JP4336853B2 - 屈折率パターンの形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光情報通信分野において利用される屈折率差を有する光学材料を提供する方法に関する。
従来、コンピュータ間のデータの伝送はケーブルを用いたローカルネットワークを介して行われてきたが、近年、画像・音声データの多様化・大容量化により、伝送するデータ容量の増大ならびに伝送速度の増加が求められるようになってきた。
光は、並列性、高密度、高速性、高帯域、高周波性などの性質を有し、しかも高いコヒーレンスを有するレーザー光源が開発されたのと相まって、高度情報化社会の情報媒体として用いられようとしている。例えば、コンピュータ間を光ファイバーや導波路でつないで大容量データを並列伝送する方法が飛躍的な発展を遂げており、さらにはコンピュータ内部の回路も導波路で結ぼうとする研究も精力的に進められている。従来、これらの用途には、石英や無機半導体を用いた導波路や石英ファイバーなどが用いられてきた。
高分子材料を用いた導波路は、低温・低コスト製造プロセスで製造できるので、近年、その研究開発が活発に行われている。従来のポリイミドなどの高分子材料を用いた導波路は、基板上に比較的高い屈折率を有する高分子材料を塗布して、リソグラフィーによりそのパターニングを施してコアを作製し、そのコアの周りを覆うように低屈折率を有する高分子材料を塗布することにより作製されてきた(特許文献1参照)。
しかしながら、この作製方法では、次のような問題点が存在する。(1)屈折率の異なる2種の高分子材料を用意する必要がある。(2)有機化合物のみを用いるのでは屈折率差が小さくなる。(3)無機化合物に比べて安定性に欠ける。
特開平11−287916号公報
本発明の課題は、上記した従来の問題点を解決して、屈折率差が比較的大きく化学的に安定な屈折率パターンを形成する方法を提供することにある。
本発明者は、鋭意検討した結果、ポリシラン化合物と無機化合物からなるハイブリッド材料にマスクを介して活性エネルギー線を照射し、この照射部分のポリシラン分解物を除去した後に、ハイブリッド材料全体を加熱して硬化させることにより、屈折率差が比較的大きく化学的に安定な屈折率パターンを形成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記に示すとおりの屈折率パターンの形成方法、該方法で形成された屈折率パターン、該屈折率パターンを有する薄膜および光学素子を提供するものである。
項1. ポリシラン化合物と無機化合物からなるハイブリッド材料にマスクを介して活性エネルギー線を照射し、この照射部分のポリシラン分解物を除去した後に、ハイブリッド材料全体を加熱して硬化させることを特徴とする屈折率パターンの形成方法。
項2. ポリシラン分解物を除去した後に、ハイブリッド材料全体を加熱するのと同時かまたは加熱する前に、ハイブリッド材料全体に活性エネルギー線を照射することを特徴とする項1に記載の屈折率パターンの形成方法。
項3. ポリシラン化合物がポリ(メチルフェニルシラン)であることを特徴とする項1または2に記載の屈折率パターンの形成方法。
項4. ポリシラン化合物がポリシラン−ビニル化合物共重合体であることを特徴とする項1または2に記載の屈折率パターンの形成方法。
項5. ポリシラン−ビニル化合物共重合体を形成するためのビニル化合物が、3−メタクリロキシアルキルトリアルコキシシラン、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミドおよびアセトアセトキシ基含有(メタ)アクリル化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする項4に記載の屈折率パターンの形成方法。
項6. 無機化合物が、シリカ化合物、チタニア化合物およびジルコニア化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする項1〜5のいずれかに記載の屈折率パターンの形成方法。
項7. 活性エネルギー線が紫外線であることを特徴とする項1〜6のいずれかに記載の屈折率パターンの形成方法。
項8. 項1〜7のいずれかに記載の方法で形成された屈折率パターン。
項9. 項8に記載の屈折率パターンを有する薄膜。
項10. 項8に記載の屈折率パターンを有する光学素子。
本発明におけるポリシラン化合物と無機化合物からなるハイブリッド材料は、Si−Si結合を有するポリシラン化合物と無機酸化物とが強固に結合したハイブリッド体からなる。本発明におけるハイブリッド材料は、例えば、ポリシラン化合物とゾル−ゲル反応性金属化合物を含有する組成物を、基材に塗布した後、80〜250℃に加熱して硬化させることにより、ハイブリッド薄膜として得ることができる。上記加熱硬化により、上記金属化合物が、ゾル−ゲル反応により加水分解および重縮合反応を起こして、金属酸化物を生成する。
