JP4338086B2 - ガス放電パネル - Google Patents

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Description

本発明は、たとえばプラズマディスプレイ(PDP)のようなガス放電パネルに関する。
ガス放電パネルとして、3電極面放電構造のAC型プラズマディスプレイパネル(PDP)が商品化されている。ガス放電パネルは、封止材により封止された長方形状の内部空間を介在して対向する2枚の基板と、前記内部空間内に設けられた、複数の隔壁を有する隔壁領域とを有し、この内部空間に、放電用ガスが封入され、放電により紫外線発光用ガスを励起してプラズマ状態にし、プラズマ状態から元の状態に戻る際に発生する紫外線を利用して蛍光体を発光させるものであるが、この内部空間内に紫外線発光用ガスを封入するに当たっては、内部空間内を排気し、真空状態にする必要がある。このため、内部空間の周辺部には通気口が設けられている。当該通気口は、内部空間内を排気し、内部空間内に紫外線発光用ガスを封入した後封止される。吸着分子の脱着を促し、排気を促進するためにガス放電パネルを加熱することも多い。
プラズマディスプレイでは、このように排気を行うが、パネルの排気におけるコンダクタンスが低い場合には、十分に排気できず、パネル内部に水、二酸化炭素、炭化水素などの不純物ガスを残留させてしまうことがある。このような場合には、プラズマディスプレイの放電特性が劣化し、設計通りの値を示さなくなったり、パネルの寿命が短くなったりする。さらに、パネルの表示性能向上のために、近年隔壁の形状をストライプ形状から格子状隔壁形状にするPDPが出てきており、その場合、ますますパネルの排気コンダクタンスは低くなり、パネルの排気が困難になってくる。
このような問題点を解決するため、図9に示すような封止材の長辺部から、当該長辺部に近接する隔壁の端部までの距離Wlの改善がパネルの排気効率の改善に大きく影響を与えていることから、短辺側の距離WsよりWlを大きくする構造が提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。しかしながら、前記封止材の長辺部から、当該長辺部に近接する隔壁の端部までの距離を、前記封止材の短辺部から、当該短辺部に近接する隔壁までの距離よりも大きくする必要があるため、所定のPDPの表示領域に対し、表示領域の外側に存在する周辺領域の大きさを定める際の自由度が小さいという問題がある。
また、背面基板3および前面基板2の非表示領域に溝を設ける方法も提案されている(たとえば、特許文献2参照。)。本方法は、非表示領域を可能な限り抑えつつ排気コンダクタンスを大きくすることを目的とするものであり、さらに、従来の製造工程に対して、ほとんど同じ工程数で製造できる特徴を有していると主張されている。しかしながら、この方法は、別途基板に溝を形成する工程が必要となり、製造コストが上昇する問題があるのが実状である。
特開2003−217457号公報(特許請求の範囲) 特開平11−238466号公報(特許請求の範囲)
上記のごとく、従来の方法は、排気におけるコンダクタンスが小さいという問題、あるいはコンダクタンスを大きくした結果、所定の表示領域に対し周辺領域の大きさに制限が出てしまう問題、製造コストがアップする問題等を抱えている。
本発明は、このような問題を解決し、大きなコンダクタンスを確保できる新しい技術を提供することを目的としている。本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになるであろう。
なお、本発明におけるコンダクタンスとは、真空系のある部分に対し、流れる気体の量を圧力差で除したものとして定義される特性値である。「排気におけるコンダクタンス」を本発明では、「排気コンダクタンス」と呼称する。
本発明の一態様によれば、対向配置された長辺部と短辺部を有する2枚の基板の周辺を、封止材によって封止し、封止された基板間の内部空間に複数の隔壁を設け、かつ、当該隔壁と前記封止間の領域内で、一方の基板上に通気口を設けたガス放電パネルにおいて、通気口に近い前記基板の一方の長辺部における前記封止材から、隔壁端部までの距離が、他方の長辺部における封止材から隔壁端部までの距離よりも大きくなるように、前記隔壁が形成されているガス放電パネルが提供される。
