JP4332774B2 - 逆浸透膜による高濃度溶液の処理方法および処理装置 - Google Patents

逆浸透膜による高濃度溶液の処理方法および処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高濃度溶液の逆浸透処理に関する発明であり、特に海水の淡水化を目的とする分離方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
逆浸透法は、海水及びかん水の淡水化、半導体工業及び医薬品工業用の純水、超純水の製造、都市排水処理等の幅広い分野で利用されている。蒸発法、電気透析法と比較して省エネルギーの点で有利であり、広く普及が進んでいる。
特に、中空糸型逆浸透膜は、単位容積当たりの膜面積を大きくできるため、膜分離操作に適した形状であり、例えば、逆浸透膜による海水淡水化分野では広く用いられている
【0003】
逆浸透法で処理された水は飲料水にも使用されているが、安全意識の高まりともに、水質基準の遵守が求められている。水質基準値を達成するため、逆浸透膜処理した透過水を一旦集めて、再度逆浸透膜で処理する2段法が検討されている。
【0004】
米国特許公報4,574,049には、1段目の逆浸透膜処理された透過水の全量が2段目の逆浸透膜で処理され、2段目の逆浸透膜の濃縮水が1段目の供給水に戻す処理方法が開示されている。しかしながら、この方法では、1段目の逆浸透膜処理された透過水の全量が2段目で処理されるので、消費エネルギーが大きくなること、また、原水の水質によっては透過水の水質が必要以上になる場合があり、好ましくない。
【0005】
一方、ニューメンブレンテクノロジーシンポジウム2002の予稿集には、海水淡水化でのホウ素除去を目的として、1段目の逆浸透膜の濃縮側の透過水のみを2段目の逆浸透膜モジュールへ供給する2段法が開示されている。しかしながら、この方法では逆浸透膜モジュール内部での濃縮側透過水と供給側透過水の区分が明確ではなく、供給側透過水と濃縮側透過水の濃度が制御ができず、2段目の逆浸透モジュールへの供給水を制御するのが困難であるという問題がある。また、この方法では濃縮側透過水の全量が2段目で処理されるため、2段目モジュールで処理された透過水の水質の制御が難しいという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
単純に1段目の逆浸透膜モジュールの透過水を一旦集めて、2段目の逆浸透膜モジュールに供給すると、必要以上に2段目逆浸透膜モジュールの規模が大きくなるという問題がある。また、1段目のモジュールの透過水の1部を2段目のモジュールへ供給する場合、2段目のモジュールへの供給水の水質が制御できないという問題がある。本発明は、このような点に鑑みなされたもので、逆浸透膜モジュールで処理した透過水を部分的に再度逆浸透膜で処理する膜処理方法において、後段の逆浸透膜部の規模を低減でき、効率的な処理が可能で生産水の水質の制御も容易である逆浸透膜処理方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討した結果、1段目の逆浸透膜モジュールとして逆浸透膜エレメント2つが直列配置されている逆浸透膜モジュールを用い、濃縮側の逆浸透膜エレメントの透過水の一部ないし全量、あるいはそれに供給側の逆浸透膜エレメントの透過水の一部を混合した透過水を2段目の逆浸透膜モジュールへ供給して2段の逆浸透処理することによって本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、
(1)高濃度原水を2段の逆浸透膜モジュールで処理し、高濃度の濃縮水と低濃度の透過水とに分離する処理方法において、
(a)1段目の逆浸透膜モジュールとして1本の逆浸透膜モジュールが2本の逆浸透膜エレメントから構成され、
(b)供給側の逆浸透膜エレメントに高濃度原水が供給され、濃縮側の逆浸透膜エレメントに供給側の逆浸透膜エレメントの濃縮水が供給されるように直列に配置され、
