JP4331805B2 - 巻鉄心の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、変圧器やリアクトルなどの電気機器に用いる巻鉄心を製造する方法及び該製造方法を実施するために用いる巻鉄心製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
変圧器等の静止誘導電気機器に用いる1ターンカット形の巻鉄心は、1ターンをなすように巻回して両端を所定のラップ代(重ね代)La をもってラップさせた短冊状の単位鋼板を複数枚積層した構造の鉄心ブロック、またはラップ代が零の状態で両端を突き合わせた短冊状の単位鋼板を突き合わせ部の位置をずらして複数枚積層した構造の鉄心ブロックを更に複数個積層した構造を有している。
【0003】
図23は円形に形成された1ターンカット形巻鉄心の構造の一例を示したもので、この巻鉄心では、3つの鉄心ブロックB1 〜B3 が設けられ、3つの鉄心ブロックは、それぞれを構成する短冊状単位鋼板の両端の接合部(重ね合わせた部分または突き合わせた部分)JをO1 −O1 線とO2 −O2 線との間のほぼ同じ範囲に階段状に分布させた状態で形成されている。
【0004】
巻鉄心の形状を矩形にする場合には、図23に示した円形の巻鉄心を矩形状に成形した後焼鈍し、図24に示すように、継鉄部Y1 及びY2 と、脚部C1 及びC2 とを有する矩形状の鉄心を形成する。
【0005】
巻鉄心の巻回構造としては種々のものが提案されているが、その接合部附近の構造の一例を図25に示した。図25はラップ巻回として知られている巻回構造を示したもので、この例では、各鋼板を巻枠の外周に右回りに巻回するものとしている。この巻回構造では、先ず最内周の1枚目の単位鋼板U1 の長さL1 を巻枠の外周面の周長R1 に等しい長さとして、1枚目の単位鋼板U1 を巻枠に巻き付けてその両端を突き合わせ接合する。なお図25においては、鋼板の接合部に隙間が図示されているが、実際の鉄心の望ましい状態では、この隙間が実質的に零の状態にある。
【0006】
次に最内周から2枚目の単位鋼板U2 の長さをL2 =R1 +La +2πt[tは鋼板の厚さ、La (≦Lo )はラップ代]とし、2枚目の単位鋼板U2 の先端位置を1枚目の単位鋼板U1 の後端位置からLo だけずらした状態で1枚目の単位鋼板の上に巻回して、両端を所定のラップ代La だけラップさせる。以下同様に、巻鉄心の最内周からn枚目の位置で鉄心ブロックを構成する単位鋼板の長さLn をLn =Rn-1 +La +2πtとし、各鉄心ブロックを構成する単位鋼板の両端をラップ代La だけラップさせた状態で接合する。ここでRn-1 は、Rn-1 =R1 +(n−2)・2πt[但しn≧2]で与えられる。
【0007】
そして、1つの鉄心ブロックの巻回が終了した後、次に巻回する単位鋼板の先端位置を既に巻回された鉄心ブロックの先頭位置に一致させ、上記と同様にして次の鉄心ブロックを巻回する。
【0008】
従来、上記のような巻鉄心を製造する場合に用いる装置として、図26に示したような鋼板段積み装置と、図27に示したような巻回積層装置とからなるものが知られている。
【0009】
図26に示した段積み装置は、特公平5−67046号公報に開示されているもので、この段積み装置は、鋼板SSをフィードローラ1Aと押えローラ1Bとの間に挟んで送給する鋼板フィーダ1と、送給された鋼板を所定の長さに切断して単位鋼板を形成する切断機(シヤー)2と、切断機2よりも鋼板の送給方向の前方側に鋼板保持面を水平にして配置された固定テーブル4と、固定テーブル4と切断機2との間に配置された移動テーブル5と、シリンダ6により駆動されて切断された単位鋼板を移動テーブル5に対してクランプするステップ送りクランプ7と、移動テーブル5をステップ送りクランプ7とともに所定の距離移動させてステップ作りをするステップ送り装置8と、シリンダ9により駆動されて鋼板の積層体をその先端側で固定テーブル4に対してクランプする先端クランプ10と、電動機11aにより駆動されるネジ棒11bと、該ネジ棒に螺合されたナットとを有して先端クランプ10を鋼板の搬送方向に移動させる先端クランプ移動機構11とを備えている。
【0010】
ステップ送り装置8は、電動機を駆動源として移動テーブルを往復移動させるカム機構を備えていて、切断機が鋼板SSの切断を完了した後に(切断機の可動切断刃が退避した後に)移動テーブル5をラップ代La に鋼板の板厚tによる周長の増加分2πtを加えた分(La +2πt)だけ固定テーブル4側に前進させ、ステップ送りクランプ7をアンクランプ状態にする。
【0011】
また図27に示した巻回積層装置は、回転自在に支持された巻枠(マンドレル)Mと、ループ状に形成されてプーリPにより巻枠Mに沿って走行するようにガイドされた巻込みベルトVと、巻込みベルトVを駆動する図示しない駆動機構とを備えている。
【0012】
図26に示した段積み装置の動作を示すタイムチャートを図28に示した。図28の(A)は鋼板フィーダ1の搬送動作を示し、同図(B)は切断機2の動作を示している。同図(C)はステップ送りクランプ7のクランプ動作を示し、同図(D)はステップ送り装置8によるステップ送り動作を示している。また図28(E)は先端クランプ10のクランプ動作を示し、同図(F)は先端クランプ移動機構11による先端クランプ10の送り動作を示している。
【0013】
図26に示した段積み装置を用いて、例えば図25に示したラップ巻回構造で、図23の巻鉄心を製造する場合には、先ず鋼板フィーダ1により鋼板SSを巻枠Mの周長R1 に等しい長さL1 だけ送ったところで該フィーダを停止させ、ステップ送りクランプ7により鋼板SSを移動テーブル5に対してクランプする。このとき先端クランプ10は固定テーブル4の上方に退避しており、鋼板SSの先端は先端クランプ10の真下の位置よりも手前の位置にある。ステップ送りクランプ7により鋼板をクランプした後、切断機2により鋼板SSを切断して第1の鉄心ブロックB1 の1枚目の単位鋼板U1 を形成する。次いで、ステップ送り装置8により単位鋼板U1 を移動テーブル5とともに図26の左方向にステップ送り量La +2πtだけ前進させ(ステップ送りを行なわせ)、ステップ送りクランプ7をアンクランプ状態(クランプを解除した状態)にする。その後移動テーブル5を原位置まで後退させ、先端クランプ10を下降させて単位鋼板U1 の先端を固定テーブル4に対してクランプする。
【0014】
次に鋼板フィーダ1を再起動させて鋼板SSを単位鋼板U1 の上に搬送し、鋼板フィーダによる鋼板の送り量が単位鋼板U1 の長さL1 に2πt(tは鋼板の厚み)を加えた値に等しくなったことが検出されたときに鋼板SSを停止させて切断機2により切断する。これにより2枚目の単位鋼板U2 を形成し、この単位鋼板U2 を単位鋼板U1 の上に重ねる。その後単位鋼板U1 ,U2 の積層体をステップ送りクランプ7により移動テーブル5に対してクランプし、先端クランプ10をアンクランプ状態にした後、ステップ送り装置8により移動テーブル5を鋼板U1 ,U2 及びクランプ7とともにステップ送り量La +2πtだけ前進させる。次いでステップ送りクランプ7をアンクランプ状態にし、移動テーブル5を原位置に復帰させた後、先端クランプ10を単位鋼板U2 の先端に当接する位置まで移動させて該先端クランプ10により単位鋼板U1 ,U2 の積層体の先端をクランプする。
【0015】
以下同様に、La +2πtだけ鋼板積層体をステップ送りする操作と、ステップ送りされた鋼板積層体の上に、板厚による周長の増加分2πtだけ前よりも長さを増大させた単位鋼板を重ね合わせる操作とを所定回数繰り返すことにより鉄心ブロックB1 を構成する鋼板積層体B1 ´を形成する。この鋼板積層体B1 ´は鉄心ブロックB1 を平面上に展開したものに相当し、その先端部にはラップ代La に等しいずれ代を有するステップ(段部)が形成され、後端部には先端部側のずれ代La と2πtとの和に等しいずれ代La +2πtを有するステップ(段)が形成されている。
【0016】
同様にして他の鉄心ブロックB2 及びB3 を展開したものに相当する鋼板積層体B2 ´及びB3 ´を形成する。
【0017】
上記のようにして構成した鋼板積層体B1 ´〜B3 ´を図27に示した巻回積層装置の巻枠Mと巻込みベルトVとの間に順次巻き込んで図25に示したようなラップ巻回構造の巻鉄心を形成する。
【0018】
図26に示した鋼板段積み装置では、n枚目の単位鋼板Un の上に該単位鋼板Un よりも2πtだけ長さが長いn+1枚目の単位鋼板Un+1 を重ねる際に、既に積層されているn枚目以下の単位鋼板Un ,Un-1 ,…U1 をラップ代La に2πtを加えた分だけ予めステップ送りしておく必要があり、しかもn+1枚目の単位鋼板Un+1 をn枚目の単位鋼板Un の上に重ねる際には、両鋼板Un ,Un+1 間に生じる摩擦力により既に積層されているn枚目以下の鋼板の位置がずれることがないようにする必要がある。鋼板の積層体を形成する過程で単位鋼板の位置がずれると、鉄心の品質を低下させ、その特性を劣化させることになる。
【0019】
そのため、図26に示した従来の段積み装置では、既に積層されている単位鋼板のステップ送りをするために、移動テーブル5とシリンダ6とステップ送りクランプ7とステップ送り装置8とを設け、既に積層された単位鋼板の位置ずれを防止するために、シリンダ9と先端クランプ10と先端クランプ移動機構11とを設けている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の巻鉄心製造装置では、巻回積層装置の巻回軸を水平方向に向けた状態で配置して、各鉄心ブロックの幅方向を水平方向に向けた状態で、巻込みベルトVと巻枠Mとの間に送り込むようにしていたため、各鉄心ブロックの幅方向の中心位置を長手方向の各部で完全に一致させることが難しく、一部の鉄心ブロックが斜めに巻込まれて、完成した巻鉄心の積層面から鉄心ブロックのエッジが出っ張った状態になることがあった。
【0021】
上記のように、巻回された巻鉄心の積層面から鋼板のエッジが出っ張って、積層面の形状に乱れが生じると、巻鉄心を巻線の窓部内に嵌装する際に支障を来すことがあるだけでなく、巻回された巻鉄心を焼鈍工程などの次工程に搬送する際に、外力により折れ曲がるのを防ぐために出張っているエッジ部をハンマーで叩いて形状を修正する作業が必要になるという問題があった。
【0022】
また巻き込みベルトと巻枠との間に鉄心ブロックが斜めに巻き込まれると、巻回された鉄心ブロックが歪んだ形状になって、その両端が正しく接合されないため、その接合部のラップ代またはギャップが不均一になって、鉄心の磁気特性が悪くなるおそれがあった。各鉄心ブロックの両端を正しく接合して、磁気特性が優れた巻鉄心を得るためには、各鉄心ブロックの幅方向の中心位置をその長手方向の各部でできるだけ正確に一致させて各鉄心ブロックを巻回することが必要である。
【0023】
