JP4333069B2 - データ再生方法および装置 - Google Patents

Description

【技術分野】
【０００１】
この発明は、例えば所謂コンパクトディスクと互換性を有するディスク状記録媒体に対して適用されるデータ再生方法および装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
コンパクトディスク（Compact Disc；ＣＤ）、ＤＶＤ（Digital Versatile DiscまたはDigital Video Disc）等において、著作権保護のために、違法なコピーを防止するためのコピー防止技術が種々提案され、また、実用化されている。例えばＳＣＭＳ（Serial Copy Management System）は、ＣＤからＭＤ（Mini Disc：商標）への１世代目のコピーを許可しても、ＭＤから他の媒体への２世代目のコピーを禁止するものである。また、何世代目のコピーを作成できるかを制限するコピー世代制限の方式も知られている。
【０００３】
一方、最近では、インターネットを始めとする急速なネットワークの発展の下で、ネットワークを介して音楽コンテンツが流通するようになってきている。このような状況において、インターネット、衛星放送等のネットワークを利用したＥＭＤ（Electronic Music Distribution）が開始され、ＥＭＤにおける著作権管理の方法が提案されている。ＥＭＤにおいては、課金によってユーザが音楽コンテンツを入手することができる。このＥＭＤにおいても、違法コピーを防止するために上述したようなＳＣＭＳ、コピー世代制限等の技術が使用されようとしている。
【０００４】
上述したように、従来の著作権保護の方法は、コピー防止技術を用いてコピーを制限し、著作権者の権利を保護するものであったために、音楽コンテンツを広く、且つ短時間に流通させる上では、障害となっていた。例えば従来の著作権保護のシステムの一つとして、賦課金制度がある。これは、ＤＡＴ（Digital Audio Taperecorder）、ＭＤで実施されているもので、ディジタル録音機器の利用者が製品価格に上乗せされた補償金を支払うものである。ネットワークが発展している今日では、ネットワークを介して配信されたコンテンツをパソコン（パーソナルコンピュータ）により受信し、再生することが行われるように、ハードウエア（プレーヤ、メディア）とコンテンツが１対１に対応しないことが多く、かかる賦課金制度は、著作権の保護のシステムとして、適しているとは言えない。
【０００５】
また、メディア、例えばＣＤに複数の曲が記録されている場合に、ユーザは、その内の特定の１または数曲のみを聞きたい場合があり、メディア全体、即ちＣＤ１枚を購入したくはない場合もある。さらに、コピー防止技術のために、音楽コンテンツの宣伝・流通が阻害されることになる。むしろ、無料で音楽コンテンツを配信する方がその音楽コンテンツの宣伝・流通を短時間に行うことが可能となり、宣伝・流通のための費用を削減することも可能となる。
【発明の課題】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
このような点に鑑み、コンテンツの流通が容易且つ迅速に行われ、また、著作権者が正当な対価を得ることを可能とするためには、コンテンツの流通・配付は、無料でなされ、コンテンツを再生する時に課金がなされるシステムが好ましい。このようなシステムを実現するためには、媒体上に記録されているコンテンツが暗号化されている必要がある。そして、コンテンツを再生する時に、暗号化を復号すると、課金されるシステムを構築することが考えられる。しかしながら、暗号化されたコンテンツを記録した記録媒体例えばディスクは、既存のディスク再生装置例えばＣＤの再生装置によって再生することができない問題がある。
【０００７】
また、コンテンツの流通・配付を無料とするのに加えて、コピー（再配付）も自由に行えることが好ましい。その場合には、暗号化されたコンテンツのコピーがなされる。コピーをする時の所要時間が短いことが望まれる。
【０００８】
したがって、この発明の目的は、既存のデータ記録媒体との互換性を確保しつつ、暗号化されることによって、復号時の課金を可能とするコンテンツが記録されたデータ再生方法および装置を提供することにある
【０００９】
上述した課題を解決するために、請求項１の発明は、記録領域が少なくとも第１および第２の記録領域に分割され、第１の記録領域に記録される、課金処理されない第１のデータが非暗号化データであり、第２の記録領域に記録される第２のデータの少なくとも一部が暗号化データであり、第１および第２のデータの圧縮率が異ならされ、暗号化された第２のデータが記録されているか否かを指示する管理情報が記録されたデータ記録媒体からデータを再生するデータ再生方法であって、管理情報には、第１のデータおよび第２のデータが同一コンテンツであるか否かを示す情報が含まれ、データ記録媒体上のデータを再生し、再生された管理情報に基づいて、暗号化された第２のデータが記録されているか否かを判断し、暗号化された第２のデータが記録されていると判断した場合には、暗号化された第２のデータおよび第１のデータとが同一コンテンツであるか否かを管理情報に基づいて判断し、暗号化された第２のデータおよび第１のデータが同一コンテンツでないと判断した場合には、暗号化された第２のデータに対する課金処理をユーザが承諾したか否かを判断し、課金処理をユーザが承諾したと判断した場合には、暗号化された第２のデータを復号し、復号した第２のデータを再生し、第２のデータを復号したときまたは復号した第２のデータを再生したときに課金処理を行い、暗号化された第２のデータおよび第１のデータが同一コンテンツであると判断した場合には、課金処理を行わないで、暗号化された第２のデータを復号し、復号した第２のデータを再生し、第２のデータに対する課金処理をユーザが承諾したと判断しない場合には、第２のデータの復号または再生を禁止し、暗号化された第２のデータが記録されていると判断しない場合には、第２のデータに対する課金処理を行わないで、第２のデータを再生するデータ再生方法である。
【００１０】
請求項３の発明は、記録領域が少なくとも第１および第２の記録領域に分割され、第１の記録領域に記録される、課金処理されない第１のデータが非暗号化データであり、第２の記録領域に記録される第２のデータの少なくとも一部が暗号化データであり、第１および第２のデータの圧縮率が異ならされ、暗号化された第２のデータが記録されているか否かを指示する管理情報が記録されたデータ記録媒体からデータを再生するデータ再生装置であって、管理情報には、第１のデータおよび第２のデータが同一コンテンツであるか否かを示す情報が含まれ、データ記録媒体上のデータを再生する再生手段と、第１のデータを処理する第１の信号処理手段と、第２のデータを処理する第２の信号処理手段とを備え、再生された管理情報に基づいて、暗号化された第２のデータが記録されているか否かを判断し、暗号化された第２のデータが記録されていると判断した場合には、暗号化された第２のデータおよび第１のデータが同一コンテンツであるか否かを管理情報に基づいて判断し、暗号化された第２のデータおよび第１のデータが同一コンテンツでないと判断した場合には、暗号化された第２のデータに対する課金処理をユーザが承諾したか否かを判断し、課金処理をユーザが承諾したと判断した場合には、暗号化された第２のデータを復号し、復号した第２のデータを再生し、第２のデータを復号したときまたは復号した第２のデータを再生したときに課金処理を行い、暗号化された第２のデータおよび第１のデータが同一コンテンツであると判断した場合には、課金処理を行わないで、暗号化された第２のデータを復号し、復号した第２のデータを再生し、第２のデータに対する課金処理をユーザが承諾したと判断しない場合には、第２のデータの復号または再生を禁止し、暗号化された第２のデータが記録されていると判断しない場合には、第２のデータに対する課金処理を行わないで、第２のデータを再生するデータ再生装置である。
【００１５】
この発明によれば、データ記録媒体上に非暗号化データと暗号化データとを混在して記録することが可能となり、種々のアプリケーションに対応することができる。例えば著作権保護のためのセキュアなコンテンツとプロモーション広告のようなノンセキュアなコンテンツとを同一媒体上に記録することが可能となる。
【００１６】
また、この発明によれば、暗号化処理がされているか否かに基づいて、課金処理をする、課金処理をしないと判断することによって、簡単に課金処理の切り替えが可能となる。
【００１７】
さらに、この発明によれば、世代制限なしにコピーを許可することによって、コンテンツの流通を促しながら、課金処理の情報を伝達することができる。したがって、ネットワークが発達した社会において、著作権を有効に保護することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１８】
以下、この発明の第１の実施形態について説明する。第１図Ａに、この発明による記録媒体例えばディスク１を示す。ディスク１は、記録領域がその径方向に２分割され、第１の記録領域（第１パートと称する）ＰＡ１と、第２の記録領域（第２パートと称する）とが設けられている光ディスクである。ディスク１の内周側の第１パートＰＡ１には、非暗号化データ（平文）である第１のコンテンツデータ例えば第１のオーディオデータが記録される。ディスク１の外周側の第２パートＰＡ２には、少なくとも一部が暗号化された第２のコンテンツデータ例えば第２のオーディオデータが記録される。なお、ディスク１の中心部分には中心孔２が形成されている。
【００１９】
第１図Ｂには、この発明が適用されたディスクの他の例を示す。ディスク１’は、プログラムエリアが径方向に４分割されることによって、記録領域ＰＡ１，ＰＡ２，ＰＡ３，ＰＡ４が形成されたものである。記録領域ＰＡ１およびＰＡ３に対して、非暗号化データの第１および第３のデータが記録され、記録領域ＰＡ２およびＰＡ４に対して、暗号化されたデータの第２および第４のデータが記録される。図示しないが、ディスク１の径方向に形成される記録領域の個数は、図示した４個の例に限定されるものではなく、任意の数に選ぶことができる。
【００２０】
第１図Ａに示したように、二つの記録領域を有するディスク１について、より詳細に説明する。第１図Ａに示した光ディスク１は、既存のＣＤとの互換性を考慮したものである。
【００２１】
