JP4332866B2 - パチンコ遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、パチンコ遊技機に係り、更に詳しくは、縦向きで所定の後傾状態に設置保持されて機内の遊技盤内でパチンコゲームを展開し得るパチンコ遊技機において、下球皿の所要部位に傾き表示装置を設置して遊技機全体(遊技盤を含む)の傾き度合を目視可能に表示し得るようにしたパチンコ遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のようにパチンコ機やアレンジボール機に代表されるこの種の遊技機では、固定用保持枠ともされる縦長方形サイズの外枠と、着脱開閉用搭載枠ともされる前枠とを機体とし、この前枠の前後各部に基本遊技構成部材ともされるガラス扉、上下の球皿、発射装置および機構セット盤等を夫々装備すると共に、所要のゲーム領域を有する遊技盤をセットして、1台毎に構成されている。そして、各々のメーカ内での試打ち(実射球テスト)や遊技ホール内での実施にあたっては、一般に「島」とも呼ばれている設置枠台の各区画枠毎に、外枠が所定の後傾角度で立設保持され、これに基本遊技構成部材および遊技盤を装備セットした前枠が組付けられる。そして、遊技盤が所望の傾倒状態の水平姿勢に起立保持されているもとで、ゲーム領域内にパチンコ球を打込んでパチンコゲームを展開し得るようになっている。
【0003】
このようなパチンコ遊技機にあっては、適正かつ好適なパチンコゲームを展開して継続する上で、機全体および遊技盤の傾きが非常に重要視されている。このため各ゲーム内容毎に区分される夫々の遊技機において、ゲーム領域(各種の遊技部品および多数の遊技くぎ等の配置)の設計に際しては、実際の遊技ホールでの実施における適正な傾き角度を充分に検討して想定したもとで、各々の傾き設定条件毎で試打ちを繰返してデータを収集し、最適と判断し得る傾き角度を追求して割出している。そして、このような遊技盤が前枠内にセットされて遊技に供される場合には、一般に「何分何厘(1分≒3.030mm)」とも称されている割出し寸法に基く外枠の上端の後傾変位量により、機全体および遊技盤の傾き角度が設定保持されている。ちなみに傾きは、多くの場合、変位量3分〜6分に対応する角度0.643度〜1.286度の範囲で実施されており、例えば「5厘または1分」の変位量に基く傾きが変化された場合、それだけでゲーム領域内でのパチンコ球の遊技状態ひいては入賞状況等に大きな影響を及ぼし、相応な変化の差異を生ずる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一方、最近の遊技ホールの管理者(従業者)やパチンコファンの多くにあっては、ゲームの適正管理や好適なゲームの展開等を図る目的で、設置枠台に設置されている遊技機の傾き(こう配)を、知りたい、表示してほしいとする要望が高まりつつある。しかし前述のような傾き設定で設置された遊技機では、傾き表示が何らされていないために目視不可能であり、また現実として水平基準器でその都度測定することも難しいことから、要望には応えることができない。このため管理者側では、「何分位であろう」の目安程度のままで遊技機に対する適正な営業管理ができない。またファン側では、傾き不明のままで本来の適正ゲームを好適に継続できない等の不満の声が出ている。また管理者側において、適正なゲーム稼働の向上を図るべく遊技に供されている遊技機の傾きを変更、修正したとしても、傾き設定作業に不慣れなこともあって1台毎にかなりの時間が掛かってしまい、随分と苦慮している実状にある。
【0005】
【発明の目的】
本発明は、前述した課題を好適に解決するべく新規に提案されたもので、設置枠台に対して縦向きに設置後、試打ち(実射テスト)や遊技に供されている適宜時点において、傾きを目視可能に表示し得るようにしたパチンコ遊技機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、初期の目的を達成するため本発明は、