本発明の他の一態様によれば、対向配置された長辺部と短辺部を有する2枚の基板の周辺を、封止材によって封止し、封止された基板間の内部空間に複数の隔壁を設け、かつ、当該隔壁と前記封止間の領域内で、一方の基板上に通気口を設けたガス放電パネルにおいて、通気口に近い基板の長辺部から見て、隔壁が形成された領域の中心を、前記封止材で封止された内部空間の中心より遠い位置に設定して隔壁を形成したガス放電パネルが提供される。
これらの態様により、パネル特性を向上させたガス放電パネルを実現できる。
上記ガス放電パネルやその製造方法については、前記通気口に近い基板長辺部における封止材から隔壁端部までの距離が3mm以上あること、通気口に近い基板長辺部における封止材と隔壁領域との間の領域内で少なくとも一方のある基板上に凹部を有すること、さらに、通気口に近い基板長辺部に対向する他方の長辺部における封止材と隔壁領域との間の領域内で、基板の少なくとも一方上に凹部を有し、前記通気口に近い基板長辺部における封止材と隔壁端部との間の領域にある凹部の平均深さが、対向する他方の長辺部における封止材と隔壁領域との間の領域に基板部分の凹部の平均深さより大きいこと、通気口に近い基板長辺部における封止材と隔壁領域との間の領域にある基板部分の凹部の深さおよび対向する他方の長辺部における封止材と隔壁領域との間の領域にある基板部分の凹部の深さの少なくともいずれか一方が20μm以上の深さを有すること、アドレス電極への給電配線が、通気口に遠い基板長辺部側に備えられたものであること、通気口に近い基板長辺部と対向する他方の長辺部における封止材と隔壁領域との間の領域にある基板部分の凹部が、隔壁領域から封止材に向けて次第に深くなる部分を有すること、隔壁領域と凹部とを同時に形成すること、隔壁領域と凹部とを、サンドブラストまたはエッチングにより形成することが好ましい。
本発明のさらに他の一態様によれば、上記のガス放電パネルを備えたガス放電パネル表示装置が提供される。
本発明により、ガス放電パネル内に紫外線発光用ガスを封入する前の排気に際し、大きな排気コンダクタンスを確保できる新しいガス放電パネルを製造された、パネル特性を向上させたガス放電パネルを実現できる。
以下に、本発明の実施の形態を図、実施例等を使用して説明する。なお、これらの図、実施例等および説明は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。本発明の趣旨に合致する限り他の実施の形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。図中、同一の符号は同一の要素を表す。
以下、ガス放電パネルの代表としてPDPについて説明する。図1に従来のPDPの一例の分解図を、図2にその横断面図を示す。図1,2において、人は矢印に沿う方向からパネルを見ることになる。PDP1は、前面基板2と背面基板3とが対向する構造を有する。この例では、前面基板2の内側(背面基板3に面する側)に表示電極4、誘電体層5、電極保護のための保護層6が順次積層されており、背面基板3の内側(前面基板2に面する側)に、表示電極と直交する方向に延在するアドレス電極7、誘電体層8が順次積層されており、その上に隔壁(リブ)9と、赤、緑、青の蛍光体層10がある。誘電体層8は、図1のように二つの表示電極間に電圧を印加して放電を起こさせる方式の場合は設置しなくてもよい場合が多い。
誘電体層5と隔壁9と蛍光体層10とで囲まれた放電空間11にネオンガスやキセノンガス等の紫外線発光用ガスが封入される。PDP1は、二つの表示電極間に電圧を印加して放電を起こさせ、紫外線発光用ガスを励起してプラズマ状態にし、プラズマ状態から元の状態に戻る際に発生する紫外線を利用して蛍光体層10の蛍光体を発光させることにより、可視光の表示を実現するものである。PDPにはカラーフィルター、電磁波遮蔽シート、反射防止フイルム等も付設されることが多い。このPDPに電源部やチューナーユニットとのインターフェースを付設することにより、大型テレビジョン装置(プラズマテレビ)のようなガス放電パネル表示装置が得られる。
