JP2008160825A - 誘電体アンテナ - Google Patents

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Abstract

【課題】広帯域、且つ無指向性であって、利得の高い小型の誘電体アンテナを提供する。
【解決手段】平行平板状の誘電体基板の対向する2広面の一方の面に帯状で平行な複数本のスパイラル形状のアンテナ電極を形成し、他方の面にアンテナ電極に対向して電磁界結合される給電用電極と整合用電極が形成されるとともに、前記アンテナ電極の給電用電極に近い一端から実効波長をλgとしてλg/16≦L≦λg/4で規定される長さLまでが合流して一本のまとまった電極になったことを特徴とする誘電体アンテナ。
【選択図】図1a

Description

本発明は、超短波、準マイクロ波、マイクロ波、ミリ波の無線通信に使用される誘電体アンテナに関し、特に広帯域、且つ無指向性の小型の誘電体アンテナに関する。
誘電体アンテナは超短波、準マイクロ波、マイクロ波、ミリ波の無線通信に使用され、携帯電話に代表される無線通信機のアンテナは、その特性が得られる限りは小さければ小さい方が良く、現在でもなおより小型のアンテナが求められている。
アンテナの小型化に対しては、次に示す従来技術1,2に示される技術が代表的なものとしてあげることができる。
従来技術1:アンテナ部を積層構造とすることにより、立体電極とした積層アンテナ
従来技術2:波長短縮効果を狙った誘電体材料を使用した誘電体アンテナ
前記の技術は有効なものではあるが次の問題点もある。
従来技術1の積層構造は、一般的に誘電率の低い材料を使用しているので、ある程度広帯域であり、800MHz以上の周波数では小型化を達成しているが、それ以下の周波数帯、例えばテレメーター、テレコントローラー、トランシーバーに使用されている300MHz帯微弱無線、400MHz帯特定小電力無線では、アンテナ電極長を長くする必要があり、小型化が困難である。また、電極を同一方向に多く形成するため、指向性がある。
また、製造面からみると、積層構造を採用していることにより、製造工程が多く、製造時のイニシャルが高いという問題がある。
従来技術2の誘電体アンテナは、高誘電率材料を用い波長短縮効果により電極長を短くして小型することができ、また小型且つ電極長が短いため、ほぼ無指向性である。しかしながら、高誘電率材料を用いているため、共振のQが大きくなり、狭帯域となる。アンテナは実装条件および製造条件により、共振周波数が変動するため、狭帯域では所望の周波数からのずれに対応できず、アンテナ特性を十分得られないという問題がある。
また従来技術1,2ともに、アンテナと回路との間にLC整合回路を設ける必要があり、アンテナ自体は小さくなっても整合回路の面積により、アンテナ実装面積は大きくなってしまうという問題がある。
LC整合回路を設けない手法として、本出願人はアンテナにLC整合回路を形成した発明について出願した(特開2007−129360)。出願した誘電体アンテナは、一つの板状の誘電体基板にスパイラル状のアンテナ電極を形成し、この板状の誘電体基材の裏面にアンテナ電極に対向して電磁界結合されるコンデンサ電極を形成し、誘電体基材の側面にアンテナ電極に通電接続されたインダクタ電極を接地形成することで、コンデンサとインダクタからなる整合回路を形成したものである。
しかしながら、この誘電体アンテナは高誘電率材料を用いるため、共振のQが大きくなり、狭帯域となる。このため実装条件および製造条件による共振周波数の変動に対応できず、アンテナ特性を十分得られないという問題がある。
特開2007−129360号公報
本発明が解決しようとする課題は、広帯域、且つ無指向性であって、小型の誘電体アンテナを提供するものである。
