JP4333981B2 - 耐火二層管接続用目地 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モルタル等の耐火性外管を備えた耐火二層管を、同様のモルタル等の耐火性外管を備えた耐火二層継手や、鋳鉄製あるいは鋼板製などの耐火継手に接続する場合に接続部の隙間を封鎖するために使用される耐火性の目地に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、耐火性の配管として、硬質塩ビ管等の非耐火性の内管と、繊維モルタル等の耐火性の外管を重合した耐火二層管や耐火二層継手が知られている(例えば特許文献1参照)。一般には、安価で耐蝕性と通水性を良好にするため、この種の耐火二層管の内管には硬質塩化ビニルやポリエチレンが使用されている。また、この種の耐火二層管を耐火二層継手等の継手に接続する場合、その接続部の継ぎ目の外周面に、ケイ酸ソーダを主原料とするスラリーの層をアルミ箔の片面に形成した幅30mm程度のテープを巻き付け、スラリーの層を外周面に手で押さえ付けて接着することで継ぎ目の隙間を塞ぐことが行われている(特許文献2参照)。該スラリーの層は次第に乾燥硬化してその隙間を塞ぎ、火災等により該耐火二層管に熱が作用したとき、該スラリー層がセラミック化してその隙間から管内外に熱や煙が流通することが阻止され、その結果、延焼などの災害が防止される。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−152065 (図1)
【0004】
【特許文献2】
特開平9−272856 要約
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のテープ巻き付けする目地作業は、熟練を必要とせず狭い場所でも比較的簡単に行え、該テープは配管の外周長さに応じて切断して使用するので、一種のテープで各種の口径の配管に対応でき、継ぎ足して使用できるのでテープの無駄がないなどの利点があるが、スラリー層の厚さは巻き付け作業時に押さえ付けられても層切れを生じない程度の例えば3.5mmの厚さに形成する必要があり、これを薄くすると作業時の周面からの押さえ付けでスラリー層が切れたり薄くなり、火災時に目地としての機能が損なわれ、接続部の隙間から管内外へ熱や煙が伝わるようになって好ましくない。また、テープは使用上の便宜を考慮してロール状に巻かれて供給されるが、スラリー層が厚いため長尺のテープはロール径が大きくなり、取り扱いや輸送に不便があった。しかも、テープが、例えば踏みつけられたり落下したり、押圧力や衝撃力を受けたとき、粘土状のスラリー層が目地作業に適さない程度に壊れる不都合があった。このスラリー層は水溶性であるため、施工後に水がかかると溶け出して目地の機能が果たせなくなる欠点がある。
【0006】
本発明は、このような不便や不都合を解決した、切れにくく壊れにくいしかも薄く耐水性のある耐火層を備えた耐火二層管接続用の目地を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記目的を達成するため、アルミ箔を片面に備えたテープ状目地であって、該アルミ箔の片面に、難燃性繊維のメッシュを介して、耐火二層管を構成する耐火性外管と接合し且つ難燃性で感圧性の接着剤を焼成炭化したアクリル繊維布帛に含浸させた繊維耐火接着層を形成した。耐火二層管を構成する耐火性外管、および上記アルミ箔に接合する接着剤を上記アクリル繊維布帛に含浸させてから該アクリル繊維布帛を該アルミ箔に接合して構成することで、アルミ箔と布帛の一体性のよい耐火二層管接続用目地が得られる。また、該アルミ箔に耐火性外管と同系色を焼付け塗装することで外管のよい施工が行える。該繊維耐火接着層を厚さ2mm以下に形成すると、巻き径が小さくなり柔軟性も増して作業性が向上する。
【0008】
【発明の実施の形態】
図面に基づき本発明の実施の形態を説明すると、図1に於いて、符号1はテープ状に形成した耐火二層管接続用目地を示し、アルミ箔2の片面に、焼成炭化したアクリル繊維布帛3に難燃性且つ感圧性の接着剤4を含浸させて得られた繊維耐火接着層5を形成して構成される。
【0009】
該耐火二層管接続用目地1は、図2及び図3に示したように、内管6aが塩化ビニルやポリエチレンなどの非耐火性材料で形成されると共に外管6bが繊維モルタルなどの耐火性材料で構成された耐火二層管6の接続部に巻き付けて使用されるもので、図2及び図3の例では耐火二層管6と耐火二層継手7の接続部に巻き付けて使用した場合を示す。この耐火二層継手7も、非耐火性材料から成る内管7aと、耐火性材料から成る外管7bで構成される。これらの管や継手の接続部に振動などで隙間が生じると、外部からの火災の熱などが作用したときにその隙間から管内へ熱が侵入し、内管6a、7aが燃焼して延焼原因になるが、接続部に該目地1を巻き付けておくことでその燃焼が防止される。
【0010】
該焼成炭化したアクリル繊維布帛3には、例えば、1.2から2デニール程度の繊維を厚さ2mm程度の薄いフェルト状或いは不織布状に形成したものが使用される。この薄い焼成炭化アクリル繊維布帛3に、耐火二層管6の繊維モルタルの耐火性外管6bと接着する難燃性の接着剤4を含浸させ、これにより繊維耐火接着層5を形成し、この薄い繊維耐火接着層5を例えば厚さ20ミクロン程度のアルミ箔2に重層接着し、テープ状に裁断するなどの適当な成型加工を行なうことで耐火二層管接続用目地1が得られる。該アルミ箔2は、目地の施工時に手が該繊維耐火接着層5の接着剤4に接着することを防止するためと、柔軟で施工が容易で難燃性であることから繊維耐火接着層5の外面に設けられており、該繊維耐火接着層5のアルミ箔2と重合しない側の面には、図示してないが、接合面の保護とロール状に巻回するために剥離紙を重合しておくことが好ましい。