PDPの基板には、ソーダライムガラス、高歪点ガラスなどが使用される。アドレス電極には導電性を有する金属ならどのようなものを使用してもよい。通常は銅が使用される。誘電体層にはガラス板や低融点ガラス等が使用される。隔壁9は低融点ガラスから形成されている。
本発明に係るガス放電パネルは、封止材により封止された長方形状の内部空間を介在して対向する2枚の基板と、内部空間内に設けられた隔壁領域と、内部空間の周辺部に開口する通気口とを有し、この通気口に近い基板の一方の長辺部(以下、通気口側長辺部」とも呼称する)における封止材(以下、「通気口側長辺部封止材」とも呼称する。)から、隔壁の端部までの距離が、前記長辺部と対向する他方の長辺部(以下、当該対向する長編部を「対向長辺部」とも呼称する。)における封止材(以下、「対向長辺部封止材」とも呼称する。)から隔壁端部までの距離よりも大きくなるように、前記隔壁が形成されている。通気口が複数ある場合はそのいずれか一つについて判断すればよい。全部の通気口について判断してもよい。通気口は前面基板と背面基板とのいずれに設けられていてもよい。通気口は、基板長辺部の封止材と短辺部の封止材との交点近傍にあることが好ましい。
この様子を図3により模式的に示す。図3はPDPの模式的平面図である。本発明に係る封止材31は、図3に示すように、対向する2枚の基板(前面基板2と背面基板3)の間にあり、閉じた空間を形成している。この閉じた空間が内部空間32である。内部空間に紫外線発光用ガスが封入されると、その隔壁が形成された領域に該当する空間部分が放電空間になる。ただし、内部空間は長方形状に造られることが多い。たとえば角が若干丸みを帯びたり、部分的に歪んだ部分があっても、本発明に係る長方形状の内部空間の範疇に属する。
内部空間32内には複数の隔壁によって形成された隔壁領域33が設けられており、内部空間32の周辺部に開口する通気口34がある。この通気口34に近い通気口側長辺部封止材311から、隔壁の端部までの距離WT1が、対向長辺部封止材312から隔壁領域までとの距離WT2よりも大きくなるように、隔壁領域33が形成されている。
図3では、隔壁領域33がストライプ状の隔壁から形成されている。隔壁は、うねりを有するストライプ状でも格子状のものでもよい。図4には、うねりを有するストライプ状の隔壁を模式的に示してある。その隔壁の立体的形状は、たとえば図1に示すように直方体状である。
本発明に係る隔壁領域は、封止材によって封止された内部空間の長方形の長辺と平行関係にある長辺を有する長方形であって、この長方形の内部に隔壁をすべて包含することのできる最小の長方形として規定することができる。図3の符号33がこの隔壁領域に該当する。何らかの理由で、図5に示すように、隔壁の位置に凸凹がある場合は、図5の隔壁領域33のようになる。
図3の右上には、本発明に係る、内部空間の周辺部に開口する通気口34がある。本発明に係る内部空間の周辺部とは、内部空間内にあって、長方形の短辺部側については、その短辺からの距離が、長辺の長さの1/10以下であり、長方形の長辺部側については、その長辺からの距離が、短辺の長さの1/10以下であることを意味する。短辺部側と長辺部側との両方について内部空間の周辺部であることもあり得る。
検討の結果、WT1>WT2とすることが、排気コンダクタンスを向上させる上で有利であることが判明した。また、従来は、隔壁が形成された領域である隔壁領域の中心は、隔壁を設けた基板の封止材で囲われた内部空間の中心と一致するように配置してきたが、上記観点からは、このような配置は排気コンダクタンスの上からは好ましいとは言えず、むしろ、通気口側長辺部封止材から見て、隔壁領域の中心が、隔壁を設けた基板の中心より遠い位置に設定した場合が、WT1+WT2を変えることなく排気コンダクタンスをより向上させることができるので好ましいと言える。具体的には、図6−Aにおけるように、隔壁領域33の中心Yが、基板(この場合は、背面基板3)の封止材で囲われた内部空間の中心Xと重なった状態から、図6−Bにおけるように、通気口側長辺部封止材311から見て、中心Yが中心Xより遠い位置にあるように隔壁領域33を配置するのである。このようにすれば、たとえばWT1+WT2=一定のまま、排気コンダクタンスをより向上させることができる。このことは、ガス放電パネルの表示領域の大きさに対する制限を緩和できることにより、パネル特性を向上させたガス放電パネルが実現できることを意味する。