本発明の誘電体アンテナは、アンテナ基材に比誘電率εrがεr>10の高誘電率材料を用いることでアンテナを小型化し、且つ無指向性を実現する。さらに高誘電率材料を用いるために起こる、狭帯域を下記の手法にて解決する。
平行平板状の誘電体基板の対向する2広面の一方の面に帯状の複数本のスパイラル形状のアンテナ電極を形成し、他方の面にアンテナ電極に対向して電磁界結合される給電用電極と整合用電極が形成されるとともに、前記アンテナ電極の給電用電極に近い一端から実効波長をλgとしてλg/16≦L≦λg/4で規定される長さLまでが合流して一本のまとまった電極とした構成にすることによって、はじめて前記課題を解決することができる。
帯状の複数本のスパイラル形状のアンテナ電極の一端から、前記長さLまでを1本のまとまった電極としたアンテナ電極の一端に対向した位置に給電用電極を配置し、給電用電極から電磁界結合によりアンテナ電極へ電力を供給することにより、複数本のアンテナ電極は各々独立して共振する。さらにアンテナ電極の長さを所望の周波数の波長に依存した長さに設定することにより、各々の共振周波数を調整することができる。各々の共振周波数を最適に設定することで広帯域とすることができる。
さらに前記複数本のスパイラル形状のアンテナ電極の給電用電極に近い一端から、前記長さLまでを1本のまとまった電極とした構成にすることにより、給電部のアンテナ電極の線幅は太くなり、線路の抵抗が下がることで放射効率は向上し、アンテナの利得が高くなる。
また本発明の誘電体アンテナは、誘電体基板の前記アンテナ電極に対向した面に形成された給電用電極と整合用電極、もしくは誘電体基板の側面に形成された接地電極によりインピーダンス整合を取ることが出来る。給電用電極は発振回路から給電され、電磁界結合により対向する前記アンテナ電極に電力を供給する役割を果たすと共に、アンテナ電極/誘電体基板/給電用電極と3層に重なり、いわゆるサンドイッチ構造となりコンデンサとして動作する。整合用電極は誘電体基板の前記アンテナ電極と対向した面に形成され、接地導体と接続されることでアンテナ電極/誘電体基板/給電用電極と3層に重なり、いわゆるサンドイッチ構造となりコンデンサとして動作する。接地電極は誘電体基板の側面にアンテナ電極に導通接続して形成され、接地導体と接続されることでインダクタとして動作する。給電用電極と整合用電極もしくは接地電極により整合回路を形成することで、誘電体基板上にアンテナと整合回路が一体化できる。これによりアンテナと回路との間にLC整合回路を設ける必要がなくなり、アンテナ単体で整合を取ることができるため、アンテナ実装面積は小さくなる。
本発明の誘電体アンテナは、次の効果を奏する。
(1)電磁界結合による給電と、複数のスパイラル状のアンテナ電極による複共振を利用することで、広帯域化できる。
(2)比誘電率εrがεr>10の高誘電率材料を使用し、スパイラル状のアンテナ電極とすることで無指向性且つ小型のアンテナにできる。
(3)基板上にアンテナと整合回路が一体化しているためアンテナの小型化ができる。
図1aは本発明の誘電体アンテナの一例を示す斜視図、図1bは表面のスパイラル形状のアンテナ電極を示す平面図、図1cは裏面の給電用電極を示す平面図、図1dは図1aの誘電体アンテナの等価回路を示す図、図1eはVSWR特性である。
誘電体アンテナ1は、平行平板状の誘電体基板2の対向する2広面の一方の面に帯状で平行なスパイラル形状のアンテナ電極3が形成されるとともに、前記誘電体基板2の他面にアンテナ電極3と電磁界結合される給電用電極4と整合用電極6が形成される。給電用電極4は給電線路5を通して発振回路7に接続される。また整合用電極6は接地導体と接続される。
誘電体基板2には、従来の誘電体アンテナと同様に、例えば、BaTiO系、SrTiO系、MgTiO系、CaTiO系あるいは希土類酸化物などの高誘電率を有する板状の誘電体が使用できる。
