JP4336194B2 - 回路遮断器収納箱のインターロック装置 - Google Patents

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Description

この発明は、回路遮断器を収納する箱、特に引出形の回路遮断器を収納する扉付の収納箱のインターロック装置に関する。
引出型回路遮断器は、引出枠と、引出枠内を移動する遮断器本体と、遮断器本体を移動させる引出操作装置と、引出枠と遮断器本体に対として設けられる主回路端子及び制御回路端子を有する。この遮断器本体は、引出枠内において、双方の主回路端子及び制御回路端子が接触した接続位置、接続位置から引き出されて制御回路端子だけが接触した試験位置、及び、さらに引き出されて主回路端子及び制御回路端子がともに開離した断路位置の間を移動することができる。
上記のような引出型回路遮断器は扉付の収納箱に収納されて設置されることがあり、扉が開かれているときの感電などに対する安全性を考慮してインターロック装置が設けられることが多い。従来の回路遮断器の収納箱のインターロック装置の例が、特許文献1に示されている。この従来のインターロック装置は、遮断器本体を引出枠内において引出及び挿入方向に移動させる引出操作装置と、この引出操作装置の操作を不可能にするシャッタと、回転自在の軸と、この軸と共に回転するレバーと、シャッタとこのレバーを連結するリンクと、シャッタを閉じる方向に前記軸を回転付勢するばねと、動作軸とを遮断器本体に備え、遮断器本体が引出方向に移動したとき前記動作軸と係合して回転する枠側ロックレバーを引出枠に備え、扉が閉じられているとき前記軸をシャッタを開けた状態に保持する保持部材と、扉が開かないように枠側ロックレバーと共にロック機構を構成する扉側ロック手段とを扉に備え、枠側ロックレバーは、ロック機構がロック作用する方向に回転付勢されるとともに、遮断器本体が断路位置に移動することに応じて前記回転付勢方向とは逆方向に回転し、前記ロック作用が解除されるようにしたものである。
このような構成の従来のインターロック装置は、遮断器本体が断路位置以外の位置にあるときは扉を開くことができず、さらに扉が開いた状態では遮断器本体を挿入できないため遮断器本体が充電状態になることを防止する機能を有していた。
特開平9−320408号公報
上述した特許文献1の実施例に記載のインターロック装置のシャッタは、引出操作ハンドルの装着孔を覆うことによって引出操作を不可能にする構造のものであり、遮断器本体が断路位置に移動してハンドルを取り外すことによって自動的にシャッタが閉じ、扉が開いた状態ではシャッタを開けることができないようになっていた。しかし、引出操作ハンドルを取り外すことなく収納箱の扉を開くという操作を行ったときは、引出操作ハンドルの形状と扉の形状によっては扉を開くことが可能であるという問題があった。
一方、引出型回路遮断器には、開閉接触子が接触している状態で遮断器本体を移動操作させたとき、引出枠と遮断器本体の端子間でアークが発生するという危険性がある。このため、このような移動操作を阻止するための開閉インターロック装置と呼ばれる装置が設けられるのが一般的である。特許文献1の実施例に記載されている回路遮断器は、段落番号(0012)に記載のごとく、開閉インターロック装置用として収納箱のインターロック装置用とは別のシャッタを必要としていた。
したがって、本願発明の目的は、遮断器本体が断路位置になければ扉を開閉することができず、シャッタが閉じた状態でなければ扉を開けることができず、扉が開いた状態ではシャッタを開けることができない安全性に優れた回路遮断器収納箱のインターロック装置を提供することである。
上記の問題を解決するために、請求項1の発明は、遮断器本体(2)と、引出枠(3)と、着脱自在の引出操作ハンドル(24)及び該引出操作ハンドルの装着孔(19a)を開閉するシャッタ(40)を有し遮断器本体を引出枠内で移動させる引出操作装置とを有する引出形回路遮断器を収納する扉付きの収納箱(1)のインターロック装置において、
引出枠に設けられた第1レバー(62)と扉(1a)との間に形成され、係合することによって扉の開放を阻止する第1係合手段(62b,73)と、
第1レバーを第1係合手段が係合する方向に付勢するばね(61)と、
遮断器本体が断路位置以外の位置にあるとき第1レバーが第1係合手段の係合が解消する方向へ回転することを阻止する遮断器本体に設けられる第1ブロック手段(64)と、
