JP4335724B2 - 送信パケット補填システムおよび送信パケット補填方法 - Google Patents

送信パケット補填システムおよび送信パケット補填方法 Download PDF

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Description

本発明は、無線通信ネットワークを介してパケットを送受信する際のパケット補填方法およびその無線通信ネットワークにおいて使用される移動端末、中継ノード、受信端末に関する。
図40は、既存のMobile IPv6ネットワークの一構成例である。ホームエージェント(移動支援装置、HA)6、アクセスルータ7と8およびルータ9が、インターネット10に接続されている。移動端末(mobile node、MN)2は、相手端末(通信ノード、corresponding node、CN)5に向けてデータを送信しているものとする。また、移動端末2は、無線ネットワークAの配下に属し、アクセスルータ7を介して相手端末5と通信を行っている。そして、移動端末2は、移動等により隣接する無線ネットワークBの配下に移動した後は、アクセスルータ8を介して通信を行う。
図41は、ハンドオーバー発生時の動作を説明する図である。まず、(1)で、移動端末2が移動前の無線ネットワークAに入ると、アクセスルータ7からのルータ広告(Router Advertisement)RA1を受信する。(2)では、移動端末2が、気付けアドレス(Care of Address、CoA)CoA−7を作成する。(3)では、移動端末2がホームエージェントHA6に対して位置登録を行う。ここで、ホームエージェントHA6は、移動端末2のホームアドレスHoA−2を管理している。(4)では、ホームエージェントHA6が、結合キャッシュを用いて移動端末2のホームアドレスHoA−2と気付けアドレスCoA−7とを関連付けることにより、移動端末2が無線ネットワークAの配下にいるという情報を管理する。(5)で、移動端末2がアクセスルータ7配下の無線ネットワークAからアクセスルータ8配下の無線ネットワークBに移動し、ハンドオーバーが発生する。
(6)では、移動端末2は、アクセスルータ8からのルータ広告RA2を受信する。(7)では、移動端末2が、気付けアドレスCoA−8を作成する。(8)では、移動端末2がホームエージェントHA6に対して位置登録を行う。(9)では、ホームエージェントHA6が、移動端末2の結合キャッシュを用いて、移動端末2のホームアドレスHoA−2と、(7)で移動端末2によって作成された気付けアドレスCoA−8とを関連付けて管理する。
図42は、ハンドオーバー発生時の、従来技術の問題点を説明する図である。なお、図42における(1)〜(4)は、それぞれ図41の(1)〜(4)と同様の動作である。図42の(5)は、移動端末2が相手端末5に対して、複数回に分けて送信しようとしているデータである。(5)中の番号1〜7は、分割された送信データを格納するパケットのシーケンス番号であり、その昇順に送信される。
(6)では、移動端末2が送信データを格納するパケットを順次送信する。ここでは、移動端末2は番号3のパケットまで送信したものとする。(7)は、相手端末5が受信したデータであり、相手端末5は番号1、2のパケットを受信し、番号3のパケットの受信待ちをしている。
ここで、移動端末2の移動により、(8)のハンドオーバーが発生する。番号3のパケットを送信中にハンドオーバーが発生したため、番号3のパケットは、相手端末5側まで到達しない。ハンドオーバーが発生したときの(9)〜(12)の動作は、それぞれ図41の(6)〜(9)の動作と同様である。
図42において(9)〜(12)の処理を終えた後、(13)では、移動端末2が再度相手端末5に対してデータの送信を開始する。ここで、移動端末2は、番号3のパケットまで送信したと認識している。このため、(13)では、番号4のパケットから送信する。
(14)は、(13)までの動作で、相手端末5が受信したデータを表す。相手端末5にて番号3のパケットが受信されていないことが認識されると、(15)において、移動端末2と相手端末5との間でパケットロス発生時のフロー制御が実行される。
上記フロー制御が走ることを防止する第1の方法としては、移動端末の移動に伴ってハンドオーバーが必要と判断された時点で、端末側で送信パケットの蓄積を開始し、ハンドオーバーが終了して通信が再開された後にその蓄積されたパケットを送信する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。図43を参照して、第1の方法について説明する。
図43の(1)〜(4)までの動作は、図42の(1)〜(4)の動作と同様である。(5)は送信しようとするデータを表し、(6)では移動端末2が無線ネットワークAを提供するアクセスルータ7を介して番号1〜2のパケットを送信する。(7)は、相手端末5が、番号1、2のパケットを受信したことを表す。
(8)でハンドオーバーが発生する。このとき、移動端末2は、(5)で表されるパケットのうち番号3以降のパケットについてバッファリングを行い、パケット送信を停止させる。(9)〜(12)の動作は、移動端末2が無線ネットワークBに移動したときの位置登録の動作であり、図42の(9)〜(12)と同様である。
移動端末2が無線ネットワークBに移動した際の(9)〜(12)の処理が完了した後、(13)では、先の(8)でバッファリングを行った番号3以降のパケットを相手端末5に向けて送信する。これにより、パケットの損失が回避される。
ハンドオーバー発生時においてフロー制御が動作することを防止する第2の方法としては、ハンドオーバーの発生時に、動的遅延ACK制御を行うことにより送信されるパケットの番号が逆転している場合にパケットの送信を停止する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。第2の方法について図44を参照しながら説明する。
図44に示す手順は、多くの部分において図42に示した手順と同じである。ただし、図44に示す手順では、無線ネットワークAと無線ネットワークBとの間に遅延差があるものとする。ここでは、無線ネットワークAとホームエージェントHA6との間の遅延差が、無線ネットワークBとホームエージェントHA6とのそれと比べて大きい場合を考える。図44の(1)〜(7)までは、図42の(1)〜(7)と同様である。ハンドオーバー発生時点においては、移動端末2は、無線ネットワークA配下から、相手端末5に対してデータ番号1〜3のパケットを送信する。一方、相手端末5においては、データ番号1および2のみ受信している。(8)で、ハンドオーバーが発生する。(9)〜(12)で、無線ネットワークBにおいて位置登録を行う動作までは、図42と同様である。
(13)では、移動後の無線ネットワークBからパケットの送信を開始する。無線ネットワークAと無線ネットワークBとの間の遅延差により、無線ネットワークA配下から送信されるパケットよりも無線ネットワークB配下から送信されるパケットの方が先に相手端末5の側で受信される。ここでは、例えば、パケット2つ分の遅延差が存在するものとする。このとき、相手端末5は、正しい順番でパケットを受信できなかったことを検出すると、移動端末2にパケットの再送を要求する。しかし、このようなパケット再送は、通信のスループットを低下させるので、以下のようにしてそれを回避する。
すなわち、(14)では、ハンドオーバー発生時においては、相手端末5は、パケットを受信した際のACKの送信を遅延させる。図44においては、例えば、パケット3つ分だけACKの送信を遅らせている。これにより、相手端末5において、無線ネットワークの遅延差により受信するパケットの順序が先後逆転していても、即時に再送の要求を送信せず、フロー制御が走ることが防止される。
特開平10−308775号公報(要約、図1〜図3、段落0009〜0011) 特開2002−223467号公報(要約、図1、段落0044〜0046)
先述の第1の方法では、各移動端末についてハンドオーバーが発生することを常に予測している必要がある。そして、ハンドオーバーの発生が見込まれるときは、送信中のパケットの蓄積を開始し、パケットの送信を停止する。そして、ハンドオーバーの処理が完了すると、蓄積しておいたパケットの送信を再開する。ところが、各移動端末についてハンドオーバーが発生することを常に予測することは困難であり、可能であったとしても、ネットワーク側の負担が重くなる。
また、ハンドオーバー以外で電波強度が弱くなることがあっても、ネットワーク側においては、ハンドオーバー発生時に備えて、移動端末からのパケット送信を停止させる。しかし、ハンドオーバー以外の事由によりパケット送信が停止された場合、パケットの送信を再開させる契機がない。このため、移動端末が送信しようとしていたパケットが、相手端末まで到達させることができなくなる。
先述の第2の方法では、フロー制御が実行されることによるスループットの低下を回避することは出来るが、パケットが損失してしまった場合には、それを補填することはできない。
本発明の目的は、無線通信システムにおいてパケットの損失を回避することである。また、本発明の他の目的は、パケットの補填に係わる処理を軽くし、または、そのための資源を少なくすることである。
本発明の送信パケット補填方法は、モバイルIPネットワークにおいて、移動端末が送信したパケットをその移動端末内の記憶手段に記憶させる工程と、前記移動端末においてパケット再送に係わる動作を標示する補填情報を管理する工程と、前記移動端末についてのハンドオーバーが発生したときに前記移動端末が前記補填情報に基づいて前記記憶手段に記憶されているパケットを送信する工程、を有する。
この方法においては、移動端末から送信されるパケットがその移動端末内の記憶手段に記憶される。そして、ハンドオーバーが発生すると、過去に送信したパケットを記憶手段から取り出して送信する。すなわち、ハンドオーバーが発生すると、過去に送信したパケットを再送する。これにより、ハンドオーバーに起因して生じるパケットの損失が補填される。このとき、補填情報は、どの程度過去にさかのぼってパケットを再送するのかを定義している。
上記方法において、受信側装置において、重複して受信したパケットを廃棄する工程を更に備えてもよい。この工程を備えれば、同一のパケットを重複して受信した場合であっても、上位層においては、パケットを正常に受信したものと判断される。よって、パケットを処理するための上位層によるパケット再送処理が実行されることが回避され、スループットの低下が回避される。
また、上記補填情報は、ネットワークの状態に応じて設定されるようにしてもよい。この場合、ネットワークの状態に応じて必要最小限の量だけパケットを再送するようにできる。
本発明の他の態様の送信パケット補填方法は、モバイルIPネットワークにおいて、移動端末が無線電波の強度を監視する工程と、無線電波の強度が所定のしきい値を下回ったことを検出すると前記移動端末が送信したパケットをその移動端末内の記憶手段に記憶させる工程と、無線電波の強度が回復したことを検出すると前記移動端末が前記記憶手段に記憶されているパケットを送信する工程、を有する。
この方法においては、無線電波強度が低下すると、移動端末から送信されるパケットがその移動端末内の記憶手段に記憶される。そして、無線電波強度が回復すると、過去に送信したパケットを記憶手段から取り出して送信する。すなわち、無線電波強度が回復すると、無線電波強度が低下していた期間に送信したパケットを再送する。これにより、無線電波強度の低下に起因して生じるパケットの損失が補填される。
なお、本発明は、上記パケット補填方法に限られず、上記パケット補填方法を使用する移動端末、受信側装置にも適用される。
本発明によれば、ハンドオーバーまたは無線電波強度の低下によるパケットの損失を補填できる。また、補填情報を適切に設定すれば、再送されるパケットの量が抑えられるので、パケット補填によるスループットの低下は小さい。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<実施例1>
図1は、本発明に係る移動端末の原理図である。移動端末は、データリンク層に、パケットの再送の制御を行う送信制御部21およびネットワーク移動検出部22を備える。