第２図は、ディスク１のエリアを示す。ディスク１の最内周側のクランピングエリアの外周にリードインエリアＬＩ１が配され、リードインエリアＬＩ１の外側にプログラムエリアとしての第１のパートＰＡ１が配され、この第１のパートＰＡ１の外側にリードアウトエリアＬＯ１が配される。リードアウトエリアＬＯ１の外側にリードインエリアＬＩ２が配され、リードインエリアＬＩ２の外側にプログラムエリアとしての第２のパートＰＡ２が配され、第２のパートの外側にリードアウトエリアＬＯ２が配される。リードアウトエリアＬＯ１の外側とリードインエリアＬＩ２との間にはミラー領域が設けられ、このミラー部で後述するように第１パートＰＡ１と第２パートＰＡ２の線速度が切換えられる。
【００２２】
第３図は、ＣＤの物理的な寸法と同一とされたディスク１の寸法を示す。第３図中の１点鎖線がディスク１の中心位置を示す。第３図に拡大して一部を示すように、ディスク１の厚みが１．２ｍｍである。ディスク１は１．２ｍｍの厚みのポリカーボネート基板３上にアルミニウム等をスパッタリングすることによって形成された反射層４（４０〜８０ｎｍ）、この反射層４を保護するために設けられた紫外線硬化型樹脂から形成された保護層５（１０〜２０μｍ）、保護層５上に印刷によって形成されたラベル６が積層された構造を有する。基板３の一方の面には、データに対応したピット（凹凸）が形成され、基板３の他方の面側からレーザビームを照射し、反射層４によって反射されたレーザービームを検出することによって、例えばピットの有無が反射されたレーザービームの光量差として読み取られる。
【００２３】
ディスク１の中心から２３ｍｍの位置と、中心から２５ｍｍの位置までがリードインエリアＬＩ１とされる。既存のＣＤの場合では、ディスク中心から５８ｍｍまでの範囲で、リードインエリアの外側にプログラムエリアが配置され、ディスク中心から５８．５ｍｍまでの範囲で、プログラムエリアの外側にリードアウトエリアが配置されている。
【００２４】
既存のＣＤの規格（Red Bookと呼ばれる）では、トラックピッチが１．６μｍ±０．１μｍ、ＣＬＶ（Constant Linear Velocity：線速度一定）における線速度が１．２ｍ／ｓｅｃ〜１．４ｍ／ｓｅｃと規定される。記録データのデータフォーマットが所定のものである場合に、線速度によってＣＤ上の最短ピット長が決まる。線速度が１．２５ｍ／ｓｅｃの場合、ＥＦＭ（eight to fourteen modulation）変調方式の最小時間幅（記録信号の１と１との間の０の数の最小値となる時間幅）Ｔｍｉｎが３Ｔであり、３Ｔに相当するピット長が０．８７μｍとなる。Ｔに相当するピット長が最短ピット長である。ＣＤにおける最大再生時間（７４．７分）は、（トラックピッチ１．６μｍ、線速度１．２ｍ／ｓｅｃ）の場合に達成される。
【００２５】
ディスク１の第１パートＰＡ１には既存のＣＤと同一の信号フォーマットでもってディジタルオーディオ信号が記録される。第１パートＰＡ１にはＣＤの規格におけるトラックピッチの許容値の下限値（１．５μｍ）で、線速度の下限値（１．２ｍ／ｓｅｃ）でもって、オーディオデータが記録される。その結果、ディスク１の中心から５６．５ｍｍまでの範囲（すなわち、第１パートＰＡ１）で、既存のＣＤフォーマットに基づく最大再生時間（７４．７分）のディジタルオーディオデータを記録することができる。第１パートＰＡ１の外側で、径方向で０．５ｍｍの範囲がリードアウトエリアＬＯ１とされる。
【００２６】
このように設けられたリードインエリアＬＩ１、第１パートＰＡ１およびリードアウトエリアＬＯ１は、既存のＣＤの規格を満足するものである。したがって、既存のＣＤ再生装置は、第１パートＰＡ１上に記録されているオーディオデータを既存のＣＤと同様に支障無く再生することができる。
【００２７】
さらに、ディスク１の中心から５８ｍｍまでの範囲で、リードアウトエリアＬＯ１の外側には、記録領域として径方向で１ｍｍが残る。この１ｍｍの範囲の記録領域に、リードインエリアＬＩ２および第２パートＰＡ２が形成される。第２パートＰＡ２の外側の０．５ｍｍの範囲にリードアウトエリアＬＯ２が形成される。結局、ディスク１上のリードアウトエリアＬＯ２までの径方向の寸法は、５８．５ｍｍとなり、既存のＣＤの規格の寸法を満足することになる。ディスク１の中心から基板の最外周までの径方向の寸法は、６０ｍｍ（直径で１２０ｍｍ）である。
【００２８】
概略的には、第１パートＰＡ１には、既存のＣＤと同一のフォーマットでオーディオデータ、例えば非圧縮データのリニアＰＣＭ信号を記録し、第２パートＰＡ２には、圧縮され、暗号化されたオーディオデータを単密度または倍密度で記録する。単密度は、既存のＣＤと同一の記録密度を意味し、倍密度は、その２倍の密度を意味する。第２パートＰＡ２に記録されるオーディオデータは、著作権保護の点から例えばオーディオデータの再生時に課金されるものである。第２パートＰＡ２には、例えばＣＤ−ＲＯＭのフォーマット、即ちＣＤ−ＲＯＭモード２フォーム１のフォーマットに基づいてデータが記録される。
【００２９】
上述したような寸法のディスク１に記録できるデータ量について説明する。第１パートＰＡ１の最大許容容量を７４．７分、リードアウトエリアＬＯ１を９０秒とすると、単密度では、圧縮によって第２パートＰＡ２の最大許容容量を３５分（線速度１．２ｍ／ｓｅｃ、トラックピッチ１．５μｍ）とでき、倍密度では、第２パートＰＡ２の最大許容容量を７４．７〜８０分（線速度０．８７ｍ／ｓｅｃ、トラックピッチ１．１μｍ）とできる。すなわち、倍密度によって、第２パートＰＡ２には第１パートＰＡ１のデータの時間と同等の時間のオーディオデータを記録することができる。
【００３０】
このような既存のＣＤとの互換性を保ちつつ、再生時に課金されるオーディオデータが第２パートＰＡ２に記録されているディスク１では、ディスク１を再生装置に装着した時に最初に再生されるリードインエリアＬＩ１、既存のＴＯＣ（Table Of Contents）と同様のデータが記録されるのに加えて、第４図および第５図に示す付随情報が記録される。付随情報は、必要に応じて暗号化される。
【００３１】
第４図に示す付随情報は、複数のパートを有することの識別と、パートに関する情報を記述するためのものである。先頭にディスク１の全パート数の情報２０１（４ビット）が配置（記録）される。第２図および第３図に示す例では、パート数＝２である。次に、パート番号の情報２０２が配置される。通常、パート番号は、１から開始し、２，３，・・・と昇順で変化する。
【００３２】
パート番号に続いて２ビットのＩＤ１（識別情報）２０３が配置される。ＩＤ１は、パート１のコンテンツと同一のコンテンツが他のパートにあるかどうかを示す。その後の４ビットのデータ２０４でもって、パート１のコンテンツと同一のコンテンツが記録されたパート番号が記録される。若し、同一コンテンツが記録されていない場合には、データ２０４は全て０とされる。
【００３３】
次の２ビットのＩＤ２１（２０５）は、パート１に関する暗号化識別情報である。すなわち、ＩＤ２１（２０５）によって、パート１の暗号化の有無と、暗号化の種類が示される。例えば（ＩＤ２１＝００）は、非暗号化データを意味し、（ＩＤ２１＝０１）は、ＤＥＳ（Data Encryption Standard）による暗号化を意味し、（ＩＤ２１＝１０）は、ＲＳＡによる暗号化を意味するものと規定され、（ＩＤ２１＝１１）は、未定義とされる。
【００３４】
ＩＤ２１（２０５）に続いて第１パートＰＡ１の記録位置の開始位置を示すスタートアドレス２０６（２４ビット）と第１パートＰＡ１の記録終了位置を示すエンドアドレス２０７（２４ビット）とが配置される。スタートアドレス２０６、エンドアドレス２０７等のアドレスの表記方法は、既存のＣＤと同様に、ＢＣＤによるＭ（分）、Ｓ（秒）、Ｆ（フレーム）が使用される。後述するように、スタートアドレス２０６、エンドアドレス２０７等のアドレスの表記方法は、ＣＤフォーマット以外のデータの場合には、Ｍ，Ｓ，Ｆ以外のバイナリーを使用しても良い。
【００３５】
第１パートＰＡ１のエンドアドレス２０７の後に次のパート（第２パート）のパート番号２０８が配置される。その後に、第２パートＰＡ２に関する暗号化識別情報であるＩＤ２２（２０９）、第２パートのスタートアドレス２１０（２４ビット）、そのエンドアドレス２１１（２４ビット）が配置される。以下、３個以上のパートがある場合には、各パートのパート番号と、暗号化識別情報と、スタートアドレスと、エンドアドレスとが順に記録される。なお、各パートの記録位置を示すアドレスは、各パートのプログラムエリアの先頭位置を示すか、または各パートのリードインエリアの先頭位置を示す。
【００３６】
第５図は、リードインエリアＬＩ１に記録される課金に関する付随情報のデータ構成の一例を示す。この付随情報は、先頭に固定値（固定コード）３０１が位置する。固定値３０１は、１バイト（８ビット）の固定コード例えば”１１１１００００”である。固定値３０１は、その後のデータが付随情報のデータであることを示す。固定値３０１に続くデータについて順に説明する。
【００３７】
８ビットのコンテンツ総数３０２は、ディスク１内のコンテンツの総数を示す。その後に、コンテンツナンバー３０３（８ビット）が配置（記録）される。コンテンツナンバー３０３は、総数内の順番を示し、第１番目＃１のコンテンツが最初に配置される。コンテンツナンバー３０３から始まる２５６ビットの単位が＃１に関する付随情報を表す。
【００３８】
コンテンツナンバー３０３の後に、そのコンテンツのタイトル３０４（１２８ビット）が配置される。タイトル３０４は、タイトル名、ＩＳＲＣ（International Standard Recording Code）（著作権コード）を記述するものである。タイトル名を記述するための言語、コードを予め規定するようになされる。コンテンツタイトル３０４の後に、各４ビットのフラグＦＬＧ１（３０５）、ＦＬＧ２（３０６）、ＦＬＧ３（３０７）、ＦＬＧ４（３０８）が配置される。
【００３９】
フラグＦＬＧ１（３０５）は、著作権の有無を示す。著作権が無いコンテンツの場合では、ＦＬＧ１＝００００とされる。著作権が無いものの例は、著作権が消滅したコンテンツである。フラグＦＬＧ２（３０６）は、暗号化の有無を示す。暗号化されていないコンテンツの場合では、ＦＬＧ２＝００００とされる。一般的に著作権が無いコンテンツは、暗号化がされない。フラグＦＬＧ３（３０７）は、プロモーション用のコンテンツか否かを示す。プロモーション用のコンテンツの場合には、ＦＬＧ３＝００００とされる。フラグＦＬＧ４（３０８）は、自分のオリジナルのコンテンツか否かを示す。自分のオリジナルのコンテンツの場合には、ＦＬＧ４＝００００とされる。
