器本体の天面側にはウエットティッシュの取出口が形成され、その取出口は容器本体に対してヒンジ結合された上蓋にて閉じられる。容器本体には上蓋を開く方向に付勢する上蓋付勢手段と、その上蓋付勢手段の力に抗して上蓋を閉じた位置に保持する保持部とが設けられている。ユーザーが保持部を押し込み操作するとその保持部と上蓋との噛み合いが外れ、上蓋が上蓋付勢手段によって開かれる。つまり、上蓋はいわばワンプッシュで開放され、ユーザーにとっては使い勝手がよい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ウエットティッシュのような日用品に関する容器の外観は、ユーザーによる商品の選択理由に大きな影響を与える。そこで、美感の向上を目的として、容器の天面から前後左右の側面に掛けての部分に従来よりも曲率半径の大きい曲面部を配置して、全体に丸みを帯びた外観を容器に付与することが検討されている。しかし、容器の天面をすべて湾曲させると、容器を上下方向に積み重ねることができず、商品の搬送や陳列に支障が生じる。その一方、従来のように上蓋をその全面に亘って平坦に形成した場合には、容器本体の曲面部の曲率半径の増加に伴って上蓋の面積が減少し、それに伴って取出口の大きさが制限を受ける。ウエットティッシュの容器の場合、取出口には次のウエットティッシュの一部が引き出された状態で保持されているため、上蓋があまり小さくなると、その取出口から引き出されたウエットティッシュを噛み込んだまま上蓋が閉じられる等、使い勝手に支障を来すおそれがある。
【0004】
そこで、本発明は、天面と側面との間に十分な曲面部を設けて全体として丸みを帯びた外観形状を容器に与えつつ、上蓋の面積を十分に確保して使い勝手を犠牲にせず、かつ容器を積み重ねた際の安定性も確保できる蓋付き容器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0006】
本発明の蓋付き容器は、天面側に取出口(10)が設けられ、かつ底面側がほぼ全面的に開口した容器本体(2)と、前記容器本体に開閉可能に取り付けられて前記取出口を閉鎖可能な上蓋(4)と、前記上蓋を開閉するためのプッシュボタン(6)と、前記容器本体の底面側の開口を閉じるように配置される底蓋(3)とを備えた容器において、前記上蓋には、前記取出口を閉じたときに容器の前記底蓋によって形成される底面と略平行となる平面部(7)が設けられ、その平面部と前記容器本体の前後左右の側面(12a〜12d)との間に曲面部(8a〜8d)が配置され、その曲面部の少なくとも一部は前記上蓋及び前記容器本体の両者に亘って延び、前記プッシュボタンの前端部(6a)が前記プッシュボタンの操作範囲の全てにおいて前記容器本体の外面よりも突出し、前記容器本体には、該容器本体の側面を外側にずらすことによってスタックラインが形成され、前記容器本体の内面の四隅には前記容器本体を積み重ねたときに前記スタックラインと当接する凸部が形成され、前記スタックラインと前記凸部との位置関係は、前記底蓋が未装着でかつ前記上蓋及び前記プッシュボタンが取り付けられたサブアッセンブリ状態で前記容器本体を積み重ねることができるように定められていることを特徴とするものである。
【0007】
この容器によれば、上蓋と容器本体との両者に亘って曲面部を設けることとしたので、曲面部の曲率半径を大きくして全体に丸みを帯びた外観形状を与えた場合でも上蓋の面積を十分に大きく確保することができる。また、上蓋に平面部が設けられることにより、容器を上下方向に安定的に積み重ねることができる。なお、平面部は上蓋のみに設けられてもよいし、容器本体にも平面部を設けてもよい。さらに、スタックラインと凸部とを当接させることにより、上蓋が取り付けられたサブアッセンブリ状態の容器本体を上下方向に一定の間隔で整然と積み重ねることもできる。本発明の蓋付き容器において、使用者からみたときの容器の前面側及び背面側にて、前記曲面部(8a,8b)が前記上蓋及び前記容器本体の両者に亘って延びていてもよい。さらに、容器の左右にて前記曲面部(8c,8d)が前記上蓋及び前記容器本体の両者に亘って延びていてもよい。
【0008】
前記上蓋の裏面側には、当該上蓋を閉じたときに前記取出口の周囲を取り囲む閉鎖リブ(40)が形成され、前記閉鎖リブは、当該上蓋の前記平面部及び前記曲面部の両者に亘って延びていることが望ましい。
【0009】
この場合には、閉鎖リブが上蓋の平面部と曲面部とを一体に繋ぐ作用を奏するので上蓋の強度が増加する。従って、上蓋の肉厚を小さく抑えて軽量化、材料の削減を図りつつ上蓋を大型化して容器の使い勝手を向上させることができる。
【0010】
