JP4336208B2 - コークス炉用石炭の破砕方法 - Google Patents

コークス炉用石炭の破砕方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4336208B2
JP4336208B2 JP2004006444A JP2004006444A JP4336208B2 JP 4336208 B2 JP4336208 B2 JP 4336208B2 JP 2004006444 A JP2004006444 A JP 2004006444A JP 2004006444 A JP2004006444 A JP 2004006444A JP 4336208 B2 JP4336208 B2 JP 4336208B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coal
hammer
crushing
hgi
peripheral speed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004006444A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004277709A (ja
Inventor
良典 高橋
正美 小倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2004006444A priority Critical patent/JP4336208B2/ja
Publication of JP2004277709A publication Critical patent/JP2004277709A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4336208B2 publication Critical patent/JP4336208B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Crushing And Pulverization Processes (AREA)
  • Coke Industry (AREA)

Description

本発明は、冶金用コークスを製造するコークス用石炭を破砕する方法に関するものである。
従来、高炉操業における冶金用コークスは炉内の通気性を確保するため、高強度のものが要求されている。
この冶金用コークス(以下、単にコークスと称す)は、コークス炉の炭化室内で加熱された石炭粒子が350〜500℃で軟化溶融する成分が結合材となり、軟化溶融しない成分が骨材となって、相互に一体化して新たな結晶構造を形成することにより得られる。
このため、高強度コークスを製造する場合、石炭が軟化溶融したときに粒子間に強固な接着が生じるように、コークス炉に装入する原料石炭の装入密度を上げて、隣接する石炭粒子同士の接触状況を改善させることが行なわれている。
このコークス炉に装入する原料石炭の装入密度を向上する手段として、例えば、原料石炭の粒度構成を調整して理想粒度分布(ファーナス分布)に近づける様にする方法がある。これには、粒径の大きな石炭粒子も使用する事が好ましいが、石炭の品質にもよるが、一般的に、この大きな石炭粒子は加熱時に界面から割れを誘発してコークスの破壊強度が低下する傾向を有する。特に、品質の悪い非微粘結炭の大きな石炭粒子が残存するとコークス冷間強度DIは低下する。
このことから、粒径の大きな石炭粒子を粉砕機で破砕し、この破砕した石炭を篩分装置で篩分け、篩上の粗粒石炭は再度粉砕機で粉砕することを繰り返す閉回路粉砕により、10mm以下にする方法(例えば、特許文献1参照)が提案されている。
特開昭56−032587号公報
しかしながら、石炭を粉砕機で破砕すると細かい石炭粒子が多量に発生する。ここで特に0.3mm未満の石炭が増加すると、{1}コークス炉での乾留初期に炉内で飛散し様々な炉体損傷トラブルを惹起するカーボン成長の要因となる。{2}表面積が大きいことから容易に風化・酸化して劣化し、コークス化し難い性状となってコークス品質を悪化する要因となる等のトラブルを惹起する。このため、0.3mm未満の細粒石炭が多量に発生する場合において、篩分装置や風力分級機等で0.3mm以上とそれ未満に篩分け、篩上はそのままコークス炉に装入し、篩下の細粒石炭は加圧成型、または、バインダーを添加して造粒してコークス炉に装入する事も行われているが、設備コスト的に不利になるものであった。
また、破砕した石炭を篩分装置で篩分け、篩上の粗粒石炭は再度粉砕機で粉砕するのには実際の操業では課題がある。それは、1台当たりの篩分装置の処理能力は、篩分効率を維持するためには大きくすることは出来ず、特に石炭の場合は比重も小さいため、1台の粉砕機の処理能力に対して数台の篩分装置が必要となる。更に各篩分装置に均等に供給する装置を設置したり、防音対策を実施しなければならず設備コストが高くなる。