変圧器などの静止誘導電気機器では、鉄心を巻線の窓部内に嵌装した際の鉄心の占積率を向上させるために、図19に示すように、幅寸法が異なる複数種類の鉄心ブロックを組合わせて、鉄心の断面を円形に近付けることが行われている。このような断面形状を有する巻鉄心を従来の巻鉄心製造装置で製造する場合には、幅寸法が異なる複数種類の鉄心ブロックを、それぞれの幅方向の中心位置を一致させた状態で順次巻込みベルトVと巻枠Mとの間に巻込むことが特に必要である。例えば、図19に示した例では、幅寸法が小さい鉄心ブロックBa1及びBa2を順次巻込みベルトVと巻枠Mとの間に巻込んだ後、幅寸法が大きい鉄心ブロックBb1,Bb2,…,Bb7を順次巻込み、最後に再び幅寸法が狭い鉄心ブロックBa3及びBa4を巻き込むことにより巻鉄心を製作する。このような場合には、鉄心ブロックBa1,Ba2,Bb1〜Bb7及びBa3,Ba4のそれぞれの幅寸法の中心位置を各部で一致させるように一連の鉄心ブロックを巻回積層する必要がある。
【0024】
本発明の目的は、巻回された巻鉄心の積層面の形状に乱れが生じるのを防いで、後工程での修正作業を省略することができるようにした巻鉄心の製造方法及び該製造方法を実施するために用いる製造装置を提供することにある。
【0025】
本発明の他の目的は、巻回された鉄心ブロックの形状が歪むのを防いで、各鉄心ブロックの両端を常に正しく接合することができるようにした巻鉄心の製造方法及び該製造方法を実施するために用いる製造装置を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる製造方法は、幅寸法が等しい所定枚数の帯板状の単位鋼板をそれぞれの長さ方向を一致させた状態で固定テーブル上に積層して鉄心ブロックを順次形成する工程と、順次形成される鉄心ブロックを巻回積層装置に供給することにより横断面が円形を呈するように巻回して積層する工程とを行うことにより、複数の鉄心ブロックを円形に巻回して積層した構造を有する円形巻鉄心を製造する巻鉄心の製造方法を対象とする。
【0027】
本発明においては、上面が水平方向に沿うように配置された回転自在な円形の面板と、該面板と軸線を共有し、かつ該面板から上方に突出した状態で回転し得るように設けられた巻枠と、一部が巻枠の外周に沿って走行するように設けられたエンドレスの巻込みベルトと、該巻込みベルトを走行させるベルト駆動装置とを巻回積層装置に設けて、鉄心ブロックをこの巻回積層装置の巻枠と巻込みベルトとの間に巻き込むことにより円形に巻回するようにしておき、巻回積層装置の手前の位置に上面が水平な定盤を配置しておく。そして、鉄心ブロックを順次形成する工程で形成される鉄心ブロックをクランプして該鉄心ブロックの幅方向を水平面に対して垂直な方向に向けるように該鉄心ブロックを引起し、引き起して幅方向を水平面に対して垂直な方向に向けた鉄心ブロックをクランプして巻回積層装置に向けて搬送し、幅方向を水平面に対して垂直な方向に向けた各鉄心ブロックを巻回積層装置の手前の位置まで搬送したところで該鉄心ブロックのクランプを緩めて、該鉄心ブロックを前記定盤の上に下ろすことにより該鉄心ブロックを構成する単位鋼板の幅方向の下側の端面を揃え、次いで単位鋼板の幅方向の下側の端面を揃えた鉄心ブロックを、その下端側の積層面を面板の上面に当接させた状態で巻枠と巻込みベルトとの間に巻込むことにより、各鉄心ブロックの幅方向の一端側の積層面を同一の平面上に位置させた状態で円形巻鉄心を形成する。
【0028】
なお本発明においては、横断面の輪郭形状が円形を呈する円形巻鉄心を製造するが、本発明の方法により製造された円形巻鉄心は、そのまま焼鈍して電気機器の鉄心として用いてもよく、必要に応じて矩形状に成形した後に焼鈍して矩形状鉄心として電気機器に用いるようにしてもよい。
【0029】
上記のように、巻回積層装置の手前に定盤を配置して、各鉄心ブロックを構成する単位鋼板の中心位置を揃える過程を行うようにすると、固定テーブル上に積層された各鉄心ブロックの積層面に乱れがある場合に、その乱れを修正してから各鉄心ブロックを巻回積層装置に供給することができるため、積層面に乱れがない巻鉄心を得ることができる。また上記のように、巻回積層装置に上面が水平な面板と、該面板と軸線を共有する(軸線が垂直方向に伸びる)巻枠と、一部が巻枠の外周に沿って走行する巻込みベルトとを設けて、幅方向を垂直方向に向けた鉄心ブロックを、その下端側の積層面を水平な面板の上面に当接させた状態で巻枠と巻込みベルトとの間に巻き込むようにすると、各鉄心ブロックは、自重によりその下端の積層面が面板と当接した状態を保持しつつ常にその幅方向の中心を通る軸線の方向が巻枠の巻回軸線と直交する方向(水平方向)に一致した状態で巻枠に巻回される。したがって、一連の鉄心ブロックを正しい形で巻回積層することができるため、積層面から鉄心ブロックのエッジが出っ張った状態になって積層面が乱れるのを防ぐことができる。
【0030】
また上記のように構成すると、各鉄心ブロックが歪んだ形で巻回されるのを防ぐことができるため、各鉄心ブロックの両端を常に正しく接合して、磁気特性が優れた高品質の巻鉄心を得ることができる。
【0031】
本発明の方法により、幅寸法が異なる複数種類の鉄心ブロックを巻回積層して巻鉄心を製造した場合、各鉄心ブロックの幅方向の一端側の積層面の位置が面板の上面により揃えられるため、得られる巻鉄心は、全ての鉄心ブロックの幅方向の一端側の積層面が同一平面上に位置した構造を有するものとなる。例えば、従来の方法により、幅寸法が異なる2種類の鉄心ブロックを用いて幅方向の端部に段が形成された段付きの巻鉄心を製造した場合には、図18に示すように、幅方向の両端に段部が形成された巻鉄心が得られるが、本発明の方法によった場合には、鉄心ブロックBa1,Ba2,Bb1〜Bb7及びBa3,Ba4の全ての幅方向の一端側(図示の状態では下端側)の積層面が同一の平面上に位置した構造になる。
【0032】
本発明の方法により得られた巻鉄心は、次工程で必要に応じて矩形状に成形された後焼鈍される。焼鈍された巻鉄心を巻線の窓部内に嵌装する際には、各鉄心ブロックを接合部のところで開いて、鉄心の脚部を巻線の窓部内に挿入し、該鉄心の接合部を閉じる。巻鉄心が段付きの巻鉄心である場合には、各鉄心ブロックの接合部を開いて積層されている鉄心ブロック相互間の拘束を緩めた段階で、各鉄心ブロックの幅方向の中心位置を一致させるように鉄心ブロック相互間の位置を修正して、図19に示したように、幅方向の両端に段部が正しく形成された形状にし、その後、脚部を巻線の窓部内に嵌装する。
【0033】
即ち、本発明に係わる方法により巻鉄心を製造して、矩形状巻鉄心を備えた変圧器を組立てる場合、下記の一連の工程を行うことになる。
【0034】
a.鋼板段積み装置により、幅方向が異なる複数種類の鉄心ブロックを所定の順序で形成する鋼板段積み工程。
【0035】
b.鋼板段積み工程で順次形成された鉄心ブロックを引き起して、該鉄心ブロックの幅方向を垂直方向に向ける鉄心ブロック引起し工程。
【0036】
c.引き起された鉄心ブロックを巻回積層装置に向けて搬送する搬送工程。
【0037】
d.搬送工程により搬送されてくる一連の鉄心ブロックをそれぞれの下端側の積層面を巻回積層装置の面板に当接させた状態で巻込みベルトと巻枠との間に巻込むことにより巻回積層する巻回積層工程。
【0038】
e.巻回積層工程で巻回された巻鉄心を矩形状に成形する成形工程。
【0039】
f.成形工程により成形された矩形状巻鉄心を焼鈍する焼鈍工程。
【0040】
g.焼鈍された巻鉄心の接合部を開いて、巻鉄心を構成している鉄心ブロックの幅方向の中心位置を一致させるように鉄心ブロック相互間の位置関係を修正して、巻鉄心を巻線の窓部内に嵌装する鉄心嵌装工程。
【0041】
上記のように、下端側の積層面を同一の平面上に位置させた状態で巻鉄心を製造すると、成形工程や、焼鈍工程において、図19に示すように、下端側に段部が形成されている巻鉄心を扱う場合に比べて、鉄心の取り扱いを容易にすることができる。
【0042】
即ち、図19に示すように巻鉄心の下端に段部が形成されている場合には、成形工程や焼鈍工程で幅が狭い鉄心ブロックに外力が加わるとその位置が下方にずれて鉄心の形状が崩れるおそれがあり、それを防ぐためには、幅が狭い鉄心ブロックの下端を支える手段を講じる必要があるが、図18のように、下端側が平坦な巻鉄心では、該巻鉄心を単に平坦な面上に置くだけで、鉄心ブロック相互間の位置ずれを生じさせることなく鉄心の形状を保持させることができるため、面倒な措置を講じることなく、型くずれを防ぐことができる。
【0043】
本発明に係わる巻鉄心製造装置は、幅寸法が等しい所定枚数の帯板状の単位鋼板をそれぞれの長さ方向を一致させた状態で固定テーブル上に積層して鉄心ブロックを順次形成する鋼板段積み装置と、該鋼板段積み装置により順次形成される鉄心ブロックを横断面が円形を呈するように巻回して積層することにより、複数の鉄心ブロックを円形に巻回して積層した構造を有する円形巻鉄心を形成する巻回積層装置とを備えたもので、本発明においては、鋼板段積み装置により形成された鉄心ブロックを受け取って該鉄心ブロックの幅方向を垂直方向に向けるように該鉄心ブロックを引起す鉄心ブロック引起し装置と、該鉄心ブロック引起し装置により引き起された鉄心ブロックを巻回積層装置に向けて搬送する搬送装置と、巻回積層装置の手前の位置に配置された上面が水平な定盤とを設ける。
【0044】
上記巻回積層装置は、上面が水平方向に沿うように配置された回転自在な円形の面板と、該面板と軸線を共有し、かつ該面板から上方に突出した状態で該面板とともに回転し得るように設けられた巻枠と、一部が巻枠の外周に沿って走行するように設けられたエンドレスの巻込みベルトと、該巻込みベルトを走行させるベルト駆動装置とを備えた構成とし、鉄心ブロックを巻枠と巻込みベルトとの間に巻き込むことにより円形に巻回積層し得るようにしておく。
【0045】
また搬送装置は、鉄心ブロック引起し装置により引き起された鉄心ブロックをクランプして該鉄心ブロックの幅方向を水平面に対して垂直な方向に向けたままの状態で巻回積層装置に向けて搬送する動作と該鉄心ブロックを前記巻回積層装置の手前の位置まで搬送したところで該鉄心ブロックのクランプを緩めて該鉄心ブロックを重力によって前記定盤の上に下ろすことにより該鉄心ブロックの下端側の積層面を前記定盤の上面に当接させて搬送した鉄心ブロックを構成する単位鋼板の幅方向の下側の端面を揃える動作と、該鉄心ブロックを再度クランプして前記巻回積層装置側に搬送する動作と、前記巻回積層装置側に搬送した鉄心ブロックの下端側の積層面を前記面板の上面に当接させた状態で該鉄心ブロックの先端を前記巻枠と巻込みベルトとの間に供給する動作とを行うように構成する。
【0046】
上記鋼板段積み装置としては、水平な鋼板保持面を有する固定テーブルと、帯板状の鋼板をその長手方向を搬送方向に一致させた状態で固定テーブル側に搬送する鋼板フィーダと、鋼板フィーダにより搬送された鋼板を切断する切断機とを備えて、固定テーブルの鋼板保持面上に順次供給される鋼板を切断機で切断することにより長さが所定の寸法差ΔXだけ異なる複数枚の短冊状の単位鋼板を形成して、該複数枚の単位鋼板をそれぞれの先端部の位置を順次長手方向にずらし寸法ΔLずつずらした状態で固定テーブルの鋼板保持面上に積み重ねて鉄心ブロックを形成するようにしたものを用いることができる。
【0047】
このような鋼板段積み装置を用いる場合には、該鋼板段積み装置により形成された鉄心ブロックを受け取って該鉄心ブロックの幅方向を垂直方向に向けるように該鉄心ブロックを90度回転させて引起す鉄心ブロック引起し装置と、鉄心ブロック引起し装置により引き起された鉄心ブロックを巻回積層装置に向けて搬送する搬送装置とを設ける。
【0048】