(c)供給側の逆浸透膜エレメントの透過水の一部および濃縮側の逆浸透膜エレメントの透過水の全量を混合して2段目の逆浸透膜モジュールで処理する際、供給側の逆浸透膜エレメントの透過水と濃縮側の逆浸透膜エレメントの透過水の混合割合が1:99〜50:50である
ことを特徴とする高濃度溶液の処理方法。
)高濃度原水を2段の逆浸透膜モジュールで処理し、高濃度の濃縮水と低濃度の透過水とに分離する処理装置において、
(a)1段目の逆浸透膜モジュールとして1本の逆浸透膜モジュールが2本の逆浸透膜エレメントから構成され、
(b)供給側の逆浸透膜エレメントに高濃度原水が供給され、濃縮側の逆浸透膜エレメントに供給側の逆浸透膜エレメントの濃縮水が供給されるように直列に配置され、
(c)供給側の逆浸透膜エレメントの透過水の一部および濃縮側の逆浸透膜エレメントの透過水の全量を混合して2段目の逆浸透膜モジュールで処理する際、供給側の逆浸透膜エレメントの透過水と濃縮側の逆浸透膜エレメントの透過水の混合割合を1:99〜50:50に調整できるような配管構成と流量調整バルブを有する
ことを特徴とする高濃度溶液の処理装置。
である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明における高濃度原水および高濃度溶液とは、逆浸透処理が可能な溶質が溶解した液体であり、濃度はその浸透圧から逆浸透処理が可能な範囲であるものである。例えば、海水などがあげられる。回収率によっても異なるが、海水の場合は、逆浸透圧が5.4MPaから9MPaで淡水化処理が可能である。
【0009】
本発明における逆浸透膜とは、数十ダルトンの分子量の分離特性を有する領域の分離膜であり、具体的には、0.5MPa以上の操作圧力で、食塩を90%以上、除去可能であるものである。海水淡水化に使用される中空糸型逆浸透膜は、操作圧力が大きく、また、食塩の除去率は99%以上が一般的である。
【0010】
本発明における高濃度原水を2段の逆浸透モジュールで処理し、高濃度の濃縮水と低濃度の透過水とに分離する処理方法とは、原水を1段目の逆浸透膜モジュールで処理して得た透過水を、再度、逆浸透膜モジュールで処理する方法である。1段目の逆浸透膜モジュールと2段目の逆浸透膜モジュールの間には昇圧操作が必要となる。本発明においては、高濃度原水を1段目の逆浸透モジュールで処理して得た透過水の一部分を2段目の逆浸透膜モジュールで処理する。2段目の逆浸透膜モジュールで処理しない1段目のモジュールの透過水は、2段目のモジュールの透過水と合流させて生産水として取り出される。
【0011】
本発明における1段目の逆浸透膜モジュールとしては、1本の逆浸透膜モジュールが2本の逆浸透膜エレメントから構成され、供給側の逆浸透膜エレメントに高濃度原水が供給され、濃縮側の逆浸透膜エレメントに濃縮水が供給されるように直列に配置され、各逆浸透膜エレメントの透過水が個別に取り出せる構造の逆浸透モジュールを用いる。逆浸透膜モジュール内で逆浸透膜エレメントが直列に配置されているとは、高濃度原水を1つ目の逆浸透膜エレメント(供給側)で逆浸透処理した濃縮水が2つ目の逆浸透膜エレメント(濃縮側)で逆浸透処理するように配置することであり、具体的な例としては、図3や図4に示した構造であり、供給側の逆浸透膜エレメントの濃縮側と濃縮側の逆浸透膜エレメントの供給側がモジュール内で連通している状態である。
【0012】
1段目の逆浸透膜モジュールとして上記の構造のモジュールを用いると、1段目の逆浸透膜モジュール内部での供給側透過水と濃縮側透過水とが区分され、各透過水の濃度が安定するので、2段目の逆浸透モジュールへの供給する量を制御することで2段目モジュールで処理された透過水の水質を制御することが容易となる。
【0013】
2段目の逆浸透膜モジュールは、1段目のモジュールと同一の特性でも異なる特性でもかまわない。
また、2段目のモジュールでの除去性能を向上させるために1段目のモジュールと2段目のモジュールの間で添加剤を注入してもかまわない。例えば、海水淡水化の場合は、ホウ素の除去率は一般的には食塩の除去率に比べて高くないが、アルカリを添加してpHを9以上にすると、ホウ素の除去率は大幅に増加させることができるため、アルカリを添加することが考えられる。また、1段目の逆浸透膜モジュールに耐塩素性モジュールを使用し塩素殺菌処理した後、還元剤を注入してから2段目で耐塩素性のないモジュールを使用することが可能である。