なお、本発明において、「中心」とは、たとえば、図6−A,6−Bのように、隔壁領域の中心について言えば、隔壁領域の作る長方形の二つの対角線の交点を意味する。
内部空間は、一般的には、前面基板または背面基板のどちらか一方にフリットガラスを塗布して封止材を形成後、貼り合わせ、加熱することによって造られる。その後、通気口に通気管を取り付け、通気管を真空装置に取り付け、通気管を介して内部空間を真空に引きつつ、パネルを加熱し、内部空間内、主に、前面基板の保護層であるMgOに吸着したガスを取り除き、その後、通気管より放電ガスを導入し、通気管を封止切断することでガス放電パネルが完成する。上記の構成のガス放電パネルを用いると、この真空吸引の際に、大きな排気コンダクタンスが得られる。排気コンダクタンスを10%以上改善できる場合がある。このため、従来の工程をほとんど改変することなく生産性を向上でき、また、パネル特性を向上させることができる。
WT1について、後述するように、値を大きくしていくと排気コンダクタンスを急速に大きくでき、その後次第に飽和していくことが見出された。通気口に近い通気口側長辺部封止材から、隔壁の端部までの距離、すなわち上記WT1は、3mm以上あることが好ましいことが判明した。ただし、WT1を大きくしすぎると隔壁領域が狭まり、従って発光領域が狭まるので注意を要する。
通気口側長辺部封止材と隔壁領域との間の領域にある、少なくとも一つの基板部分に、更に凹部を有することが望ましい。後述するようにコンダクタンスは、該当部位の断面積を大きくすることにより大きくすることができるからである。凹部の断面形状はどのようなものでもよい。
さらに、対向長辺部封止材と隔壁領域との間隙にある基板部分にも凹部を有することができる。この場合、通気口側長辺部封止材と隔壁領域との間隙にある基板部分の凹部の平均深さが、対向長辺部封止材と隔壁領域との間の領域にある基板部分の凹部の平均深さより大きいことが好ましい。対向長辺部封止材と隔壁領域との間の領域にある基板部分の凹部は、内部空間の体積を増加させる負担が大きい場合があるからである。凹部の立体形状が直方体または若干の丸みを帯びた直方体である場合には、凹部の全容積をその開口面積で除して平均深さを決めることができる。
また、通気口側長辺部封止材と隔壁領域との間の領域にある基板部分の凹部の深さおよび対向長辺部封止材と隔壁領域との間の領域にある基板部分の凹部の深さの少なくともいずれか一方が20μm以上の深さを有することが好ましいことが判明した。
なお、短辺部側にも凹部を設けてもよいが、排気すべきガス量が多くなる割りには排気コンダクタンスが大きくならない場合もあるので注意が必要である。
また、従来、アドレス電極とその給電配線とは、隔壁を形成する前に基板上に配されるのが普通であるが、その場合には、通気口に近い長辺部側にアドレス電極への給電配線があると、通気口側長辺部封止材と隔壁領域との間の領域に凹部を設けることが難しくなる。また、隔壁を形成した後でアドレス電極や給電配線を基板上に形成しようとすると凹部の複雑な形状に対応した配線形成技術が必要になり、工程が煩雑になる。従って、この観点からは、アドレス電極への給電配線を対向長辺部側に備えることが好ましい。
なお、対向長辺部封止材と隔壁領域との間隙にある基板部分にも凹部を有するようにする場合には、上記問題を避けることができない。しかしながら、このような場合には、対向長辺部封止材と隔壁領域との間にある領域の基板部分の凹部が、隔壁領域から対向長辺部封止材に向けて次第に深くなる部分を有するようにすることで問題を軽減できる。たとえば、隔壁領域から、緩やかな坂状の部分を介して凹部が形成されていれば、アドレス電極と給電配線とが同一平面状になくとも、スパッタリングやメッキによる電極/配線の形成が容易になるからである。坂の勾配としては60°以下が好ましい。
これらの凹部を作製する場合には、隔壁領域と凹部とを同時に形成するのが合理的である。通気口側長辺部側にアドレス電極への給電配線がない場合には、前もってアドレス電極への給電配線が形成されていたとしても、問題なく、隔壁領域と凹部とを同時に形成できる。また、前もってアドレス電極や給電配線が形成されていなければ、隔壁領域と凹部とを同時に形成することにより、隔壁領域と凹部との境界域のスムーズな連結が可能となり、その後のアドレス電極や給電配線の形成が容易になる。特に、隔壁領域から、対向長辺部の封止材に向けて次第に深くなる部分を有するようにしておけば、アドレス電極や給電配線の形成がより容易になる。隔壁領域や凹部の形成には、サンドブラストまたはエッチングを採用することが好ましい。
