JP2000322098A - 音声認識装置 - Google Patents

音声認識装置

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JP2000322098A
JP2000322098A JP11132863A JP13286399A JP2000322098A JP 2000322098 A JP2000322098 A JP 2000322098A JP 11132863 A JP11132863 A JP 11132863A JP 13286399 A JP13286399 A JP 13286399A JP 2000322098 A JP2000322098 A JP 2000322098A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノイズ成分の推定を高精度で行なって認識率
の向上を図ると共にユーザにとって使い易いものとす
る。 【解決手段】 ユーザが音声入力すべくトークスイッチ
をオン操作すると(T1 )、カーオーディオ装置を消音
すると共に、一定時間のノイズ推定区間を設け、定常ノ
イズを推定する。ノイズ推定区間の終了時に「ピッ」と
いう報知音を出力し(T2 )、音声検出区間を開始し、
ここでユーザはコマンドや目的地を音声入力する。この
音声検出区間(音声区間T3 〜T4 )の音声入力信号か
ら、推定したノイズ成分を除去し、音声信号を得る。音
声検出区間の終了時(T5 )にも報知を行ない、音声認
識を行なう。その後、トークバックを行ない、カーオー
ディオ装置のミュートを解除する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロホン等の
音声入力手段から入力された音声入力信号からノイズ成
分を除去することにより、認識率の向上を図るようにし
た音声認識装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】例えばカーナビゲーシ
ョン装置においては、表示部に、道路地図と併せて車両
の現在位置や目的地までのルート等を表示するようにな
っており、この場合、音声認識装置を組込んで、表示さ
れている地図の種類(縮尺)の切替え等のコマンドや目
的地の入力等を音声でも行なえるようにしたものが供さ
れている。このものは、音声信号を取込むマイクロホン
を備え、ユーザが、PTT(push to talk)スイッチを押
しながら地名等を発話することにより、マイクロホンか
らの音声入力信号を処理し、音声認識を行なうように構
成されている。
【0003】ここで、マイクロホンから入力される音声
入力信号は、ユーザによる発話信号に、いわゆる風切り
音やエンジン音、タイヤ雑音、エアコン音等の周囲の雑
音(ノイズ)を含んだものとなっている。従って、音声
認識の精度を高めるためには、前記音声入力信号からノ
イズ成分を除去することが必要となってくる。このと
き、ユーザが発話していない状態における、前記マイク
ロホンからの入力信号をノイズ成分とみなすことができ
るから、従来では、PTTスイッチが押されていない状
態でのマイクロホンからの入力信号(ノイズ信号)を常
時測定し、その平均値をノイズ成分として音声入力信号
から除去する処理が行なわれていた。
【0004】しかしながら、上記のようにノイズ信号を
常時測定するものでは、CPUの負担が大きくなると共
に、ノイズ信号の平均値が実際の音声入力時のノイズ成
分と一致する確度は必ずしも高いとはいえないため、認
識精度に劣るものとなっていた。そこで、本出願人の先
の出願である特願平9−168866号では、PTTス
イッチがオンされると、入力信号のパワーから、雑音区
間と音声区間とを判別し、雑音区間において検出(推
定)された発話時の直前のノイズ信号を、音声区間にお
ける音声入力信号から除去することにより、認識率を高
めるようにしている。
【0005】ところが、この特願平9−168866号
に示された技術でも、次のような改善の余地が残されて
いた。即ち、ノイズ推定にはある程度のノイズ信号の検
出期間が必要となるが、ユーザによってはPTTスイッ
チを押してすぐ発話することがあり、これでは十分なノ
イズ信号の検出時間が得られない状態となり、ノイズ成