【0014】
本発明において、2段目の逆浸透膜モジュールで処理する1段目のモジュールの透過水の量は、1段目の逆浸透膜モジュールの透過水の水質によって決まる。1段目の逆浸透膜モジュールの透過水の水質が不十分である場合、例えばホウ素の濃度が基準値より高い場合は、1段目の逆浸透膜モジュールの濃縮側の逆浸透膜エレメントの透過水を2段目の逆浸透膜モジュールへ多く供給して逆浸透処理する。2段法全体の透過水の水質が基準値に対して余裕がある場合は、例えばホウ素の濃度が基準値より十分低い場合は、1段目の逆浸透膜モジュールの濃縮側の逆浸透膜エレメントの透過水の一部を2段目の逆浸透膜モジュールへ供給して逆浸透処理すれば良い。逆に、不十分であれば、1段目の逆浸透膜モジュールの濃縮側の逆浸透膜エレメントの透過水全量に更に供給側の逆浸透膜エレメントの透過水の一部を加えた混合液を2段目の逆浸透膜モジュールで逆浸透処理することができる。
【0015】
2段目の逆浸透膜モジュールで処理する1段目の逆浸透膜モジュールの濃縮側の逆浸透膜エレメントの透過水の割合は、50%〜100%が好ましく、より好ましくは70%〜100%である。この割合が少なすぎると2段法の効果が小さくなるので好ましくない。
【0016】
一方、1段目の逆浸透膜モジュールの供給側の逆浸透膜エレメントの透過水の一部を濃縮側の逆浸透膜エレメントの透過水に加えた混合液を2段目の逆浸透膜モジュールで処理する場合は、供給側の逆浸透膜エレメントの透過水と濃縮側の逆浸透膜エレメントの透過水の割合を1:99から50:50の割合にするのが好ましく、より好ましくは1:99から30:70である。供給側の逆浸透膜エレメントの透過水の割合が大きすぎると2段目の処理の負荷が大きくなりすぎて好ましくない。
【0017】
本発明における逆浸透膜の素材としては、酢酸セルロース系高分子、ポリアミド系高分子、ポリスルホン系高分子が挙げられる。1段目と2段目の逆浸透膜の素材は同一でも異なっていても良い。
【0018】
酢酸セルロース系高分子としては酢酸セルロース、三酢酸セルロース、両者の混合物が例として挙げられる。性能及びその安定性の点から三酢酸セルロースが特に好ましい。また、酢酸セルロース系高分子は耐塩素性に優れるため、供給水に殺菌剤として塩素系殺菌剤を添加することが可能である。耐塩素性を有するとは、水道水程度(約1ppm)の残留塩素の存在下での1年程度の連続使用が可能であることを意味する。
【0019】
ポリアミド系高分子としては、線状ポリアミド高分子、架橋ポリアミド高分子等が例として挙げられる。耐塩素性を有するポリアミド系逆浸透膜としては、例えば東洋紡績(株)製のHSシリーズが挙げられる。
ポリスルホン系高分子としては、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等が挙げられる。
【0020】
高濃度原水に塩素系殺菌剤を添加する場合は、2段目の逆浸透膜モジュールも耐塩素性のモジュールを使用することが好ましく、1段目の逆浸透膜モジュールの供給原水に塩素系殺菌剤を添加し、その塩素系殺菌剤が1段目のモジュールの透過水中に残留しても、その透過水を還元処理することなく2段目逆浸透膜モジュールへ供給できる点で好ましい。
【0021】
殺菌剤として塩素系殺菌剤を添加する場合は、間欠的に注入する方法が、副生成物の発生量が少ない点や薬品使用量が少なくてすむ点で好ましい。
【0022】
本発明の実施の形態の一例を図1に基づいて説明する。
図1は、1段目の逆浸透膜モジュールとして、2つの逆浸透膜エレメントを直列に配置した逆浸透膜モジュール1を用い、濃縮側の逆浸透膜エレメントの透過水のみを2段目の逆浸透膜モジュールへ供給して分離操作を行う場合を示している。高圧ポンプ5により昇圧された高濃度原水7は1段目の供給側の逆浸透膜エレメントに供給され、その濃縮水はモジュール内で連続的に濃縮側の逆浸透膜エレメント3に供給される。濃縮側の逆浸透膜エレメント3の濃縮水10は排出され、透過水9は昇圧ポンプ6によりで昇圧され、2段目の逆浸透膜モジュール4へ供給され濃縮水12は排出され、透過水11は供給側の逆浸透膜エレメントの透過水8と合流し生産水13として得られる。