送信制御部21は、送信データ保持部23および補填情報管理部24を備え、通常のパケットの送信処理を行うほか、ハンドオーバーの発生時等にはパケットの再送処理を制御する。送信データ保持部23は、TCP/IP層から受けたデータ送信情報に基づいて、送信データを一時的にバッファ等に記憶する。補填情報管理部24は、パケット再送に係わる動作を表示する補填情報を管理し、ハンドオーバーの発生したときは、送信データ保持部23に記憶されているデータの中から対応するデータを送信(すなわち、再送)する。
ネットワーク移動検出部22は、ルータ広告を解析することにより移動端末の移動を認識し、位置登録を実行する。なお、ネットワーク移動検出部22は、ダミーACK廃棄部25を更に備えることとしてもよい。ダミーACK廃棄部25は、パケット再送に伴って重複してACKを受信した場合、上位層であるTCP/IP層に重複して受信したACK(以下、ダミーACKとする)を渡すことなく廃棄する。
図2は、送信側において必要なパケットの再送を行う方法を説明する図である。図面を見やすくするために、図2中で図41、42と同じところについては省略してある。まず、(1)で、移動端末2が移動前の無線ネットワークAに入ると、アクセスルータ7からのルータ広告(Router Advertisement)RA1を受信する。(2)では、移動端末2が、気付けアドレス(Care of Address、CoA)CoA−7を作成する。(3)では、移動端末2がホームエージェントHA6に対して位置登録を行う。ここで、ホームエージェントHA6は、移動端末2のホームアドレスHoA−2を管理している。(4)では、ホームエージェントHA6が、結合キャッシュを用いて移動端末2のホームアドレスHoA−2と気付けアドレスCoA−7とを関連付けることにより、移動端末2が無線ネットワークAの配下にいるという位置登録情報を管理する。
(5)は、移動端末2が相手端末5に対して、複数回に分けて送信しようとしているデータである。(5)中の番号1〜7は、分割された送信データを格納するパケットのシーケンス番号であり、その昇順に送信される。
(6)は、図1の送信データ保持部23に記憶されたパケットであり、相手端末5への送信の処理がなされたパケットがそのまま保持されている。図1においては、移動端末2において、データ番号1〜3のパケットまで送信の処理が完了していることを表している。(6)で送信データ保持部23に記憶されたパケットは、(7)で、相手端末5に送信される。
(8)では、移動端末2の移動によりハンドオーバーが発生する。ここでは、番号3のパケットを送信中にハンドオーバーが発生したものとする。そうすると、番号3のパケットは、相手端末5側まで到達しない。(9)では、移動端末2は、無線ネットワークBに入ると、アクセスルータ8からのルータ広告RA2を受信する。(10)では、移動端末2が、気付けアドレスCoA−8を作成する。(11)では、移動端末2がホームエージェントHA6に対して位置登録を行う。(12)では、ホームエージェントHA6が、結合キャッシュを用いて移動端末2のホームアドレスHoA−2と、(10)で移動端末2によって作成された気付けアドレスCoA−8とを関連付けて管理する。
(13)では、図1の補填情報管理部24が、補填情報として「再送データ:前1段」と指定する。このとき、移動端末2は、番号3のパケットまで送信の処理が完了しており、通常の送信処理では、次に送信すべきパケットの番号は「4」である。(14)では、補填情報に従い、このデータ番号4のパケットから1段前の番号のパケット、つまりデータ番号3のパケットを送信データ保持部23から取り出し、それを送信(再送)する。(15)で、受信側装置である相手端末5において、データ番号3のパケットが受信される。
(16)では、ハンドオーバー発生前に未送信であったデータを送信する。ここでは、データ番号4以降のパケットを送信する。(17)では、相手端末5は、データ番号4以降のパケットを受信し、データ受信が完了する。
このように、実施例1のパケット補填方法では、移動端末2において送信データが送信データ保持部23に記憶される。このとき、ハンドオーバー時に移動端末2とアクセスルータとの無線空間にあったデータは、そこで損失してしまうことがある。このため、ハンドオーバーが発生すると、補填情報管理部24により指定された量のデータが送信データ保持部23から読み出され、再送される。これにより、ハンドオーバー発生時であっても、パケットロスを防ぐことができる。
<実施例2>
本実施の形態においては、受信側端末において、重複して受信したパケットを廃棄する機能を備える。なお、送信端末側については、実施例1と同様であるので、ここでは説明を省略し、受信端末の動作およびその効果について説明する。
図3は、本発明に係る受信端末の原理図である。受信端末は、データリンク層に、送信側の端末から送信されたデータを受信する受信部51およびTCP/IP層または受信部51から受け取ったデータを送信する送信部を備える。ここで、受信部51は、重複検出部52および廃棄部53を備える。
重複検出部52は、受信データの重複を検出する。そして、受信データの重複を検出すると、その旨を廃棄部53に通知する。なお、受信データが重複していなかったときは、重複検出部52は、そのデータをTCP/IP層に渡す。廃棄部53は、重複検出部52が検出した重複データを廃棄する。
図4は、重複して受信したパケットを廃棄する方法を説明する図である。なお、移動端末2から、ネットワークを介してデータを相手端末5に送信する動作については実施例1と同様であり、図2および図4において同一の括弧書きの番号を用いて示している。以下の説明においても同様とする。
実施例1と異なる点は、(13)で、補填情報として「再送データ:前2段」と指定している点である。この指定に基づいて、(14)では、データ番号4から2つ前のパケットであるデータ番号2のパケットから再送する。(15)では、相手端末5側で、再送されたデータ番号2および3のパケットを受信する。
相手端末5においては、図3の重複検出部52にて、(14)の再送されたパケットのうち、既に受信したパケットと重複するパケットを検出する。図4の例では、データ番号2のパケットについては受信済みであるとして、図3の廃棄部53にて廃棄を行う。こうして、重複して受信したデータ番号2のパケットについては廃棄され、再送されたパケットのうち、ハンドオーバーによってロスしたデータ番号3のパケットが補填される。
このように、実施例2のパケット補填方法では、同一のパケットが重複して受信された場合には、重複検出部52および廃棄部53により廃棄処理が行われる。よって、同一のパケットを重複して受信した場合であっても、上位層においては、パケットを正常に受信したと判断される。したがって、上位層により再送手順であるフロー制御が実行されることはなく、効率よく通信を行うことができる。
<実施例3>
本実施の形態においては、送信パケットに付与されたフラグに基づいて、受信端末が、同一のパケットを重複して受信したか否かを判断する。図5は、受信端末で重複して受信されたパケットの判断を、フラグを用いて行う方法を説明する図である。以下では、実施例2と比較して相違する点を中心に、本実施の形態のパケット補填方法について説明する。
図1の送信データ保持部23に記憶されたデータを読み出して再送するとき、本実施例では、(15)において、再送するパケットに付与する重複送信フラグに所定の値(例えば、「1」)を設定する。なお、通常のパケット(再送でないパケット)の場合は、重複送信フラグとして他の値(例えば、「0」)が設定されている。(16)では、相手端末5が重複送信フラグの付与されたパケットを受信する。このとき、相手端末5は、重複送信フラグとして所定の値(上述の例では、「1」)が設定されているパケットについてのみ、そのパケットが重複しているか否かの判断を行う。この方法を導入すれば、すべての受信パケットについて重複しているかの判断を行う必要はない。すなわち、重複送信フラグとして所定の値が設定されているパケットについてのみ重複しているか否かの判断を行えばよい。したがって、相手端末5における処理が軽くなる。
重複送信フラグについて、更に詳細に説明する。図6は、移動端末が相手端末5に対して送信するパケットの構造の一例である。通常、相手端末5に宛てて送信されるパケットは、中継ノード6にてカプセル化される。この場合、重複送信フラグは、インナーパケット付与されている。図7および図8に、具体的に重複送信フラグを構成に含めた例を示す。
図7においては、インナーパケットのIPv6ヘッダの中のネクストヘッダ(Next header)を用いて重複送信フラグが付与されている。通常送信されるパケットでは、ネクストヘッダには「0x06」が格納される。本実施例の再送されるパケットは、ネクストヘッダに「0x06」に「B0」を加算することによって得られる「0xB6」が設定されて、相手端末に送信される。受信側においては、この「0xB6」の値が格納されたパケットを受信すると、これが再送パケットであることを認識する。そして、受信側は、その再送パケットを重複して受信していないか判断する。このとき、その再送パケットが重複していれば、廃棄される。一方、重複していない場合は、ネクストヘッダの値から「B0」を減算し、「0x06」の値を取り出す。
図8では、重複送信フラグを付与するために、図6のパケットに新たにヘッダを追加している。例えば、図8のように、IPv6ヘッダとTCP(Transmission Control Protocol)との間に、デスティネーション・オプションヘッダ(Destination Option Header)を追加する。同図では、デスティネーション・オプションヘッダのうち、フラグ(Flag)を重複送信フラグとして用いている。
<実施例4>
本実施の形態においては、受信側装置が、パケット再送が必要であるか否かを判断し、その必要がない場合には送信側の移動端末に対してパケットの再送を停止するよう要求し、パケットの再送を停止させる。
図9は、実施例4のパケット補填方法を説明する図である。移動端末2が無線ネットワークAの配下で位置登録されるまでの処理は、先述の実施例と同様であるのでここでは省略する。(5)は移動端末2が相手端末5に送信するデータであり、(5)中の1〜20の番号は、それぞれデータ番号1〜20のパケットを表す。
移動端末2は、データ番号の昇順にパケットの送信を行うに際し、図1の送信データ保持部23に順次パケットを記憶させてから送信を行う。図9の(6)は、データ番号15のパケットまで、送信データ保持部23に記憶された状態を表す。(7)で、図1の送信制御部21が、(5)のパケットのうち、送信データ保持部23に記憶させたパケットを順次送信する。受信側である相手端末5は、図9の(8)においては、データ番号1〜14のパケットを受信している。
この時点で、移動端末2の移動により(9)のハンドオーバーが発生する。無線ネットワークB配下に移動した移動端末2は、位置登録の処理を行う。これについては先述の実施例と同様であるので説明は省略する。位置登録完了後、移動端末2は、図1の送信データ保持部23に記憶されたパケットの再送処理を開始する。
図9の(13)では、図1の移動端末2の補填情報管理部24が、11段前段からパケットの再送を行うよう指示する。このとき、移動端末2は、(7)でデータ番号15のパケットまで送信完了している。すなわち、次に送信するパケットのデータ番号は16である。よって、(14)では、データ番号16のパケットから11段前段の、データ番号5のパケットから再送を行う。
相手端末5は、(15)で補填情報管理部24により再送されたデータ番号5のパケットを受信すると、そのパケットが受信済みであるか否かの判断を行う。図9においてはデータ番号5のパケットは受信済みであるので、(16)で、送信側の移動端末2に対して、補填停止要請を送信する。補填停止要請を受信した移動端末2は、送信データ保持部23に記憶していたデータを消去する。再送データを消去した後、(17)で、未送信データであるデータ番号16〜20のパケットを送信する。(18)で、相手端末5は、移動端末2が送信したデータ番号16〜20のパケットを受信し、移動端末2のデータ送信を完了する。
このように、実施例4のパケット補填方法では、データの受信側である相手端末が、再送データを受信するとその再送データについて受信済みであるか否かを判断する。受信済みである場合は、送信側である移動端末に対して再送を停止させるよう要求する。図9の例においては、相手端末からデータ番号5のパケットを受信した時点で(16)の補填停止要請を送信されることにより、移動端末2は、データ番号6〜15のパケットについては再送を行わない。これにより、不要なパケットの再送を抑えることができる。
