JP4338126B2 - ネットワークシステム、サーバ、機器管理方法およびプログラム - Google Patents
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Description
また従来、複数のプリンタがネットワーク上に配置された分散システム全体を対象として、電力消費量を管理する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、各ユーザの使用資源の量にも大きな差がある。例えば、ユーザによってプリンタ用紙の使用頻度には大きな差が生じる場合がある。しかし、かかるユーザごとの情報が管理されていないため、分散システム全体での削減目標や達成目標を効果的に管理することができない。
図1は、本実施形態による管理システム(ネットワークシステム)の全体構成を示す図である。
図1を参照すると、本実施形態はLAN(Local Area Network)等のネットワークにて接続された管理サーバ10と、分散システム環境を実現した被管理機器群とを備えて構成される。被管理機器群は、当該機器群を使用する組織の構成等に応じて、サーバ機やクライアント端末、ネットワーク機能を備えたプリンタ等、任意に構成することができる。管理サーバ10は、被管理機器群にて利用される資源の管理および給付制御を行う。本実施形態では、資源として電力供給の管理及び給付制御を行う場合を例として説明する。
図2に示すコンピュータ装置は、演算手段であるCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)101と、M/B(マザーボード)チップセット102およびCPUバスを介してCPU101に接続されたメインメモリ103と、同じくM/Bチップセット102およびAGP(Accelerated Graphics Port)を介してCPU101に接続されたビデオカード104と、PCI(Peripheral Component Interconnect)バスを介してM/Bチップセット102に接続された磁気ディスク装置(HDD)105、ネットワークインターフェイス106と、さらにこのPCIバスからブリッジ回路107およびISA(Industry Standard Architecture)バスなどの低速なバスを介してM/Bチップセット102に接続されたフロッピーディスクドライブ108およびキーボード/マウス109とを備える。
図3を参照すると、管理サーバ10は、被管理機器に対して電力等の資源を分配する資源配布部11と、資源の使用状況を管理して給付を制御するためのリソースポリシー評価部12、動作モード変更処理部13および稼働情報管理部14と、各部の動作に使用されるデータを格納したデータ格納部20と、ネットワークを介して被管理機器とデータの送受信を行うためのI/O(Input/Output)制御部30とを備える。
[ユーザ名、組織番号、ユーザプライオリティ(A,B,・・・)]
ユーザ名とは、被管理機器を使用するユーザを識別するための名称、組織番号とは、当該ユーザが所属する組織を識別するための番号、ユーザプライオリティとは、資源を分配する際の各ユーザの優先度を指定するパラメータである。資源の分配の詳細については後述する。
[上位組織番号、下位組織番号]
ここでは、組織が上位と下位の2階層からなる例としているが、管理対象となる組織構造が3つ以上の階層を持つ場合でも、上位、下位の組織番号(識別情報)による情報を組み合わせることで組織構造を表現することができる。
[機器管理番号、機器モデル、組織番号、設置エリア、使用用途]
機器管理番号とは、被管理機器を識別するための番号、機器モデルとは、当該機器の種類(サーバマシン、クライアント端末の別や、その他具体的な機器の諸元が特定されるモデル等)を示す情報、組織番号とは、当該機器を使用する組織を識別する番号、設置エリア、使用用途は、それぞれ当該機器の設置場所、用途を示す情報である。設置エリアは、例えば2階、3階といった階数と、フロア内での位置を示す情報とを含む。具体的には、次のようなエリアコード体系を定義して機器の設置位置を示すことができる。
エリアコード=(AA+‘F’+(‘R’or‘T’)+(‘N’or‘S’)+(BB))
AA:建物の階数に応じた、B3、B2、B1、01、02〜24のような2桁の数字で機器が設置される階数を示す。
‘F’:1桁の固定値‘F’で階を示す。
‘R’or‘T’:1桁の選択値でフロアにおける位置(‘R’=東側または‘T’=西側)を示す。
‘N’or‘S’:1桁の選択値でフロアにおける位置(‘N’=北側または‘S’=南側)を示す。
BB:2桁の数字(例えば01〜15)で同一エリア内での番地を示す。