誘電体基板2の広い対向する2面の一方の面には、帯状のスパイラル形状のアンテナ電極3を銀、金、銅、あるいはニッケルなどの導電体を印刷することにより形成する。帯状のスパイラル形状のアンテナ電極3は複数本間隔をおいて形成され、給電用電極4に近い一端から実効波長をλgとしてλg/16≦L≦λg/4で規定される長さLまでを1本のまとまった電極として形成される。図1に示す形態では3本の帯状のスパイラル形状のアンテナ電極3a,3b,3cが、給電用電極4に近い一端から長さL=λg/5までを1本のまとまった電極3dとして、アンテナ電極3を形成している。
また、前記誘電体基板2の広い対向する2面の他面には給電用電極4をアンテナ電極3と同様に、銀、金、銅、あるいはニッケルなどの導電体を印刷することにより形成する。給電用電極4は給電線路5を通して発振回路7に接続されて給電され、電磁界結合によりアンテナ電極3に電力を供給する。給電用電極4は、アンテナ電極3/誘電体基板2/給電用電極4のように3層構造にすることにより、図1dに示されるコンデンサC1として動作する。給電用電極4の面積を調整する、もしくはアンテナ電極3と給電用電極4の距離を調整することによりコンデンサC1の容量値を任意に設定できる。
さらに前記誘電体基板2の広い対向する2面の他面には整合用電極6をアンテナ電極3と同様に、銀、金、銅、あるいはニッケルなどの導電体を印刷することにより形成する。整合用電極6は接地導体に接続され、アンテナ電極3/誘電体基板2/整合用電極6のように3層構造にすることにより、図1dに示されるコンデンサC2として動作する。整合用電極6の面積を調整するか、もしくはアンテナ電極3と整合用電極6の距離を調整することによりコンデンサC2の容量値を任意に設定できる。誘電用電極4と整合用電極6により、図1dに示す整合回路を形成し、誘電用電極4と整合用電極6の調整により、アンテナのインピーダンス整合を取ることができる。
複数本の前記アンテナ電極3は対向する給電用電極4から電磁界結合により電力が供給されることで、各々独立して共振する。図1に示す形態では3本のアンテナ電極3a,3b,3cに対し、3つの共振が起こる。各々の共振は独立しているため、各々の共振周波数は波長に依存したアンテナ電極の長さを調整することで変更可能である。例えば共振周波数が所望の周波数より低い場合は、アンテナ電極長を短くして、共振周波数を高くする。共振周波数が所望の周波数より高い場合は、アンテナ電極長を伸ばして、共振周波数を低くする。このように、それぞれ共振を調整することで、図1eに示すような広帯域な特性が得られる。
またアンテナ電極3は給電用電極4に近い一端から実効波長をλgとしてλg/16≦L≦λg/4で規定される長さLまでを1本のまとまった電極とした構成にすることで、複数本の単体のアンテナ電極と比較して給電部のアンテナ電極の線幅は太くなり、線路の抵抗が下がることで放射効率は向上し、アンテナの利得が高くなる。図1に示す形態では3本のアンテナ電極3a,3b,3cの線幅は細いため線路抵抗は高いが、3本のアンテナ電極が一本にまとまった3dでは線幅が太いため、線路抵抗が低くなる。長さLは実効波長をλgとしてL<λg/16であれば放射効率は向上せず、L>λg/4であれば複共振が得られないため、λg/16≦L≦λg/4とする必要がある。
本発明の誘電体アンテナのアンテナ電極3は、誘電体基板2の広い対向する2面の一方の面に複数本形成されていれば、矩形、円形、三角形、多角形など各種形状で同様の効果が得られる。
図2aは本発明の誘電体アンテナの一例を示す斜視図、図2bは図2aの誘電体アンテナの等価回路を示す図である。