使用者からみたときの容器の前面側及び背面側にて前記曲面部が前記上蓋及び前記容器本体の両者に亘って設けられた場合において、さらに、前記容器本体の天面側の前記取出口を含む所定範囲には前記上蓋を受け入れる天面側凹部(21)が設けられ、その天面側凹部の背後には当該天面側凹部よりも深い背面側凹部(23)が前記天面側凹部と連なるようにして設けられ、その背面側凹部にて前記上蓋と前記容器本体とがヒンジ結合(44,24)され、前記上蓋の裏面及び前記容器本体の背面側凹部にはばね取付部(46,26)がそれぞれ設けられ、それらばね取付部同士の間には、前記上蓋を開く方向に付勢する折り畳み可能な上蓋付勢手段(5)がその折り返し部(5a)を前記ばね取付部よりも容器の前方に突き出すようにして配置されてもよい。
【0011】
この場合には、上蓋の後端側が曲面部を設けたことによって平面部よりも相対的に下がることになり、上蓋を開いたときにその上蓋の後端部が背面側凹部に入り込むようになる。これに合わせて、上蓋付勢手段の折り返し部をばね取付部よりも前方に突き出すことにより、上蓋付勢手段と上蓋の後端部との干渉を容易に回避することができる。
【0012】
さらに、前記背面側凹部には、前記上蓋付勢手段の折り返し部を受け入れるばね収容部(27)が当該背面側凹部を容器の前方に部分的に拡大するようにして設けられてもよい。この場合には、上蓋を閉じたときでも上蓋付勢手段の折り返し部を無理なく収容することができる。その一方、ばね収容部は背面側凹部を部分的に拡大するように設けるだけなので、天面側凹部の底板(21a)がそのばね収容部によって切り欠かれる面積を必要最小限に止めることができる。これにより、取出口の回りの天面側凹部において十分な面積の底板を設けることができる。
【0013】
前記ばね取付部として、前記背面側凹部に開口する袋状のばね取付穴(26)が設けられ、前記容器本体の内面には前記ばね取付穴を確保するためのボス(28)が突出し、前記ボスの周囲には当該ボスから離れるに従って漸次高さが減少するリブ(29)が設けられてもよい。背面側凹部は天面側凹部よりも深い位置にあるので、そこからさらにばね取付穴用のボスを設けたならば、そのボスは容器本体の内面側に大きく突出する。このような突出部分を放置すると、内容物がそれに引っ掛かり、破損等を招くおそれがある。そこで、徐々に高さが減少するリブをボスの周囲に配置することにより、ボス部分の孤立性を緩和し、そのボスの突出が内容物に与える影響を緩和することができる。
【0014】
前記背面側凹部には、前記上蓋が開かれたときに当該上蓋の一部と接触して前記上蓋の開放範囲を制限するストッパ(25)が背面側凹部内に突出するように設けられてもよい。この場合には、ストッパが背面側凹部に突出しているので、上蓋の開放範囲を容易かつ確実に制限することができる。なお、前記上蓋の後端には、当該上蓋を閉じた状態で前記ヒンジ結合の支点位置よりも前記背面側凹部の底側に突出するストッパフランジ(45)が設けられ、前記ストッパフランジの突出方向の先端(45a)が前記ストッパと当接可能であってもよい。
【0015】
前記ストッパにて前記上蓋の開放が制限された状態で、前記背面側凹部のばね取付部(26)が前記上蓋の後端部よりも容器の前側に偏位していることが望ましい。これにより、上蓋付勢手段と背面側凹部との接合部分が上蓋の後端部と干渉するおそれを確実に解消することができる。
【0016】
使用者からみたときの容器の前面側及び背面側にて前記曲面部が前記上蓋及び前記容器本体の両者に亘って設けられた場合において、前記上蓋の外周には、当該上蓋の前端から左右両側に向かって曲線を描きつつ上蓋の後部に延びる湾曲部(41)と、その湾曲部の両端を結ぶ後端部(42)とが設けられ、前記湾曲部の両端付近には互いに平行な平行部(41a)が設けられ、前記平行部にて前記上蓋が前記容器本体に対してヒンジ結合されるとともに、前記湾曲部は前記容器の背面側の曲面部まで延びていてもよい。このように背面側の曲面部まで湾曲部を延ばすことにより、上蓋による開口面積をさらに拡大することができる。
【0017】
なお、本発明において、天面、底面、側面及び上蓋の語は、取出口を上向きにして容器を設置した場合を基準として各部の位置を相対的に特定したものに過ぎず、実際の使用時の各部の位置はこれらの用語によって限定されるものではない。例えば、本発明の蓋付き容器は、取出口を横向きにした状態で使用されてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態に係る容器の外観を示す斜視図であり、(a)は上蓋を閉じた状態を、(b)は上蓋を開いた状態をそれぞれ示している。また、図2は平面図、図3は部分破断正面図、図4は右側面図である。まず、これらの図を参照して容器1の概略を説明する。
【0019】