上記ポリシラン化合物としては、紫外域に吸収を生じるSi−Si結合を有する直鎖状、環状、分岐状の化合物であれば特に限定されない。例えば、一般式(1);
(RRSi)x(RSi)y(Si)z (1)
[式中、Rは、水素原子、水酸基、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜10)、アリールアルキル基(好ましくは炭素数7〜12)、アリール基(好ましくはフェニル基、ナフチル基)、ハロゲン置換された脂肪族炭化水素基(好ましくは炭素数1〜6)、ハロゲン置換された芳香族炭化水素基(好ましくはフェニル基、ナフチル基)、アルコキシル基(好ましくは炭素数1〜6)またはシリル基を示す。Rは、全てが同一でも或いは2つ以上が異なっていてもよい。x、y、zは、それぞれ0以上の数を示し、x、yおよびzの和は、5〜400である。]で表されるSi−Si結合を骨格とするポリシランが挙げられる。
このようなポリシランは、それぞれの構造単位を有するモノマーを原料として以下の方法により製造することができる。すなわち、アルカリ金属の存在下でハロシラン類を脱ハロゲン縮重合させる方法(「キッピング法」、J.Am.Chem.Soc.,110,124(1988)、Macromolecules,23,3423(1990))、電極還元によりハロシラン類を脱ハロゲン縮重合させる方法(J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,1161(1990)、J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,897(1992))、金属触媒の存在下にヒドロシラン類を脱水素縮重合させる方法(特開平4−334551号公報)、ビフェニルなどで架橋されたジシレンのアニオン重合による方法(Macromolecules,23,4494(1990))、環状シラン類の開環重合による方法などにより、製造することができる。
上記ポリシランの中で、メチル基やシクロヘキシル基などの脂肪族炭化水素基、フェニル基などの芳香族炭化水素基、ハロゲン置換された脂肪族炭化水素基、ハロゲン置換された芳香族炭化水素基、アルコキシル基、水素原子などを側鎖に有するポリシランを使用することが好ましく、特に、ポリ(メチルフェニルシラン)、フェニルネットワークポリシラン、メチルフェニルジクロロシランとフェニルトリクロロシランの共重合体、ポリ(ジ−n−ヘキシルシラン)を用いることが好ましい。
また、ポリシラン化合物として、ポリシランとしての機能(紫外域に吸収を生じる)を発現することが可能で、Si−Si結合を好ましくは10個以上有しながら主鎖にC−C結合を有する共重合体を用いることもできる。例えば、ポリシランを高分子ラジカル重合開始剤として用いて、ビニル化合物とのブロック共重合体を合成し、それらを用いることが可能である。例えば、ポリ(メチルフェニルシラン)(PMPS)等のポリシランと3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(MPTES)等の3−メタクリロキシアルキルトリアルコキシシランとのブロック共重合体(例えば、P(MPS−co−MPTES))を用いることもできる。また、PMPS等のポリシランとN,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)等のN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミドとのブロック共重合体(例えば、P(MPS−co−DMAA))を用いることもできる。また、PMPS等のポリシランとメタクリル酸アセトアセトキシエチル(AAEM)等のアセトアセトキシ基含有(メタ)アクリル化合物とのブロック共重合体(例えば、P(MPS−co−AAEM))を用いることもできる。また、PMPSの代わりにポリ(ジ−n−ヘキシルシラン)(PDHS)との共重合体であるP(DHS−co−MPTES)、P(DHS−co−DMAA)、P(DHS−co−AAEM)等を用いることもできる。
ポリシランとビニル化合物とのブロック共重合体は、例えば、文献Chem.Lett.1073(1999)およびPolymer43(2002)1549に示すように、ポリシランとビニル化合物とを溶媒に溶かし、紫外線を照射してポリシランから生じるシリルラジカルを用いた光ラジカル重合により合成される。