上記鋼板段積み装置は、上下動自在に配置されたクランプローラと該クランプローラを固定テーブルの鋼板保持面側に付勢するクランプローラ付勢手段とを有して該付勢手段の付勢力に抗してクランプローラの下側に押し込まれた単位鋼板の先端部付近を固定テーブルに対してクランプする先端クランプと、先端クランプよりも鋼板の搬送方向の後方側の位置で固定テーブル上の単位鋼板を一括してクランプするように構成されて先端クランプから一定の距離を隔てた原位置と該原位置よりも先端クランプ側に設定された前進位置との間を先端クランプに対して相対的に変位し得るように設けられたステップ送りクランプと、該ステップ送りクランプを前記原位置と前進位置との間で往復移動させるステップ送り機構と、数値制御されるモータを駆動源として先端クランプ及びステップ送りクランプを単位鋼板の長手方向に沿って移動させるクランプ送り機構と、鋼板フィーダにより固定テーブル上に搬送された鋼板の長さが各単位鋼板の長さに相当する値に等しくなったときに該鋼板の搬送を停止させて原位置に位置させたステップ送りクランプにより固定テーブル上の鋼板を一括してクランプした後該鋼板を切断して単位鋼板を形成する単位鋼板形成動作と原位置で固定テーブル上の単位鋼板を一括してクランプしているステップ送りクランプを該ステップ送りクランプと先端クランプとの間の距離を短縮する側に前記ずらし寸法ΔLだけ変位させてステップ送りクランプによりクランプされている単位鋼板の先端を先端クランプのクランプローラの下側に押し込むステップ送り動作とステップ送りクランプ及び先端クランプを鋼板の搬送方向の前方側に前記寸法差ΔXだけ移動させる寸法差分送り動作とを行わせるように鋼板フィーダと切断機とステップ送りクランプとステップ送り機構とクランプ送り機構とを制御する制御装置とを備えた構成とすることができる。
【0049】
この場合も、巻回積層装置は、上面が水平方向に沿うように配置された回転自在な円形の面板と、該面板と軸線を共有し、かつ面板から上方に突出した状態で面板とともに回転し得るように設けられた巻枠と、一部が該巻枠の外周に沿って走行するように設けられたエンドレスの巻込みベルトと、前記巻込みベルトを走行させるベルト駆動装置とを備えて、巻枠と巻込みベルトとの間に前記鉄心ブロックを巻き込むことにより鉄心ブロックを円形に巻回するように構成する。
【0050】
また巻回積層装置の鉄心ブロック受け入れ側の端部の側方に、上面を面板の上面と同一平面(水平面)上に位置させた定盤を配置し、搬送装置は、鉄心ブロック引起し装置により引き起された鉄心ブロックをクランプして該鉄心ブロックの幅方向を水平面に対して垂直な方向に向けたままの状態で前記巻回積層装置に向けて搬送する動作と、鉄心ブロックを定盤の上方まで搬送したところで該鉄心ブロックのクランプを緩めて該鉄心ブロックを重力によって定盤の上に下ろすことにより該鉄心ブロックの下端側の積層面を定盤の上面に当接させて搬送した鉄心ブロックを構成する単位鋼板の幅方向の下側の端面を揃える動作と、該鉄心ブロックを再度クランプして巻回積層装置側に搬送する動作と、巻回積層装置側に搬送した鉄心ブロックの下端側の積層面を前記面板の上面に当接させた状態で該鉄心ブロックの先端を巻枠と巻込みベルトとの間に供給する動作とを行うように構成する。
【0051】
上記巻込みベルトは、その幅方向の中心が巻き込む鉄心ブロックの幅方向の中心よりも上側に寄った位置に位置するように設けるのが好ましい。このように巻込みベルトを設けておくと、該巻込みベルトにより、常に巻回中の鉄心ブロックを面板側に押し付けようとする力が働くため、鉄心ブロックを巻回する際にその下端の積層面を常に面板に当接させた状態に保って、鉄心ブロックを正しく巻回することができる。
【0052】
巻回された巻鉄心の搬出を容易にするため、巻枠は、面板に対して相対的に軸線方向に移動し得るように設けるのが好ましい。この場合、鉄心ブロックを巻枠と巻込みベルトとの間に巻込む際に巻枠を面板よりも上方に突出して巻込みベルトと協働する状態になる位置まで上昇させ、製造された巻鉄心を搬出する際には面板上の巻鉄心の内側から離脱した状態になる位置まで巻枠を下降させる。
【0053】
このように構成しておくと、巻鉄心が巻回された後、巻枠を面板の上面から突出しない状態になる位置まで下降させることにより、巻枠を巻鉄心の内側から外すことができるため、完成した円形巻鉄心の搬出を容易にすることができ、装置の自動化を容易にすることができる。
【0054】
【発明の実施の形態】
図1ないし図6は本発明の方法を実施するために用いる巻鉄心製造装置の構成例を示したもので、図1は同装置の全体的な構成を示す斜視図、図2は同装置で用いる鋼板段積み装置の要部の構成を示した正面図、図3及び図4はそれぞれ図2のA−A線断面図及びB−B線断面図である。また図5(A)ないし(E)及び図6(A)ないし(E)は本発明で用いる鋼板段積み装置の動作説明図、図7は同鋼板段積み装置で用いる制御装置の制御アルゴリズムを示すフローチャートである。また図8は鋼板段積み装置の動作を示すタイミングチャート、図9は固定テーブル上に送給される単位鋼板の先端と先端クランプローラとの位置関係を説明するための説明図である。更に図10ないし図12は図1の巻鉄心製造装置で用いる鉄心ブロック引起し装置の動作を説明する斜視図、図13及び図14は同巻鉄心製造装置で用いる搬送装置の動作を説明する斜視図である。また図15(A)及び(B)は図1の巻鉄心製造装置で用いる巻回積層装置の要部を示したもので、(A)は鉄心ブロックを巻枠に巻回する際の要部の状態を示した縦断面図、(B)は同要部の上面図である。図16は同巻回積層装置の巻枠を退避させた状態を示した要部の縦断面図である。図17(A)ないし(E)は巻回積層装置の動作説明図である。
【0055】
図1において、12は幅寸法が等しい所定枚数の帯板状または短冊状の単位鋼板をそれぞれの長さ方向を一致させ、幅方向の端縁を揃えた状態で固定テーブル上に積層して鉄心ブロックを順次形成する鋼板段積み装置、13は鋼板段積み装置12により形成された鉄心ブロックを受け取って該鉄心ブロックの幅方向を垂直方向に向けるように該鉄心ブロックを引起す鉄心ブロック引起こし装置、14は鋼板段積み装置により順次形成される鉄心ブロックを横断面が円形を呈するように巻回して積層することにより、複数の鉄心ブロックを円形に巻回して積層した構造を有する円形巻鉄心を形成する巻回積層装置、15は鉄心ブロック引起し装置13により引き起された鉄心ブロックを巻回積層装置14に向けて搬送する搬送装置、16は、巻回積層装置14の手前の位置に配置された定盤である。以下これらの各部の構成を詳述する。
【0056】
(a)鋼板段積み装置の構成
鋼板段積み装置12は、適宜の手段により図示しないベースフレームに対して支持された固定テーブル21を備えている。図11に示されているように、固定テーブル21は矩形板状に形成されていて、その上面が鉄心ブロックを構成する単位鋼板を保持する鋼板保持面21aとなっている。固定テーブル21はその長手方向を、後記する鋼板SSの搬送方向に一致させた状態で配置されていて、その先端部21A側のほぼ半部には、その幅方向の中央部に位置させた状態で、長手方向(鋼板の搬送方向)に沿って延びるスリット21bが形成されている。
【0057】
また固定テーブル21の後端部21B側のほぼ半部には、該固定テーブルの幅方向の一端側に開口した複数(図示の例では3個)のコの字形の切欠き部21ca〜21ccが形成され、スリット21bの後端部が固定テーブルの先端側に近い位置側に形成された切欠き部21caに連通させられている。これらの切欠き部21ca〜21ccは後記する鉄心ブロック引起し装置のクランプを受け入れるために設けられている。
【0058】
固定テーブル21の後端部21Bの後方にはフィードローラ22と押えローラ23とを備えた鋼板フィーダ24が配置されている。また固定テーブル21と鋼板フィーダ24との間には、固定刃(下刃)25と、可動刃(上刃)26とを備えた切断機(シヤー)27が配置されている。
【0059】
鋼板フィーダ24の後方には、ガイドローラ28とアンコイラ29とが配置されていて、アンコイラ29によりドラム30から巻戻された帯状の鋼板SSが、ガイドローラ28を経由して鋼板フィーダ24のフィードローラ22と押えローラ23との間に供給され、フィードローラ22の回転により鋼板SSが固定テーブル21側に送給されるようになっている。
【0060】
図示してないが、フィードローラ22の回転軸には、鋼板SSの送給量(長さ)を計測するセンサが取り付けられ、該センサにより所定の長さの鋼板が送給されたことが検出されたときに鋼板フィーダ24が停止させられる。切断機27は、鋼板フィーダ24が停止したときに鋼板SSを切断して、短冊状の単位鋼板U1 ,U2 ,…を形成する。これらの単位鋼板は固定テーブル21の鋼板保持面21a上に順次積層されていく。
【0061】
固定テーブル21の幅方向の一端側の側方には、固定テーブルの長手方向(鋼板の搬送方向)に長く延びる板状のサイドフレーム31が、その板面を垂直方向に沿わせた状態で、固定テーブルと平行に配置されている。サイドフレーム31の垂直面31aには、鋼板の搬送方向に沿って互いに平行に延びる1対のガイドレール32A及び32Bが、上下に並べた状態で取り付けられ、これらのガイドレール32A及び32Bにより、第1のスライダ34と第2のスライダ35とが、第1のスライダ34を鋼板の搬送方向の前方側に位置させた状態で、鋼板の搬送方向に往復移動自在に支持されている。
【0062】
図示の例では、ガイドレール32A及び32Bが鳩尾状の横断面形状を有するように形成され(図3及び図4参照)、第1のスライダ34の裏面に固定されたスライド部材36A及び36B(図3参照)にそれぞれ形成された蟻溝とガイドレール32A及び32Bとが嵌合されて、第1のスライダ34がスライド自在に支持されている。同様に、第2のスライダ35の裏面に固定されたスライド部材37A及び37B(図4参照)にそれぞれ形成された蟻溝とガイドレール32A及び32Bとが嵌合されて、第2のスライダ35がスライド自在に支持されている。
【0063】
ガイドレール32A及び32Bの間には、鋼板の搬送方向に沿って両ガイドレールと平行に延びるボールネジ38が配置されている。ボールネジ38の一端は、軸受39を介してサイドフレーム31に回転自在に支持され、該ボールネジ38の他端は、サイドフレーム31に固定されたモータMTの出力軸に連結されている。図3に示したように、ボールネジ38は、第1のスライダ34の裏面に固定されたナット40に螺合され、モータMTによりボールネジ38が一方向に回転駆動されたときに、第1のスライダ34が鋼板の搬送方向の前方側(図2の矢印H方向)に移動させられ、ボールネジ38が他方向に回転駆動されたときに、第1のスライダ34が鋼板の搬送方向の後方側に移動させられるようになっている。
【0064】
モータMTはサーボモータまたはパルスモータからなっていて、図示しない制御装置により、第1及び第2のスライダ34及び35の停止位置を設定位置に一致させるように数値制御される。
【0065】
図2及び図3に示したように、第1のスライダ34は、板面を垂直方向に沿わせた状態で、かつ板面を鋼板の搬送方向に対して直角な方向に向けた状態で配置された矩形状の板からなっていて、該第1のスライダ34の固定テーブル側の垂直面に、先端クランプシリンダ41とクランプアーム42とクランプローラ43とからなる先端クランプ44が取り付けられている。
【0066】