誘電体アンテナ1は、平行平板状の誘電体基板2の対向する2広面の一方の面に帯状で平行なスパイラル形状のアンテナ電極3が形成されるとともに、前記誘電体基板2の他面にアンテナ電極3と電磁界結合される給電用電極4が形成される。給電用電極4は給電線路5を通して発振回路7に接続される。また誘電体基板2の側面には接地電極8が形成され、アンテナ電極3に通電接続されるとともに接地導体と接続される。
誘電体基板2の広い対向する2面の一方の面には、帯状のスパイラル形状のアンテナ電極3を銀、金、銅、あるいはニッケルなどの導電体を印刷することにより形成する。帯状のスパイラル形状のアンテナ電極3は複数本間隔をおいて形成され、給電用電極4に近い一端から実効波長をλgとしてλg/16≦L≦λg/4で規定される長さLまでを1本のまとまった電極として形成される。図2aに示す形態では3本の帯状のスパイラル形状のアンテナ電極3a,3b,3cが、給電用電極4に近い一端から長さL=λg/5までを1本のまとまった電極3dとして、アンテナ電極3を形成している。
また、前記誘電体基板2の広い対向する2面の他面には給電用電極4をアンテナ電極3と同様に、銀、金、銅、あるいはニッケルなどの導電体を印刷することにより形成する。給電用電極4は給電線路5を通して発振回路7に接続されて給電され、電磁界結合によりアンテナ電極3に電力を供給する。給電用電極4は、アンテナ電極3/誘電体基板2/給電用電極4のように3層のサンドイッチ構造となり、図2bに示されるコンデンサC1として動作する。給電用電極4の面積を調整する、もしくはアンテナ電極3と給電用電極4の距離を調整することによりコンデンサC1の容量値を任意に設定できる。
さらに誘電体基板2の側面には接地電極8をアンテナ電極3と同様に、銀、金、銅、あるいはニッケルなどの導電体を印刷することにより形成する。接地電極8はアンテナ電極3と導通接続されるとともに接地導体に接続され、図2bに示されるインダクタL1として動作する。接地電極8の位置および幅を調整することにより、インダクタL1の値を任意に設定できる。誘電用電極4と接地電極8により、図2bに示す整合回路を形成し、誘電用電極4と接地電極8の調整により、アンテナのインピーダンス整合を取ることができる。
複数本の前記アンテナ電極3は対向する給電用電極4から電磁界結合にて電力を供給されることで、各々独立して共振する。図1に示す形態では3本のアンテナ電極3a,3b,3cに対し、3つの共振が起こる。各々の共振は独立しているため、各々の共振周波数は波長に依存したアンテナ電極の長さを調整することで変更可能である。例えば共振周波数が所望の周波数より低い場合は、アンテナ電極長を短くして、共振周波数を高くする。共振周波数が所望の周波数より高い場合は、アンテナ電極長を伸ばして、共振周波数を低くする。このように、それぞれ共振を調整することで、図1eに示すような広帯域な特性が得られる。
またアンテナ電極3は給電用電極4に近い一端から実効波長をλgとしてλg/16≦L≦λg/4で規定される長さLまでを1本のまとまった電極とした構成にすることで、複数本の単体のアンテナ電極と比較して給電部のアンテナ電極の線幅は太くなり、線路の抵抗が下がることで放射効率は向上し、アンテナの利得が高くなる。図1に示す形態では3本のアンテナ電極3a,3b,3cの線幅は細いため線路抵抗は高いが、3本のアンテナ電極が一本にまとまった3dでは線幅が太いため、線路抵抗が低くなる。長さLは実効波長をλgとしてL<λg/16であれば放射効率は向上せず、L>λg/4であれば複共振が得られないため、λg/16≦L≦λg/4とする必要がある。
本発明の誘電体アンテナのアンテナ電極3は、誘電体基板2の広い対向する2面の一方の面に複数本形成されていれば、矩形、円形、三角形、多角形など各種形状で同様の効果が得られる。