*:ワイルドカードで任意の値を示す。
上記のエリアコード体系を用いることで、機器の設置エリア条件を例えば次のように指定できる。
設置エリア条件例1:24FRN08
設置エリア条件例2:05F****
設置エリア条件例3:01F**** OR 02F****
ここで、設置エリア条件1は「24階の東北側8番地」を示し、設置エリア条件2は「5階の任意の位置」を示し、設置エリア条件3は「1階または2階の任意の位置」を示している。
[機器モデル、動作モード数、モード別消費電力(X)、モード別設定内容(X)]
機器モデルとは、被管理機器の種類を示す情報、動作モード数とは、当該機器に設定された動作モード(フル稼働、省電力稼働など)の数を示す値、モード別消費電力とは、各動作モードにおける消費電力設定モード別設定内容とは、各動作モードにおける当該機器の状態を示す情報である。
[日時、トークン使用申請元(ユーザ名、組織番号)、資源消費計画種類・量、資源消費実績種類・量]
ここでは、日時とトークン使用申請元とを特定して、資源消費の計画と実績とが、消費する(した)資源の種類と量とで示される。
[トークン番号、分割番号、トークン使用申請元(ユーザ名、組織番号)]
トークン番号とは、資源を使用するためのトークンを特定する番号、分割番号とは、トークンに基づいて給付される資源を組織内で再分配する場合における資源の分割を管理するための番号、トークン使用申請元とは、トークンの使用申請を行うユーザ及び組織を特定する情報である。
[トークン番号、分割番号、トークン配布先(ユーザ名、組織番号)、給付資源種類、給付資源量、給付対象期間、給付資源残量]
トークン配布先とは、発行されたトークンの配布先であるユーザ及び組織を特定する情報、給付資源種類とは、給付される資源の種類(電力等)を特定する情報、給付資源量とは、給付される資源の量(ワット時等)を示す値、給付対象期間とは、当該トークンに基づいて資源が給付される期間、給付資源残量とは、給付された資源を使用した場合における残量を示す値である。
トークン使用申請DB206およびトークン発行DB207は、管理サーバ10にアクセスした被管理機器から参照することが可能である。
[評価対象制限条件、操作対象制限条件、操作内容または達成条件]
評価対象制限条件とは、資源管理におけるリソースポリシーの再評価の評価対象(対象期間、資源の種類、組織、タスク状態、設置エリア等)を指定する情報、操作対象制限条件とは、リソースポリシーの再評価に基づいて資源の給付を制御するために行う操作の対象(対象期間、資源の種類、組織、タスク状態、設置エリア等)を指定する情報、操作内容または達成条件とは、資源の給付制御のために行う操作の内容または条件を示す情報である。なお、タスク状態は、stop(非稼働状態)、Idle(機器が稼働状態にあって何らの作業も行っていない状態)、xx%(タスク状態がフル稼働に対してxxパーセントであることを示す)として表現される。
[スロットル値、ユーザプライオリティ、タスク状態、資源種類、使用用途、消費電力設定モード]
ここで、スロットル値とは、特定された単数又は複数の対象物に対して資源供給量を増減させる絞り弁の開放度を意味する。スロットル値というパラメータを用いると、様々な属性を持つ被管理機器をコントロールするための多くの条件を、リソースポリシーDB208において直接記述する必要が無くなる。したがって、これら被管理機器の間の相対的なバランスを取ることが容易になる。また、ユーザプライオリティ、タスク状態、資源種類、使用用途によって、設定されたスロットル値の対象が特定される。消費電力設定モードとは、スロットル値に対応付けられたモードを示す値である。
[日時、ユーザ名、タスク状態、機器管理番号、受信消費電力設定モード、現在消費電力設定モード、評価消費電力設定モード、その他受信情報]
管理対象が日時、ユーザ名、タスク状態、機器管理番号にて特定され、特定される管理対象である被管理機器の消費電力設定モードに関して、当該機器から受信した値(受信消費電力設定モード)、現在の設定値(現在消費電力設定モード)、リソースポリシーの再評価に基づいて得られる値(評価消費電力設定モード)が格納される。また、当該機器から所定の管理情報が送られてきた場合にはその他受信情報として格納される。
ユーザプライオリティ=A、タスク状態=Idle(機器が稼働状態にあって何らの作業も行っていない状態)、資源種類=電力、使用用途=クライアントの機器を対象とし、スロットル値の取り得る範囲を0〜100として、
スロットル値0から59までは、消費電力設定モードを3にすること、
スロットル値60から79までは、消費電力設定モードを2にすること、