更に、雨天等で石炭が濡れた場合には、破砕した石炭が篩分装置の篩網に付着して目詰まりを起こし、篩作業が出来なくなり、粒度調整せずに粉砕した石炭をそのままコークス炉に装入せざる得なくなって、コークス品質が悪化すると云う問題を有する。
本発明は、破砕機で石炭を破砕する際、篩分装置を用いること無く、その破砕に起因する0.3mm未満の細粒石炭の発生を抑制して上記問題を有利に解決する方法を提供することを課題とするものである。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その手は、コークス炉用石炭を衝撃式粉砕機で破砕する方法において、破砕するコークス炉用石炭の粉砕性指数又は炭化度指数等の破砕特性が小さくなるに従って、前記衝撃式破砕機のロータの周速を速くすると共にハンマーと磨砕板の間隙を狭くし、破砕特性が大きくなるに従って、前記衝撃式破砕機のロータの周速を遅くすると共にハンマーと磨砕板の間隙を広くするように調整することにより、前記コークス炉用石炭が0.3mm未満に過粉砕されるのを抑制するコークス炉用石炭の破砕方法である。
更に、手段は、前記コークス炉用石炭の粉砕性指数又は炭化度指数等の破砕特性に基づいて少なくとも強粘結炭、粘結炭、非微粘結炭にグループ分けし、前記衝撃破砕機のロータの周速を強粘結炭<粘結炭<非微粘結炭とする前記手段1記載のコークス炉用石炭の破砕方法である。
手段は、更に、前記衝撃破砕機のハンマーと磨砕板の間隙の広さを強粘結炭>粘結炭>非微粘結炭とする前記手段記載のコークス炉用石炭の破砕方法である。
前記粉砕性指数HGI(以下単にHGIと称す)とはハードグローブ粉砕能指数であり、これは石炭の粉砕性を示す指標の1つであり、このHGIはボールレスミルの一種であるハードグローブミルを用いて一定条件のもとに石炭試料を粉砕し、破砕物中の微粉量から算出するものである(JIS M8801に記載)。HGIの数値には、ハードグローブミルの構造的な要因と破砕粒子の物理的な要因の2つが含まれていると考えられている。
また、炭化度指数としては、石炭中の揮発分VM、水素・炭素比H/C、ビトリニットの平均反射率Ro 、強度指数SIがあり、この揮発分VMは石炭をるつぼの中で空気を絶って所定の条件で急速加熱した場合に揮発したものから水分を差し引いたものを言う(JIS M8801に記載)。
水素・炭素比H/Cは、石炭中の水素と炭素の原子数比である。ビトリニットの平均反射率Roは、石炭の反射率は通常偏光を試料に当て反射光をフィルターを通して単色化(546nm)して測定するが、石炭の有機質の主要成分であるビトリニットについて多くの点を測定しその平均値で表示したものを言う(JISM8801に記載)。
強度指数SIは、石炭組織分析によるコークス冷間強度DIを推定する際に用いられる実験的にビトリニットを反射率0.10毎で区分し、加熱しても熱的に不活性なイナート量(%)により設定している強度指数(1.70〜7.85の範囲)の加重平均値を言う。
また、コークス炉で使用されている石炭の炭化度指数範囲で、相関係数を求めて検定すると、これらの揮発分VM、水素炭素比H/C、ビトリニットの平均反射率Ro 、強度指数SI等の炭化度指数とHGIの間には危険率1%の水準で相関関係が認められることから、HGIに変えて上記炭化度指数を用いても良い。
本発明によれば、コークス炉用石炭を篩分装置を使用しないで衝撃式粉砕機のみでコークス炉用石炭が0.3mm未満に破砕されるのを抑制しつつ、10mm超の粗粒が殆どない様にする事が可能となり、コークス炉に於ける種々のトラブルを防止し、設備コストを低減出来、しかも、コークス品質も向上出来等の多大な効果を奏するものである。
本発明者らは、先ず、石炭を破砕した際に、0.3mm未満の細粒石炭の発生量が少ない粉砕機について種々調査検討を行った結果、衝撃式粉砕機(例えば、インパクトクラッシャー、ハンマークラッシャー)が最も細粒の発生が少なく、かつ、破砕する粒度の調整も容易に、かつ、確実に出来ることを知見した。
更に、この衝撃式粉砕機を用いて石炭を破砕すると、石炭の銘柄別に、破砕性の良い石炭、悪い石炭があり、その破砕性の程度により、破砕後の粒度分布も大きく変化する傾向がある事が判明した。そして、ボールレスミルの一種であるハードグローブミルでの粉砕性指数が、そのまま、衝撃式粉砕機での粉砕性に適用できることを見出した。
先ず、衝撃式粉砕機の1例を図1を参照して説明する。この例では、ハンマークラッシャーで説明しているため衝撃式粉砕機の回転刃はハンマー、固定刃は磨砕板に相当する。