図1に示すように、本実施形態の蓋付き容器1は、容器本体2と、その容器本体2の底面側に配置される底蓋3と、容器本体2の天面側(図1において上面側)に配置される上蓋4とを有している。容器本体2の下端はほぼ全面的に開口し、その開口は底蓋3にて閉じられる。底蓋3を取り外すことにより、容器本体2の内部にはウエットティッシュの梱包物が装着される。
【0020】
図5はその梱包物の断面図である。梱包物100は、シール性を有する袋101の内部に、多数枚のウエットティッシュ102…102を、開口103から所定枚数ずつ(例えば一枚ずつ)連続的に取り出せるように折り畳んで収容した周知のものである。開口103はシール104にて塞がれており、そのシール104は使用時(すなわち、容器1への収容時)に剥がされる。
【0021】
図1(b)から明らかなように、容器本体2の上部には取出口10が形成される。容器1内の梱包物100に収容されたウエットティッシュ102はその取出口10から所定枚数ずつ引き出される。周知のように、取出口10には、ウエットティッシュ102の取り出しに伴って引き上げられる次のウエットティッシュ102の端部を保持するためのフラップ11…11が設けられる。フラップ11の形状は図示のものに限らず、種々変更してよい。梱包物100の開口103に、フラップ11と同等の機能が備えられているときはフラップ11を省略してもよい。
【0022】
上蓋4はその後端部が容器本体2に対してヒンジ結合されることにより、容器本体2に回動自在に取り付けられる。容器本体2と上蓋4との間には、上蓋4を開く位置に付勢する上蓋付勢手段としての板ばね5が配置される。また、容器本体2の前側にはプッシュボタン6が取り付けられる。プッシュボタン6は、板ばね5の力に抗して上蓋4を閉じた位置に保持する保持手段、及び上蓋4を開くために操作される解除操作手段として機能する。以上の容器1において、容器本体2、底蓋3、上蓋4及びプッシュボタン6は樹脂成形品であり、板ばね5は好適には天然又は合成ゴムにて構成される。但し、本発明の容器はこれらの材質にて構成されたものに限定されない。例えば、ゴム素材に代えばね鋼等を利用して板ばね5を形成してもよい。上蓋付勢手段は板状のものに限らない。
【0023】
次に、容器1の外観的な特徴について説明する。図1(a)及び図2にハッチングを付して示すように、上蓋4には、閉じたときに容器1の底面(底蓋3によって形成される面)と略平行となる矩形状の平面部7が設けられている。この平面部7は容器1を上下方向に積み重ねたときの安定性を確保するために設けられている。また、平面部7は、各種のラベルを貼り付ける面としても好適に機能する。金型内に予め配置されて樹脂成形品と一体化されるいわゆるインモールドラベルの取付位置としても平面部7は好適である。
【0024】
一方、容器本体2の前後左右には側面12a、12b、12c及び12d(側面12b及び12cは図1において陰に隠れて現れない。)が設けられ、上蓋4の平面部7と容器本体2の前後左右の側面12a〜12dとの間には曲面部8a,8b,8c,8dが配置されている。そして、各曲面部8a,8b,8c,8dは上蓋4及び容器本体2の両者に亘って延びている。換言すれば、曲面部8a〜8dの一部は上蓋4に、残部は容器本体2にそれぞれ振り分けられている。
【0025】
なお、図では、理解の便宜のために曲面部8a〜8dの相互の境界部分、側面12a〜12dの相互の境界部分、及び曲面部8a〜8dと側面12a〜12dとの境界部分のそれぞれに輪郭線を描いているが、実際にはこれらの輪郭部分にも曲面が配置される。また、容器1の安定感を印象付けるため、容器本体2の側面8a〜8dには、容器1の水平断面が上側に向かうほど漸次小さくなるように傾斜又は湾曲が付けられている。容器1の幅W、奥行きD及び高さH(図2〜図4参照)をおよそ170×110×70mmとしたとき、各曲面部8a〜8dの曲率半径は少なくとも30mm以上に設定される。但し、曲率半径が異なる二以上の曲線を接合して曲面部8a〜8dを構成してもよい。また、平面部7の面積は、容器1の底面の面積に対して20%以上確保することが望ましい。なお、平面部7は、容器平面の中央部に設けることが望ましい。平面部7の形状は矩形状に限らず、種々の形状にて設けることができる。
【0026】
容器本体2の下部には、スタックライン13が容器本体2を一周するように設けられている。スタックライン13は、容器本体2の側面12a〜12dを所定量だけ外側にずらすことにより形成されている。図3のVI部を拡大して示した図6(a)から明らかなように、容器本体2の下端内面の四隅には凸部14が形成されている。容器本体2を上下に積み重ねたとき、図6(b)に示すように下側の容器本体2のスタックライン13と上側の容器本体2の凸部14とが当接する。これにより、容器本体2を上下方向に一定の間隔で整然と積み重ねることができる。なお、スタックライン13と凸部14との位置関係は、図7に示すように、容器本体2、上蓋4、板ばね5及びプッシュボタン6を組み合わせたサブアッセンブリ9を上下方向に積み重ねることができるように定められる。