分の推定の精度に劣り、ひいては認識率も低下してしま
うことになる。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、ノイズ成分の推定を高精度で行なうこ
とができて認識率の向上を図ることができ、しかもユー
ザにとって使い易い音声認識装置を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の音声
認識装置によれば、音声入力を行なうべく指示手段によ
る指示を行なうと、まずノイズ推定区間が設けられ、そ
のノイズ推定区間の終了時に発話許可報知手段による報
知が行なわれた後、音声検出区間が設けられるようにな
る。従って、報知が行なわれた後発話を行なえば良いの
で、話し始めるタイミングを判り易く知らせることがで
きる。
【0008】そして、音声検出区間の直前のノイズから
ノイズ成分を推定でき、しかもノイズ推定のための十分
なノイズ推定区間が確保されるので、実際の発話時のノ
イズ成分と一致する確度が高い高精度のノイズ成分の推
定を行なうことができ、ひいては認識率の向上を図るこ
とができるものである。尚、発話許可報知手段による報
知の方法としては、音声による報知や画像による報知、
さらには音声と画像とを組合わせた報知などが有効であ
る。
【0009】このとき、ノイズ推定区間の終了時の報知
に加えて、音声検出区間の終了をユーザに報知する音声
検出区間終了報知手段を設ける構成とすることができる
(請求項2の発明)。これによれば、ユーザに対して、
音声検出区間の終了を判り易く知らせることができるの
で、ユーザが音声検出区間であるにもかかわらず雑談を
始めてしまったり、ユーザに対して必要以上に沈黙を強
いるといった不具合を未然に防止することができる。
【0010】また、前記ノイズ推定手段によるノイズ推
定を、ノイズ推定区間を越えて音声検出区間となった後
も、実際の音声の入力があるまで継続して行なう構成と
しても良い(請求項3の発明)。これによれば、ノイズ
推定をより長い時間について行なうことが可能となり、
ノイズ成分の推定をより一層高精度に行なうことが可能
となる。
【0011】ところで、本発明の音声認識装置は、カー
ナビゲーション装置に組込んでコマンドや目的地の音声
入力のために使用することができるのであるが、このと
き、ノイズ推定区間及び音声検出区間において、カーオ
ーディオ装置から音楽等が出力されていれば、ノイズ成
分の時間変化が大きいものとなって認識精度が大幅に低
下する事態を招く。
【0012】そこで、カーナビゲーション装置に組込ま
れるものにあっては、指示手段による指示があったとき
に、カーオーディオ装置の音量を低減もしくは消音させ
るミュート手段を設けるようにすることができる(請求
項4の発明)。これにより、カーオーディオ装置からの
音楽等をノイズとして検出することがなくなり、ノイズ
成分としては風切り音などのバックグラウンドノイズだ
けとなり、ノイズ成分の推定を高精度に行なうことが可
能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明をカーナビゲーショ
ン装置に適用した一実施例について、図1ないし図5を
参照しながら説明する。まず、図2は、カーナビゲーシ
ョン装置1の全体構成を概略的に示している。ここで、
カーナビゲーション装置1は、位置検出器2、地図デー
タ入力器3、操作スイッチ群4、これらに接続されたマ
イクロコンピュータを主体として成る制御回路5、この
制御回路5に接続された外部メモリ6、例えばフルカラ
ー液晶ディスプレイからなる表示装置7、リモコンセン
サ8、及び、本実施例に係る音声認識装置9を備えて構
成されている。
【0014】そのうち位置検出器2は、周知構成の地磁
気センサ10、ジャイロセンサ11、距離センサ12、
及び、衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出する
GPS(Global Positioning System )のためのGPS
受信機13を有している。これら各センサ10〜13
は、車両の適宜の部所に配設されている。前記制御回路
5は、位置検出器2の各センサ10〜13が性質の異な
る誤差を有しているため、各々補間しながら使用するよ
うに構成されており、これらセンサ10〜13からの入