遊技ホール等の設置枠台に縦向きに設置される外枠に組付けられた前枠の前後各部に、基本的な遊技構成部材とされるガラス扉、発射装置そして裏側の機構セット盤等が夫々装備され、前枠の前側下部に水平の向きに装備されて上面が水平に形成された下球皿の上方に、閉鎖した状態で下球皿の上面に水平に載置されると共に該上面を覆い得る上球皿が開閉可能に組付けられると共に、所要のゲーム領域を構成した遊技盤が縦向きに収容セットされ、設置枠台に対して外枠単位で全体が所定の後傾状態で設置保持されて遊技に供されるパチンコ遊技機において、
前記下球皿の外郭体における上面である上板部および皿本体の隣接整合部位に形成された台部の夫々に、底面水平で上面開口した同一形状・サイズの設置凹部が前後方向に水平に成形されると共に、該設置凹部の底面における前後両端に位置決め用のボス部が上方に突設され、
前記設置凹部内に嵌挿し得る長方体のフレームの上面に、気泡管用の受け座を形成すると共に、該フレームの前後に、底面に開口して前記各ボス部を嵌合し得る止め孔を形成し、前記フレームの受け座に合わせて気泡管を装着して、両者の相対部分に傾き度合を表わすための目盛手段を付した傾き表示装置を構成し、
前記傾き表示装置は、前記フレームを設置凹部に着脱可能に嵌挿すると共に各止め孔にボス部を嵌合して位置決め固定することで、設置凹部の底面に合わせて水平に位置決めセットされ、
前記上板部の設置凹部にセットされた傾き表示装置については、閉鎖した状態で該傾き表示装置を覆っている前記上球皿を開放することで、気泡管内の気泡の位置を目盛手段で目視可能に表示するようにし、前記台部の設置凹部にセットされた傾き表示装置については、常に気泡管内の気泡の位置を目盛手段で目視可能に表示するよう構成し、
更に前記設置凹部における長手方向中央の両側外方に、指先が入る取出し口を形成して、該取出し口を介して設置凹部に装着した傾き表示装置を出入れし得るよう構成したことを特徴とする。
【0007】
【作用】
フレームに気泡管を装着した傾き表示装置は、フレームの長手方向に対する傾きに対応して気泡管内の気泡が移動するようになっている。そして、フレームの水平状態における気泡の停止位置および適宜傾斜状態における気泡の停止位置に対応して目盛手段を付してあるので、該フレームの傾き角度を容易に読取り得るようになっている。このように構成された傾き表示装置を、下球皿の構成部材における所要部位に成形した設置部に対して、前後の向きに水平に位置決めして固定セットすれば、パチンコ遊技機の傾き角度を容易に目視して確認し得る。従って、設置枠台に所定の傾き角度に設置されたパチンコ遊技機の下球皿に、前記傾き表示装置を装着しておくことにより、遊技に供されている当該パチンコ遊技機の設置状態(傾き角度)を容易に確認し得ると共に、適宜変更,調整することも可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るパチンコ遊技機について、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお本実施例では、遊技機として一般的なパチンコ機を主に例示する。
【0009】
先ず、本発明の実施例に係るパチンコ機Pについて、図1および図2を参照して要約説明する。固定用保持枠ともされる外枠Aに対して着脱および開閉可能に組付けられた開閉搭載枠用の前枠Bの前後各部に、基本的な遊技構成部材ともされるガラス扉C、上下の球皿D,E、発射装置Fおよび機構セット盤G等が夫々装備されると共に、前枠Bの正面内部に各種の遊技部品および多数の遊技くぎ等を含む所要のゲーム領域19を構成した遊技盤Jがセットされて、1台毎に構成されている。そして設置枠台20への設置にあたっては、図1および図2に例示するように、外枠Aが区画枠内に縦向きに収容されて所定の傾き条件で固定保持されたもとで、この外枠Aの開口前面側に遊技構成部材および遊技盤を装備セットした前枠Bが組付けられて遊技に供されるようになっている。ちなみにアレンジボール機では、図示しないが、前述した基本構成において各種の入球遊技部品等を含むゲーム領域を構成した遊技盤がセットされる。