この衝撃式粉砕機は、上部に投入口1、下部に排出口2を設けた鋼製箱形のケーシング3と、ケーシング3内に水平に横架された可逆回転するロータ5と、該ロータ5の外周に所定間隔で下端を設け、上端に前記ロータ5が回転すると遠心力で中心に対して直線状に立ち上がり石炭を破砕可能となるハンマーヘッド4aを設けたハンマー4と、前記ロータ5に設けたハンマー4の両側方に取囲む様に位置し、矢印方向に移動可能に設け、内部(ロータ5と対向する面)を凹ませて曲成した磨砕板6と、前記ケーシング3に基部を固着し、前記磨砕板6にシリンダーロッドのヘッドを設けたシリンダー7〜10とで構成している。そして、シリンダー7〜10によりハンマーヘッド4aと磨砕板6の間隙を調整するものである。
次に、この衝撃式粉砕機を使用して、種々の石炭を粉砕した結果について説明する。
本発明者等は、この衝撃式粉砕機を用いて種々のHGIの石炭を破砕した結果、図2〜図13に示す様に破砕粒度の調整が可能な事を見出した。
尚、通常、コークス炉で使用されている石炭のHGIは30〜110の範囲のものであるが、本例では50〜100の範囲の石炭を用いた。また、前記衝撃式粉砕機におけるハンマー4の周速(ローター5の回転数)、シリンダー7〜10によりハンマー4と磨砕板6の間隙を調整して破砕した。この間隙の調整は、図1で、石炭を投入する投入口1の近傍の上部位置における間隙W1 と破砕した石炭を排出する排出口2の近傍の下部位置における間隙W2 である。
また、図2、4、6、8、10、12の等増加質量割合曲線は、表1(後記)の破砕前粒度分布を有する石炭を破砕した際、10mm以下に破砕されて増加する割合を示すものである。また、図3、5、7、9、11の等増加質量割合曲線は、前記同様の石炭が0.3mm未満に破砕されて増加する割合を示すものである。
図2、図3はハンマー4と磨砕板6の間隙(上部間隙W1 を20mm、下部間隙W2 を20mm)一定で石炭のHGIを基にハンマー4の周速(ハンマー4の回転数)を調整した場合における石炭の破砕状態を示すものである。
この図2から石炭のHGIが小さく(硬く)なるに従って、ハンマー4の周速を速くしないと10mm超の割合が多くなる事が判る。また、図3から石炭のHGIが大きく(軟らかく)なるに従って、ハンマー4の周速を遅くしないと0.3mm未満に破砕される割合が多くなる事が判る。
例えば、図2から上部間隙W1 及び下部間隙W2 が20mmの場合は、10mm篩下を100%にするには、HGIが50(硬く、品質の悪い)の石炭では、ハンマー4の周速を65m/s以上にすれば良く、また、HGIが100(軟らかく、品質の良い)の石炭では、ハンマー4の周速を18m/s以上にすれば良い事が判る。また、図3から0.3mm篩下を10%増加するには、HGIが50の石炭では、ハンマー4の周速を68m/sにすれば良く、また、HGIが100(軟らかく、品質の良い)の石炭では、ハンマー4の周速を15m/sにすれば良い事が判る。
また、図4、図5は、ハンマー4と磨砕板6の間隙(上部間隙W1 を20mm、下部間隙W2 を40mm)一定で石炭のHGIを基にハンマー4の周速(ローター5の回転数)を調整した場合に於いて、10mm以下に破砕されて増加する割合と0.3mm未満に破砕されて増加する割合を示すものである。
また、図6、7はハンマー4と磨砕板6の間隙(上部間隙W1 :100mm、下部間隙W2 :100mm)一定で石炭のHGIを基にハンマー4の周速を調整した場合における石炭の破砕状態を示すものである。
この図6から石炭のHGIが小さく(硬く)なるに従って、図2と同様にハンマー4の周速を速くしないと10mm超の残存割合が多くなる。また、図2と比較すると、ハンマー4の周速を図2の場合より早くしないと、10mm篩下量の割合が少なく、つまり、10mm以下に破砕される割合が少なくなる事が判る。
また、図7から石炭のHGIが大きく(軟らかく)なるに従って、図3と同様にハンマー4の周速を遅くしないと0.3mm未満の発生割合が多くなる事が判る。しかし、この場合も、図3と比較すると、ハンマー4の周速を図3の場合より早くしても、0.3mm篩下の発生割合は少なくなる事が判る。
例えば、図6から上部間隙W1 及び下部間隙W2 が100mmの場合は、10mm篩下を100%にするには、HGIが60の石炭では、ハンマー4の周速を80m/s以上にすれば良く、また、HGIが100の石炭では、ハンマー4の周速を43m/s以上にすれば良い事が判る。また、図7から0.3mm篩下を5%にするには、HGIが60の石炭では、ハンマー4の周速を70m/sにすれば良く、また、HGIが100の石炭では、ハンマー4の周速を40m/s以上にすれば良い事が判る。
図8、図9は、ハンマー4の周速(36m/s)、ハンマー4と磨砕板6の上部間隙W1 (20mm)一定で石炭のHGIを基に下部間隙W2 を調整した場合における石炭の破砕状態を示すものである。
図10、図11はハンマー4の周速、ハンマー4と磨砕板6の上部間隙W1 (周速:36m/s、上部間隙W1 :20mm)一定で石炭のHGIを基に下部間隙W2 を調整した場合における石炭の破砕状態を示すものである。
この図10から石炭のHGIが大きくなるに従って、下部間隙W2 を広くしないと10mm超の残存割合が多くなる事が判る。また、図11から石炭のHGIが大きくなるに従って、下部間隙W2 を広くしないと0.3mm未満に破砕される割合が多くなる事が判る。