図3aに示す、縦10mm×横10mm×厚さ1mmの誘電率200の誘電体(チタン酸バリウム)基板2の表面に、帯状の矩形のスパイラル状のアンテナ電極3(3a、3b、3d)を銀電極印刷にて形成した。スパイラル状のアンテナ電極3a、3bが合流して一本にまとまったアンテナ電極3dの長さは所望の電波の実効波長をλgとして約λg/5とした。次いで誘電体基板2の裏面にアンテナ電極3に対向して給電用電極4および整合用電極6を銀電極印刷にて形成した。給電用電極4の一端を縦20mm×横20mm×厚さ0.8mmのプリント基板上に形成された給電線路5に、整合用電極6を接地導体にそれぞれハンダ接続にて実装した。給電線路5は発振回路7に接続され、発振回路7からの電力は給電線路5から給電用電極4を介し、アンテナ電極3へ電磁界結合にて給電した。
このアンテナを高周波ネットワークアナライザにて測定したVSWR特性を図3bに、図3cにスミスチャート、図3dにZX面の放射パターンを示す。この測定結果より、本実施例のアンテナは2本のアンテナ電極3a、3bを有するため、VSWR特性より共振周波数312.3MHz及び共振周波数323.5MHzの2共振となり、その効果によりVSWR=2にて周波数帯域が約20MHzと広帯域で、良好な特性が確保できた。またスミスチャートよりインピーダンスは51Ωで発振回路の50Ωに近く、整合が取れている。また放射パターンはほぼ無指向性であり、利得は−15dBiと良好な特性が確保できた。
本実施例では、Lが約λg/5の場合を示したが、λg/16以上でλg/4以下の範囲であれば、広帯域で無指向性で小型で高利得の本発明の誘電体アンテナを得ることができる。
図4aに示す、縦15mm×横15mm×厚さ2mmの誘電率130の誘電体(チタン酸バリウム)基板2の表面に、帯状の矩形のスパイラル状のアンテナ電極3(3a、3b、3d)を銀電極印刷にて形成した。スパイラル状のアンテナ電極3a、3bが合流して一本にまとまったアンテナ電極3dの長さは所望の電波の実効波長をλgとして約λg/6とした。次いで誘電体基板2の裏面にアンテナ電極3に対向して給電用電極4を銀電極印刷にて形成し、さらに誘電体基板2の側面にアンテナ電極3と導通接続した接地導体8を銀電極印刷にて形成した。給電用電極4の一端を縦30mm×横30mm×厚さ1.6mmのプリント基板上に形成された給電線路5に、接地電極8を接地導体にそれぞれハンダ接続にて実装した。給電線路5は発振回路7に接続され、発振回路7からの電力は給電線路5から給電用電極4を介し、アンテナ電極3へ電磁界結合にて給電した。
このアンテナを高周波ネットワークアナライザにて測定したVSWR特性を図4bに、図4cにスミスチャート、図4dにZX面の放射パターンを示す。この測定結果より、本実施例のアンテナは2本のアンテナ電極3a、3bを有するため、VSWR特性より共振周波数443.5MHz及び共振周波数454.1MHzの2共振となり、その効果によりVSWR=2にて周波数帯域が約16MHzと広帯域で、良好な特性が確保できた。またスミスチャートよりインピーダンスは51Ωで発振回路の50Ωに近く、整合が取れている。また放射パターンはほぼ無指向性であり、利得は−15dBiと良好な特性が確保できた。
本実施例では、Lが約λg/6の場合を示したが、λg/16以上でλg/4以下の範囲であれば、広帯域で無指向性で小型で高利得の本発明の誘電体アンテナを得ることができる。
図5の(a)に示す、縦10mm×横10mm×厚さ1mmの誘電率200の誘電体(チタン酸バリウム)基板2の表面に、帯状のスパイラル状のアンテナ電極3(3a、3b、3d)を銀電極印刷にて形成し、次いで誘電体基板2の裏面にアンテナ電極3に対向して給電用電極4および整合用電極6を銀電極印刷にて形成した。スパイラル状のアンテナ電極3a、3bが合流して一本にまとまったアンテナ電極3dの長さは所望の電波の実効波長をλgとして約2λg/9とした。給電用電極4の一端を縦20mm×横20mm×厚さ0.8mmのプリント基板上に形成された給電線路5に、整合用電極6を接地導体にそれぞれハンダ接続にて実装した。給電線路5は発振回路7に接続され、発振回路7からの電力は給電線路5から給電用電極4を介し、アンテナ電極3へ電磁界結合にて給電した。
