JP4332999B2 - クイズゲーム装置及びクイズゲーム機能付きナビゲーション装置 - Google Patents
クイズゲーム装置及びクイズゲーム機能付きナビゲーション装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、音声認識技術を用いたクイズゲーム装置及び当該クイズゲーム機能を備えるナビゲーション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、音声認識装置を備えるナビゲーション装置が実現されており、ルート案内における目的地や経由地の入力をはじめとするナビゲーション機能の操作を音声にて行えるようになっている。このような音声操作を対話形式で行えるようにしたナビゲーション装置が提案されており、よりスムーズで簡単な操作を実現する工夫もなされてきた。
【0003】
しかしながら、音声認識装置が使用されるのは、ナビゲーション装置の操作時のみであり、また、利用者によっては音声認識装置を利用せずにスイッチなどによって操作を行うことがあったため、音声認識装置が活用されているとは言い難い状況があった。
【0004】
このため本願出願人は、音声認識技術を用い、言葉遊びである「尻取り」を行う装置、及び「尻取り」機能を有したナビゲーション装置を開示した(特開2000−61137号公報)。この装置では、複数人で交互に「尻取り」を行うこともできる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、「尻取り」は誰にでもできるという点で優れているものの、複数人で競い合うという要素には乏しく、子供同士であればよいかもしれないが大人が数人で行うには、盛り上がりに欠ける場合がある。
【0006】
本発明は、音声認識装置を用いることを前提とし、複数人で競い合うという要素を取り入れ、例えば車室内などにおいて、盛り上がる娯楽を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上述した目的を達成するためになされた請求項1に記載のクイズゲーム装置では、記憶手段に複数のクイズを記憶している。クイズ出題手段は、この記憶手段に記憶されたクイズを選択して出題する。そして、このクイズ出題手段による出題に対する利用者の発話音声が音声入力手段を介して入力されると、音声認識手段が、入力された音声を認識する。つまり、出題されたクイズに対して利用者が音声をもって答えると、この音声を認識できる仕組みになっている。なお、クイズ出題手段は、例えばディスプレイにクイズを表示して出題することが考えられる。また、音声により出題するようにしてもよい。あるいは、その両方であってもよい。
【0008】
ここで特に、本発明では、発話者特定手段が、複数の利用者の中から発話者を特定する。そして、勝敗判定手段が、音声認識手段による認識結果と発話者特定手段にて特定される発話者とに基づき、複数の利用者の勝敗を判定する。この判定結果は、報知手段によって報知される。もちろんこの報知は、表示によって行うこと、音声によって行うこと、あるいはその両方で行うことが考えられる。
【0009】
このように本発明は、発話者を特定することで、複数の利用者の勝敗を判定して報知する。つまり、クイズという形式で利用者が互いに知識を競い合うようにしたのである。
なお、ここでいうクイズには、様々なものが考えられる。音声で答えることを前提として複数の利用者間で勝敗が決まるようなものであればよいためである。いわゆる「なぞなぞ」のようなものはもちろん、ある言葉から連想される言葉を利用者に同時に発話させ、同一の言葉を発した利用者を勝ちとしたり、負けとしたりするようなものも、ここでいうクイズに含まれる。
【0010】
これによって、例えば車室内などにおいて、盛り上がる娯楽を提供することができる。
ところで、発話者を特定するというのが本発明のポイントの一つとなっているが、具体的には、以下に示す種々の構成で実現することができる。
【0011】
音声入力手段が複数の利用者毎に設けられていることを前提として、発話者特定手段は、いずれの音声入力手段を介して音声入力がなされたかを判断して発話者を特定する。音声入力手段は、マイクとして実現することができる。すなわち、利用者毎にマイクを用意しておけば、どのマイクから音声が入力されたかを判断して発話者を特定できる。
【0014】