力に基づいて、車両の現在位置、進行方向、速度や走行
距離等を高精度で検出するようになっている。
【0015】前記地図データ入力器3は、道路地図デー
タや、位置検出の精度向上のための所謂マップマッチン
グ用データ等を含む各種データを記憶した記憶媒体から
データを入力するためのドライブ装置からなり、その記
憶媒体としては、例えばCD−ROMやDVD等の大容
量記憶媒体が用いられる。尚、前記道路地図データは、
道路形状、道路幅、道路名、建造物、各種施設、それら
の電話番号、地名、地形等のデータを含むと共に、その
道路地図を前記表示装置7の表示画面上に再生するため
のデータを含んで構成されている。
【0016】前記操作スイッチ群4は、ユーザ(運転
者)が、目的地の指定や、表示装置7に表示される道路
地図の選択等の各種のコマンドを入力するための各種の
メカニカルスイッチから構成されている。また、この操
作スイッチ群4の一部は、前記表示装置7の画面上に設
けられたタッチパネル(図示せず)からも構成されるよ
うになっている。そして、この操作スイッチ群4と同等
の機能を有するリモートコントロール端末14(以下、
リモコンと称する)も設けられており、このリモコン1
4からの操作信号が、前記リモコンセンサ8により検出
されるようになっている。
【0017】前記表示装置7の画面には、各種縮尺の道
路地図が表示されると共に、その表示に重ね合わせて、
車両の現在位置及び進行方向を示すポインタが表示され
るようになっている。また、ユーザが目的地などを入力
するための各種の入力用画面や、各種のメッセージやイ
ンフォメーション等も表示されるようになっている。さ
らには、目的地までの案内を行なうルートガイダンス機
能の実行時には、道路地図に重ね合わせて進むべき経路
等が表示されるようになっている。
【0018】そして、前記制御回路5は、上述のよう
に、地図データ入力器3からの道路地図データに基づい
て表示装置7に道路地図を表示させると共に、位置検出
器2の検出に基づいて車両の現在位置及び進行方向を示
すポインタを表示させるようになっている。このとき、
車両の現在位置を道路上にのせるマップマッチングが行
なわれるようになっている。また、ユーザのコマンド入
力に基づいて、表示装置7に表示させる地図の種類(縮
尺)の切替え等を行なうようになっている。
【0019】さらに、制御回路5は、ユーザによる目的
地の入力に基づいて、自動ルート探索及びルートガイダ
ンスの機能を実行するようになっている。詳しい説明は
省略するが、自動ルート探索の機能は、車両の現在位置
からユーザにより入力された目的地までの推奨する走行
経路を自動的に算出するものであり、ルートガイダンス
の機能は、上述のように、表示装置7の画面にその走行
経路を表示して目的地まで案内するものであり、このと
き、後述する音声認識装置9の音声合成の機能を用い
て、例えば「200m先の交差点を左です」といった音
声をスピーカ15から出力させる音声案内も併せて行う
ことができるようになっている。
【0020】尚、図示はしないが、前記表示装置7は、
操作スイッチ群4やリモコンセンサ8、さらには音声認
識装置9のスピーカ15等と共にユニット化され、例え
ば車両のインパネの正面中央部に配設されるようになっ
ている。また、前記制御回路5や地図データ入力器3等
が組込まれたカーナビゲーション装置1の本体は、例え
ば車両のトランクルーム等に配設されるようになってい
る。
【0021】ここで、本実施例に係る音声認識装置9に
ついて、以下、図3なども参照して述べる。この音声認
識装置9は、上記カーナビゲーション装置1に対するコ
マンドや目的地などの指示を、前記操作スイッチ群4あ
るいはリモコン14の手動操作に代えて、ユーザ(運転
者)が前を見たまま音声入力することによって、同様に
行なうことができるようにし、安全性,利便性を向上さ
せるための装置として設けられている。
【0022】図2に示すように、この音声認識装置9
は、音声認識装置本体16、及び、その音声認識装置本
体16に接続された前記スピーカ15、ユーザが音声を
入力するための音声入力手段たるマイクロホン17(以
下単に「マイク17」という)、ユーザが音声入力を開
始する旨を指示するための指示手段たるトークスイッチ