スロットル値80から100までは、消費電力設定モードを1にすること
と、
ユーザプライオリティ=B、タスク状態=Idle、資源種類=電力、使用用途=クライアントの機器を対象として、
スロットル値0から69までは、消費電力設定モードを3にすること、
スロットル値70から89までは、消費電力設定モードを2にすること、
スロットル値90から100までは、消費電力設定モードを1にすること
とを意味している。
=[80−100,A,Idle,電力,クライアント,1]
=[60− 79,A,Idle,電力,クライアント,2]
=[ 0− 59,A,Idle,電力,クライアント,3]
=[90−100,B,Idle,電力,クライアント,1]
=[70− 89,B,Idle,電力,クライアント,2]
=[ 0− 69,B,Idle,電力,クライアント,3]
図4は、本実施形態による管理システムの具体的な構成例を示す図である。
図4において、管理サーバ10にて管理される分散システムは、機器管理番号1〜7の7台の被管理機器にて構成され、所定の建物の2、3階に設置されている。3階には機器管理番号1〜3の機器が設置されており、この機器を使用する組織はA00、組織構成員はU1、U2である。機器管理番号1の機器モデルはサーバマシン(サーバX)であり、サーバとして使用される。機器管理番号2、3の機器モデルはパーソナルコンピュータ(CLPC)であり、共にサーバXのクライアントとして使用される。
[機器モデル、動作モード数、モード別消費電力(X)、モード別設定内容(X)]
=[サーバX、3、(100W、50W、2W)、(無制限、表示OFF、スリープ)]
=[CLPC、3、( 20W、10W、1W)、(無制限、表示OFF、サスペンド)]
例えば、サーバXにおいて、上述したように動作モード(消費電力設定モード)は3段階あり、各モードにおける電力消費量は100W、50W、2Wである。そして、消費電力設定モード1の設定内容は無制限(フル稼働)、消費電力設定モード2の設定内容はディスプレイ装置への表示をOFF(非表示状態)、消費電力設定モード3の設定内容はスリープ(機器の作業状態をメモリに格納し、メモリ以外の電源供給を止めた状態)である。また、CLPCにおいて、3段階の動作モードにおける電力消費量は20W、10W、1Wであり、消費電力設定モード1の設定内容は無制限、消費電力設定モード2の設定内容はディスプレイ装置への表示をOFF、消費電力設定モード3の設定内容はサスペンド(実行中のデバイスやプログラムを一時的に停止してCPUへの電力供給を止めた状態)である。
ユーザ情報DB:
[ユーザ名、組織番号、ユーザプライオリティ(A,B...)]
=[U1、A00、A]
=[U2、A00、B]
=[U3、A10、A]
=[U4,A10、B]
=[U5,A10、B]
組織構造DB:
[上位組織番号、下位組織番号]=[A00、A10]
機器所属DB:
[機器管理番号、機器モデル、組織番号、設置エリア、使用用途]
=[1、サーバX、A00、3階、サーバ]
=[2、CLPC、A00、3階、クライアント]
=[3、CLPC、A00、3階、クライアント]
=[4、CLPC、A10、2階、サーバ]
=[5、CLPC、A10、2階、クライアント]
=[6、CLPC、A10、2階、クライアント]
=[7、CLPC、A10、2階、クライアント]
管理対象となる期間が2003年4月から始まるとした場合、管理サーバ10は、その開始時期以前、例えば3月中旬に、資源管理者により設定された条件に基づき資源を配布する。ここでは、資源管理者は、通常稼働時に想定される月間消費電力に対して30%の削減目標を設定し、それに対して10%を留保し、残りを下位組織を代表する意図をもって組織番号A00に配布する事として、配布電力量と予備電力量を求めた。
通常時の月間消費電力計算値:
(100W+20W)×24時間×30日+20W×5台×9時間×21日
=105,300WH
月間消費電力目標値:
105,300WH×0.7=73,710WH
73,710WH×0.9=66,339WH(配布)、7,371WH(予備)
図5は、管理サーバ10によるトークンの発行および配布の動作を説明する図である。
図5を参照すると、まず資源配布部11が、ユーザ情報DB201、組織構造DB202、機器所属DB203および機器仕様DB204から必要な情報を読み出して、トークンの配布を行う。トークンの配布は、トークン発行DB207に資源の配布を示すデータを保存することにより開始される。以下に、トークン発行DB207に保存されたデータの例を示す。
[トークン番号、分割番号、トークン配布先(ユーザ名、組織番号)、給付資源種類、給付資源量、給付対象期間(開始、終了)、給付資源残量]
