JP4336643B2 - アンテナ構造部分が給電構造部分に取り付けられた改良された誘電体アンテナとその製造方法 - Google Patents

アンテナ構造部分が給電構造部分に取り付けられた改良された誘電体アンテナとその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、限定はされないが誘電体共振器(dielectric resonators)または誘電体ペレット(dielectric pellets)を含むアンテナ構造部分を給電構造部分に取り付けて、例えば誘電体共振アンテナ(DRA:dielectric resonator antennas)、高誘電体(高誘電率誘電体)アンテナ(HDA:high dielectric antennas)及び誘電体装荷アンテナ(DLA:dielectrically loaded antennas)といった誘電体アンテナを形成するための技術に関する。
誘電体共振アンテナ(DRA)とは送受信の選択された周波数において電磁波を放射または受信する例えば移動体通信に使用されるような共振アンテナ装置である。一般に、DRAは接地基板の上または近くに配置された誘電体材料部品(誘電体共振器または誘電体ペレット)を具備し、電気エネルギーは誘電体材料部品に挿入された単極プローブを通じてあるいは接地基板内に設けられた単極開口面給電部(monopole aperture feeds)を通じて誘電体材料部品へまたは誘電体材料部品から伝送される。(開口面給電部とは、接地基板内に設けられた概ね長方形の切れ目(discontinuity)、場合によっては楕円形、長楕円形、台形、または蝶ネクタイ形、及びそれらの形の組み合わせから成る形状が適切な切れ目であり、そこは誘電体材料部品で覆われる。この開口面給電部は、接地基板の誘電体材料部品から隔たっている側に位置するマイクロストリップ伝送線路、コプレナ導波路、スロットラインその他の形態のストリップ給電部によって励起されることがある。)マイクロストリップ伝送線路への直接的な接続とそれによる直接的な励起も可能である。代わりに、双極プローブが誘電体材料部品に挿入される場合があるが、この場合には接地基板は必要とはされない。複数の給電部を設けてこれらを順次にまたは様々な組み合わせで励起することによって、連続的または段階的に操作可能なビームが形成できる。このことについては例えば米国同時係属出願第09/431,548号明細書と、S.P.キングスレイ(KINGSLEY, S.P.)とS.G.オキーフ(O'KEEFE, S.G.)の共著論文「プローブ供給式誘電体共振アンテナのビーム操作及び単パルス処理(Beam steering and monopulse processing of probe-fed dielectric resonator antennas)」、英国電気工学会会報−レーダー、ソナー及びナビゲーション(IEE Proceedings - Radar Sonar and Navigation)、1999年、第146巻、第3号、p.121−125を参照されたい。またこれらの参考文献の全内容は本願に援用される。
DRAの共振特性は特に誘電体材料部品の形状とサイズに依存し、また誘電体材料部品への給電部の形状とサイズと位置にも依存する。DRAにおいては、給電部によって励起されると共振するのは誘電体材料部品であることを理解されたい。このことは、伝統的な導電性放射素子がこの放射素子の共振特性を変える誘電体材料の中にすっぽり包み込まれる誘電体装荷アンテナとは対照的である。
DRAは様々な形態を採ることがあるが、一般的な形態としては円筒形の誘電体ペレットを有し、それは円筒内にある金属プローブによって給電される場合がある。このような円筒形共振媒体はセラミック誘電体を含むいくつかの候補材料から作られることが可能である。
DRAに関する1983年の最初の体系的研究[S.A.ロング(LONG,S.A.)、M.W.マクアリスタ(McALLISTER,M.W.)及びL.C.シェン(SHEN,L.C.)共著、「共振円筒形誘電体空洞アンテナ(The Resonant Cylindrical Dielectric Cavity Antenna)」、アンテナと伝搬に関するIEEEトランザクションズ(IEEE Transactions on Antennas and Propagation)、1983年、AP−31、p.406−412]以来、その高い放射効率と最も一般的に使用される伝送線路との優れた適合性と小さな物理的サイズ故に放射パタンに対する関心が高まってきている[R.K.モギア(MONGIA,R.K.)とP.ブハルティア(BHARTIA,P.)