JP4500381B2 - 開閉自在容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、容易に開閉することができる開閉自在容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
内容物、例えばウェットティッシュを内部に収納する容器は、ウェットティッシュの取出口を有するとともに、この取出口は開閉蓋により開閉自在に密閉される。
【0003】
すなわち、このような容器はウェットティッシュを収納するとともに取出口を有する容器本体と、取出口を密閉する開閉蓋とを備えている。
【0004】
使用に際しては、容器本体の取出口に対して開閉蓋が開かれ、容器本体の取出口からウェットティッシュが一枚ずつ取出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来の容器は容器本体と、この容器本体に対して揺動自在に取付けられた開閉蓋とを備えており、使用に際しては容器本体に設けられた作動部分を強い力(例えば2kg以上)で押圧することにより開閉蓋を揺動させて開いている。
【0006】
また、作動部分が容器本体の外観に対してむき出しで設けられることがあり、このような場合、作動部分を外方から覆うことができれば、外観上都合がよい。
【0007】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、弱い力で容易かつ確実に開閉蓋を開くことができ、かつ外観上の美観を確保することができる開閉自在容器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、取出口が形成された上板と、上板から下方へ延びる側板とを有し、下方が開口した容器本体と、容器本体に揺動自在に取付けられ、取出口を密閉する開閉蓋と、容器本体の下方開口を密閉する底蓋とを備え、容器本体と開閉蓋との間の揺動部に、開閉蓋を開方向に向って付勢する弾性付勢手段を設け、開閉蓋の自由端に係止部を設けるとともに、容器本体に係止部に係合する係合部を設け、係合部を保持する垂直板と、この垂直板に連結され垂直板を覆うとともに外方から押圧されて垂直板を撓ませる覆い板とからなる作動体を容器本体に設け、垂直板と覆い板との間に、垂直板と覆い板との間の角度を直角に保つ直角リブが介在され、覆い板を押圧して降下することにより、覆い板からの力が直角リブから垂直板に伝わり、垂直板を撓ませ、このことにより開閉蓋の係止部と容器本体の係合部との係合が解除されることを特徴とする開閉自在容器である。
【0009】
本発明によれば、作動体の覆い板を上方から押圧して降下させることにより垂直板を撓ますことができ、これにより開閉蓋に設けられた係止部と垂直板に設けられた係合部の係合を解除して、開閉蓋を弾性付勢部材によって開くことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図6は本発明による開閉自在容器の一実施の形態を示す図である。
【0011】
図1乃至図5に示すように、開閉自在容器10は、内部にウェットティッシュ41(図6参照)を収納する下方開口型の容器本体11と、容器本体11の下方開口を密閉する底蓋12とを備えている。また容器本体11は取出口24が形成された上板27と、上板27から下方へ延びる側板13とを有し、容器本体11の側板13には上板27の取出口24を密閉する開閉蓋23が揺動自在に取付けられている。
【0012】
また容器本体11の上板27はその略中央部の第1上板(第1薄板)27aと、第1上板27aの外側に段部28を介して設けられ、第1上板27aより高い位置にある第2上板(第2薄板)27bとからなっている。また第1上板27aには、ウェットティッシュ41を取出すための取出口24が設けられている。
【0013】
一方、第1上板27aには係合リブ94が設けられ、取出口24は係合リブ94の内側に配置されている。また開閉蓋23の内面には、第1上板27aに設けられた係合リブ94内に入り込む枠体37が設けられている。そして、開閉蓋23を回動し、係合リブ94内に枠体37を嵌込むことによって、開閉蓋23が取出口24を密閉するようになっている。なお開閉蓋23の内面には補強リブ81が設けられている。
【0014】
さらに図1に示すように、開閉蓋23の自由端には先端リブ36が突設され、この先端リブ36に係止片32が設けられている。
【0015】