【0027】
容器本体2と底蓋3との連結部分は図6(a)に示すように構成される。すなわち、容器本体2の下端には、先端が拡大したリブ15及びそのリブ15よりも外側に突出するフランジ16がそれぞれ形成されている。底蓋3の外周にはリブ15を受け入れる溝部3aが底蓋3を一周するように形成されている。リブ15を溝部3aに差し込むことにより、溝部3aの外周側の壁部3bがリブ15の拡大部分と噛み合い、それにより底蓋3が容器本体2に対して脱落することなく保持される。
【0028】
次に、容器本体2と上蓋4との関係を説明する。図8は図3のVIII−VIII線に沿った断面図、図9は上蓋4及び板ばね5を省略した容器1の平面図、図10は図3のX部の拡大図である。また、参考のため、上蓋4の詳細を図11〜17に示す。図11は上蓋4の平面図、図12は上蓋4の正面図、図13は上蓋4の背面図、図14は上蓋の右側面図、図15は上蓋4の裏面図、図16は上蓋4の前端部の拡大断面図、図17は上蓋4の後端部の拡大断面図である。
【0029】
図8及び図9に示すように、容器本体2の天面側には上蓋4の外周と形状を合わせて第1凹部(天面側凹部)21が形成されている。第1凹部21の底板21aは容器1の底面と平行であり、側板21bはその底板21aとほぼ直交する。底板21aには、第1凹部21よりも一段低められた第2凹部22が形成されている。その第2凹部22の底板22aに上述した取出口10及びフラップ11が形成されている。第2凹部22の底板22aも容器1の底面と平行であり、側板22bはその底板22aとほぼ直交する。第2凹部22は全体として楕円状又は長円状に形成されている。図1(b)、及び図15によく示されているように、上蓋4の裏面には第2凹部22と対応した楕円状又は長円状の閉鎖リブ40が形成されている。図8及び図10に示すように、上蓋4を閉じたとき、この閉鎖リブ40が第2凹部22の側板22bの直ぐ内側に入り込む。これにより、取出口10の周囲が閉鎖リブ40及び側板22bにて二重に取り囲まれ、容器1の取出口10の周囲に関して実用上十分な密封性が確保される。
【0030】
図14及び図15に示したように、閉鎖リブ40は上蓋4の平面部7と前後の曲面部8a,8bとに亘って延びている。つまり、閉鎖リブ40によって描かれる閉じた形状は、平面部7及び曲面部8a,8bにまたがって延びている。従って、平面部7と曲面部8a,8bとが閉鎖リブ40によって一体化され、上蓋4に実用上十分な剛性が付与される。また、閉鎖リブ40を平面部7の大きさに影響されることなく拡大し、それによりウエットティッシュ102の噛み込みが発生する頻度を減少させて容器1の使い勝手を向上させることができる。なお、上蓋4の裏面に閉鎖リブ40とは別に補強用のリブを設けてもよい。
【0031】
図11及び図15から明らかなように、上蓋4の外周は、上蓋4の前端から左右の後端に向かって緩やかな曲線を描いて延びる湾曲部41と、その湾曲部41の両端を直線状に結ぶ後端部42とを組み合わせて構成されている。湾曲部41は容器本体2の第1凹部21の側板21bと相似形の輪郭を描いて延び、それにより、上蓋4を閉じたときの上蓋4と容器本体2との隙間を必要最小限に抑えて曲面部8a〜8dの一体感を向上させている。そして、湾曲部41の前端には、プッシュボタン6(図1参照)と噛み合う爪部43が設けられている(図16参照)。
【0032】
湾曲部41は容器本体2の背面側の曲面部8bまで延びている。また、湾曲部41の後端(図15において下端)には互いに平行な平行部41a,41aが設けられ、それらの平行部41aにヒンジ軸44,44が設けられている。ヒンジ軸44,44は互いに同軸であり、その軸線は後端部42の延びる方向と平行である。また、図17から明らかなように、後端部42には、上蓋4を閉じた状態でヒンジ軸44の軸芯を越えて下方に延びるストッパフランジ45が設けられている。さらに、上蓋4の裏面には板ばね5を取り付けるための2本の中空状のボス46,46が設けられている。なお、平行部41a,41aの間の幅W2は、上蓋4の最大幅W1に対して85%以上に設定される。
【0033】
一方、図8及び図9から明らかなように、容器本体2の背面側(図8において右端側)には、上蓋4の後端部を受け入れるための第3凹部(背面側凹部)23が形成されている。上蓋4の後端部42が曲面部8bの存在によって、平面部7よりも下方に偏位しているため、第3凹部23の底板23aは第1凹部21の底板21aよりも低い位置にある。第3凹部23の両端には、貫通していない袋状のヒンジ受け穴24,24が形成されている。これらのヒンジ受け穴24に上蓋4のヒンジ軸44を装着することにより、図18に示すように上蓋4が容器本体2に対して開閉自在に取り付けられる。なお、第3凹部23にはストッパ25,25が形成されている(図9参照)。図18(b)に示したように、上蓋4をその平面部7が容器1の底面とほぼ直交する状態まで開くとストッパフランジ45の先端面45aがストッパ25と当接し、それ以上の上蓋4の開放が阻止される。これにより、上蓋4の開閉範囲が適当な範囲に制限される。但し、ストッパ25による開放制限位置は、平面部7が容器1の底面と直交する位置に限定されず、容器1の使用形態に応じて適宜に設定してよい。