【００４０】
上述したフラグＦＬＧ１〜ＦＬＧ４の後に課金に関する付随情報が配置される。課金処理を前提とするコンテンツか否かは、上述したフラグＦＬＧ１からＦＬＧ４の内の１つでも（００００）であれば、そのコンテンツは、課金が不要なコンテンツであることが分かる。課金に関する付随情報は、８ビットの課金タイプ３０９と、９６ビットの課金処理条件３１０とによって構成される。課金タイプ３０９は、買取型、グロス型、度数型等を区別する情報である。課金処理条件３１０は、各課金タイプにおける課金処理条件の情報を表すデータである。
【００４１】
一例として、課金タイプ３０９が買取型の場合では、例えば第２パートＰＡ２に記録されているデータ、即ちコンテンツデータの買取価格のデータが課金処理条件３１０として配置（または記録）され、課金タイプ３０９がグロス型の再生回数を制限する場合では、上述したコンテンツデータの再生回数のデータが課金処理条件３１０として配置され、課金タイプ３０９がグロス型の再生期間を制限する場合では、上述したコンテンツデータの再生期間のデータ（１日、１週間、１ヵ月等）が課金処理条件３１０として配置され、課金タイプ３０９が度数型の場合では、度数のデータ（１円／２分、１円／１分、１円／３０秒、・・・）が課金処理条件３１０として配置される。さらに、課金を前提としているコンテンツデータであっても、無料で視聴できる場合の条件を課金処理条件３１０として配置することもできる。
【００４２】
上述したコンテンツナンバー＃１に関する情報（２５６ビット）の後に次のコンテンツ（コンテンツナンバー＃２）に関する情報が配置される。コンテンツナンバー＃２に関する情報の構成は、上述したコンテンツナンバー＃１に関するものと同様のデータ配置とされる。以下、ディスク１内の全コンテンツに関する情報が記録される。
【００４３】
上述した第４図および第５図に示される付随情報の一部を第２パートＰＡ２のリードインエリアＬＩ２にも記録するようにしても良い。付随情報をリードインエリアＬＩ１内で繰り返し記録することによって、付随情報のエラーに対する耐性を高くしても良い。
【００４４】
第６図を参照して、ディスク１の記録装置、すなわち、マスタリング装置１０について説明する。マスタリング装置１０は、第６図に示すように、例えばＡｒイオンレーザ、Ｈｅ−ＣｄレーザやＫｒイオンレーザ等のガスレーザや半導体レーザである光源１１と、この光源１１から出射されたレーザ光を、ＣＤ用信号発生器１５からの信号に基づいて変調（オン／オフ）する音響光学効果型の光変調器１２と、この光変調器１２を通過したレーザ光を集光し、感光物質であるフォトレジストが塗布されたディスク状のガラス原盤１９のフォトレジスト面に照射する対物レンズ等を有する光ピックアップ１３を備えている。
【００４５】
光ピックアップ１３をガラス原盤１９との距離が一定に保つように制御したり、スピンドルモータ１８の回転駆動動作を制御するためのサーボ回路１４が設けられている。光ピックアップ１３からのレーザ光によって、トラックピッチが１．５μｍでもってデータが記録され、ガラス原盤１９が線速度が１．２ｍ／ｓｅｃとなるように回転制御される。ＣＤ用信号発生器１５は、セレクタ１６を介されたメインデータと、サブコード発生器１７からのサブコードとに基づいて、ガラス原盤１９に記録するＣＤの規格に基づく記録信号を発生し、この記録信号に基づいて光変調器１２がオン／オフ制御される。ガラス原盤１９がスピンドルモータ１８によって上述した線速度となるように回転駆動される。なお、スピンドルモータ１８は、ディスク１の第１パートＰＡ１の領域をカッティングしているときは、線速１．２ｍ／ｓｅｃとなるように回転駆動され、第２パートＰＡ２の領域をカッティングするときには線速０．８７ｍ／ｓｅｃとなるように回転駆動される。このとき、トラックピッチも１．１μｍとなるように光ピックアップ１３の送りが切換えられる。モータ１８等の切換えは光ピックアップ１３の位置を検出する図示しない位置検出器からの出力に基づいて図示しないコントローラによって切換えられる。
【００４６】
マスタリング装置１０は、ＣＤ用信号発生器１５により発生された記録信号にしたがって、光源１１からのレーザ光を変調する。マスタリング装置１０は、この変調されたレーザ光をガラス原盤１９のフォトレジスト面に照射することによって、ＣＤの規格に基づくデータが記録されたマスタを作成する。
【００４７】
ＣＤ用信号発生器１５は、セレクタ１６を介されたメインデータと、サブコード発生器１７からのサブコードとをＣＤの規格に基づくデータに変換する。すなわち、１サンプルあるいは１ワードの１６ビットが上位８ビットと下位８ビットとに分割されてそれぞれシンボルとされ、このシンボル単位で、例えばＣＩＲＣ（Cross Interleave Reed-Solomon Code）によるエラー訂正用のパリティデータ等を付加するエラー訂正符号化処理やスクランブル処理が施され、さらに、ＥＦＭ（Eight to Fourteen Modulation）方式で変調される。
【００４８】
セレクタ１６は、第１パートＰＡ１に記録されるデータと、第２パートＰＡ２に記録されるデータとを切り替えるものである。第１パートＰＡ１にデータを記録する時には、セレクタ１６が入力端子１８からのリニアオーディオを選択するように入力端子ａを選択する。第２パートＰＡ２にデータを記録する時には、セレクタ１６が加算器２４からのデータを選択するように入力端子ｂを選択する。セレクタ１６は、図示しないが、マスタリング装置１０の全体を制御するコントローラにより制御される。
【００４９】
入力端子１９に対して第２パートＰＡ２に記録されるオーディオデータが供給される。このオーディオデータが圧縮符号化エンコーダ２０に供給され、圧縮符号化される。圧縮符号化としては、ＭＰＥＧ２（Moving Picture Experts Group Phase2）のＡＡＣ（Advanced Audio Coding）、ＭＰ３（MPEG1 Audio Layer III）、ＡＴＲＡＣ（Adaptive Transform Acoustic Coding）、ＡＴＲＡＣ３等を使用できる。ＡＴＲＡＣ３は、前述したＭＤで使用されているＡＴＲＡＣに改良を加え、より高い圧縮率（約１／１１）の圧縮率を実現するものである。複数の圧縮符号化が可能とされている場合には、第４図および図に示す５付随情報中に圧縮符号化の種類を示す情報を記録しても良い。
圧縮符号化エンコーダ２０の出力データが暗号化回路２１に供給される。暗号化回路２１では、ＤＥＳ、ＲＳＡ等による暗号化がなされる。暗号化回路２１の出力データがＣＤ−ＲＯＭエンコーダ２３に供給される。ＣＤ−ＲＯＭエンコーダ２３は、第２パートＰＡ２に記録されるデータのフォーマットを後述するＣＤ−ＲＯＭのデータフォーマットに変換するものである。
【００５０】
ＣＤ−ＲＯＭエンコーダ２３の出力データが加算器２４に供給される。加算器２４には、暗号化回路２５の出力が供給される。暗号化回路２５には、入力端子２２からの付随情報が供給される。付随情報は、第４図および第５図を参照して説明したように、パートに関する情報並びに課金に関する情報が記述されたものであり、サブコード発生器１７が発生する既存のＣＤのサブコードと異なるものである。暗号化回路２５は、付随情報を暗号化するためのものである。付随情報は、破線で示す経路のように、暗号化回路２１に入力し、入力端子１９から入力されるオーディオデータと共通の暗号化を行うようにしても良い。
【００５１】
上述したマスタリング装置１０によって記録されたガラス原盤１９を現像し、電鋳処理することによってメタルマスタを作成し、次に、メタルマスタからマザーディスクが作成され、さらに次に、マザーディスクからスタンパが作成される。スタンパーを使用して、光透過性を有する合成樹脂材料を用い、圧縮成形、射出成形等の方法によって、ディスク１の基板３が製造される。このディスク１の基板３のスタンパの凹凸が転写された面に反射層４、保護層５が設けられ、保護層５上にラベル６が設けられることによってディスク１が完成する。
【００５２】
各パートに記録されている信号について説明する。第７図は、ＣＤ用信号の１フレームのデータ構成を示す。第１パートＰＡ１に記録されるデータはＣＤの規格に基づいている。ＣＤでは、２チャンネルのディジタルオーディオデータ合計１２サンプル（２４シンボル）から各４シンボルのパリティＱおよびパリティＰが形成される。この合計３２シンボルに対してサブコードの１シンボルを加えた３３シンボル（２６４データビット）をひとかたまりとして扱う。つまり、ＥＦＭ変調後の１フレーム内に、サブコードと、２４シンボルのデータと、４シンボルのＱパリティと、４シンボルのＰパリティとからなる３３シンボルが含まれる。
【００５３】
ＥＦＭ変調では、各シンボル（８データビット）が１４チャンネルビットへ変換される。各１４チャンネルビットの間には、３ビットの接続ビットが配される。さらに、フレームの先頭にフレームシンクパターンが付加される。フレームシンクパターンは、チャンネルビットの周期をＴとする時に、１１Ｔ、１１Ｔおよび２Ｔが連続するパターンとされている。このようなパターンは、ＥＦＭ変調規則では、生じることがないもので、特異なパターンによってフレームシンクを検出可能としている。１フレームは、総ビット数が５８８チャンネルビットからなるものである。
【００５４】
このようなフレームを９８個集めたものは、サブコードフレームと称される。９８個のフレームを縦方向に連続するように並べ換えて表したサブコードフレームは、サブコードフレームの先頭を識別するためのフレーム同期部と、サブコード部と、データおよびパリティ部とからなる。なお、このサブコードフレームは、通常のＣＤの再生時間の１／７５秒に相当する。
【００５５】
上述したサブコード発生器１７から発生されたサブコードは、サブコード部に記録される。このサブコード部は、９８個のフレームから形成される。サブコード部における先頭の２フレームは、それぞれ、サブコードフレームの同期パターンであるとともに、ＥＦＭのアウトオブルール（out of rule）のパターンである。サブコード部における各ビットは、それぞれ、Ｐ，Ｑ，Ｒ，Ｓ，Ｔ，Ｕ，Ｖ，Ｗチャンネルを構成する。
【００５６】
ＲチャンネルないしＷチャンネルは、例えば静止画やいわゆるカラオケの文字表示等の特殊な用途に用いられるものである。ＰチャンネルおよびＱチャンネルは、ディスクに記録されているディジタルデータの再生時における光ピックアップのトラック位置制御動作に用いられるものである。
【００５７】