=[1、0、(U1、A00)、電力、66,339WH、(2003/4/1、2003/4/30)、66,339WH]
トークン発行DB:
[トークン番号、分割番号、トークン配布先(ユーザ名、組織番号)、給付資源種類、給付資源量、給付対象期間(開始、終了)、給付資源残量]
=[1、0、(U1、A00)、電力、45,339WH、(2003/4/1、2003/4/30)、45,339WH]
=[1、1、(U3、A10)、電力、21,000WH、(2003/4/1、2003/4/30)、21,000WH]
トークン発行DB:
[トークン番号、分割番号、トークン配布先(ユーザ名、組織番号)、給付資源種類、給付資源量、給付対象期間(開始、終了)、給付資源残量]
=[1、0、(U1、A00)、電力、45,339WH、(2003/4/1、2003/4/30)、45,339WH]
=[1、1、(U3、A10)、電力、12,000WH、(2003/4/1、2003/4/30)、12,000WH]
=[1、2、(U3、A10)、電力、4,000WH、(2003/4/1、2003/4/30)、4,000WH]
=[1、3、(U4、A10)、電力、2,500WH、(2003/4/1、2003/4/30)、2,500WH]
=[1、4、(U4、A10)、電力、2,500WH、(2003/4/1、2003/4/30)、2,500WH]
トークン使用申請DB:
[トークン番号、分割番号、トークン使用申請元(ユーザ名、組織番号)]
=[1、0、(NULL、A00)];組織番号A00が管理する機器のユーザが使用していない場合の消費資源をトークン1、0に賦課するという意味。トークン配布時に生成される。
=[1、0、(U1、NULL)];ユーザU1がトークン1、0を使用するという意味。
=[1、0、(U2、NULL)];ユーザU2がトークン1、0を使用するという意味。
=[1、1、(NULL、A10)];組織番号A10が管理する機器のユーザが使用していない場合の消費資源をトークン1、1に賦課するという意味。トークン配布時に生成される。
=[1、2、(U3、NULL)];ユーザU3がトークン1、2を使用するという意味。
=[1、3、(U4、NULL)];ユーザU4がトークン1、3を使用するという意味。
=[1、4、(U5、NULL)];ユーザU5がトークン1、4を使用するという意味。
なお、上記トークン使用申請DB206に格納されたデータのうち、トークン使用申請元の項目は、ユーザ名または組織番号のいずれか一方のみが入力されており、他方はNULL(空)となっている。
計画の作成を容易にするために、次のような手法を採ることができる。まず、「均等型」として、全資源量を経過日数や労働日で除算し、1日当たりの消費量を求め、得られた値を積算して特定の日時や期間における計画値を求め、既定値とする。そして、機器の種類や組織の要請など、必要に応じて任意に、初期の資源消費を多めにする「初期ゆとり型」や、初期の資源消費を少なくする「初期節約型」等の代表的な消費量カーブを選択し、これを元に変更可能とする。また、消費量カーブを個別に編集させて独特の資源消費計画を作成することも可能とする。
図6は、管理サーバ10による資源管理および被管理機器の稼働制御の動作を説明する図である。
組織A00の管理下にあるサーバX(機器管理番号1)が、管理対象期間が始まる4月1日の9:00に起動されたものとする。このときサーバXは、所定のデータを管理サーバ10に送付することにより、現在の稼働状態をレポートする。
図7は、このレポートにおいて被管理機器であるサーバXから管理サーバ10へ送られるデータの構成例を示す図である。
図7において、タスク状態:60パーセントとは、サーバXのタスク状態がフル稼働に対して60パーセントであることを示す。受信消費電力設定モード:noneとは、管理サーバ10から送られてくる消費電力設定モードの設定が未受信であることを示す。消費電力設定モード:1とは、現時点でのサーバXの消費電力設定モードが無制限(フル稼働)の状態であることを示す。
機器使用状況DB:
[日時、ユーザ名、タスク状態、機器管理番号、受信消費電力設定モード、現在消費電力設定モード、評価消費電力設定モード、その他受信情報]
=[2003/4/1 9:00、none、60%、1、1、none、none、サーバX モニタXXYY]
ここで、管理サーバ10がサーバXから受信したデータであるため、サーバXの現在の消費電力設定モード(1)が受信消費電力設定モードの値に入っている。また、ユーザ名、現在消費電力設定モード、評価消費電力設定モードの各項目には情報が入っていない(none)。