【0023】
更に本発明の実施の形態の一例を図2に基づいて説明する。
図2は、1段目の供給側の逆浸透膜エレメント2の透過水8と1段目の濃縮側の逆浸透膜エレメント3の透過水9とが流量調整バルブ14,15、16で連通しており、2段目逆浸透膜モジュール4への供給する各逆浸透膜エレメントの透過水の流量を制御でき、生産水の水質を変更することができる。例えば、流量調整バルブ14、15を開け、流量調整バルブ16を絞れば、供給側の逆浸透膜エレメント2の透過水8の混合割合が増加し、逆に、流量調整バルブ14、16を開け、流量調整バルブ15を絞れば、濃縮側の逆浸透膜エレメント3の透過水の流量を減少させることが可能である。
【0024】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。なお、実施例は、海水淡水化用の逆浸透膜の場合を示す。
【0025】
(実施例1)
に示すような、2つの逆浸透膜エレメントが直列配置した逆浸透膜モジュールと1つの逆浸透膜エレメントからなる逆浸透膜モジュールからなる2段の逆浸透モジュールによって海水を処理した。1段目の逆浸透膜モジュールとして三酢酸セルロース製の中空糸型逆浸透膜エレメントが圧力容器内に2本装着した中空糸型逆浸透膜モジュールを用い、2段目の逆浸透膜モジュールとして耐塩素性ポリアミド製の中空糸型逆浸透膜モジュールを用いた。但し、2段目のモジュールの供給水には水酸化ナトリウムを添加し、pHを9に調整した。運転条件は以下の通りであった。高濃度原水の温度25℃、全溶解塩濃度(TDS濃度)3.5%、ホウ素濃度4.5mg/l、1段目の操作圧力70kg/cm、2段目の操作圧力15kg/cm、1段目の回収率53%、2段目の回収率85%で運転した。2段処理後に得られた生産水の水質はTDS濃度143mg/l、ホウ素濃度1.23mg/lであった。また、2段目の昇圧ポンプの消費電力は0.18kWh/mであった。結果を表1に示した。
【0026】
(実施例2)
逆浸透膜モジュールの配置が図2であること以外、実施例1と同様に海水を処理した。但し、2段目逆浸透膜モジュールへの供給水が濃縮側の逆浸透膜エレメントの透過水の80%とし、2段目の処理用の逆浸透膜モジュールの処理量が実施例1と同じ程度となるように、中空糸本数を80%にした。得られた2段処理としての生産水の水質はTDS濃度166mg/l、ホウ素濃度1.39mg/lであった。また、2段目の昇圧ポンプの消費電力は0.14kWh/m3であった。結果を表1に示した。
【0027】
(実施例3)
逆浸透膜モジュールの配置が図2であり、2段目逆浸透膜モジュールへの供給水が濃縮側の逆浸透膜エレメントの透過水の100%と供給側の逆浸透膜エレメントの25%の混合水(供給側の逆浸透膜エレメントの透過水と濃縮側の逆浸透膜エレメントの透過水の割合が18:82の混合水)であること以外、実施例2と同様に海水を処理した。但し、2段目の処理用の逆浸透膜モジュールの処理量が実施例1と同じ程度となるように、中空糸本数を150%にした。得られた2段処理としての生産水の水質はTDS濃度116mg/l、ホウ素濃度1.04mg/lであった。また、2段目の昇圧ポンプの消費電力は0.27kWh/m3であった。結果を表1に示した。
【0028】
(比較例1)
図2のモジュール配置で、1段目の供給側の逆浸透膜エレメントの透過水と濃縮側の逆浸透膜エレメントの透過水がすべて2段目の逆浸透膜モジュールの供給水となるような、完全な2段法で実施例3と同様に海水を処理した。但し、2段目の処理用の逆浸透膜モジュール当たりの処理量が実施例1と同じ程度となるように、逆浸透膜モジュール本数を約3倍にした。得られた2段処理としての生産水の水質はTDS濃度25mg/l、ホウ素濃度0.4mg/lであった。また、2段目の昇圧ポンプの消費電力は0.59kWh/m3であった。生産水質の濃度は非常に低いが、TDS濃度が低すぎる傾向があることと、2段目の昇圧ポンプの消費電力が非常に大きく、過剰な処理の運転であると考えられる。結果を表1に示した。