扉の開閉に追随して回転する遮断器本体に設けられた第2レバー(70)と、
第1係合手段の係合が解消する方向へ回転する第1レバーの回転に連動して一方向へ移動するスライダ(67)と、
スライダを復帰移動する方向に付勢するばね(66)と、
第2レバーとスライダとの間に形成され、第1レバーが復帰回転したとき該スライダの復帰移動を阻止する第2係合手段(67c,70b)と、
を備え、
シャッタは、装着孔が開放された位置にあるときスライダの一方向への移動を阻止する第2ブロック手段(40a)を有し、
スライダは、一方向に移動した状態にあるときシャッタの装着孔を開放する方向への移動を阻止する第3ブロック手段(67b)を有することとしている。
また、請求項2の発明は、請求項1記載の回路遮断器収納箱のインターロック装置において、シャッタは、遮断器本体の開閉接触子が接触しているとき装着孔を開放することを阻止する遮断器本体の開閉機構と連結された開閉インターロック装置のシャッタを兼ねることとしている。
請求項1の発明は、遮断器本体が断路位置以外の位置にあるときは、第1ブロック手段と係合して第1レバーが回転しないため第1係合手段の係合が維持されて扉を開けることができないというインターロック機能を有する。また、シャッタを開放させた状態で扉を開けようとしたときは、スライダがシャッタに設けられた第2ブロック手段によって一方向への移動が阻止されるため第1レバーの回転が阻止され扉を開くことができないというインターロック機能を有する。さらに、扉が開けられて第1レバーが復帰回転してもスライダは一方向に移動した状態が維持されるため、第3ブロック手段によってシャッタを開くことができないというインターロック機能を有する。すなわち、シャッタを閉じなければ扉を開くことができず、扉を開けた状態ではシャッタを開くことができないため遮断器本体を試験位置や接続位置に挿入できないこととなり、より安全牲が高められる。
請求項2の発明は、安全を確保して収納箱の扉を開閉できる収納箱のインターロック機能と開閉接触子が閉路状態にあるときに遮断器本体を移動させることを防止できる開閉インターロック機能を一つのシャッタで実現できるという効果を奏する。
本発明の実施の形態を、図1ないし図10に示されている実施例において説明する。
図2は、この発明によるインターロック装置の要部を示す回路遮断器収納箱の全体図を示す平面図であって、1は回路遮断器収納箱、1aは収納箱1のヒンジ形の扉、外形が鎖線で示されている2は遮断器本体、3は遮断器本体と共に引出形回路遮断器を構成し回路遮断器収納箱1に固定される引出枠、4はこの発明によるインターロック装置の一部である。なお、図2及び図4を参照して、断路位置にあるとき遮断器本体2の主回路端子2a及び制御回路端子2bはそれぞれ引出枠3の主回路端子3a及び制御回路端子3bから開離し、遮断器本体2が完全に電気的に絶縁された状態にある。図2を参照して、この断路位置において、遮断器本体2は、扉1aから寸法Aだけ突き出た位置にある。すなわち、扉1aには遮断器本体2の正面部分が突き出るに十分な孔が形成されている。この断路位置から右方向に移動して遮断器本体2が接続位置になったとき、遮断器本体2の後述するフロントカバー5と扉1aが略同一平面に位置する状態となる。
遮断器本体2は、後述する引出操作装置のほかに、開閉接触子、開閉接触子を制御する開閉機構及び開閉接触子を閉路(ON)させるエネルギーを蓄勢するばね蓄勢機構を有するが、それらは本願の主要部ではないため詳細説明および図示を省略する。
図3及び図4はこの引出型回路遮断器の正面図及び側面図であって、遮断器本体2のフロントカバー5には、ばね蓄勢機構のばね蓄勢ハンドル6、ばね蓄勢状態表示窓7、蓄勢したばねを釈放して開閉接触子をONする手動閉路ボタン8用の窓、トリップ機構を動作させて開閉接触子を開路(OFF)する手動開路ボタン9用の窓、開閉接触子の開閉状態を表示する開閉状態表示窓10、引出枠内の遮断器本体の位置を表示する位置表示指針11用の窓、引出操作装置を操作する着脱自在の引出操作ハンドルを取り付けるための引出操作ハンドル用開口部12が形成されている。
また、遮断器本体2の左右両側にはローラ13とレバー14とが設けられており,引出枠3の左右の側板にはローラ13が移動するレール15と水平溝と垂直溝とからなる溝16とが設けられている。レバー14はその腕の先端にローラ17を備え,引出操作装置の動作によって回転する引出メインシャフト18と共に回転する。