また容器本体11のうち開閉蓋23の自由端側であって側板13上端近傍に、上板27から落込む落込段部58が形成され、この落込段部58内に垂直板55aが設けられている。垂直板55aには折曲容易な薄肉部52が形成され、垂直板55aの薄肉部52直下に水平方向外方へ延びる水平板55bが取付けられている。また垂直板55aの内面に開閉蓋23の係止片32に係合する係合突起33が保持されている。
【0016】
垂直板55aの上端には、ヒンジ53を介して覆い板55cが連結されている。この覆い板55cは図3の二点鎖線に示すように、垂直板55aの上方にヒンジ53を介してL字状に成形され、また覆い板55cの内面に嵌合溝56aを有する連結リブ56が固着されている。そして覆い板55cをヒンジ53を中心として回動させ連結リブ56の嵌合溝56aに水平板55bを嵌込むことにより、覆い板55cが垂直板55aおよび水平板55bを外方から覆うとともに、垂直板55aおよび水平板55bに連結される。これら垂直板55a、水平板55bおよび覆い板55cにより作動体55が構成される(図3の実線)。
【0017】
また図1に示すように、容器本体11と開閉蓋23との間に、開閉蓋23を開方向に向って付勢する細長状の板ゴム50が設けられている。すなわち、容器本体11には、板ゴム50の一端を差込み収納する収納部75が設けられ、また開閉蓋23には容器本体11から所定間隔をおいて配置されるとともに板ゴム50の他端を固着する固着部76が設けられている。
【0018】
また図1に示すように、板ゴム50は容器本体11と開閉蓋23との間の中心に配置されている。
【0019】
なお、上述した容器本体11および開閉蓋23は、いずれもポリプロピレン(PP)を用いたインジェクション成形により得られるが、この他にPE、PS、ABS、エラストマー、PET、PVC、ポリカーボネートを用いて成形してもよい。また底蓋12は鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が好ましく用いられ、さらに板ゴム50としてはシリコンゴムが用いられる。又固着部76はPPからなっている。
【0020】
次に作動体55について更に説明する。作動体55は前述のように垂直板55aと、水平板55bと、これら垂直板55aおよび水平板55bを外方から覆う覆い板55cとからなっている。また、垂直板55aと覆い板55cとの間には、垂直板55aと覆い板55cとの間の角度を直角に保つ直角リブ57が設けられている。
【0021】
このため覆い板55cを上方から押圧して降下させることにより、覆い板55cからの力が直角リブ57および連結リブ56を介して各々垂直板55aおよび水平板55bに伝達される。このため垂直板55aを薄肉部52を介して図3の時計方向に容易に撓ませることができるとともに、水平板55bも同様の方向に撓ませることができる。
【0022】
このように垂直板55aが図3の時計方向に撓むことにより、開閉蓋23に設けられた係止片32と垂直板55aに設けられた係合突起33との係合が解除される。
【0023】
覆い板55cの押圧力を解除すると、水平板55bが水平方向に復帰し、これにより水平板55bに連結リブ56を介して連結された覆い板55cと、覆い板55cに直角リブ57を介して連結された垂直板55aが元の位置まで復帰する。
【0024】
なお、図5に示すように水平板55bの幅L1は、垂直板55aおよび覆い板 55cの幅L2よりも狭くなっている。水平板55bは薄肉部を有することはな く、比較的剛性に成形されている。このため水平板55bの幅L1を比較的狭く することにより、比較的剛性に成形されている水平板55bを容易に撓ませることができる。
【0025】
また図1乃至図5に示すように、容器本体11の落込段部58外方に、落込段部58よりも更に下方に位置する摺動面65が形成され、この摺動面65に移動体60が摺動自在に取付けられている。
【0026】
移動体60は図3に示すように、覆い板55cの下端を収納する収納溝62を有し、移動体60は収納溝62に覆い板55cの下端を収納した状態で摺動面65上を摺動する。また移動体60の収納溝62内には嵌合凸部61が上方に向って突出し、また覆い板55cの下端にはこの嵌合凸部61が嵌合する嵌合凹部51が設けられている。
【0027】
すなわち移動体60を移動させ、移動体60の嵌合凸部61を覆い板55cの嵌合凹部51に対応する位置までもってきた場合、覆い板55cを上方から押圧することにより嵌合凹部51内に嵌合凸部61が嵌合するまで覆い板55cを降下させることができる。
【0028】