さらに、複数の利用者毎に各利用者が発話に先だって操作する操作手段を備える構成とし、勝敗判定手段は、音声認識手段による認識結果と発話者特定手段にて特定される発話者とに加え、操作手段の操作タイミングに基づき、複数の利用者の勝敗を判定する。例えば操作手段を押しボタン式のスイッチとして実現し、このスイッチを最も早く押したものに解答権を与えるようにするという具合である。これによって、いわゆる「早押しクイズ」を実施することができる。この場合、次のような勝敗判定も可能になる。操作手段による操作タイミングから利用者Aに解答権がある状況において、利用者Bに対応する音声入力手段から音声入力がなされたことを判断すれば、すなわち、利用者Aに代わり誤って利用者Bが答えてしまったことを判断すれば、解答が正しくても利用者Bを負けと判定したり、解答が誤っていても利用者Aを勝ちと判定したりできる。
【0017】
ところで、例えば30題といった所定題数のクイズを出題し、それら所定題数のクイズが終わった時点で、各クイズの勝敗判定を集計して勝敗を報知すれば、より盛り上がる。
そこで請求項2に示すように、クイズ出題手段は、所定の終了条件が成立するまでクイズの出題を繰り返し行い、勝敗判定手段は、クイズ出題手段によって繰り返し出題される各クイズの勝敗判定をさらに集計して複数の利用者の勝敗を判定するようにすることが考えられる。ここで所定の終了条件は、上述したような30題といった所定題数の出題であることが考えられる。また、例えば30分といった所定時間の経過を終了条件としてもよい。
【0018】
なお、複数のクイズを記憶する記憶手段は、例えばハードディスクなどで実現することもできるが、請求項3に示すような交換可能な記録媒体として実現するとよい。例えばCD−ROM、DVDをはじめ、MOなどを採用することが考えられる。このようにすれば、この記録媒体を交換するだけで新しいクイズが楽しめるので、飽きることがない。
【0019】
ところで、このようなクイズゲーム装置は、請求項4に示すように車両に搭載して用いることができ、その場合は車室内という娯楽の限られた空間において利用者の気分を盛り上げることができる。
また、従来より、音声操作が可能な車載用のナビゲーション装置があった。したがって、音声入力や音声認識の構成を両装置間で共通利用することが考えられ、請求項5に示すような、クイズゲーム装置と、設定された目的地までの案内経路を計算して経路案内を行うナビゲーション機能とを備えたクイズゲーム機能付きナビゲーション装置として実現することが考えられる。このとき、音声入力手段及び音声認識手段を用いて、ナビゲーション機能に係る操作(以下「ナビゲーション操作」という。)を可能にする。このようにすれば、従来のナビゲーション装置において、ナビゲーション操作のみに用いられていた音声認識技術を活用することができる。
【0020】
ただし、音声入力手段が複数の利用者毎に設けられている場合、請求項6に示すように、ナビゲーション操作を可能にする音声入力手段を選択的に変更可能にすることが好ましい。運転者以外の同乗者にナビゲーション操作をさせたくない状況もあるし、また逆に、ナビゲーション操作を同乗者に任せたい状況もあるからである。さらにまた、運転中は、安全面からナビゲーション操作を許可しないのが一般的である。したがって、車速などの走行条件に基づいて、ナビゲーション操作ができる音声入力手段を自動的に切り替えるようにしてもよい。例えば走行中は運転者に対応する音声入力手段を介してのナビゲーション操作ができないようにするという具合である。このようにすれば、音声入力手段を用いた適切なナビゲーション操作が実現できる。
【0021】
一方、ナビゲーション装置として実現することを考えると、クイズのバリエーションを拡げられる。例えば請求項7に示すように、記憶手段に全国各地に因んだクイズを記憶しておくことを前提として、クイズ出題手段は、車両の現在地、目的地、経由地又は案内経路周辺地域に関連するクイズを出題することが考えられる。例えばその地域に関連の深い地理・歴史・人物・名物などに関係するクイズを出題するという具合である。また、目的地がコンサートホールであれば音楽に関係するクイズを出題するという具合である。このようにドライブルートやドライブ目的に合わせたクイズが出題されれば、クイズへの関心が高まり、より一層の盛り上がりが期待できる。
【0022】
また、上述したようにクイズ出題手段が所定の終了条件が成立するまでクイズの出題を繰り返し行う構成では、目的地周辺への車両の到達を終了条件とすることもできる。すなわち、請求項8に示す如くである。
なお、上述してきたクイズゲームを行うための処理をコンピュータシステムにて実現する機能は、例えば、コンピュータシステム側で起動するプログラムとして備えることができる。このようなプログラムの場合、例えば、FD、MO、CD−ROM、DVD、又はハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、必要に応じてコンピュータシステムにロードして起動することにより用いることができる。この他、ROMやバックアップRAMをコンピュータ読み取り可能な記録媒体として前記プログラムを記録しておき、このROMあるいはバックアップRAMをコンピュータシステムに組み込んで用いてもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施例を図面を参照して説明する。