ハイブリッド材料を形成する無機化合物としては、空気中で安定に存在するものであれば特に限定されない。無機化合物の中でも、金属アルコキシドを出発物質としてゾル−ゲル反応により形成される無機酸化物は、低温で形成することができ、かつ上記ポリシラン化合物と均質に分散・結合することができる。例えば、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシランとジフェニルジメトキシシランとを縮合させた化合物などを出発物質として形成されるシリカ化合物が挙げられる。また、テトラエトキシチタニウム、テトラ(n−プロポキシ)チタニウム、テトラ(イソプロポキシ)チタニウム、テトラ(n−ブトキシ)チタニウム、テトラ(イソブトキシ)チタニウム、テトラ(t−ブトキシ)チタニウムなどを出発物質として形成されるチタニア化合物が挙げられる。また、テトラ(n−プロポキシ)ジルコニウム、テトラ(イソプロポキシ)ジルコニウム、テトラ(n−ブトキシ)ジルコニウム、テトラ(イソブトキシ)ジルコニウム、テトラ(t−ブトキシ)ジルコニウムなどを出発物質として形成されるジルコニア化合物が挙げられる。また、トリメトキシアルミニウムなどを出発物質として形成されるアルミナ化合物も挙げられる。また、テトラエトキシゲルマニウムなどを出発物質として形成されるゲルマニア化合物も挙げられる。また、テトラ(t−ブトキシ)スズなどを出発物質として形成される酸化スズ化合物も挙げられる。また、トリ(メトキシエトキシ)イットリウムなどを出発物質として形成されるイットリア化合物も挙げられる。
ポリシラン化合物と無機化合物からなるハイブリッド材料は、様々な方法により製造することができる。
例えば、PMPSとフェニル基を有するアルコキシシラン類(例えば、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシランとジフェニルジメトキシシランとを部分縮合させた化合物など)とを同一溶媒に溶かし、フェニル基を有するアルコキシシラン類を加水分解・縮合することにより、π−π相互作用により結合したポリシラン−シリカハイブリッド材料を製造することができる。また、P(MPS−co−MPTES)と、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシランとジフェニルジメトキシシランとを部分縮合させた化合物などとを同一溶媒で混合し、ゾル−ゲル反応によりポリシランとシリカ成分が共有結合したポリシラン−シリカハイブリッド材料を製造することができる。また、P(MPS−co−DMAA)と、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシランとジフェニルジメトキシシランとを部分縮合させた化合物などとを同一溶媒で混合し、ゾル−ゲル反応によりポリシランとシリカ成分が水素結合を介して結合したポリシラン−シリカハイブリッド材料を製造することができる。
また、ポリシラン−チタニアハイブリッド材料は、例えば、P(MPS−co−MPTES)と、テトラエトキシチタニウム、テトラ(n−プロポキシ)チタニウム、テトラ(イソプロポキシ)チタニウム、テトラ(n−ブトキシ)チタニウム、テトラ(イソブトキシ)チタニウム、テトラ(t−ブトキシ)チタニウムなどとを同一溶媒で混合し、ゾル−ゲル反応によりポリシランとチタニア成分が共有結合したポリシラン−チタニアハイブリッド材料を製造することができる。また、P(MPS−co−DMAA)と、テトラエトキシチタニウム、テトラ(n−プロポキシ)チタニウム、テトラ(イソプロポキシ)チタニウム、テトラ(n−ブトキシ)チタニウム、テトラ(イソブトキシ)チタニウム、テトラ(t−ブトキシ)チタニウムなどとを同一溶媒で混合し、ゾル−ゲル反応によりポリシランとチタニア成分が水素結合を介して結合したポリシラン−チタニアハイブリッド材料を製造することができる。また、P(MPS−co−AAEM)と、テトラエトキシチタニウム、テトラ(n−プロポキシ)チタニウム、テトラ(イソプロポキシ)チタニウム、テトラ(n−ブトキシ)チタニウム、テトラ(イソブトキシ)チタニウム、テトラ(t−ブトキシ)チタニウムなどとを同一溶媒で混合し、該チタニウムアルコキシドの加水分解・縮合とアセトアセトキシ基への配位結合が同時に進行することにより、ポリシランとチタニア成分が配位結合を介して結合したポリシラン−チタニアハイブリッド材料を製造することができる。
また、ポリシラン−ジルコニアハイブリッド材料は、例えば、P(MPS−co−AAEM)と、テトラ(n−プロポキシ)ジルコニウム、テトラ(イソプロポキシ)ジルコニウム、テトラ(n−ブトキシ)ジルコニウム、テトラ(イソブトキシ)ジルコニウム、テトラ(t−ブトキシ)ジルコニウムなどとを同一溶媒で混合し、該ジルコニウムアルコキシドの加水分解・縮合とアセトアセトキシ基への配位結合が同時に進行することにより、ポリシランとジルコニア成分が配位結合を介して結合したポリシラン−ジルコニアハイブリッド材料を製造することができる。
その他、ポリシラン化合物と、金属アルコキシドとして例えばトリメトキシアルミニウム、テトラエトキシゲルマニウム、トリ(メトキシエトキシ)イットリウム、テトラ(t−ブチル)スズ、ジ(メトキシエトキシ)亜鉛などとを用いることにより、それぞれ、ポリシラン−アルミナハイブリッド材料、ポリシラン−ゲルマニアハイブリッド材料、ポリシラン−イットリアハイブリッド材料、ポリシラン−酸化スズハイブリッド材料、ポリシラン−酸化亜鉛ハイブリッド材料を製造することもできる。