共著、「誘電体共振アンテナ−概説並びに共振周波数及び帯域幅の一般的設計関係(Dielectric Resonator Antennas-A Review and General Design Relations for Resonant Frequency and Bandwidth)」、マイクロ波及びミリメートル波コンピュータ援用エンジニアリングのインターナショナルジャーナル(International Journal of Microwave and Millimetre-Wave Computer-Aided Engineering)、1994年、第4巻、第3号、p.230−247]。より最近の発展についての要約はA.ペトサ(PETOSA,A.)、A.イッチピブーン(ITTIPIBOON,A.)、Y.M.M.アンター(ANTAR, Y.M.M.)、D.ロスコ(ROSCOE,D.)及びM.クハチ(CUHACI,M.)共著、「誘電体共振アンテナ技術における最近の発展(Recent advances in Dielectric-Resonator Antenna Technology)」、IEEEアンテナ及び伝搬マガジン(IEEE Antennas and Propagation Magazine)、1998年、第40巻、第3号、p.35−48に見出される。
様々な基本形状は、接地面(接地基板)の上または近くに取り付けられ適切な方法で励起されたときに良好なDRA共振器構造としての機能を果たすことが見出されている。これらの幾何学的形状の中で最もよく知られているものとしては以下のものが挙げられる。
・長方形[M.W.マクアリスタ(McALLISTER,M.W.)、S.A.ロング(LONG,S.A.)及びG.L.コンウェイ(CONWAY G.L.)共著、「長方形誘電体共振アンテナ(Rectangular Dielectric Resonator Antenna)」、エレクトロニクス・レターズ(Electronics Letters)、1983年、第19巻、第6号、p.218−219]。
・三角形[A.イッチピブーン(ITTIPIBOON,A.)、R.K.モギア(MONGIA,R.K.)、Y.M.M.アンター(ANTAR,Y.M.M.)、P.ブハルチア(BHARTIA,P.)及びM.クハチ(CUHACI,M.)共著、「磁気双極アンテナ用の開口面給電式長方形及び三角形誘電体共振アンテナ(Aperture Fed Rectangular and Triangular Dielectric Resonators for use as Magnetic Dipole Antennas)」、エレクトロニクス・レターズ(Electronics Letters)、1993年、第29巻、第23号、p.2001−2002]。
・半球形[K.W.ルーング(LEUNG,K.W.)著、「絶縁保護ストリップにより励起される半球形誘電体共振アンテナについてのシンプルな結果(Simple results for conformal-strip excited hemispherical dielectric resonator antenna)」、エレクトロニクスレターズ(Electronics Letters)、2000年、第36巻、第11号]。
・円筒形[S.A.ロング(LONG,S.A.)、M.W.マクアリスタ(McALLISTER,M.W.)及びL.C.シェン(SHEN,L.C.)共著、「共振円筒形誘電体空洞アンテナ(The Resonant Cylindrical Dielectric Cavity Antenna)」、アンテナと伝搬に関するIEEEトランザクションズ(IEEE Transactions on Antennas and Propagation)、1983年、AP−31、p.406−412]。
・半円筒形(Half-split cylinder:接地面上に垂直に取り付けられた半円筒)[R.K.モギア(MONGIA,R.K.)、A.イッチピブーン(ITTIPIBOON,A.)、Y.M.M.アンター(ANTAR,Y.M.M.)、P.ブハルチア(BHARTIA,P.)及びM.クハチ(CUHACI,M.)共著、「スロット結合を使用した半円筒形誘電体共振アンテナ(A Half-Split Cylindrical Dielectric Resonator Antenna Using Slot-Coupling)」、IEEEマイクロ波及び導波路レターズ(IEEE Microwave and guided Wave Letters)、1993年、第3巻、第2号、p.38−39]。