以上の動作は、分散システムを構成する他の各被管理機器(機器管理番号2〜7)との間でも同様に行われる。すなわち、各被管理機器から管理サーバ10へレポートが送付され、管理サーバ10において各被管理機器のデータが機器使用状況DB210に書き込まれる。
リソースポリシーの評価において複数の評価条件が与えられている場合、かかる評価条件を満足する様々な処理方法が考えられる場合があるが、ここでは、求めた消費電力設定モード値と既に書き込まれている評価消費電力設定モード値とを比較して、より省電力となる値(ここでは、値の大きい方)を機器使用状況DB210に書き込むこととする。
管理サーバ10では、I/O制御部30が、被管理機器から受信した消費電力設定モード値を機器使用状況DB210の受信消費電力設定モードに保存する。さらに、管理サーバ10の動作モード変更処理部13は、定期的に、機器使用状況DB210の現在消費電力設定モードと受信消費電力設定モードの値を比較して、値が異なる対象機器に対し、再度、消費電力設定モードの変更を行うモードセットコマンドを発行する。
稼働情報管理部14は、被管理機器から稼働情報を受信した場合および予め定められた一定時間経過ごとに、資源消費計画・実績DB205における資源消費量実績値(量)の更新を行う。資源消費量実績値(量)の更新は、次のようにして行われる。例えば、所定のユーザが所定の機器を所定の設定モードで5分間使用したときに、稼働情報管理部14は、機器仕様DB204を参照して資源消費量を求める。そして、資源消費計画・実績DB205に格納されている、それ以前の時間の資源消費量実績値に、経過時間を加味して得られた資源消費量を加算し、現時間の資源消費量実績値に書き込む。
ここで、資源消費量実績値を計画値で除算して得られる値を、資源消費量対計画値%超過と定義し、この値により資源消費量計画値に対する実績値の評価値を与えることができる。この評価値に基づいて被管理機器の稼働状態を制御することにより、所定の機器が所定の時間に資源を使い過ぎているときには使用量を削減する方向に稼働状態を変更したり、資源に余裕があるときには当該機器に資源を自由に使用させる方向に制御したりすることができる。
また、稼働情報管理部14は、上記のように被管理機器の起動時に当該機器から稼働情報を受信するほか、所定のタイミングで(例えば定期的に)、各被管理機器に対して現在の稼働状態を問い合わせる問い合わせコマンドを発行し、稼働情報を収集することができる。
被管理機器は、管理サーバ10からの問い合わせコマンドに応じて、現時点での稼働状態を調査し、要求された情報項目を含む稼働情報をレポートとして返信する。また、起動時以外にも被管理機器の稼働状態に変更があった場合には、当該機器から能動的に管理サーバ10へ稼働情報のレポートを送付することもできる。
スロットル値・設定モードDB209に、次のデータが格納されているものとする。
スロットル値・設定モードDB:
[スロットル値、ユーザプライオリティ、タスク状態、資源種類、使用用途、消費電力設定モード]
=[ 0−100、 A、 any、電力、クライアント、1]
=[20−100、any、not(Idle)、電力、クライアント、1]
=[90−100、any、 Idle、電力、クライアント、1]
=[70− 89、any、 Idle、電力、クライアント、2]
=[20− 69、any、 Idle、電力、クライアント、3]
=[ 0− 19、any、 any、電力、 any、3]
なお、スロットル値・設定モードDB209に格納される各データ項目において、anyとあるのは、対応する項目の値が限定されていないことを意味する(例えば、上記の設定例における最後の行の設定では、ユーザプライオリティ、タスク状態、機器の使用用途の各項目の値が何であっても、この設定値が適用可能であることを意味している。また、タスク状態について、not(Idle)とあるのは、当該被管理機器のタスク状態が、Idleではない状態の場合が対象となることを意味している。
リソースポリシーDB:
[評価対象制限条件、操作対象制限条件、評価条件、操作内容]
評価対象制限条件、操作対象条件:(対象期間、時間帯、資源種類、組織番号、ユーザプライオリティ、資源消費量対計画値%範囲、タスク状態、設置エリア、使用用途、設定モード)
条件1 2階の昼休み
評価対象制限条件:(平日、11:30〜12:30、電力、any、any、any、any、2階、クライアント、any)
捜査対象制限条件:(平日、11:30〜12:30、電力、any、any、any、Idle、2階、クライアント、any)
評価条件:消費電力の合計値が50W以下
操作内容:スロットル値再評価
条件2 3階の昼休み
評価対象制限条件:(平日、12:00〜13:00、電力、any、any、any、Idle、3階、クライアント、any)