なお、ポリシラン化合物と無機化合物からなるハイブリッド材料が、ハイブリッド薄膜として得られる場合には、その膜厚は、用途によっても異なるが、10nm〜1mm程度であるのが好ましく、50nm〜30μm程度であるのがより好ましい。
上記のようにして得られたハイブリッド材料にマスクを介して活性エネルギー線を照射すると、活性エネルギー線が照射された部分のハイブリッド材料におけるポリシラン部分が分解する。次いで、この照射部分のポリシラン分解物を除去する。
活性エネルギー線としては、ハイブリッド材料中のポリシラン部分を分解するものであればどのようなエネルギー線でも用いることができるが、ポリシランのσ−σ*遷移の吸収に近い波長帯を有する紫外線(例えば、高圧水銀ランプのi線)が好ましい。また、微細なパターニングを行うためには、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、F2レーザーなどのDUV、電子線、軟X線領域のEUVなどの照射も有効である。
照射部分のポリシラン分解物の除去方法としては、溶剤洗浄や超臨界処理などが有効である。特に、イソプロパノール、ヘキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどの汎用されている溶剤による洗浄は、コストが低く、また人体に与える害も少ないので、好ましい。
この照射部分のポリシラン分解物を除去した後に、ハイブリッド材料全体を加熱して硬化させる。この加熱処理は、活性エネルギー線の未照射部分に残存するポリシラン部分を安定なシロキサンに変換し、且つ未照射部分の有機官能基を残して屈折率パターンを保持するために、90〜350℃で行うのが好ましく、110〜160℃で行うのがより好ましい。ただし、加熱処理のみでは、150℃付近からポリシラン主鎖上の有機官能基の分解・揮発が起こり、形成される屈折率パターンの屈折率差が小さくなる傾向がある。一方、活性エネルギー線の照射によりポリシラン部分の主鎖開裂が起こり、シラノールやシロキサンが生じるが、その際に加熱処理を行うと、縮合して固定化することが可能である。従って、ポリシラン分解物を除去した後に、ハイブリッド材料全体を加熱するのと同時かまたは加熱する前に、ハイブリッド材料全体に、上記と同様の紫外線等の活性エネルギー線を照射するのが好ましい。
なお、加熱手段は特に限定されず、常用の手段を用いて加熱することができる。また、常用の手段に加えて、赤外線を用いてもよい。
上記のように、ポリシラン化合物と無機化合物からなるハイブリッド材料にマスクを介して活性エネルギー線を照射すること、および、ポリシラン分解物を除去した後に、ハイブリッド材料全体を加熱するのと同時かまたは加熱する前に、ハイブリッド材料全体に活性エネルギー線を照射することは、活性エネルギー線の照射によりポリシラン部分の分子鎖が解裂する反応を利用している。従って、ポリシラン化合物と無機化合物からなるハイブリッド材料に、ポリシラン部分の分子鎖の解裂反応を促進させる化合物が含まれていてもよい。
そのような化合物としては、例えば、活性エネルギー線の作用によってラジカルを発生する光ラジカル発生剤が挙げられる。この光ラジカル発生剤としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モリフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1,3−ジ(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゼン、3,3’,4,4’−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどが知られている。詳しくは、例えば、高分子学会編集「感光性樹脂」共立出版(1988)第33頁などに例示されている化合物を用いることができる。
また、活性エネルギー線の作用によって酸を発生する酸発生剤も挙げられ、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる。このような光酸発生剤としては、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモン、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモン、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモン、トリフェニルスルホニウムメタンスルホニル、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホニル、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホニル、4,4’−ジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、4,4’−ジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、4,4’−ジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、4,4’−ジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウムカンファスルホネート、p−ニトロフェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、1−メトキシ−4−(3,5−ジ(トリクロロメチル)トリアジニル)ベンゼン、1−メトキシ−4−(3,5−ジ(トリクロロメチル)トリアジニル)ナフタレン、1−メトキシ−4−(2−(3,5−ジ(トリクロロメチル)トリアジニル)エテニル)ベンゼン、1,2−ジメトキシ−4−(2−(3,5−ジ(トリクロロメチル)トリアジニル)エテニル)ベンゼン、スクシンイミジルカンファスルホネート、スクシンイミジルフェニルスルホネート、ナフタルイミジルカンファスルホネート、ナフタルイミジルメタンスルホネート、ナフタルイミジルトリフルオロメタンスルホネートなどが知られている。詳しくは、例えば、山岡亜夫編集「レジスト材料ハンドブック」リアライズ社(1996)第43頁などに例示されている化合物を用いることができる。
さらに、ポリシランの光分解、光ラジカル発生剤および光酸発生剤の感光波長領域を拡大するために、適宜、光増感剤を共存させることもできる。そのような増感剤としては、3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−(ジエチルアミノ)クマリン、3,3’−カルボニルビス(7−(ジエチルアミノ)クマリン)、2−(2−(4−ジメチルアミノ)フェニル)エテニル)キノリンなどが知られている。詳しくは、例えば、高分子学会編集「感光性樹脂」共立出版(1988)第85頁などに例示されている化合物を用いることができる。
前記ポリシラン化合物と無機化合物からなるハイブリッド材料に、さらに他の添加剤、例えば、難燃剤、無機フィラー、老化防止剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、粘着付与剤、可塑剤、軟化剤、界面活性剤、溶解促進剤、安定剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、変性剤、染料や顔料などの着色剤、カップリング剤などが含まれていてもよい。
難燃剤としては、特に限定されることなく、種々のタイプの難燃剤、すなわち、ホウ酸系難燃化合物、リン系難燃化合物、ホウ酸系難燃化合物およびリン系難燃化合物以外の無機系難燃化合物、チッソ系難燃化合物、ハロゲン系難燃化合物、有機系難燃化合物およびコロイド難燃物質からなる群から選ばれる各種の難燃剤を用いることができる。
無機フィラーは、強度向上、耐熱性向上、耐水性向上、耐温水性向上、耐湿性向上などのために、あるいはその他の種々の性能・機能の向上のために、用いることができる。例えば、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩、窒化物、炭素類、金属粉、セラミックス粉などから選ばれる各種の無機フィラーを用いることができる。
本発明の屈折率パターンが形成されたハイブリッド材料(例えば、ハイブリッド薄膜)を用いた素子としては、特に限定されないが、反射、屈折、回折、透過などの光の伝搬を制御する屈折率変調構造を有する光導波路素子、回折光学素子などが例示される。光導波路素子は、その断面構造の違いから、平板導波路(または、スラブ導波路)、埋込み導波路、リッジ型導波路、ストリップ装荷型導波路、拡散導波路等に分類され、光分岐・結合素子、光合波・分波素子、光変調素子、光スイッチなどの光通信用素子や光インターコネクション用素子を実現する基本的な素子要素として用いることができる。また、回折光学素子は、(単一)バイナリ型、マルチバイナリ型、表面レリーフ型、屈折率変調型等に分類され、平板レンズ、位相板、分光フィルタ、偏光素子、ホログラム、ブラッググレーティングフィルタなどの光情報処理システムを構成する素子の基本的な素子要素として用いることができる。
本発明によれば、以下に示すような効果が得られる。
(1)屈折率の異なる2種の高分子材料を用意する必要が無くなり、プロセスの簡便化とコストの抑制が可能になる。
(2)屈折率パターンの屈折率差が従来のものより大きくなる。
(3)屈折率パターンの化学的安定性が増大し、且つ剥離やクラックを抑制することが可能になる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