【0010】
このようなパチンコ機Pにあって、外枠Aは、図2に示すように、合成樹脂成形された4本の枠部材の内、上枠杆1および左枠杆2を共通サイズのものとして使用し、2通りのサイズに変更された右枠杆3同志および下枠杆4同志を同種タイプ毎に交換使用して、4本の枠杆を互いに直角枠組み連結することにより、一般に「関東枠、関西枠」と呼称区分されている大小2通りの規格的サイズの縦長方形枠に構成(製作)変更し得る形態を例示し、何れも上,下の枠杆1,4が前記設置枠台20に固定(釘止めまたはビス止め)されるようになっている。なお前枠Bは、外枠Aの開口前面側に整合する縦長方形サイズに合成樹脂成形されて、その裏側に遊技盤セット用の保持枠Hを一体に樹脂成形した形態を例示する。そして外枠Aに対する前枠Bの組付け状態では、座やスペーサ等を利用して下枠杆4上に水平姿勢で起立保持されて、保持枠H内に遊技盤Jを水平姿勢で収容セットし得るようになっている(図1参照)。
【0011】
また下球皿Eは、図6,図7および図10に示すように、横長方形のセット支盤6、皿本体7および横長台形状の外郭体(外郭部材)8等を含む複数の樹脂成形部材を組合わせてユニット化されて、前枠B下部の支盤部5前面に水平位置決め条件で設定されている。そして、外郭体8の上下面が水平に成形されていることにおいて、上面に上球皿Dを水平に載置したままセット保持し得るようになっている。その余の構成として、外郭体8の正面右側斜状部に構成したセット保持枠9に、前記発射装置Fの操作グリップ部10が組付けセットされ、外郭体8の正面右部に灰皿11が装備されている。なお上球皿Dは、金属製横長方形の開閉セット板12前面に、皿本体13および横長台形状の外郭体14を含む複数の樹脂成形部材を組合わせてユニット化されて、開閉連結手段15を利用して着脱および横開きが可能に組付けられており、そして下球皿Eの上面に整合セットされたもとで、皿本体13が設定勾配(遊技球の送出勾配)に保持されるようになっている(図1および図10参照)。
【0012】
前述したパチンコ機Pでは、前記下球皿Eの所要部位に所定形状の設置部を形成し、この設置部に適合する形態に形成された傾き表示装置Kを設置し得るようになっている。この傾き表示装置Kは、一般に水平器や勾配器とも呼ばれている傾き測定器の技術的原理を利用して構成したもので、その基本的な構成としては図3,図4および図5に示すように、所要の形状・サイズに成形されたフレーム21に気泡管25が水平に組付けられて、両者21,25の相対部分に傾き度合を表示する目盛28,29a,29bが付されている。そしてこのような傾き表示装置Kでは、パチンコ機全体が外枠A下端を基準に観た外枠A上端の後退変位量による傾きを以って設置されていることに鑑み、対象とする夫々の設置部に対して前後の向きに水平に設置されて、ホール管理者が、また必要に応じて遊技者も外側から傾き度合を目視し得るようになっている。
【0013】
このような傾き表示装置Kでは、実際の具体的構成として、先ずフレーム21については、熱膨縮変形の極小で硬質な合成樹脂材や軽量金属材で所要の形状・サイズに成形されて、水平杆部22の上面に気泡管25用の受け座23が成形されると共に、水平杆部22の両端等にビス止め可能な着脱固定用の止め孔24等が成形される。また気泡管25については、周知のように所定サイズの透明ガラス管内に定量の液体26が封入されて気泡27を存在させており、フレーム21の受け座23に合わせて装着されている。