例えば、図10からハンマー4の周速が36m/s、上部間隙W1 が20mmの場合には、HGIが75迄の石炭は10mm篩下を100%に破砕する事が出来ないことを意味し、また、HGIが100の石炭では、下部間隙W2 を140mm以下にすれば10mm篩下を100%にする事が出来るのが判る。また、図11から0.3mm篩下を5%にするには、HGIが60の石炭では、下部間隙W2 を45mmにすれば良く、また、HGIが80の石炭では、下部間隙W2 を75mmにすれば良い事が判る。
図12、図13はハンマー4の周速(36m/s)、ハンマー4と磨砕板6の下部間隙W2 (40mm)一定で石炭のHGIを基に上部間隙W1 を調整した場合における石炭の破砕状態を示すものである。
この図12、図13ともに前記図10、図11と同等の破砕状態となる。つまり、ハンマー4と磨砕板6の間隙は上部間隙W1 を調整しても下部間隙W2 を調整しても同等の破砕状態となる事が判る。
以上説明した様に、HGIが小さい(硬い)石炭(非微粘結炭)ほど割れ難く、割れたとしても細粒(0.3mm未満)になり難いために、ハンマー4の周速を早くし、ハンマー4と磨砕板6の間隙を狭くする事により、石炭が投入口1から投入されて排出口2から排出されるまでの間にハンマー4に当る回数を多くし、かつ、該石炭がハンマー4に当たった際に於ける衝撃力を大きくして10mm以下になるように破砕するものである。
一方、HGIが大きい(軟らかい)石炭(粘結炭)ほど割れ易く、そして、割れると細粒(0.3mm未満)を発生し易いために、ハンマー4の周速を遅くし、ハンマー4と磨砕板6の間隙を広くする事により、石炭が投入口1から投入されて排出口2から排出されるまでの間にハンマー4に当る回数を少なくし、かつ、該石炭がハンマー4に当たった際に於ける衝撃力を小さくして細粒の発生を抑制しつつ破砕するものである。
また、前記の様に石炭銘柄別のHGI (又は炭化度指数)により、ハンマー4の周速、ハンマー4と磨砕板6の間隙を調整する様にしてもよいが、破砕する石炭のHGI(銘柄)別にクラシャーを設けない場合には、破砕する石炭のHGIが変わる都度、ハンマー4の周速、ハンマー4と磨砕板6の間隙を調整をしなければならず、作業性が悪い事から、 このHGI (又は炭化度指数)に応じて、3〜4のグループ、例えば、強粘結炭、粘結炭、非微粘結炭等にグループに分け、このグループ別にハンマー4の周速、ハンマー4と磨砕板6の間隙を調整する様にする事が、作業性が良く、また、複数の石炭を混合した状態で破砕することが可能となり好ましい。
石炭を上記の様に、強粘結炭、粘結炭、非微粘結炭の3グループに分ける場合には、炭化度指数等の代表例として強度指数SIを使用して、SIは回帰式SI=0.06×HGI−0.376(寄与率R2=0.69)より算出した。
例えば、前記HGIが85以上(炭化度指数:4.8以上)を強粘結炭とし、65未満(炭化度指数:3.5以下)を非微粘結炭とし、その中間を粘結炭とする。そして、各グループ内の各種銘柄石炭のHGIを荷重平均し、その荷重平均値に基づいてハンマー4の周速、ハンマー4と磨砕板6の間隙を決定する事が好ましい。
以下、本発明の実施例と従来例を表1を参照して説明する。
本例で用いたハンマークラシャーは、図1に示す構造で、破砕処理能力が500t/hで、破砕可能なハンマーの下限周速は36m/sである。そして、石炭嵩密度は、このハンマークラシャーで石炭を破砕し、その破砕した石炭をコークス炉に装入した際に於ける嵩密度であり、コークス冷間強度は、前記コークス炉に装入した石炭を乾留してコークスとしたものを冷間でJIS M8801で測定した強度である。また、前記の様に各種銘柄の石炭はHGIにより強粘結炭A、粘結炭B、非微粘結炭Cの3グループに分け、それぞれを30重量%、30重量%、40重量%配合してコークス炉の装入炭とした。
尚、前記強粘結炭A、粘結炭B、非微粘結炭Cは、前記の様にグループとして表示したものであり、石炭銘柄としては多数の種類を用いている。強粘結炭AはHGIが85以上の石炭であって、その平均のHGIが100であり、また、粘結炭BはHGIが65〜85未満の石炭であって、その平均のHGIが73であり、非微粘結炭CはHGIが65未満の石炭であって、その平均のHGIが55である。また、炭化度指数等の代表例として強度指数SIも各石炭の平均値である。尚、この強度指数SIは回帰式SI=0.06×HGI−0.376(寄与率R2=0.69)より算出した。
Figure 0004336208
表1中の従来例は、強粘結炭A、粘結炭B、非微粘結炭Cを同一の条件、つまり、ハンマーの周速55m/s、上部間隙W1 20mm、下部間隙W2 40mmで破砕したものである。この結果、破砕前に比較して、強粘結炭A、粘結炭Bにおいては10mm超は無くなったが、0.3mm未満は増加した。更に、非微粘結炭Cは10mm超が4.7%残存した。このため、0.3mm未満、及び非微粘結炭の10mm超が多いため石炭の嵩密度が低く、コークス冷間強度の悪いものであった。