ポリ(メチルフェニルシラン)(PMPS、分子量Mn=2.3×104、Mw/Mn=2.3)1gと3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(MPTES)1gを無水トルエン7mlに溶かした。この溶液について凍結真空脱気を3回繰り返した後、減圧封管を行った。次いで、高圧水銀ランプ(10mW/cm2)を10分間照射した。生成したポリマーを、無水ヘキサン300mlで再沈殿を行った後に、濾過および8時間の減圧乾燥を行って、PMPSとMPTESのブロック共重合体(P(MPS−co−MPTES))(分子量Mn=1.7×104、Mw/Mn=1.6、ポリシランブロック重合度m=147、メタクリルブロック重合度n=19)を得た。なお、共重合体の同定は、GPC、1H−NMR、紫外−可視分光および赤外分光にて行った(以下同様)。
上記のP(MPS−co−MPTES)20mgとテトラエトキシシラン(TEOS)200mgを溶かしたテトラヒドロフラン(THF)2mlとジグライム0.2mlの混合溶液に、8重量%の塩酸を5μl加えて1時間撹拌した。その溶液(ゾル)を0.2μmポリテトラフルオロエチレン(PTFE)メンブランフィルタで濾過した後に、回転数1500、30秒の条件で、シリコン基板(2cm×2cm)にスピンコートを行い、120℃で1時間加熱して、均一で透明なポリシラン−シリカハイブリッド薄膜を作製した。なお、He−Neレーザーを用いたエリプソメトリー測定により、膜厚は100nm程度であった。
上記ポリシラン−シリカハイブリッド薄膜の半分をアルミニウム箔で覆い、上方から高圧水銀灯(140mW/cm2)を用いて7秒間照射した後に、ヘキサンで洗浄することにより照射部分のポリシラン分解物を除去してシリカ部分のみを残した。乾燥後、150℃で加熱した。その結果、高圧水銀灯の露光部分(照射部分)と未露光部分(未照射部分)の屈折率は、それぞれ1.441と1.442となり、0.001の差を有する屈折率のパターニングに成功した。なお、膜厚は製膜時に比べてほとんど変化していなかった。
実施例2
ポリ(メチルフェニルシラン)(PMPS、分子量Mn=2.3×104、Mw/Mn=2.3)1gと3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(MPTES)1gを無水トルエン7mlに溶かした。この溶液について凍結真空脱気を3回繰り返した後、減圧封管を行った。次いで、高圧水銀ランプ(10mW/cm2)を10分間照射した。生成したポリマーを、無水ヘキサン300mlで再沈殿を行った後に、濾過および8時間の減圧乾燥を行って、PMPSとMPTESのブロック共重合体(P(MPS−co−MPTES))(分子量Mn=1.7×104、Mw/Mn=1.6、ポリシランブロック重合度m=147、メタクリルブロック重合度n=19)を得た。
上記のP(MPS−co−MPTES)20mgとテトラエトキシシラン(TEOS)200mgを溶かしたテトラヒドロフラン(THF)2mlとジグライム0.2mlの混合溶液に、8重量%の塩酸を5μl加えて1時間撹拌した。その溶液(ゾル)を0.2μmポリテトラフルオロエチレン(PTFE)メンブランフィルタで濾過した後に、回転数1500、30秒の条件で、シリコン基板(2cm×2cm)にスピンコートを行い、120℃で1時間加熱して、均一で透明なポリシラン−シリカハイブリッド薄膜を作製した。なお、He−Neレーザーを用いたエリプソメトリー測定により、膜厚は100nm程度であった。
上記ポリシラン−シリカハイブリッド薄膜の半分をアルミニウム箔で覆い、上方から高圧水銀灯(140mW/cm2)を用いて7秒間照射した後に、ヘキサンで洗浄することにより照射部分のポリシラン分解物を除去してシリカ部分のみを残した。乾燥後、アルミニウム箔を外し、上方から高圧水銀灯を用いてポリシラン−シリカハイブリッド薄膜の全面に、2度目の照射(露光)を行った。次いで、150℃で加熱した。その結果、最初の高圧水銀灯の露光部分(照射部分)と未露光部分(未照射部分)の屈折率は、それぞれ1.400と1.450となり、0.05の差を有する屈折率のパターニングに成功した。なお、膜厚は製膜時に比べてほとんど変化していなかった。また、この作製した屈折率パターンに再度紫外線を1J以上照射したが、屈折率はほとんど変化せず、化学的に安定であることが確認された。
実施例3
フェニルトリエトキシシランとメチルシリケート(テトラメトキシシランの5〜6量体、扶桑化学社製)を重量比で3対1の割合で仕込んで予め縮合させて調製したシリカ前駆体のイソプロパノールと水の混合溶液800μlとPMPS(分子量Mn=8.79×103、Mw/Mn=1.5)20mgをTHF1mlに溶かして1時間撹拌した。その溶液(ゾル)を0.2μmPTFEメンブランフィルタで濾過した後に、回転数1500、30秒の条件で、シリコン基板(2cm×2cm)にスピンコートを行い、120℃で1時間加熱して、均一で透明なポリシラン−シリカハイブリッド薄膜を作製した。なお、He−Neレーザーを用いたエリプソメトリー測定により、膜厚は100nm程度であった。