これらのアンテナデザインの一部はセクタ(扇形)に分割されてもいる。例えば、円筒形DRAは二等分することができる[M.T.K.タム(TAM, M.T.K.)とR.D.マーチ(MURCH,R.D.)共著、「半分にした誘電体共振アンテナデザイン(Half volume dielectric resonator antenna designs)」、エレクトロニクスレターズ(Electronics Letters)、1997年、第33巻、第23号、p.1914−1916]。しかし、アンテナを半等分あるいはさらにセクタ(扇形)に分けても基本的な結合構造(geometry)は円筒形、長方形などとは変わらない。
高誘電体アンテナ(HDA)はDRAと類似しているが、相違点としてDRAは誘電体ペレットの下に十分な接地面があるのに対し、HDAはより小さな接地面しか持たないかまたは接地面を全く持たない。下部の接地面を取り除くと共振があまりはっきしなくなり、結果的に帯域幅が非常により一層幅広くなる。HDAは一般に前方方向と同じくらいのパワーで後方方向にも放射する。
DRAとHDAの両方において、主放射体は誘電体ペレットである。それに対しDLA(誘電体装荷アンテナ)では、主放射体は導体部品(例えば金属線またはプリントストリップなど)であるが、この場合には誘電体部品はその中でDLAが動作する媒質を調節して一般にアンテナを全体としてより小さくまたはコンパクトにすることができるようにする。
DLAはダイレクトなマイクロストリップ給電線によって励起または形成されることもある。特に、本発明者(あるいは本出願人)は誘電体ペレットをマイクロストリップ給電線などの上に配置その他連結してアンテナとして働いているときの給電線の放射特性を調節するようにすることができることを見出している。
本願は、限定はされないが、特に大規模産業との関連において組立ラインプロセス経てDRA、HDA、及びDLAを構築するための技術に向けられている。さらに、本願は限定はされないが特に、プリント基板(PCB:printed circuit board)上の或る形態の給電構造によって励起される高誘電率セラミック材料で構成されるDRAまたはHDAと、そして誘電体材料のペレットが与えられた導電性放射体を備えたDLAにも関係している。
本願の目的のため、「誘電体アンテナ(dielectric antenna)」という表現はここではDRA、HDA、およびDLAを包含するものとする。
本発明の第1の側面として、誘電体基板の一方の側に形成されたマイクロストリップ伝送線路に直接接触するように取り付けられた誘電体ペレットを具備する誘電体アンテナが提供される。
本発明の第2の側面として、誘電体基板の一方の側に形成されたマイクロストリップ伝送線路と直に接触するように誘電体ペレットが取り付けられた誘電体アンテナを製造する方法が提供される。
誘電体基板はプリント基板(PCB)の形態にある場合があり、その場合には主たる大きな表面の一方または他方の面の少なくとも一部分の上に選択的にメタライゼーション(metallisation)処理されることがある。
本発明の具体化の好ましい態様として、誘電体ペレットはセラミック材料、好ましくは高い誘電率を持つセラミック材料から作られる。
誘電体アンテナとしてはDRA(誘電体共振アンテナ)、HDA(高誘電体アンテナ)、またはDLA(誘電体装荷アンテナ)のいずれかとすることができる。
こうすることの利点は、あらゆるものが誘電体基板またはPCB(プリント基板)の一方の側に設けられる(例えばスロット給電方式では、マイクロストリップ伝送線路は基板の一方の側にあり、セラミックペレットはもう一方の側にある)ために、良好な利得と帯域幅を有するアンテナと非常にシンプルな組立方法が実現できるということにある。生産ラインでは、ピック・アンド・プレイス機械がリールから供給されるセラミックペレットをつまみ上げて、これらを誘電体基板またはPCB(プリント基板)の上に直に下ろすことができる。
例えば、導電性エポキシを用いて膠着(glue)するといった具合にいくつかの取り付け方法が使用できる。本願においては、セラミックペレットを所定の位置にはんだ付けすることが可能であること、そしてこれにより良好な電気的特性と良好な周波数特性を持つ非常に強固な接合(ジョイント)が実現できること、が明らかになっている。製造工程では、ピック・アンド・プレイス機械がセラミックペレットを誘電体基板またはPCB(プリント基板)の上に配置する前に、マイクロストリップははんだペーストで予めスクリーン印刷される。次に、セラミックペレットが取り付けられた基板またはPCB(プリント基板)ははんだを融解させるリフロー炉に送り込まれ、セラミック共振器が所定の位置にはんだ付けされるようにする。この方法は最新の自動電子組立生産ラインに適する理想的なものである。