一方目盛については、フレーム21の水平杆部22の一側縁に傾き「分」を表わす数字(水平基準値である「0から7」まで)28が等間隔で付され、また気泡管25の外表面に気泡27の変位を表わす「分」毎の長い線29aと、「厘」毎の短い線29bが等間隔で付されて、双方互いに整一されている。そして装置固有の技術内容として、より正確な傾き表示を図るために、気泡管25全体が曲率半径の大きな円弧(例えば、1000〜1500mm)に成形されて、傾きに対して気泡27をスムーズに正確に変位し得るようにしている。このもとで、数字28および線29a,29bの間隔を、実際の変位量(1分=3.0303mm)のN倍(例えば目視判断が容易なN≧2が好適)に設定し、気泡27の変位が5厘(1.5151mm)以内でも明確に読取り得るように工夫されている。
【0014】
そこで、このような傾き表示装置Kをパチンコ機Pの下球皿Eに設置する具体的な実施形態例について、外郭体8の上板部17側に設置する第1実施形態例と、正面右側の台部18側に設置する第2実施形態例とを夫々提示する。但し、傾き条件については、在来から傾きとして使用されている「何分何厘」の変位量を基準にして共通に表示される設定例とする。
【0015】
ちなみに、パチンコ機Pの全高(外枠の全高)を810mmとした例のもとで、傾き、変位量、角度については、下記に列記する通りであり、枠内の傾き条件が最も多く使用され、また※印の傾きが角度1度と見做されている。
【0016】
【第1実施形態例】
この形態例では、具体的には下球皿Eの外郭体8に傾き表示装置Kが着脱可能に設置される例を示す。すなわち、図6〜図10に示すように外郭体8においては、水平な上板部17を対象部位にしてその右側部に底面水平で上面開口した長方形の設置部としての設置凹部35が前後の向きに水平に成形されており、そして装置Kに対する着脱固定用手段として、設置凹部35の前後両端に位置決め用のボス部36が配置されている。これに対する傾き表示装置Kは、前記設置凹部35内に嵌挿(収容)し得る横長凹部のフレーム21に合わせて気泡管25が装着されたものであり、設置凹部35に対しては、目盛の数字「0」を後側(図8中右側)の位置に定めて嵌挿し、夫々両側の止め孔24とボス部36を嵌合して位置決め固定し、底面に合わせて水平にセットする。これによれば、気泡管25が外郭体8の上板部17の水平面に臨む上向きに保持されるので、前記上球皿Dを適宜開放したもとで、傾き度合を前枠Bの前面側から明確に目視できる。なお、設置凹部35の両端に取出し口37が形成されて、傾き表示装置Kを指先で簡単に出入れし得るようになっている。
【0017】
このような第1実施形態例にあっては、所定の後傾条件に固定された外枠Aに対して前枠B全体を組付けた1台毎のパチンコ機Pが遊技に供されている状態(図1参照)において、上板部17側にセットされた傾き表示装置Kについては、ホール管理者が必要時期に上球皿Dを開放して気泡27の位置を目盛28,29a,29bから読取って傾き度合を認知し得、遊技者からの傾きの問いに対して正確に回答し得ると共に、必要があれば遊技者自身にも直接確認させることができる。なお傾き表示装置Kは、取外したりビス等でセットしておくことも自由であり、セット状態のままでは、設置凹部35の開口面に透明カバー38を取着して気泡管25を保護するようにしてもよい(図9参照)。
【0018】
【第2実施形態例】
この形態例では、具体的に図10〜図12に示すように、外郭体8の正面右側(皿本体7の隣接整合部位)に成形された斜状の台部18を対象設置部とし、この台部18の前後の向きに成形された底面水平で上向き開口の設置部としての設置凹部39に対して、前記傾き表示装置Kを水平位置決め収容状態でセットする。これによれば、気泡管25が皿本体7右側で上向きに保持されるので、前枠Bおよび下球皿Eの前面側から傾き度合を常に目視可能となり、遊技中の姿勢で傾き度合を明確に読取ることができる。なおこの形態例においては、傾き表示装置Kを常設タイプとして、フレーム21の止め孔24と設置凹部39のボス部40とをビス止めし、設置凹部39の開口部に透明カバー42を取着して気泡管25を透視保護してもよく、また設置凹部39の一側に装置Kを指先で簡単に取出し得る取出し口41を成形してもよい(図11および図12参照)。