このアンテナを高周波ネットワークアナライザにて測定したVSWR特性を図6aに示す。この測定結果より、本実施例図5の(a)のアンテナは2本のアンテナ電極3を有するため、VSWR特性より共振周波数315MHz及び共振周波数341MHzの2共振である。2共振の周波数間隔が離れているため、所望の周波数315MHzを含む周波数帯域はVSWR=2にて約8MHzの帯域である。
所望の周波数315MHzを含む周波数帯域をより広帯域化するため、所望の周波数よりも高い周波数341MHzの共振を所望の周波数に近づける。そこで、図5の(b)に示すアンテナ電極3bの長さDを、図5の(c)のように長く設定する。図5の(b)と比較して、Dを長く設定した(図5の(c))ことにより所望の周波数よりも高い周波数341MHzの共振は、共振周波数が低くなり、2共振の周波数間隔が近づく。
このアンテナを高周波ネットワークアナライザにて測定したVSWR特性を図5bに示す。この測定結果より、本実施例図5bのアンテナは、VSWR特性より共振周波数317.4MHz及び共振周波数326.5MHzの2共振となり、所望の周波数315MHzを含む周波数帯域はVSWR=2にて約17MHzと、良好な特性が確保できた。
本実施例では、Lが約2λg/9の場合を示したが、λg/16以上でλg/4以下の
範囲であれば、広帯域で無指向性で小型で高利得の本発明の誘電体アンテナを得ることができる。
以上の実施例では、矩形のスパイラル状アンテナ電極を示したが、円形、三角形、多角形など各種形状のスパイラル状アンテナ電極でも同様の結果となった。
また、前記実施例では誘電体基板として、チタン酸バリウムを用いた場合を示したが、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、希土類酸化物などの高誘電率の材料を用いても同様の結果となった。
[比較例1]
図7aに示す、縦10mm×横10mm×厚さ2mmの誘電率200の誘電体(チタン酸バリウム)基板2の表面に、帯状の矩形のスパイラル状のアンテナ電極3を銀電極印刷にて1本形成し、次いで誘電体基板2の裏面にアンテナ電極3に対向して給電用電極4を銀電極印刷にて形成し、さらに誘電体基板2の側面にアンテナ電極3と導通接続した接地導体8を銀電極印刷にて形成した。給電用電極4の一端を縦20mm×横20mm×厚さ0.8mmのプリント基板上に形成された給電線路5に、接地電極8を接地導体にそれぞれハンダ接続にて実装した。給電線路5は発振回路7に接続され、発振回路7からの電力は給電線路5から給電用電極4を介し、アンテナ電極3へ電磁界結合にて給電した。
このアンテナを高周波ネットワークアナライザにて測定したVSWR特性を図7bに、図7cにスミスチャートを示す。この測定結果より、本実施例のアンテナは、VSWR特性よりVSWR=2にて周波数帯域が2MHzとなった。またスミスチャートよりインピーダンスは51Ωで発振回路の50Ωに近く、整合が取れている。
しかし、本比較例のアンテナは、アンテナ電極が1本であることから、本発明の実施例1と比較して帯域が18MHz程度狭く、狭帯域である。そこで、本発明のように、少なくとも2本の平行なスパイラル状のアンテナにしなければ、広帯域で無指向性で高利得のアンテナを得ることができないことがわかる。
[比較例2]