捜査対象制限条件:(平日、12:00〜13:00、電力、any、any、any、Idle、3階、クライアント、any)評価対象制限条件に同じ
評価条件:消費電力の合計値が60W以下
操作内容:スロットル値再評価
条件3 休日
評価対象制限条件:(休日、00:00〜24:00、電力、any、any、any、Idle、any、any、any)
捜査対象制限条件:(休日、00:00〜24:00、電力、any、any、any、Idle、any、any、any)評価対象制限条件に同じ
評価条件:なし
操作内容:スロットル値=20
条件4 資源消費量対計画値%超過
評価対象制限条件:(any、any、電力、any、any、>105%、any、any、any、any)
捜査対象制限条件:(any、any、電力、any、any、>105%、Idle、any、any、any)
評価条件:なし
操作内容:スロットル調整値=(100%−資源消費量対計画値%)×100
条件5 資源消費計画順調
評価対象制限条件:(any、any、電力、any、any、<95%、any、any、any、any)
捜査対象制限条件:(any、any、電力、any、any、<95%、Idle、any、any、any)
評価条件:なし
操作内容:スロットル調整値=0
なお、各被管理機器の起動後にリソースポリシーの再評価が行われたが、スロットル値、スロットル調整値に変更は生じなかったものとする。
図8の例では、機器管理番号5、6、7のCLPCによる消費電力の合計は、以下のようにして求められる(ただし、図8では、機器管理番号5のCLPCをCLPC5というように、機器管理番号について略記している)。まず、機器管理番号5および6のCLPCに関して、スロットル値・設定モードDB209を参照すると、使用用途はクライアント、タスク状態はIdle、ユーザプライオリティがAではないことから、スロットル値90−100において消費電力設定モード1(図8では、単にモード1と略記している)、スロットル値70−89において消費電力設定モード2、スロットル値0−69において消費電力設定モード3という設定値が得られる。この際に、スロットル値・設定モードDB209内に要件を満たすデータエントリが複数ある時は、anyなどのワイルドカードを除いた制限的な条件に適合する数量が最も多いものを採用する。
機器モデルCLPCの消費電力は、図4に示したように、消費電力設定モード1、2、3において、それぞれ、20W、10W、1Wであることから、図8に示す各値が得られる。すなわち、消費電力の合計値は、スロットル値90−100で60W、スロットル値70−89で40W、スロットル値20−69で20W、スロットル値0−19で3Wとなる。そして、評価条件は、消費電力の合計値が50W以下であることより、この条件を満たす最大のスロットル値は89となり、スロットル値として89が設定される。
機器使用状況DB:
[日時、ユーザ名、タスク状態、機器管理番号、受信消費電力設定モード、現在消費電力設定モード、評価消費電力設定モード、その他受信情報]
=[2003/4/1 11:30、none、Idle、5、1、1、2、…]
=[2003/4/1 11:30、none、Idle、6、1、1、2、…]
=[2003/4/1 11:30、 U5、 70%、7、1、1、1、…]
機器使用状況DB:
[日時、ユーザ名、タスク状態、機器管理番号、受信消費電力設定モード、現在消費電力設定モード、評価消費電力設定モード、その他受信情報]
=[2003/4/1 11:30、none、Idle、5、1、2、2、…]
=[2003/4/1 11:30、none、Idle、6、1、2、2、…]
機器使用状況DB:
[日時、ユーザ名、タスク状態、機器管理番号、受信消費電力設定モード、現在消費電力設定モード、評価消費電力設定モード、その他受信情報]
=[2003/4/1 11:30、none、Idle、5、2、2、2,…]
=[2003/4/1 11:30、none、Idle、6、2、2、2,…]
これで、受信消費電力設定モードおよび現在消費電力設定モードと評価消費電力設定モードとが等しくなった。この状態は、評価消費電力設定モードが被管理機器に設定され、さらにモードセットコマンドを発行する必要のない状態である。
なお、上述した時間や休日、資源消費量対計画値%超過などに基づく被管理機器の稼働制御の他に、例えば、管理サーバ10にリモートウェイクアップコマンドの送信機能を具備することにより、被管理機器を所定のスケジュールに従って起動したり電源を切ったりするスケジュール運転を行うこともできる。また、必要であった資源使用量が多くトークンの残りが少なくなってしまった場合には、資源管理者に依頼して、新たにトークンを配布してもらうといった運用も可能である。さらに、配布トークンの初期、追加の分類とその量、使用残トークンの種類と量といった条件に応じて、トークンに対する課金や払い戻しを行うといった運用もできる。