【0019】
前記各実施形態例では、単一の傾き表示装置Kの使用を前提としたため、各設置凹部35,39の形状・サイズが基本的に同一形態に形成されている。ちなみに図示はしないが、下球皿Eの皿本体7の正面左側に設置凹部を成形して傾き表示装置をセットすることも提案できる。また遊技ホールでは、一般に各列毎の設置枠台(島)20に、同一メーカの同一機種のパチンコ機Pが設置されることから、当該列毎の設置枠台20に適数個の傾き表示装置Kを用意して、必要時に装置Kをセットして傾き度合を確認するようにしてもよい。そして、図11および図12に例示した実施形態例において、パチンコ機の新旧入替えの際には、傾き表示装置Kを旧台機の下球皿Eから取外して、新台機の下球皿Eに成形されている設置凹部35または39に同様に常設セットしてもよい。
【0020】
【実施例の作用】
次に、実施例に係るパチンコ遊技機の作用につき説明する。実施例に係るパチンコ機Pは、下球皿Eの外郭体8における上板部17または外郭体8における台部18に、設置凹部35,39が成形されている。そして傾き表示装置Kは、各設置凹部35,39に整合し得る形状に成形されており、対応の設置凹部35,39に専用的に装着するようになっている。従って、パチンコ機Pの製造時または設置枠台20への設置後に遊技に供されている時点において、設置凹部35,39の何れかに装着セットされる。前述のように構成されたパチンコ機Pにおいて、設置枠台20に適切な傾き角度で設置された外枠Aに、遊技構成部材および遊技盤Jを装備セットした前枠B全体を組付ければ、パチンコ機P自体が適切な傾き角度で設置され得ると共に遊技に供し得る。
【0021】
そこで、下球皿Eの外郭体8における上板部17に設置凹部35が成形されたパチンコ機Pでは、図6〜図10に示すように、設置凹部35の前後両端に配置されたボス部36,36に対し、フレーム21に形成した止め孔24,24を整合させることにより、傾き表示装置Kは設置凹部35に水平状態にセットされ、簡単で正確かつ迅速な位置決め固定が可能となる。そして、設置枠台20に設置されたパチンコ機Pにおいては、上球皿Dを前枠Bから開放すれば、前記上板部17に装着した傾き表示装置Kが露出するので、気泡管25内の気泡27および目盛28,29a,29bを直接目視することができ、当該パチンコ機Pの設置状態(傾き角度)を確認し得る。
【0022】
また、下球皿Eの外郭体8における台部18に設置凹部39が成形されたパチンコ機Pでは、図10〜図12に示すように、設置凹部39の前後両端に配置されたボス部40,40に対し、フレーム21に形成した止め孔24,24を整合させることにより、傾き表示装置Kは該設置凹部39に水平状態にセットされ、簡単で正確かつ迅速な位置決め固定が可能となる。そして、設置枠台20に設置されて遊技に供されているパチンコ機Pにおいては、傾き表示装置Kが常には目視可能な露出状態で設置凹部39に装着されているので、気泡管25内の気泡27および目盛28,29a,29bを直接目視することができ、当該パチンコ機Pの設置状態(傾き角度)を確認し得る。
【0023】
【変更例】