はんだは一般にセラミック材料に直に接着することはないので、セラミックペレットは最初にメタライゼーション(metallisation)処理されると有利である。いくつかの金属がこの処理に使用することができ、異なる方法で積層(あるいは蒸着)することができる。しかし本願においては、好ましい誘電体アンテナの製造にとって導電性銀塗料が特に効果的でかつ費用効率も高いことが明らかになっている。スクリーン印刷処理では塗料を容易に塗布することができる。場合によっては(一部のタイプの塗料や一部のセラミックでは)、塗料は乾燥させることができるが、しかし通常は塗布されたセラミックは良好な接着と無線周波数で低損失な表面を確実に得るために炉ないし加熱板で焼かれることが好ましい。
ダイレクトなマイクロストリップ給電方式では、セラミックペレットをマイクロストリップから実質的に中心をはずして配置する(オフセットさせて置く)ことがしばしば有利である。というのは、こうすることによって、改善された利得と帯域幅が得られ、50Ω(アンテナ設計における産業標準インピーダンス)と整合するからである。しかしながら、このように中心をはずして置くと、セラミックペレットがマイクロストリップ伝送線路上でバランスを取るために、その接合が機械的に強固ではなくなる(図1)。接合の機械的強度は導電性(例えば金属または金属性の)パッドを好ましくはセラミックペレットの角部または縁部の下にはんだ付けして挿入または形成することによって改善が可能である(図2)。形成される誘電体アンテナの結果的な性能を損なうことなくパッドを延長して連続したサポート(支持部)を形成することができることが明らかになっている(図3)。実際、多くの場合においてこの技法はアンテナの性能を改善させるために有利に使用されることがある。
一般に、誘電体ペレット(例えば、セラミックペレット)の下部表面の一部分と/または共振器下の基板表面もしくはPCB(プリント基板)表面の一部分のメタライゼーション処理によって誘電体内における電界集中効果が引き起こされることになり、そのためアンテナの電気的性能が変化する。メタライゼーション処理の効果によってアンテナが異なるモードで共振して結果的に電気的性能が大きく変化することさえ起こり得る。アンテナに給電するマイクロストリップ伝送線路の形状と拡がりも全体の性能に影響を与える。注意深い設計により、これらの変化をアンテナ性能を改善させるのに役立てることができる。2つの面(誘電体ペレットの下面と基板/PCB)上のメタライゼーションを互いに整合させることは有利であるが、本願においては改善されたアンテナ性能がメタライゼーションが非整合でも得られる2,3のケースが見出されている。
本願は、長方形セラミックペレットが誘電体共振器として機能するような、また半円筒形セラミックペレットも同じく誘電体共振器として機能するような、DRAとHDAを作り出すことに成功した。従ってこの延長線上において、誘電体ペレットの全てまたはほとんどの他の形状(本願導入部で言及されたようなもの)が誘電体基板/マイクロストリップ伝送線路組立部品に同じように取り付けることが可能である。
本発明のDLA(誘電体装荷アンテナ)を形成するには、PCB(プリント基板)といった誘電体基板の第1表面上に導電性マイクロストリップ給電線がプリントその他の手段で設けられ、また誘電体基板もしくはPCBの第1表面とは反対側の第2表面はメタライゼーション処理が行われない少なくとも1つの領域を除いて所定部分全体にメタライゼーション処理が行われる。続いて、誘電体ペレットが第1表面上のマイクロストリップ給電線の上に取り付けられるかそうでなければマイクロストリップ給電線と直接接触するように第1表面上に取り付けられる。誘電体ペレットは、給電線にそれが長さがより長いかのように振る舞わせることによってDLAの動作周波数を下げる役割を果たし、またインピーダンス整合その他の特性も改善させる場合がある。しかし、本発明のDLAにおいては、主放射体としての機能を果たすのは(DRAまたはHDAにおける誘電体ペレットとは対照的に)給電線であることは理解されよう。
誘電体ペレットは、第2表面のメタライゼーション処理されていない少なくとも1つの領域に対応する第1表面の領域上に有利に取り付けられる。マイクロストリップ給電線は、誘電体ペレットの真下を通るか、あるいはペレットの側面もしくは側壁に渡されるか、あるいは誘電体ペレットの最上面に渡される場合がある。本発明のDLAを構築する際には、マイクロストリップ給電線は誘電体ペレットで終端することが一般に好ましい。同じく、マイクロストリップ給電線は誘電体基板の第1表面に沿って給電ポイントないし接続ポイントから誘電体ペレットまで延びることも、そして誘電体基板の第2表面はマイクロストリップ給電線の第1表面における縦方向の拡がり全体に亘って(ただし給電線が誘電体ペレットと接触する部分は除く)メタライゼーション処理されることも好ましい。また誘電体基板の第2表面の幅全体に亘ってあるいは第2表面の部分的な幅が給電線の幅より広いという条件のもとに第2表面のその部分的な幅のみにメタライゼーション処理が行われることがある。具体化の態様によっては、誘電体ペレットの少なくとも1つの表面、例えば給電ポイントまたは接続ポイントから見て外側に向いた露出した端面もメタライゼーション処理が行われることがあるが、その場合には給電線は「フラットな」モノポールを形成するためにそのメタライゼーション処理された表面に接続される。