18を備えて構成されている。この場合、前記トークス
イッチ18はいわゆるクリック方式のスイッチとされ、
ユーザがトークスイッチ18をオン操作した後音声を入
力(発話)するようになっている。
【0023】尚、図示はしないが、前記マイク17は、
車両の例えばステアリングコラムカバーの上面部や運転
席側のサンバイザー等の運転者の音声を拾いやすい位置
に設けられるようになっている。また、前記トークスイ
ッチ18は、例えばステアリングコラムカバーの左側面
部やシフトレバーの近傍など運転者が左手で安全に操作
しやすい位置に設けられるようになっている。
【0024】そして、前記音声認識装置本体16は、マ
イクロコンピュータを主体として構成され、その機能構
成(ソフトウエア的構成)によって、制御部19、音声
抽出部20、音声認識部21、対話制御部22、音声合
成部23を備えている。また、この音声認識装置本体1
6はタイマ機能を備えている。前記制御部19は、前記
トークスイッチ18からのオン信号の入力に基づいて、
前記音声抽出部20に対して音声信号の抽出の処理の実
行を指示するようになっている。
【0025】また、後述するように、この制御部19
は、前記スピーカ15から、「ピッ」という報知音(ブ
ザー音)を出力させるようになっている。さらには、こ
の制御部19は、カーオーディオ装置のアンプ24を制
御可能に構成され、オーディオ用スピーカ25から出力
される音量の調節(消音及びその解除)が可能とされて
いる。
【0026】前記音声抽出部20は、前記制御部19の
指示により前記マイク17から音声入力信号を取込み、
後述するように、ノイズ推定区間においてノイズ成分を
推定し、これと共に、音声検出区間において取込まれた
音声入力信号からそのノイズ成分を除去して音声信号を
抽出するようになっている。そして、抽出された音声信
号のデータを前記音声認識部21に出力するようになっ
ている。従って、この音声抽出部20が、ノイズ推定手
段及び音声抽出手段としての機能を果たすのである。
【0027】図3は、この音声抽出部20の機能構成を
更に詳細に示しており、音声抽出部20は、フレーム分
割部26、判定部27、雑音用バッファ28、音声用バ
ッファ29、雑音(ノイズ)用のフーリエ変換部30、
音声用のフーリエ変換部31、雑音スペクトル推定部3
2、サブトラクト部33、フーリエ逆変換部34を備え
て構成される。
【0028】このうちフレーム分割部26は、音声の特
徴量を分析するためのフレームを切出すものであり、音
声入力信号を一定間隔例えば数10ms程度間隔のフレ
ーム信号として切出していく。後述するノイズ推定区間
においては、そのフレーム信号が雑音用バッファ28に
蓄積される。一方、後述する音声検出区間においては、
判定部27にて、そのフレーム信号が、音声成分を含む
信号(音声区間)か否かが判定され、音声であると判定
されたときには、音声用バッファ29に蓄積される。
【0029】この判定の手法としては、音声入力信号の
短時間パワーを抽出し、その短時間パワーがしきい値以
上であるときに音声成分を含む信号と判定する手法が採
用される。また、この判定部27の判定に基づいて、音
声検出区間の終了が判断されるようになっており、音声
区間が終了して所定時間(例えば1秒)が経過したとき
に、音声検出区間が終了したと判断され、その信号が前
記制御部19に送られるようになっている。尚、判定部
27にて音声を含まない信号(雑音区間)であると判定
された場合には、そのフレーム信号を前記雑音用バッフ
ァ28に蓄積させるようにしても良い。
【0030】そして、前記雑音用バッファ28に蓄積さ
れたフレーム信号は、フーリエ変換部30にてフーリエ
変換されて短時間スペクトルとされ、雑音スペクトル推
定部32に送られる。雑音スペクトル推定部32では、
例えば複数のフレーム信号の短時間スペクトルにより求
められたパワースペクトルの平均により雑音スペクトル
(ノイズ成分)が推定され、サブトラクト部33に送ら
れる。一方、前記音声用バッファ29に蓄積されたフレ
ーム信号は、フーリエ変換部31にてフーリエ変換され
て短時間周波数スペクトルとされ、その短時間スペクト
ルデータがサブトラクト部33に送られる。
【0031】サブトラクト部33では、フーリエ変換部
31から入力された短時間スペクトルデータから、雑音