図4を参照して、断路位置にある遮断器本体2の挿入操作を行うとレバー14が時計方向に回転し、ローラ17が下方に移動しながら垂直溝の左縁を押し,相対的に遮断器本体2が右方向へ移動して試験位置になる。さらに挿入操作を行うとレバー14が時計方向に回転し,ローラ17が上方に移動しながら垂直溝の左縁を押し,遮断器本体2がさらに右方向へ移動して接続位置になる。なお、遮断器本体2は、挿入操作とは逆に、レバー14を反時計方向に回転させることによって、ローラ17が溝16の右縁を押すことによって引き出される。
次に,遮断器本体2の下部に内蔵されている引出操作装置ユニットについて説明する。図5は,断路位置におけるこの引出操作装置を側面から見た図である。この引出操作装置は引出ねじ19と,ラック20と,引出メインシャフト18とを有する。引出ねじ19は保持枠21によって回転自在に保持され、図5において左から右方向に延びている。この引出ねじ19は、その左端に引出操作ハンドル24を取り付けるための六角形状のハンドル装着穴19a及び後述するロックピン37と協働するロック孔19cが形成されており,保持枠21から右側にはねじ部19bが形成されている。ラック20は,正面側から見たときの断面が冂字状であって回転しないように保持されている。このラック20の左端部にはナット22が固着され,上面20aには複数の孔20bが形成されている。引出メインシャフト18は共に回転する歯車23を備え、遮断器本体2を正面から見たとき左右方向に配置されている。
この引出操作装置は,引出操作ハンドル24を操作して引出ねじ19を回転させるとナット22を介してラック20が左右方向に移動するラック方式である。このラック20が移動することによって孔20bと歯車23の歯がかみ合って引出メインシャフト18が回転する構造となっており、ラック20が右方向に移動するように引出操作ハンドル24を回転させれば遮断器本体2が引き出され,逆に回転させれば挿入される。
次に、この引出操作装置には、接続、試験、断路などの所定の位置に達したとき遮断器本体2をその位置で一旦停止させる位置決め装置が設けられている。
図5を参照して、この位置決め装置は、軸27によって回転自在に設けられた中継レバー28と、軸29上に回転自在に設けられ図示されていないばねによって時計方向に付勢されているロック解除レバー30と、それぞれ連結ピン25及び26によってロック解除レバー30及び中継レバー28との間に連結されたリンク板A31と、中継レバー28に連結されたリンク板B32と、引出メインシャフト18と共に回転するカム板33とを有し、中継レバー28にはロック孔19cにはまり込むロックピン37が取り付けられている。
カム板33の外周縁33aには,遮断器本体2の接続位置,試験位置及び断路位置に対応する位置決め窪み33b,33c及び33dが形成されている。リンク板B32は左右方向にスライド自在であり,先端にローラ34が設けられている。なお,中継レバー28は反時計方向に付勢するとともにリンク板B32を右方向へ付勢する図示されていないばねも設けられている。このためローラ34は,カム板33が回転したとき外周縁33a上を相対的に移動し,上述の各窪みにはまり込むようになっている。
この位置決め装置の動作を図5を参照して説明する。断路位置では,ロックピン37が引出ねじ19のロック孔19cに嵌まり込んでいるため,引出操作ハンドル24を回転させることができない状態にある。また、ローラ34が窪み33dに嵌まり込んでいる。
遮断器本体2を試験位置に移動させるためにロック解除レバー30を反時計方向に回転させると, リンク板A31を介して中継レバー28が時計方向に回転し,ロックピン37がロック孔19cから離脱し、引出ねじ19は回転可能な状態となる。この動作と並行して、中継レバー28の回転によってリンク板B32が左方向に移動し,ローラ34が窪み33dの開口部付近まで移動する。この状態でロック解除レバー30を自由状態にしても時計方向に復帰回転しないため、ローラ34が窪み33dの開口部にとどまった状態が維持される。すなわち、自由状態にしたとき、ロック解除レバー30がストッパ35に接し,ロック解除レバー30に加わる時計方向の付勢力と中継レバー28に加わる反時計方向の付勢力がリンク板A31の両端から作用し合って,ロック解除レバー30が反時計方向に回転した状態が維持される。(この状態は図示されていない。)