DLA用途の誘電体ペレットもDRAとHDAに関連して既に説明されたようにメタライゼーション処理が行われるかあるいははんだ付けされることがあり、また上述したようにパッドも設けられることがある。
DRAまたはHDAに給電するのにダイレクトな結線(例えば、ダイレクトなマイクロストリップ結線)が使用されるとき、そのダイレクトな結線(例えば、マイクロストリップ)に対する誘電体材料(誘電体ペレット)の位置関係が結果として生じる放射線ビームの方向に影響することを本発明者(あるいは本出願人)は見出している。適切な形状の誘電体材料がマイクロストリップ伝送線路の上に中心が来るように(あるいは重心が乗るように)配置される場合には、誘電体材料は垂直方向にビームを生成する傾向がある。誘電体材料がマイクロストリップ伝送線路の上にその伝送線路の右側または左側に体積が片寄る(あるいは重心が片寄る)ように配置されると、それぞれ右向きまたは左向きの成分を有するビームが生成される。この技法は、放射線ビームを望みの方向に向き付けるのを助けるために、かつ/またはマイクロストリップ伝送線路の上にそれぞれ異なる仕方で配置された複数の誘電体共振器を用いて放射線ビームを広げるために、使用することが可能である。
以上述べたように本発明においては、どれもマイクロストリップ伝送線路の上に取り付けられ、少なくとも1つはそのマイクロストリップ伝送線路の上に中心をはずれるように配置される1つ以上の誘電体共振器が提供される。
またDRAまたはHDAまたはそれらのアレイに給電する方法も提供される。この方法は、少なくとも1つの誘電体共振器をマイクロストリップ伝送線路の上に中心を所定の方向にはずれるように配置して該所定の方向の方向成分を有するビームを生成するようにすることを特徴とする。
本発明の第3の側面として、複数の誘電体アンテナから成り各誘電体アンテナはマイクロストリップ伝送線路の上に取り付けられた誘電体共振器を具備する誘電体アンテナアレイが提供される。この誘電体アンテナアレイは、誘電体共振器の少なくとも1つがマイクロストリップ伝送線路の上に中心をはずれるように配置されることを特徴とする。
本発明の第4の側面として、誘電体アンテナの誘電体共振器に給電する方法が提供される。この方法は、誘電体共振器をマイクロストリップ伝送線路の上に中心を所定の方向にはずれるように配置して該所定の方向の方向成分を有するビームを生成するようにすることを特徴とする。
以下、本発明の実施の最良の形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、PCB(プリント基板)3の一方の側において、ダイレクトなマイクロストリップ伝送線路2の上にはんだ付けされたメタライゼーション処理された長方形セラミック共振器ペレット1の側面図及び平面図である。導電性接地面(図示されていない)がPCB3の反対側に形成されることがある。ペレット1は中心をはずして取り付けられており、そのはんだ付け接合部は電気接触に関しては良好だが機械的強度が弱い。
図2は、図1にあるようなPCB3の一方の側において、ダイレクトなマイクロストリップ伝送線路2の上にはんだ付けされたメタライゼーション処理された長方形セラミック共振器ペレット1の側面図及び平面図である。ペレット1の角部5を支持するためにPCB3の上に追加の導電性パッド4がプリントされており、組立品の機械的強度はそれによって改善される。
図3は、図1及び図2にあるようなPCB3の一方の側において、ダイレクトなマイクロストリップ伝送線路2の上にはんだ付けされたメタライゼーション処理された長方形セラミック共振器ペレット1の側面図及び平面図である。ペレット1の端部7を支持するために、PCB3の上に追加の導電性ストリップ6がプリントされており、それにより組立品の機械的強度を高める単一の連続した支持部(サポート)を形成した。