Ｐチャンネルは、ディスク内周部に位置するいわゆるリードインエリアでは、”０”の信号を、ディスクの外周部に位置するいわゆるリードアウトエリアでは、所定の周期で”０”と”１”を繰り返す信号を記録するのみに用いられる。また、Ｐチャンネルは、ディスクのリードイン領域とリードアウト領域との間に位置するプログラム領域では、各曲の間を”１”、それ以外を”０”という信号を記録するのみに用いられる。このようなＰチャンネルは、ＣＤに記録されているディジタルオーディオデータの再生時における各曲の頭出しのために設けられるものである。
【００５８】
Ｑチャンネルは、ＣＤに記録されているディジタルオーディオデータの再生時におけるより精細な制御を可能とするために設けられる。Ｑチャンネルの１サブコードフレームの構造は、第８図に示すように、同期ビット部５１と、コントロールビット部５２と、アドレスビット部５３と、データビット部５４と、ＣＲＣビット部５５とにより構成される。
【００５９】
同期ビット部５１は、２ビットのデータからなり、上述した同期パターンの一部が記録されている。コントロールビット部５２は、４ビットのデータからなり、オーディオのチャンネル数、エンファシスやディジタルデータ等の識別を行うためのデータが記録されている。この４ビットのデータが”００００”の場合には、プリエンファシスなしの２チャンネルオーディオを指し、”１０００”の場合には、プリエンファシスなしの４チャンネルオーディオを指し、”０００１”の場合には、プリエンファシスつきの２チャンネルオーディオを指し、”１００１”の場合には、プリエンファシスつきの４チャンネルオーディオを指す。４ビットのデータが”０１００”の場合には、オーディオではないデータトラックを指す。アドレスビット部５３は、４ビットのデータからなり、後述するデータビット部５４内のデータのフォーマットや種類を示す制御信号が記録されている。ＣＲＣビット部５５は、１６ビットのデータからなり、巡回符号（Cyclic Redundancy Check Code；ＣＲＣ）のエラー検出を行うためのデータが記録されている。
【００６０】
データビット部５４は、７２ビットのデータからなる。アドレスビット部５３の４ビットのデータが”０００１”である場合には、データビット部５４の構造は、第９図に示すように、トラック番号部（ＴＮＯ）６１と、インデックス部（ＩＮＤＥＸ）６２と、経過時間分成分部（ＭＩＮ）６３と、経過時間秒成分部（ＳＥＣ）６４と、経過時間フレーム番号部（ＦＲＡＭＥ）６５と、ゼロ部（ＺＥＲＯ）６６と、絶対時間分成分部（ＡＭＩＮ）６７と、絶対時間秒成分部（ＡＳＥＣ）６８と、絶対時間フレーム番号部（ＡＦＲＡＭＥ）６９とにより構成される。これらの各部は、それぞれ、８ビットのデータからなるものである。
【００６１】
トラック番号部（ＴＮＯ）６１は、２ディジットの２進化１０進法（Ｂｉｎａｒｙ Ｃｏｄｅｄ Ｄｅｃｉｍａｌ；ＢＣＤ）で表現される。このトラック番号部（ＴＮＯ）６１は、”００”でデータの読み出しを始めるトラックであるリードイントラックの番号を表し、”０１”ないし”９９”で各曲や楽章等の番号に該当するトラック番号を表す。トラック番号部（ＴＮＯ）６１は、１６進数表示の”ＡＡ”でデータの読み出しを終了するトラックであるリードアウトトラックの番号を表す。
【００６２】
インデックス部（ＩＮＤＥＸ）６２は、２ディジットのＢＣＤで表現され、”００”で一時停止、いわゆるポーズを表し、”０１”ないし”９９”で各曲や楽章等のトラックをさらに細分化したものを表す。
【００６３】
経過時間分成分部（ＭＩＮ）６３、経過時間秒成分部（ＳＥＣ）６４、経過時間フレーム番号部（ＦＲＡＭＥ）６５は、それぞれ、２ディジットのＢＣＤで表現され、合計６ディジットで各曲や楽章内での経過時間（ＴＩＭＥ）を表す。ゼロ部（ＺＥＲＯ）６６は、８ビット全てに”０”が付与されてなる。
【００６４】
絶対時間分成分部（ＡＭＩＮ）６７、絶対時間秒成分部（ＡＳＥＣ）６８、絶対時間フレーム番号部（ＡＦＲＡＭＥ）６９は、それぞれ、２ディジットのＢＣＤで表現され、合計６ディジットで第１曲目からの経過時間（ＡＴＩＭＥ）を表す。
【００６５】
ディスクのリードイン領域におけるＴＯＣ（Table of Contents）でのデータビット部５４の構造は、第１０図に示すように、トラック番号部（ＴＮＯ）７１と、ポイント部（ＰＯＩＮＴ）７２と、経過時間分成分部（ＭＩＮ）７３と、経過時間秒成分部（ＳＥＣ）７４と、経過時間フレーム番号部（ＦＲＡＭＥ）７５と、ゼロ部（ＺＥＲＯ）７６と、絶対時間分成分部（ＰＭＩＮ）７７と、絶対時間秒成分部（ＰＳＥＣ）７８と、絶対時間フレーム番号部（ＰＦＲＡＭＥ）７９とにより構成され、これらの各部は、それぞれ、８ビットのデータからなる。
【００６６】
トラック番号部（ＴＮＯ）７１、経過時間分成分部（ＭＩＮ）７３、経過時間秒成分部（ＳＥＣ）７４、経過時間フレーム番号部（ＦＲＡＭＥ）７５は、いずれも１６進数表示で”００”に固定され、ゼロ部（ＺＥＲＯ）７６は、上述したゼロ部（ＺＥＲＯ）６６と同様に、８ビット全てに”０”が付与されてなる。
【００６７】
絶対時間分成分部（ＰＭＩＮ）７７は、ポイント部（ＰＯＩＮＴ）７２が１６進数表示で”Ａ０”の場合には、最初の曲番号あるいは楽章番号を示し、ポイント部（ＰＯＩＮＴ）７２が１６進数表示で”Ａ１”の場合には、最初の曲番号あるいは楽章番号を示す。ポイント部（ＰＯＩＮＴ）７２が１６進数表示で”Ａ２”の場合には、絶対時間分成分部（ＰＭＩＮ）７７、絶対時間秒成分部（ＰＳＥＣ）７８、絶対時間フレーム番号部（ＰＦＲＡＭＥ）７９は、それぞれ、リードアウト領域が始まる絶対時間（ＰＴＩＭＥ）を示す。ポイント部（ＰＯＩＮＴ）７２が２ディジットのＢＣＤで表現される場合には、絶対時間分成分部（ＰＭＩＮ）７７、絶対時間秒成分部（ＰＳＥＣ）７８、絶対時間フレーム番号部（ＰＦＲＡＭＥ）７９は、それぞれ、その数値で示される各曲あるいは楽章が始まるアドレスを絶対時間（ＰＴＩＭＥ）で表したものとなる。
【００６８】
このように、Ｑチャンネルは、ディスク１のプログラム領域とリードイン領域とでフォーマットが若干異なるものの、ともに２４ビットで表される時間情報が記録される。
【００６９】
次に、第２パートＰＡ２に記録するデータに適用されるＣＤ−ＲＯＭのデータフォーマット（Yellow Bookと称される規格書に規定されている）について説明する。ＣＤ−ＲＯＭでは、サブコードの１周期の９８フレームに含まれるデータである、２，３５２バイトをアクセス単位とする。このアクセス単位は、ブロック、セクタとも称される。このフレームの長さは、上述したＣＤのサブコードフレームと同一である１／７５秒である。ＣＤ−ＲＯＭには、モード０、モード１、モード２（フォーム１）、モード２（フォーム２）のモードがあり、ＣＤ−ＲＯＭのデータフォーマットは、第１１図Ａから第１１図Ｄに示すように、モードにより若干異なる。
【００７０】
すなわち、モード０におけるデータフォーマットは、図示しないが、全て“０”である２３３６バイトのデータ部により形成される。モード０は、リードイン領域およびリードアウト領域を、ＣＤ−ＲＯＭ構造と同一にする場合のダミーブロックに用いられる。
【００７１】
モード１におけるデータフォーマットは、第１１図Ａに示すように、フレームを区分けする信号を記録した１２バイトのシンク部と、後述する４バイトのヘッダ部と、目的とする情報である２０４８バイト（２Ｋバイト）のユーザデータ部と、エラー検出・訂正のコードを記録した２８８バイトの予備データ部とにより形成される。モード１は、予備データ部によりエラー訂正能力を向上させたものであり、例えば文字コードやコンピュータデータ等の信頼性を要するデータの記録に適したものである。
【００７２】
モード２におけるデータフォーマットは、第１１図Ｂに示すように、フレームを区分けする信号を記録した１２バイトのシンク部と、４バイトのヘッダ部と、目的とする情報である２３３６バイトのユーザデータ部とにより形成される。モード２は、付加的なエラー訂正コードを有さない代わりに、ヘッダ部以降の領域を全てユーザデータ部として用いることができるものであり、オーディオや画像等のように、補間処理によりエラー訂正が可能なデータを主に記録する際に適している。
【００７３】
モード２（フォーム１）におけるデータフォーマットは、第１１図Ｃに示すように、フレームを区分けする信号を記録した１２バイトのシンク部と、４バイトのヘッダ部と、８バイトのサブヘッダ部と、目的とする情報である２３３６バイトのユーザデータ部と、２８０バイトの予備データ部により形成される。
【００７４】
モード２（フォーム２）におけるデータフォーマットは、第１１図Ｄに示すように、フレームを区分けする信号を記録した１２バイトのシンク部と、４バイトのヘッダ部と、８バイトのサブヘッダ部と、目的とする情報である２３２４バイトのユーザデータ部と、４バイトのＥＤＣ（Error Detection Code）部により形成される。
【００７５】
モード２（フォーム１）およびモード２（フォーム２）におけるサブヘッダ部には、各１バイトのファイルナンバー、チャネルナンバー、サブモード、コーディングインフォーメーション、ファイルナンバー、チャネルナンバー、サブモード、コーディングインフォーメーションからなる。
【００７６】
この発明に係るディスク１では、第２パートＰＡ２に記録するデータは、ＣＤ−ＲＯＭフォーマットを有するものとされる。この場合のＣＤ−ＲＯＭフォーマットのモードとしては、第１１図Ａから第１１図Ｄに示す複数のモードの何れをも使用することができる。オーディオデータを記録するので、例えば第１１図Ａに示すモード１のフォーマットが採用される。ＣＤ−ＲＯＭのデータ転送レートは、１５０Ｋバイト／秒である。
【００７７】
既存のＣＤ−ＲＯＭにおけるヘッダ部は、モードと無関係に第１２図Ａに示すような構造を有する。すなわち、ヘッダ部は、フレームの絶対アドレスを分（ＭＩＮ），秒（ＳＥＣ）、フレーム番号（ＦＲＡＭＥ）といった時間情報で表した２４ビットからなる絶対アドレス部（ＡＤＤＲＥＳＳ）と、上述したモードを示す８ビットからなるモード部（ＭＯＤＥ）とにより構成される。
【００７８】
絶対アドレス部（ＡＤＤＲＥＳＳ）は、絶対アドレス分成分部（ＭＩＮ）と、絶対アドレス秒成分部（ＳＥＣ）、絶対アドレスフレーム番号成分部（ＦＲＡＭＥ）とにより構成され、これらは、それぞれ８ビットからなる。この絶対アドレス部（ＡＤＤＲＥＳＳ）は、上述したＣＤ−ＤＡにおけるサブコードのＱチャンネルの時間情報と等価（１対１に対応）なものであり、絶対アドレス分成分部（ＭＩＮ）と、絶対アドレス秒成分部（ＳＥＣ）、絶対アドレスフレーム番号成分部（ＦＲＡＭＥ）は、それぞれ、２ディジットのＢＣＤにより表現される。