他方、移動体60の嵌合凸部61と覆い板55cの嵌合凹部51が互いにずれている場合、移動体60の嵌合凸部61が覆い板55cの嵌合凹部51以外の部分に当接してしまう。このため覆い板55cを押圧しても覆い板55cを降下させることはできず、開閉蓋23の開動作は不可能となる。
【0029】
従って移動体60を適宜摺動面65上で摺動させることにより、移動体60に子供のいたずら防止機能をもたせることができる。
【0030】
また図1に示すように、容器本体11の上板27には、開閉蓋23の枠体37が内面側に係合する係合リブ94が設けられている。この係合リブ94の上部には、枠体37と係合リブ94との間にウェットティッシュ41が挟まれても開閉蓋23を容易に開くことができるように面取り94aが施されている。この面取り94aは、係合リブ94のうち、板ゴム50近傍を除く全周に渡って設けられている。板ゴム50近傍は板ゴム50による開作動力が強く、特に面取り94aは必要ではなく、枠体37と係合リブ94との係合を気密に行なわせるようになっている。
【0031】
次に、容器本体11の上板27に設けられた取出口24の構造を説明する。図1に示すように、上板27の第1上板27aに取出口24側へ延びる一対の第1フラップ82,82と、各々が第1フラップ82,82に対向する一対の第2フラップ83,83とが設けられている。
【0032】
一対の第1フラップ82,82および一対の第2フラップ83,83は、いずれも基端から先端に向って波形の断面形状を有している。このように波形の断面形状を有することにより、一対の第1フラップ82,82および一対の第2フラップ83,83は、各々フラップ82,82,83,83の長手方向に直交する方向に撓みの方向が定まることになり、フラップ82,82,83,83を安定して確実に撓ませることができる。
【0033】
なお、一対の第1フラップ82,82および一対の第2フラップ83,83は、いずれも先端に向って末広状に延び、第1フラップ82,82間および第2フラップ83,83間の空間を先端に向って拡大させている。
【0034】
次に図6により、容器本体11内に収納されるウェットティッシュ41について説明する。図6(a)に示すように、ウェットティッシュ41は柔軟なシートからなる密閉袋40内で折畳まれて積層配置され、この密閉袋40によって密閉される。各ウェットティッシュ41は折曲部42を形成して略二つ折りされ、各ウェットティッシュ41の折曲部42は交互に入れ替わっている。またウェットティッシュ41の二つ折りされた下半分41bは、下方に配置するウェットティッシュ41の上半分41aと更に下方に位置するウェットティッシュ41の上半分41aとの間に挿入されている。このためウェットティッシュ41を一枚ずつ摘んで取出した場合、取出したウェットティッシュ41の下半分41bが、下方に位置するウェットティッシュ41の上半分41aを引張り上げるようになっている。なお、ウェットティッシュ41の折り方は、連続的に取り出すことができるように積層配置されていればよく、特に限定されるものではなく、例えば図4(b)のような折り方であってもよい。また密閉袋40の上端に開口40aが設けられ、この開口40aは密閉袋40上面に取外自在に貼付けられた蓋片45により密閉されている。
【0035】
ウェットティッシュ41の素材としては、例えば、水溶性のものが用いられ、その他不織布、紙、ガーゼ等の繊維素材やシート状の発泡体、または紙ベースの軟質材料を用いてもよい。またウェットティッシュに含浸させる液体としては、殺菌剤、消毒剤、洗浄剤等を含んだ湿潤剤や化粧水や乳液等の化粧品が考えられる。
【0036】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
まず、板ゴム50の一端が蓋本体21の収納部75内に差込み収納されるが、板ゴム50の他端は位置決め孔(図示せず)が開閉蓋23の所定位置に設けられた突起(図示せず)内に嵌合して位置決めされ、その後固着部76により固着される。
【0037】
次に容器本体11内にその下方開口から、密閉袋40によって密閉されたウェットティッシュ41が収納される。
【0038】
次に開閉蓋23が容器本体11に対して閉方向へ移動し、開閉蓋23の係止片32に容器本体11の係合突起33が係合して、容器本体11の取出口24が開閉蓋23により密閉される。このとき、開閉蓋23の枠体37が容器本体11の係合リブ94内に入り込んで、枠体37内を密閉状態に維持する。
【0039】