先端クランプシリンダ41はエアシリンダからなっていて、そのピストンロッド41aの先端を下方に向けた状態で、かつピストンロッド41aの中心を固定テーブルに設けられたスリット21bの幅方向の中央部に位置させた状態で配置されている。先端クランプシリンダ41は、そのピストンロッド41aが導出された側と反対側の端部を、第1のスライダ34の垂直面と直交する方向に延びるピン45を介して第1のスライダ34に連結することにより、スリット21bを幅方向に2等分する垂直面に沿って回動し得るように支持されている。
【0067】
またクランプアーム42は、その先端を鋼板の搬送方向の前方側に位置させた状態で設けられていて、第1のスライダ34の垂直面と直交する方向に延びるピン46を介してその後端部を第1のスライダ34の下部に連結することにより、スリット21bを幅方向に2等分する垂直面に沿って回動し得るように支持されている。クランプアーム42の中間部とピストンロッド41aの先端部とがピン47を介して連結され、クランプアーム42の先端部にはピン46と同方向に延びる軸48が取り付けられ、該軸48の両端に1対のクランプローラ43,43が回転自在に支持されている。図3に示したように、1対のクランプローラ43,43は、スリット21bの幅寸法よりも大きな間隔をもって配置されていて、両クランプローラ43,43の下側に鋼板が存在しないときに両クランプローラがスリット21bの幅方向の両側で固定テーブル21の鋼板保持面に当接するようになっている。クランプシリンダ41には、鋼板の積層作業を行う際に常時所定の圧力の圧縮空気が供給され、該クランプシリンダ41によりクランプローラ43,43が常時固定テーブル21側に付勢されている。
【0068】
先端クランプ44は、後記するステップ送りクランプにより、そのクランプローラ43の下側に単位鋼板が押し込まれたときに、該単位鋼板を固定テーブル21に対して押しつけてクランプする。
【0069】
第1のスライダ34にはまた、ステップ送りシリンダ50が取り付けられている。ステップ送りシリンダ50はその中心軸線をガイドレール32A及び32Bの長手方向に向けた状態で、かつピストンロッド50aを第2のスライダ35側に向けた状態で配置されていて、ボルト51により第1のスライダ34に固定されている。
【0070】
図4に示したように、第2のスライダ35は、板面を垂直方向に沿わせた状態で配置された垂直板部35aと、該垂直板部の下端から下方に延びる延長部35bと、延長部35bの下端から水平方向に沿って固定テーブル21側に延びる腕部35cとからなっている。垂直板部35aは、その固定テーブル21側の垂直面が、第1のスライダ34の固定テーブル側の垂直面と同一面上に位置するように設けられていて、垂直板部35aの固定テーブル側の垂直面にピストンロッド連結金具52がボルト止めされている。ピストンロッド連結金具52は、第2のスライダ35の板面から直角に起立した起立壁52aを有し、該起立壁52aに設けられた孔にピストンロッド50aが嵌合されて、該ロッド50aの先端部付近に設けられた段部が起立壁52aに当接されている。そして、起立壁52aの孔を貫通したピストンロッド50aの先端に設けられたネジ部にナット53,54(図2参照)が螺合され、これらのナットによりピストンロッド50aと連結金具52とが連結されている。
【0071】
ステップ送りシリンダ50は、エアシリンダからなっていて、ピストンロッド50aを復帰させる復帰バネを有し、該シリンダ50内の圧力が大気圧にあるときに図2に示したようにピストンロッド50aが伸長し、該シリンダ50内に圧縮空気を供給したときに、ピストンロッド50aが後退して、第2のスライダ35を第1のスライダ34側に引き寄せるようになっている。ナット53及び54の位置を調整することにより、ピストンロッド50aが伸長しているときの第1のスライダ34と第2のスライダ35との間の距離がステップ送り量ΔLに等しくなるように設定される。
【0072】
図2及び図4に示したように、第2のスライダ35にはまた、圧縮空気により駆動されるステップ送りクランプシリンダ60のシリンダ部分がピン61を介して回動自在に支持されている。ステップ送りクランプシリンダ60はそのピストンロッド60aの先端を下方に向けた状態で、かつ該ピストンロッド60aの中心をスリット21bの幅方向の中央に向けた状態で配置されていて、ピストンロッド60aの先端に可動クランプ金具62が固定されている。また第2のスライダ35の下端に設けられた腕部35cには、固定クランプ金具63が固定され、該固定クランプ金具63がスリット21b内に緩く挿入されて可動クランプ金具62に対向させられている。固定クランプ金具63はその上面が固定テーブル21の鋼板保持面21aよりも僅かに突出するように形成されていて、ステップ送りクランプシリンダ60に圧縮空気が供給されて可動クランプ金具62が下方に移動させられたときに、固定テーブル21上に存在する鋼板を可動クランプ金具62と固定クランプ金具63との間に一括してクランプするようになっている。第2のスライダ35の腕部35cの下部には、該第2のスライダ35の移動に伴ってベースフレーム20上を転動するローラ64が取り付けられ、このローラ64により第2のスライダ35がベースフレーム20に対して支持されている。
【0073】
なお鋼板フィーダ24により固定テーブル21上に搬送される鋼板の移動を妨げないようにするため、固定クランプ金具63の上面と側面との間の各角部にはアールがつけられている。
【0074】
この例では、クランプシリンダ60と可動クランプ金具62と固定クランプ金具63とにより、先端クランプ44よりも鋼板の搬送方向の後方側の位置で固定テーブル21上の単位鋼板U1 ,U2 ,…を一括してクランプするステップ送りクランプ65が構成されている。このステップ送りクランプ65は、先端クランプ44から一定の距離を隔てた原位置と該原位置よりも先端クランプ44側に設定された前進位置との間を先端クランプ44に対して相対的に変位し得るようになっていて、ステップ送りシリンダ50と連結金具52とにより、ステップ送りクランプ65を原位置と前進位置との間で往復移動させるステップ送り機構66が構成されている。
【0075】
図示の例では、ステップ送りシリンダ50のピストンロッド50aが伸長した状態にあるときのステップ送りクランプ65の位置が、該ステップ送りクランプ65の原位置であり、第2のスライダ35が第1のスライダ34に当接した状態にあるときのステップ送りクランプ65の位置が、該ステップ送りクランプの前進位置である。この例では、原位置と前進位置との間の距離がずらし寸法ΔLに等しくなっている。
【0076】
また上記の例では、モータMTとボールネジ38とナット40とにより、クランプ送り機構67が構成され、このクランプ送り機構により、第1のスライダ34と、該第1のスライダにシリンダ50を介して連結された第2のスライダ35が、先端クランプ44及びステップ送りクランプ65とともに単位鋼板の長手方向に沿って移動させられるようになっている。
【0077】
更に、図1に示した段積み装置では、鋼板フィーダ24と、切断機27と、ステップ送りクランプ65と、ステップ送り機構66とクランプ送り機構67とを制御する制御装置が設けられる。また、鋼板フィーダ21とアンコイラ29との間に鋼板SSの板厚tを計測するセンサが設けられ、該センサにより計測された鋼板の板厚tが上記制御装置に随時与えられるようになっている。
【0078】
上記の制御装置は、例えばコンピュータに所定のプログラムを実行させることにより実現されるものであって、鋼板フィーダ24により固定テーブル21上に搬送された鋼板の長さが各単位鋼板の長さに相当する値に等しくなったときに該鋼板の搬送を停止させて、原位置に位置させたステップ送りクランプにより固定テーブル上の鋼板を一括してクランプした後、該鋼板を切断して単位鋼板を形成する単位鋼板形成動作と、原位置で固定テーブル上の単位鋼板を一括してクランプしているステップ送りクランプを該ステップ送りクランプと先端クランプとの間の距離を短縮する側にずらし寸法ΔLだけ変位させてステップ送りクランプ65によりクランプされている単位鋼板の先端を先端クランプ44のクランプローラ43の下側に押し込むステップ送り動作と、ステップ送りクランプ65及び先端クランプ44を鋼板の搬送方向の前方側に寸法差ΔXだけ移動させる寸法差分送り動作とを行わせるように、鋼板フィーダと切断機とステップ送りクランプとステップ送り機構とクランプ送り機構とを制御する。
【0079】
上記先端クランプ44と、ステップ送りクランプ65と、ステップ送り機構66と、コンピュータを用いてクランプ送り機構67と、鋼板フィーダ24、切断機27、ステップ送りクランプ65、ステップ送り機構66及びクランプ送り機構67を制御する図示しない制御装置とにより、鋼板段積み装置12が構成されている。
【0080】
上記鋼板段積み装置の制御装置をマイクロコンピュータを用いて構成する場合の制御アルゴリズムの一例を示すフローチャートを図7に示した。
【0081】
次に上記の鋼板段積み装置の動作を、図5及び図6の動作説明図、図7のフローチャート、図8に示したタイムチャート及び図20ないし図22に示した積層構造の説明図を用いて説明する。
【0082】
図7のフローチャートでは、装置全体の動作の流れを制御するCPUの他に、ステップ送り機構66を制御するCPUとクランプ送り機構67を制御するCPUがそれぞれ別個に設けられていることを前提としている。また巻鉄心を図18に示すように2種類の幅寸法が異なる鉄心ブロックにより構成するものとし、続けて巻回積層される同じ幅寸法の鉄心ブロックの数をM(Mは整数)とする。各鉄心ブロックを構成する単位鋼板の数(ブロック枚数)Bは等しいものとする。図18の巻鉄心を製造する場合には、最初M=2として鉄心ブロックBa1,Ba2を形成してこれらを続けて巻回積層し、次いでM=7として鉄心ブロックBb1〜Bb7を形成してこれらを続けて巻回積層する。その後M=2として鉄心ブロックBa3,Ba4を形成してこれらを続けて巻回積層する。
【0083】
また巻鉄心全体を構成する鉄心ブロック数の設定値をCとし、既に形成された鉄心ブロックの数を計数するブロック数累計値カウンタの計数値をcとする。
【0084】
また巻鉄心を構成する全ての鉄心ブロックを巻回した後、最外周に更に鋼板を巻回して該最外周の鋼板の両端を溶接することにより巻鉄心を完成するものとする。
【0085】
上記の段積み装置を用いて鉄心ブロックを形成する際には、図7のステップ1において先ずキーボード等の入力装置により数値を打ち込むか、またはディプレイ装置の画面に表示されている数値を選択することにより、制御装置に鋼板の切断条件を読み込ませる。この切断条件は、続けて積層される同じ幅寸法の鉄心ブロック群の第1枚目の単位鋼板の長さを与える初期切断長L1 、ずらし寸法ΔL、ラップ代La、切断数設定値(続けて巻回積層される同じ幅寸法のM個の鉄心ブロックの単位鋼板の総数)N、ブロック枚数設定値(1つの鉄心ブロックを構成する単位鋼板の数)B等である。ここで切断数設定値Nは、N=M×B+1で与えられる。
【0086】
図7のステップ1で切断条件を読み込んだ後、ステップ2において切断長の初期値L1 をセットし、鋼板の切断回数を計数する切断カウンタの計数値nと、鉄心ブロックを構成する単位鋼板の数を計数するブロックカウンタの計数値bとする。
【0087】