【００７９】
なお、ＣＤ−ＲＯＭにおいても、図示しないが上述したサブコード部が別途設けられており、このＱチャンネルにも上述した”ＭＩＮ”、”ＳＥＣ”、”ＦＲＡＭＥ”で表される絶対アドレスが記録されている。
【００８０】
第２パートＰＡ２に記録するデータのＣＤ−ＲＯＭフォーマットのアドレス表記方法としては、第１２図Ａに示すもの以外に、第１２図Ｂに示すバイナリー表記を使用しても良い。すなわち、ヘッダ部の”ＭＩＮ”、”ＳＥＣ”、”ＦＲＡＭＥ”の領域すべてを２４ビットの２進数で表現する。２４ビットの２進数でアドレスを表現すると、２２４＝１６７７７２１６であるので、１フレームのデータ量を２Ｋバイトとすると、約３３Ｇバイトまでのデータのアクセスを表現可能となり、高密度化に対応することができる。第２パートＰＡ２を倍密度で記録する場合には、バイナリ表記を使用することが好ましい。
【００８１】
２４ビットの予め定めた１または複数ビットによって、ＢＣＤで表現されたアドレス情報と、２進数で表現されたアドレスとを識別することができる。例えば２４ビットの最上位ビットを識別に使用することができる。最上位ビットに限らず、特定の１または複数ビットを使用して識別が可能である。さらに、アドレスの変化の仕方が時間情報と２進数とで相違することを利用して識別を行うことができる。アドレスの表現の相違の識別によって、ディスクの種類を判別することができる。
【００８２】
ＣＤ−ＲＯＭデータ中のサブコードのＱチャンネル中の時間情報は、ＣＤフォーマットと同一と説明したが、サブコードの時間情報を部分的に修正することによって、既存のものより長い時間情報を表現することができる。すなわち、サブコードの時間情報中には、８ビット全てが”０”であるゼロ部（ＺＥＲＯ）６６、７６が存在する。このゼロ部６６、７６を利用することで、時間情報を拡張できる。例えばゼロ部６６、７６の８ビット全て、またはその下位４ビットを使用して時（ＨＯＵＲ）の情報を記録する。あるいは、ゼロ部６６、７６の８ビット全て、またはその下位４ビットを分の１００の桁の表現に使用する。このようにすれば、サブコード中の時間情報も高密度化に対応したものとできる。
【００８３】
次に、マスタリング装置１０によって記録されたマスタをもとに作成され、第１パートＰＡ１にＣＤフォーマットでリニアＰＣＭ信号が記録され、第２パートＰＡ２にＣＤ−ＲＯＭフォーマットで、圧縮符号化および暗号化がされたオーディオデータが記録されたディスク１を再生するようにしたディスク再生装置について、第１３図を参照して説明する。
第１３図において、スピンドルモータ８１によってディスク１が線速度一定で回転駆動され、光ピックアップ８２によってディスク１に記録された信号をディスク１から読み出す。光ピックアップ８２は、レーザ光をディスク１に照射する半導体レーザ、対物レンズ等の光学系、ディスク１からの戻り光を受光するディテクタ、対物レンズをフォーカスおよびトラッキング方向に駆動するフォーカスおよびトラッキング機構等からなる。さらに、光ピックアップ８２は、図示しないスレッド機構によって、ディスク１の径方向に送られる。スピンドルモータ８１は後述するＣＰＵ９３によってディスク１を第１パートＰＡ１を光ピックアップ８２が走査している間は、ＣＤの規格に基づいて線速度１．２ｍ／ｓｅｃとなるように回転制御されるとともに、ピックアップ８２がディスク１の第２パートＰＡ２を走査している期間は線速度０．８７ｍ／ｓｅｃとなるように回転される。線速度の切換えはリードアウトエリアＬＯ１とリードインエリアＬＩ２との間のミラー部をピックアップ８２が走査している間にＣＰＵ９３によって行われる。
【００８４】
光ピックアップ８２の例えば４分割ディテクタからの出力信号がＲＦアンプ８３に供給される。ＲＦアンプ８３は、光ピックアップ８２の４分割ディテクタの各ディテクタの出力信号を演算することによって、再生（ＲＦ）信号、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号を生成する。再生信号がＥＦＭ復調回路８４に供給され、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号がサーボ回路９１に供給される。
【００８５】
サーボ回路９１は、ＲＦ信号の再生クロックに基づいてスピンドルモータ８１の回転動作を制御したり、ＲＦアンプ８３からのフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号に基づいて上述したフォーカスおよびトラッキング機構を駆動して光ピックアップ８２のフォーカスサーボ、トラッキングサーボを行う。ＥＦＭ復調回路８４は、ＲＦアンプ８３から供給されるＲＦ信号にＥＦＭ復調を施す。ＥＦＭ復調回路８４は、供給されたＲＦ信号に基づいて復調データを出力すると共に、ＲＦ信号からサブコードデータを分離して出力する。サブコードデータは、サブコード復号器９２に供給される。サブコード復号器９２により復号されたサブコードデータは、サーボ回路９１およびＣＰＵ９３に供給される。
【００８６】
ＣＰＵ９３は、マイクロコンピュータ等から構成され、再生装置全体の動作を制御するシステムコントローラとしての機能を有する。ＣＰＵ９３と関連して操作部９４および表示部９５が設けられている。操作部９４には、通常のＣＤ再生装置と同様の操作キーと共に、第１パートＰＡ１／第２パートＰＡ２の再生を指定するキー等が設けられている。ＣＰＵ９３によってサーボ回路９１が制御されることによって、再生装置の動作、ディスク１に対するアクセス動作が制御される。ＣＰＵ９３は、サブコードの情報に基づいて表示部９１に表示する情報を生成する。さらに、後述する課金処理をＣＰＵ９３が制御する。
【００８７】
ＣＰＵ９３は例えばサブコード復号器９２からのサブコードデータに基づいてピックアップ８２がディスク１の第１パートＰＡ１を走査しているのか第２パートＰＡ２を走査しているのかを判別し、スピンドルモータ８２の回転を制御するようにサーボ回路９１に制御信号を供給する。
【００８８】
ＥＦＭ復調部８４の復調データがＣＩＲＣエラー訂正部８５に供給される。ＣＩＲＣエラー訂正部８５は、ＣＩＲＣによるエラー訂正を行う。ＣＩＲＣエラー訂正部８５は、Ｃ１系列のエラー訂正を行うＣ１エラー訂正部と、このＣ１エラー訂正部によりエラー訂正が施されたデータのインターリーブを解くデインターリーブ部と、デインターリーブされたデータにＣ２系列のエラー訂正を行うＣ２エラー訂正部とからなる。このＣＩＲＣエラー訂正部８５によるエラー訂正の際のバッファの役割を果たすＲＡＭ８６が設けられている。
【００８９】
ＣＩＲＣエラー訂正部８５の出力が切換え器８７の入力端子に供給される。切換え器８７は、出力端子８７ａおよび８７ｂを有し、ＣＰＵ９３によってその切換え動作が制御される。リードインエリアＬＩ１に記録されている第４図および第５図に示した付随情報がディスク１の装着時にＣＰＵ９３に読み込まれている。操作部９４によるユーザの指定入力と、読み込まれた情報を参照してＣＰＵ９３が切換え器８７を制御する信号を発生する。
【００９０】
ディスク１の第１パートＰＡ１の再生を行う時即ち、例えば操作部９４のキーをユーザが操作することによって第１パートＰＡ１を再生を行う時には、切換え器８７が出力端子８７ａを選択するように、ＣＰＵ９３が切換え器８７を制御する。第２パートＰＡ２を再生を行う時、操作部９４のキーを操作することによって第２パートＰＡ２の再生を行う時には、切換え器８７が出力端子８７ｂを選択するように、ＣＰＵ９３が切換え器８７を制御する。出力端子８７ａには、補間部８８が接続される。補間部８８は、ＣＩＲＣエラー訂正部８５によりエラー訂正できなかったデータに対して補間処理を行う。補間部８８の出力がディジタル出力として取り出されると共に、Ｄ／Ａ（ディジタル／アナログ）変換部８９に供給され、Ｄ／Ａ変換部８９からアナログオーディオ信号が出力される。出力されたアナログオーディオ信号は、アンプ等を介してスピーカ、ヘッドフォン等によって再生される。例えば光ピックアップ８２は第１パートＰＡ１を走査し、リードアウトエリアＬＯ１に到達すると、第１パートＰＡ１の再生が停止され、光ピックアップ８２は初期位置に戻り、待機状態となる。又、光ピックアップは第２パートＰＡ２を走査し、リードアウトエリアＬＯ２に到達すると第２パートＰＡ２の再生が停止され、ピックアップ８２は初期位置に戻り、待機状態となる。
【００９１】
切換え器８７の出力端子８７ｂに対してＣＤ−ＲＯＭデコーダ１０１が接続される。ＣＤ−ＲＯＭデコーダ１０１は、ＣＤ−ＲＯＭフォーマットの分解処理およびエラー検出、エラー訂正処理を行い、ユーザデータとして記録されているデータを分離する。分離されたデータが暗号の復号化部１０２に供給される。復号化部１０２と関連して課金処理部１０５が設けられている。
【００９２】
本例では暗号化の方式として、ＤＥＳを使用する場合を例にあげて説明する。ＤＥＳは、平文をブロック化し、ブロック毎に暗号変換を行うブロック暗号の一つである。ＤＥＳは、６４ビットの入力に対して６４ビット（５６ビットの鍵と８ビットのパリティ）のキーを用いて暗号変換を行い、６４ビットを出力する。ＤＥＳ以外の暗号化を使用しても良い。例えばＤＥＳは、暗号化と復号化に同一の鍵データを使う共通鍵方式であるが、暗号化と復号化に異なる鍵データを使う公開鍵暗号の一例であるＲＳＡ暗号を採用しても良い。鍵データは、ホストコンピュータによって正規のユーザまたは登録されているユーザであることの認証が成立することによって、ディスク再生装置に対して渡される。
【００９３】
課金処理部１０５は、ＣＰＵ９３の制御の下で課金対象のオーディオデータを再生する時に、予め定められている条件に従って課金処理を行う。課金処理については後述するが、課金処理部１０５の不揮発性メモリには、プリペイドデータが格納され、再生される回数ごとにプリペイドデータが減少するようになされる。復号化部１０２の出力が圧縮符号化の伸張（復号）部１０３に供給され、圧縮符号化が復号される。伸張部１０３の出力がＤ／Ａ変換部１０４に供給され、第２パートＰＡ２のアナログオーディオ信号が出力される。
【００９４】
さらに、復号化部１０２の出力が圧縮ディジタルオーディオ出力として取り出される。例えば第１パートＰＡ１のオーディオコンテンツと第２パートＰＡ２のオーディオコンテンツとが同一の場合には、圧縮ディジタルオーディオ出力をダビング用として利用することができる。圧縮されているので、非常に短時間でダビングを行うことができる。よりさらに、復号化部１０２の入力データが暗号化され、且つ圧縮された状態で出力される。この暗号化出力は、他の媒体にコピーしたり、ネットワークを介して伝送する場合に使用される。出力される暗号化出力は、付随情報とオーディオデータである。