37から134までの範囲にある比誘電率を有するセラミック材料は、マイクロストリップ伝送線路2によって直に給電される共振器ペレット1として成功裏に使用されてきた。ペレット1のメタライゼーション処理に適した特定の塗料はセラミック材料のタイプに応じて変わる。適した金属塗料の例としては、デュポンR8032(DuPontR8032)とデュポンR5434I(DuPontR5434I)が挙げられる(Rが付されているものは、米国デュポン社が所有する登録商標)。これらは、ソルダプラスR42NCLR−Aはんだペースト(SolderplusR42NCLR-A solder paste)と併用される場合がある。
一般に、ペレット下面のメタライゼーション処理部分によって帯域幅が改善し、共振周波数が低くなる(このため与えられた動作周波数に対してアンテナのサイズがより小さくなる結果となる)ことが可能になるという利点がある。
アンテナのリターンロス(return loss)帯域幅は、
・アンテナの共振モード、
・アンテナの特性インピーダンス、
・給電インピーダンス、
・整合回路、
・整合度が測られるリターンロス、
に依存する。
実際には、はんだ付け接合部を改善するために使用されるメタライゼーション処理は、上のリストの最初の3つの項目に影響を及ぼす可能性がある。はんだ目的の長方形ペレットのメタライゼーション処理が帯域幅の増大と周波数の低下という結果をアンテナの他の特性に悪影響することなくもたらした例を図4に示す。斜線領域はメタライゼーション処理された領域を表す。
具体的に、図4(i)は、長方形誘電体ペレット1の下面において、大きな角部10がメタライゼーション処理されており下面中央の菱形部分がメタライゼーション処理されずに残された態様を示している。
図4(ii)は、長方形誘電体ペレット1の下面において、小さな角部11がメタライゼーション処理されており、さらに長方形誘電体ペレット1の下面中央のストリップ領域12も中央の縦軸に沿ってメタライゼーション処理された態様を示している。
図4(iii)は、長方形誘電体ペレット1の下面において、2つの小さな角部11が下面右手側にメタライゼーション処理されており、さらに下面左手側に縁に沿ったストリップ領域13もメタライゼーション処理された態様を示している。
図4(iv)は、長方形誘電体ペレット1の下面において、メタライゼーション処理されたストリップ領域14と15がそれぞれ下面の右手側と左手側に設けられた態様を示している。
図5は、上面の上にその上面に沿って縦方向に延びるマイクロストリップ給電線2がプリントされたPCB(プリント基板)3の形態にある誘電体基板として構成された単極DLA(monopole DLA)を本発明の参考例として示している。PCB3の下面は、給電線2の端部22下のメタライゼーション処理されない部分21を除いて、給電線2が延びている範囲の下がメタライゼーション処理20されている。誘電体セラミックペレット1は、PCB3の上面の上に給電線2と直接接触するように、PCBの下面のメタライゼーション処理されていない部分21が下に来るように取り付けられている。動作中、主放射体として機能するのは給電線の端部22である。
図6は、3つの誘電体共振器115、116と117がその上に取り付けられたマイクロストリップ伝送線路114から成るダイレクトなマイクロストリップ給電網を示している。共振器115は、マイクロストリップ114の上に中心が来るように取り付けられており、垂直方向に(図が描かれている紙面からそれを眺めている人に向かって)ビームを放射する。共振器116は、マイクロストリップ114の上に左側に取り付けられており、図から左向きにビームを放射する。共振器117はマイクロストリップ114の上に右側に取り付けられており、図から右向きにビームを放射する。
本発明の好ましい特徴は、本発明の全ての側面に適用することができ、どんな可能な組み合わせにも使用することができる。
本願明細書及び特許請求の範囲全体に亘って、「具備する」という表現と「含む」という表現、及びそれらの変形である「具備している」または「具備すること」とか「含んでいる」または「含むこと」といったような表現は「含んでいるまたは具備しているが限定はされない」ということを含意しており、他の構成要素、数値、部分、追加、または段階を排除する(と排除しない)ことは意図されていない。
PCB(プリント基板)の一方の側においてダイレクトなマイクロストリップ伝送線路の上に取り付けられた長方形セラミックペレットの側面図及び平面図である。 PCBの一方の側においてダイレクトなマイクロストリップ伝送線路の上に取り付けられた長方形セラミックペレットのPCB上かつペレットの角部に追加のサポートパッドがプリントされた態様の側面図及び平面図である。 PCBの一方の側においてダイレクトなマイクロストリップ伝送線路の上に取り付けられた長方形セラミックペレットのPCB上かつペレットの縁部に追加の連続したサポートストリップがプリントされた態様の側面図及び平面図である。 誘電体ペレットの下側における様々なメタライゼーション処理パタンを示した図である。 本発明の参考例であるDLA(誘電体装荷アンテナ)を示した図である。 誘電体共振器アレイがその上に配置されたダイレクトなマイクロストリップの給電網(フィードネットワーク)を示した図である。