スペクトル推定部32からの雑音スペクトルを差引くこ
とにより、ノイズ成分の除去が行なわれる。ノイズ成分
が除去された音声信号成分は、前記フーリエ逆変換部3
4にてフーリエ逆変換され、音声信号として前記音声認
識部21に出力されるのである。
【0032】図2に戻って、前記音声認識部21は、音
声抽出部20から入力された音声信号のデータの認識処
理を行い、その認識結果を対話制御部22に出力するよ
うになっている。従って、この音声認識部21が認識手
段として機能する。この場合、認識処理は、音声抽出部
20から取得したデータに対し、記憶している辞書デー
タを用いて照合を行い、複数の比較対象パターン候補と
比較して類似度の高い上位比較対象パターンを求める周
知の手法が用いられる。また、この際の単語系列の認識
は、音声抽出部20から入力された音声信号データを順
次音響分析して音響特徴量(例えばケプストラム)を抽
出し、この音響分析によって得られた音響的特徴量時系
列データを得、例えばDPマッチング法等によって、こ
の時系列データをいくつかの区間に分け、各区間が辞書
データとして格納されたどの単語に対応しているかを求
めることにより行なわれる。
【0033】前記対話制御部22は、音声認識部21に
より認識された音声認識データを、目的地やコマンドの
入力データとして前記制御回路5に送るようになってい
ると共に、その音声認識データによる前記音声合成部2
3に応答音声(トークバック)の発声の指示を行なうよ
うになっている。音声合成部23は、その音声認識デー
タを音声信号に復元して前記スピーカ15から出力させ
るようになっている。また、前記対話制御部22は、前
記制御回路5からの指令により、音声合成部23に対し
て、例えばルートガイダンス時の案内音声の発声等の指
示も行なうようになっている。
【0034】さて、後の作用説明でも述べるように、前
記制御部19は、前記トークスイッチ18からのオン信
号の入力があると、前記アンプ24に対して制御信号を
出力してオーディオ用スピーカ25から出力される音声
を消音させると共に、前記音声抽出部20に対して、ま
ず例えば一定時間のノイズ推定の処理(この区間がノイ
ズ推定区間となる)を実行させるよう指示を与え、その
後、音声検出区間を開始させる指示を与えるようになっ
ている。そして、このとき、ノイズ推定区間の終了時
(音声検出区間の開始時)に、前記スピーカ15から
「ピッ」という報知音を出力させてユーザに報知を行な
うようになっている。
【0035】さらに、制御部19は、前記音声抽出部2
0から音声検出区間終了の判断信号が入力されたとき
に、同様に前記スピーカ15から「ピッ」という報知音
を出力させてユーザに報知を行なうようになっている。
従って、この制御部19が、発話許可報知手段及び音声
検出区間終了報知手段、並びにミュート手段として機能
するようになっているのである。尚、前記オーディオ用
スピーカ25の消音は、トークバックの後に解除される
ようになっている。
【0036】次に、上記構成の作用について、図1及び
図4,図5も参照して述べる。上述のように、カーナビ
ゲーション装置1を使用するユーザ(運転者)は、操作
スイッチ群4あるいはリモコン14を操作してコマンド
や目的地を入力することにより、表示装置7に所望の地
図を表示させたり、目的地までの自動ルート検索やルー
トガイダンスを行なわせたりすることができるようにな
っている。
【0037】そして、上記した操作スイッチ群4あるい
はリモコン14の操作に代えて、音声認識装置9を用い
て、ユーザが音声入力(発話)を行なうことによって
も、コマンドや目的地の入力が可能とされている。図4
のフローチャートは、そのような音声入力時に、音声認
識装置9(音声認識装置本体16)が実行する処理手順
の概略を示している。また、図1は、その際のマイク1
7からの音声入力信号やスピーカ15の出力の様子を示
すタイムチャートであり、さらに、図5は、その際の制
御の各要素をブロックで示した制御ブロック図である。
【0038】このとき、図1に示すように、ユーザは、
音声入力を行なうにあたって、トークスイッチ18をオ
ン操作(クリック)するようにする。すると、以下に説
明するように、短時間後にスピーカ15から「ピッ」と
いう報知音が出力されるので、この報知音を聞いた後