【００９５】
上述した復号化部１０２、伸張部１０３および課金処理部１０５は、好ましくは、１チップのＩＣとして構成され、所謂タンパーレジスタント（tamper resistant）の構成とされている。すなわち、復号化部１０２、伸張部１０３および課金処理部１０５が１ｃｈｉｐ化されたＩＣは外部からは、その内容が分からないような構成とされ、改ざんができない構成とされている。
【００９６】
課金処理としては、前述したように種々のタイプが可能である。課金処理としては、大きく分けて、買取型と、グロスに視聴料金をとるタイプと、セキュアデコーダで暗号の復号化を行うごとに視聴料金を課する度数タイプとがある。買取型は、コンテンツデータを一旦買い取った後では、再生処理に対して課金されないタイプである。グロスに視聴料金をとるタイプは、コンテンツデータの視聴料金をまとめて支払う月極めタイプ、視聴期間、視聴時間を限定するタイプ等である。
【００９７】
セキュアデコーダで暗号の復号化を行うごとに視聴料金を課す度数タイプとして、幾つかの形態が可能である。第１の形態は、予め設定された金額（プリペイドカード、電子マネー）または度数からコンテンツデータの再生処理の度に、金額または度数を減算するものである。残高または残り度数が不足する場合には、コンテンツデータの再生ができなくなる。第２の形態は、コンテンツデータの再生処理の度に、金額または度数が加算されるものである。累積金額または累積度数に応じた料金を月単位で後で支払うか、予め設定した金額または度数に累積金額または累積度数が達すると、コンテンツデータの再生ができなくなる。第３の形態は、コンテンツデータの再生時間に応じて、度数または金額が加算または減算されるものである。第２の形態で述べたように、料金の支払いは、前払いに限らず、後払いでも可能である。
【００９８】
金額または度数は、一定のものであっても良く、また、コンテンツデータの種類や内容等に応じて重み付けされたものでも良い。課金処理は、コンテンツの１タイトル（音楽の例では、１曲）またはコンテンツの複数タイトル（音楽の例では、アルバム）と対応して行われる。
【００９９】
また、コンテンツの再生処理の定義の方法としては、コンテンツ全体を再生した場合に、再生を行ったものとしても良いし、また、コンテンツの再生時間が所定時間以上の場合を再生を行ったものとしても良い。さらに、普及・流通を促進するためのプロモーション用のコンテンツの再生に対しては課金されない。課金の対象となるコンテンツであっても、例えばコンテンツの先頭部分例えば先頭から１０秒間の再生を無料としたり、コンテンツのハイライト部分のみの再生を無料としても良い。このように、再生処理に対して課金されるコンテンツと、再生処理が無料のコンテンツとが混在する場合に、付随情報の課金処理条件３１０によって課金／無料が識別される。
【０１００】
第１４図は、上述した第１３図に示したディスク再生装置の再生動作を概略的に説明する。フローチャートである。最初のステップＳ１１において、ディスク１を装着すると、ステップＳ１２において、リードインエリアＬＩ１に記録されている情報がＣＰＵ９３内のメモリに読み込まれる。すなわち、既存のＣＤと同様のＴＯＣ、並びに第４図および第５図に示す付随情報がＣＰＵ９３に読み込まれる。ディスク１の装着以外に、ディスク１を装着した状態において再生装置の電源をオンした時にもステップＳ１２の処理がなされる。
【０１０１】
ステップＳ１３では、ディスク１の第１パートＰＡ１の再生かどうかが決定される。例えば操作部９４をユーザが操作することで、第１パートＰＡ１または第２パートＰＡ２の再生が指示される。ディスク１の第１パートＰＡ１の再生が指示されたと判定されると、ステップＳ１４においてディスク１の第１パートＰＡ１の再生動作がなされる。第１パートＰＡ１の再生動作は、既存のＣＤ再生装置と同様のものであり、その詳細は省略する。再生動作が終了したかどうかがステップＳ１６において判定される。終了していないと判定されたときは、処理がステップＳ１３に戻り、ステップＳ１６で終了したと判定された場合には、再生動作が終了する。
【０１０２】
ステップＳ１３において、第１パートＰＡ１の再生動作ではないと判定されると、第２パートＰＡ２の再生処理とみなされステップＳ１５に進む。第２パートＰＡ２の再生処理については、後述する。第２パートＰＡ２の再生処理が終了したかどうかがステップＳ１６において判定される。第２パートＰＡ２の再生が終了していないときは、処理がステップＳ１３に戻り、第２パートＰＡ２の再生が終了したと判定された場合には、再生動作が終了する。
【０１０３】
なお、ディスク１は、ＣＤの規格を満たすものであるので、第１３図に示すディスク再生装置に限らず、既存のＣＤ再生装置によっても再生することができる。但し、その場合には、ディスク１の第１パートＰＡ１のオーディオデータのみが再生できる。
【０１０４】
第１５図は、第２パートＰＡ２の再生処理（ステップＳ１５）をより詳細に示すものである。最初のステップＳ２１において、第２パートＰＡ２のデータがアクセスされる。ディスク１の装着時に読み込まれた付随情報に基づいて第２パートＰＡ２の位置をＣＰＵ９３が分かるので、ＣＰＵ９３が第２パートＰＡ２の再生を指示した時に、光ピックアップ８２がディスク１の径方向に送られて第２パートＰＡ２の前のリードインエリアＬＩ２の先頭位置にアクセスすることができる。この際、ディスク１は第２パートＰＡ２の線速度、例えば０．８７ｍ／ｓｅｃで回転されるように、モータ８１がＣＰＵ９３によって回転制御される。
【０１０５】
第２パートＰＡ２に記録されているデータが暗号化データか否かがステップＳ２２において決定される。暗号化データでないと決定されると、第２パートＰＡ２に記録されているオーディオデータは、課金処理が不要なコンテンツと決定される。ステップＳ２３において、第２パートＰＡ２に記録されているデータの再生か、コピーかが判定される。第２パートＰＡ２に記録されているデータの再生の場合では、ステップＳ２４において無料でデータの再生がなされ、コピーの場合では、ステップＳ２５に進んで無料コピーがなされる。
【０１０６】
ステップＳ２２において、第２パートＰＡ２に記録されているデータが暗号化データであると判定されると、ステップＳ２６において、付随情報を参照して、第１パートＰＡ１に記録されているコンテンツと略同一のコンテンツか否かが判定される。ステップＳ２６において第１パートＰＡ１に記録されているディジタル信号、即ち略同一のコンテンツと判定されると、ステップＳ２７において第２パートＰＡ２に記録されているデータの再生か、コピーかが判定される。データ、即ちコンテンツの再生の場合では、ステップＳ２８に進んで第２パートＰＡ２の暗号化されたデータが復号され、ステップＳ２９において無料で第２パートＰＡ２のデータの再生がなされる。すなわち、ディスク１を購入した時に、第１パートＰＡ１に記録されているデータとしてのオーディオコンテンツに対する著作権料は、支払っているので、第１パートＰＡ１に記録されているデータと略同一の第２パートのデータを再生しても課金されない。ここで「略同一」と言っているのは第２パートＰＡ２に記録されているデータは第１パートＰＡ１のデータと比して圧縮および／または暗号化処理が施されているためである。ステップＳ２７でコピーと判別された場合では、ステップＳ３０において第２パートＰＡ２に記録されているデータの課金コピーがなされる。ステップＳ３０における課金コピーは、暗号化と圧縮符号化とがされたディジタル出力をコピーすることである。
【０１０７】
ステップＳ２６において、付随情報により第２パートに記録されているコンテンツとしてのデータが第１パートＰＡ１に記録されているコンテンツとしてのデータと略同一でないと判定されると、ステップＳ３１に進み、ステップＳ３１において、第２パートＰＡ２のデータの再生か、コピーかが判定される。ステップＳ３１で再生と判定された場合では、ステップＳ３２に進んで、ステップＳ３２でユーザが再生にあたって、課金を承諾するかどうかが例えば第１３図の表示部９５に表示され、ユーザは操作部９４のキーを操作し、承諾するか否かが選択される。必要に応じて、表示部９５等にユーザに対して課金条件が表示、提示され、ユーザが提示された条件に基づいて課金を承諾するか否かが決定する。例えば表示部９５上に、データの買い取り条件等を含めて課金条件と問い合わせのメッセージが表示される。表示部９５に表示されている内容に基づきユーザが操作部９４を操作することで回答する。
【０１０８】
ステップＳ３２でユーザが課金を承諾すると、ステップＳ３３に進んで第２パートＰＡ２に記録されている暗号化されたデータが復号され、第２パートのＰＡ２のオーディオコンテンツとしてのデータが再生される。例えばステップＳ３３で第２パートＰＡ２に記録されているデータを１回再生することによって、プリペイドデータの度数が「−１」が課金される。若し、ステップＳ３２でユーザが課金を承諾しないと、ステップＳ３４に進んで第２パートＰＡ２のデータの再生禁止の処理がなされる。ステップＳ３１において、第２パートＰＡ２に記録されているデータのコピーと判定されると、ステップＳ３５に進み、ステップＳ３５で課金用コピーの処理がなされる。ステップＳ３５で行われる課金用コピーは、暗号化と圧縮符号化がされた状態のデータをコピーすることである。
【０１０９】
第１５図の第２パートＰＡ２の再生処理（課金処理）は、一例の動作を示すものであり、課金条件等に応じて種々の処理が可能である。例えばユーザに対して第２パートＰＡ２のデータの買い取りを行うかどうかを問い合わせる処理を行うようにしても良い。また、第１５図に示したフローチャートにユーザ（ディスク再生装置）が課金可能かどうかを確かめるステップを設け、若し、ユーザまたは再生装置に装填されているプリペイドデータの残高が不足しているときには、ユーザにプリペイドデータの補充を求める処理を行うようにしても良い。この場合、プリペイドデータは、ネットワーク等を介して銀行やサービスセンターとオンラインで補充または専用のチャージャーを使用して補充することができる。さらに、課金条件が第２パートＰＡ２に記録されているデータの再生時間、再生期間等で規定されている場合には、課金再生がなされる場合にタイマーを起動し、第２パートＰＡ２に記録されているデータの再生時間の経過や時計を内蔵し、第２パートＰＡ２に記録されているデータの再生日時を監視するようにしても良い。