これに対して、本発明例は、強粘結炭A、粘結炭B、非微粘結炭CのHGIに対応してハンマーの周速、上部間隙W1 、下部間隙W2 を表1のように調整して破砕した。この結果、品質の良い強粘結炭Aでは10mm超が残存することになるが非微粘結炭Cでは10mm超は無くなり、更に、0.3mm未満も従来例に比して大幅に低下し、石炭の嵩密度が高くなり、冷間強度の良好なコークスを得る事が出来た。
前記強粘結炭A、粘結炭B、非微粘結炭CのHGIに対応したハンマーの周速、上部間隙W1 、下部間隙W2 の調整について以下に詳細に説明する。
先ず、強粘結炭Aであるが、これは軟らかく、品質の良好な石炭であり、10mm超が若干残留してもコークス冷間強度DIの低下を惹起する事はないため、0.3mm未満の発生量を少なくする弱粉砕を指向した。
このため、図2から投入された10mm以上の石炭を破砕してその全部を10m以下(10mm篩下100%)にするには、ハンマーの周速を16m/s以上にすれば良い(図2のマル1)が、本破砕機のハンマーの下限周速は36m/sであることから、ハンマーの周速を36m/sとした。そして、上部間隙W1 が20mm、下部間隙W2 が20mmであると、図3から判る様に0.3mm未満が20%と多く発生する(図3のマル2)ことから、下部間隙W2 を200mmに拡げて0.3mm未満の発生量の低減を図った。
つまり、図11に示す様に下部間隙W2 を200mmに拡げると0.3mm未満の発生量は3.0%に低下する(図11のマル3)。更に、この際における投入された10mm超の石炭は図10から10mm以下に破砕される石炭が+7%となる(図10のマル3)。このため、ハンマー4の周速を36m/s、上部間隙W1 が20mm、下部間隙W2 を200mmにして破砕した結果、破砕後の強粘結炭Aにおける10mm超の粒度のものは1.1%((10.6%−7.0%)×0.3)、0.3mm未満は7.0%((20.6%+2.7%)×0.3)となった。
次に、粘結炭Bは10mm超、0.3mm未満のいずれの発生量も少なくなる破砕を指向した。これは図4から判る様に、上部間隙W1 が20mm、下部間隙W2 が40mmの状態でハンマーの周速を48m/s以上にすると10mm超が全く残る事なく破砕される(図4のマル4)。そして、図5から0.3mm未満の発生量は10.0%となる(図5のマル4)。このため、ハンマーの周速を48m/s、上部間隙W1 が20mm、下部間隙W2 が40mmとして破砕した結果、破砕後の粘結炭Bにおける10mm超のものは0%、0.3mm未満は8.5%((18.3%+10.0%)×0.3)となった。
更に、非微粘結炭Cは上記粘結炭Bと同様に10mm超、0.3mm未満のいずれの発生量も少なくなる強粉砕を指向した。これは図2から判る様に上部間隙W1 が20mm、下部間隙W2 が20mmでハンマーの周速を65m/s以上にすると10mm超が全く残る事なく破砕される(図2のマル5)。そして、図3から0.3mm未満の発生量は10.8%となる(図3のマル5)。このため、ハンマーの周速を65m/s、上部間隙W1 が20mm、下部間隙W2 が20mmとして破砕した結果、破砕後の粘結炭Cにおける10mm超の粒度のものは0%、0.3mm未満は6.8%((6.3%+10.8)×0.4)となった。
この本発明例ではコークス炉に装入する石炭全体としては、10mm超が1.3重量%で、0.3mm未満が22.3重量%となり、石炭嵩密度が0.802t/m3 、コークス冷間強度DIが87.4と良好になった。
本発明に係わる衝撃式粉砕機の一例を示す縦断面正面図 本発明に係わるハンマーの周速と石炭のHGIの関係を示す等増加割合曲線図 本発明に係わるハンマーの周速と石炭のHGIの関係を示す等増加割合曲線図 本発明に係わるハンマーの周速と石炭のHGIの関係を示す等増加割合曲線図 本発明に係わるハンマーの周速と石炭のHGIの関係を示す等増加割合曲線図 本発明に係わるハンマーの周速と石炭のHGIの関係を示す等増加割合曲線図 本発明に係わるハンマーの周速と石炭のHGIの関係を示す等増加割合曲線図 本発明に係わるハンマーの周速と下部間隔の関係を示す等増加割合曲線図 本発明に係わるハンマーの周速と下部間隔の関係を示す等増加割合曲線図 本発明に係わるハンマーの周速と下部間隔の関係を示す等増加割合曲線図 本発明に係わるハンマーの周速と下部間隔の関係を示す等増加割合曲線図 本発明に係わるハンマーの周速と上部間隔の関係を示す等増加割合曲線図 本発明に係わるハンマーの周速と上部間隔の関係を示す等増加割合曲線図
符号の説明
1 投入口
2 排出口
3 ケーシング
4 ハンマー
4a ハンマーヘッド
5 ロータ
6 磨砕板
7〜10 シリンダー
1 上部間隙
2 下部間隙