次にステップ3において先端クランプ44に設けられている先端クランプローラ43の初期位置をセットする。先端クランプローラ43の初期位置は、鋼板フィーダ24により、図9に示したように、第1枚目の単位鋼板U1 の長さL1 に相当する長さの鋼板SSを固定テーブル21上に搬送したときに、該鋼板の先端よりも鋼板の搬送方向の前方側に一定の距離dを隔てた位置Pである。ここで、一定距離dは、ずらし寸法ΔLよりも小さく設定しておく。
【0088】
次いで図7のステップ4を実行することにより図8に示す時刻t1 で鋼板フィーダ24を起動して鋼板SSを送給する。このステップ4においては、フィードローラ22を駆動する駆動源に起動指令を与えて鋼板SSの送給を開始させ、図5(A)に示すように、固定テーブル21上に鋼板SSを供給する。フィードローラ22に取り付けられたセンサにより、送給された鋼板の長さが第1枚目の単位鋼板の長さ(初期切断長)L1 に等しくなったことが検出されたときに、フィードローラ22を停止させる。鋼板フィーダは図8の時刻t2 で停止する。
【0089】
時刻t2 でフィードローラ22が停止した後、図7のステップ5を実行してステップ送りクランプ65によるクランプ動作を行なわせる。このステップ5においては、ステップ送りクランプ65のクランプシリンダ60を駆動することにより図5(B)に示すようにクランプ金具62を下降させ、該クランプ金具62とクランプ金具63とにより固定テーブル21上の鋼板SSを上下から挟んでクランプする。
【0090】
図8の時刻t3 でステップ送りクランプ65によるクランプ動作が完了した後、図7のステップ6を行なわせて、切断機(シヤー)27を起動し、図5(C)に示すように鋼板SSを切断して、1枚目の単位鋼板U1 を形成する。単位鋼板U1 を形成した後、図7のステップ7A〜7Cを並行させて行わせる。ステップ7Aでは、図8(D)に示すように時刻t4 でステップ送りシリンダ50を動作させ、原位置にあるステップ送りクランプ65を前進位置に向けて移動させることにより、切断された単位鋼板U1 をずらし寸法ΔLだけ先端クランプ44側に送る。この動作により、図5(D)に示すように、単位鋼板U1 の先端を先端クランプローラ43の下側に押し込んで、先端クランプ44に単位鋼板U1 の先端をクランプさせる。ステップ7Bにおいては、図8(E)に示すように時刻t4 でモータMTを駆動してボールネジ38を回転させることにより、第1のスライダ34及び第2のスライダ35を移動させて、図5(E)に示すように、先端クランプ44及びステップ送りクランプ65を鋼板の搬送方向の前方側に同時に寸法差ΔX(=La+2πt)だけ移動させる(寸法差分送り動作を行わせる)ことによりクランプ送り動作を行わせる。ここでtは鋼板SSの平均厚さであり、この平均厚さtは、鋼板フィーダ24と切断機27との間に設けられている図示しない厚みセンサから随時読み込んだ鋼板の厚さから演算する。ステップ7Cでは、制御装置に設けられた切断数カウンタの計数値n及びブロックカウンタの計数値bを1だけ増加させる。
【0091】
図7のステップ7A〜7Cを行わせた後、ステップ8,9とステップ10〜15とをそれぞれ並行させて行わせる。即ち、ステップ送りクランプ65を先端クランプ44とともにずらし寸法ΔLだけ送った後、ステップ8において、図6(A)に示すように、時刻t5 (図8D)からステップ送りクランプ65のクランプシリンダ60のピストンロッド60aを上昇させてステップ送りクランプ65をアンクランプ状態にする。また時刻t6 でステップ送りクランプ65がアンクランプ状態になった後、ステップ9を行わせてステップ送りシリンダ50に供給していた圧縮空気を抜くことによりシリンダ50のピストンロッド50aを伸長させて、図6(A)に示すようにステップ送りクランプ65を原位置に復帰させる。
【0092】
またステップ7Cにおいて切断数カウンタの計数値nとブロックカウンタの計数値bとを1だけ増加させた後、ステップ10において切断数設定値Nから1を減じた数(N−1)が切断数カウンタの計数値nに等しいか否かを判定する。その結果、N−1=nでないときには、ステップ11においてラップ代Laを切断数nの関数として演算し、ステップ12において切断する単位鋼板の切断長Ln を演算する。この演算は、Ln =L1 +2(n−1)πt+Laの演算式により行う。次いでステップ13においてブロックカウンタの計数値bが設定値Bに等しいか否かを判定する。その結果計数値bが設定値Bに等しくない場合には、ステップ4に戻り、鋼板フィーダ24を駆動して次の鋼板の送給を開始させて、1枚目の単位鋼板U1 の上に重ねて鋼板SSを供給し、図6(B)に示すように、送給された鋼板の長さが2枚目の単位鋼板U2 の長さL2 (=L1 +2πt+La )に等しくなったときに鋼板フィーダ24を停止させる。次いで、図7のステップ5を実行させ、ステップ送りクランプ65のシリンダ60を駆動してそのピストンロッドを下降させることにより、図6(C)に示すように、固定テーブル21上に積層されている単位鋼板U1 と鋼板SSとを一括してクランプする。その後ステップ6を行わせて鋼板SSを切断することにより2枚目の単位鋼板U2 を形成する。次いでステップ7Aを行わせて1枚目の単位鋼板U1 と2枚目の単位鋼板U2 との積層体をΔLだけ送り、図6(D)に示すように最上部の単位積層体U2 の先端を先端クランプローラ43の下側に押し込むことにより、先端クランプ44に単位積層体U1 とU2 との積層体の先端部をクランプさせた後、ステップ8を行わせてステップ送りクランプ65をアンクランプ状態にする。またステップ7Bにより第1及び第2のスライダ34及び35を同時に移動させることにより先端クランプ44及びステップ送りクランプ65を寸法差分送り量ΔXだけ送り、ステップ7Cにより切断数カウンタの計数値n及びブロックカウンタの計数値bをインクリメントした後、N−1=nでない場合にはラップ代La及び次の切断長Lnを演算する。またブロックカウンタの計数値bが設定値Bに等しくない場合には、再びステップ4に戻って次の鋼板の送給を行わせる。寸法差分送り量ΔXは、n番目の単位鋼板の長さLn とn−1番目の単位鋼板の長さLn-1 との差であり、ΔX=La+2πtで与えられる。
【0093】
以下同様な動作を繰り返す。図7のステップ13においてブロックカウンタの計数値bが設定値Bに等しいと判定されたとき(1つの鉄心ブロックが完成したとき)には、ステップ14に移行して、ステップ送りクランプ65と先端クランプ44とをアンクランプ状態にし、続いてステップ15を実行させて、鉄心ブロックを後述する鉄心ブロック引起し装置に送る。
【0094】
その後、ステップ16でブロックカウンタの計数値を0にした後、ステップ10に戻ってN−1=nの判定を行わせる。その結果N−1がnに等しくない場合には、次の鉄心ブロックの1枚目の単位鋼板のラップ代Laの演算と切断長Lnの演算とを行わせた後、ステップ4に戻り、次の鉄心ブロックの形成を行わせる。続けて積層される幅寸法が等しい鉄心ブロックのうちの最後の鉄心ブロックを形成した後にステップ10に戻った際には、N−1=nとなっているので、次いでステップ17を行わせて、既に形成された鉄心ブロックの数を計数しているカウンタの計数値cが設定値Cに等しいか否かを判定する。その結果既に形成された鉄心ブロックの数が巻鉄心を構成する鉄心ブロックの総数に等しくない場合には、ステップ18に移行して鉄心ブロックの形成を中断し、鋼板SSの幅寸法を変更することを指令する。この鋼板の幅寸法の変更は、鋼板SSを巻回したドラム30を交換することにより行う。このドラムの交換を容易にするためには、例えば巻鉄心を形成するために必要な複数種類の鋼板SSをそれぞれ巻回した複数のドラムを、垂直方向に延びる軸の回りを回転するターンテーブルに支持しておいて、鋼板の幅寸法を変更する指令が出されたときに所定の幅寸法の鋼板が巻回されたドラムを、鋼板送り出し位置(鋼板フィーダ24に向けて鋼板を送り出す位置)にセットするようにアンコイラ29を構成しておくのが好ましい。
【0095】
鋼板フィーダ24から供給する鋼板の幅寸法の変更が完了した後、ステップ1に戻り、以下前記と同様の作業を繰り返して、変更された幅寸法の鉄心ブロックを順次形成する。
【0096】
巻鉄心を構成する全ての鉄心ブロックの形成が完了し、ステップ17においてC=cとなったときには、続いて巻鉄心の最外周に巻回する鋼板の長さである外巻長をセットしてステップ19を行わせる。ステップ20では、鋼板フィーダ24を駆動して外巻長に相当する長さだけ鋼板SSを固定テーブル上に送給する。次いでステップ21で鋼板SSを切断して最外周に巻回する鋼板を得た後、ステップ22を実行させて、この鋼板を鉄心ブロック引起し装置に送る。
【0097】
上記のように鋼板段積み装置を構成すると、先端クランプ44とステップ送りクランプ65とを単位鋼板の長手方向に並べて設ければよく、また先端クランプ44は固定テーブル側に付勢された先端クランプローラ43を有する簡単な構造のものでよいため、固定テーブル上の単位鋼板を第1のクランプ及び第2のクランプにより交互にクランプしてステップ送りをする場合に比べて、装置の構造を簡単にすることができる。
【0098】
また上記のように鋼板段積み装置を構成すると、単位鋼板のステップ送りを行なっている間に鋼板フィーダ24を起動させて次の単位鋼板を形成するための鋼板SSの送給を開始させることができるため、鋼板フィーダ24が所定長さの鋼板の搬送を完了してから次の鋼板の搬送を開始するまでの1サイクルの期間を短縮して作業能率を向上させることができる。
【0099】
更に上記のように、ラップ代Laを切断数nの関数とし、クランプ送り機構を、数値制御されるモータを駆動源として動作するように構成すると、寸法差分送り量ΔXを任意に調整できるため、鉄心ブロック毎にラップ代を変更したり、鋼板の板厚に応じて寸法差分送り量を制御したりすることが可能になり、鉄心の品質の向上に寄与することができる。
【0100】
上記寸法差分送り量ΔXは、鉄心の積層構造により種々の値をとる。例えば図20に示すように、各単位積層体の両端をラップさせることなく(重ね合わせることなく)、突き合わせる(バットさせる)構造にして、各鉄心ブロックB1 ,B2 ,…のそれぞれを構成する一連の単位積層体の両端の接合部を一定のずらし寸法ΔLずつずらして配置する構造のバット巻回構造をとる場合には、ラップ代Laは常に零であり、各単位鋼板の長さはその単位鋼板が配置される箇所における巻鉄心の周長に等しくなる。即ち、図20の場合には、常にLa=0であり、最内周からn番目の単位積層体の長さは、Ln =L1 +2(n−1)πtとなる。
【0101】
また図21に示すように、各鉄心ブロックの2枚目以降の各単位積層体の両端を一定のラップ代Laをもってラップさせる構造にして、各鉄心ブロックB1 ,B2 ,…のそれぞれを構成する一連の単位積層体の両端の接合部を一定のずらし寸法ΔLずつずらして配置する構造のラップ巻回構造をとる場合には、n≧2の場合の単位積層体の長さLn が、Ln =L1 +2(n−1)πt+Laで与えられる。この場合、1枚目の単位鋼板の両端が互いに突き合わされ、2枚目以降の単位鋼板は、その終端部が次に巻回される単位鋼板の始端部に突き合わされる構造になる。
【0102】
更に、ラップ代Laは単位積層体が配置される位置に応じて異なる値(0を含む)をとることができる。例えば図22に示すように、1番目の鉄心ブロックではLa=0としてバット巻回構造とし、2番目以降の鉄心ブロックでは、その1枚目の単位鋼板のラップ代Laを零とし、2枚目以降(図示の例では最内周から6枚目以降)の単位鋼板をラップ巻回構造とすることができる。