また、相手端末5が再送パケットを受信したとき、通常の移動端末2からのデータ送信において次に受信すべきパケットとして相手端末5が認識しているデータ番号と、再送パケットのデータ番号とを比較し、その差が所定の幅以下、つまり、小さい幅であれば、停止要求を行わないようにすることも、相手端末5で制限を設けることで可能となる。これにより、停止要求の頻発を抑えることができる。
<実施例5>
本実施の形態においては、受信側装置が、パケットの送信側に対して必要なパケットのデータ番号(パケットのシーケンス番号)を通知する。そして、その送信側装置は、その通知に従ってパケットの再送を行う。
図10は、実施例5のパケット補填方法を説明する図である。なお、ここでは、図9を参照しながら説明した処理(1)〜(15)が行われた後の動作について説明する。すなわち、移動端末2から相手端末5へデータ番号1〜15のパケットが送信され、その間にハンドオーバーが発生し、その後データ番号5のパケットが再送されたものとする。そして、これにより、相手端末5は、移動端末2により再送されたデータ番号5のパケットを受信する。
この後、実施例4では、相手端末5から移動端末2へ補填停止要請が送られたが、実施例5では、再送すべきパケットのシーケンス番号を通知される。例えば、図10に示す例では、データ番号1〜14のパケットを受信しているので、次回受付シーケンス番号として「15」が移動端末2に通知される。
次回受付シーケンス番号の通知を受けた移動端末2は、(17)で、図1のデータ保持部23に記憶された、データ番号15のパケットを送信する。(18)では、次回受付シーケンス番号の通知により移動端末2から再送されたデータ番号15のパケットが、相手端末5に到着する。以降、(19)では未送信のデータ番号16〜20のパケットについて送信され、(20)ではこれらパケットが相手端末5にて受信され、移動端末2のデータ送信は完了する。
このように、実施例5のパケット補填方法では、データの受信側において再送データを受信すると、受信側では、受信側が必要とするパケットのデータ番号を、次回受付シーケンス番号として送信側に対して通知する。受信側から送信側に対して、必要なデータ番号の通知を行うことで、ハンドオーバー発生時のように送信側が送信完了と認識しているデータ番号と受信側が受信完了と認識しているデータ番号とが食い違っている場合であっても、効率よくパケットの再送を行うことができる。
なお、次回受付シーケンス番号については、受信側が受信したパケットのデータ番号のうち、最大の番号について通知することとしてもよい。この場合、通知を受けた送信側の移動端末においては、(通知を受けたデータ番号+1)のデータ番号から送信する。
<実施例6>
本実施の形態においては、受信側装置が指定した期間が経過するまでパケットが再送され、その期間が経過した時点でパケットの再送が停止される。
図11は、実施例6のパケット補填方法を説明する図である。ここでも、図9を参照しながら説明した処理(1)〜(15)が行われた後の動作について説明する。すなわち、移動端末2から相手端末5へデータ番号1〜15のパケットが送信され、その間にハンドオーバーが発生し、その後データ番号5のパケットが再送されたものとする。そして、これにより、相手端末5は、移動端末2により再送されたデータ番号5のパケットを受信する。
この後、(16)では、受信側の端末が、補填有効時間(ここでは2秒間)を移動端末2に対して通知する。
補填有効時間の通知を受けた移動端末2は、(17)で、タイマを起動するとともに、パケットの再送を継続する。これにより、(18)において、データ番号6および7のパケットが相手端末5にて受信される。
移動端末2においてタイマが満了すると、すなわち、通知された補填有効時間が経過すると、移動端末2はパケットの再送処理を停止する。以降、(19)にて移動端末2は、未送信データの送信を開始する。すなわち、移動端末2は、データ番号16〜20のパケットを送信する。(20)では、移動端末2から送信されたパケットが相手端末5にて受信され、データ送信が完了する。
このように、実施例6のパケット補填方法では、受信側から送信側の移動端末に対して、パケットを再送する期間を指定する。受信側が指定した期間の経過後、移動端末は、パケットの再送を停止させる。受信側が指定した期間内はパケットを再送し、期間経過後は再送を停止させることで、無駄なパケットの再送を抑制し、状況に応じた再送処理が可能とされる。また、受信側装置の資源に応じたパケット再送が可能になる。
<実施例7>
本実施の形態においては、パケットの送信を行う移動端末が、重複して送信されたか否かの判断の対象となるパケットの数あるいは有効時間について、パケットを受信する相手端末に対して要請を行う。要請を受けた相手端末は、パケット数あるいは有効時間について、自らが設定可能な値を移動端末に対して通知する。
図12は、実施例7のパケット補填方法を説明する図である。本実施例に係るパケット補填方法においては、パケットの送信を行うに際し、まず、(1)で、移動端末2から相手端末5に対して重複保護要請を送信する。図12では、「重複有効数:3、判断保持:3秒」の要請を送信する。これは、再送パケットが重複して送信されたか否かについて、データ番号で3つ分のパケット、あるいは3秒間の有効時間を設定するよう要求するものである。
重複保護要請を受信した相手端末5は、(2)で、移動端末2から受信した重複保護要請に基づいて、パケット数あるいは有効時間について設定を行う。図12では、3つ分のパケットを記憶させるためバッファ機能を有効にし、あるいは重複して送信されたパケットか否かの判断を行う期間を3秒に設定する。設定した値を、移動端末2に対して通知を行う。以降、パケットの再送処理については実施例1と同様の処理が実行される。
ハンドオーバー発生を契機として再送されたパケットについて、(1)および(2)の処理で設定された、重複して送信されたか否かの判断の対象となるパケットの数、あるいは重複して送信されたか否かの判断を行う有効時間に基づいて判断され、重複するパケットについては廃棄される。
なお、図12の例では、移動端末2からの重複保護要請のとおりに相手端末5において設定を行っているが、これに限られるものではない。重複保護要請を受信した相手端末5において、重複判断の処理を実行が可能な範囲で、上記パケット数あるいは有効時間の値を設定し、移動端末2に対して通知することとしてもよい。
このように、実施例7のパケット補填方法では、パケットを送信する移動端末から受信側装置に対して、受信パケットをバッファリングする時間または量を表示する重複保護情報が通知される。そして、受信側装置は、その重複保護情報に従って受信したパケットをバッファリングしながら各パケットが重複しているか否かを判断する。これにより、送信側端末が主導で再送パケットを廃棄する処理を決定できる。あるいは、受信側装置は、自らが実行を保証することのできるパケット数あるいは有効時間を設定し、その設定した値を移動端末に対して送り返すようにしてもよい。この場合、受信側装置の資源に応じたパケット再送が可能になる。
<実施例8>
本実施の形態においては、移動端末が通信を行っているネットワークに応じて、再送データ量を変化させる。
図13は、実施例8のパケット補填方法を説明する図である。同図においては、移動前の無線ネットワークAと移動後の無線ネットワークBとの間では送信レートが異なり、移動前のパケットの送信経路が高レート、移動後のパケットの送信経路が低レートであるとする。
無線ネットワークA配下にあるとき、移動端末2は、データ番号15のパケットまで送信が完了している。移動端末2が無線ネットワークB配下に移動し、ハンドオーバーが発生する。無線ネットワークB配下での位置登録が完了すると、移動端末2は、パケットの再送処理を開始する。
(14)で、図1の、データリンク層の送信データ保持部23に記憶されたパケットを、同図の補填情報管理部24から読み出したデータに基づいて再送する。図13の例では、未送信のパケットの先頭であるデータ番号16のパケットから11段前段の、データ番号5のパケットから再送を開始する。(15)で、移動端末2から再送された、データ番号5〜15の再送パケットが相手端末5にて受信される。
パケットの再送が完了すると、(16)で、再送処理で、未送信パケットから遡って送信するパケットを、11段から2段に切り替える。(17)では、データ番号16以降の未送信パケットについて送信を行う。(18)では、(17)の処理で送信したデータ番号16〜20のパケットについて、先述の送信データ保持部23に記憶させる。(19)で、移動端末2から送信された、データ番号16〜20のパケットが相手端末5にて受信される。
上記のパケット補填方法では、ネットワークの送信レートによって再送パケットの段数を切り替えているが、これに限られるものではない。送信レートのほか、ネットワークの品質等によって再送パケットの段数を切り替えることとしてもよい。また、(16)の切り替え後の再送パケットの段数は、移動後の無線ネットワークBによることとしてもよい。さらに移動した先のネットワークによることとしてもよい。あるいは、送信データ量に応じて設定してもよい。
本実施例のパケット補填方法は、無線LAN、有線LAN等の高速な通信メディアネットワークでの通信から、携帯電話におけるパケット通信、ダイヤル接続による通信等の低速なメディアによる通信まで、スペックの異なるネットワークについて、それぞれの特性に応じた適当な値を、移動端末2側で有することにより実現される。この、移動端末2側の送信端末補填情報管理テーブルについて、図面を参照して説明する。
図14は、送信端末補填情報管理テーブルの構成図である。この送信端末補填情報管理テーブルは、図1のインターネット10を介して通信を行うネットワーク、例えば無線ネットワークA、Bそれぞれについて、パケット再送のために必要な情報を格納している。
図14のメディアは、例えば無線LAN、ダイヤル接続等のうちの、あるメディアを識別する情報を表す。
選択モードは、例えば格納されている値が「0」であればメディア固定情報、「1」であればネゴシエーション情報によりパケット再送を行う。メディア固定情報とは、例えばメディアについて固定されたデータが格納される。ネゴシエーション情報とは、例えば通信先からの応答により設定されたデータが格納される。
メディア固定情報は、送信端末補填情報管理テーブルに格納された1以上の通信メディアネットワークに固有の値が格納されている。例えば、図14では、再送データ数と保証時間とから構成されている。再送データ数は、例えばメディア1が本実施例の無線ネットワークAのとき、「11」が格納されている。再送データ数は、通常処理で送信すべきパケットから遡って再送するデータ番号の大きさを表す。保証時間は、再送の処理を時間的に制限する期間(例えば「2秒」)を表す。
ネゴシエーション情報は、パケットの再送を行う前に、通信先にメッセージを送信し、その応答によって値が格納される。例えば、図14の送信端末補填情報管理テーブルのネゴシエーション情報は、通信先識別情報、再送データ数および保証時間から構成されている。通信先識別情報には、その通信メディアが複数の通信先を有する場合、通信先を識別するための情報が格納されており、例えばこれは、IPアドレス等である。再送データ数および保証時間の定義はメディア固定情報の再送データ数および保証時間とそれぞれ同様であり、通信先からの応答によってそれぞれの値が格納される。
送信端末補填情報管理テーブルには、メディア毎(メディア1、メディア2、……メディアn)にそれぞれ対応する情報が格納されている。移動端末は、ある時点において自身が位置する通信メディアについての情報を送信端末補填情報管理テーブルから読み出し、パケット再送に必要な値を設定する。
なお、送信端末補填情報管理テーブルを用いて、再送データ数あるいは保証時間を設定し、パケットの再送を行う処理については、後述する。
図15は、受信側端末に設けられる受信端末管理テーブルの例である。ここで、受信側端末は、例えば、実施例6〜8において、重複パケットを検出する際のパラメータをこのテーブルから取り出して使用する。
「重複検出機能有無」は、同一のパケットを重複して受信した場合にそれを廃棄する処理を実行するか否かを識別する。「メディア」および「選択モード」は、図14を参照しながら説明した通りである。「最終保持データ」は、最後に受信したデータを識別する情報であり、パケットを受信するごとに更新される。「再送データ数」は、受信パケットが重複しているか否かを判断するデータ量を表示する。「保証時間」は、受信パケットが重複しているか否かを判断する時間を表示する。