図1は実施例としての車載用ナビゲーション装置1の全体構成を示すブロック図である。本車載用ナビゲーション装置1は、制御部10を中心に構成されており、この制御部10に接続される位置検出器20、地図データ入力器30、操作スイッチ群40、音声認識装置50、外部メモリ60、表示装置70、音声出力装置80及びリモコンセンサ90を備えている。なお、制御部10は通常のコンピュータとして構成されており、内部には、CPU、ROM、RAM、I/Oおよびこれらの構成を接続するバスラインなどが備えられている。
【0024】
位置検出器20は、いずれも周知の地磁気センサ21、ジャイロスコープ22、距離センサ23、及び衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出するGPS(Global Positioning System )のためのGPS受信機24を有している。
これらのセンサ等21〜24は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより、各々補間しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては上述した内の一部で構成してもよく、さらに、ステアリングの回転センサ、各転動輪の車輪センサ等を用いてもよい。
【0025】
地図データ入力器30は、位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ及び地図データを入力するための装置である。地図データ入力器30は記録媒体としてのDVDを備えており、これらのデータはこのDVDから入力される。本実施例では、DVDを用いたが、CD−ROMやメモリカード等の他の媒体を用いても差し支えない。
【0026】
操作スイッチ群40は、タッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチ等で構成され、各種入力に使用される。タッチスイッチで構成する場合は、後述する表示装置70の表示画面上にスイッチ群を配置することによって、あたかも画像として表示されるボタンを押下して入力できるような演出が可能となる。
【0027】
音声認識装置50には音声入力装置51が接続されており、この音声入力装置51から入力される音声を認識して、認識結果を制御部10へ出力する。音声認識装置50は、音声によるナビゲーション機能の操作や、後述するクイズゲームを行うための装置である。音声認識装置50は、音声入力装置51を介して入力された利用者の音声データを順次音響分析して音響的特徴量(例えばケプストラム)を抽出し、この音響分析によって得られた音響的特徴量時系列データを得る。そして、周知のDPマッチング法、HMM(隠れマルコフモデル)あるいはニューラルネットなどによって、この時系列データをいくつかの区間に分け、各区間が辞書データとして格納されたどの単語に対応しているかを求める。そして一致度の高い上位比較対象パターンを認識結果として得て、制御部10に対して出力する。
【0028】
ここで音声認識装置50に接続された音声入力装置51の構成について説明する。音声入力装置51は、図2に示すように、スイッチ(図には「SW」と示した)51sと、対応するマイク51mとを備えている。これらスイッチ51s及びマイク51mは、A,B,C,D,Eの5人の利用者毎にそれぞれ設けられている。なお、ここでは5人乗りの車両を想定して、運転者である利用者A、同乗者である4人の利用者B〜Eを示したが、乗車定員の数だけスイッチ51s,マイク51mが接続できる構成となっている。以下の説明では、スイッチ51s及びマイク51mを区別する必要があれば、A〜Eの利用者に対応させるべく記号A〜Eを付して示す。例えば、利用者Aに対して設けられたスイッチ51sを「Aスイッチ51s」と示し、利用者Aに対して設けられたマイク51mを「Aマイク51m」と示す。
【0029】
スイッチ51sは、対応するマイク51mからの音声入力開始を音声認識装置50に通知する。したがって、例えば利用者Aは、Aスイッチ51sを押下した後、Aマイク51mに向かって発話する。これによって、上述したように、マイク51mからの音声データに基づく音声認識装置50での認識結果が制御部10へ出力される。また、スイッチ51sからの信号は、音声認識装置50を介して制御部10へも出力される。したがって制御部10では、どのスイッチ51sが押下されたかを判断することで、どのマイク51mが使用されて音声が入力されたか、すなわち利用者A〜Eの誰が発話したかを判断することができる。