このとき、中継レバー28の回転によって後述するシャッタ40が時計方向に回転して、ハンドル装着穴19aが開放状態となる。この状態で引出操作ハンドル24を装着して挿入操作方向にカム板33を時計方向にわずかに回転させたとき,ローラ34が窪み33dの開口部の略円弧状の(図5において下側の)角縁から外周縁33a上に相対的に移動する。この移動は,リンク板B32を左方向に移動させ,中継レバー28を時計方向に回転させる。この回転によって、上述した中継レバー28に加わる反時計方向の付勢力が解消するため,ロック解除レバー30は時計方向に復帰回転する。そして,中継レバー28も反時計方向に回転し,リンク板B32が右方向に移動し,ローラ34が外周縁33aに押し付けられた状態となる。また、ロックピン37もその先端が引出ねじ19の外周上を摺動する状態となる。さらに,カム板33を時計方向に回転させると,ローラ34が相対的に外周縁33a上を移動して窪み33cに嵌まり込み、ロックピン37もロック孔19cに嵌まり込んだ試験位置となる。試験位置から同様の操作をすることにより,ローラ34が窪み33bにはまり込み接続位置の状態にすることができる。なお、位置表示指針11はラック20の移動に追随して軸36を中心として回転して図5において上下方向に移動する。
次に、この引出操作装置には、後述する開閉インターロック装置及び収納箱インターロック装置に利用されるシャッタ40が取り付けられている。シャッタ40は軸41を中心として回転することによって、引出ねじ19に形成された引出操作ハンドル装着穴19aを開放及び閉鎖する。
このシャッタ40は回転腕40aにピン42を備え、このピン42と連結ピン26との間に連結されたリンク43によって操作される。すなわち、中継レバー28の時計方向の回転によって時計方向に回転して引出操作ハンドル装着穴19aが開放される。前述のごとく引出操作ハンドル24を操作したとき、装着状態で中継レバー28が反時計方向に回転してリンク43が下方に移動するが、ピン42はリンク43に形成された長孔43aによって連結されているためリンク43の移動は阻害されない。
次に,図6を参照して、この引出型回路遮断器に設けられた開閉インターロック装置について説明する。クロスバー49と共に回転するコンタクトレバー50及びトリップシャフト51は,遮断器本体2の開閉機構に必須の部材として設けられている。コンタクトレバー50は開閉接触子を操作する部材であって,時計方向に回転することによって開閉接触子をONにし,反時計方向に回転することによってOFFにする。また,トリップシャフト51は,開閉機構に含まれているラッチ機構の係合を解除する部材であって,反時計方向に回転することによってラッチ機構の係合を解除させて開閉接触子をOFFにする機能を有する。このトリップシャフト51が反時計方向に回転した位置にあるときは,ON操作が行われてもラッチ機構が係合しないため開閉接触子はONにはならない。
この開閉インターロック装置は、2つの腕を有するレバー52と、連結ピン26とレバー52の一方の腕とを連結するリンク53と、レバー52の他方の腕とコンタクトレバー50上に設けられたピン54とを連結するリンク55と、リンク55に設けられたトリップ腕55aと、一方の腕がトリップシャフト51の腕と対向し他方の腕がトリップ腕55aと対向するレバー56と、レバー52を反時計方向に付勢する図示されていないばねとを有する。
この開閉インターロック装置の動作について説明する。図6は、開閉接触子がON状態にあり、遮断器本体2が接続位置にあり、且つ、前述した位置決め装置のロック解除レバー30がロック位置にあるときの状態を示している。この状態にあるとき,リンク53の下端に形成されている切欠53aの上端が連結ピン26を下方へ押し付けるため、シャッタ40が閉じた状態にある。この状態において、シャッタ40を開放するためロック解除レバー30を反時計方向に回転付勢させたとき、リンク53、レバー52を介してリンク55が下方に付勢される。このような動作は遮断器本体2が断路位置や試験位置にあるときも同様である。