上記ポリシラン−シリカハイブリッド薄膜の半分をアルミニウム箔で覆い、上方から高圧水銀灯(140mW/cm2)を用いて7秒間照射した後に、ヘキサンで洗浄することにより照射部分のポリシラン分解物を除去してシリカ部分のみを残した。乾燥後、アルミニウム箔を外し、上方から高圧水銀灯を用いてポリシラン−シリカハイブリッド薄膜の全面に、2度目の照射(露光)を行った。次いで、150℃で加熱した。その結果、最初の高圧水銀灯の露光部分(照射部分)と未露光部分(未照射部分)の屈折率は、それぞれ1.401と1.403となり、0.002の差を有する屈折率のパターニングに成功した。なお、膜厚は製膜時に比べて20%程度減少した。
実施例4
ポリ(メチルフェニルシラン)(PMPS、分子量Mn=2.8×104、Mw/Mn=2.5)1gとN,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)1gを無水トルエン7mlに溶かした。この溶液について凍結真空脱気を3回繰り返した後、減圧封管を行った。次いで、高圧水銀ランプ(10mW/cm2)を10分間照射した。生成したポリマーを、無水ヘキサン300mlで再沈殿を行った後に、濾過および8時間の減圧乾燥を行って、PMPSとDMAAのブロック共重合体(P(MPS−co−DMAA))(分子量Mn=8.6×103、Mw/Mn=1.7、ポリシランブロック重合度m=46、アクリルブロック重合度n=81)を得た。
上記のP(MPS−co−DMAA)20mgとテトラエトキシシラン(TEOS)100mgを溶かしたテトラヒドロフラン(THF)2mlとジグライム0.2mlの混合溶液に、8重量%の塩酸を5μl加えて1時間撹拌した。その溶液(ゾル)を0.2μmPTFEメンブランフィルタで濾過した後に、回転数1500、30秒の条件で、シリコン基板(2cm×2cm)にスピンコートを行い、120℃で1時間加熱して、均一で透明なポリシラン−シリカハイブリッド薄膜を作製した。なお、He−Neレーザーを用いたエリプソメトリー測定により、膜厚は100nm程度であった。
上記ポリシラン−シリカハイブリッド薄膜の半分をアルミニウム箔で覆い、上方から高圧水銀灯(140mW/cm2)を用いて7秒間照射した後に、ヘキサンで洗浄することにより照射部分のポリシラン分解物を除去してシリカ部分のみを残した。乾燥後、アルミニウム箔を外し、上方から高圧水銀灯を用いてポリシラン−シリカハイブリッド薄膜の全面に、2度目の照射(露光)を行った。次いで、150℃で加熱した。その結果、最初の高圧水銀灯の露光部分(照射部分)と未露光部分(未照射部分)の屈折率は、それぞれ1.463と1.510となり、0.047の差を有する屈折率のパターニングに成功した。なお、膜厚は製膜時に比べてほとんど変化していなかった。
実施例5
ポリ(メチルフェニルシラン)(PMPS、分子量Mn=2.8×104、Mw/Mn=2.5)1gと3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(MPTES)1gを蒸留した無水トルエン7mlに溶かした。この溶液について凍結真空脱気を3回繰り返した後、減圧封管を行った。次いで、高圧水銀ランプ(10mW/cm2)を10分間照射した。生成したポリマーを、無水ヘキサン300mlで再沈殿を行った後に、濾過および8時間の減圧乾燥を行って、PMPSとMPTESのブロック共重合体(P(MPS−co−MPTES))(分子量Mn=1.5×104、Mw/Mn=1.9、ポリシランブロック重合度m=157、メタクリルブロック重合度n=31)を得た。
上記のP(MPS−co−MPTES)20mgを、触媒量の塩酸を予め加えたTHF1mlに溶かして1時間撹拌した。この溶液に、テトラ(n−ブトキシ)チタニウム(Ti(O−n−C494)20mgをTHF1mlに溶かした溶液を加えて1時間撹拌した。その溶液(ゾル)を0.2μmPTFEメンブランフィルタで濾過した後に、回転数1500、30秒の条件で、シリコン基板(2cm×2cm)にスピンコートを行い、150℃で1時間加熱して、均一で透明なポリシラン−チタニアハイブリッド薄膜を作製した。なお、He−Neレーザーを用いたエリプソメトリー測定により、膜厚は100nm程度であった。
上記ポリシラン−チタニアハイブリッド薄膜の半分をアルミニウム箔で覆い、上方から高圧水銀灯(140mW/cm2)を用いて7秒間照射した後に、ヘキサンで洗浄することにより照射部分のポリシラン分解物を除去してチタニア部分のみを残した。乾燥後、アルミニウム箔を外し、上方から高圧水銀灯を用いてポリシラン−チタニアハイブリッド薄膜の全面に、2度目の照射(露光)を行った。次いで、150℃で加熱した。その結果、最初の高圧水銀灯の露光部分(照射部分)と未露光部分(未照射部分)の屈折率は、それぞれ1.695と1.688となり、0.007の差を有する屈折率のパターニングに成功した。なお、膜厚は製膜時に比べてほとんど変化していなかった。