【0103】
上記の例のように、エアシリンダからなるステップ送りシリンダ50を用いてステップ送り機構66を構成すると、単に第2のスライダ35を第1のスライダ34側に変位させて、両スライダを突き合わせる動作を行わせるだけで、ずらし寸法ΔLを正確に出すことができ、ずらし寸法ΔLを出すために位置制御を行う必要がないため、制御装置の構成を簡単にすることができる。この場合、ずらし寸法ΔLは、第2のスライダ35の第1のスライダ34に対する最大変位量をずらし寸法ΔLの最大値に等しく設定するとともに、第1及び第2のスライダ34及び35間に介在して第2のスライダ35の第1のスライダ34側への変位量を規制するスペーサを、例えば第1のスライダ34に取り付けて、第2のスライダ35を該スペーサに当接させることによりΔLを定める構造にすることによって、任意に調整することができる。またステップ送りシリンダ50のピストンロッド50aと連結金具52との連結位置を調整し得るようにしておくことによってもずらし寸法ΔLを任意に調整することができる。
【0104】
なお本発明で用いるステップ送り機構66の構造は上記の例に限定されるものではなく、例えば、数値制御されるモータと、該モータにより回転駆動されるボールネジと、該ボールネジに螺合されたナットとにより構成されるネジ送り機構を第1のスライダ34と第2のスライダ35との間に跨がって設けて、該ネジ送り機構により第2のスライダ35を第1のスライダ34に対して相対的に変位させるように、ステップ送り機構66を構成することもできる。
【0105】
(b)鉄心ブロック引起し装置の構成
鉄心ブロック引起し装置13は、ガイドレール70により鋼板SSの搬送方向と直交する方向(固定テーブル21の幅方向)に、一定の範囲に亘って移動自在に支持された可動フレーム71を備え、鋼板SSの搬送方向(固定テーブル21の長手方向)に間隔を開けた状態で配置されて可動フレーム71に下端が固定された支持板72,72の上端に、固定テーブルの長手方向に延びる回動軸73の両端が回転自在に支持されている。
【0106】
回動軸73には、固定テーブル21上の鉄心ブロックBnをクランプする3つのクランプ74a〜74cが取り付けられている。これらのクランプ74a〜74cは、固定テーブルの3つの切欠き部21ca〜21ccに相応する位置に設けられていて、可動フレーム71が固定テーブル21側に移動したときにクランプ74a〜74cがそれぞれ切欠き部21ca〜21cc内に進入して固定テーブル21上の鉄心ブロックBnを上下から挟んでクランプするようになっている。
【0107】
図10に示されているように、中央のクランプ74bの後端部には、ピン75を介してリンク76の一端が連結され、該リンク76の他端は、エアシリンダ77のピストンロッド77Aの先端部にピン78を介して連結されている。エアシリンダ77の後端部はピン79を介して可動フレーム71に連結され、エアシリンダ77を駆動することにより、クランプ74a〜74cを回動軸73を中心に90度回動させることができるようになっている。これにより、クランプ74a〜74cは、図1,図10及び図11に示したようにそれぞれの先端が固定テーブル側に向いた状態になる転倒位置と、図12及び図13に示すようにそれぞれの先端が垂直上方を向いた状態になる起立位置との間を回動させられる。
【0108】
可動フレーム71は図示しないエアシリンダにより駆動されてガイドレール70,70に沿って固定テーブル21の幅方向に直線移動させられるようになっている。
【0109】
鉄心ブロック引起し装置13は、固定テーブル21上で1つの鉄心ブロックBnが完成する毎に、以下に示すシーケンスで制御される。即ち、鋼板段積み装置12で鉄心ブロックBnの形成が完了したときに、図示しないエアシリンダが駆動されて、図10に示すように、可動フレーム71が固定テーブル21側に前進させられ、クランプ74a〜74bが固定テーブル21の切欠き部21ca〜21cc内に進入させられる。次いで、クランプ74a〜74cにそれぞれ設けられているエアシリンダが駆動されて、それぞれのクランプにより固定テーブル21上の鉄心ブロックBnがクランプされる。
【0110】
次いで図11に示すように、可動フレーム71が鉄心ブロックBnの幅寸法よりも僅かに大きい距離だけ固定テーブル21から離れる方向に後退させられて、鉄心ブロックBnが、先端クランプ44及びステップ送りクランプ65から離脱して両クランプと干渉しなくなる位置まで引き出される。その後エアシリンダ77が駆動されて、図12に示すように、クランプ74a〜74cが起立位置まで回動させられ、これにより、鉄心ブロックBnが90度回動させられて、その幅方向が垂直方向に向けられる。このようにして鉄心ブロックBnが引起された後、クランプ74a〜74cがアンクランプ状態にされる。
【0111】
(c)搬送装置の構成
搬送装置15は、固定テーブル21の長手方向に間隔を開けて配置された対のエアシリンダ80,80と、これらのエアシリンダのピストンロッドの下端に取り付けられたクランプ具81,81とを備えていて、それぞれのクランプ具をエアシリンダ82,82により駆動することにより、引き起された鉄心ブロックBnを、鉄心ブロック引起し装置13のクランプ74a〜74cと干渉しない位置で、上方からクランプするように設けられている。エアシリンダ80,80は、固定テーブル21の側方を該固定テーブル21の長手方向に延びる図示しないガイドレールによりガイドされたスライダに支持されて、固定テーブル21の長手方向と平行な方向に沿って走行させられるようになっている。搬送装置15のクランプ具81,81をエアシリンダ80,80とともに固定テーブル21の長手方向に移動させるため、電動機などを駆動源としてエアシリンダ80,80を支持したスライダを駆動する駆動機構(図示せず。)が設けられている。
【0112】
搬送装置15は、鉄心ブロック引起し装置13により鉄心ブロックBnが引き起された後、エアシリンダ80,80のピストンロッドを伸長させてクランプ具81,81を鉄心ブロックBnの上端に噛み合わせ、エアシリンダ82,82を駆動して鉄心ブロックBnをクランプする。次いで、エアシリンダ80,80のピストンロッドを後退させることにより、鉄心ブロックBnをクランプしたクランプ具81,81を引起し装置のクランプ74a〜74cと干渉しない位置まで上昇させ、その状態で図示しない駆動機構によりエアシリンダ80,80を支持したスライダを移動させて、鉄心ブロックBnを巻回積層装置14側に移動させる。
【0113】
搬送装置15は、図14に示すように、鉄心ブロックBnを巻回積層装置14の手前の位置に配置された定盤16の上方まで搬送したところで、エアシリンダ80,80のピストンロッドを伸長させて鉄心ブロックBnを下降させ、次いでエアシリンダ82,82の付勢を解いて鉄心ブロックBnのクランプを一旦解除する。これにより、鉄心ブロックBnを、その幅方向を垂直方向に向けたままの状態で定盤16の上に下ろし、該鉄心ブロックBnの下端側の積層面を定盤16の上面に当接させる。このとき鉄心ブロックBnを構成する単位鋼板の下端がそれぞれの自重により定盤16に当接するため、鉄心ブロックBnの下端側の積層面がきれいに揃った状態になる。その後、再びクランプ具81,81により鉄心ブロックBnをクランプして、クランプした鉄心ブロックBnを巻回積層装置14に供給する。
【0114】
(d)巻回積層装置の構成
巻回積層装置14は、図1及び図15に示されているように、固定フレーム84(図15A参照)に固定されたガイドレール85,85により搬送装置15による鉄心ブロックの搬送方向(図15Bの矢印H方向)に対して45度傾いた方向(図15Bの矢印X方向)にスライド自在に支持されたスライダ86を備えていて、該スライダ86の上面に円板状の面板87が図示しないベアリングを介して回転自在に支持されている。面板87は、その上面が巻回積層装置14の手前の位置に配置された定盤16の上面と同一平面上に位置するように位置決めされている。
【0115】
スライダ86の下方には支持板88がその板面を水平方向に向けた状態で配置され、該支持板88とスライダ86との間が正方形の4つの頂点をそれぞれ通って垂直方向に延びるように設けられた4本のガイド軸89により連結されている。スライダ86と支持板88との間には昇降板90が配置され、該昇降板90に設けられた4つの軸貫通孔にそれぞれガイド軸89がスライド自在に嵌合されて、昇降板90が上下動自在に支持されている。支持板88の下面に取り付けられたエアシリンダ91のピストンロッド91Aが昇降板90に連結され、該エアシリンダ91により、昇降板90が垂直方向(図15AのZ方向)に駆動されるようになっている。
【0116】
昇降板90の上面には、面板87と中心軸線を共有する回転軸92Aを備えた巻枠支持装置92が取り付けられ、該巻枠支持装置92の回転軸92Aに、面板87の中心部に設けられた孔をスライド自在に貫通した円柱状の巻枠93が取り付けられている。
【0117】
巻枠93は、上記の構成により、面板87に対して回転自在、かつ垂直方向に移動自在に支持されていて、エアシリンダ91のピストンロッド91Aを下降させた際に、図16に示すように巻枠93が下方に退避して、その上面が面板87の上面と同一平面上に位置する状態になるようになっている。巻枠93はまた、スライダ86及び面板87とともに、搬送装置15による鉄心ブロックの搬送方向(図15Bの矢印H方向)に対して45度傾斜したX方向にスライドし得るようになっている。
【0118】
巻回積層装置14はまた、ループ状に形成されたエンドレスの巻込みベルト94を備えている。巻込みベルト94は、スライダー86とともに移動する図示しないフレームに回転自在に支持された固定ローラ95a〜95gと、エアシリンダを駆動源とした付勢装置96により固定ローラ95g側に旋回するように付勢された旋回アーム97の先端に取り付けられた旋回ローラ95hと、アキュミュレータシリンダ98のピストンロッド98Aの先端に取り付けられたベルトアキュミュローラ95iとにより、一部が巻枠93の外周に沿い、一部がベルト駆動プーリ99の外周を経由するようにガイドされている。ベルト駆動プーリ99は、図示しない回転駆動源により回転駆動されるようになっていて、該ベルト駆動プーリにより、巻込みベルト94が一方向に走行させられるようになっている。旋回ローラ95hの働きと、アキュミュローラ95iの働きとにより、巻込みベルト94の緩みが吸収されて、該巻込みベルト94の巻枠93の外周に沿う部分が常時巻枠93側に押し付けられるようになっている。
【0119】
図示の例では、旋回ローラ95hが固定ローラ95gに所定のギャップを介して対向する位置に配置されていて、旋回ローラ95hと固定ローラ95gとの間に巻回積層装置14の鉄心ブロック供給口14Aが形成されている。巻回積層装置14のスライダー86をガイドレール85に沿って移動させるために、サーボモータ等を駆動源とした図示しない駆動装置が設けられていて、搬送装置15により搬送されてくる鉄心ブロックBnを常に固定ローラ95gにベルト94を介して接触させた状態で巻込みベルト94と巻枠93との間、または巻込みベルト94と巻枠に既に巻回された鉄心ブロックとの間に受け入れるように、巻枠93に巻回される鉄心ブロックの数の増加に伴って、スライダ86が鉄心ブロックの搬送方向に対して45度傾斜した方向に所定の距離ずつ移動させられるようになっている。
【0120】