Claims (3)

  1. コークス炉用石炭を衝撃式粉砕機で破砕する方法において、破砕するコークス炉用石炭の粉砕性指数又は炭化度指数等の破砕特性が小さくなるに従って、前記衝撃式破砕機のロータの周速を速くすると共にハンマーと磨砕板の間隙を狭くし、破砕特性が大きくなるに従って、前記衝撃式破砕機のロータの周速を遅くすると共にハンマーと磨砕板の間隙を広くするように調整することにより、前記コークス炉用石炭が0.3mm未満に過粉砕されるのを抑制することを特徴とするコークス炉用石炭の破砕方法。
  2. 前記コークス炉用石炭の粉砕性指数又は炭化度指数等の破砕特性に基づいて少なくとも強粘結炭、粘結炭、非微粘結炭にグループ分けし、前記衝撃破砕機のロータの周速を強粘結炭<粘結炭<非微粘結炭とすることを特徴とする請求項1記載のコークス炉用石炭の破砕方法。
  3. 更に、前記衝撃破砕機のハンマーと磨砕板の間隙の広さを強粘結炭>粘結炭>非微粘結炭とすることを特徴とする請求項記載のコークス炉用石炭の破砕方法。
JP2004006444A 2003-02-28 2004-01-14 コークス炉用石炭の破砕方法 Expired - Fee Related JP4336208B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004006444A JP4336208B2 (ja) 2003-02-28 2004-01-14 コークス炉用石炭の破砕方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003052118 2003-02-28
JP2004006444A JP4336208B2 (ja) 2003-02-28 2004-01-14 コークス炉用石炭の破砕方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004277709A JP2004277709A (ja) 2004-10-07
JP4336208B2 true JP4336208B2 (ja) 2009-09-30