しかし、ONの状態にあるときは、コンタクトレバー50が実線で示された位置にあって、リンク55の長孔55bの上端がピン54と係合するため、ロック解除レバー30は回転しない。すなわち、シャッタ40は閉じた状態が維持され遮断器本体2を移動させることができない。開閉接触子をOFFにすると、コンタクトレバー50及びピン54が鎖線で示された位置に変位する。この結果、長孔55bの上端がピン54と係合しないためリンク55が下方に移動することができ、ロック解除レバー30を反時計方向に回転させることができる。
次に、この引出型回路遮断器を収納する本願発明による収納箱のインターロック装置について説明する。
この収納箱のインターロック装置は、回路遮断器の下部に設けられる遮断器側部材とこの遮断器側部材に対向するように扉1aの内側に設けられる扉側部材とによって構成される。図1、図7及び図8は、扉1aが閉じられ、且つ、前述したシャッタ40が閉じられているときのこの収納箱のインターロック装置の要部部分図であって、それぞれ回路遮断器の上方から見たときの図、側方から見たときの図及び正面から見たときの図である。前述したように、断路位置にある遮断器本体2は、その正面部分が収納箱の扉1aから突き出た状態にある。
引出枠3には、軸60上にばね61によって(図1において)時計方向に付勢されている第1レバー62が回転自在に設けられており、ストッパ部材63と接して停止している。第1レバー62は、正面側から見たときの断面が逆コ字状に形成されており、その一方の腕62aの(図1において)上辺に窪み62bが形成され、他方の腕62cの下辺に窪み62dが形成されている。
また、遮断器本体2の下部には、ピン64と、一対のピン65によって保持されるとともにばね66によって(図1において)上方に付勢されているスライダ67と、前述したシャッタ40の回転軸を兼ねる軸41によって回転自在に支持されるとともにばね69によって(図7において)時計方向に付勢されているL字状の第2レバー70とが備えられており、前述したシャッタ40の回転腕40aは(図1において)コ字状に曲げられた形状となっている。
さらに、回路遮断器収納箱1の扉1aの内側には、軸71上に図示されていないばねによって(図1において)時計方向に付勢されているL字状のレバー72が回転自在に保持されており、その一方の腕が扉1aの内側に接して停止し、他方の腕にはピン73が設けられている。
この収納箱のインターロック装置の動作について説明する。図1、図7及び図8を参照して、遮断器本体2が断路位置にあり、開閉接触子がOFF状態にあり、且つ、シャッタ40が閉じられた状態において、扉1aを開ける操作を行うと、(図1において)ヒンジ形の扉1aは微視的に見ると左方向に変位する。この変位に追随して、ピン73が窪み62bの左縁を押しながら摺動して第1レバー62を反時計方向に回転させる。この回転により、(図8において)第1レバー62の他方の腕62cの端部62eによって突起67aが押されて、スライダ67が右方にスライドする。このスライドにより、断面がコ字状に形成されたスライ67の肩の部分67bに形成された窪み67cが右方向に移動する。なお、このスライダ67の右方向のスライド動作は、図1において下方向のスライド動作に相当する。
一方、この扉1aの開放動作において、第1レバー62の回転動作と並行して、一方の腕70aの端部が1aの内側に押し付けられている第2レバー70が(図7において)時計方向に回転し、上述したスライダ67の移動した窪み67cに第2レバー70の他方の腕70bがはまり込む。このため、扉1aが完全に開かれて第1レバー62が復帰回転しても、スライダ67と第2レバー70との係合が維持される。この状態が図9に示されている。この扉1aが開いた状態で、シャッタ40を(図7において)時計方向に回転させても、回転腕40aがスライダの肩の部分67bと当接してその回転が阻止される。すなわち、扉が開いた状態では遮断器本体2を移動させることができないというインターロック機能が作用する。このインターロック機能は、扉1aを閉じれば、ピン73が第1レバー62の一方の腕62aの先端部の斜面62fを摺動して第1レバー62を反時計方向に回転させながら窪み62bにはまり込むとともに、第2レバー70が(図7において)反時計方向に回転し窪み67cとの係合が消滅してスライダ67が元の位置に復帰することによって解消する。