【0029】
(比較例2)
図2のモジュール配置で、2段目の逆浸透膜モジュールへの供給を断ち、完全な1段法で海水を処理した。生産水の水質はTDS濃度188mg/l、ホウ素濃度1.5mg/lであり、水質基準値を満たさないものであった。
【0030】
【表1】
Figure 0004332774
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば1段目の逆浸透膜モジュールで処理した透過水を部分的に再度逆浸透膜処理する2段の逆浸透膜処理方法において、2段目の逆浸透膜モジュールの規模および消費電力を低減する方法を提供することができる。また、2段目の逆浸透膜モジュールへの供給水の量を変更することによって、容易に生産水の水質を制御することができ、システム全体の最適化が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理方法の一例で、1段目の逆浸透膜モジュール内の濃縮側の逆浸透膜エレメントの透過水のみ2段目の逆浸透膜モジュールに供給される場合の簡単な構成図である。
【図2】本発明の処理方法の一例で、1段目の逆浸透膜モジュール内の濃縮側の逆浸透膜エレメントの透過水と供給側の逆浸透膜エレメントの透過水の混合水が2段目の逆浸透膜モジュールに供給される場合の簡単な構成図である。
【図3】本発明における1段目の逆浸透膜モジュールの構造の一例である。
【図4】本発明における1段目の逆浸透膜モジュールの構造の一例である。
【符号の説明】
1:1段目の逆浸透膜モジュール
2:1段目の逆浸透膜モジュール内の供給側の逆浸透膜エレメント
3:1段目の逆浸透膜モジュール内の濃縮側の逆浸透膜エレメント
4:2段目の逆浸透膜モジュール
5:高圧ポンプ
6:昇圧ポンプ
7:供給水(高濃度原水)
8:供給側の逆浸透膜エレメントの透過水
9:濃縮側の逆浸透膜エレメントの透過水
10:1段目の逆浸透膜モジュールの濃縮水
11:2段目の逆浸透膜モジュールの透過水
12:2段目の逆浸透膜モジュールの濃縮水
13:生産水
14、15,16:流量調整バルブ

Claims (2)

  1. 高濃度原水を2段の逆浸透膜モジュールで処理し、高濃度の濃縮水と低濃度の透過水とに分離する処理方法において、
    (a)1段目の逆浸透膜モジュールとして1本の逆浸透膜モジュールが2本の逆浸透膜エレメントから構成され、
    (b)供給側の逆浸透膜エレメントに高濃度原水が供給され、濃縮側の逆浸透膜エレメントに供給側の逆浸透膜エレメントの濃縮水が供給されるように直列に配置され、
    (c)供給側の逆浸透膜エレメントの透過水の一部および濃縮側の逆浸透膜エレメントの透過水の全量を混合して2段目の逆浸透膜モジュールで処理する際、供給側の逆浸透膜エレメントの透過水と濃縮側の逆浸透膜エレメントの透過水の混合割合が1:99〜50:50である
    ことを特徴とする高濃度溶液の処理方法。
  2. 高濃度原水を2段の逆浸透膜モジュールで処理し、高濃度の濃縮水と低濃度の透過水とに分離する処理装置において、
    (a)1段目の逆浸透膜モジュールとして1本の逆浸透膜モジュールが2本の逆浸透膜エレメントから構成され、
    (b)供給側の逆浸透膜エレメントに高濃度原水が供給され、濃縮側の逆浸透膜エレメントに供給側の逆浸透膜エレメントの濃縮水が供給されるように直列に配置され、
    (c)供給側の逆浸透膜エレメントの透過水の一部および濃縮側の逆浸透膜エレメントの透過水の全量を混合して2段目の逆浸透膜モジュールで処理する際、供給側の逆浸透膜エレメントの透過水と濃縮側の逆浸透膜エレメントの透過水の混合割合を1:99〜50:50に調整できるような配管構成と流量調整バルブを有する
    ことを特徴とする高濃度溶液の処理装置。
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