【0034】
図9に示すように、第3凹部23の底板23aのほぼ中央には、板ばね5を取り付けるためのばね取付穴26が形成されている。そのばね取付穴26の前方には、第3凹部23を前方に拡大するようにしてばね収容部27が設けられている。ばね収容部27の左右方向の幅は板ばね5の同一方向の幅よりも幾らか大きい。ばね収容部27の前端の側板27aは第2凹部22の側板22bと面一である。図18(a)及び(b)に示すように、板ばね5の一端はばね取付穴26に差し込まれ、他端は上蓋4のボス46に取り付けられる。ボス46には板ばね5を抜け止めするためのキャップ47が取り付けられる。
【0035】
図18(a)に示すように、上蓋4を閉じたとき、板ばね5はその折り返し部5aを容器1の前側に突き出すような姿勢でばね収容部27に収容される。一方、図18(b)に示すように、上蓋4を開いたときには板ばね5がばね収容部27から上方へ引き出されるが、その場合でも板ばね5は容器1の前方に膨らむような弧を描いて湾曲している。従って、上蓋4の開放に伴って後端部42、特にストッパフランジ45が第3凹部23に入り込んでも、上蓋4のストッパフランジ45と板ばね5とが干渉するおそれがない。しかも、ばね取付穴26はストッパ25とほぼ同一位置にあり、ばね取付穴26から引き出された板ばね5がストッパ25に当接したストッパフランジ45の先端面45aよりも容器1の前側に逃げている。これにより、板ばね5と上蓋4の後端部42との干渉がより確実に回避される。
【0036】
なお、図8及び図18に示したように、容器本体2の内面側にはばね取付穴26に対応したボス28が突出させて形成される。このボス28は、上蓋4に曲面部8bを設けたことに伴って第1凹部21よりも深く形成された第3凹部23の底板23aからさらに下方に突出する。このようなボス28が梱包物100の袋101と接触して袋101が破れることがないように、ボス28の両側には略半円状のリブ29,29が設けられている。なお、リブ29の形状は半円状に限定されず、ボス28の先端から基部に向かって末広がりの形状をボス28の周囲に付与するものであればよい。
【0037】
図8に示すように、プッシュボタン6は容器本体2のボタン取付凹部30に装着されている。図21及び図22はそのプッシュボタン6の取付部分を拡大して示す図であり、図21は平面図、図22は断面図である。また、参考のため、容器本体2のボタン取付凹部30の付近の詳細を図23及び図24に、プッシュボタン6の詳細を図25〜29にそれぞれ示す。さらに、プッシュボタン6と上蓋4との噛み合い部分を拡大した様子を図30に示す。
【0038】
図25〜図29から明らかなように、プッシュボタン6は、天板部61と、その天板部61の周囲に沿って延びる周板部62とを備えている。天板部61の上面はユーザーが指を添えるための操作面61aとして機能する。その操作面61aは中央が凹んだ曲面を描くように形成されている。天板部61の前端側(図25において下側)の外周61bは弧状に湾曲し、後端側の外周61cは上蓋4の湾曲部41に合わせて凹んだ形状に形成されている。天板部61の後端部の中央には、上蓋4の爪部43と噛み合うための爪部63が形成されている。また、周板部62の左右の端部にはヒンジ軸64,64が形成されている。ヒンジ軸64は互いに同軸である。さらに、天板部61の下方にはばね部65が形成されている。ばね部65は弓形であり、その両端65a,65aは周板部62に一体的に接合される。ヒンジ軸64,64の軸線と、ばね部65の弦、すなわち、ばね部65の両端65a,65aを結ぶ線とは互いに平行である。
【0039】
ばね部65の塑性変形を抑えるため、ばね部65の長さは長いほど好ましい。その一方、天板部61の前端側の外周61bは弧状に湾曲しているため、プッシュボタン6の左右方向の幅は前端に向かうほど減少する。そこで、ばね部65の両端65a,65aと周板部62との接合位置は、プッシュボタン6の前端よりも幾らか後退した位置に設定される。なお、プッシュボタン6を射出成形する場合、金型内のばね部65と相補的なキャビティ内にて樹脂の流れが合流すると、その合流した位置に樹脂の接合面が生じ、その部分の強度が低下してばね部65の耐久性に影響を与えるおそれがある。従って、ばね部65を形成する金型においては、注入された樹脂がばね部65を形成するためのキャビティの一方から他方へと流れるように樹脂注入用のゲート位置を定めることが望ましい。
【0040】
一方、図23及び図24に示すように、容器本体2のボタン取付凹部30は、第2凹部22の底板22aよりも低い底板30aと、その底板30aと第1凹部21の底板21aとの間に配置される側板30bと、底板30aと曲面部8aとの間に配置される側板30cとに囲まれている。側板30cはプッシュボタン6の外周61bに沿って湾曲し、その左右の端部にはプッシュボタン6のヒンジ軸64を受け入れるための袋状のヒンジ受け穴31,31が形成されている。また、底板30aには、プッシュボタン6のばね部65を受け入れるためのばね受け溝32が設けられ、その溝32内にはばね部65の中央65b(図26参照)を所定位置に拘束するためのリブ33が設けられている。
【0041】
図21及び図22に示したように、プッシュボタン6はばね部65をばね受け溝32に、ヒンジ軸64をヒンジ受け穴31にそれぞれ嵌め込むことによりボタン取付凹部30内にヒンジ軸64を中心として回動可能に装着される。ばね部65の復元力により、プッシュボタン6はヒンジ軸64を中心として第1凹部21に近付く方向(図22の矢印R1方向)に付勢されている。上蓋4が閉じられると、その上蓋4の爪部43を避けるようにしてプッシュボタン6が図22の矢印R2方向に回転する。そして、爪部43が爪部63を乗り越えると、ばね部65の力でプッシュボタン6が回動し、それにより図22に示したように爪部63,43が相互に噛み合って上蓋4が閉じた状態に保持される。
【0042】
上蓋4が閉じた状態において、ばね部65にて形成される弧を含む平面を仮想したとき、その平面がプッシュボタン6の押し下げ方向とほぼ平行となるようにリブ33はばね部65を拘束する。このため、ばね部65の弾性変形の方向がばね部65によって形成される弧を押し広げる方向に保たれ、不規則な方向への変形によりばね部65が切断する等の不都合が生じるおそれがない。なお、ばね部65の変形方向を所定方向に保持する手段は、リブ33に限定することなく種々変更してよい。例えば、溝32の全体をばね部65とほぼ同一幅に設定し、溝32それ自身によりばね部65の変形方向を制限してもよい。
【0043】
図30に詳しく示したように、爪部43は爪部63の対向面63aに沿って頂点(先端)APまで延び、さらにその頂点APを越えて当該爪部63の裏面63b側に回り込む形状に形成されている。このような噛み合い構造としたため、容器1やそのサブアッセンブリ9を落としたとき等に上蓋4が誤って開くおそれが減少する。ちなみに、従来の噛み合い構造は、図32に示したように、容器本体200と一体の操作部201に設けられた爪部202と、上蓋203に設けられた爪部204とが上下方向に噛み合うだけで、爪部202,204同士は前後方向に噛み合っていない。従って、容器に何らかの衝撃が加わると爪部202,204同士の噛み合いが簡単に外れ、上蓋203がばね力で開放される。こうした現象は、積み重ねられたサブアッセンブリ9(図7参照)を一つずつ生産ラインに配置して搬送するときに、サブアッセンブリ9の搬送姿勢が安定しないという不都合を招く。しかし、本実施形態の容器1によれば、爪部63,43が上下方向のみならず前後方向にも噛み合っているので、上蓋4が誤って開くおそれが少なく、こうした搬送エラーの要因を排除し、生産効率を向上させることができる。
【0044】
さらに、本実施形態の容器1では、図30に示したように、爪部63,43が互いに噛み合う領域Pに対して、プッシュボタン6の回転中心となるヒンジ軸64の軸芯AXは下方かつ前方に離れている。このように噛み合い領域Pと軸芯AXとの位置関係を設定することにより、プッシュボタン6を押したときに爪部63が爪部43に対して容器1の上方及び前方の両方向に逃げるようになる。従って、爪部63を抱き込むように爪部43を噛み合わせた形状であるにも拘わらず、プッシュボタン6を押し下げるだけの簡単な操作で爪部63,43の噛み合いを確実に外して上蓋4を開放することができる。
【0045】
なお、図22に示したように、プッシュボタン6の前端部6aは容器本体2の外面より突出する。プッシュボタン6を押し下げたときにその前端部6aがボタン取付凹部30のストッパエッジ30dに当接し、それによりプッシュボタン6の押し下げ操作が制限される。このようにプッシュボタン6の操作量を所定範囲に制限したので、ばね部65が過度に撓んで塑性変形を生じるおそれを確実に排除できる。
【0046】