次に、遮断器本体2が断路位置にあり、且つ、シャッタ40が開いた状態にあっては、扉1aを開くことができないという機能について説明する。この状態で扉1aを開く操作を行うと、上述の動作と同様に第1レバー62が(図1において)反時計方向に回転しスライダ67が下方にスライドする。しかし、図10に示されているように、開いた状態のシャッタ40は時計方向に回転した状態にある。このため、スライド動作の初期において、スライダ67の端部67dがシャッタ40の回転腕40aによってブロックされその移動が阻止される。その結果、第1レバー62の回転が阻止されるため扉1aを開放することができない。
次に、遮断器本体2が断路位置以外の位置にあるときも、扉1aを開くことができないことを説明する。すなわち、(図1において)ピン64は遮断器本体2の移動に伴い左右方向に移動するが、断路位置以外の場合はピン64が第1レバー62の窪み62dと対向する位置にないため、第1レバー62の下縁がピン64に接してその回転が阻止され、扉1aを開けることはできない。なお、特殊な点検などのために、断路位置以外で扉1aを開けるときは、扉1aに設けられた小孔1bからピンを差し込んでレバー72を反時計方向に回転させてピン73が窪み62bと係合しないようにすれば扉1aを開けることができる。
本発明による回路遮断器収納箱のインターロック装置の要部を示す平面図である。 図1のインターロック装置の主要部材の配置を説明する回路遮断器収納箱の平面図である。 図1のインターロック装置を装着する引出型回路遮断器の正面図である。 図3の側面図である。 図4の引出型回路遮断器に装着される引出操作装置の側面図である。 図4の引出型回路遮断器に装着される開閉インターロック装置の側面図である。 図1の側面図である。 図1の正面図である。 図1のインターロック装置の動作状態を説明する側面図である。 図9とは異なる動作状態を説明する側面図である。
符号の説明
1 回路遮断器収納箱
1a 扉
2 遮断器本体
3 引出枠
12 引出操作ハンドル用開口部
19 引出ねじ
19a ハンドル装着穴
24 引出操作ハンドル
40 シャッタ
40a 回転腕
61 ばね
62 第1レバー
62b、62d 窪み
64 ピン
66 ばね
67 スライダ
67b 肩部
67c 窪み
67d 端部
69 ばね
70 第2レバー
70a 一方の腕
70b 他方の腕
72 レバー
73 ピン

Claims (2)

  1. 遮断器本体(2)と、引出枠(3)と、着脱自在の引出操作ハンドル(24)及び該引出操作ハンドルの装着孔(19a)を開閉するシャッタ(40)を有し前記遮断器本体を前記引出枠内で移動させる引出操作装置とを有する引出形回路遮断器を収納する扉付きの収納箱(1)のインターロック装置において、
    前記引出枠に設けられた第1レバー(62)と前記扉(1a)との間に形成され、係合することによって前記扉の開放を阻止する第1係合手段(62b,73)と、
    前記第1レバーを前記第1係合手段が係合する方向に付勢するばね(61)と、
    前記遮断器本体が断路位置以外の位置にあるとき前記第1レバーが前記第1係合手段の係合が解消する方向へ回転することを阻止する前記遮断器本体に設けられる第1ブロック手段(64)と、
    前記扉の開閉に追随して回転する前記遮断器本体に設けられた第2レバー(70)と、
    前記第1係合手段の係合が解消する方向へ回転する前記第1レバーの回転に連動して一方向へ移動するスライダ(67)と、
    前記スライダを復帰移動する方向に付勢するばね(66)と、
    前記第2レバーと前記スライダとの間に形成され、前記第1レバーが復帰回転したとき該スライダの復帰移動を阻止する第2係合手段(67c,70b)と、
    を備え、
    前記シャッタは、前記装着孔が開放された位置にあるとき前記スライダの前記一方向への移動を阻止する第2ブロック手段(40a)を有し、
    前記スライダは、前記一方向に移動した状態にあるとき前記シャッタの前記装着孔を開放する方向への移動を阻止する第3ブロック手段(67b)を有する、
    ことを特徴とする回路遮断器収納箱のインターロック装置。
  2. 前記シャッタは、前記遮断器本体の開閉接触子が接触しているとき前記装着孔を開放することを阻止する前記遮断器本体の開閉機構と連結された開閉インターロック装置のシャッタを兼ねることを特徴とする請求項1記載の回路遮断器収納箱のインターロック装置。
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