<実施例9>
本実施の形態においては、移動端末から相手端末に向けてパケットの送信中にパケットロスが発生したことを移動端末自身が認識すると、上記のパケット補填方法を行う。
図16は、実施例9のパケット補填方法を説明する図である。同図の移動端末2は、無線ネットワークAからデータ番号1〜3のパケットを送信した時点でハンドオーバーが発生し、移動後の無線ネットワークBで位置登録が完了している。データ番号3のパケットについては、送信中にハンドオーバーが発生したため、相手端末5には届いていないとする。
(13)で、移動端末2が、移動後の無線ネットワークBから、データ番号4以降の未送信のパケットについて送信する。パケットを受信する相手端末5では、(14)でデータ番号4〜7のパケットについて受信する。ハンドオーバーによりデータ番号3のパケットを受信していないため、(15)でフロー制御が動作する。すなわち、相手端末5は、データ番号3のパケットを受信できていないことを認識すると、TCP/IP層の制御によってフロー制御が開始される。そして、相手端末5は、移動端末2に対してデータを再送するよう要求する。
フロー制御が動作することにより、移動端末2もパケットが損失したことを認識する。そうすると、このことを契機として、(16)では、例えば先述の実施例1のパケット補填方法を実行する動作モードにうつる。すなわち、移動端末2は、送信データを送信データ保持部23に保持し、ハンドオーバー発生時にその送信データ保持部23に保持されているデータを再送する動作モードにうつる。以降、移動端末2は、ハンドオーバーが発生するごとに、パケット再送を実行する。ただし、ハンドオーバーが所定の回数発生した後は、(17)において、移動端末2は、ハンドオーバーが発生してもパケット再生を行わない通常モードに戻る。
このように、実施例9のパケット補填方法では、パケットロスが発生していない状況では、パケットの再送を行わない通常のパケット送信モードで動作する。しかし、パケットロスが発生すると、以降、ハンドオーバーが発生するごとに、データ保持部に記憶されたパケットの再送を行う。パケットの送信状況により適宜パケットの再送を行うため、無駄な送信されるパケットを抑制し、効率よくパケットを送信することができる。
なお、本実施の形態においては、パケットの補填方法として実施例1の方法を実行しているが、これに限られるものではない。先述の他の実施例に係るパケット補填方法を実行することとしてもよい。
<実施例10>
本実施の形態においては、パケットを受信する相手端末が、パケットの再送処理の要請を、パケットを送信する移動端末に対して送信する。
図17は、実施例10のパケット補填方法を説明する図である。無線ネットワークAで位置登録が完了した移動端末2が、相手端末5との通信を開始する。同図の(5)は、移動端末2と相手端末5とが通信を開始したのを契機として、相手端末5から移動端末2への、パケットの補填を行う補填要請の送信を表す。補填要請を受信した移動端末2は、先に述べた実施例に係るパケット補填方法を用いて、ハンドオーバー発生時にパケットを再送する。
<実施例11>
本実施の形態においては、上述の実施例において相手端末が行っていた処理が中継ノードにより実行される。
図18は、本発明に係る中継ノードについての原理図である。その中継ノードは、例えばモバイルIPv6のホームエージェントであり、データリンク層に、移動端末が送信したパケットの受信を制御する受信制御部60、受信したパケットの相手端末への送信を制御する送信制御部61、タイマ機能を有するタイマ部66およびデカプセル化部67を備える。
受信制御部60は、通常の通信における移動端末からのパケット受信の制御のほか、移動端末から再送されたパケット受信の制御を行う。受信制御部60は、重複検出部62、データ保持部63、位置管理部64および廃棄部65から構成される。重複検出部62は、移動端末から再送されたパケットが、通常のパケットの受信処理において既に受信済みのパケットと重複しているか否かを判断する。データ保持部63は、移動端末から相手端末宛にカプセル化して送信されたパケットを、記憶させておく。位置管理部64は、移動端末がどのネットワーク配下にいるかを表す位置登録情報を管理する。廃棄部65は、移動端末から受信したパケットについて、不要と判断したものを廃棄する。
送信制御部61は、移動端末から受信したパケットを、相手端末に対して送信する処理を制御する。タイマ部66は、受信制御部60の処理に要する時間を管理する。デカプセル化部67は、カプセル化して送信されたパケットを、デカプセル化して上位層に渡す。
図19は、実施例11のパケット補填方法を説明する図である。まず、移動端末2が、無線ネットワークA配下で位置登録を行う。この動作は、パケットの補填を移動端末にて行う実施例1の(1)〜(4)の移動端末の動作と同様である。無線ネットワークA配下の位置登録情報は、図18の位置管理部64に位置管理情報Aとして登録される。
図19の(5)は、移動端末2が送信しようとしているデータである。データを中継ノード6宛に送信するため、(5)のパケットをカプセル化する。(6)では、カプセル化したパケットにシーケンス番号を付与する。カプセル化され、シーケンス番号を付与されたパケットを、移動端末2が中継ノード6に対して送信する。
(7)では、中継ノード6に送信すべきカプセル化されたパケットを、移動端末2内の記憶部にバッファリングする。(8)で、シーケンス番号a1、a2およびa3のパケットを中継ノード6宛に送信する。中継ノード6は、シーケンス番号a1およびa2のパケットを受信している。受信したパケットについては、(9)のように、図17のデータ保持部63に記憶されている。データ保持部63にパケットを格納するとともに、タイマ部66によりタイマを起動する。ここで起動されるタイマは、データ保持部63にパケットを記憶させておく期間を制限するための有効時間についてのタイマである。このタイマが満了すると、パケットは、図18のデカプセル化部67によりデカプセル化される。
中継ノード6がシーケンス番号a1およびa2を受信した時点で、(10)の移動端末2が他のネットワークに移動する。移動先の無線ネットワークB配下で、移動端末2は、位置登録を行う。
移動端末2は、ハンドオーバーの発生を認識すると(あるいは、中継ノード6からのパケット再送の要請を受けると)、(12)で、先の(7)の処理においてバッファリングしたパケットのうち、シーケンス番号a2およびa3のパケットを再送する。
中継ノード6の図18の重複検出部62は、(13)で、再送されたパケットに関し、重複して受信されたか否かを判断する。この例では、シーケンス番号a2のパケットについては、既にデータ保持部63に記憶されているので、廃棄部65により廃棄される。パケットの再送が完了すると、(14)で、シーケンス番号a4以降の、未送信のパケットについて中継ノード6に送信する。(15)では、中継ノード6が(14)で移動端末2が送信したシーケンス番号a4以降のパケットを受信する。
中継ノード6は、シーケンス番号a1〜a7のパケットを受信すると、図18の送信制御部61により、(16)の処理で、それらのパケットを相手端末2に対して送信する。
図19の例では、最初の位置登録時(無線ネットワークA配下での位置登録時)においても、位置管理部64により位置登録情報を作成し、再送されたパケットが、重複して受信されているか否かを、タイマの指定する時間内で判断しているが、これに限られるものではない。例えば、移動端末の最初の位置登録時には、位置管理部64にて位置登録情報は作成しないこととしてもよい。この場合、ハンドオーバーが発生し、移動後のネットワーク配下で位置登録を行うタイミングで初めて位置登録情報が作成され、位置管理部64に登録される。位置登録情報が作成され、位置管理部64に登録されたことを契機として、中継ノードが重複して受信したパケットの判断を行う。
また、ハンドオーバー発生により、データ番号について昇順でパケットが受信されない事象が生じるとタイマを起動させ、所定の期間が経過したことを契機として、図19の(13)以降の処理を実行させてもよい。パケットの再送処理がなされ、昇順で受信パケットのデータ番号が並んだことを契機として、デカプセル化処理を行い、相手端末5にパケットを送信することとしてもよい。このような手順を導入すれば、パケット転送に要する時間を短縮させることができる。
実施例11においても、実施例3と同様に、移動端末2が再送パケットに重複送信フラグを設定するようにしてもよい。この場合、中継ノード6の中に設けられている重複検出部62が、重複送信フラグの設定されたパケットについてのみ重複して受信されたか否かの判断を行う。
重複送信フラグについて、更に詳細に説明する。図20は、移動端末が中継ノードに対して送信するパケットに重複送信フラグを埋め込んだ構成の例である。同図のように、重複送信フラグは、例えばIPv6ヘッダ間にデスティネーション・オプションヘッダを追加することによって実現される。
図20の※印は、デスティネーション・オプションヘッダの内容を表す。このうち、シーケンス(Sequence)は、図20においては、「xxxx」の値が格納されている。シーケンスには、図19の(6)で付与されたシーケンス番号が格納される。オプションタイプ(Option Type)は、図20においては「x」の値が格納されている。オプションタイプは、他で使用されていないコードを用い、送信されたパケットが再送されたパケットであるのか否かを判別させている。
このように、実施例11のパケット補填方法では、ハンドオーバー発生後に移動端末がパケット再生を行った場合、重複した到着したパケットは、中継ノードによって廃棄される。このため、相手端末の負担を軽くすることができる。
<実施例12>
本実施の形態においては、移動端末が、ネットワーク内の電波強度の変化を検出し、パケットの再送を行う。
図21は、電波強度に応じて送信パケットの補填を行う移動端末についての原理図である。移動端末は、データリンク層に、送信制御部21と補填要否判断部29を備える。送信制御部21については、図1を示したものと同じなので、ここでは説明を省略する。
補填要否判断部29は、図1に示したネットワーク移動検出部22に、更に電波強度監視部26および判定部27を備えている。電波強度監視部26は、移動端末が位置登録されているネットワークの電波の強度を監視する。判定部27は、電波強度監視部26が監視するネットワークの電波強度について、しきい値との比較を行う。
図22は、実施例12のパケット補填方法を説明する図である。無線ネットワークA配下で、移動端末2が位置登録されている。そして、移動端末2は、データ番号1〜5のパケット(5)を、相手端末5に送信しようとしている。
(6)で、移動端末2が、データ番号1および2のパケットを相手端末5に向けて送信する。(7)では、相手端末5がデータ番号1および2のパケットを受信する。ここで、(8)の、無線ネットワークA内での電波強度が小さくなったことが、電波強度監視部26にて検出される。この検出は、判定部27が、所定の第1のしきい値と電波強度とを比較を行うことにより実現される。
電波強度が第1のしきい値よりも小さくなったことが検出されると、(9)の、電波強度補填選択フラグがオンに切り替えられる。電波強度補填選択フラグがオンに切り替えられることにより、補填情報管理部24および送信データ保持部23の動作が開始される。
先の(6)の処理ではデータ番号2のパケットまで送信済みであるので、次のデータ番号3のパケットから送信を再開する。(10)では、電波強度補填選択フラグがオンに設定されているので、データ番号3および4の送信データを図21の送信データ保持部23に記憶させる。
(11)は、無線ネットワークAの電波強度が小さいときにデータ番号4のパケットが送信されたことにより、このパケットが、移動端末2から相手端末5に向けて送信される途中で欠落したことを表す。したがって、(12)のように、相手端末5においては、(10)の処理で移動端末2が送信したパケットのうち、データ番号3のパケットしか受信していない。