ウェットティッシュ41の使用時には、まず移動体60を摺動面65上で摺動させ、移動体60の嵌合凸部61を覆い板55cの嵌合凹部51に対応する位置までもってくる。次に作動体55の覆い板55cを押圧して降下させることにより、垂直板55aを薄肉部52を中心として撓ませ、同時に水平板55bを撓ませる。このことにより、係止片32と係合突起33との係合を解除することができる。この場合、板ゴム50の復元力により、開閉蓋23は揺動軸(図示せず)を中心として回動し、開閉蓋23が開となる。
【0040】
次に容器本体11の取出口24からウェットティッシュ41を指で摘んで上方へ引張る。その後、連続して、ウェットティッシュ41を引張ることにより、第1番目のウェットティッシュ41を容器本体11内から取出すことができる。この場合、第2番目のウェットティッシュ41の上半分41aが、第1番目のウェットティッシュ41の下半分41bによって引張られる。そして、第2番目のウェットティッシュ41の上半分41aが、取出口24の中央部から第1のフラップ82の先端縁と第2のフラップ83の先端縁との間に進入し、これら第1フラップ82と第2フラップ83との間に挟持されて停止する。
【0041】
以上のように本実施の形態によれば、覆い板55cを押圧して降下させることにより、垂直板55aおよび水平板55bが撓むので、垂直板55aに設けられた係合突起33と開閉蓋23の係止片32との係合を直接的かつ確実に解除することができる。また覆い板55cにより垂直板55aおよび水平板55bを外方から覆うことができ、開閉自在容器10の美的外観を維持することができる。
【0042】
さらにまた移動体60を移動させて移動体60の嵌合凸部61と覆い板55cの嵌合凹部51を互いにずらすことにより、覆い板55cの降下を防止して開閉蓋23をロックすることができる。このため子供のいたずらにより開閉蓋23を開いて、内部のウェットティッシュ41を取出すことを防止することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、作動体の覆い板を弱い力で押圧して降下させるだけで垂直板を撓ませて開閉蓋の係止部と垂直板の係合部の係合を解除することができ、、これにより開閉蓋が弾性付勢部材によって開く。また垂直板と水平板を覆い板により外方から覆うことにより、開閉自在容器の美的外観を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による開閉自在容器の斜視図。
【図2】閉時における開閉自在容器の斜視図。
【図3】開閉蓋と容器本体の作動体を示す拡大断面図。
【図4】移動体を示す拡大図。
【図5】作動体と移動体を示す斜視図。
【図6】ウェットティッシュを収納した密閉袋を示す側断面図。
【符号の説明】
10 開閉自在容器
11 容器本体
12 底蓋
13 側板
23 開閉蓋
24 取出口
27 上板
28 段部
32 係止片
33 係合突起
37 枠体
40 密閉袋
41 ウェットティッシュ
50 板ゴム
51 嵌合凹部
52 薄肉部
53 ヒンジ
55 作動体
55a 垂直板
55b 水平板
55c 覆い板
60 移動体
61 嵌合凸部

Claims (4)

  1. 取出口が形成された上板と、上板から下方へ延びる側板とを有し、下方が開口した容器本体と、
    容器本体に揺動自在に取付けられ、取出口を密閉する開閉蓋と、
    容器本体の下方開口を密閉する底蓋とを備え、
    容器本体と開閉蓋との間の揺動部に、開閉蓋を開方向に向って付勢する弾性付勢手段を設け、
    開閉蓋の自由端に係止部を設けるとともに、容器本体に係止部に係合する係合部を設け、
    係合部を保持する垂直板と、この垂直板に連結され垂直板を覆うとともに外方から押圧されて垂直板を撓ませる覆い板とからなる作動体を容器本体に設け、
    垂直板と覆い板との間に、垂直板と覆い板との間の角度を直角に保つ直角リブが介在され、覆い板を押圧して降下することにより、覆い板からの力が直角リブから垂直板に伝わり、垂直板を撓ませ、このことにより開閉蓋の係止部と容器本体の係合部との係合が解除されることを特徴とする開閉自在容器。
  2. 垂直板から水平方向外方に延びる水平板を設け、覆い板は水平板に連結されかつ水平板を覆うことを特徴とする請求項1記載の開閉自在容器。
  3. 水平板は垂直板の幅より狭い幅を有していることを特徴とする請求項2記載の開閉自在容器。
  4. 垂直板は折曲容易な薄肉部を有することを特徴とする請求項1記載の開閉自在容器。
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