本発明に係るパチンコ遊技機に使用される傾き表示装置Kについては、前記各実施形態例で図示した形状・形態に限定されるものではなく、次のように構成してパチンコ遊技機に設置しても、当該パチンコ遊技機の傾き度合を好適に目視して確認し得る。例えば、図13および図14に示す傾き表示装置Kでは、アクリル等の透明樹脂材を材質とするフレーム43の内部に、前記気泡管25を嵌挿したタイプとなっている。すなわちフレーム43は、下球皿Eに形成された前記各設置凹部35,39に装着可能な横長角柱状の外郭形状を呈し、その内部に前記気泡管25を完全に嵌挿可能な嵌挿孔44が成形されている。そして、フレーム43の一側端面に形成した開口44aを介して前記気泡管25を嵌挿させた後に、該開口44aにキャップ状の止めフタ45を装着することにより、該気泡管25は前後動および回転することなく好適に固定される。またフレーム43の上面には、目盛28,29a,29bが印刷された透明の目盛シール46を所定位置に貼り着けるようになっている。従って、気泡管25内の気泡27の位置を透視することができ、該気泡27を目盛28,29a,29bと対応させることにより、この傾き表示装置Kを下球皿Eに設置したパチンコ機Pの傾き度合を確認し得る。なおフレーム43の下面両端には、前記設置凹部35,39に配置された位置決め用のボス部36,40が整合して嵌挿する止め孔47が形成してある。また目盛28,29a,29bは、気泡管25の外周上面に形成するようにしてもよいし、フレーム43の上面に直接表示するようにしてもよい。
【0024】
また図15および図16に示す傾き表示装置Kでは、フレーム43の内部に形成した嵌挿孔44が、前記気泡管25と同一の曲率半径に形成されることを前提として、この嵌挿孔44に定量の液体26を封入して止めフタ45を装着することにより、該嵌挿孔44を気泡管として機能させるタイプとなっている。そして、目盛28,29a,29bが印刷された透明の目盛シール46を、フレーム43の上面の所定位置に貼り着ければ、嵌挿孔(気泡管)44内の気泡27の位置を透視することができ、該気泡27を目盛28,29a,29bと対応させることにより、この傾き表示装置Kを下球皿Eに設置したパチンコ機Pの傾き度合を確認し得る。目盛28,29a,29bについては、前記同様にフレーム43の上面に直接表示するようにしてもよい。なお、図13〜図16に示した傾き表示装置Kでは気泡管25が外部に露出しないので、各設置凹部35,39に設置した際に、前記透明カバー38,42を装着する必要がない。
【0026】
【発明の効果】
以上に説明した如く、本発明に係るパチンコ遊技機によれば、下球皿の外郭部材の所要位置に成形した設置部に対し、傾き表示装置を水平に位置決めセットし得るよう構成されているから、適正かつ好適なパチンコゲームを展開して継続する上で非常に重要視されている傾き角度を容易に目視して確認することができる。すなわち、パチンコ遊技機の設置後の適宜時点において、遊技に供されている当該パチンコ遊技機の設置状態(傾き角度)を容易に確認することができる。従って、遊技ホールの管理者においては、設置角度の変更および調整を適宜行なうことにより、当該遊技機に対する適正な営業管理をなし得る利点がある。更に遊技者においては、必要に応じて遊技機の設置状態を自ら目視して確認し得ることから、当該遊技機が不適切な傾き角度で設置されているのではないかという疑念や、これに伴う本来の適正ゲームを好適に継続し得ないという不満等を解消することができ、快適なゲームを行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るパチンコ遊技機を略示する正面図である。
【図2】実施例に係るパチンコ遊技機を略示する背面図である。
【図3】実施例のパチンコ遊技機に装着される傾き表示装置を分解して示す斜視図である。
【図4】実施例に係る傾き表示装置を示す平面図である。
【図5】実施例に係る傾き表示装置を示す側断面図である。
【図6】下球皿に対する傾き表示装置の第1実施形態例を略示する斜視図である。
【図7】下球皿に対する傾き表示装置の第1実施形態例を略示する平面図である。
【図8】下球皿に対する傾き表示装置の第1実施形態例を拡大して示す平面図である。
【図9】下球皿に対する傾き表示装置の第1実施形態例を拡大して示す断面図である。
【図10】下球皿に対する傾き表示装置の第1実施形態例および第2実施形態例を拡大して示す側断面図である。