【０１１０】
この発明の第１の実施形態は、二つのパートを、ＣＤとＣＤ−ＲＯＭのデータフォーマットとする場合に対してこの発明を適用したものであるが、これに限定されるものではない。すなわち、二つのパートのデータフォーマットとしては、所謂現行のコンパクトディスクと同じ単密度ＣＤフォーマットと現行の記録密度の２倍の記録密度を有する倍密度ＣＤフォーマット、ＣＤフォーマットとＤＶＤフォーマット、ＤＶＤ−ｖｉｄｅｏフォーマットとＤＶＤ−ＲＯＭフォーマット等の組み合わせが可能である。
【０１１１】
また、この発明は、記録可能なディスク状記録媒体例えばＣＤ−ＲＷ（CD-Rewritable）、ＣＤ−Ｒ（CD-Recordable）、ＤＶＤ−ＲＷ（DVD-Rewritable）、ＤＶＤ−Ｒ（DVD-Recordable）等に対しても適用できる。ＣＤ−ＲＷは、レーザ光ＣＤと互換性を有するデータフォーマットでデータの記録可能で、光量差を検出することによって再生可能な相変化型ディスクである。ＣＤ−Ｒは、有機色素を記録材料として使用し、ＣＤを互換性を有するデータフォーマットで一度のみのデータの記録を可能とする追記型の記録媒体である。さらに、光ディスク以外のデータ記録媒体例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、メモリカードカード等を使用できる。
【０１１２】
上述したこの発明の第１の実施形態は、第１図Ａ、１Ｂおよび第２図に示すようにディスク１の第１パートＰＡ１には所謂ＣＤフォーマットに基づいて非圧縮のディジタルデータが記録され、第２パートＰＡ２には圧縮されたディジタルデータが記録されているものである。以下に、図面を用いてディスク１に記録されているディジタルデータにウォーターマークを入れたこの発明の第２の実施形態に係るディスクについて説明する。なお、以下の説明で上述した第１の実施形態と共通する部分については同一の指示符号を用いて説明し、詳細な説明は第１の実施形態の説明を援用する。
【０１１３】
この発明の第２の実施形態に係る光ディスク１では、第１パートＰＡ１に記録されている所謂ＣＤの規格に基づく非圧縮のディジタルデータとしてのリニアＰＣＭ信号に強いウォーターマークと弱いウォーターマークの双方が埋め込まれており、第２パートＰＡ２に記録されている圧縮および／または暗号化されたディジタルデータには強いウォーターマークのみを埋め込んでいる。
【０１１４】
ここでいう、強いウォーターマーク、弱いウォーターマークの「強い」、「弱い」とはウォーターマークの消え難さを示しており、換言すると強いウォーターマークはディジタルデータに施される圧縮等の信号処理によって消えにくい残存強度の強いウォーターマークであり、弱いウォーターマークとはディジタルデータに施される信号処理によって消えてしまう残存強度の弱いウォーターマークである。例えば、強いウォーターマークは、ウォーターマークのデータをスペクトラム拡散し、拡散したデータをコンテンツとしてのディジタルデータに重畳することによって埋め込む。ウォーターマークを埋め込む信号のピーク部分を検出し、検出したピーク部分にウォーターマークを埋め込む等の方法によってコンテンツとしてのディジタルデータに埋め込まれる。弱いウォーターマークは、例えばコンテンツとしてのディジタルデータ、オーディオデータの下位のビットにＳＣＭＳ（Serial Copy Management System）等の著作権管理情報等のウォーターマークに関するデータを挿入すること等によって埋め込まれるウォーターマークである。
【０１１５】
次に第１６図を用いて強いウォーターマークが埋め込まれた圧縮データと強いウォーターマークと弱いウォーターマークが埋め込まれた非圧縮オーディオデータとしてのリニアＰＣＭ信号とを生成する回路構成の一例を説明する。第１６図において、入力端子２０１に図示しない信号源からオーディオ信号としてのリニアＰＣＭ信号が供給される。入力端子２０１に供給されたリニアＰＣＭ信号はエンコーダ２０４に供給され、エンコーダ２０４によって変形ＤＣＴ（Modified Discrete Cosine Transform）に基づき第１７図に示すような周波数スペクトラムに分解される。これと同時に入力端子２０１に供給されたリニアＰＣＭ信号は波形解析部２０５に供給され、供給されたリニアＰＣＭ信号の波形解析が行われる。エンコーダ２０４からの出力と波形解析部２０５からの出力は第１のウォーターマークエンコーダ２０６に供給され、エンコーダ２０６によって例えば第１７図に示すようにエンコーダ２０４からの出力にウォーターマークがマスキング効果を利用して第１７図中の斜線で示す部分に埋め込まれる。なお、ウォーターマークを構成するマスクキーＰ（ｍ−ｋ）およびマスクキーＰ（ｍ＋ｋ）によって、元々のスペクトルがマスクキーＰ（ｍ−ｋ）を埋め込むことによって一方はパワーが増加し、又マスクキーＰ（ｍ＋ｋ）を埋め込むことによって本来点線のようであったスペクトルが斜線で示すスペクトルパワーに変化する。この際、波形解析部２０５からの出力に基づいて、人間の聴感上のにぶい部分、例えば大きい音の後等の部分に入力端子２０２から供給されるウォーターマークが埋め込まれる。このエンコーダ２０６によって埋め込まれる入力端子２０２に供給されるウォーターマークは上述した強いウォーターマークである。
【０１１６】
エンコーダ２０６からの出力はデコーダ２０７に供給され、デコーダ２０７からの出力データは変形ＤＣＴとは逆の変換を行うことによって再びリニアＰＣＭ信号に戻される。デコーダ２０７から出力された強いウォーターマークが埋め込まれたリニアＰＣＭ信号は、圧縮エンコーダ２０８に供給され、圧縮エンコーダ２０８によって圧縮オーディオデータに変換される。圧縮エンコーダ２０８では、ＭＰ−３（MPEG-1 audio layer3）、ＭＰＥＧ ＡＡＣ（MPEG-2 Advanced Audio Coding）、ＡＴＲＡＣ−３（Adaptive Transform Audio Coding 3）等の圧縮方式を用いてデコーダ２０７からの強いウォーターマークが埋め込まれたリニアＰＣＭ信号に圧縮信号処理を施して、出力端子２０９から出力される。出力端子２０９から出力される圧縮オーディオには強いウォーターマークが埋め込まれている。このようにエンコーダ２０６によって埋め込まれた入力端子２０２から供給されたウォーターマークは、エンコーダ２０８の圧縮処理によって消えることはない。
【０１１７】
デコーダ２０７から出力された強いウォーターマークが埋め込まれたリニアＰＣＭ信号は、第２のウォーターマークエンコーダ２１０に供給され、入力端子２０３から供給されたウォーターマークに基づいてウォーターマークが埋め込まれる。エンコーダ２１０では上述したようにデコーダ２０７から供給されたリニアＰＣＭ信号の下位ビットに入力端子２０３に供給されたウォーターマーク、例えばＳＣＭＳ等の著作権管理情報等のウォーターマークが埋め込まれ、出力端子２１０から出力される。出力端子２１０から出力されるリニアＰＣＭ信号には強いウォーターマークと弱いウォーターマークが埋め込まれている。出力端子２１０から出力されたリニアＰＣＭ信号は例えば第６図に示したマスタリング装置１０の入力端子１８に供給され、出力端子２０９から出力された圧縮オーディオデータは第６図の暗号化回路２１に供給され、ガラス原盤１９に記録され、上述した第１の実施形態と同様の手法を用いて光ディスク１が製造される。
【０１１８】
このようにして光ディスク１には第１パートＰＡ１に記録されているリニアＰＣＭ信号には強いウォーターマークおよび弱いウォーターマークが埋め込まれ、第２パートＰＡ２に記録された圧縮オーディオデータには強いウォーターマークが埋め込まれている。
【０１１９】
第２の実施形態に係る光ディスク１は、第１３図に示す再生装置と同様の装置によって読み出される。以下、第２の実施形態に係る光ディスク１からウォーターマークを検出するウォーターマーク検出装置の例を第１８図を用いて説明する。
【０１２０】
例えば、第１３図に示す再生装置の復号化回路１０２からの出力データとしての第２パートＰＡ２から読み出された圧縮オーディオデータは伸張回路２２１に入力端子２２０を介して供給される。伸張回路２２１で圧縮エンコーダ２０８で施された圧縮処理とは逆の処理を施してリニアＰＣＭ信号に戻し、出力端子２２２より出力し、Ｄ／Ａ変換器１０４に供給される。出力端子２２２より出力されるリニアＰＣＭ信号には強いウォーターマークが埋め込まれている。
【０１２１】
伸張回路２２１から出力されたリニアＰＣＭ信号はエンコーダ２２４に供給され、変形ＤＣＴに基づいて第１７図に示す周波数スペクトラムに分析し、第１のウォーターマーク検出部２２５に供給される。検出部２２５によって第１７図に示すように埋め込まれているウォーターマーク、即ち強いウォーターマークが埋め込まれているか否かを検出し、検出部２２５からの出力は第１のウォーターマークデコーダ２２６に供給され、ウォーターマーク、即ち強いウォーターマークをデコードして出力端子２２７から出力する。
【０１２２】
第１３図に示す再生装置の補間回路８８からのディジタル信号としての第１パートＰＡ１から読み出されたリニアＰＣＭ信号は入力端子２２３を介してそのまま出力端子２２２から強いウォーターマークと弱いウォーターマークが埋め込まれたまま出力されると同時にエンコーダ２２４に供給され上述した伸張回路２２１から出力されるリニアＰＣＭ信号に施される処理と同様にして入力端子２２３を介して供給されたリニアＰＣＭ信号から強いウォーターマークが取り出される。入力端子２２３を介して供給されたリニアＰＣＭ信号は、第２のウォーターマーク検出部２２８に供給され、供給されたリニアＰＣＭ信号に弱いウォーターマークが埋め込まれているか否かが検出され、検出部２２８からの出力が第２のウォーターマークデコーダ２２９に供給され、ウォーターマーク、即ち弱いウォーターマークが抽出され出力端子２３０から出力される。
【０１２３】