【0030】
図1に示す外部メモリ60は、ハードディスク装置であり、各種処理を実行するにあたり、必要な情報の記憶を行うためのものである。ただし、情報の記憶ができればよいため、ハードディスク装置以外の例えば半導体メモリ装置を用いてもよい。
【0031】
表示装置70は、液晶やCRT等を用いたカラーディスプレイ装置である。この表示装置70は、図3に示すように、標準ディスプレイ71及び後部座席用ディスプレイ72を備えている。標準ディスプレイ71は、前部座席の利用者から見える位置に配置される。一方、後部座席用ディスプレイ72は、後部座席の利用者から見える位置、例えば車両の天井中央部などに配置される。このような後部座席用ディスプレイ72は、1台だけでなく複数台設置することも考えられる。もちろん、標準ディスプレイ71を複数台備える構成としてもよい。この表示装置70を介して、車載用ナビゲーション装置1から利用者への情報表示が行われる。
【0032】
音声出力装置80は図示しないスピーカを備えており、この音声出力装置80を介して、車載用ナビゲーション装置1から利用者への音声案内が行われる。
リモコンセンサ90は、リモートコントロール端末(以下「リモコン」という。)90aを介した利用者の操作情報を取得する。
【0033】
このような構成により、本実施例の車載用ナビゲーション装置1では、いわゆるナビゲーション機能が実現される。表示装置70の画面、詳しくは標準ディスプレイ71の画面には、位置検出器20から入力された車両現在地マークと、地図データ入力器30より入力された地図データと、更に地図上に表示する案内経路、名称、目印等の付加データとを重ねて表示することができる。そして、本車載用ナビゲーション装置1では、リモコン90aを介してリモコンセンサ90から、操作スイッチ群40から、あるいは、音声入力装置51を介して音声認識装置50から目的地の位置及び、必要に応じて高速道路等の特定の経路の指定(すなわち経由地の指定)がなされると、現在地からその目的地までの最適な経路が自動的に選択され、いわゆる案内経路が設定されて表示される。このような最適経路の自動設定は、ダイクストラ法等の手法によって実現される。そして、この案内経路が形成され表示された後、車両の走行状況に応じ、制御部10により表示装置70又は音声出力装置80を介して経路案内が行われる。
【0034】
さらに、本実施例の車載用ナビゲーション装置1では、音声入力装置51を介して音声認識装置50からクイズゲームの開始指示が利用者によってなされると、制御部10がクイズ処理を実行することによって、上述した音声入力装置51を用いたクイズゲームが実施される。
【0035】
そこで次に、制御部10によって実行されるクイズ処理を、図4のフローチャートに基づいて説明する。
まず最初のステップ(以下、ステップを単に記号Sで示す。)100において、ゲーム条件の設定を利用者に促す。この処理は、表示装置70を介してゲーム条件を表示して利用者に選択させるものである。具体的には、以下(1)〜(3)の設定を促す。
【0036】
(1)クイズ種類を選択させる
本実施例では、クイズ種類として、以下▲1▼〜▲3▼のいずれかを選択可能になっている。
▲1▼ジャンルセレクトクイズ:文学・歴史・スポーツ・アニメ・ノンセクションなどのジャンルに分類されたクイズが出題される設定である。
【0037】
▲2▼津々浦々クイズ :現在地周辺に関する地理・歴史・人物・名物・面白い地名や駅名などに関連するクイズが出題される設定である。なお、ルート案内のための目的地、経由地、案内経路などが設定されていれば、これら地域周辺に関連するクイズも出題される。
【0038】
▲3▼イントロクイズ :曲のイントロ部分が再生され、曲名を当てるクイズが出題される設定である。
なお、これらのクイズは、上述した外部メモリ60に記憶されているものとする。
【0039】
(2)誤答の場合の罰則を設定させる
本実施例では、誤答の場合の罰則設定として、以下▲1▼〜▲3▼のいずれかを選択可能となっている。
▲1▼減点 :誤答であった場合には所定の減点を行う設定である。
【0040】
▲2▼解答権の喪失:誤答であった場合には、次に出題されるクイズの解答権を失うという設定であり、いわゆる「一回休み」の設定である。
▲3▼罰則なし :誤答であった場合にも罰則をなくす設定である。
(3)終了条件を設定させる
本実施例では、クイズの終了条件として、以下▲1▼〜▲3▼のいずれかを選択可能となっている。
【0041】