鉄心ブロックBnを巻込む際に、該鉄心ブロックの下端側の積層面を面板87に押し付ける力を生じさせるようにするため、巻込みベルト94は、その幅方向の中心が巻き込む鉄心ブロックBnの幅方向の中心よりも上側に寄った位置に位置するように設けるのが好ましい。
【0121】
完成した巻鉄心の搬出を容易にするため、図示の例では、ローラ95a〜95iを支持したフレーム(図示せず。)が垂直方向に昇降し得るようになっており、巻鉄心が完成した後、巻込みベルト94を緩めて、該フレームを上昇させることにより、巻込みベルト94をローラ95a〜95iとともに、巻鉄心と干渉しない位置まで退避させることができるようになっている。
【0122】
(e)図1に示した巻鉄心製造装置の動作
図1に示した装置では、鋼板段積み装置13が鉄心ブロックBnを形成する毎に、鉄心ブロック引起し装置13のクランプ74a〜74cを固定テーブル21側に移動させて、固定テーブル21上の鉄心ブロックBnをクランプし、クランプした鉄心ブロックBnを引き起こして、図12に示すように、その幅方向を垂直方向に向けた状態にする。次いで、引き起された鉄心ブロックBnを搬送装置15のクランプ具81,81により上方からクランプし、クランプ具81,81と引起し装置13のクランプ74a〜74cとが干渉しなくなる位置まで鉄心ブロックBnを上昇させた後、鉄心ブロックBnを巻回積層装置14の鉄心ブロック供給口14Aに向けて搬送する。
【0123】
このようにして幅方向を垂直方向に向けた鉄心ブロックBnを、図14及び図17(A)に示したように、巻回積層装置14の手前の位置まで搬送したところで、該鉄心ブロックのクランプを緩めて鉄心ブロックを定盤16の上に下ろし、鉄心ブロックBnを構成する単位鋼板の幅方向の中心位置を揃える。
【0124】
次いで、単位鋼板の幅方向の中心位置を揃えた鉄心ブロックBnを巻回積層装置の鉄心ブロック供給口14Aに供給して、該鉄心ブロックBnを、その下端側の積層面を面板87の上面に当接させた状態で、巻枠93と巻込みベルト94との間に巻込むことにより、各鉄心ブロックBnの下端側の積層面を同一の平面上に位置させた状態で巻枠93に巻き付ける。
【0125】
上記の動作を繰り返すことにより、巻鉄心の最内周側に配置される同じ幅寸法の鉄心ブロック群の巻回積層作業を所定回数行う。同じ幅寸法の鉄心ブロック群の巻回積層作業が所定回数完了したところで、アンコイラ29のドラム30を交換して鋼板SSの幅寸法を変更し、この鋼板を用いて、鉄心ブロックBnの形成と、鉄心ブロックの巻回積層作業とを所定回数行い、巻鉄心の最内周側に配置される鉄心ブロック群の上に巻回積層される次の鉄心ブロック群の巻回積層作業を行う。これらの動作を順次行うことにより、所定の断面形状を有する巻鉄心100を巻回する。最後に鋼板SSを切断機27により切断して、巻鉄心の最外周に巻き付ける鋼板を製作し、該鋼板を引起し装置13により引起こした後搬送装置15により搬送して、巻回積層装置14に供給する。これにより巻鉄心の最外周に鋼板を巻回する。その後最外周に巻き付けた鋼板の両端を溶接して巻鉄心を完成する。
【0126】
巻鉄心が完成した後、ローラ95a〜95iを巻込みベルト94とともに支持している図示しないフレームを上昇させて、図17(B)に示すように、巻込みベルト94及びローラ群を巻鉄心100と干渉しない位置に退避させる。次いで図17(C)に示すように、巻枠93を下降させて、該巻枠の上端を面板87と面一の状態にする。その後図17(D)に示すように、プッシュロッド101等により面板87上の巻鉄心100をローラコンベア102に向けて押し出し、該コンベア102により巻鉄心100を次工程に搬送する。
【0127】
その後図17(E)に示すように、巻枠93を上昇させて、面板87から上方に突出させ、ローラ95a〜95iをベルト94とともに支持しているフレームを下降させて、巻込みベルトが巻枠と協働する状態にする。
【0128】
上記のように、巻回積層装置14の手前に定盤16を配置して、各鉄心ブロックBnを構成する単位鋼板の幅方向の中心位置を揃える過程を行うようにすると、固定テーブル21上に積層された各鉄心ブロックの積層面に乱れがある場合に、その乱れを修正してから各鉄心ブロックを巻回積層装置14に供給することができるため、積層面に乱れがない巻鉄心を得ることができる。
【0129】
本発明の方法により得られる巻鉄心100は、図18にその一例を示したように、全ての鉄心ブロックの幅方向の一端側(図18の状態では下端側)の積層面が同一平面上に位置した構造を有するものとなる。
【0130】
本発明の方法により得られた巻鉄心は、次工程で必要に応じて矩形状に成形された後焼鈍される。焼鈍された巻鉄心を巻線の窓部内に嵌装する際には、各鉄心ブロックを接合部のところで開いて、鉄心の脚部を巻線の窓部内に挿入し、該鉄心の接合部を閉じる。図18に示したように、巻鉄心が種々の幅寸法の鉄心ブロックを組み合わせたものからなる段付きの巻鉄心である場合には、各鉄心ブロックの接合部を開いて積層されている鉄心ブロック相互間の拘束を緩めた段階で、各鉄心ブロックの幅方向の中心位置を一致させるように鉄心ブロック相互間の位置を修正して、図19に示したように、幅方向の両端に段部が正しく形成された形状にし、その後、脚部を巻線の窓部内に嵌装する。このように、各鉄心ブロックの位置関係は、巻鉄心を巻線の窓部に嵌装する際に修正すればよいため、本発明のように、全ての鉄心ブロックの一方の積層面を同一平面上に位置させた状態で段付きの巻鉄心を製造するようにしてもなんら差し支えがない。
【0131】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、巻回積層装置に上面が水平な面板と、該面板と軸線を共有する(軸線が垂直方向に伸びる)巻枠と、一部が巻枠の外周に沿って走行する巻込みベルトとを設けて、幅方向を垂直方向に向けた鉄心ブロックを、その下端側の積層面を水平な面板の上面に当接させた状態で巻枠と巻込みベルトとの間に巻き込むようにしたので、一連の鉄心ブロックの下端の積層面をそれぞれの自重により面板に当接した状態に保持しつつ常にその幅方向の中心を通る軸線の方向を巻枠の巻回軸線と直交する方向(水平方向)に一致した状態で巻枠に巻回することができる。したがって、一連の鉄心ブロックを正しい形で巻回積層することができるため、積層面から鉄心ブロックのエッジが出っ張った状態になって積層面が乱れるのを防ぐことができる。
【0132】
また本発明によれば、各鉄心ブロックが歪んだ形で巻回されるのを防ぐことができるため、各鉄心ブロックの両端を常に正しく接合して、磁気特性が優れた高品質の巻鉄心を得ることができる。
【0133】
特に本発明において、巻回積層装置の手前に定盤を配置しておいて、幅方向を垂直方向に向けて搬送した鉄心ブロックのクランプを一端緩めて定盤の上に下ろすようにした場合には、各鉄心ブロックを構成する単位鋼板の下端をその自重により定盤に当接させて各単位鋼板の幅方向の中心位置を揃えることができるため、各鉄心ブロックの積層面から鋼板のエッジ部が飛び出すのを確実に防いで、積層面に乱れがない巻鉄心を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる巻鉄心製造装置の全体的な構成を概略的に示した斜視図である。
【図2】 図1に示した巻鉄心製造装置で用いる鋼板段積み装置の要部の構成を示した正面図である。
【図3】 図2のA−A線断面図である。
【図4】 図2のB−B線断面図である。
【図5】 (A)ないし(E)は図1に示した装置の動作を順に追って示した動作説明図である。
【図6】 (A)ないし(E)は図5(E)に示した動作に続いて行われる動作を順に追って示した動作説明図である。
【図7】 本発明で用いる鋼板段積み装置の制御装置を実現するためにコンピュータにより実行されるプログラムのアルゴリズムの一例を示したフローチャートである。
【図8】 図1の装置で用いる鋼板段積み装置の動作を示すタイムチャートである。
【図9】 図1に示した装置において固定テーブル上に送給される単位鋼板の先端と先端クランプローラとの位置関係を説明する説明図である。
【図10】 図1の巻鉄心製造装置で用いる鉄心ブロック引起し装置の動作を説明する斜視図である。
【図11】 図1の巻鉄心製造装置で用いる鉄心ブロック引起し装置の動作を説明する斜視図である。
【図12】 図1の巻鉄心製造装置で用いる鉄心ブロック引起し装置の動作を説明する斜視図である。
【図13】 図1の巻鉄心製造装置で用いる搬送装置の動作を説明する斜視図である。
【図14】 図1の巻鉄心製造装置で用いる搬送装置の動作を説明する斜視図である。
【図15】 図1の巻鉄心製造装置で用いる巻回積層装置の要部を示したもので、(A)は鉄心ブロックを巻枠に巻回する際の要部の状態を示した縦断面図、(B)は同要部の上面図である。
【図16】 図1の巻鉄心製造装置で用いる巻回積層装置の巻枠を退避させた状態を示した要部の縦断面図である。
【図17】 (A)ないし(E)は図1の巻鉄心製造装置で用いる巻回積層装置の動作説明図である。
【図18】 本発明の方法により製造される巻鉄心の断面形状を示す断面図である。
【図19】 従来の方法により製造される巻鉄心の断面形状を示す断面図である。
【図20】 巻鉄心の接合部の構造の一例を示した説明図である。
【図21】 巻鉄心の接合部の構造の他の例を示した説明図である。
【図22】 巻鉄心の接合部の構造の更に他の例を示した説明図である。
【図23】 円形巻鉄心の構造の一例を概略的に示した正面図である。
【図24】 矩形巻鉄心の構造の一例を概略的に示した正面図である。
【図25】 巻鉄心の接合部の構造の一例を示した説明図である。
【図26】 従来の巻鉄心製造装置で用いられていた鋼板段積み装置の構成を示した構成図である。
【図27】 鉄心ブロックを巻回積層して巻鉄心を製造する際に用いる巻回積層装置の構成を概略的に示した構成図である。
【図28】 図26に示した鋼板段積み装置の動作を説明するためのタイムチャートである。
【符号の説明】
12 鋼板段積み装置
13 鉄心ブロック引起し装置
14 巻回積層装置
15 搬送装置
16 定盤
21 固定テーブル
24 鋼板フィーダ
27 切断機
34 第1のスライダ
35 第2のスライダ
38 ボールネジ
40 ナット
41 先端クランプシリンダ
42 クランプアーム
43 先端クランプローラ
44 先端クランプ
50 ステップ送りシリンダ
60 ステップ送りクランプシリンダ
62 クランプ金具
65 ステップ送りクランプ
66 ステップ送り機構
67 クランプ送り機構
73 回動軸
74a〜74c 鉄心ブロック引起し装置のクランプ
77 エアシリンダ
80 エアシリンダ
81 クランプ具
87 面板
93 巻枠
94 巻込みベルト
MT モータ

Claims (6)

  1. 所定枚数の帯板状の単位鋼板をそれぞれの長さ方向を一致させた状態で固定テーブル上に積層して鉄心ブロックを順次形成する工程と、順次形成される鉄心ブロックを巻回積層装置に供給することにより横断面が円形を呈するように巻回して積層する工程とを行うことにより、複数の鉄心ブロックを円形に巻回して積層した構造を有する円形巻鉄心を製造する巻鉄心の製造方法において、
    前記巻回積層装置は、上面が水平方向に沿うように配置された回転自在な円形の面板と、前記面板と軸線を共有し、かつ前記面板から上方に突出した状態で回転し得るように設けられた巻枠と、一部が前記巻枠の外周に沿って走行するように設けられたエンドレスの巻込みベルトと、前記巻込みベルトを走行させるベルト駆動装置とを備えて、前記鉄心ブロックを前記巻枠と巻込みベルトとの間に巻き込むことにより円形に巻回するように構成しておき、