に、コマンドや目的地を発話(音声入力)する。また、
音声入力後にも、スピーカ15から「ピッ」という報知
音が出力されるので、この報知音を聞くことによって、
その後はマイク17等を気にせずに自由に雑談などを行
なうことができるようになっている。
【0039】即ち、図4のフローチャートに示すよう
に、トークスイッチ18がオン操作されると(ステップ
S1にてYes)、まず、制御部19により、オーディ
オ用スピーカ25が消音される(ステップS2)と共
に、ノイズ推定区間が開始され、上述したように前記音
声抽出部20によるノイズ推定の処理が実行される(ス
テップS3)。尚、ここでは、図1に示すように、トー
クスイッチ18がオンされた時点(時刻T1 )からノイ
ズ推定区間を開始するようにしているが、トークスイッ
チ18がオンからオフに戻った時点(時刻T1 )からノ
イズ推定区間を開始するようにしても良い。
【0040】ここで、このノイズ推定区間においては、
カーオーディオが消音され、また未だユーザによる発話
もない状態なので、マイク17から入力される音声入力
信号は、走行音や風切り音、エアコン音等の定常ノイズ
のみとなる。従って、ステップS3のノイズ推定の処理
により、ノイズ推定区間においてマイク17から取込ま
れた音声入力信号から、後の音声区間のノイズ成分を推
定することができるようになるのである。本実施例で
は、図5にも示すように、このノイズ推定は、タイマに
より一定時間例えば0.5秒間実行されるようになって
いる。
【0041】そして、このノイズ推定区間が終了すると
(図1の時刻T2 )、音声検出区間が開始されるのであ
るが、ノイズ推定区間の終了時に、スピーカ15から
「ピッ」という報知音が出力される(ステップS4)。
この報知音は、ユーザに対し、音声入力を許可する(発
話を促す)報知となり、ユーザは、その報知音を聞いた
後、コマンドあるいは目的地を音声入力する。この場
合、図1に示すように、音声検出区間が開始されてか
ら、やや遅れて(時刻T3 )ユーザによる発話が開始さ
れ、その発話は時刻T4 で終了する。この時刻T3 から
時刻T4 までが音声区間となる。
【0042】上記したように、この音声検出区間では、
音声抽出部20により、マイク17から取込まれる音声
入力信号を処理し、音声成分を含む信号(音声区間)か
否かの判定が行なわれながら(ステップS5)、音声信
号の抽出が行なわれる(ステップS6)。ここで、この
音声区間においてマイク17から入力される音声入力信
号は、ユーザの発話による実際の音声と、風切り音の周
囲のノイズ成分とを含んだものとなるので、上記ステッ
プS3にて推定されたノイズ成分が差引かれることによ
って、ユーザの発話による音声成分のみに対応した音声
信号が得られるのである。
【0043】そして、音声の入力がない状態が一定時間
(例えば1秒間)継続したときには(ステップS7にて
Yes)、音声検出区間が終了したと判断され、スピー
カ15から「ピッ」という報知音が出力される(ステッ
プS8)。図1では、音声区間が終了(時刻T4 )して
1秒後の時刻T5 が音声検出区間の終了とされ、その時
点で報知音が出力されるのである。この報知音は、ユー
ザに対し、音声検出区間が終了した、つまりその後は自
由に雑談等を行なっても良い旨の報知となるのである。
尚、ステップS8はなくてもよい。
【0044】この後、上述したように、抽出された音声
信号が音声認識部21に送られて音声認識が行なわれる
(ステップS9)。音声認識の処理が終了すると(図1
の時刻T6 )、認識結果を音声としてスピーカ15から
出力するトークバックが行なわれ(ステップS10)、
これと共に、図示はしないが、その音声認識データは、
カーナビゲーション装置1の制御回路5に入力信号とし
て送られ、制御回路5は、それに基づいた処理を行なう
ようになっている。その後、オーディオ装置のミュート
が解除される(ステップS11)。
【0045】尚、上記構成では、音声検出区間が終了し
てから(時刻T5)、音声認識を行う(ステップS9)よ
うにしているが、音声認識を音声の抽出と並行して行
う、つまり図1の時刻T3 から音声認識区間を開始する
ように構成することも可能である。
【0046】このような本実施例によれば、ユーザが音
声入力を行なうべくトークスイッチ18のオン操作を行