(13)において電波強度が回復する。ここでは、電波強度が、第1のしきい値よりも高い第2のしきい値を超えたものとする。そうすると、(14)に示されるように、補填情報管理部24が、再送データとして1段前段のパケットを再送するよう指示する。(15)で、補填情報管理部24の指示により、通常の送信処理で送信されるデータ番号5よりも1段前段の、データ番号4のパケットが再送される。移動端末2が再送したデータ番号4のパケットは、(16)で、相手端末5にて受信される。
(17)では、移動端末2は、電波強度補填選択フラグをオフにする。フラグをオフにした後、移動端末2は、(18)の、未送信データであるデータ番号5のパケットを、相手端末5に向けて送信する。(19)は、相手端末5にてデータ番号5のパケットが受信されたことを表す。
このように、実施例12のパケット補填方法では、移動端末がネットワークの電波強度を監視し、その電波強度が第1のしきい値よりも小さくなったときから第2のしきい値まで回復する期間に送信したパケットを再送する。これにより、一時的に電波強度が低下することにより発生するパケットの損失を補填できる。
なお、第1のしきい値あるいは第2のしきい値と電波強度との比較による電波強度補填選択フラグのオン/オフ設定の判断は、図23に示す補填要否判断テーブルに基づいて行われる。補填要否判断テーブルは、メディア、電波強度補填選択フラグ、補填情報送信開始電波しきい値(先述の第2のしきい値)とその電波強度保護数および補填開始電波強度しきい値(先述の第1のしきい値)とその電波強度保護数から構成される。
メディアは、電波強度監視部26が監視する対象となるメディアについての情報が格納される。この例では、例えば、「無線ネットワークA」または「無線ネットワークB」についての情報が格納される。電波強度補填選択フラグは、パケットの補填処理を実行するか否かを識別する。
補填情報送信開始電波しきい値は、パケット再送処理完了後、図22の(13)でパケット送信処理を再開するか否かを判断する際に、実測した電波強度と比較される。また、電波強度保護数m段は、パケット送信を開始させることを判断する際の基準値として用いられる。小さくなっていた電波強度が回復し、次第に大きくなってきた場合、電波強度が、連続してm回以上補填情報送信開始電波しきい値を超えると、パケットの送信を再開してもよいと判断される。
補填開始電波強度しきい値は、パケット送信時、図22の(8)で、無線ネットワークA内での電波強度が小さくなったことを検出する際に、実測した電波強度と比較される。また、電波強度保護数n段は、パケットの再送を開始させることを判断する際の基準値として用いられる。電波強度が次第に小さくなってきた場合、電波強度が、連続してn回以上補填開始電波強度しきい値を下回ると、パケットの再送の処理を開始すると判断する。
このように、実施例12のパケット補填方法では、ネットワークの電波強度の大きさによって適宜パケットの再送を行うことができる。
以上、ハンドオーバーあるいは電波強度の変化によるパケットロスを防止するためパケットの再送を行い、パケット補填を行う方法の実施例を説明した。上記実施例に係るパケット補填方法は、送信端末である移動端末、受信端末である相手端末および中継ノード間で送受信されるパケットによって、最適なパケット補填方法が選択され、実行される。図24、25および26は、それぞれ送信端末、受信端末および中継ノードのブロック図である。これらブロック図を参照して、上記実施例に係るパケット補填方法のうち、最適なパケット補填方法を選択し、実行する処理について説明する。
まず、送信端末の処理について説明する。図24は、送信端末側のブロック図である。同図の送信パケット補填処理部39が、図1のデータリンク層の補填情報管理部24、送信データ保持部23およびダミーACK廃棄部25に対応する。同図に沿って、パケットのメッセージあるいは電波強度を示す電波情報に基づいて、送信端末がパケット補填を行う処理について説明する。
送信端末は、ネットワーク側から、ネットワークインタフェース31を介して、パケットを受信する。そして、受信したパケットの種別が、パケット識別部32により識別される。
受信したパケットがアプリケーションデータパケットである場合、パケット分解部35にて、パケット中のデータが抽出される。抽出されたデータはアプリケーションプログラム部36に渡される。アプリケーションプログラム部36は、抽出されたデータを、ユーザインタフェース37を介して上記装置に送る。
データを送信する際には、アプリケーションプログラム部36からパケット組立部38に送信データが渡される。パケット組立部38は、送信データにヘッダを付与する等パケット送信に必要な処理を行う。組み立てられたパケットは、送信情報選択処理部28により、送信データ保持部23に記憶された後、ネットワークインタフェース31を介して送信される。
受信したパケットがモバイルIPメッセージあるいは位置登録完了を通知するBAメッセージ(Binding Ackメッセージ)である場合、モバイルIPメッセージ処理部34にて処理がなされる。
受信したパケットがルータ広告メッセージである場合、ルータ広告メッセージ処理部33にて処理がなされる。ルータ広告メッセージ処理部33では、ルータ広告メッセージにより移動端末が他のアクセスルータの通信エリアに移動したことを検出すると、モバイルIPメッセージ処理部34にその旨を通知する。モバイルIPメッセージ処理部34は、送信パケット補填処理部39に対してハンドオーバーが発生したことを通知し、パケットの再送を行うよう指示する。
補填情報管理部24は、図14の送信端末補填情報管理テーブルに基づいて再送するパケット数あるいは再送を行う時間について管理する。補填情報管理部24のテーブルの値に基づいて、送信情報選択処理部28では再送するパケットを指定し、送信データ保持部23から指定するパケットを読み出す。送信情報選択処理部28では、読み出したパケットを、ネットワークインタフェース31を介して送信する。
受信したパケットのメッセージが、パケットの再送の停止、パケットの記憶あるいはパケットの再送を要求する停止要請/保持要請/送出要請の場合、送信パケット補填処理部39の補填情報管理部24に、そのメッセージが渡される。補填情報管理部24では、メッセージに基づいて、パケット再送処理(再送処理の停止を含む)に係る情報を格納あるいは更新する。メッセージが停止要請の場合、補填情報管理部24がパケットの送信を停止させる。保持要請の場合、送信しようとするパケットについて、送信の前に送信データ保持部23に記憶させる。送出要請の場合、補填情報管理部24は、所定のパケットについて送信データ保持部23から読み出して再送処理を行うよう、送信情報選択処理部28に対して指示を行う。送信情報選択処理部28は、指定されたパケットを送信データ保持部23から読み出し、ネットワークインタフェース31を介して送信する。
電波強度の変化によりパケットの再送を行う場合、電波強度の低下によりパケットの再送が必要と判断すると、アプリケーションプログラム部36は、補填情報管理部24に対し、状態切り替え指示(電波強度補填選択フラグの設定)を出す。指示を受けた補填情報管理部24では、ハンドオーバー時と同様のパケット送信を停止させる処理、パケットを記憶させる処理あるいはパケットを再送させる処理について実行させる。
次に、受信端末が行う処理について、図25の受信端末側のブロック図を用いて説明する。同図の受信情報構築処理部41、重複検出時廃棄処理部43が、図3の重複検出部52、廃棄部53にそれぞれ対応する。図25に沿って、ハンドオーバー時あるいは電波強度の変化によってパケット補填を行う際の、受信端末側の処理について説明する。
ネットワークからネットワークインタフェース90を介してパケットを受信した受信端末は、受信したパケットを、パケット識別部40に渡す。パケット識別部40は、パケットの種別を識別し、その結果に応じてそのパケットを受信情報構築処理部42あるいは補填有効通知部48に転送する。
受信情報構築処理部42は、受信メッセージに対応する処理を実行する。重複判断処理部42は、同一のパケットを重複して受信したか否かを判断する。保持時間管理部44は、タイマ47を利用して、受信パケットを保持しておく期間を管理する。パケット保持バッファ部45は、保持時間管理部44により管理されている期間、受信パケットを保持する。受付情報停止制御部46は、送信端末に対し、パケットの再送を停止する必要があるか否かを判断し、補填要請部49に対して要請メッセージを送信させる。
重複検出時廃棄部43は、受信情報構築処理部41の重複判断処理部42により、受信したパケットが、既に受信したパケットと重複して受信されたものであると判断されると、重複して受信されたパケットを廃棄する。
補填有効通知部48は、受信端末が、補填を行うことが可能な重複有効数あるいは判断保持時間を設定し、送信端末側に通知を行う。この処理は、例えば実施例7において、受信端末が重複保護要請を受信した際に実行される。
補填要請部49は、停止要請・保持要請・送出要請等のメッセージを作成する。補填要請部49で作成されたメッセージは、ネットワークインタフェース90を介して、送信端末に向けて送信される。
図39は、補填要請部49が作成する要請メッセージの構造の例である。図39のデスティネーション・オプションヘッダ(destination option header)中のコード(code)によって、そのメッセージの要請の内容が、メッセージの受信側である送信端末のパケット識別部32にて判断される。
次に、中継ノードが行う処理を、図26のブロック図を用いて説明する。同図の受信情報構築処理部80および重複検出時廃棄部75は図18の受信制御部60に対応し、同図の補填要請部76は、図18では送信制御部61に含まれる。図26に沿って、送信端末の位置登録あるいはパケットの補填方法を実行する際の、中継ノードの処理について説明する。
送信端末の位置登録を行うとき、まず、ルータ広告を受信した送信端末が、気付けアドレス(CoA)を作成し、中継ノードに対して送信する。中継ノードは、受信処理部71にて受信したパケットをパケット識別部72にて判別する。位置登録処理部73は、アプリケーションプログラム70を実行させ、結合キャッシュを利用して気付けアドレスCoAとホームアドレスHoAとを関連付けて登録する。位置登録の処理完了後、位置登録応答を送信端末に対して送信する。
気付けアドレスCoAが登録されたときは、位置登録処理部73により位置登録応答メッセージを含むパケットが作成され、送信処理部79から送信端末に向けて送信される。
受信端末宛のパケットを受信したときは、基本的には、そのパケットをカプセル化してそのあて先アドレスへ転送する。ただし、送信端末において補填処理が実行される場合には、受信パケットを保持する処理、受信パケットの重複を検出する処理、および重複したパケットを廃棄する処理などが実行される。なお、受信情報構築処理部80の構成および動作は、基本的に、図25に示した受信端末に設けられる受信情報構築部と同じなので、説明を省略する。
次に、上記実施例1〜12に係るパケット補填方法図27から図38のフローチャートを用いて詳細に説明する。
図27は、送信端末(移動端末)の基本動作を示すフローチャートである。
図27の(a)は、実施例に係るパケット補填方法を実行する契機を説明するフローチャートである。同図のステップS01で、電波強度が小さくなっていたのが所定のしきい値を超えたことあるいは送信端末の移動によりハンドオーバーが発生したことを、送信端末側で認識する。これにより、ステップS02で、送信データ契機フラグがオン(1)に設定され、実施例に係るパケット補填を実行させる動作モードにうつる。
図27(b)は、送信端末によるパケットの再送処理あるいは通常のパケット送信処理を説明するフローチャートである。送信端末が、あるパケットについて送信するよう指示を受けるかまたは、送信データ契機フラグがONになるかの何れかの場合、ステップS1で、送信データ契機フラグがオンかオフかを判断する。送信データ契機フラグがオフに設定されているとき、処理はステップS14に進む。ステップS14では、送信データがある場合を判定し、送信データが存在している場合はS14−1に進み、データを送信データ保持情報に格納を行う。その後に、S14−2でパケット送信処理を行い、処理を終了する。
送信データ契機フラグがオンに設定されているとき、処理はステップS2へと進む。ステップS2では、送信情報選択処理が実行される。この送信情報選択処理とは、図1の補填情報管理部24による処理で、再送の必要なパケットが指定される。ステップS3では、ステップS2で指定されたパケットが、図1の送信データ保持部23に記憶されているか否かを判断する。再送すべきパケットが送信データ保持部23に記憶されていない場合、処理はステップS14へと進む。以降、ステップS14で、未送信のパケットについて通常の送信処理を行い、処理を終了する。
ステップS3でNo、すなわち再送すべきパケットが図1の送信データ保持部23に記憶されている場合、処理はステップS4へと進む。ステップS4では、ステップS2の送信情報選択処理により指定されたパケットの情報である送信データ保持情報と、未送信のパケットの中の先頭のパケットのデータ番号とを比較する。送信データ保持情報が、通常のパケット送信において次に送信されるべきパケットのデータ番号を超えている場合(ステップS4でYesの場合)、処理はステップS12へと進む。ステップS12では、送信データ契機フラグをオフに設定し、処理はステップS14へと進む。ステップS14では、通常のパケット送信がなされ、処理を終了する。
送信データ保持情報が、通常のパケット送信において次に送信されるべきパケットのデータ番号よりも小さい場合(ステップS4でNoの場合)、処理はステップS5へと進む。ステップS5では、再送されるべきパケットについて、図1の補填情報管理部24が指定するデータ番号からの送信が可能であるか否かを判断する。ステップS5でYesの場合、処理はステップS6に進む。ステップS6では、指定されたデータ番号のパケットから再送を開始するよう、送信データを指定送信位置に設定し、処理はステップS8へ進む。ステップS5でNoの場合、処理はステップS7に進む。ステップS7では、次に送信されるべきパケットのデータ番号からパケットを送信するよう、送信データを現在送信位置に設定し、処理はステップS8へ進む。なお、ここでは、パケットの送信は送信位置が指すデータ番号のパケットから行われるものとする。
ステップS8で、送信データ契機フラグがオンかオフかを判断する。ステップS8で送信データ契機フラグがオフに設定されており、Noの場合、処理はステップS13へと進む。ステップS13では、図1の送信データ保持部23に記憶された送信データ保持情報のうち、設定されている送信位置までのパケットを消去する。消去後、処理はステップS14へと進み、通常のパケット送信を行い、処理を終了する。
ステップS8でYes、すなわち送信データ契機フラグがオンに設定されている場合、処理はステップS9へと進む。ステップS9では、1パケット再送される。ステップS10では、送信位置のデータ番号を1加算し、次に再送するパケットの送信データ番号を設定する。
ステップS11では、送信データ保持情報と、通常のパケット送信処理で未送信のパケットの情報とを比較する。送信データ保持情報が、通常のパケット送信において、次に送信されるパケットのデータ番号を超えている場合(ステップS11でYesの場合)、処理はステップS12へと進む。ステップS12以降の処理については、先述のとおりであるのでここでは省略する。
送信データ保持情報が、通常のパケット送信において次に送信されるべきパケットのデータ番号よりも小さい場合(ステップS11でNoの場合)、処理はステップS8に戻り、パケットの再送が継続される。
このように、ハンドオーバーの発生または無線電波強度の回復を検出したとき、送信データ保持部にデータが保持されていれば、補填情報管理部が指定する回数だけステップS8〜S11が繰り返し実行され、その実行回数に対応する数のパケットが再送される。
図28は、受信端末側からの要請に基づいて送信端末がパケットの再送を行う場合の、送信端末と受信端末とのネゴシエーションの処理のフローチャートである。同図は、送信端末が、受信端末側から要請メッセージを受信した際の、送信端末の処理を表す。
ステップS21で、送信端末が、受信端末からメッセージを受信する。メッセージを受信した送信端末は、ステップS22で、受信したメッセージについて、それが受信端末の要請する処理を、送信端末に実行させる要請メッセージであるか否かを判断する。要請メッセージでない場合(ステップS22でNoの場合)、処理はステップS31へと進む。ステップS31では、通常のパケットを受信したときの処理を行う。
受信したメッセージが要請メッセージである場合(ステップS22でYesの場合)、処理はステップS23へと進む。ステップS23では、送信端末が補填情報送信中であるか否か、つまりパケットの再送の処理を実行中であるか否かを判断する。パケット再送処理実行中の場合、処理はステップS24へと進み、実行中以外の場合、処理はステップS28へと進む。ステップS24、S28では、メッセージ中の要請の内容(図39のコード(code))について判断される。
パケット再送処理実行中の、ステップS24の要請判断において、停止要請である場合、ステップS25にて停止要請処理が実行される。要請が次回送出位置要請である場合、ステップS26にて次回送出位置要請処理が実行される。それ以外の要請である場合は、ステップS27にて、受信したメッセージの内容に従い、送信端末補填管理テーブルのデータを更新する。ステップS25、26あるいは27にて処理が実行されると、ネゴシエーション処理を終了する。
パケット再送処理実行中でないとき、ステップS28の要請判断がなされる。ステップS29で、要請が停止要請あるいは次回送出位置要請であるか否かが判断される。ステップS29でYesの場合、処理はステップS30に進む。ステップS30では、メッセージの廃棄を行い、ネゴシエーション処理を終了する。
ステップS29でNoの場合、処理はステップS27に進む。ステップS27では、先にパケット再送処理実行中の場合の処理の説明で述べたように、受信したメッセージの内容に従い、送信端末補填管理テーブルのデータを更新する。データ更新後、ネゴシエーション処理を終了する。
図28のステップS25の停止要請処理、ステップS26の次回送出位置要請処理について、具体的にその処理内容を説明する。図29は、図28のステップS25の、停止要請処理のフローチャート、図30は、図28のステップS26の、次回送出位置要請処理のフローチャートである。まず、図29を参照して、停止要請処理について述べる。
停止要請処理が開始されると、ステップS41で、メッセージ中のデータ「time」と「count」について、「time=0かつcount=0」であるか否かを判断する。ステップS41でYesの場合、処理はステップS42へ進む。ステップS42では、補填送信動作停止の処理、すなわちパケットの再送を停止させる処理を行う。次のステップS43では、通常のパケット送信処理で次に送信される予定のデータ番号と比較して、小さいデータ番号を有する送信データ保持情報について消去する。該当する送信データ保持情報を消去すると、停止要請処理を終了する。
ステップS41でNoの場合、処理はステップS44に進む。ステップS44では、timeについて、「time=0」であるか否かを判断する。timeが0以外の値を取るとき(ステップS44でYesの場合)、処理はステップS45へと進む。ステップS45では、タイマ登録要請処理を実行し、処理はステップS46へと進む。time=0のとき(ステップS44でNoの場合)、処理は行わず、ステップS46に進む。
ステップS46では、countについて、「count=0」であるか否かを判断する。countが0以外の値を取るとき(ステップS46でYesの場合)、処理はステップS47へと進む。ステップS47では、メッセージで指定されたパケット再送を開始させるデータ番号について、有効であるか否かを判断する。メッセージで指定するデータ番号から再送することが可能である場合(ステップS47でYesの場合)、処理はステップS48へ進む。ステップS48では、メッセージの内容に従い、再送を開始するデータ番号の設定を行い、停止要請処理を終了する。メッセージで指定するデータ番号からの再送が不可能である場合(ステップS47でNoの場合)、処理はステップS49へ進む。ステップS49では、メッセージの内容を実行することが不可能であるとして、メッセージの廃棄を行い、停止要請処理を終了する。
count=0のとき(ステップS46でNoの場合)、処理を行わず、停止要請処理を終了する。
次に、図30を参照して、次回送出位置要請処理について説明する。
図30のステップS51では、受信したメッセージ中の「count」のデータについて、count=0以外の値を取るか否かを判断する。count=0の場合(ステップS51でNoの場合)、メッセージでは現在の送信位置からパケットを送信するよう要請しているとして、ここでは処理を行わず、次回送出位置要請処理を終了する。
countが0以外の値を取るとき(ステップS51でYesの場合)、処理はステップS52に進む。ステップS52では、メッセージが指定する送信位置のデータ番号から、パケットを再送することが可能か否かを判断する。不可能であると判断されると(ステップS52でNoの場合)、処理はステップS54へ進む。ステップS54では、メッセージの指示どおりの位置からパケットの再送を行うことはできないとして、メッセージの廃棄を行い、次回送出位置要請処理を終了する。
メッセージが指示する位置からパケットの再送を行うことが可能と判断されると(ステップS52でYesの場合)、処理はステップS53へと進む。ステップS53では、次に送信する送信位置として、メッセージ中のcountの値を格納し、送信位置データを更新する。送信位置データ更新後、次回送出位置要請処理を終了する。
図31および図32を用いて、図29の停止要請処理のフローチャート中の、ステップS45のタイマ登録要請処理について具体的に説明する。図31は、タイマ登録処理のフローチャート、図32は、タイマ管理処理のフローチャートである。
図31のステップS61では、タイマ処理要請を待機している。タイマ処理要請を受信すると、処理はステップS62へと進む。ステップS62では、メッセージで要請されているタイマ値、countが0であるか否かを判断する。ステップS62でYesの場合、メッセージではタイマ値の要請がされていないものとして、タイマ登録処理を終了する。
ステップS62でNoの場合、処理はステップS63へ進む。ステップS63では、受信したメッセージに基づいて、タイマ管理情報に、タイマ情報を追加する。次の処理ステップS64では、要請タイマ数を1加算する。ここで、要請タイマ数とは、送信端末側からの要請によるタイマの数を指す。要請タイマ数を1加算後、ステップS65で、タイマ管理動作に対して接続通知を行う。接続通知後、タイマ登録処理を終了する。
図32のタイマ管理処理のフローチャートは、図31のタイマ登録処理が完了したことを受けて、動作を開始した複数のタイマについて管理する処理を表す。
ステップS71は、図31のタイマ登録処理のステップS65の処理により、接続通知の受信を待機している。接続通知を受信すると(ステップS71でYes)、処理はステップS72に進む。ステップS72では、要請タイマ数が0であるか否かを判断する。要請タイマ数が0の場合(ステップS72でYesの場合)、現在メッセージにより設定されたタイマが存在しないとして、処理はステップS71の接続通知待ちの状態に戻る。
要請タイマ数が0以外の値を取る場合(ステップS72でNoの場合)、すなわちパケット補填処理を行う通信が1以上設定されているとき、処理はステップS73に進む。そして、各タイマについて、所定の周期毎に、ステップS73〜S79の処理を実行する。
ステップS73では、送信端末から要請を受けた複数の要請タイマのうち、一のタイマについてそのタイマ値であるcountを1減算する。1減算後、処理はステップS74に進む。
ステップS74では、countを1減算した要請タイマについて、count=0であるか否かを判断する。タイマ値のcountが0でない場合(ステップS74でNoの場合)、処理はステップS75に進む。ステップS75では、タイマ管理情報の有無、つまり当該周期において未だステップS73〜S74の処理が行われていないタイマが残っているか否かを判断する。そして、未処理のタイマが存在する場合(ステップS75でYesの場合)は、ステップS76において、未処理の要請タイマの中から次のタイマを選択し、ステップS73の処理に戻る。これにより、ステップS73からステップS75の処理がすべての要請タイマについて実行される。
すべての要請タイマについて上記処理が実行されると、ステップS77へ進んで待機状態に入る。そして、所定の待機時間経過後、処理はステップS72に戻り、上記の処理が繰り返される。
ステップ73〜S76を繰り返し実行する過程において、タイムアウト(ステップS74でYesの場合)となったタイマについては、ステップS78およびS79が実行される。すなわち、ステップS78では、タイムアウト通知の処理を行う。タイムアウト通知処理については、後述する。タイムアウト通知後、ステップS79で、タイムアウト通知を行った要請タイマについてのタイマ管理情報を削除する。この後、処理はステップS75に戻る。なお、ステップ72〜S79の処理は、すべての要請タイマについてそのタイマ管理情報が削除されるまで繰り返し実行される。
図33は、要請タイマがタイムアウトになり、タイムアウト通知を受信した場合のタイムアウト通知処理のフローチャートであり、図32のステップS78の処理を具体的に示したものである。
ステップS81で、補填情報を送信中であるか否か、すなわちパケットの再送中であるか否かを判断する。パケット再送中である場合(ステップS81でYesの場合)、処理はステップS82に進む。ステップS82では、パケット補填方法を実行する契機となる、送信データ契機フラグをオフに設定する。次のステップS83の処理で、通常のパケット送信処理で次に送信される予定のデータ番号と比較して、小さいデータ番号を有する送信データ保持情報について消去する。該当する送信データ保持情報を消去すると、タイムアウト通知処理を終了する。
ステップS81でNo、すなわちパケット再送中でない場合、処理はステップS84に進む。ステップS84では、パケットの再送を行っていないため、受信したタイムアウト通知を廃棄するのみで他の処理は行わず、タイムアウト通知処理を終了する。
図34は、受信端末の基本動作を説明するフローチャートである。
ステップS91で、パケットを受信する。ステップS92で、送信データ補填機能が有効であるか否かを判断する。送信データ補填機能により、受信端末側で、受信したパケットを記憶させておき、記憶させたパケットと送信側が送信したパケットとを比較する。送信データ補填機能が有効に設定されている場合は、ステップS93の処理に進む。無効に設定されている場合は、ステップS94の処理に進む。
ステップS93では、受信したパケットについて、それが受信管理テーブルの範囲内であるか否かを判断する。受信管理テーブルの範囲内である場合(ステップS93でYesの場合)、受信データ補填保持処理を行う。なお、受信データ補填保持処理については、図35を参照して、後に説明する。受信管理テーブルの範囲内でない場合(ステップS93でNoの場合)、実施例に対応する処理を行わず、通常のパケット受信を行う(ステップS100)。なお、ステップS93においては、例えば、前回受信したパケットと今回受信したパケットとの間で、受信した時間の差あるいは、重複して受信したパケットか否かを判断するパケット数である重複有効数を超過しているか否かに基づいて判断する。
ステップS94では、受信したパケットのメッセージが、補填保持要請であるか否かを判断する。補填保持要請でない場合(ステップS94でNoの場合)、処理はステップS100に進み、通常のパケット受信処理を行う。この場合、実施例に対応する処理は行わない。受信したパケットが補填保持要請メッセージである場合(ステップS94でYesの場合)、処理はステップS95に進む。
ステップS95では、補填有効通知機能が起動しているか否かを判断する。補填有効通知機能とは、送信端末側に対して、受信端末が設定可能な補填有効時間あるいは再送データ数を通知する機能である。
補填有効通知機能が起動されている場合、ステップS96へ進み、送信端末からの補填要求が、受信端末の設定可能な範囲内か否かを判断する。可能な範囲内である場合(ステップS96でYesの場合)、処理はステップS97に進む。ステップS97では、送信端末からの要請メッセージの内容に基づいて、送信要求情報を設定する。設定後、ステップS98で、補填割付通知を、送信端末に対して送信し、処理を終了する。
ステップS96で、送信端末からの補填要求は、受信端末側では設定不可能である場合、処理はステップS99へ進む。ステップS99では、受信端末が設定可能な補填有効時間あるいは再送データ数等に基づき、受信側管理情報を設定する。設定後、ステップS98で、補填割付通知を送信端末に対して送信し、処理を終了する。
ステップS95でNo、すなわち補填有効通知機能が起動されていない場合、処理はステップS101に進む。ステップS101では、送信端末からの要請メッセージを廃棄し、処理を終了する。
図35は、図34のステップS93でYesの場合に実行される、受信データ補填保持処理のフローチャートである。以下、同図を参照して受信データ保持処理について説明する。
ステップS111では、受信有効数あるいは未起動のタイマについて、図15の受信端末管理テーブルに設定がされているか否かを判断する。なお、図35の受信有効数、タイマのタイマ値は、図15の受信端末管理テーブルでは、再送データ数、保証時間にそれぞれデータが格納されている。ステップS111でYesの場合、処理はステップS112に進む。ステップS112では、受信有効数が設定されているか否かを判断する。設定されている場合は、処理はステップS113に進み、受信有効数分のパケットについて、記憶させることとし、処理はステップS114に進む。受信有効数については設定されていない場合(ステップS112でNoの場合)、処理は行わず、ステップS114に進む。
ステップS114では、タイマ値として値が格納されているか否かを判断する。ステップS114でYesの場合、処理はステップS115に進む。ステップS115では、タイマ起動の処理を実行させ、処理を終了する。なお、ステップS115のタイマ起動処理は、図32で示した受信側におけるタイマ登録処理と同様の処理を、受信端末側で実行させてもよい。タイマ値として有効な値が格納されていない場合(ステップS114でNoの場合)、処理は行わず、処理を終了する。
ステップS111でNoの場合、処理はステップS116に進む。ステップS116では、再送されたパケットについて、既に受信済みのパケットと重複していないかを判断する。ステップS116でNo、すなわち重複して受信したパケットではないと判断した場合、処理はステップS117に進む。ステップS117では、受信したパケットについて、受信端末側で記憶させる。
ステップS116でYes、すなわち再送パケットは、受信端末にて重複して受信したパケットであると判断した場合、処理はステップS118に進む。ステップS118では、重複して受信した再送パケットについて廃棄を行い、処理はステップS119に進む。
ステップS119では、受信端末がパケットの再送を不要と判断した場合の、停止要請の送信端末への送信について、設定がされているか否かを判断する。ステップS119でYesの場合、処理はステップS120に進む。ステップS120では、停止要請を送信端末に向けて送信し、処理を終了する。停止要請を受信した送信端末側では、図29の処理が実行される。
ステップS119でNoの場合、処理はステップS121に進む。ステップS121では、送信端末が再送するパケットのデータ番号を、送信端末に指示する次回送出位置要請について、必要時に送信するよう設定されているか否かを判断する。ステップS121でYesの場合、処理はステップS122に進む。ステップS122では、次回送出位置要請を送信端末に向けて送信し、処理を終了する。次回送出位置要請を受信した送信端末側では、図30の処理が実行される。ステップS121でNoの場合、受信データ補填保持処理を終了する。
図35の受信データ補填保持処理においてタイマが動作している場合、そのタイマがタイムアウトになった場合の処理について説明する。図36は、受信端末側におけるタイムアウト時の処理のフローチャートである。
まず、タイマがタイムアウトになったことを通知されると(ステップS131)、ステップS132の処理を行う。ステップS132では、受信データ情報上位通知を行う。受信データ情報上位通知では、通信中にタイムアウトが起こったパケットについて、図3では上位層のTCP/IP層に対して、通知を行う。受信データ情報上位通知処理後、処理を終了する。
タイムアウト時と同様、図35のステップS117にて、記憶させたパケット数が、受信端末の受信有効数を超過した場合の処理について図37で説明する。図37は、受信端末側において、記憶させた再送パケット数が有効保持数を超過した際の処理のフローチャートである。
まず、記憶させた再送パケット数が、有効保持数を超えると(ステップS141)、ステップS142の処理を行う。ステップS142では、受信データ情報上位通知を行う。受信データ情報上位通知は、図36のステップS132におけるそれと同義であり、図3のTCP/IP層に通知を行う。受信データ情報上位通知処理後、処理を終了する。
なお、図34〜図37に示すフローチャートの処理は、受信側装置において実行される。ここで、受信側装置とは、上述の実施例では、相手端末5だけでなく、中継ノード6を含む概念である。
送信端末、受信端末は、図27〜図37の処理により、実施例に係るパケット補填方法を行うが、このうち実施例11では、ネットワークに応じたパケットの再送を行う。ネットワークに応じたパケット補填方法では、図14の送信端末補填情報管理テーブルから、予めネットワーク毎の設定値を読み出して利用することもできるし、送信端末−受信端末間のネゴシエーションによって値を定めてテーブルに格納し、ネゴシエーションにより決定された値を利用することもできる。図38を用いて、ネットワークに応じてパケットの再送に必要な値を設定する処理について説明する。
図38は、送信端末補填情報管理テーブルから、所望のテーブルを選択する処理のフローチャートである。
所望のテーブルを選択するに当たり、まず、ステップS151で、接続されているネットワークを検出する。次に、ステップS152で、メディアの切り替えが発生したか否かを判断する。切り替えが発生していない場合(ステップS152でNoの場合)、テーブル選択の処理は行わず、処理を終了する。
メディア切り替えが発生した場合(ステップS152でYesの場合)、処理はステップS153に進む。ステップS153では、メディア割付テーブル設定が行われる。メディア割付テーブル設定とは、例えば、図14の送信端末補填管理テーブルに、切り替え後のネットワークメディアについてのテーブルを割り当てることである。テーブル割り当て後、処理はステップS154に進む。
ステップS154では、選択モードの判断が行われる。ステップS154の処理では、切り替え後のネットワークメディアに対して固定されたデータを使用してパケット補填を行うモード、あるいは実施例11のように、送信端末と受信端末との間でネゴシエーションを行って決定されたデータを使用してパケット補填を行うモードとのうち、いずれかのモードが選択される。
メディア固定情報に基づいてパケット補填を行う場合、処理はステップS155に進む。ステップS155では、割付テーブルのうち、図14のメディア固定使用情報に格納されたデータが選択される。メディア固定使用情報の再送データ数あるいは保証時間等が、パケット補填処理実行時に用いられる。
ネゴシエーション情報に基づいてパケット補填を行う場合、処理はステップS154からステップS156に進む。ステップS156では、割付テーブルのネゴシエーション情報中の通信先識別情報データに、通信先が含まれているか否かを判断する。ネゴシエーション情報の通信先識別情報データに、通信先が含まれていない場合、ネゴシエーション情報テーブルを使用することができないとして、処理はステップS155に進み、パケット再送時には、メディア固定使用情報を用いることにする。
ネゴシエーション情報の通信先識別情報データに通信先が含まれている場合、処理はステップS157に進む。ステップS157では、通信先についてのネゴシエーション情報テーブルを選択する。選択されたネゴシエーション情報テーブルには、実施例11に係るネゴシエーション処理で、値が格納される。
メディア固定使用情報テーブルあるいは通信先についてのネゴシエーション情報テーブルが選択されると、ステップS158で、送信端末は中継ノードに対し位置登録情報を送信し、テーブル選択処理を終了する。
なお、以上説明した処理のうち、受信端末が行う処理について、中継ノードに処理を実行させることとしてもよい。
以上、本発明のパケット補填方法によれば、ハンドオーバー発生時や電波強度が小さくなった場合には、所定のパケットについて再送が行われる。このため、パケットの損失が回避される。また。上位層の制御によりフロー制御(パケット再送手順)の実行が回避されるので、スループットの低下を防ぐことができる。さらに、受信端末あるいはネットワークの状態に応じて再送するパケット数や再送する時間を設定することができるため、通信環境に応じたパケット再送を行うことができる。
(付記1)
モバイルIPネットワークにおいて、
移動端末が送信したパケットをその移動端末内の記憶手段に記憶させる工程と、
前記移動端末において、パケット再送に係わる動作を標示する補填情報を管理する工程と、
前記移動端末についてのハンドオーバーが発生したときに、前記移動端末が前記補填情報に基づいて前記記憶手段に記憶されているパケットを送信する工程、
を備えたことを特徴とする送信パケット補填方法。
(付記2)
モバイルIPネットワークにおいて、
移動端末が無線電波の強度を監視する工程と、
無線電波の強度が所定のしきい値を下回ったことを検出すると、前記移動端末が送信したパケットをその移動端末内の記憶手段に記憶させる工程と、
無線電波の強度が回復したことを検出すると、前記移動端末が前記記憶手段に記憶されているパケットを送信する工程、
を備えたことを特徴とする送信パケット補填方法。
(付記3)
受信側装置において、重複して受信したパケットを廃棄する工程、を更に備えたことを特徴とする付記1または2に記載の送信パケット補填方法。
(付記4)
前記移動端末において、再送パケットに対して重複送信フラグを設定する工程、を更に備え、
前記パケットを廃棄する工程において、前記重複送信フラグが設定されているパケットについてそのパケットを重複して受信したか否かを判断する
ことを特徴とする付記3に記載の送信パケット補填方法。
(付記5)
受信側装置において、前記移動端末によるパケット再送処理が不要であることを認識すると、該移動端末に対してパケット再送の停止を要請するパケット再送停止要請を送信する工程と、
前記移動端末は、前記パケット再送停止要請を受信すると、パケットの再送を停止する工程、
を更に備えたことを特徴とする付記1または2に記載の送信パケット補填方法。
(付記6)
受信側装置から前記移動端末に対して、再送すべきパケットのシーケンス番号を通知し、
前記移動端末は、通知された前記シーケンス番号に基づいて、前記記憶手段に記憶されているパケットを再送する
ことを特徴とする付記1または2に記載の送信パケット補填方法。
(付記7)
受信側装置から前記移動端末に対して、パケット補填の有効時間を通知し、
前記移動端末は、通知された有効時間が経過したときにパケットの再送を停止する
ことを特徴とする付記1または2に記載の送信パケット補填方法。
(付記8)
前記移動端末から受信側装置に対して、受信パケットをバッファリングする時間または量を標示する重複保護情報を通知し、
受信側装置は、前記重複保護情報に従って受信したパケットをバッファリングしながら各パケットが重複しているか否かを判断する
ことを特徴とする付記1または2に記載の送信パケット補填方法。
(付記9)
前記補填情報は、ネットワークの状態に応じて設定される
ことを特徴とする付記1に記載の送信パケット補填方法。
(付記10)
前記ネットワークの状態は、前記移動端末の送信レートである
ことを特徴とする付記9に記載の送信パケット補填方式。
(付記11)
前記ネットワークの状態は、そのネットワークの通信品質である
ことを特徴とする付記9に記載の送信パケット補填方法。
(付記12)
移動端末から送信されるパケットを転送するモバイルIPネットワークにおいて使用される送信パケット補填方法であって、
前記移動端末がパケットロスの発生を認識したときに、その移動端末の動作モードを付記1または2に記載のパケット補填手順を実行するモードに切り替える
ことを特徴とする送信パケット補填方法。
(付記13)
移動端末から送信されるパケットを転送するモバイルIPネットワークにおいて使用される送信パケット補填方法であって、
受信側装置から前記移動端末に対してパケット補填の要請が送信されたときに、その移動端末の動作モードを付記1または2に記載のパケット補填手順を実行するモードに切り替える
ことを特徴とする送信パケット補填方法。
(付記14)
前記受信側装置は、前記移動端末から送信されたパケットをその着信先へ中継する中継モードである
ことを特徴とする付記3〜8のいずれか1つに記載のパケット補填方法。
(付記15)
前記中継ノードは、モバイルIPのホームエージェントであることを特徴とする付記14に記載のパケット補填方法。
(付記16)
モバイルIPネットワークにおいて使用される移動端末装置であって、
送信パケットを記憶する記憶手段と、
パケット再送に係わる動作を標示する補填情報を管理する管理手段と、
ハンドオーバーが発生したときに、前記移動端末が前記補填情報に基づいて前記手段に記憶されているパケットを送信する送信手段、
を備えたことを特徴とする移動端末装置。
(付記17)
モバイルIPネットワークにおいて使用される移動端末装置であって、
無線電波の強度を監視する監視手段と、
無線電波の強度が所定のしきい値を下回ったときに送信パケットを記憶する記憶手段と、
無線電波の強度が回復したことを検出すると、前記記憶手段に記憶されているパケットを送信する送信手段、
を備えたことを特徴とする移動端末装置。
(付記18)
モバイルIPネットワークにおいて使用される端末装置であって、
付記16または17に記載の移動端末から重複して受信したパケットを廃棄する廃棄手段を有することを特徴とする受信端末。
(付記19)
モバイルIPネットワークにおいて使用される中継ノードであって、
付記16または17に記載の移動端末から重複して受信したパケットを廃棄する廃棄手段を有することを特徴とする中継ノード。
(付記20)
モバイルIPネットワークにおいて、
移動端末においてその移動端末が送信したパケットを記憶する記憶手段と、
パケット再送に係わる動作を標示する補填情報を管理する管理手段と、
前記移動端末についてのハンドオーバーが発生したときに、前記補填情報に基づいて前記記憶手段に記憶されているパケットを送信する送信手段と、
受信側装置において、重複して受信したパケットを廃棄する廃棄手段、
を備えたことを特徴とする送信パケット補填システム。
(付記21)
モバイルIPネットワークにおいて、
移動端末において無線電波の強度を監視する監視手段と、
無線電波の強度が所定のしきい値を下回ったときに送信パケットを記憶する記憶手段と、
無線電波の強度が回復したときに前記記憶手段に記憶されているパケットを送信する送信手段と、
受信側装置において、重複して受信したパケットを廃棄する廃棄手段、
を備えたことを特徴とする送信パケット補填システム。
(付記22)
パケットを転送する無線ネットワークにおいて、
移動端末が送信したパケットをその移動端末内の記憶手段に記憶させる工程と、
前記移動端末において、パケット再送に係わる動作を標示する補填情報を管理する工程と、
前記移動端末についてのハンドオーバーが発生したときに、前記移動端末が前記補填情報に基づいて前記記憶手段に記憶されているパケットを送信する工程、
を備えたことを特徴とする送信パケット補填方法。
(付記23)
パケットを転送する無線ネットワークにおいて、
移動端末が無線電波の強度を監視する工程と、
無線電波の強度が所定のしきい値を下回ったことを検出すると、前記移動端末が送信したパケットをその移動端末内の記憶手段に記憶させる工程と、
無線電波の強度が回復したことを検出すると、前記移動端末が前記記憶手段に記憶されているパケットを送信する工程、
を備えたことを特徴とする送信パケット補填方法。
本発明に係る移動端末の原理図である。 実施例1のパケット補填方法を説明する図である。 本発明に係る受信端末の原理図である。 実施例2のパケット補填方法を説明する図である。 実施例3のパケット補填方法を説明する図である。 移動端末が相手端末に対して送信するパケットの構造の一例である。 実施例3の重複送信フラグを構成に含めた例(その1)である。 実施例3の重複送信フラグを構成に含めた例(その2)である。 実施例4のパケット補填方法を説明する図である。 実施例5のパケット補填方法を説明する図である。 実施例6のパケット補填方法を説明する図である。 実施例7のパケット補填方法を説明する図である。 実施例8のパケット補填方法を説明する図である。 送信端末補填情報管理テーブルの構成図である。 受信端末管理テーブルの構成図である。 実施例9のパケット補填方法を説明する図である。 実施例10のパケット補填方法を説明する図である。 本発明に係る中継ノードについての原理図である。 実施例11のパケット補填方法を説明する図である。 実施例11の重複送信フラグを構成に含めた例である。 電波強度に応じてパケットの補填を行う移動端末の原理図である。 実施例12のパケット補填方法を説明する図である。 補填要否判断テーブルの構造図である。 送信端末のブロック図である。 受信端末のブロック図である。 中継ノードのブロック図である。 送信端末の基本動作を示すフローチャートである。 送信端末と受信端末とのネゴシエーション処理のフローチャートである。 停止要請処理のフローチャートである。 次回送出位置要請処理のフローチャートである。 タイマ登録処理のフローチャートである。 タイマ管理処理のフローチャートである。 タイムアウト通知処理のフローチャートである。 受信端末の基本動作を説明するフローチャートである。 受信データ補填保持処理のフローチャートである。 受信端末側におけるタイムアウト時の処理のフローチャートである。 受信端末側において、記憶させた再送パケット数が有効保持数を超過した際の処理のフローチャートである。 送信端末補填情報管理テーブルから、所望のテーブルを選択する処理のフローチャートである。 要請メッセージの構造の例である。 既存のMobile IPv6ネットワークの一構成例である。 ハンドオーバー発生時の動作を説明する図である。 ハンドオーバー発生時の、従来技術の問題点を説明する図である。 従来のハンドオーバー発生時におけるフロー制御の動作を防止する方法を説明する図(その1)である。 従来のハンドオーバー発生時におけるフロー制御の動作を防止する方法を説明する図(その2)である。
符号の説明
2 移動端末
5 相手端末
6 ホームエージェント
7、8 アクセスルータ
9 ルータ
10 インターネット

Claims (5)

  1. モバイルIPネットワークにおいて、
    移動端末が送信したパケットをその移動端末内の記憶手段に記憶させる工程と、
    前記移動端末において、どの程度過去にさかのぼってパケット再送を行うかを表す補填情報を管理する工程と、
    前記移動端末についてのハンドオーバーが発生したときに、前記パケットを受信する受信側端末からの情報によらずに、前記移動端末が前記補填情報に基づいて前記記憶手段に記憶されているパケットを送信する工程、
    を備えたことを特徴とする送信パケット補填方法。
  2. 前記補填情報は、ネットワークの状態に応じて設定されることを特徴とする請求項1に記載の送信パケット補填方法。
  3. モバイルIPネットワークにおいて使用される移動端末装置であって、
    送信パケットを記憶する記憶手段と、
    どの程度過去にさかのぼってパケット再送を行うかを表す補填情報を管理する管理手段と、
    ハンドオーバーが発生したときに、前記パケットを受信する受信側端末からの情報によらずに、前記移動端末が前記補填情報に基づいて前記記憶手段に記憶されているパケットを送信する送信手段、
    を備えたことを特徴とする移動端末装置。
  4. モバイルIPネットワークにおいて使用される移動端末装置であって、
    無線電波の強度を監視する監視手段と、
    無線電波の強度が所定のしきい値を下回ったときに送信パケットを記憶する記憶手段と、
    どの程度過去にさかのぼってパケット再送を行うかを表す補填情報を管理する管理手段と、
    無線電波の強度が回復したことを検出すると、前記パケットを受信する受信側端末からの情報によらずに、前記補填情報に基づいて前記記憶手段に記憶されているパケットを送信する送信手段、
    を備えたことを特徴とする移動端末装置。
  5. モバイルIPネットワークにおいて使用される端末装置であって、
    請求項3または4に記載の移動端末から重複して受信したパケットを廃棄する廃棄手段を有することを特徴とする受信端末。
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