Claims (16)

  1. 誘電体基板の一方の側に形成されたマイクロストリップ伝送線路と直接接触するように該マイクロストリップ伝送線路上に取り付けられた誘電体共振器としての機能を有する誘電体ペレットを具備し、前記誘電体ペレットは電磁放射の放射器として構成され、前記マイクロストリップ伝送線路は高さを有し、少なくとも1つの導電性パッドを前記誘電体基板と前記誘電体ペレットの間に形成または挿入して構造を安定させ、前記導電性パッドは、前記マイクロストリップ伝送線路の高さに一致する高さを有することを特徴とする誘電体アンテナ。
  2. 前記少なくとも1つの導電性パッドは、前記誘電体ペレットの前記誘電体基板と対向する面の縁部または角部に形成または挿入されていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
  3. 前記少なくとも1つの導電性パッドは、前記誘電体基板及び/または前記誘電体ペレットにはんだ付けされていることを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ。
  4. 誘電体共振アンテナであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のアンテナ。
  5. 高誘電体アンテナであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のアンテナ。
  6. 前記誘電体基板は、プリント基板であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のアンテナ。
  7. 前記誘電体ペレットは、セラミック材料から作られていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のアンテナ。
  8. 前記誘電体ペレットは、前記マイクロストリップ伝送線路に膠着されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のアンテナ。
  9. 前記誘電体ペレットは、前記マイクロストリップ伝送線路に導線性エポキシを用いて膠着されていることを特徴とする請求項8に記載のアンテナ。
  10. 前記誘電体ペレットは、前記マイクロストリップ伝送線路にはんだ付けされていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のアンテナ。
  11. 前記誘電体ペレットの前記マイクロストリップ伝送線路と接触する部分は、最小限の範囲としてメタライゼーション処理されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のアンテナ。
  12. 前記誘電体ペレットの前記マイクロストリップ伝送線路と接触する部分は、導電性銀塗料で被覆されていることを特徴とする請求項11に記載のアンテナ。
  13. 前記誘電体ペレットは、前記マイクロストリップ伝送線路の上に、該マイクロストリップ伝送線路の縦長部に関してほぼ中心が来るように取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のアンテナ。
  14. 前記誘電体ペレットは、前記マイクロストリップ伝送線路の上に、該マイクロストリップ伝送線路の縦長部に関して中心をはずして取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のアンテナ。
  15. 前記マイクロストリップ伝送線路の上には、複数の誘電体ペレットが取り付けられており、これら複数の誘電体ペレットのうち少なくとも1つのペレットは、前記マイクロストリップ伝送線路の上に、該マイクロストリップ伝送線路の縦長部に関して中心をはずして取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のアンテナ。
  16. 前記誘電体基板の前記誘電体ペレットが取り付けられている側とは反対の側の少なくとも一部分は、メタライゼーション処理されていることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載のアンテナ。
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