▲1▼問題数 :所定題数のクイズが出題された場合に終了条件成立とする設定である。
▲2▼時間 :所定時間が経過した場合に終了条件成立とする設定である。
▲3▼目的地到着時:ルート案内のための目的地が設定されている前提の下、車両が目的地周辺に到達した場合に終了条件成立とする設定である。
【0042】
これらゲーム条件の設定がなされると、次のS110では、クイズを出題する。この処理は、S100にて選択されたクイズ種類に応じたクイズを外部メモリ60から読み出して出題するものである。ジャンルセレクトクイズ、津々浦々クイズが選択された場合、表示装置70にクイズを表示すると共に、音声出力装置80を介して音声による出題を行う。一方、イントロクイズが選択されている場合、外部メモリ60からイントロ部分の曲データを読み出し、音声出力装置80を介して再生する。なお、クイズ処理における表示装置70を介した表示は、標準ディスプレイ71及び後部座席用ディスプレイ72の両方を用いて行われる。
【0043】
次のS120では、例えば5秒というような所定時間が経過したか否かを判断する。この所定時間は、一つの出題に対する解答時間に相当する。ここで所定時間が経過したと判断された場合(S120:YES)、S170へ移行する。一方、所定時間が経過していないと判断された場合(S120:NO)、S130へ移行する。
【0044】
S130では、音声入力装置51のスイッチ51sの押下があったか否かを判断する。これは音声認識装置50を介して出力されるスイッチ51sからの信号に基づき判断する。ここでスイッチ51sの押下があったと判断された場合(S130:YES)、S140へ移行する。一方、スイッチ51sが押下されないうちは(S130:NO)、S120からの処理を繰り返す。
【0045】
S140では、発話者を特定する。具体的には、A〜Eの5人の利用者の中でだれがスイッチ51sを押下したかを特定する。例えばBスイッチ51sが押下されれば、利用者Bを発話者として特定するという具合である。そして続くS150では、その利用者に対し、解答してよい旨を通知する。この通知は、表示装置70を介して表示によって行ってもよいし、音声出力装置80を介して音声で行ってもよい。例えば上述したように利用者Bを発話者として特定した場合、「○○さん、答えをどうぞ」というメッセージを表示したり、音声出力したりするという具合である。なお、このように装置から「○○さん」というような呼びかけを可能にするために、予め利用者A〜Eの名前を装置に入力しておく。
【0046】
S160では、音声認識装置50から出力される認識結果に基づき、正答であるか否かを判断する。ここで正答であると判断された場合(S160:YES)、正答した利用者に所定の点数を加算して、S170へ移行する。一方、正答でないと判断された場合(S160:NO)、すなわち誤答であった場合には、S120からの処理を繰り返す。
【0047】
S170では、勝敗判定及び結果の報知を行う。ここでは利用者A〜Eの誰が正答したかを報知するだけでなく、A〜Eの各利用者の得点を報知したり、上述した罰則の設定に基づき、罰則の適用される者を報知したりする。また、利用者A〜Eの誰からも正答が得られなかった場合には、正答を報知する。なお、ここでの報知は、もちろん、表示によるものでも、音声によるものでも、あるいは、それら両方によるものでもよい。
【0048】
続くS180では、終了条件成立か否かを判断する。この終了条件は、上述したようにS100にてゲーム条件として設定されたものである。ここで終了条件が成立したと判断された場合(S180:YES)、S190へ移行する。一方、終了条件が成立していないと判断された場合(S180:NO)、S110からの処理を繰り返す。
【0049】
終了条件が成立した場合に移行するS190では、勝敗判定及び集計結果の報知を行う。ここでは、A〜Eの各利用者の得点を集計して勝敗の判定を行い、その集計結果の報知を行う。なお、A〜Eの各利用者毎のの正答率などを合わせて報知してもよい。
【0050】
そして、S190の処理終了後、本クイズ処理を終了する。
ところで、本実施例の音声入力装置51には、上述したクイズゲームを実施するために、A〜Eの各利用者毎にスイッチ51s及びマイク51mを設けた。一方、この音声入力装置51を介して音声認識装置50からナビゲーション操作が可能になっており、ナビゲーション操作のためのコマンド入力、目的地や経由地の入力ができる。ただし、同乗者である4人の利用者B〜Eにはナビゲーション操作をさせたくない場合も考えられるし、一方では、B〜Eの利用者にナビゲーション操作を任せたい場合もある。
【0051】