図8aに示す、縦10mm×横10mm×厚さ2mmの誘電率200の誘電体(チタン酸バリウム)基板2の表面に、帯状のスパイラル状のアンテナ電極3(3a、3b、3d)を銀電極印刷にて形成し、次いで誘電体基板2の裏面にアンテナ電極3に対向して給電用電極4を銀電極印刷にて形成した。スパイラル状のアンテナ電極3a、3bが合流して一本にまとまったアンテナ電極3dの長さは所望の電波の実効波長をλgとして約λg/5とした。給電用電極4の一端を縦20mm×横20mm×厚さ0.8mmのプリント基板上に形成された給電線路5にハンダ接続にて実装した。給電線路5は発振回路7に接続され、発振回路7からの電力は給電線路5から給電用電極4を介し、アンテナ電極3へ電磁界結合にて給電した。
このアンテナを高周波ネットワークアナライザにて測定したVSWR特性を図8bに、図8cにスミスチャートを示す。この測定結果より、本比較例の図8aのアンテナは、VSWR特性より所望の共振周波数315MHzにてVSWR=2.5以上であり、スミスチャートよりインピーダンスは41Ωで発振回路の50Ωと不整合である。
これにより本比較例のアンテナは、整合用電極6もしくは接地電極8がなく、アンテナに整合回路が設けられていないため、インピーダンスが41Ωで発振回路と不整合となり、良好な特性を確保できない。
[比較例3]
図9aに示す、縦10mm×横10mm×厚さ1mmの誘電率200の誘電体(チタン酸バリウム)基板2の表面に、帯状のスパイラル状のアンテナ電極3(3a、3b、3d)を銀電極印刷にて形成し、次いで誘電体基板2の裏面にアンテナ電極3に対向して給電用電極4および整合用電極6を銀電極印刷にて形成した。スパイラル状のアンテナ電極3a、3bが合流して一本にまとまったアンテナ電極3dの長さは所望の電波の実効波長をλgとして約2λg/7とした。給電用電極4の一端を縦20mm×横20mm×厚さ0.8mmのプリント基板上に形成された給電線路5に、整合用電極6を接地導体にそれぞれハンダ接続にて実装した。給電線路5は発振回路7に接続され、発振回路7からの電力は給電線路5から給電用電極4を介し、アンテナ電極3へ電磁界結合にて給電した。
このアンテナを高周波ネットワークアナライザにて測定したVSWR特性を図9cに示す。この測定結果より、本比較例図9aのアンテナは、VSWR特性より共振周波数335MHzの1共振のみとなり、VSWR=2にて周波数帯域が約2MHzと狭帯域となった。そのため、アンテナ電極3dの長さとしては、0.4λ以下とする必要があることがわかった。
これにより本比較例のアンテナは、複数本のアンテナ電極の一部を一本の電極にまとめる際、給電部に近い一端から長さLをλg/4よりも大きな位置まで一本の電極にまとめてしまったため、アンテナ電極の本数分の共振が得られず狭帯域となり、良好な特性を確保できなかった。
[比較例4]
図10aに示す、縦10mm×横10mm×厚さ1mmの誘電率200の誘電体(チタン酸バリウム)基板2の表面に、帯状のスパイラル状のアンテナ電極3(3a、3b、3d)を銀電極印刷にて形成し、次いで誘電体基板2の裏面にアンテナ電極3に対向して給電用電極4および整合用電極6を銀電極印刷にて形成した。スパイラル状のアンテナ電極3a、3bが合流して一本にまとまったアンテナ電極3dの長さは実効波長をλgとして約λg/17とした。給電用電極4の一端を縦20mm×横20mm×厚さ0.8mmのプリント基板上に形成された給電線路5に、整合用電極6を接地導体にそれぞれハンダ接続にて実装した。給電線路5は発振回路7に接続され、発振回路7からの電力は給電線路5から給電用電極4を介し、アンテナ電極3へ電磁界結合にて給電した。
このアンテナを高周波ネットワークアナライザにて測定したVSWR特性を図10bに、図10cにスミスチャートを、図10dにZX面の放射パターンを示す。この測定結果より、本比較例のアンテナは2本のアンテナ電極3を有するため、VSWR特性より共振周波数315.3MHz及び共振周波数328.1MHzの2共振となり、その効果によりVSWR=2にて周波数帯域が約20MHzと、良好な特性が確保できた。またスミスチャートよりインピーダンスは51Ωで発振回路の50Ωに近く、整合が取れている。