    前記巻回積層装置の手前の位置に上面が水平な定盤を配置しておき、
    前記鉄心ブロックを順次形成する工程で形成される鉄心ブロックをクランプして該鉄心ブロックの幅方向を水平面に対して垂直な方向に向けるように該鉄心ブロックを引起し、
    引き起して幅方向を水平面に対して垂直な方向に向けた鉄心ブロックをクランプして前記巻回積層装置に向けて搬送し、
    幅方向を水平面に対して垂直な方向に向けた各鉄心ブロックを巻回積層装置の手前の位置まで搬送したところで該鉄心ブロックのクランプを緩めて、該鉄心ブロックを前記定盤の上に下ろすことにより該鉄心ブロックを構成する単位鋼板の幅方向の下側の端面を揃え、
    次いで単位鋼板の幅方向の下側の端面を揃えた鉄心ブロックを、その下端側の積層面を前記面板の上面に当接させた状態で前記巻枠と巻込みベルトとの間に巻込むことにより、各鉄心ブロックの幅方向の一端側の積層面を同一の平面上に位置させた状態で前記円形巻鉄心を形成することを特徴とする巻鉄心の製造方法。
  2. 所定枚数の帯板状の単位鋼板をそれぞれの長さ方向を一致させた状態で固定テーブル上に積層して鉄心ブロックを順次形成する鋼板段積み装置と、前記鋼板段積み装置により順次形成される鉄心ブロックを横断面が円形を呈するように巻回して積層することにより、複数の鉄心ブロックを円形に巻回して積層した構造を有する円形巻鉄心を形成する巻回積層装置とを備えた巻鉄心製造装置において、
    前記鋼板段積み装置により形成された鉄心ブロックを受け取って該鉄心ブロックの幅方向を水平面に対して垂直方向に向けるように該鉄心ブロックを引起す鉄心ブロック引起し装置と、前記鉄心ブロック引起し装置により引き起された鉄心ブロックを前記巻回積層装置に向けて搬送する搬送装置と、前記巻回積層装置の手前の位置に配置された上面が水平な定盤とを具備し、
    前記巻回積層装置は、上面が水平方向に沿うように配置された回転自在な円形の面板と、前記面板と軸線を共有し、かつ前記面板から上方に突出した状態で該面板とともに回転し得るように設けられた巻枠と、一部が前記巻枠の外周に沿って走行するように設けられたエンドレスの巻込みベルトと、前記巻込みベルトを走行させるベルト駆動装置とを備えて、前記鉄心ブロックを前記巻枠と巻込みベルトとの間に巻き込むことにより円形に巻回するように構成され、
    前記搬送装置は、前記鉄心ブロック引起し装置により引き起された鉄心ブロックをクランプして該鉄心ブロックの幅方向を水平面に対して垂直な方向に向けたままの状態で前記巻回積層装置に向けて搬送する動作と、該鉄心ブロックを前記巻回積層装置の手前の位置まで搬送したところで該鉄心ブロックのクランプを緩めて該鉄心ブロックを重力によって前記定盤の上に下ろすことにより該鉄心ブロックの下端側の積層面を前記定盤の上面に当接させて搬送した鉄心ブロックを構成する単位鋼板の幅方向の下側の端面を揃える動作と、該鉄心ブロックを再度クランプして前記巻回積層装置側に搬送する動作と、前記巻回積層装置側に搬送した鉄心ブロックの下端側の積層面を前記面板の上面に当接させた状態で該鉄心ブロックの先端を前記巻枠と巻込みベルトとの間に供給する動作とを行うように構成されていることを特徴とする巻鉄心製造装置。
  3. 前記巻込みベルトは、その幅方向の中心が巻き込む鉄心ブロックの幅方向の中心よりも上側に寄った位置に位置するように設けられている請求項2に記載の巻鉄心製造装置。
  4. 水平な鋼板保持面を有する固定テーブルと、帯板状の鋼板をその長手方向を搬送方向に一致させた状態で前記固定テーブル側に搬送する鋼板フィーダと、前記鋼板フィーダにより搬送された鋼板を切断する切断機とを備えて、前記固定テーブルの鋼板保持面上に順次供給される鋼板を前記切断機で切断することにより長さが所定の寸法差ΔXだけ異なる複数枚の短冊状の単位鋼板を形成して、該複数枚の単位鋼板をそれぞれの先端部の位置を順次長手方向にずらし寸法ΔLずつずらした状態で前記固定テーブルの鋼板保持面上に積み重ねて鉄心ブロックを形成する鋼板段積み装置と、鉄心ブロックを円形に巻回して積層する巻回積層装置とを備えた巻鉄心製造装置において、
    前記鋼板段積み装置により形成された鉄心ブロックを受け取って該鉄心ブロックの幅方向を水平面に対して垂直な方向に向けるように該鉄心ブロックを90度回転させて引起す鉄心ブロック引起し装置と、前記鉄心ブロック引起し装置により引き起された鉄心ブロックを前記巻回積層装置に向けて搬送する搬送装置とを具備し、
    前記鋼板段積み装置は、上下動自在に配置されたクランプローラと該クランプローラを固定テーブルの鋼板保持面側に付勢するクランプローラ付勢手段とを有して該付勢手段の付勢力に抗してクランプローラの下側に押し込まれた単位鋼板の先端部付近を前記固定テーブルに対してクランプする先端クランプと、前記先端クランプよりも鋼板の搬送方向の後方側の位置で前記固定テーブル上の単位鋼板を一括してクランプするように構成されて前記先端クランプから一定の距離を隔てた原位置と該原位置よりも先端クランプ側に設定された前進位置との間を先端クランプに対して相対的に変位し得るように設けられたステップ送りクランプと、前記ステップ送りクランプを前記原位置と前進位置との間で往復移動させるステップ送り機構と、数値制御されるモータを駆動源として前記先端クランプ及びステップ送りクランプを前記単位鋼板の長手方向に沿って移動させるクランプ送り機構と、前記鋼板フィーダにより固定テーブル上に搬送された鋼板の長さが各単位鋼板の長さに相当する値に等しくなったときに該鋼板の搬送を停止させて前記原位置に位置させたステップ送りクランプにより固定テーブル上の鋼板を一括してクランプした後該鋼板を切断して前記単位鋼板を形成する単位鋼板形成動作と前記原位置で固定テーブル上の単位鋼板を一括してクランプしているステップ送りクランプを該ステップ送りクランプと先端クランプとの間の距離を短縮する側に前記ずらし寸法ΔLだけ変位させてステップ送りクランプによりクランプされている単位鋼板の先端を前記先端クランプのクランプローラの下側に押し込むステップ送り動作と前記ステップ送りクランプ及び先端クランプを鋼板の搬送方向の前方側に前記寸法差ΔXだけ移動させる寸法差分送り動作とを行わせるように前記鋼板フィーダと切断機とステップ送りクランプとステップ送り機構とクランプ送り機構とを制御する制御装置とを備えてなり、
    前記巻回積層装置は、上面が水平方向に沿うように配置された回転自在な円形の面板と、前記面板と軸線を共有し、かつ前記面板から上方に突出した状態で該面板とともに回転し得るように設けられた巻枠と、一部が前記巻枠の外周に沿って走行するように設けられたエンドレスの巻込みベルトと、前記巻込みベルトを走行させるベルト駆動装置とを備えて、前記鉄心ブロックを前記巻枠と巻込みベルトとの間に巻き込むことにより円形に巻回するように構成され、
    前記巻込みベルトは、その幅方向の中心が巻き込む鉄心ブロックの幅方向の中心よりも上側に寄った位置に位置するように設けられ、
    前記巻回積層装置の鉄心ブロック受け入れ側の端部の側方に、上面を前記面板の上面と同一平面上に位置させた定盤が配置され、
    前記搬送装置は、前記鉄心ブロック引起し装置により引き起された鉄心ブロックをクランプして該鉄心ブロックの幅方向を水平面に対して垂直な方向に向けたままの状態で前記巻回積層装置に向けて搬送する動作と、前記鉄心ブロックを前記定盤の上方まで搬送したところで該鉄心ブロックのクランプを緩めて該鉄心ブロックを重力によって前記定盤の上に下ろすことにより該鉄心ブロックの下端側の積層面を前記定盤の上面に当接させて搬送した鉄心ブロックを構成する単位鋼板の幅方向の下側の端面を揃える動作と、該鉄心ブロックを再度クランプして前記巻回積層装置側に搬送する動作と、前記巻回積層装置側に搬送した鉄心ブロックの下端側の積層面を前記面板の上面に当接させた状態で該鉄心ブロックの先端を前記巻枠と巻込みベルトとの間に供給する動作とを行うように構成されていることを特徴とする巻鉄心製造装置。
  5. 所定枚数の帯板状の単位鋼板をそれぞれの長さ方向を一致させた状態で固定テーブル上に積層して鉄心ブロックを順次形成する鋼板段積み装置と、前記鋼板段積み装置により順次形成される鉄心ブロックを横断面が円形を呈するように巻回して積層することにより、複数の鉄心ブロックを円形に巻回して積層した構造を有する円形巻鉄心を形成する巻回積層装置とを備えた巻鉄心製造装置において、
    前記鋼板段積み装置により形成された鉄心ブロックを受け取って該鉄心ブロックの幅方向を水平面に対して垂直な方向に向けるように該鉄心ブロックを引起す鉄心ブロック引起し装置と、前記鉄心ブロック引起し装置により引き起された鉄心ブロックを前記巻回積層装置に向けて搬送する搬送装置とを具備し、
    前記巻回積層装置は、上面が水平方向に沿うように配置された回転自在な円形の面板と、前記面板と軸線を共有し、かつ前記面板から上方に突出した状態で該面板とともに回転し得るように設けられた巻枠と、一部が前記巻枠の外周に沿って走行するように設けられたエンドレスの巻込みベルトと、前記巻込みベルトを走行させるベルト駆動装置とを備えて、前記鉄心ブロックを前記巻枠と巻込みベルトとの間に巻き込むことにより円形に巻回するように構成され、
    前記巻回積層装置の鉄心ブロック受け入れ側の端部の側方に、上面を前記面板の上面と同一平面上に位置させた定盤が配置され、
    前記搬送装置は、前記鉄心ブロック引起し装置により引き起された鉄心ブロックをクランプして該鉄心ブロックの幅方向を水平面に対して垂直な方向に向けたままの状態で前記巻回積層装置に向けて搬送する動作と、前記鉄心ブロックを前記定盤の上方まで搬送したところで該鉄心ブロックのクランプを一旦解除してクランプしていた鉄心ブロックを重力によって前記定盤上に下ろすことにより該鉄心ブロックの下端側の積層面を前記定盤の上面に当接させる動作と、該鉄心ブロックを再度クランプして前記巻回積層装置側に搬送する動作と、前記巻回積層装置側に搬送した鉄心ブロックの下端側の積層面を前記面板の上面に当接させた状態で該鉄心ブロックの先端を前記巻枠と巻込みベルトとの間に供給する動作とを行うように構成され、
    前記巻枠は、前記面板に対して相対的に軸線方向に移動し得るように設けられ、
    前記鉄心ブロックを前記巻枠と巻込みベルトとの間に巻込む際には前記巻枠が前記面板よりも上方に突出して前記巻込みベルトと協働する状態になる位置まで上昇させられ、製造された巻鉄心を搬出する際には前記面板上の巻鉄心の内側から離脱した状態になる位置まで前記巻枠が下降させられるように構成されていることを特徴とする巻鉄心製造装置。
  6. 前記巻枠は、前記面板に対して相対的に軸線方向に移動し得るように設けられ、
    前記鉄心ブロックを前記巻枠と巻込みベルトとの間に巻込む際には前記巻枠が前記面板よりも上方に突出して前記巻込みベルトと協働する状態になる位置まで上昇させられ、製造された巻鉄心を搬出する際には前記面板上の巻鉄心の内側から離脱した状態になる位置まで前記巻枠が下降させられるように構成されていることを特徴とする請求項2,3,4または5に記載の巻鉄心製造装置。
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