実施例6
ポリ(ジ−n−ヘキシルシラン)(PDHS、分子量Mn=2.7×104、Mw/Mn=2.0)1gと2−(アセトアセトキシ)エチルメタクリレート(AAEM)1gを無水トルエン7mlに溶かした。この溶液について凍結真空脱気を3回繰り返した後、減圧封管を行った。次いで、高圧水銀ランプ(10mW/cm2)を10分間照射した。生成したポリマーを、2−プロパノール300mlで再沈殿を行った後に、濾過および8時間の減圧乾燥を行って、PDHSとAAEMのブロック共重合体(P(DHS−co−AAEM))(分子量Mn=2.1×104、Mw/Mn=1.6、ポリシランブロック重合度m=147、メタクリルブロック重合度n=19)を得た。
上記のP(DHS−co−AAEM)20mgとテトラ(n−ブトキシ)ジルコニウム(Zr(O−n−C494)20mgを、テトラヒドロフラン(THF)2mlに溶かして10分間撹拌した。その溶液(ゾル)を0.2μmPTFEメンブランフィルタで濾過した後に、回転数1500、30秒の条件で、シリコン基板(2cm×2cm)にスピンコートを行い、150℃で1時間加熱して、均一で透明なポリシラン−ジルコニアハイブリッド薄膜を作製した。なお、He−Neレーザーを用いたエリプソメトリー測定により、膜厚は100nm程度であった。
上記ポリシラン−ジルコニアハイブリッド薄膜の半分をアルミニウム箔で覆い、上方から高圧水銀灯(140mW/cm2)を用いて7秒間照射した後に、ヘキサンで洗浄することにより照射部分のポリシラン分解物を除去してジルコニア部分のみを残した。乾燥後、アルミニウム箔を外し、上方から高圧水銀灯を用いてポリシラン−ジルコニアハイブリッド薄膜の全面に、2度目の照射(露光)を行った。次いで、150℃で加熱した。その結果、最初の高圧水銀灯の露光部分(照射部分)と未露光部分(未照射部分)の屈折率は、それぞれ1.441と1.502となり、0.061の差を有する屈折率のパターニングに成功した。なお、膜厚は製膜時に比べてほとんど変化していなかった。
実施例7
実施例2に記載の方法において、最初の露光の際に、3μmのラインアンドスペース(L&S)を有する石英製クロムマスクをポリシラン−シリカハイブリッド薄膜の上部に設置し、高圧水銀灯(140mW/cm2)を用いて7秒間照射することにより、3μmの線幅を有するラインアンドスペースのパターニングを行った。次いで、その上に上部クラッド層としてTEOSのTHF溶液を塗布して150℃で加熱することにより、導波路を作製した。

Claims (10)

  1. ポリシラン化合物と無機化合物からなるハイブリッド材料にマスクを介して活性エネルギー線を照射し、この照射部分のポリシラン分解物を除去した後に、ハイブリッド材料全体を加熱して硬化させることを特徴とする屈折率パターンの形成方法。
  2. ポリシラン分解物を除去した後に、ハイブリッド材料全体を加熱するのと同時かまたは加熱する前に、ハイブリッド材料全体に活性エネルギー線を照射することを特徴とする請求項1に記載の屈折率パターンの形成方法。
  3. ポリシラン化合物がポリ(メチルフェニルシラン)であることを特徴とする請求項1または2に記載の屈折率パターンの形成方法。
  4. ポリシラン化合物がポリシラン−ビニル化合物共重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載の屈折率パターンの形成方法。
  5. ポリシラン−ビニル化合物共重合体を形成するためのビニル化合物が、3−メタクリロキシアルキルトリアルコキシシラン、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミドおよびアセトアセトキシ基含有(メタ)アクリル化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項4に記載の屈折率パターンの形成方法。
  6. 無機化合物が、シリカ化合物、チタニア化合物およびジルコニア化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の屈折率パターンの形成方法。
  7. 活性エネルギー線が紫外線であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の屈折率パターンの形成方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の方法で形成された屈折率パターン。
  9. 請求項8に記載の屈折率パターンを有する薄膜。
  10. 請求項8に記載の屈折率パターンを有する光学素子。
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