しかし、本比較例のアンテナは、複数本のアンテナ電極の一部を一本の電極にまとめる際、給電部に近い一端から長さLをλg/16よりも小さな位置で一本の電極にまとめてしまったため、線路の抵抗が下がらず、放射効率は上がらない。そのためLの長さとしては、λg/16以上必要であることがわかる。アンテナ利得は−23dBiと低く、良好な特性を確保できなかった。
本発明の誘電体アンテナの一例を示す斜視図である。 表面のスパイラル形状のアンテナ電極を示す平面図である。 裏面の給電用電極を示す平面図である。 等価回路を示す図である。 VSWR特性を示す平面図である。 本発明の誘電体アンテナの一例を示す斜視図である。 等価回路を示す図である。 実施例1の誘電体アンテナを示す斜視図である。 VSWR特性を示すグラフである。 同スミスチャートを示す図である。 ZX面の放射パターンを示す図である。 実施例2の誘電体アンテナを示す斜視図である。 VSWR特性を示すグラフである。 同スミスチャートを示す図である。 ZX面の放射パターンを示す図である。 (a)は実施例3の誘電体アンテナを示す斜視図、(b)は表面のスパイラル形状のアンテナ電極を示す平面図、(c)は表面のスパイラル形状のアンテナ電極をD伸ばした状態を示す平面図である。 実施例3の誘電体アンテナのVSWR特性を示すグラフであり、アンテナ電極長さ変更前を示すグラフである。 アンテナ電極長さ変更後を示すグラフである。 比較例1の誘電体アンテナを示す斜視図である。 VSWR特性を示すグラフである。 同スミスチャートを示す図である。 比較例2の誘電体アンテナを示す斜視図である。 VSWR特性を示すグラフである。 同スミスチャートを示す図である。 比較例3の誘電体アンテナを示す斜視図である。 表面の複数本のスパイラル形状のアンテナ電極の一部を長さLでまとめて一本の電極とした状態を示す平面図である。 VSWR特性を示すグラフである。 比較例4の誘電体アンテナを示す斜視図である。 VSWR特性を示すグラフである。 同スミスチャートを示す図である。 ZX面の放射パターンを示す図である。
符号の説明
1:誘電体アンテナ
2:誘電体基板
3:アンテナ電極
4:給電用電極
5:給電線路
6:整合用電極
7:発振回路
8:接地電極

Claims (4)

  1. 平行平板状の誘電体基板の対向する2広面の一方の面に帯状の複数本のスパイラル形状のアンテナ電極を形成し、他方の面にアンテナ電極に対向して電磁界結合される給電用電極と整合用電極が形成されるとともに、前記アンテナ電極の給電用電極に近い一端から実効波長をλgとしてλg/16≦L≦λg/4で規定される長さLまでが合流して一本のまとまった電極になったことを特徴とする誘電体アンテナ。
  2. 平行平板状の誘電体基板の対向する2広面の一方の面に帯状の複数本のスパイラル形状のアンテナ電極を形成し、他方の面にアンテナ電極に対向して電磁界結合される給電用電極が形成され、前記誘電体基板の側面にアンテナ電極に導通接続された接地電極が形成されるとともに、前記アンテナ電極の給電用電極に近い一端から実効波長をλgとしてλg/16≦L≦λg/4で規定される長さLまでが合流して一本のまとまった電極になったことを特徴とする誘電体アンテナ。
  3. 前記誘電体基板の対向する2広面の一方の面に帯状で平行な2本のスパイラル形状のアンテナ電極が形成された請求項1又は2に記載の誘電体アンテナ。
  4. 前記スパイラル形状のアンテナ電極が矩形、曲線、円形、三角形又は多角形であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の誘電体アンテナ。
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