プッシュボタン6の前端部は、プッシュボタン6の操作範囲の全てにおいて容器本体2の外面(ここでは曲面部8a)よりも突出している。従って、操作面61aに指を添えることなく、手の平や甲、あるいはそれ以外の部位をプッシュボタン6に引っ掛けて上蓋4を開放することもできる。このような操作性を重視するならば、例えば図31に示すように、プッシュボタン6の操作面61aに突起部61dを形成し、ユーザーがより容易に指等の部位を引っ掛けられるようにしてもよい。但し、プッシュボタン6の操作範囲の全域でプッシュボタン6の一部が容器1の外面から突出している必要はなく、爪部63,43の噛み合いが外れる位置、つまり図30において爪部43の軌跡線48と爪部63とが接する位置までプッシュボタン6を操作した時点で、そのプッシュボタン6の一部が容器1の外面から突出していればよい。
【0047】
一方、プッシュボタン6が容器1の外面から突出していると、そのプッシュボタン6が不用意に押されたり、その周囲の物体がプッシュボタン6に接触して上蓋4が意図せずに開かれるおそれもある。このような上蓋4の意図せぬ開放を防止するためには、爪部63,43の噛み合いが外れる位置までプッシュボタン6を操作したときに、そのプッシュボタン6の全体が容器1の外面の内側に隠れるように構成するとよい。
【0048】
以上の容器1においては、プッシュボタン6からばね部65を分離し、別のばね部材によってプッシュボタン6を閉じる位置へ付勢してもよい。プッシュボタン6を容器本体2とを一体化し、そのプッシュボタン6の部分と容器本体2とを繋ぐ部分の肉厚を、ヒンジ軸64に相当する位置に回転中心が一致するように調整してもよい。上蓋4のヒンジ軸44は容器1の背面側で容器本体2と結合されてもよいし、天面側で結合されてもよい。板ばね5の個数は2以上であってもよい。ヒンジ軸44とヒンジ受け穴24,ヒンジ軸64とヒンジ受け穴31はそれぞれ軸と穴との関係を反対にしてもよい。
【0049】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の蓋付き容器によれば、上蓋と容器本体との両者に亘って曲面部を設けることにより、曲面部の曲率半径を大きくして全体に丸みを帯びた外観形状を与えつつも、上蓋の面積を十分に大きく確保して使い勝手を好適に維持できる。また、上蓋の平面部によって、容器を積み重ねた際の安定性も確保される。さらに、容器本体にスタックラインと凸部とを形成しているため、上蓋が取り付けられたサブアッセンブリ状態の容器本体を上下方向に一定の間隔で整然と積み重ねることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る容器の外観を示す斜視図であり、(a)は上蓋を閉じた状態を、(b)は上蓋を開いた状態をそれぞれ示す。
【図2】蓋付き容器の平面図。
【図3】蓋付き容器の部分破断正面図。
【図4】蓋付き容器の右側面図。
【図5】蓋付き容器に内蔵されるウエットティッシュの梱包物の断面図。
【図6】容器本体の下端部付近の構成を示す図。
【図7】容器のサブアッセンブリを積み重ねた状態を示す図。
【図8】図3のVIII−VIII線に沿った断面図。
【図9】上蓋と板ばねとを省略した容器の平面図。
【図10】図3のX部の拡大図。
【図11】上蓋の平面図。
【図12】上蓋の正面図。
【図13】上蓋の背面図。
【図14】上蓋の右側面図。
【図15】上蓋の裏面図。
【図16】上蓋の前端側の拡大断面図。
【図17】上蓋の後端側の拡大断面図。
【図18】上蓋と容器本体との連結部分を示す図。
【図19】容器本体の内部に突出するボスの拡大図。
【図20】図19のXX方向からボスをみた状態を示す図。
【図21】プッシュボタンの取付部分を拡大した平面図。
【図22】プッシュボタンの取付部分を拡大した断面図。
【図23】容器本体のボタン取付凹部の平面図。
【図24】ボタン取付凹部の断面図。
【図25】プッシュボタンの平面図。
【図26】プッシュボタンの正面図。
【図27】プッシュボタンの右側面図。
【図28】プッシュボタンの背面図。
【図29】プッシュボタンの断面図。
【図30】上蓋とプッシュボタンとの噛み合い部分を拡大して示す図。
【図31】プッシュボタンの変形例を図21及び図22に対応させて示す図。
【図32】従来の上蓋の拘束部分の構成を示す断面図。
【符号の説明】
1 容器
2 容器本体
3 底蓋
4 上蓋
5 板ばね(上蓋付勢手段)
6 プッシュボタン
7 平面部
8a,8b,8c,8d 曲面部
9 サブアッセンブリ
10 取出口
11 フラップ
12a、12b、12c,12d 側面
21 第1凹部(天面側凹部)
21a 底板
21b 側板
22 第2凹部
22a 底板
22b 側板
23 第3凹部(背面側凹部)
23a 底板
24 ヒンジ受け穴
25 ストッパ
26 ばね取付穴(ばね取付部)
27 ばね収容部
28 ボス
29 リブ
30 ボタン取付凹部
30a 底板
30b 側板
30c 側板
30d ストッパエッジ
31 ヒンジ受け穴
32 溝
33 リブ
40 閉鎖リブ
41 湾曲部