Family

ID=33301837

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004006444A Expired - Fee Related JP4336208B2 (ja) 2003-02-28 2004-01-14 コークス炉用石炭の破砕方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4336208B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103111351A (zh) * 2011-11-16 2013-05-22 卢小平 物料粉碎设备的刀具调节机构

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007134367A1 (en) * 2006-05-18 2007-11-29 The University Of Queensland Apparatus for determining breakage properties of particulate material
JP5087911B2 (ja) * 2006-11-22 2012-12-05 Jfeスチール株式会社 コークスの製造方法
KR100931355B1 (ko) 2007-12-28 2009-12-11 주식회사 포스코 석탄 파쇄 방법
JP5151490B2 (ja) * 2008-01-10 2013-02-27 新日鐵住金株式会社 コークスの製造方法
JP5845979B2 (ja) * 2012-03-07 2016-01-20 Jfeスチール株式会社 コークス炉装入用石炭の製造方法
CN102615287A (zh) * 2012-03-27 2012-08-01 天津市新潮铸钢磨料厂 一种利用淬火破碎法生产符合pspc要求的钢丝丸的方法
KR20170098688A (ko) * 2016-02-22 2017-08-30 정인관 해난 유실 공해 원유의 수거 방재재 o.f.p
JP6867225B2 (ja) * 2017-04-28 2021-04-28 株式会社アーステクニカ 衝撃式破砕機
JP7103009B2 (ja) * 2018-07-19 2022-07-20 日本製鉄株式会社 ビトリニット反射率Roの推定方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103111351A (zh) * 2011-11-16 2013-05-22 卢小平 物料粉碎设备的刀具调节机构

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004277709A (ja) 2004-10-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4336208B2 (ja) コークス炉用石炭の破砕方法
RU2612477C2 (ru) Способ производства металлического железа
JP2006111523A (ja) 再生骨材の製造方法
CN103108699B (zh) 立式轧辊
JP4058019B2 (ja) 高強度コークスの製造方法
JP4054278B2 (ja) 高強度コークスの製造方法
JP2008133383A (ja) 高強度コークスの製造方法
JP4788167B2 (ja) 冶金用コークスの製造方法
JP5686052B2 (ja) コークスの製造方法
JP3580203B2 (ja) コークス炉装入用石炭の調整方法
CN109414704A (zh) 煤灰的制造方法和煤灰、水泥组合物
JP4617814B2 (ja) コークスの製造方法
JP2003129065A (ja) コークス炉装入用石炭の粒度調整方法
JP5151490B2 (ja) コークスの製造方法
JP4899390B2 (ja) コークスの製造方法
KR101579350B1 (ko) 흑연재의 제조 방법 및 탄소계 원료의 분쇄 장치
JP5434214B2 (ja) コークスの製造方法
JP5087911B2 (ja) コークスの製造方法
JP4857603B2 (ja) コークスの製造方法
JP2006307010A (ja) コークスの製造方法
JP3637838B2 (ja) 冶金用コークス製造過程における石炭の粉砕方法及び冶金用コークスの製造方法
JPH11181441A (ja) 冶金用コークスの製造方法
JP6115509B2 (ja) コークスの製造方法
JP4625253B2 (ja) 高炉用コークスの製造方法
JP3639075B2 (ja) 冶金用コークス破壊粉の制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060906

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20061006

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061010

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081211

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081216

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090209

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090310

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090511

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20090520

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090616

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090626

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120703

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4336208

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120703

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130703

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130703

Year of fee payment: 4

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130703

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130703

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees