以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な無線通信装置の実施の形態について詳細に説明する。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施の形態について説明すれば、以下の通りである。図1は、本発明の第1の実施の形態の無線通信装置の動作概要を示す図である。
本実施の形態に係る無線通信装置は、図1に示すように、映像・音声データを送信する映像・音声送信機1、映像・音声送信機1からの映像・音声データを受信する映像・音声受信機2、伝送する映像・音声データを映像・音声送信機1に供給するビデオソース3、伝送された映像・音声データを表示するモニタ4を備えて構成される。
上記映像・音声送信機1は、映像・音声の無線伝送において、入力されたビデオ信号を、アナログの場合デジタル化し、符号化を行い、符号化された映像・音声のデータを送り、受信機側からさまざまなエラー情報を受信し、ビットレート、及び再送回数を指定する。
上記映像・音声受信機2は、映像・音声の無線伝送において、符号化された映像・音声のデータを受け取り、そのデータからエラー、エラーレート、電界強度の映像・音声に与えるレベルを判定してその判定結果を送信機側へ送信、また受信した符号化された映像・音声データを復号し、外部モニタ4などに出力する。
図2は、本無線通信装置の構成を示す概略ブロック図である。
図2において、映像・音声送信機1は、ビデオソース3から入力される映像・音声の入力部5と、符号化された映像・音声データを受信機側に無線により送信する送信部6(送信手段,第2の送信手段)と、入力部5に入力された信号を符号化する符号化部7と、映像・音声受信機2側から送られてきたエラー情報により、ビットレート及び最大再送回数を設定するビットレート・再送回数設定部8(設定値記憶手段,伝送レート設定手段)と、データを送信した際、映像・音声受信機2側から送られてくるエラー情報により同じデータを何度再送したかをカウントする再送回数カウント部9と、映像・音声受信機2側から送られてくるエラー情報を受信する受信部10(受信手段,第2の受信手段)とを備えて構成される。
上記ビットレート・再送回数設定部8は、複数の伝送レートと再送回数とを組み合わせた設定値を予めテーブル形式で記憶するとともに、映像・音声受信機2から送信されたエラー情報に基づいて記憶された設定値を選択し、該選択した設定値に基づく伝送レート及び再送回数を設定する。
上記符号化部7、ビットレート・再送回数設定部8、及び再送回数カウント部9は、例えば、マイクロコンピュータにより構成され、ソフトウェアによりデータ伝送機能が実現される。また、符号化部7は例えばMPEGデコーダのように別個の電子部品として構成してもよい。
一方、映像・音声受信機2は、映像・音声送信機1側から送られてくる符号化された映像・音声データを受信する受信部11(受信手段,第1の受信手段)と、映像・音声送信機1側から送られてきた映像・音声信号を外部に出力する出力部12と、映像・音声送信機1側から送られてきた符号化された、映像・音声信号を復号する復号部13と、映像・音声送信機1側から送られてきた映像・音声データにエラーがあるかないかを判定するエラー判定部14(通信状態検出手段,エラー判定手段)と、映像・音声送信機1側から送られてきた映像・音声データのエラーレートを判定するエラーレート判定部15(通信状態検出手段,エラー判定手段)と、映像・音声送信機1側から送られてきた映像・音声データの電界強度を判定する電界強度判定部16(通信状態検出手段,電界強度判定手段)と、映像・音声送信機1側から送られてきた映像・音声データについて、エラー判定部14、エラーレート判定部15、又は電界強度判定部16において、映像・音声データの再送の必要性及び最大再送回数を増加させる必要性がある場合、これらのエラー情報を映像・音声送信機1側に送信する送信部17(送信手段,第1の送信手段)とを備えて構成される。
上記復号部13、エラー判定部14、エラーレート判定部15、及び電界強度判定部16は、例えば、マイクロコンピュータにより構成され、ソフトウェアによりデータ伝送機能が実現される。また、復号部13も映像・音声送信機1の符号化部7と同様に例えばMPEGエンコーダのように別個の電子部品として構成してもよい。
以下、上述のように構成された無線通信装置の動作を説明する。
まず、本無線通信装置の全体動作について述べる。
図1に示すように、映像・音声信号は、ビデオソース3より映像・音声送信機1に入力され、無線伝送により、映像・音声受信機2に伝送され、モニタ4に出力される。
映像・音声受信機2では、映像・音声送信機1と映像・音声受信機2間の伝送中に、周囲からの該当する周波数帯の妨害を受け、データにエラーが発生したとき、及び/又はエラーレートが画像・音声に影響を与えるほど低いときなど、受信電界強度が画像・音声に影響を与えるほど低いものであることを判定し、この判定をした場合には映像・音声受信機2にそのエラー情報を送信する。映像・音声送信機1では、映像・音声受信機2側からのエラー情報を受けてビットレートを下げ、再送回数を増やすことにより、エラー耐性を強くする。
次に、本無線通信装置の具体的動作について述べる。
ビデオソース3から映像・音声送信機1に入力された映像・音声信号は、図2に示すように、映像・音声送信機1の入力部5に入力され、符号化部7で、無線伝送に適したデジタル圧縮信号に符号化されて送信部6に送られ、無線伝送により、映像・音声受信機2に送信される。伝送された映像・音声信号は、映像・音声受信機2の受信部11により受信され、復号部13で復号された後、出力部12よりモニタ4に出力される。ここで、受信機2側の受信部11に入力された符号化された映像・音声信号は、復号される信号とは別の経路でエラー判定部14、エラーレート判定部15、及び電界強度判定部16に送られる。
上記エラー判定部14では、受信したデータのエラーを判定し、エラー判定したときにはエラーのあったデータを再送する必要があるため、映像・音声受信機2の送信部17より、再送要求を映像・音声送信機1側へ送信し、映像・音声送信機1側の再送回数カウント部9で再送回数をカウントすると共に、エラーのあったデータが、再度送信部6より映像・音声受信機2側へ再送される。再送によってもエラーが生じたときは、この流れを所定回数繰り返す。再送回数カウント部9では、この再送回数をカウントする。設定された最大再送回数再送を行っても、エラーが修正されないときは、ビットレート・再送回数設定部8がビットレートを変更し、最大再送回数を増加させることにより、エラーが生じないようにする。
また、上記エラーレート判定部15で、映像及び音声に、見るに堪えない、あるいは、聞くに堪えないレベルのエラーがあると判定されたとき、その情報を、映像・音声受信機2の送信部17より映像・音声送信機1側へ送信し、映像・音声送信機1のビットレート・再送回数設定部8では、ビットレートを変更し、最大再送回数を増加させることにより、エラーレートを高めてエラーが発生しないようにする。このような見るに堪えない、あるいは、聞くに堪えないレベルのエラーであることは、あらかじめ実験等により算出されたエラーレートレベルとの比較により判定される。このエラーレートレベルは、複数あってもよい。また、ユーザの指示により限界レベルを選択できる構成としてもよい。
また、上記電界強度判定部16で、映像及び音声、見るに堪えない、あるいは聞くに堪えないレベルのエラーを与えるレベルの電界強度であると判定されたとき、映像・音声受信機2の送信部17より、その情報を、映像・音声送信機1側へ送信し、ビットレート・再送回数設定部8では、ビットレートを変更し、最大再送回数を増加させることにより、電界強度が低い状態でも、エラーが生じないようにする。エラーレートの場合と同様に、受信信号が見るに堪えない、あるいは、聞くに堪えない電界強度であることは、あらかじめ実験等により受信電界強度との比較により判定される。
上記のエラー判定部14、エラーレート判定部15、電界強度判定部16によって、エラー情報を生成するエラー情報生成部18を構成している。なお、これら、3つの部は少なくとも一つあればエラー情報として使用することができるが、好ましくは2つの部あるいは3つの部全ての情報を用いてエラー情報を生成した方が適切なエラー情報となる。
また、ビットレートを下げ、再送回数を増やすことにより、エラーが発生しなくなったときは、妨害の発生がまだ続いているかを確認するために、一定時間ごとにビットレートをあげ、最大再送回数を増やすことにより、それぞれ、新設定の最大再送回数で再びエラーが起きないか、エラーレートは低くないか、又は電界強度は低くないかを確認し、問題がなければ、元のビットレート及び最大再送回数の設定値に戻る。
この動作を繰り返すことにより、本無線通信装置に周囲より妨害があった場合でも、映像・音声に乱れを生じさせることなく、スムーズにビットレートを下げ、再送回数を増やすことにより、見るに耐えうる画質・音声の伝送を確保することが可能である。
つまり、本願発明の特徴部分である妨害発生時に、一時的にビットレートを下げて、妨害が無くなったときに、再びビットレートを上げるような処理を行えば、必要最小限の画像劣化で済むことになり、結果として、高品質の映像及び音声データを受信することが可能となる。
図3〜図5は、上述した本無線通信装置の動作を示すフローチャートであり、図3及び図4は、映像・音声受信機2側の無線伝送レート変更動作を、図5は、映像・音声送信機1側の無線伝送レート変更動作をそれぞれ示す。図中、Sはフローの各ステップを示す。
図3の映像・音声受信機2側のフローにおいて、まず、受信データから映像・音声送信機1と映像・音声受信機2間の通信状態を検出する(ステップS1)。
次に、検出した通信状態を基にエラー情報を作成する(ステップS2)。
次いで、作成したエラー情報を送信部17により映像・音声送信機1に送信して本フローを終了する(ステップS3)。
図4は、通信状態検出のサブルーチンであり、図3のステップS1の処理に対応する。
まず、エラーレート判定部15により受信データのエラーレートを判定する(ステップS11)。
次に、エラー判定部14により再送回数データを基に受信したデータのエラーを判定する(ステップS12)。
次いで、電界強度判定部16により受信信号の電界強度を判定(ステップS13)し、図3のステップS1に戻る。
上記の3つのステップS11〜ステップS13は、少なくとも一つのステップを実行すれば、図3に示すステップS2において、エラー情報生成部(エラー情報生成手段)18によってエラー情報を生成することが可能である。
例えば、判定したエラーレートのみであってもエラー情報を作成することができるし、判定したエラーのみであってもエラー情報を作成することができるし、判定した受信信号の電界強度のみであってもエラー情報を作成することができる。また、エラーレートとエラーの組み合わせ、エラーレートと受信信号の電界強度の組み合わせ、エラーと受信信号の電界強度の組み合わせ、エラーレート、エラー、受信信号の電界強度の3つの組み合わせであってエラー情報を作成することができる。
また、上記のステップS11〜ステップS13における判定は、受信機2側において映像及び音声データを再生した場合、見るに堪えない、あるいは聞くに堪えないレベルのエラーであることを判定する。この判定は、エラーの程度に応じて複数の判定レベル(例えば、第1の判定レベル、第2の判定レベル)を持つものでもよい。また、各エラーの判定基準にそれぞれ差を設けてもよく、また判定に優先順位を設けてもよい。このような場合、判定レベルに応じたエラー情報を作成して映像・音声送信機1側に送信することが好ましい。
図5は、映像・音声送信機1側の動作の流れを示すフローチャートである。
まず、映像・音声受信機2側から送信されたエラー情報を受信する(ステップS21)。
続いて、受信したエラー情報から最大再送回数再送でもエラー修正が不可であるか否かを判定する(ステップS22)。ここで、エラー修正が可能であると判定された場合、ステップS23で映像・音声受信機2側受信電界強度が低レベルか否かを判別する。
ステップS23において、電界強度が低レベルでなないと判定されれば、ステップS24で受信機2側受信エラーレートが高レベルか否かを判別する。
一方、上記ステップS22において、最大再送回数再送でもエラー修正が不可であると判定された場合、上記ステップS23で受信電界強度が低レベルと判定された場合、あるいは、上記ステップS24で受信エラーレートが高レベルと判定された場合は、ステップS25で受信したエラー情報に基づいてビットレートと再送回数を設定する。
ここで、妨害の多い環境で無線による画像や音声などの伝送中にエラーが発生し、設定された最大再送回数分データを再送しても正常なデータが送信できなかった場合であり、このような場合にはビットレート・再送回数設定部8によりビットレート(伝送レート)を下げ、再送回数を増やすことによりエラー耐性を強化するものである。
したがって、上記ステップS25におけるビットレートと再送回数の設定は、ビットレートを下げ、再送回数を増やす設定となる。このエラー情報に基づくビットレート及び再送回数の設定の具体例については、第2及び第3の実施の形態により後述する。
上記ステップS24で受信エラーレートが高レベルでないと判断された場合には、ステップS26で元のビットレートと最大再送回数の設定値に戻してステップS27に移行する。
ステップS27では、設定されたビットレートと再送回数によりデータを映像・音声受信機2に送信して本フローを終了する。
このように、動画・音声などのリアルタイム伝送においては、当初より、妨害のない状態で綺麗な映像及び映像が復号できるビットレートと再送回数、及び低ビットレートながら、映像や音声が見るに耐えうるレベルであるビットレートと再送回数の組み合わせなど、数パターン設定しておき、通常時は最高ビットレートで固定ビットレート伝送を行い、妨害発生時のみ、一時的にビットレートを下げ、再送回数を増やす制御を行うものである。
以上説明したように、本実施の形態に係る無線通信装置は、映像・音声受信機2が、映像・音声データを受信する受信部11、映像・音声データのエラーを判定するエラー判定部14、映像・音声データのエラーレートを判定するエラーレート判定部15、映像・音声データの電界強度を判定する電界強度判定部16、及びエラー情報を送信する送信部17を備え、映像・音声送信機1が、映像・音声データを送信する送信部6、エラー情報によりビットレート及び最大再送回数を設定するビットレート・再送回数設定部8、同じデータを何度再送したかをカウントする再送回数カウント部9、及びエラー情報を受信する受信部10を備えて構成したので、周囲からの妨害を受けた際に、あらかじめ設定された数種類のビットレートと再送回数の組み合わせ設定値の範囲内で、自動的にビットレートを下げ、再送回数を増やすことにより、妨害に対する耐性を高めた、ビットレート及び再送回数自動変更機能を実現することができる。
すなわち、映像・音声などの伝送において、使用周波数帯に妨害の多い環境では、妨害により、映像や音声が停止することが問題となる。特許文献1では、受信環境におけるノイズが増加してもデータ誤りによる受信データの廃棄の確率を低減できるようにする装置が開示されている。
しかしながら、特許文献1記載の装置は、毎データパケット送信ごとにエラーレートにより圧縮率及び再送回数を変化、また、受信したデータのエラーレートが大きくなるほど圧縮率と再送回数とを大きくするように要求するものであり、エラーは減少するものの、映像などは、見るに堪えないものとなってしまう可能性があった。これに対して、本実施の形態では、映像や音声伝送に必要なビットレートを常に確保する固定ビットレート伝送を実現しながら、妨害時のみ、妨害によるエラーを瞬時に判断し、映像や音声に目に見えうる妨害を与える前に、一時的にビットレートを下げ再送回数を増やすことにより、妨害のないときには、常に綺麗な映像・音声を再現しつつ、妨害発生時にも、やや画質・音質を落とすだけで、あからさまな妨害を最小限に抑えることが可能である。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態では、本無線通信装置のビットレート及び再送回数変更方法について説明する。ハード的構成については、前記実施の形態1で説明した図1及び図2と同様であるため詳細な説明は省略する。
図6は、本実施の形態に係る無線通信装置の映像・音声送信機1側の無線伝送レート変更動作を示すフローチャートである。図2のビットレート・再送回数設定部8及び再送回数カウント部9を構成するマイクロコンピュータ等により実行される。図5と同一処理を行うステップには同一ステップ番号を付して重複部分の説明を省略する。
図7は、映像・音声データ送信時に参照されるビットレート・最大再送回数の構成例を示す図であり、MPEGストリームを伝送するMPEGレートの例である。
図7において、MPEGレートは、設定値に対してMPEGレート(Mbps)と最大再送回数がそれぞれ設定されている。設定値毎に最大/最小転送レートとMPEGレート(Mbps)を持つ。最大再送回数は通信状態が悪くなったときに映像・音声送信機1が再送する回数である。
例えば、図7中a.に示すように、通信状態が最も良い場合には設定値は「0x21」が使用され、MPEGレートは7.86(Mbps)最大再送回数は「1」であるが、通信状態が悪くなったとき、その程度に応じて例えば図7中b.に示すように、設定値「0x16」のMPEGレート7.18(Mbps)、最大再送回数は「2」が設定され、さらに、例えば図7中c.に示すように、設定値「0x0C」のMPEGレート5.85(Mbps)、最大再送回数は「4」が設定される。なお、設定値とMPEGレートは一例でありこれに限定されるものではない。このように、通信状態に応じてビットレートを可変にするものである。
図6のフローチャートを参照しながら、本実施の形態に係る無線通信装置における送信機側の動作の流れを説明する。
まず、ステップS25で受信したエラー情報に基づいてビッレートと再送回数を設定したとき、あるいは、ステップS26で元のビットレートと最大再送回数の設定値に戻したときは、ステップS31で映像・音声受信機2側受信エラーレートが急激に増加したか否かを判別する。
ここで、エラーレートが急激に増加したか否かの判定は、検出値と前回値(一定時間前の過去値を含む)との差分の絶対値が所定範囲を超えたときエラーレートが急激に増加したと判定する。判定方法は一例であり、エラーレートレベルに応じて閾値を変えるなど、あらかじめシミュレーションなどにより適当な値が設定される。
上記ステップS31でエラーレートが急激に増加していなければ、ステップS32で映像・音声受信機2側電界強度が急激に低下したか否かを判別する。電界強度が急激に低下したか否かの判定は、上記ステップS31の判定処理と同様の方法により判定できる。
上記ステップS31で受信エラーレートが急激に増加したとき、あるいは、ステップS32で映像・音声受信機2側電界強度が急激に低下したときには、なんらかの理由で通信状態が急激に悪化したと判断してステップS33でビットレートを最下位ランクに設定してステップS27に進む。
例えば、図7中b.に示すように、設定値「0x16」のMPEGレート7.18(Mbps)に設定されている場合、受信エラーレート又は電界強度が急激に低下したときには、図7中d.に示すように、ビットレートを1段階ずつではなく、最下位ランクまで一気に落とす。これにより、通信妨害等通信状態が急激に悪化した時には映像や音声に目に見えうる妨害が顕在化する前に、ビットレートを一気に下げ再送回数を増やすことにより、通信の確保を図ることができる。
図6のフローチャートに戻って、上記ステップS32で映像・音声受信機2側電界強度が急激に低下していなければ、ステップS34で映像・音声受信機2側受信エラーレートが徐々に増加したか否かを判別する。
ここで、エラーレートが徐々に増加したか否かの判定は、例えば検出値と前回値(一定時間前の過去値を含む)との差分の比較により判定できる。エラーレートが徐々に増加していなければ、ステップS35で映像・音声受信機2側電界強度が徐々に低下したか否かを判別する。電界強度が徐々に低下したか否かの判定は、上記ステップS34の判定処理と同様の方法により判定できる。
上記ステップS34で受信エラーレートが徐々に増加したとき、あるいは、ステップS35で映像・音声受信機2側電界強度が徐々に低下したときには、ステップS36でビットレートを所定段階ずつ(例えば、ワンランクずつ)落として設定してステップS27に進む。
例えば、図7中a.に示す設定値のMPEGレート7.86(Mbps)をワンランク落として、図7中e.に示す設定値のMPEGレート7.81(Mbps)に設定する。なお、設定値とMPEGレートは一例でありこれに限定されるものではない。例えば、上記の場合、図7中a.に示す設定値のMPEGレート7.86(Mbps)から、図7中b.に示す設定値のMPEGレート7.18(Mbps)に落として設定してもよい。
上記ステップS35で映像・音声受信機2側電界強度が徐々に低下していなければそのままステップS27に進む。これにより、通信状態が徐々に悪化した時には、ビットレートを段階的に下げて通信は確保しつつ、なるべく画質・音質を落とさないようにすることが可能になる。
〔実施の形態3〕
本発明のさらに他の実施の形態について説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態では、本無線通信装置のビットレート及び再送回数変更方法について説明する。ハード的構成については、前記実施の形態1で説明した図1及び図2と同様であるため説明を省略する。
図8は、本無線通信装置の映像・音声送信機1側の無線伝送レート変更動作を示すフローチャートである。図5と同一処理を行うステップには同一ステップ番号を付して重複部分の説明を省略する。
図8に示すのフローチャートにおいて、ステップS25で受信したエラー情報に基づいてビッレートと再送回数を設定したとき、あるいは、ステップS26で元のビットレートと最大再送回数の設定値に戻したときは、ステップS41で映像・音声受信機2側受信エラーレートが適正レベルか否かを判別する。
ここで、エラーレートが適正レベルであることは、検出値が妨害がないレベルの範囲にあるか否かで判定する。判定方法は一例であり、エラーレートレベルに応じて閾値を変えるなど、あらかじめシミュレーションなどにより適当な値が設定される。
上記ステップS41でエラーレートが適正レベルにないときは、ステップS42で映像・音声受信機2側電界強度が適正レベルにあるか否かを判別する。エラーレート又は電界強度が適正レベルにあることを示す閾値は、あらかじめシミュレーションなどにより適当な値が設定される。
上記ステップS41で受信エラーレートが適正レベルにあるとき、あるいは、ステップS42で映像・音声受信機2側電界強度が適正レベルにあるときには、エラーレート及び/又は電界強度が妨害のないレベルまで回復していると判断してステップS43でビットレートを最上位ランクに設定してステップS27に進む。
例えば、図7中b.に示すように、設定値「0x16」のMPEGレート7.18(Mbps)に設定されている場合、ビットレートを1段階ずつではなく、図7中a.に示す最上位ランクまで一気に上げる。これにより、通信状態が回復した時には画質・音質を迅速に高めることができる。ここで、ステップS41及びステップS42において、エラーレート又は電界強度の適正レベルにある判定を複数段階としてもよい。例えば、第1の適正レベルと該第1の適正レベルよりレベルの低い第2の適正レベルとの2段階とし、第1の適正レベルに達した場合に最上位ランクまで一気に上げ、第2の適正レベルに達した場合には最上位ランクの中間レベルとする制御も可能である。
図8のフローチャートに戻って、上記ステップS42で映像・音声受信機2側電界強度が適正レベルになければ、ステップS44で映像・音声受信機2側受信エラーレートが徐々に低下したか否かを判別する。エラーレートが徐々に低下したか否かの判定は、例えば検出値と前回値(一定時間前の過去値を含む)との差分の比較により判定できる。エラーレートが徐々に低下していなければ、ステップS45で映像・音声受信機2側電界強度が徐々に増加したか否かを判別する。電界強度が徐々に低下したか否かの判定は、上記ステップS44の判定処理と同様の方法により判定できる。
上記ステップS44で受信エラーレートが徐々に低下したとき、あるいは、ステップS45で映像・音声受信機2側電界強度が徐々に増加したときには、ステップS46でビットレートを所定段階ずつ(例えば、ワンランクずつ)落として設定してステップS27に進む。
例えば、図7中b.に示す設定値のMPEGレート7.18(Mbps)をワンランク上げて、図7中f.に示す設定値のMPEGレート7.26(Mbps)に設定する。なお、設定値とMPEGレートは一例でありこれに限定されるものではない。上記ステップS45で映像・音声受信機2側電界強度が徐々に低下していなければそのままステップS27に進む。
これにより、通信状態が妨害なしレベルに戻っていれば、ビットレートを最上位ランクまで一気に上げて高画質・高音質を再現し、通信状態が徐々に回復した時には、ビットレートを段階的に上げて通信を確保しつつ、画質・音質を徐々に上げることが可能になる。
ここで、一度妨害が発生した場合、瞬時に戻ることは考えにくいため、エラーレート、電界強度を毎回ではなく数回置きに確認する態様でもよい。この場合は、上記ステップS41〜ステップS46を複数回おきに実行すればよい。
〔実施の形態4〕
本発明のさらに他の実施の形態について説明すれば、以下の通りである。
図9は、本実施の形態の無線通信装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態の無線通信装置として、図13に示すように、ディスプレイ分離型のワイヤレスTV受信機に適用した例である。
すなわち、上記ワイヤレスAVシステム101は、図13に示すように、TV本体ユニット103とワイヤレスセンタユニット102とで構成されている。
上記TV本体ユニット103は、バッテリ内蔵でワイヤレスのTV受像機を含んでおり、また、リモートコントローラ(以下、リモコンと称する)130を備えて、該TV本体ユニット103を介してワイヤレスセンタユニット102に接続されたビデオデッキなどのリモコン操作ができるようになっている。
図9において、ワイヤレスAVシステム101は、ベース機器としてのワイヤレスセンタユニット(以下、ワイヤレスセンタという)102と、ポータブル端末としてのテレビジョン(TV)本体ユニット(以下、TV本体という)103とから構成され、ワイヤレスセンタ102(無線通信装置,送信機,センタ装置)とTV本体103(無線通信装置,受信機,表示装置)とはペアとなって無線伝送ネットワークを構成する。
ワイヤレスセンタ102は、BS端子111、U/VHFアンテナ端子112、ダイバーシティ端子113の各アンテナ端子と、デジタルVTR、DVDプレーヤなどの機器を接続するS端子付きビデオ1入力端子114、デコーダ入力/ビデオ2入力端子115、モニタ/BS出力/ビデオ3入力端子116、AC電源部117及びCar−DC電源部118を備える。
上記TV本体103は、デジタルVTR,DVD(Digital Versatile Disc)プレーヤなどの機器を接続するTV出力/ビデオ4入力端子121、AC電源部122及びCar−DC電源部123を備える。
また、TV本体103は、ワイヤレスセンタ102と分離可能でバッテリ内蔵により携帯又は可搬できる薄型表示装置であり、例えば液晶テレビジョン(以下、液晶テレビという)、無機EL/有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイなどの種々の表示装置を含む広い概念であり、表示機構により限定されるものではない。また、本明細書において、TV本体103は、主として表示機能や音響機能などを有し、一方、ワイヤレスセンタ102は、主としてチューナ部やTV本体103を制御する制御機能などを収容する。本実施の形態によるTV本体103は、薄型表示装置として液晶テレビを例にして説明する。
ワイヤレスセンタ102とTV本体103間は、IEEE802.11b規格に準拠するSS(Spread Spectrum:スペクトラム拡散)無線方式によりデータが送受信される。最近、周波数帯として5GHz帯が開放され、2.4GHz帯の代わりに5GHz帯を用いる態様でもよい。ワイヤレスセンタ102からTV本体103へのデータ伝送は、MPEG(Moving Picture Expert Group)2の映像圧縮フォーマットを用いて、動画像伝送やDVD-Video、デジタル放送を10Mbpsを超える通信回線で伝送する。また、ワイヤレスセンタ102とTV本体103間のコマンド伝送は、SS無線方式により行う。
MPEGビデオやMPEGオーディオの符号化されたストリーム(ビット列)、さらに他の符号化ストリームも含めて実際のアプリケーションに適用する場合には、同期を含めて符号化ストリームを多重化して統合し1本化するとともに、そのストリームを蓄積メディアやネットワーク等が持つ、固有の物理フォーマットやプロトコルに適合したデータ形式にする必要がある。
MPEG2システムには、MPEG1と同様に1つのプログラムを構成するプログラム・ストリーム(MPEG2−PS,PS:Program Stream)と、複数のプログラムを構成できるトランスポート・ストリーム(MPEG2−TS,TS:Transport Stream)とがある。
MPEGストリームは、1ビットのフラグも多数あるがヘッダなどの各単位ごとにバイト整列されたバイト・ストリームである。MPEGシステム全体に共通した構造として固定長でないデータ部分には、長さを示す情報が先行して置かれ、不要な場合はその部分をスキップしたり、次のデータ群の先頭を確認して信頼性の高い分離処理ができるデータ構造となっている。
MPEG2符号化方式に準拠し、圧縮された映像、音声信号を受信する装置は、復号化側において映像、音声データのオーバーフロー、アンダーフローの防止するために、符号化側での映像、音声サンプリング周波数と、復号化側での映像、音声サンプリング周波数またはSTC(System Time Clock)を一致させる必要がある。
そのため、復号化装置ではMPEG2システム規格(ISO/IEC規格13818−1)で規定されたPCR(Program Clock Reference:プログラム時刻基準参照値)またはSCR(System Clock Reference:システム時刻基準参照値)を用いることにより、符号化側の映像、音声サンプリング周波数と復号化側の映像、音声サンプリング周波数を一致させている。
図10は、上記ワイヤレスAVシステムのワイヤレスセンタ102の構成を示すブロック図である。
図10において、ワイヤレスセンタ102は、BS端子111に接続され選局信号によりBS放送を受信・選局するBSチューナ131と、U/VHFアンテナ端子112に接続され選局信号によりU/VHF放送を受信・選局するU/VHFチューナ132と、BSチューナ131又はU/VHFチューナ132で受信・選局された映像・音声(AV)信号を復調する映像・音声復調部133と、音声切換信号により受信した音声とEPG(Electrical Program Guide:電子番組ガイド)などの番組に関する情報とを切換える音声切換部134と、ソース選択信号により受信した映像・音声情報、番組に関する情報、ビデオ1入力端子114、デコーダ入力/ビデオ2入力端子115、モニタ/BS出力/ビデオ3入力端子116からの外部入力情報を選択する第1のセレクタ135と、TVコマンドを送受信して第1のセレクタ135により選択されたデータをMPEG2の映像圧縮フォーマットに変換し、SS無線方式によりTV本体103に送信するSS送信ユニット136(送信手段,受信手段,第2の送信手段,第2の受信手段)と、選局信号141、音声切換信号142、ソース選択信号143等を送信するとともに、TVコマンド144を送受信して装置全体の制御を行うワイヤレスセンタマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)137(伝送レート設定手段)と、ワイヤレスセンタマイコン137の制御プログラム、通信制御データ、さらにコンテンツ毎に設定されたMPEGレートの種々のデータを記憶する電気的に書換可能な不揮発性メモリであるEEPROM(electrically erasable programmable ROM)138(設定値記憶手段)とを備えて構成される。
ワイヤレスセンタ102は、放送受信用チューナを複数(ここでは2台)備え、複数のBSチューナ131、U/VHFチューナのうち少なくとも1つは地上デジタル放送受信可能なチューナであってもよい。
SS送信ユニット136は、第1のセレクタ135により選択されたデータをデジタル信号に変換するA/D変換部151、データをMPEG2の映像圧縮フォーマットに変換するMPEG2エンコーダ152、送信データをSS無線方式により送信するSS無線機及び無線制御部からなるSS無線送信エンジン153、及びSS送信ユニット各部を制御するとともに、電波状態を検出する第1のSS−CPU154(通信状態検出手段)を備えて構成される。
EEPROM138は、前記図7に示すようにコンテンツ毎に設定されたMPEGレートをテーブルで記憶する。EEPROM138に書き込むプログラムを変えることによってワイヤレスセンタ102及びTV本体103における各種の仕様を変更することができる。すなわち、最近ではシステム開発のデバッグごとにマスクROMを変更する時間損失を回避するため、プログラムROMを不揮発性メモリ、例えばEPROM,EEPROMとし、プログラム開発・修正時間の短縮の大幅な短縮を図っている。また、プログラムをダウンロードしてEEPROMのプログラム内容を書き換えるようにすれば機能のアップグレードや機能の変更を容易に行うことが可能になる。
SS無線送信エンジン153は、TV本体103のSS受信ユニット161(図11で後述する)に、MPEG2ストリームやコマンド等を送信する送信機能と、SS受信ユニット161からコマンド等を受信する受信機能とを備える。
特に、第1のSS−CPU154は、受信電波の電界強度、エラー率に基づく再送要求によりワイヤレスセンタ102とTV本体103間の通信状態(電波の強弱、通信路の妨害)を検出する電波状態検出手段としての機能を備える。検出された電波状態を示す情報は、TVコマンド144としてワイヤレスセンタマイコン137に送られる。本実施の形態では、ワイヤレスセンタマイコン137の第1のSS−CPU154が上記電波状態検出機能を備える構成を示したが、TV本体103の第2のSS−CPU184が同様の機能を備え、検出した電波状態を示す情報をTV本体103からワイヤレスセンタ102にコマンド伝送する態様でもよい。あるいは、第1のSS−CPU154及び第2のSS−CPU184双方が電波状態検出機能を備える構成でもよい。さらに、上記電波状態検出機能をTVマイコン164又はワイヤレスセンタマイコン137が行う態様でもよい。
ワイヤレスセンタマイコン137は、装置全体の制御を行うとともに、図7に示すように複数の伝送レートと再送回数とを組み合わせた設定値を予めテーブル形式で記憶するとともに、TV本体103から送信されたエラー情報に基づいて記憶された設定値を選択し、該選択した設定値に基づく伝送レート及び再送回数を設定する制御を行う。
ここで、ワイヤレスAVシステムを実現するための技術として、例えば2000年1月に標準化が完了したHAVi(Home Audio/Video Interoperability)Architectureと呼ばれる標準仕様がある。この仕様は、HAVi V1.0 Specification版の概要部分(1 Generalの1.1 Scope)に記述されているように、家庭用電化製品やコンピュータを接続して、ユーザがある機器を使って別の機器を操作するためのインターフェースの提供を実現している。HAVi仕様書では、一例としてIEEE1394とIEC(International Electrotechnical Commission)61883準拠の家庭用電化製品によるネットワークの構築を想定している。また、同仕様書の同概要部分にあるように、HAViによって実現されたネットワークに接続されている機器をすべてのユーザが自由に使用できる。このように、家庭内にあるAV機器を接続してAVネットワークを構築することにより、ユーザは離れた部屋にある機器であっても自由に組み合わせて使用できる。
また、このような家庭内AVネットワークのほかに、送信機であるワイヤレスセンタ102、受信機であるTV本体103は、例えば無線通信を行う携帯電話機/PHS(Personal Handy-Phone System)(登録商標)や携帯情報端末(以下、PDA(Personal Digital Assistants)という)などの無線通信端末であってもよい。
図11は、上記ワイヤレスAVシステムのTV本体103の構成を示すブロック図である。
図11において、TV本体103は、TVコマンドを送受信してワイヤレスセンタ102のSS送信ユニット136から送信されたMPEG2ストリームやコマンド伝送データを受信するとともに、受信したMPEG2ストリームなどを元データにデコード(復元)するSS受信ユニット161(送信手段,受信手段,第1の送信手段,第1の受信手段)と、SS受信ユニット161により復元したデータとTV出力/ビデオ4入力端子121を介して外部から入力されるAV信号とを選択する第2のセレクタ162と、映像信号を表示し音声信号を出力するLCD等からなるTV表示部163と、TVコマンド171を送受信するとともに、ソース選択信号172、OSD(オン・スクリーン・ディスプレイ)173等を送信して装置全体の制御を行うTVマイコン164と、TVマイコン164の制御プログラム、通信制御データ、さらに通信チャンネル変更プログラム等の種々のデータを記憶する電気的に書換可能な不揮発性メモリであるEEPROM165と、図示しないリモートコントロール装置(以下、リモコン装置という)からの制御コマンドを受光するリモコン受光部166と、バッテリ167と、バッテリ167の充放電を制御するバッテリチャージャマイコン168とを備えて構成される。
SS受信ユニット161は、SS無線方式により送信されたデータを受信するSS無線機及び無線制御部からなるSS無線受信エンジン181、受信したMPEG2ストリームをデコードするMPEG2デコーダ182、デコードされたデータをアナログ信号に変換するD/A変換部183、及びSS受信ユニット各部を制御するとともに、電波状態を検出する第2のSS−CPU184(通信状態検出手段,エラー判定手段,電界強度判定手段)を備えて構成される。
SS無線受信エンジン181は、ワイヤレスセンタ102のSS送信ユニット136からのMPEG2ストリームやコマンド等を受信する受信機能と、SS受信ユニット161からコマンド等を送信する送信機能とを備える。
TVマイコン164は、内部にOSD発生機能部を有し、チャンネル、時刻、音量などの情報をテレビ等の画面上に表示する。TV等の映像装置、テレビ会議システム等の電子機器では、チャンネル、時刻、音量などの情報をテレビ画面上に表示することが一般的になっている。OSDのデータは画像ではなく、ビットマップと呼ばれる形式で保持されており、このビットマップからY,Cb,Crで表されるYUV形式の画素値に変換され、その変換された画素がテレビ放送などの原画像の上に重畳される。また、TV出力/ビデオ4入力端子121に図示しないDVD等の画像再生装置を接続すれば、表示画面上に再生画像に重畳してOSD表示が可能である。
また、図示は省略するが、TV本体103は、スピーカ、キー入力部、カード型外部拡張記憶媒体を挿脱するためのスロット等を備え、カード型外部拡張記憶媒体を該スロットに装着してデータを直接読み取る構成としてもよい。カード型外部拡張記憶媒体は、例えば電源バックアップにより書き込まれた情報を保持するSRAM(Static RAM)カードや電源バックアップが不要なフラッシュメモリ等からなるコンパクトフラッシュ(登録商標)(CF)、スマートメディア、メモリスティク、さらにはコンパクトフラッシュ(登録商標)と同程度の大きさ又はPCカードTypeIIに装着可能な超小型ハードディスクドライブ(HDD)等である。
リモコン受光部166は、IR(Infrared Rays:赤外線)を使用する光通信ポート部であり、TV本体103又はワイヤレスセンタ102に対して各種操作を行うリモコン装置からの光信号を受光する。具体的には、赤外線を利用してデータを伝送するための規格、IrDA(Infrared Data Association),ASK等に準拠して光通信を行うためのI/Oポート、又は電波による無線通信ポートである。
バッテリ167は、TV本体103各部に所定の電源を供給する。バッテリチャージャマイコン168は、バッテリ167が充電可能状態になったとき、例えばTV本体103がワイヤレスセンタ102やその他のクレードル等に装着されたことを検知し、バッテリ167の充電媒体に対し電力供給端子(いずれも図示略)を介して充放電の制御を行う。バッテリチャージャマイコン168は、具体的にはバッテリパックの放電電流を積算し、バッテリパックの残存容量が所定値以下になったと判断したときに充電を開始するとともに、充電時にはバッテリパックへの充電電流を積算しバッテリパックが満充電状態になったと判断したときに充電を停止させる。充電されたバッテリ167は、TV本体103が商用電源から切り離された場合に携帯TVの主電源となり、本体各部に電力を供給する。
以上説明したように、本実施の形態に係るワイヤレスAVシステム101は、映像及び音声データを所定のMPEGレートで送受信するワイヤレスセンタ102及びTV本体103とから構成され、ワイヤレスセンタ102は、装置全体の制御を行うワイヤレスセンタマイコン137、設定されたMPEGレートを記憶するEEPROM138、及び受信電波の電界強度、エラー率に基づく再送要求によりワイヤレスセンタ102とTV本体103間の通信状態を検出する第1のSS−CPU154を備え、ワイヤレスセンタマイコン137は、検出された通信状態に基づいて、送信する映像及び音声データの伝送レートを設定する制御を行うので、通信状態が変化したとき(特に、悪化したとき)、従来例のようにユーザが手動でビットレートを下げたり固定的にビットレートを下げるのではなくAVデータに応じてビットレートを自動的に設定することにより、通信状態が悪化した場合であっても、映像及び音声データの劣化を最小限に抑え、ニュース番組など情報伝達性が要求されるデータについてはできるだけデータ伝送を維持することができる。
なお、本発明の無線通信装置、送信機、受信機、無線通信システム及びワイヤレスAVシステムは、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ワイヤレスAV機器として携帯TVとしているが、TV受信機に限らず無線通信機能を持った又はその融合された装置に適用可能である。例えば、AV機器として、VTR(Video Tape Recorder)のほか、HDDやDVDに記録する記録再生装置でもよい。また、データ送受信のできる装置として、パソコンに代表される情報機器機能に融合された装置であってもよく、全てのシステムに適用可能である。また、送受信データの内容はどのようなものであってもよい。
また、本実施の形態では、TV受信機で説明したが、これに限定されるものではなく、前述のように、チューナとパソコンや、チューナを使用する他のAV機器にも応用できる。
また、上記無線通信装置、送信機、受信機及びワイヤレスAVシステムを構成する各処理部等の種類、設定情報の種類・形式などは前述した実施形態に限られない。特に、HAViに準拠する機器に適用して好適である。
また、AVデータは、MPEG2符号化方式に準拠したMPEGストリームにより伝送しているが、データ伝送は他のMPEG方式によるMPEGストリームやMPEGストリーム以外のデータ伝送にも同様に適用できる。また、図6に示すコンテンツ種別とMPEGレートは一例でありこれに限定されるものではない。
また、本実施の形態では無線通信装置、無線通信システム、ワイヤレスAVシステム及び無線伝送方法という名称を用いたが、これは説明の便宜上であり、無線伝送機器、AVデータ通信装置、情報通信方法等であってもよい。
以上説明した無線通信装置、送信機、受信機及びワイヤレスAVシステムは、この無線通信装置、送信機、受信機及びワイヤレスAVシステムを機能させるためのプログラムでも実現される。このプログラムはコンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納されている。本発明では、この記録媒体として、メインメモリそのものがプログラムメディアであってもよいし、また外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであってもよい。いずれの場合においても、格納されているプログラムはCPUがアクセスして実行させる構成であってもよいし、あるいはいずれの場合もプログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であってもよい。このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
ここで、上記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM、EEPROM、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
さらに、図示されていないが、外部の通信ネットワークとの接続が可能な手段を備えている場合には、その通信接続手段を介して通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように、流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。なお、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用プログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであってもよい。なお、記録媒体に格納されている内容としてはプログラムに限定されず、データであってもよい。
以上、詳述したように、本発明によれば、固定ビットレート無線伝送による画像や音声などの伝送中に、周囲からの妨害などにより、エラーが発生し、画像や音声に乱れが生じた際、一時的に自動で伝送ビットレートを下げ、エラーデータの最大再送回数を増やすことにより、エラー耐性を強化することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
なお、上記実施形態の無線通信装置の各部や各処理ステップは、CPUなどの演算手段が、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶手段に記憶されたプログラムを実行し、キーボードなどの入力手段、ディスプレイなどの出力手段、あるいは、インターフェース回路などの通信手段を制御することにより実現することができる。したがって、これらの手段を有するコンピュータが、上記プログラムを記録した記録媒体を読み取り、当該プログラムを実行するだけで、本実施形態の無線通信装置の各種機能および各種処理を実現することができる。また、上記プログラムをリムーバブルな記録媒体に記録することにより、任意のコンピュータ上で上記の各種機能および各種処理を実現することができる。
この記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理を行うために図示しないメモリ、例えばROMのようなものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することにより読取り可能なプログラムメディアであっても良い。
また、何れの場合でも、格納されているプログラムは、マイクロプロセッサがアクセスして実行される構成であることが好ましい。さらに、プログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であることが好ましい。なお、このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
また、上記プログラムメディアとしては、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD/MO/MD/DVD等のディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する記録媒体等がある。
また、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であれば、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する記録媒体であることが好ましい。
さらに、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであることが好ましい。
また、従来の課題としては、以下のようなものがあり、これによって、本願の目的は以下のようにもなる。
従来の無線通信機器にあっては、圧縮法として、可変ビットレートを想定しているため、毎データパケット送信ごとにエラーレートにより圧縮率及び再送回数を変化させる必要がある。また、受信したデータのエラーレートが大きくなるほど圧縮率と再送回数とを大きくするように要求することにより、圧縮率を上げすぎる場合があり、音声が、聞くに堪えないものとなってしまう可能性もある。また、映像伝送に応用した場合、映像が、見るに堪えないものとなってしまう可能性もある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、通信状態が悪化した場合であっても、映像及び音声データの劣化を最小限に抑え、エラー耐性を強化することができる無線通信装置、送信機、受信機、無線通信システム、ワイヤレスAVシステム、無線伝送方法並びに動作制御プログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
本発明の無線通信装置は、以下のような構成であってもよい。
映像及び音声データを含むデータを所定のビットレートで伝送する無線通信装置において、通信状態を検出する通信状態検出手段と、複数の伝送レートと再送回数とを組み合わせた設定値を記憶する設定値記憶手段と、前記検出された通信状態に基づいて、前記設定値記憶手段に記憶された設定値を選択し、該選択した設定値に基づく伝送レート及び再送回数を設定する伝送レート設定手段とを備えることを特徴とする無線通信装置。
また、前記通信状態検出手段は、受信電波の電界強度、又はエラー率、又はエラー率に基づく再送要求回数により通信状態を検出するようにしてもよい。
前記通信状態検出手段は、通信リンクが確立された無線通信装置間の通信状態を検出するようにしてもよい。
前記映像及び音声データは、MPEG符号化方式に準拠したMPEGストリームにより伝送されるようにしてもよい。
本発明の送信機は、以下のような構成であってもよい。
映像及び音声データを含むデータを所定のビットレートで送信する送信機において、データ伝送先からのエラー情報を受信する受信手段と、複数の伝送レートと再送回数とを組み合わせた設定値を記憶する設定値記憶手段と、送信されたエラー情報に基づいて、前記設定値記憶手段に記憶された設定値を選択し、該選択した設定値に基づく伝送レート及び再送回数を設定する伝送レート設定手段と、前記設定値に基づく伝送レート及び再送回数で映像及び音声データを送信する送信手段とを備えることを特徴とする送信機。
本発明の受信機は、以下のような構成であってもよい。
所定のビットレートで送信された映像及び音声データを受信する受信機において、映像及び音声データを受信する受信手段と、受信データのエラーを判定するエラー判定手段と、判定したエラー情報をデータ送信元に送信する送信手段とを備えるようにしてもよい。
前記エラー判定手段は、受信データの電界強度を判定し、前記送信手段は、前記エラー判定手段により判定した電界強度をエラー情報として送信するようにしてもよい。
本発明の無線通信システムは、以下のような構成であってもよい。
映像及び音声データを含むデータを所定のビットレートで送受信する送信機と受信機からなる無線通信システムにおいて、前記受信機は、前記送信機から送信される映像及び音声データを受信する第1の受信手段と、受信データのエラーを判定するエラー判定手段と、判定したエラー情報を前記送信機に送信する第1の送信手段とを備え、前記送信機は、前記受信機から送信されるエラー情報を受信する第2の受信手段と、複数の伝送レートと再送回数とを組み合わせた設定値を記憶する設定値記憶手段と、前記受信機から送信されたエラー情報に基づいて、前記設定値記憶手段に記憶された設定値を選択し、該選択した設定値に基づく伝送レート及び再送回数を設定する伝送レート設定手段と、前記設定値に基づく伝送レート及び再送回数で映像及び音声データを送信する第2の送信手段とを備えることを特徴とする無線通信システム。
映像及び音声データを含むデータを所定のビットレートで送受信する送信機と受信機からなる無線通信システムにおいて、前記受信機は、前記送信機から送信される映像及び音声データを受信する第1の受信手段と、受信データの電界強度を判定する電界強度判定手段と、判定した電界強度をエラー情報として前記送信機に送信する第1の送信手段とを備え、前記送信機は、前記受信機から送信されるエラー情報を受信する第2の受信手段と、複数の伝送レートと再送回数とを組み合わせた設定値を記憶する設定値記憶手段と、前記受信機から送信されたエラー情報に基づいて、前記設定値記憶手段に記憶された設定値を選択し、該選択した設定値に基づく伝送レート及び再送回数を設定する伝送レート設定手段と、前記設定値に基づく伝送レート及び再送回数で映像及び音声データを送信する第2の送信手段とを備えることを特徴とする無線通信システム。
前記伝送レート設定手段は、最大再送回数でデータを再送してエラーが修正されなかった場合に、伝送レートを下げるとともに、再送回数を増やすようにしてもよい。
前記伝送レート設定手段は、受信機側で検出された電界強度が、エラーが発生しやすい所定レベル以下であった場合に、伝送ビットレートを下げるとともに、再送回数を増やすようにしてもよい。
前記伝送レート設定手段は、受信機側で受信したデータのエラーレートが、映像や音声に影響を与える所定レベルであった場合に、伝送レートを下げるとともに、再送回数を増やすようにしてもよい。
前記伝送レート設定手段は、受信機側で検出されたエラーレートが急激に増加した場合、及び/又は電界強度が急激に低下した場合、伝送レートを最下位ランクまで下げるようにしてもよい。
前記伝送レート設定手段は、受信機側で検出されたエラーレートが徐々に増加した場合、及び/又は電界強度が徐々に低下した場合、伝送レートを所定ランクずつ下げるようにしてもよい。
前記伝送レート設定手段は、受信機側で検出されたエラーレートが妨害なしレベルにある場合、及び/又は電界強度が妨害なしレベルにある場合、伝送レートを最上位ランクまで上げるようにしてもよい。
前記伝送レート設定手段は、受信機側で検出されたエラーレートが徐々に低下した場合、及び/又は電界強度が徐々に増加した場合、伝送レートを所定ランクずつ上げるようにしてもよい。
上記の無線通信システムは、以下のようなAVシステムに適用してもよい。
複数の無線通信装置を無線ネットワークを通じて接続するワイヤレスAVシステムであって、前記無線通信装置は、上記の構成の無線通信システムであることを特徴とするワイヤレスAVシステム。
前記無線通信システムは、表示装置と、放送受信用チューナを有し、前記表示装置に映像及び音声データを伝送するセンタ装置とからなるテレビジョン受信機であってもよい。
本発明の無線伝送方法は、以下のような構成であってもよい。
映像及び音声データを含むデータを所定のビットレートで伝送する無線伝送方法において、通信状態を検出するステップと、複数の伝送レートと再送回数とを組み合わせた設定値を記憶するステップと、検出された通信状態に基づいて、前記設定値を選択し、該選択した設定値に基づく伝送レート及び再送回数を設定するステップとを有することを特徴とする無線伝送方法。
本発明の制御プログラムは、以下のような構成であってもよい。
映像及び音声データを含むデータを所定のビットレートで伝送する無線伝送方法において、通信状態を検出するステップと、複数の伝送レートと再送回数とを組み合わせた設定値を記憶するステップと、検出された通信状態に基づいて、前記設定値を選択し、該選択した設定値に基づく伝送レート及び再送回数を設定するステップ処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
本発明の記録媒体は、以下のような構成であってもよい。
映像及び音声データを含むデータを所定のビットレートで伝送する無線伝送方法において、通信状態を検出するステップと、複数の伝送レートと再送回数とを組み合わせた設定値を記憶するステップと、検出された通信状態に基づいて、前記設定値を選択し、該選択した設定値に基づく伝送レート及び再送回数を設定するステップ処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
以上、詳述したように、本発明によれば、固定ビットレート無線伝送による画像や音声などの伝送中に、周囲からの妨害などにより、エラーが発生し、画像や音声に乱れが生じた際、一時的に自動で伝送ビットレートを下げ、エラーデータの最大再送回数を増やすことにより、エラー耐性を強化することができる。
また、本発明に係る無線通信装置は、映像及び音声データを含むデータを所定のビットレートで伝送する無線通信装置において、送信相手からの信号に基づいて通信状態を検出する通信状態検出手段と、上記通信状態検出手段によって検出された通信状態に基づいて、上記ビットレートを可変制御しながら上記データを伝送するデータ伝送手段とを備え、上記データ伝送手段は、検出された通信状態が所定の基準を満たさないときに、上記ビットレートを一時的に下げてデータを伝送することを特徴としている。
上記データ伝送手段は、ビットレートを下げてデータ伝送をしているときに、上記通信状態検出手段によって検出された通信状態が所定の基準を満たせば、ビットレートを所定の水準まで上げてデータを伝送するようにしてもよい。
さらに、複数のビットレートと、データの再送回数とを組み合わせた設定値を記憶する設定値記憶手段を備え、上記データ伝送手段は、検出された通信状態に基づいて、上記設定値記憶手段に記憶された設定値を選択し、選択した設定値に対応したビットレート及び再送回数でデータを伝送するようにしてもよい。
上記映像及び音声データは、MPEG(Motion Picture Experts Group)符号化方式に準拠したMPEGストリームにより伝送されるようにしてもよい。
本発明に係る無線通信システムは、映像及び音声データを含むデータを所定のビットレートで送受信する送信機と受信機とからなる無線通信システムにおいて、上記受信機は、上記送信機から受信したデータのエラーを判定し、この判定結果に基づいて通信状態を検出する通信状態検出手段と、上記通信状態検出手段によって検出された通信状態をエラー情報として上記送信機に伝送するエラー情報伝送手段とを備え、上記送信機は、上記通信状態検出手段によって検出された通信状態に基づいて、上記ビットレートを可変制御しながら上記データを伝送するデータ伝送手段を備え、上記データ伝送手段は、検出された通信状態が所定の基準を満たさないときに、上記ビットレートを一時的に下げてデータを伝送することを特徴としている。
本発明に係るワイヤレスAVシステムは、複数の無線通信装置を無線ネットワークを通じて接続するワイヤレスAV(audio visual)システムにおいて、上記無線通信装置は、請求項1に記載の無線通信装置であることを特徴としている。
本発明に係る無線伝送方法は、映像及び音声データを含むデータを所定のビットレートで伝送する無線伝送方法において、送信相手からの信号に基づいて通信状態を検出する第1のステップと、第1のステップによって検出した通信状態に基づいて、上記ビットレートを可変制御しながら上記データを伝送する第2のステップとを含み、上記第2のステップにおいて、通信状態が所定の基準を満たさないときに、上記ビットレートを一時的に下げてデータを伝送することを特徴としている。
本発明に係る制御プログラムは、上記構成の無線通信装置を動作させる制御プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるための制御プログラムであってもよい。
本発明に係る記録媒体は、上記構成の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよい。
本発明に係る無線通信装置は、上記の課題を解決するために、映像及び音声データを含むデータを所定のビットレートで伝送する無線通信装置において、送信相手からの信号に基づいて通信状態を検出する通信状態検出手段と、上記通信状態検出手段によって検出された通信状態に基づいて、上記ビットレートを可変制御しながら上記データを伝送するデータ伝送手段とを備え、上記データ伝送手段は、検出された通信状態が所定の基準を満たさないときに、上記ビットレートを一時的に下げてデータを伝送することを特徴としている。
ここで、通信状態が所定の基準を満たさないとは、映像データであれば、大多数のユーザが見るに耐え難いレベルとなる通信状態を言い、また、音声データであれば、大多数のユーザが聞くに耐え難いレベルとなる通信状態を言う。
また、ビットレートを下げた場合には、映像や音声の品質を落とすことになるが、上記のような通信状態が所定の基準を満たさない場合のような映像や音声にはならない程度にビットレートを下げればよい。
従って、データ伝送手段が、検出した通信状態から所定の基準を満たさないときに、ビットレートを一時的に下げてデータを伝送することで、映像及び音声データの劣化を最小限に抑えることができる。
これにより、通信状態が悪化した場合であっても、映像及び音声データの劣化を最小限に抑えることになり、結果として、送信する映像や音声全体の品質を下げないでデータ通信を行うことができる。
また、上記ビットレートを下げてデータ伝送をしているときに、上記通信状態検出手段によって検出された通信状態が所定の基準を満たせば、ビットレートを所定の水準まで上げてデータを伝送するようにしてもよい。
これにより、映像及び音声データを劣化させる期間を必要最小限にすることができる。この場合、上記の所定の基準としては、通信当初のビットレートまで上げるための基準であってもよく、通信当初のビットレートよりも低い値に上げるための基準であってもよく、また、通信当初のビットレートよりも高い値に上げるための基準であってもよい。
さらに、複数のビットレートと、データの再送回数とを組み合わせた設定値を記憶する設定値記憶手段を備え、上記データ伝送手段は、検出された通信状態に基づいて、上記設定値記憶手段に記憶された設定値を選択し、選択した設定値に対応したビットレート及び再送回数でデータを伝送するようにしてもよい。
この場合、通信状態が非常に悪い場合のようにデータ伝送のエラー率が高い場合であっても、ビットレートを下げてデータの再送回数を多くするようにすれば、データの通信が可能となる。つまり、通信状態の程度によって、データ伝送のビットレートとデータの再送回数とを設定することができるので、エラー耐性を強化することができる。
上記映像及び音声データは、MPEG符号化方式に準拠したMPEGストリームにより伝送されるようにしてもよい。
本発明に係る無線通信システムは、上記の課題を解決するために、映像及び音声データを含むデータを所定のビットレートで送受信する送信機と受信機とからなる無線通信システムにおいて、上記受信機は、上記送信機から受信したデータのエラーを判定するエラー判定手段と、上記エラー判定手段によって判定されたエラーをエラー情報として上記送信機に伝送するエラー情報伝送手段とを備え、上記送信機は、上記受信機から伝送されたエラー情報に基づいて、通信状態を検出する通信状態検出手段と、上記通信状態検出手段によって検出された通信状態が所定の基準を満たさないときに、上記ビットレートを一時的に下げてデータを上記受信機に伝送するデータ伝送手段とを備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、通信状態が悪化した場合であっても、送信する映像や音声全体の品質を下げることなく、映像及び音声データの劣化を最小限に抑えてデータ通信を行うことができるシステムを実現できる。
また、上記の無線通信装置を複数ネットワークを通じて接続するワイヤレスAVシステムに適用すれば、映像及び音声データの劣化を最小限に抑えたワイヤレスAVシステムを実現できる。
本発明に係る無線通信装置は、以上のように、送信相手からの信号に基づいて通信状態を検出する通信状態検出手段と、上記通信状態検出手段によって検出された通信状態に基づいて、上記ビットレートを可変制御しながら上記データを伝送するデータ伝送手段とを備え、上記データ伝送手段は、検出された通信状態が所定の基準を満たさないときに、上記ビットレートを一時的に下げてデータを伝送することで、通信状態が悪化した場合であっても、映像及び音声データの劣化を最小限に抑えることになり、結果として、送信する映像や音声全体の品質を下げないでデータ通信を行うことができるという効果を奏する。