なうと、まずノイズ推定区間が設けられ、そのノイズ推
定区間の終了時に報知音による音声入力の許可の報知が
行なわれた後、音声検出区間が設けられるようになる。
従って、ユーザは、報知音を聞いてから発話を行なえば
良いので、従来のようなユーザがいつ話し始めれば良い
のか判らなかったものと異なり、ユーザに対して話し始
めるタイミングを判り易く知らせることができる。
【0047】そして本実施例では、好適な例として、ユ
ーザに対して、音声検出区間の終了についても報知音に
よって判り易く知らせることができるので、ユーザが音
声検出区間であるにもかかわらず雑談を始めてしまった
り、ユーザに対して必要以上に沈黙を強いるといった不
具合も未然に防止することができるものである。この結
果、いわゆるユーザフレンドリな、ユーザにとって使い
易いものとなるのである。
【0048】そして、音声検出区間の直前の音声入力信
号からノイズ成分を推定でき、しかもノイズ推定のため
の十分なノイズ推定区間が確保されるので、従来のよう
なノイズ信号を常時測定するものや、十分なノイズ信号
の検出時間が得られない虞のあるものと異なり、CPU
の負荷を軽減できることは勿論、推定されたノイズ成分
が実際の発話時のノイズ成分と一致する確度を高いもの
とすることができ、ノイズ成分の推定を高精度で行なう
ことができて認識率の向上を図ることができるものであ
る。
【0049】また、本実施例では、カーナビゲーション
装置1に組込まれるものにあって、音声入力時にカーオ
ーディオ装置からの出力音を消音する構成としたので、
カーオーディオ装置の音楽等をノイズとして検出するこ
とがなくなり、ノイズ成分の推定を高精度に行なうこと
が可能となるといったメリットも得ることができるもの
である。
【0050】図6は、本発明の他の実施例を示す制御ブ
ロック図であり、上記実施例と異なるところは、ノイズ
推定区間を、一定時間ではなく音声抽出部20によるノ
イズ推定が終了するまで行なうようにした点にあり、そ
のノイズ推定が終了した時点で報知音を出力し、音声検
出区間に移行するようになっている。これによっても、
上記実施例と同様の効果を得ることができると共に、ノ
イズ推定の精度をより向上させることができる。
【0051】尚、本発明は、上記した各実施例に限定さ
れるものではなく、次のような拡張,変更が可能であ
る。即ち、上記実施例では、ノイズ推定区間にのみノイ
ズ推定の処理を行なうようにしたが、ノイズ推定を、ノ
イズ推定区間を越えて音声検出区間となった後も、実際
の音声の入力があるまで継続して行なう、つまり図1で
時刻T1 から時刻T3 まで継続して行なう構成としても
良い(請求項3に対応)。これによれば、ノイズ推定を
より長い時間について行なうことが可能となり、ノイズ
成分の推定をより一層高精度に行なうことが可能とな
る。また、音声検出区間のうち音声区間終了後(図1の
時刻T4 から時刻T5 の間)においてもノイズ推定を行
なう構成とすることもできる。
【0052】そして、上記実施例では、「ピッ」という
報知音によって報知をおこなうようにしたが、例えば表
示装置7の画面に、聞き耳を立てている人の顔を表示す
る等の画像による報知を行なっても良く、音声と画像と
を組合わせた報知とすればより有効となる。音声による
報知の場合にも、例えば「音声入力して下さい」といっ
た合成音声により報知を行なうこともできる。
【0053】また、上記実施例では、音声検出区間終了
の報知も行なうようにしたが、少なくともノイズ推定区
間の終了(音声検出区間の開始)の報知を行なうように
すれば、所期の目的を達成することができる。上記実施
例のように、トークバックを行なうものであれば、トー
クバックの音声出力を音声検出区間終了の報知に代える
こともできる。
【0054】さらには、指示手段として、クリック式の
トークスイッチを採用したが、ボタンを押しながら話す
PTT方式のスイッチを採用しても良く、この場合、音
声検出区間の終了の検出が容易となると共に、音声検出
区間の終了のタイミングをユーザ自身が決めることがで
きる。あるいは、例えばユーザの「音声入力」といった
音声に反応するスイッチを、指示手段として採用するこ
とも可能である。マイクを、音声信号入力用と、雑音信
号入力用との2本設けるようにしても良い。