また、被管理機器が起動後や省電力モードから復帰すべき時に管理サーバとの通信が確立できない場合の対策として、一定時間経過後に消費電力設定モードをフル稼働の1としたり、逆にセキュリティ上の理由から消費電力設定モードをスリープモードである3としたりする障害時設定モード値を、被管理機器への管理ソフトウエア導入時に初期値として設定させておき、復旧後に管理サーバからの制御により消費電力設定モードを更新するという対策機能を持たせることもできる。
上記構成では、被管理機器は、モードセットコマンドを受信すると実際に消費電力設定モードの変更を行うとしたが、モードセットコマンドにも、該当する消費電力設定値にモード変更を行うか、または、該当する消費電力設定値を上限として動作させるかといった制御オプションを持たせることもできる。
図9は、本実施形態を照明制御装置による電力消費量の管理および制御に用いる場合の管理サーバ10の構成例を示す図である。
図9に示す管理サーバ10は、図4に示した管理サーバ10と比較して、データ格納部20にフロアマップDB212と照明マップDB213とが追加されている。
フロアマップDB212には、建物のフロアごとに、設置されている端末装置(CLPC等)の位置に関する情報が、例えばフロアマップ上の座標値で示され、格納される。
照明マップDB213には、建物のフロアごとに、設置されている照明の位置および点灯状態(点灯または消灯)に関する情報が、例えば照明マップ上の座標値で示され、格納される。
フロアマップDB212および照明マップDB213の内容は、リソースポリシー評価部12による評価を反映する。また、動作モード変更処理部13は、機器使用状況DB210のみならず、照明マップDB213に格納されている各照明の点灯状態をも参照して、稼働制御のためのモードセットコマンドを発行する。
図10に示す省電力パターンは、照明対象箇所である端末装置に最も近い照明(図中2重丸で表示)を中心に、当該箇所の真上に位置する9個の照明(図中、丸で表示)に対して次のように定義される。これらの情報は、スロットル値・設定モードDB209またはこれに対応する所定のデータベースに格納される。
モード1:照明対象箇所(端末装置)の真上の9箇所の照明を点灯
モード2:照明対象箇所(端末装置)の真上の5箇所の照明を点灯
モード3:照明対象箇所(端末装置)の真上の4箇所の照明を点灯
モード4:照明対象箇所(端末装置)の真上の3箇所の照明を点灯
モード5:照明対象箇所(端末装置)の真上の1箇所の照明を点灯
モード6:照明対象箇所(端末装置)の真上の9箇所の照明を消灯
以上のようにして、所定のフロアにおける端末装置の使用状況と、当該フロアの照明に対して設定された評価条件とに基づいて、照明による消費電力の動的制御がなされる。
また、本実施形態の運用形態として、機器仕様DB204やスロットル値・設定モードDB209やカレンダーDB211の基本データを所定の記録媒体に格納して配布したりネットワークを介して提供したりすることが可能であり、また、リソースポリシーの設定を簡易に行う為のテンプレートを提供したり、資源消費計画・実績DB205や機器使用状況DB210等に格納されたデータを分析したりすることにより、より効果的なリソースポリシーの設定を行うサービスを提供することができる。
Claims (11)
- ネットワークを介して接続された管理サーバと被管理機器群とを備え、
前記被管理機器群を構成する被管理機器は、所定のタイミングで自装置の稼働状態を示す稼働情報を前記管理サーバに送り、
前記管理サーバは、
前記被管理機器群または当該被管理機器群を構成する個々の被管理機器の使用者に対して設定された所定の単位ごとに、当該単位ごとの資源の供給量を制御するために設定されたスロットル値と当該単位に属す個々の前記被管理機器の稼働状態との対応情報を保持するデータベースを備え、
前記単位ごとに資源の使用量を設定し、
前記被管理機器から前記稼働情報を取得し、当該稼働情報に基づいて、前記単位ごとに資源消費量を監視し、
前記単位ごとの前記資源消費量に基づいて、当該単位ごとに設定された使用量の範囲内で資源が消費されるように前記スロットル値を更新し、
前記データベースを参照して、更新された当該スロットル値に対応する個々の前記被管理機器の稼働状態を特定し、各単位に属す個々の当該被管理機器の稼働状態を動的に制御する
ことを特徴とするネットワークシステム。 - 前記管理サーバは、前記単位ごとに設定された資源消費目標に基づいて、当該単位における資源の使用量を設定することを特徴とする請求項1に記載のネットワークシステム。