【0011】
尚、該アルミ箔2と繊維耐火接着層5との間には、ガラス繊維などの難燃性繊維から成るメッシュ8を介在させ、目地の強度を増すようにした。該接着剤4としては、例えば、アクリル酸エステル系共重合物25〜35%、酢酸エチル50〜60%、粘着付与樹脂5〜15%の成分からなるアクリル系感圧性接着剤が使用される。
【0012】
テープ状に形成した本発明の目地1は、例えば図2に示したように、耐火二層管6と耐火二層継手7の接続部にアルミ箔2を外面として巻き付け、その周面から手で押さえて接着するもので、この使用方法は従来のスラリー層を備えたテープ状目地の場合と特に変わりがないが、本発明の目地1は接着剤4を含浸した焼成炭化アクリル繊維布帛3の繊維耐火接着層5が芯材になっているので、力をこめて耐火二層管の外面へ該目地1を押し付けても該繊維耐火接着層5が層切れすることがない。また該アクリル繊維布帛3は、燃えず、しかも溶融、収縮することもなく、断熱性に富み、軽量且つ柔軟であるので施工性がよく、1巻あたりの長さを長くすることができ、衝撃を受けても接着層5が壊れることもない。更に、該繊維耐火接着層5を構成する焼成炭化アクリル繊維布帛3は、水を浴びても従来のスラリー層のように流失することがないから、耐火目地機能を確実に果たすことができる。
【0013】
耐火二層管6と耐火二層継手7の接続部には往々にして管の外径差による図3に見られるような段差10が存在し、このような段差のある接続部に巻き付けたとき、外径の小さい管の周面の目地1にシワが生じ、これに伴い周面との接着部に隙間を生じるおそれがあったが、図4に示すように、テープ状目地1の側縁にスリット9を形成しておくことで、シワの発生が防止され、隙間のない接着を行えるようになる。また、該アルミ箔2の表面に耐火性外管と同系色を焼付け塗装しておくと、耐候性が増し、目地施工の違和感も緩和することができる。
【0014】
【実施例】
2.0デニール、繊径12ミクロン、比重1.4の焼成炭化アクリル繊維で厚さ2mmの不織布を形成し、この繊維布帛にアクリル酸エステル系共重合物25〜35%、酢酸エチル50〜60%、粘着付与樹脂5〜15%の成分からなるアクリル系感圧性接着剤を含浸させ、繊維耐火接着層5を形成した。そしてこの繊維耐火接着層5の片面にガラス繊維から成る難燃性繊維のメッシュ8とアルミ箔2を重合すると共に他の面に剥離紙を重合し、テープ状に裁断した。テープの幅は50mmとした。
【0015】
そして、このテープ状目地1を、耐火性外管6b、7bが繊維モルタルで形成された耐火二層管6と耐火二層継手7の隙間を有する各接合部に巻き付け、その端部同士は多少重合するようにした。該耐火二層継手7は床スラブ11を貫通する貫通孔12内に設置した。
【0016】
床スラブ11の下方の室13内をISO 834−1の加熱曲線に基づき加熱することによりこの接合部の耐火試験を行った。床スラブ11の下方の耐火二層管の接続部の目地1は、アルミ箔2が燃え落ち、繊維耐火接着層5に含浸させた接着剤は蒸発したが、焼成炭化アクリル繊維布帛3は原形を保持したまま炭素化していた。また、室13内の耐火二層管6の耐火性外管6b及び内管6aは破損し、耐火二層継手7の内管7aも変形したが、上方の室14に位置する接続部に施した目地1には変化がなく、その接続部からの煙や火炎の噴出が防止され、耐火性目地としての機能を十分に果たし得た。
【0017】
【発明の効果】
以上のように、本発明の目地は、アルミ箔の片面に、焼成炭化したアクリル繊維布帛に接着剤が含浸した繊維耐火接着層を形成したので、薄く柔軟で層切れのしない軽量な耐火性の目地が得られ、目地作業の作業性が向上するのみならず、層厚が薄いので1巻あたりの長さの長いテープ状目地を提供でき、かさばらないので輸送も便利になる。また、柔軟な焼成炭化アクリル繊維布帛が芯材になっているので、耐火二層管の振動や揺れにより外れることもなく耐水性も良好になる等の効果があり、請求項2以下の構成とすることにより本発明の目的を一層適切に達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す説明図
【図2】本発明の目地の使用状態を示す斜視図
【図3】図2の截断側面図
【図4】本発明の他の実施の形態を示す説明図
【符号の説明】
1 耐火二層管接続用目地、2 アルミ箔、3 焼成炭化したアクリル繊維布帛、4 接着剤、5 繊維耐火接着層、6 耐火二層管、6b・7b 耐火性外管、8 難燃性繊維のメッシュ、9 スリット、

Claims (3)

  1. アルミ箔を片面に備えたテープ状目地であって、該アルミ箔の片面に、難燃性繊維のメッシュを介して、耐火二層管を構成する耐火性外管と接合し且つ難燃性で感圧性の接着剤を焼成炭化したアクリル繊維布帛に含浸させた繊維耐火接着層を形成したことを特徴とする耐火二層管接続用目地。
  2. 耐火二層管を構成する耐火性外管、および上記アルミ箔に接合する接着剤を上記アクリル繊維布帛に含浸させてから該アクリル繊維布帛を該アルミ箔に接合したことを特徴とする請求項1に記載の耐火二層管接続用目地。
  3. 上記アルミ箔に耐火性外管と同系色を焼付け塗装することを特徴とする請求項1または2に記載の耐火二層管接続用目地。
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