【0055】その他、音声入力信号の処理や音声認識の
手法等についても各種の手法を採用することができ、カ
ーナビゲーション装置のハードウエア構成としても種々
変更することができる。また、本発明の音声認識装置
は、カーナビゲーション装置に限らず、例えばパーソナ
ルコンピュータやワードプロセッサ等の音声入力に用い
ることができることは勿論、電気機器全般における音声
入力用に適用することが可能である等、本発明は要旨を
逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、音声入力時の
音声入力信号やスピーカ出力の様子を示すタイムチャー
【図2】カーナビゲーション装置の電気的構成及び一部
の機能を示すブロック図
【図3】音声抽出部の機能を詳細に示す機能ブロック図
【図4】音声入力時の音声認識装置が実行する処理手順
を示すフローチャート
【図5】音声認識装置の制御構成を示す制御ブロック図
【図6】本発明の他の実施例を示す図5相当図
【符号の説明】
図面中、1はカーナビゲーション装置、4は操作スイッ
チ群、5は制御回路、7は表示装置、9は音声認識装
置、14はリモコン、15はスピーカ、16は音声認識
装置本体、17はマイクロホン(音声入力手段)、18
はトークスイッチ(指示手段)、19は制御部(発話許
可報知手段,音声検出区間終了報知手段,ミュート手
段)、20は音声抽出部(ノイズ推定手段,音声抽出手
段)、21は音声認識部(音声認識手段)、22は対話
制御部、23は音声合成部、24はアンプ(カーオーデ
ィオ装置)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤堀 一郎 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 大野 宏 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 宮内 英夫 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 尾崎 義隆 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 5D015 EE05 KK01 LL08 LL12 9A001 HH17 JJ77

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音声を入力するための音声入力手段と、 この音声入力手段から入力される音声入力信号のうちの
    ノイズ成分を推定するノイズ推定手段と、 音声検出区間において前記音声入力手段から入力された
    音声入力信号から前記ノイズ推定手段により推定された
    ノイズ成分を除去して音声信号成分を抽出する音声抽出
    手段と、 この音声抽出手段により抽出された音声信号に基づいて
    音声認識を行なう認識手段と、 音声入力を開始する旨を指示するための指示手段とを具
    備し、 前記音声検出区間は、前記指示手段による指示があって
    から、前記ノイズ推定手段によるノイズ推定区間をおい
    た後に開始されるように構成されていると共に、 前記ノイズ推定区間の終了時に音声入力の許可を報知す
    る発話許可報知手段を設けたことを特徴とする音声認識
    装置。
  2. 【請求項2】 前記音声検出区間の終了をユーザに報知
    する音声検出区間終了報知手段を備えることを特徴とす
    る請求項1記載の音声認識装置。
  3. 【請求項3】 前記ノイズ推定手段によるノイズ推定
    は、ノイズ推定区間を越えて音声検出区間となった後
    も、実際の音声の入力があるまで継続して行なわれるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の音声認識装置。
  4. 【請求項4】 カーナビゲーション装置に組込まれるも
    のであって、前記指示手段による指示があったときに、
    カーオーディオ装置の音量を低減もしくは消音させるミ
    ュート手段を備えることを特徴とする請求項1ないし3
    のいずれかに記載の音声認識装置。
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