このようにして検出された強いウォーターマークおよび弱いウォーターマークは、以下のようにして光ディスク１に記録されているコンテンツとしてのリニアＰＣＭ信号または圧縮オーディオデータのコピー等の制御を行う。以下、第１９図に示すフローチャートに基づいて説明する。まず、コンテンツ、例えばリニアＰＣＭ信号や圧縮オーディオデータの入力がステップＳ４１でされると、ステップＳ４２で強いウォーターマークが埋め込まれているか否かが検出される。ステップＳ４２で強いウォーターマークが埋め込まれていないと検出された場合にはステップＳ４３に進んで既存のＳＣＭＳに基づくコピー制御に基づいてコンテンツのコピー制御が行われる。例えば、ＳＣＭＳに基づいてコンテンツの一世代のコピーが行われるまたは許可される。ステップＳ４２で強いウォーターマークが埋め込まれていると判定されると、ステップＳ４４に進み、弱いウォーターマークが埋め込まれているか否かが検出される。ステップＳ４４で弱いウォーターマークが埋め込まれていると検出された場合には、ステップＳ４５に進む。この場合、コンテンツには強いウォーターマークと弱いウォーターマークの両方が埋め込まれていることとなるため、弱いウォーターマークに従ってコピー制御が行われる。弱いウォーターマークが例えばＳＣＭＳの場合にはＳＣＭＳに基づいてコピー制御が行われるとともに、弱いウォーターマークとしてのＳＣＭＳがコピー可の状態からコピー不可に書き換えられる。
【０１２４】
ステップＳ４４で弱いウォーターマークが埋め込まれていないと検出された場合には、ステップＳ４６に進む。この場合、コンテンツには強いウォーターマークしか残っていないので、強いウォーターマークに基づいてコンテンツのコピーが制御される。例えば、強いウォーターマークに基づいてコンテンツのコピーが禁止される。
【０１２５】
以上、説明したように第２の実施形態に係る光ディスク１の第１パートＰＡ１に記録されている非圧縮データとしてのリニアＰＣＭ信号には強いウォーターマークと弱いウォーターマークが埋め込まれ、第２パートＰＡ２に記録されている圧縮データには強いウォーターマークが埋め込まれている。その結果、第２の実施形態に係る光ディスク１によれば第１パートＰＡ１に記録されている非圧縮データとしてのリニアＰＣＭ信号はウォーターマークによって既存のＳＣＭＳに基づく私的録音の範囲で正しく著作権管理を行うことができ、第２パートＰＡ２に記録されている圧縮データは強いウォーターマークによって、圧縮データの圧縮が解かれてもウォーターマークが消えることがないのでインターネット上での違法コピーを制限、防止することができる。なお、上述した例では圧縮オーディオデータとしての圧縮ディジタルデータに強いウォーターマークを埋め込む場合を例にあげて説明したが、エンコーダ２０４からの出力される周波数スペクトラムの高次係数に弱いウォーターマークを埋め込むようにしてもよい。
【０１２６】
また、圧縮オーディオデータとしての圧縮ディジタルデータに暗号化処理を施す場合には、デコーダ２０７からの強いウォーターマークが埋め込まれたリニアＰＣＭ信号を圧縮処理し、ＷＡＶＥファイル化等の処理を施した後に暗号化処理を施せばよい。
【０１２７】
なお、上述した実施形態では、主としてディスクに記録されるコンテンツとしてオーディオコンテンツについて説明したが、オーディオコンテンツ以外のビデオデータ、静止画像データ、文字データ、コンピュータグラフィックデータ、ゲームソフトウェア、およびコンピュータプログラム等のコンテンツに対しても、上述したのと同様にこの発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【０１２８】
【図１】 この発明によるデータ記録媒体を説明するための略線図である。
【図２】 この発明の第１の実施形態におけるディスクのエリアに関する説明のための略線図である。
【図３】 この発明の第１の実施形態におけるディスクの寸法を説明するための略線図である。
【図４】 この発明の第１の実施形態における付随情報のデータフォーマットの一例を示す略線図である。
【図５】 この発明の第１の実施形態における付随情報のデータフォーマットの一例を示す略線図である。
【図６】 この発明の第１の実施形態であるマスタリング装置の構成を示すブロック図である。
【図７】 この発明の第１の実施形態におけるフレームのフォーマットの一例を示す略線図である。
【図８】 この発明の第１の実施形態におけるＱチャンネルのフォーマットの一例を示す略線図である。
【図９】 この発明の第１の実施形態におけるデータビットブロックのフォーマットの一例を示す略線図である。
【図１０】 この発明の第１の実施形態におけるＴＯＣのデータビットブロックのフォーマットの一例を示す略線図である。
【図１１】 この発明を適用できるＣＤ−ＲＯＭのデータフォーマットの一例を示す略線図である。
【図１２】 この発明の第１の実施形態におけるヘッダ部のフォーマットの一例および他の例を示す略線図である。
【図１３】 この発明の第１の実施形態である再生装置の構成を示すブロック図である。
【図１４】 再生装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図１５】 この発明の第１の実施形態における第２パートの再生処理および課金処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図１６】 この発明の第２の実施形態に係るディスクに記録されるウォーターマークが埋め込まれたリニアＰＣＭ信号と圧縮データを生成するための信号処理回路を示すブロック図である。
【図１７】 この発明の第２の実施形態に係るディスクに記録されるリニアＰＣＭ信号および圧縮データに埋め込まれる強いウォーターマークを埋め込まれている様子を示す模式的な波形図である。
【図１８】 リニアＰＣＭ信号、圧縮データからウォーターマークを抽出するための信号処理回路を示すブロック図である。
【図１９】 リニアＰＣＭ信号、圧縮データに埋め込まれているウォーターマークに基づいて行われるコピー制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【０１２９】
ＰＡ１・・・第１パート
ＰＡ２・・・第２パート
ＬＩ１・・・リードインエリア
ＬＩ２・・・リードインエリア
ＬＯ１・・・リードアウトエリア
ＬＯ２・・・リードアウトエリア
１・・・ディスク
１３・・・光ピックアップ
１６・・・セレクタ
１８・・・スピンドルモータ
１９・・・ガラス原盤
８１・・・スピンドルモータ
８２・・・光ピックアップ
８７・・・切換え器
１０２・・・復号化部
１０３・・・伸張部
１０５・・・課金処理部

Claims (3)

1. 記録領域が少なくとも第１および第２の記録領域に分割され、上記第１の記録領域に記録される、課金処理されない第１のデータが非暗号化データであり、上記第２の記録領域に記録される第２のデータの少なくとも一部が暗号化データであり、上記第１および第２のデータの圧縮率が異ならされ、暗号化された第２のデータが記録されているか否かを指示する管理情報が記録されたデータ記録媒体からデータを再生するデータ再生方法であって、
   上記管理情報には、上記第１のデータおよび第２のデータが同一コンテンツであるか否かを示す情報が含まれ、
   データ記録媒体上のデータを再生し、
   再生された上記管理情報に基づいて、上記暗号化された第２のデータが記録されているか否かを判断し、
   上記暗号化された第２のデータが記録されていると判断した場合には、上記暗号化された第２のデータおよび上記第１のデータとが同一コンテンツであるか否かを上記管理情報に基づいて判断し、
   上記暗号化された第２のデータおよび上記第１のデータが同一コンテンツでないと判断した場合には、上記暗号化された第２のデータに対する課金処理をユーザが承諾したか否かを判断し、
   上記課金処理をユーザが承諾したと判断した場合には、上記暗号化された第２のデータを復号し、復号した上記第２のデータを再生し、上記第２のデータを復号したときまたは復号した上記第２のデータを再生したときに課金処理を行い、
   上記暗号化された第２のデータおよび上記第１のデータが同一コンテンツであると判断した場合には、上記課金処理を行わないで、上記暗号化された第２のデータを復号し、上記復号した上記第２のデータを再生し、
   上記第２のデータに対する課金処理をユーザが承諾したと判断しない場合には、上記第２のデータの復号または再生を禁止し、
   上記暗号化された第２のデータが記録されていると判断しない場合には、上記第２のデータに対する課金処理を行わないで、上記第２のデータを再生するデータ再生方法。
2. 上記データ記録媒体上のデータには、課金タイプおよび課金処理条件とから構成される課金処理に関する情報が含まれ、上記課金処理は、上記課金処理に関する情報に基づいて行われる請求項１記載のデータ再生方法。
3. 記録領域が少なくとも第１および第２の記録領域に分割され、上記第１の記録領域に記録される、課金処理されない第１のデータが非暗号化データであり、上記第２の記録領域に記録される第２のデータの少なくとも一部が暗号化データであり、上記第１および第２のデータの圧縮率が異ならされ、暗号化された第２のデータが記録されているか否かを指示する管理情報が記録されたデータ記録媒体からデータを再生するデータ再生装置であって、
   上記管理情報には、上記第１のデータおよび上記第２のデータが同一コンテンツであるか否かを示す情報が含まれ、
   データ記録媒体上のデータを再生する再生手段と、
   上記第１のデータを処理する第１の信号処理手段と、
   上記第２のデータを処理する第２の信号処理手段とを備え、
   再生された上記管理情報に基づいて、上記暗号化された第２のデータが記録されているか否かを判断し、
   上記暗号化された第２のデータが記録されていると判断した場合には、上記暗号化された第２のデータおよび上記第１のデータが同一コンテンツであるか否かを上記管理情報に基づいて判断し、
   上記暗号化された第２のデータおよび上記第１のデータが同一コンテンツでないと判断した場合には、上記暗号化された第２のデータに対する課金処理をユーザが承諾したか否かを判断し、
   上記課金処理をユーザが承諾したと判断した場合には、上記暗号化された第２のデータを復号し、復号した上記第２のデータを再生し、上記第２のデータを復号したときまたは復号した上記第２のデータを再生したときに課金処理を行い、
   上記暗号化された第２のデータおよび上記第１のデータが同一コンテンツであると判断した場合には、上記課金処理を行わないで、上記暗号化された第２のデータを復号し、上記復号した上記第２のデータを再生し、
   上記第２のデータに対する課金処理をユーザが承諾したと判断しない場合には、上記第２のデータの復号または再生を禁止し、
   上記暗号化された第２のデータが記録されていると判断しない場合には、上記第２のデータに対する課金処理を行わないで、上記第２のデータを再生するデータ再生装置。

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