上記のようにして、ガス放電パネル内に紫外線発光用ガスを封入する前の排気に際し、大きな排気コンダクタンスを確保できる新しいガス放電パネル製造技術を提供できる。具体的には、従来の工程をほとんど改変することなく排気コンダクタンスを10%以上向上させることが期待できる。また、表示領域の大きさに対する制限を緩和できることに伴い、パネル特性を向上させたガス放電パネルを実現できる。
このガス放電パネルを使用すれば、フラットディスプレーテレビジョン装置等のガス放電パネル表示装置を製造するに際し、製造コストの低減や歩留まり向上が可能となる。また、製造工程が容易であることから、ガス放電パネル表示装置の品質向上が期待される。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。なお、以下において、
WT1:通気口に近い基板長辺部の封止材から、隔壁の端部までの距離
WT2:対向長辺部封止材から、隔壁の端部までの距離
Ws:基板の短辺部における封止材のから、隔壁までの距離
と定義する。
[実施例1]
本例は、PDPにおけるWT1>WT2の配置例である。図3は本例の形態の模式的平面図である。WT1を、WT2よりも広い構造にすることで、パネルの排気コンダクタンスを向上して排気効率を改善できる。WT2およびWTsを変化させても、パネルの排気コンダクタンスはほとんど変化しないことがシミュレーションおよび実験結果より判明した。
改善の効果を図7に示す。図7は、WT2=1mmと固定した場合のWT1と排気コンダクタンスの相対値との関係をシミュレーションしたものである。この場合の排気コンダクタンス相対値とは、ある条件における排気コンダクタンスを、WT1=1mmおよびWT2=1mmを採用した場合の排気コンダクタンスで除した値を意味する。この図より、WT1=WT2=1mmとした場合の排気コンダクタンスを1.0とする場合、WT1を大きくするに従って排気コンダクタンスが改善されることが分かる。また、約10%以上の改善効果の見込めるWT1≧3mmが有用であることも判明した。なお、本例では、WT1が4〜5mm以上で排気コンダクタンスが飽和する傾向を示した。
従来、隔壁領域の中心や内部空間の中心は前面基板や背面基板の中心と一致するように配されてきたが、排気コンダクタンスを考慮すると、たとえば、内部空間の中心はそのままにして、隔壁領域の中心を、通気口側長辺部封止材から見て、前記内部空間の中心より遠い位置になるよう設定することで、WT1+WT2を一定に保ったまま、WT1を大きくでき、隔壁領域の形状を変更することなく、従って表示領域を狭めることなく、排気コンダクタンスを大きくできることになり、実用上の効果が大きい。また、場合によっては、非表示領域を小さくしつつ排気コンダクタンスを向上させることも可能である。なお、可能ならば、さらに、内部空間の中心を、通気口側長辺部封止材から見て、隔壁領域の中心より近い位置にあるようにすることも有用であり得る。
[実施例2]
本例は、PDPにおいて、WT1>WT2の条件に加えて、通気口側長辺部封止材と隔壁領域との間の領域にある基板部分に凹部を有し、かつ、アドレス電極への給電配線が、対向長辺部側に備えられた形態についてのものである。
図8−Aは本発明の実施形態の模式的平面図である。通気口側長辺部封止材近傍の基板をサンドブラスト、エッチングプロセス等により加工し、図8−AのA−Aで切断した模式的断面図である図8−Bに示すように、凹部81を形成する。凹部は、図8−Bの○で囲まれた部分を取り出した図8−Cに示すように、前面基板にあってもよく、前面基板と背面基板の両方にあってもよい。このような凹部の存在により、排気コンダクタンスを大きくすることができる。また、凹部は、図8−D,Eの模式的断面図に示すように、封止材を超えて延在していてもよい。このようにすると、構成を複雑にしないで、凹部を容易に最大限にすることができる。