41a 平行部
42 後端部
43 爪部
44 ヒンジ軸
45 ストッパフランジ
45a 先端面
46 ボス(ばね取付部)
61 天板部
61a 操作面
61b 前端側の外周
61c 後端側の外周
61d 突起部
62 周板部
63 爪部
64 ヒンジ軸
65 ばね部
65a ばね部の両端
65b ばね部の中央
100 ウエットティッシュの梱包物
101 袋
102 ウエットティッシュ

Claims (11)

  1. 天面側に取出口が設けられ、かつ底面側がほぼ全面的に開口した容器本体と、前記容器本体に開閉可能に取り付けられて前記取出口を閉鎖可能な上蓋と、前記上蓋を開閉するためのプッシュボタンと、前記容器本体の底面側の開口を閉じるように配置される底蓋とを備えた容器において、
    前記上蓋には、前記取出口を閉じたときに容器の前記底蓋によって形成される底面と略平行となる平面部が設けられ、その平面部と前記容器本体の前後左右の側面との間に曲面部が配置され、その曲面部の少なくとも一部は前記上蓋及び前記容器本体の両者に亘って延び、前記プッシュボタンの前端部が前記プッシュボタンの操作範囲の全てにおいて前記容器本体の外面よりも突出し、前記容器本体には、該容器本体の側面を外側にずらすことによってスタックラインが形成され、前記容器本体の内面の四隅には前記容器本体を積み重ねたときに前記スタックラインと当接する凸部が形成され、前記スタックラインと前記凸部との位置関係は、前記底蓋が未装着でかつ前記上蓋及び前記プッシュボタンが取り付けられたサブアッセンブリ状態で前記容器本体を積み重ねることができるように定められていることを特徴とする蓋付き容器。
  2. 使用者からみたときの容器の前面側及び背面側にて、前記曲面部が前記上蓋及び前記容器本体の両者に亘って延びていることを特徴とする請求項1に記載の蓋付き容器。
  3. 容器の左右にて前記曲面部が前記上蓋及び前記容器本体の両者に亘って延びていることを特徴とする請求項1又は2に記載の蓋付き容器。
  4. 前記上蓋の裏面側には、当該上蓋を閉じたときに前記取出口の周囲を取り囲む閉鎖リブが形成され、前記閉鎖リブは、当該上蓋の前記平面部及び前記曲面部の両者に亘って延びていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓋付き容器。
  5. 前記容器本体の天面側の前記取出口を含む所定範囲には前記上蓋を受け入れる天面側凹部が設けられ、その天面側凹部の背後には当該天面側凹部よりも深い背面側凹部が前記天面側凹部と連なるようにして設けられ、その背面側凹部にて前記上蓋と前記容器本体とがヒンジ結合され、前記上蓋の裏面及び前記容器本体の背面側凹部にはばね取付部がそれぞれ設けられ、それらばね取付部同士の間には、前記上蓋を開く方向に付勢する折り畳み可能な上蓋付勢手段がその折り返し部を前記ばね取付部よりも容器の前方に突き出すようにして配置されていることを特徴とする請求項2に記載の蓋付き容器。
  6. 前記背面側凹部には、前記上蓋付勢手段の折り返し部を受け入れるばね収容部が当該背面側凹部を容器の前方に部分的に拡大するようにして設けられていることを特徴とする請求項5に記載の蓋付き容器。
  7. 前記ばね取付部として、前記背面側凹部に開口する袋状のばね取付穴が設けられ、前記容器本体の内面には前記ばね取付穴を確保するためのボスが突出し、前記ボスの周囲には当該ボスから離れるに従って漸次高さが減少するリブが設けられていることを特徴とする請求項5又は6に記載の蓋付き容器。
  8. 前記背面側凹部には、前記上蓋が開かれたときに当該上蓋の一部と接触して前記上蓋の開放範囲を制限するストッパが背面側凹部内に突出するように設けられていることを特徴とする請求項5に記載の蓋付き容器。
  9. 前記上蓋の後端には、当該上蓋を閉じた状態で前記ヒンジ結合の支点位置よりも前記背面側凹部の底側に突出するストッパフランジが設けられ、前記ストッパフランジの突出方向の先端が前記ストッパと当接可能であることを特徴とする請求項8に記載の蓋付き容器。
  10. 前記ストッパにて前記上蓋の開放が制限された状態で、前記背面側凹部のばね取付部が前記上蓋の後端部よりも容器の前側に偏位していることを特徴とする請求項8に記載の蓋付き容器。
  11. 前記上蓋の外周には、当該上蓋の前端から左右両側に向かって曲線を描きつつ上蓋の後部に延びる湾曲部と、その湾曲部の両端を結ぶ後端部とが設けられ、
    前記湾曲部の両端付近には互いに平行な平行部が設けられ、前記平行部にて前記上蓋が前記容器本体に対してヒンジ結合されるとともに、前記湾曲部は前記容器の背面側の曲面部まで延びていることを特徴とする請求項2に記載の蓋付き容器。
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