したがって、本実施例の車載用ナビゲーション装置1では、A〜Eの各スイッチ51s及びマイク51mの中でナビゲーション操作が可能なスイッチ51s及びマイク51mを選択的に変更可能となっている。この変更は、例えば運転者である利用者Aが、表示装置70に表示される設定メニューから行えるようになっている。A〜Eの各スイッチ51s及びマイク51mを用いたナビゲーション操作を、それぞれ許可/不許可のいずれかに設定できる。
【0052】
そして、ナビゲーション操作のコマンドなどが音声入力装置51を介して音声認識装置50から入力されると、制御部10は、この設定に基づく操作制限処理を実行して操作を制限する。
この操作制限処理は、図5のフローチャートに示す如くである。これについて説明する。
【0053】
まず最初のS200においては、A〜Eの5人の利用者の中でだれがスイッチ51sを押下したかを特定する。そして、続くS210では、上述したような許可/不許可の設定を参照して、操作が許可されているか否かを判断する。ここで操作が許可されていると判断された場合(S210:YES)、S220へ移行する。一方、操作が許可されていない場合には(S210:NO)、S240にて操作できない旨を報知し、本操作制限処理を終了する。
【0054】
S220では、停車中か否かを判断する。走行中に運転者である利用者Aのナビゲーション操作を制限するためである。ここで停車中であると判断された場合(S220:YES)、本操作制限処理を終了し、入力音声に基づく操作処理へ移行する。一方、停車中でないと判断された場合(S220:NO)、すなわち走行中であると判断された場合には、S230へ移行する。
【0055】
S230では、操作しているのが運転者であるか否かを判断する。ここでは、S200にて利用者Aが発話者として特定されている場合に肯定判断される。ここで運転者であると判断された場合(S230:YES)、すなわち車両の走行中に運転者が操作をしようとしている場合には、S240にて操作できない旨を報知し、本操作制限処理を終了する。一方、運転者でないと判断された場合(S230:NO)、本操作制限処理を終了し、入力音声に基づく操作処理へ移行する。
【0056】
次に、本実施例の車載用ナビゲーション装置1の発揮する効果を説明する。
本実施例の車載用ナビゲーション装置1では、A〜Eの5人の各利用者毎にスイッチ51s及びマイク51mを用意した。そして、A〜Eの5人の利用者がそれぞれに対応するスイッチ51sを押下した後にマイク51mに向かって発話すると、音声認識装置50にて音声認識がなされる。制御部10は、クイズを出題し(図4中のS110)、A〜Eのどのスイッチ51sが押下されたかを判断して発話者を特定し(S140)、音声認識結果に基づいて正答か否かを判断する(S160)。そして、A〜Eの5人の利用者の勝敗を報知する(S170)。つまり、クイズという形式で利用者が互いに知識を競い合うようにした。これによって、車室内において、気分を盛り上げる娯楽が提供できる。さらに、スイッチ51sの押下を判断する構成により(S130)、本実施例におけるクイズゲームはいわゆる「早押しゲーム」となっており、答えが分かった場合にはスイッチ51sを競って押下しようとするため、スイッチ51sの押下に意識が向き、分かっていても誤答となる可能性がある。これも、このクイズゲームで盛り上がる可能性を高くしている。また、クイズの出題は終了条件が成立するまで繰り返し行われ(S180)、得点制にして最終的な集計結果を報知するようにした(S190)。これによってもさらなる盛り上がりが期待できる。
【0057】
そして、出題されるクイズの種類として、津々浦々クイズを選択できるようにし(図4中のS100)、これを選択した場合には、現在地周辺に関する地理・歴史・人物・名物・面白い地名や駅名などに関連するクイズが出題される。さらに、ルート案内のための目的地、経由地、案内経路などが設定されていれば、これら地域周辺に関連するクイズも出題される。さらに、ゲームの終了条件を車両の目的地への到達をゲームの終了条件として設定することもできる(S100)。つまり、ドライブルートに合わせたクイズゲームが実施できるため、クイズへの関心が高まり、より一層の盛り上がりが期待できる。
【0058】
また、本実施例では、クイズゲームに用いられる音声入力装置51をナビゲーション操作にも使用できるようにした。すなわち、音声入力装置51及び音声認識装置50を、クイズゲームとナビゲーション操作の両方で共通利用するようにした。これによって、従来のナビゲーション装置において、ナビゲーション操作のみに用いられていた音声認識技術を活用することができる。
【0059】