【図11】下球皿に対する傾き表示装置の第2実施形態例を略示する平面図である。
【図12】下球皿に対する傾き表示装置の第2実施形態例を略示する断面図である。
【図13】変更例に係る傾き表示装置を示す側断面図である。
【図14】変更例に係る傾き表示装置を分解して示す概略斜視図である。
【図15】別の変更例に係る傾き表示装置を示す側断面図である。
【図16】別の変更例に係る傾き表示装置の概略斜視図である。
【符号の説明】
8 外郭体(構成部材)
20 設置枠台
21 フレーム
24 止め孔
25 気泡管
27 気泡
28 数字(目盛手段)
29a 長い線(目盛手段)
29b 短い線(目盛手段)
35,39 設置凹部(設置部)
36,40 ボス部
37,41 取出し口
A 外枠
B 前枠
C ガラス扉
D 上球皿
E 下球皿
F 発射装置
G 機構セット盤
J 遊技盤
K 傾き表示装置
Claims (1)
- 遊技ホール等の設置枠台(20)に縦向きに設置される外枠(A)に組付けられた前枠(B)の前後各部に、基本的な遊技構成部材とされるガラス扉(C)、発射装置(F)そして裏側の機構セット盤(G)等が夫々装備され、前枠(B)の前側下部に水平の向きに装備されて上面が水平に形成された下球皿(E)の上方に、閉鎖した状態で下球皿(E)の上面に水平に載置されると共に該上面を覆い得る上球皿(D)が開閉可能に組付けられると共に、所要のゲーム領域を構成した遊技盤(J)が縦向きに収容セットされ、設置枠台(20)に対して外枠(A)単位で全体が所定の後傾状態で設置保持されて遊技に供されるパチンコ遊技機において、
前記下球皿(E)の外郭体(8)における上面である上板部(17)および皿本体(7)の隣接整合部位に形成された台部(18)の夫々に、底面水平で上面開口した同一形状・サイズの設置凹部(35,39)が前後方向に水平に成形されると共に、該設置凹部(35,39)の底面における前後両端に位置決め用のボス部(36,40)が上方に突設され、
前記設置凹部(35,39)内に嵌挿し得る長方体のフレーム(21)の上面に、気泡管用の受け座(23)を形成すると共に、該フレーム(21)の前後に、底面に開口して前記各ボス部(32)を嵌合し得る止め孔(24)を形成し、前記フレーム(21)の受け座(23)に合わせて気泡管(25)を装着して、両者(21,25)の相対部分に傾き度合を表わすための目盛手段(28,29a,29b)を付した傾き表示装置(K)を構成し、
前記傾き表示装置(K)は、前記フレーム(21)を設置凹部(35,39)に着脱可能に嵌挿すると共に各止め孔(24)にボス部(36,40)を嵌合して位置決め固定することで、設置凹部(35,39)の底面に合わせて水平に位置決めセットされ、
前記上板部(17)の設置凹部(35)にセットされた傾き表示装置(K)については、閉鎖した状態で該傾き表示装置(K)を覆っている前記上球皿(D)を開放することで、気泡管(25)内の気泡(27)の位置を目盛手段(28,29a,29b)で目視可能に表示するようにし、前記台部(18)の設置凹部(39)にセットされた傾き表示装置(K)については、常に気泡管(25)内の気泡(27)の位置を目盛手段(28,29a,29b)で目視可能に表示するよう構成し、
更に前記設置凹部(35,39)における長手方向中央の両側外方に、指先が入る取出し口(37,41)を形成して、該取出し口(37,41)を介して設置凹部(35,39)に装着した傾き表示装置(K)を出入れし得るよう構成した
ことを特徴とするパチンコ遊技機。
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- 1996-12-19 JP JP35490896A patent/JP4332866B2/ja not_active Expired - Fee Related
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