- 前記管理サーバは、所定の期間あたりまたは所定の時間帯における前記単位ごとの資源の使用量を設定することを特徴とする請求項2に記載のネットワークシステム。
- 前記被管理機器群を構成する各被管理機器は、起動時および自装置の稼働状態が変化した場合に、前記稼働情報を前記管理サーバへ送信することを特徴とする請求項1に記載のネットワークシステム。
- ネットワークを介して接続された被管理機器群を管理するサーバにおいて、
前記被管理機器群または当該被管理機器群を構成する個々の被管理機器の使用者に対して設定された所定の単位ごとに資源の使用量を設定する資源分配手段と、
前記被管理機器群を構成する個々の前記被管理機器から当該被管理機器の稼働状態を示す稼働情報を取得し、当該稼働情報に基づいて、前記単位ごとに資源消費量を監視する監視手段と、
前記単位ごとに、当該単位ごとの資源の供給量を制御するために設定されたスロットル値と当該単位に属す個々の前記被管理機器の稼働状態との対応情報を保持するデータベースと、
前記単位ごとの前記資源消費量に基づいて、当該単位ごとに前記資源分配手段により設定された使用量の範囲内で資源が消費されるように前記スロットル値を更新し、前記データベースを参照して、更新された当該スロットル値に対応する個々の前記被管理機器の稼働状態を特定し、各単位に属す個々の前記被管理機器の稼働状態を動的に制御する稼働状態制御手段と
を備えることを特徴とするサーバ。 - 前記資源分配手段は、前記単位ごとに設定された資源消費目標に基づいて、当該単位における資源の使用量を設定することを特徴とする請求項5に記載のサーバ。
- 前記資源分配手段は、所定の期間あたりまたは所定の時間帯における前記単位ごとの資源の使用量を設定することを特徴とする請求項6に記載のサーバ。
- ネットワークに接続されたコンピュータを用いて、当該ネットワークを介して接続された被管理機器群を管理する機器管理方法であって、
前記被管理機器群または当該被管理機器群を構成する個々の被管理機器の使用者に対して設定された所定の単位ごとに資源の使用量を設定する第1のステップと、
前記被管理機器群を構成する個々の前記被管理機器から当該被管理機器の稼働状態を示す稼働情報を取得し、当該稼働情報に基づいて、前記単位ごとに資源消費量を監視する第2のステップと、
前記第2のステップで得られた前記単位ごとの前記資源消費量に基づいて、当該単位ごとに設定された使用量の範囲内で資源が消費されるように、当該単位ごとの資源の供給量を制御するために設定されたスロットル値を更新する第3のステップと、
前記スロットル値と前記単位に属す個々の前記被管理機器の稼働状態との対応情報を保持するデータベースを参照して、前記第3のステップで更新された当該スロットル値に対応する個々の前記被管理機器の稼働状態を特定し、各単位に属す個々の前記被管理機器の稼働状態を動的に制御する第4のステップと
を含むことを特徴とする機器管理方法。 - ネットワークに接続されたコンピュータを制御して、当該ネットワークを介して接続された被管理機器群を管理させるプログラムであって、
前記被管理機器群または当該被管理機器群を構成する個々の被管理機器の使用者に対して設定された所定の単位ごとに資源の使用量を設定する第1の処理と、
前記被管理機器群を構成する個々の前記被管理機器から当該被管理機器の稼働状態を示す稼働情報を取得し、当該稼働情報に基づいて、前記単位ごとに資源消費量を監視する第2の処理と、
前記第2の処理で得られた前記単位ごとの前記資源消費量に基づいて、当該単位ごとに設定された使用量の範囲内で資源が消費されるように、当該単位ごとの資源の供給量を制御するために設定されたスロットル値を更新する第3の処理と、
前記スロットル値と前記単位に属す個々の前記被管理機器の稼働状態との対応情報を保持するデータベースを参照して、前記第3の処理で更新された当該スロットル値に対応する個々の前記被管理機器の稼働状態を特定し、各単位に属す個々の前記被管理機器の稼働状態を動的に制御する第4の処理と
を前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。 - 前記第1の処理では、前記単位ごとに設定された資源消費目標に基づいて、当該単位における資源の使用量を設定することを特徴とする請求項9に記載のプログラム。
- 前記第1の処理では、所定の期間あたりまたは所定の時間帯における前記単位ごとの資源の使用量を設定することを特徴とする請求項10に記載のプログラム。
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