そしてこのとき、本実施例の車載用ナビゲーション装置1では、A〜Eの各スイッチ51s及びマイク51mの中でナビゲーション操作が可能なスイッチ51s及びマイク51mを選択的に変更可能にした。つまり、A〜Eの各スイッチ51s及びマイク51mからのナビゲーション操作の許可/不許可を利用者が設定できる構成とし、操作のための音声入力があった場合には、この設定に基づく操作制限処理(図5参照)によって操作を制限する。さらに、この操作制限処理では、停車していない場合の運転者による操作(S220:NO,S230:YES)もできないようにした。これによって、音声入力装置51を用いた適切なナビゲーション操作が実現できる。
【0060】
さらにまた、本実施例では、表示装置70が後部座席用ディスプレイ72を備える構成とし(図3参照)、後部座席の利用者にもゲーム状況などを視覚を通して報知できるようにした。これによって、後部座席の利用者も十分にゲームを楽しむことができる。
【0061】
なお、本実施例における外部メモリ60が「記憶手段」に相当し、音声入力装置51のスイッチ51sが「操作手段」に相当し、マイク51mが「音声入力手段」に相当する。
また、音声認識装置50が「音声認識手段」に相当し、表示装置70及び音声出力装置80が「報知手段」に相当する。
【0062】
さらにまた、制御部10が「クイズ出題手段」、「発話者特定手段」及び「勝敗判定手段」に相当し、図4中のS110及びS180がクイズ出題手段としての処理に相当し、S140の処理が発話者特定手段としての処理に相当し、S170及びS190における勝敗判定処理が、勝敗判定手段としての処理に相当する。
【0063】
以上、本発明はこのような実施例に何等限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得る。
(イ)例えば上記実施例では、A〜Eの各スイッチ51sに対応させてマイク51mを設けたが(図2参照)、図6に示す音声入力装置52のように、マイク51mを1つだけ備える構成にしてもよい。A〜Eの各スイッチ51sの押下によって発話者が特定できるためである。また、ナビゲーション操作を運転者である利用者Aが行う状況が多いことを考えると、図7に示す音声入力装置53のように、Aスイッチ51sに対応させてAマイク51mを設け、同乗者であるB〜Eの利用者に対しては、共通のマイク51mを設けるようにしてもよい。
【0064】
(ロ)上記実施例では、図2に示す音声入力装置51のスイッチ51sの押下によって発話者を特定していたが、スイッチ51sを設けることなく、A〜Eのマイク51mだけを設けるようにし、いずれのマイク51mから音声が入力されたかを判断して発話者を特定するようにしてもよい。
【0065】
この場合、マイク51mの指向性などから2以上のマイク51mを介して同時に音声入力がなされる可能性もあるため、A〜Eの各マイク51mの音声レベルに基づいて発話者を特定することも考えられる。
例えば最も音声レベルの大きなマイク51mを判断して発話者を特定するようにすれば、複数の利用者が同時に解答した場合、より大きな声で解答した利用者が発話者とされるため、「大きな声で答えたものが勝ち」というルールでクイズを行うこともできる。このように大声を出させる状況をつくれば、より一層盛り上がる。
【0066】
また例えば、複数のマイク51mから所定レベルで音声入力なされた場合には、それらマイク51mから入力された音声を並行して認識できる構成にすることも考えられる。このようにすれば、ある言葉から連想される言葉を利用者に同時に発話させ、同一の言葉を発した利用者を勝ちとしたり、負けとしたりするようなルールでクイズを行うこともできる。
【0067】
(ハ)また、A〜Eのいずれのマイク51mから音声が入力されたかを判断して発話者を特定する場合、最も早く音声入力がなされたマイク51mから発話者を特定することも考えられる。
(ニ)なお、いずれのマイク51mから音声が入力されたかを判断して発話者を特定する構成において、図2に示すようなA〜Eのスイッチ51sを設ける構成とし、スイッチ51sを押下した利用者と、マイク51mから特定される発話者とを別個に判断して、クイズに利用することも考えられる。
【0068】
例えばスイッチ51sを最も早く押したものに解答権を与えるようにする。このとき、利用者Aが最も早くスイッチ51sを押下したとしても、実際には、利用者Bが答えてしまうという状況が想定できる。したがって、利用者Aに代わり誤って利用者Bが答えてしまったことを判断して、解答が正しくても利用者Bを負けと判定したり、解答が誤っていても利用者Aを勝ちと判定したりできる。この構成によれば、ゲームに変化が付けられる。
【0069】
(ホ)また、マイク51mから入力される利用者の声色から発話者を判断するようにしてもよい。