この場合、アドレス電極の給電配線82は、対向長辺部封止材312側に設けることが好ましい。対向長辺部封止材312側には凹部がないため、アドレス電極から給電配線へ、同一面上で配線でき、工程が複雑にならない。
なお、図8−Dの模式的断面図のような形状の凹部の場合には、一般的に、このような凹部を角形の導管を直列に連結した形状で近似することができる。その際、分子流領域(1Paのオーダー)の真空度では、図10に示すような角形導管の排気コンダクタンスCは、一般的に、以下の数式で表される。
C=K×A×B2/L
ここで、Aは角形導管の幅で、封止材と隔壁領域との間の領域(図8−DのW)に相当する。Bは角形導管の高さで、図8−Dでは、凹部の深さH1と隔壁の高さH2との和に相当する。Lは角形導管の長さで、凹部の長さに相当する。Kは補正係数である。
この数式からわかるように、導管の高さが高くなると排気コンダクタンスCは2乗で向上する。H2をそれぞれ100μm、150μm、200μmにした場合におけるH1と排気コンダクタンス相対値との関係を図11に示す。排気コンダクタンス相対値とは、あるH1値を採用した場合の排気コンダクタンスを、H1が0μmのときの排気コンダクタンスで除した値を意味する。図11より、隔壁の高さが高くなるほどH1の向上効果は減ってくるが、それでもH1が20μm以上あれば、20%以上排気コンダクタンスを向上させることができることが理解できる。
なお、図8−Aでは、図面下部にアドレスドライバを有し、図面上部に通気口34を有した形態を示しているが、上下が逆の形態、すなわち、図面上部にアドレスドライバを有し、図面下部に通気口を有した形態でも同様の効果が得られる。
[実施例3]
本例は、PDPにおいて、WT1>WT2の条件に加えて、対向長辺部封止材と隔壁領域との間の領域にある基板部分の凹部が隔壁領域から、対向長辺部封止材に向けて次第に深くなる部分を有する例である。
図12−Aは本例の模式的斜視図、図12−Bは本例の模式的横断面図である。図12−A,Bに示すような隔壁と凹部とを形成方法として、基板のガラスを直接サンドブラストやエッチングにより、両者を同時に直接切削する方法を採用できる。その際、次第に深くなる部分91を設ける。具体的には、図13−Aの斜視図に示すような通気口34を有する基板にサンドブラスト等の処理を行うことにより、図13−Bの斜視図に示すように、隔壁と周囲の凹部を作製し、ついで、図13−Cの斜視図に示すように、アドレス配線を形成する。このようにすると、その後、アドレス電極とアドレス電極への給電配線とを同時に形成することで、従来とほとんど変わらないか、より少ない工程で隔壁と電極と給電配線とを形成することができる。
この方法は、実施例1と比較すると、基板を加工する工程が増加するが、排気コンダクタンスの改善効果は大きくなるという利点がある。また、実施例2と比較すると、隔壁を形成するときに同時に削ることができるので、余分な工程数を増やすことなく排気コンダクタンスを向上できるという利点がある。
なお、上記に開示した内容から、下記の付記に示した発明が導き出せる。
(付記1)
対向配置された長辺部と短辺部を有する2枚の基板の周辺を、封止材によって封止し、封止された基板間の内部空間に複数の隔壁を設け、かつ、当該隔壁と前記封止間の領域内で、一方の基板上に通気口を設けたガス放電パネルにおいて、
前記通気口に近い前記基板の一方の長辺部における、前記封止材と隔壁端部までの距離が、当該基板の他方の長辺部における前記封止材から、端部までの距離よりも大きくなるように、前記隔壁を形成したことを特徴とするガス放電パネル。
(付記2)
対向配置された長辺部と短辺部を有する2枚の基板の周辺を、封止材によって封止し、封止された基板間の内部空間に複数の隔壁を設け、かつ、当該隔壁と前記封止間の領域内で、一方の基板上に通気口を設けたガス放電パネルにおいて、
前記通気口に近い基板の長辺部から見て、隔壁形成領域の中心を、前記封止材で封止された内部空間の中心より遠い位置に設定して、前記隔壁を形成したことを特徴とするガス放電パネル。
(付記3)
前記通気口に近い基板の長辺部における封止材から、隔壁端部までの距離が3mm以上であることを特徴とする付記1または付記2に記載のガス放電パネル。
(付記4)
前記通気口に近い基板の長辺部における封止材と隔壁間の領域内で少なくとも一方の基板上に凹部を設けてなることを特徴とする付記1〜3のいずれかに記載のガス放電パネル。