(ヘ)上記実施例では、出題されるクイズをハードディスクである外部メモリ60に記憶していたが、例えばDVDやCD−ROMといった交換可能な記録媒体に記憶することも考えられる。このような記録媒体にクイズを記録すれば、記録媒体の交換によって新しいクイズが出題されることになり飽きることがない。また、上述したイントロクイズなどの曲データは、外部の装置から通信などによって取得するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の車載用ナビゲーション装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】実施例の音声入力装置の構成を示すブロック図である。
【図3】実施例の表示装置の構成を示すブロック図である。
【図4】クイズ処理を示すフローチャートである。
【図5】操作制限処理を示すフローチャートである。
【図6】別実施例の音声入力装置の構成を示すブロック図である。
【図7】別実施例の音声入力装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…車載用ナビゲーション装置
10…制御部
20…位置検出器
21…地磁気センサ
22…ジャイロスコープ
23…距離センサ
24…GPS受信機
30…地図データ入力器
40…操作スイッチ群
50…音声認識装置
51,52,53…音声入力装置
51s…スイッチ
51m…マイク
60…外部メモリ
70…表示装置
71…標準ディスプレイ
72…後部座席用ディスプレイ
80…音声出力装置
90…リモコンセンサ
90a…リモコン
Claims (8)
- 複数のクイズを記憶した記憶手段と、
該記憶手段に記憶された前記クイズを選択して出題するクイズ出題手段と、
該クイズ出題手段による出題に対する利用者の発話音声を入力するための音声入力手段と、
該音声入力手段を介して音声入力がなされると、当該入力された音声を認識する音声認識手段と、
複数の利用者の中から発話者を特定する発話者特定手段と、
前記音声認識手段による認識結果と前記発話者特定手段にて特定される発話者とに基づき、前記複数の利用者の勝敗を判定する勝敗判定手段と、
該勝敗判定手段による判定結果を報知する報知手段とを備え、
前記音声入力手段が前記複数の利用者毎に設けられており、
前記発話者特定手段は、いずれの音声入力手段を介して音声入力がなされたかを判断して発話者を特定し、
さらに、前記複数の利用者毎に、各利用者が発話に先だって操作するための操作手段を備えており、
前記勝敗判定手段は、前記音声認識手段による認識結果と前記発話者特定手段にて特定される発話者とに加え、前記操作手段の操作タイミングに基づき、前記複数の利用者の勝敗を判定すること
を特徴とするクイズゲーム装置。 - 請求項1に記載のクイズゲーム装置において、
前記クイズ出題手段は、所定の終了条件が成立するまで前記クイズの出題を繰り返し行い、
前記勝敗判定手段は、前記クイズ出題手段によって繰り返し出題されるクイズ毎の勝敗判定を集計して前記複数の利用者の勝敗を判定すること
を特徴とするクイズゲーム装置。 - 請求項1又は2に記載のクイズゲーム装置において、
前記記憶手段は、交換可能な記録媒体として実現されていること
を特徴とするクイズゲーム装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のクイズゲーム装置において、
車両に搭載されて用いられること
を特徴とするクイズゲーム装置。 - 請求項1〜4のいずれかに記載のクイズゲーム装置と、
設定された目的地までの案内経路を計算して経路案内を行うナビゲーション機能を備えたナビゲーション装置であって、
前記音声入力手段及び前記音声認識手段を用いた、前記ナビゲーション機能に係る操作であるナビゲーション操作を可能にしたこと
を特徴とするクイズゲーム機能付きナビゲーション装置。 - 請求項5に記載のナビゲーション装置において、
前記ナビゲーション操作が可能な前記音声入力手段を選択的に変更可能としたこと
を特徴とするクイズゲーム機能付きナビゲーション装置。 - 請求項5又は6に記載のナビゲーション装置において、
前記記憶手段には、全国各地に因んだクイズが記憶されており、
前記クイズ出題手段は、車両の現在地、目的地、経由地又は案内経路に関連するクイズを出題可能としたこと
を特徴とするクイズゲーム機能付きナビゲーション装置。 - 請求項5〜7のいずれかに記載のナビゲーション装置において、
前記クイズ出題手段は、目的地周辺への車両到達を終了条件として前記クイズを繰り返し出題可能なこと
を特徴とするクイズ機能付きナビゲーション装置。
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