(付記5)
前記凹部が、隔壁端部から封止材に向けて次第に深くなるように形成されてなることを特徴とする請求項4に記載のガス放電パネル。
(付記6)
アドレス電極への給電配線が、記通気口に近い基板の長辺部と対向する長辺部側に備えられてなることを特徴とした付記4または付記5に記載のガス放電パネル。
(付記7)
前記通気口に近い基板の長辺部に対向する長辺部において、封止材と隔壁間の領域内で少なくとも一方の基板上に凹部を設けてなることを特徴とする付記1〜4のいずれかに記載のガス放電パネル。
(付記8)
前記凹部が、隔壁端部から封止材に向けて次第に深くなるように形成されてなることを特徴とする請求項7に記載のガス放電パネル。
従来のPDPの一例の模式的分解図を示す 従来のPDPの一例の模式的横断面図を示す PDPの模式的平面図である。 うねりを有するストライプ状の隔壁を模式的に示す図である。 隔壁の位置に凸凹がある場合に、隔壁領域を決める方法を示す模式図である。 隔壁領域の中心Yと隔壁を設けた基板の封止材で囲われた内部空間の中心Xの関係を示す模式図である。 隔壁領域の中心Yと隔壁を設けた基板の封止材で囲われた内部空間の中心Xの関係を示す他の模式図である。 WT1と排気コンダクタンスの相対値との関係をシミュレーションした結果を示すグラフである。 本発明の実施形態(PDP)の模式的平面図である。 図8−AのA−Aで切断した模式的断面図である。 図8−Bの○で囲まれた部分を取り出した図である。 図8−Bの○で囲まれた部分を取り出した図である。 図8−Bの○で囲まれた部分を取り出した図である。 従来のPDP構造例を示した模式的平面図である。 角形導管の図である。 H1と排気コンダクタンス相対値との関係を示すグラフである。 実施例3のPDPの模式的斜視図である。 実施例3のPDPの模式的横断面図である。 実施例3の構成を作製する前の基板を示す斜視図である。 図13−Aの基板にサンドブラスト等の処理を施した後の基板を示す斜視図である。 図13−Bの基板上にアドレス電極を形成した様子を示す斜視図である。
符号の説明
1 PDP
2 前面基板
3 背面基板
4 表示電極
5 誘電体層
6 保護層
7 アドレス電極
8 誘電体層
9 隔壁
10 蛍光体層
11 放電空間
31 封止材
32 内部空間
33 隔壁領域
34 通気口
311 通気口側長辺部封止材
312 対向長辺部封止材
81 凹部
82 アドレス電極の給電配線
91 次第に深くなる部分

Claims (5)

  1. 対向配置された長辺部と短辺部を有する2枚の基板の周辺を、封止材によって封止し、封止された基板間の内部空間に複数の隔壁を設け、かつ、当該隔壁と前記封止間の領域内で、一方の基板上に通気口を設けたガス放電パネルにおいて、
    前記通気口に近い前記基板の一方の長辺部における、前記封止材と隔壁端部までの距離が、当該基板の他方の長辺部における前記封止材から、端部までの距離よりも大きくなるように、前記隔壁を形成したことを特徴とするガス放電パネル。
  2. 対向配置された長辺部と短辺部を有する2枚の基板の周辺を、封止材によって封止し、封止された基板間の内部空間に複数の隔壁を設け、かつ、当該隔壁と前記封止間の領域内で、一方の基板上に通気口を設けたガス放電パネルにおいて、
    前記通気口に近い基板の長辺部から見て、前記隔壁が形成された領域の中心を、前記封止材で封止された内部空間の中心より遠い位置に設定して、前記隔壁を形成したことを特徴とするガス放電パネル。
  3. 前記通気口に近い基板の長辺部における封止材から、隔壁端部までの距離が3mm以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガス放電パネル。
  4. 前記通気口に近い基板の長辺部における封止材と隔壁間の領域内で少なくとも一方の基板上に凹部を設けてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガス放電パネル。
  5. 前記凹部が、隔壁端部から封止材に向けて次第に深くなるように形成されてなることを特徴とする請求項4に記載のガス放電パネル。
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