JP4329388B2 - データ通信システム、データ通信装置及びデータ通信方法、並びにコンピュータ・プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信媒体上の識別情報が判らない通信相手とデータ通信を行なうデータ通信システム、データ通信装置及びデータ通信方法、接続確立方法及び接続確立装置、接続確立システム、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、目の前に居るなど実世界上の所在は明確であるが通信媒体上の識別情報が判らない通信相手と情報機器間で簡易で直接的なネットワーク接続の指示により接続を確立するデータ通信システム、データ通信装置及びデータ通信方法、接続確立方法及び接続確立装置、接続確立システム、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【0002】
さらに詳しくは、本発明は、ネットワーク構成が複雑でダイナミックに変化する通信環境下で、情報機器間で簡易で直感的・直接的なユーザ・インターフェース操作によりセキュアなネットワーク接続を確立するデータ通信システム、データ通信装置及びデータ通信方法、接続確立方法及び接続確立装置、接続確立システム、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、キーボードなどの一般的なユーザ・インターフェースを利用してスケーラビリティのあるネットワーク接続を行なうデータ通信システム、データ通信装置及びデータ通信方法、接続確立方法及び接続確立装置、接続確立システム、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【0003】
【従来の技術】
情報処理技術や情報通信技術が高度に発達した現代においては、パーソナル・コンピュータ(PC)や携帯情報端末をはじめとする情報機器がオフィスや家庭内などの実世界上の至るところに遍在する。このような環境下では、機器同士を接続して、いつでもどこでも欲しい情報を入手できるようにする「ユビキタス(Ubiquitous)・コンピューティング」の実現が期待される。
【0004】
例えば、PCやプリンタ、TV、ビデオ・レコーダ、デジタル・カメラ、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯電話、電話機、ゲーム機、さらにはマウスやキーボード、ヘッドセットを始めとする入出力機器などをネットワークに接続して使用することが一般的となってきている。ネットワークの媒体としては、例えば有線(Ethernet(登録商標)や電源線などのネットワーク)や無線(IEEE802.11など)が混在して利用されている。
【0005】
ユビキタス・コンピューティングの概念は、人がどこに移動しても利用できるコンピュータの環境が同じであることである。すなわち、「いつでもどこでも」なのだから、究極のユビキタス・コンピューティングは、必ずしも情報端末を必ずしも必要とはしない。
【0006】
しかしながら、ネットワーク上でデータ転送先となるコンピュータや周辺機器(すなわちターゲット)を指定したり、あるいは実世界上のオブジェクトに関連した情報を入手したりしようとすると、すぐ目の前にある相手であっても、その名前(若しくは、機器固有のIDやネットワーク・アドレス、ホスト・ネーム、URL(Uniform Resource Locator)などの資源識別情報)を知る必要がある。すなわち、ユーザ操作に関して言えば、間接的な形式でしかコンピュータ間の連携がなされておらず、煩雑で直感性にやや欠ける。言い換えれば、ユーザが正しくネットワーク接続を確立することができる直感的なユーザ・インターフェースを提供することが肝要である。
【0007】
最近では、任意の端末同士が直接非同期の無線通信を行なうことができるアドホック(Ad−hoc)通信が脚光を浴びている。例えば、以下のような場合にアドホック通信が採用される。
【0008】
(1)PDAなどの情報端末内のドキュメントをユーザの目の前にあるプリンタでハードコピー出力する。
(2)会議室のスクリーン上でプレゼンテーション資料を表示する。発表者のノートブック・コンピュータからプレゼンテーション用コンピュータへ無線ネットワーク経由でデータ伝送する。
(3)PDAが目の前のテレビ受像機のリモコンとなる。
(4)ホットスポット(Hotspot)などの公共ワイヤレス・サービスで、仲間内でファイル転送し合う。但し、データ伝送路がセキュアであることが望ましい。
【0009】
一般に、各機器は自身を特定するために、固有のIPアドレスやマシン名を使用する。ところが、ネットワーク構成が複雑でダイナミックに変化するような通信環境下では、アドレス・ベースで通信相手(target)を指定する方法は効率的でない。例えば、プリンタなどのターゲット装置のIPアドレスを逐次調べるのは煩わしい。また最近では、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)を始めとしてネットワーク・アドレスを装置に自動的に割り当てる機構が普及してきているが、通信相手を識別するという上記の観点からはユーザにとってさらに状況が複雑化してくる。
【0010】
例えば、物理的なアクションを利用して近接する機器間の接続を試みるシステムについて幾つかの提案がなされている(例えば、非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3を参照のこと)。しかしながら、これらのシステムは、RFID(無線周波数識別)タグや、赤外線ビーム、バーコードなどの認識センサを新たに装備する必要がある。すなわち、これらのセンサを搭載することができないような機器においては、効果的な手法とは言い難い。
【0011】
最近では、例えば「ケイトのパソコン」や「コピー室のプリンタ」といった理解し易い名前を用いてネットワーク上の資源にアクセスする手法について提案がなされている(例えば、非特許文献4を参照のこと)。この場合、ユーザは、メニュー・アイテムを選択することによって、通信相手を指定することができる。しかしながら、膨大な名前のリストを保守するための膨大な手間が必要である。
【0012】
また、この手法は、ワイヤレス・ヘッドセットのようなディスプレイ・スクリーンやGUI(Graphical User Interface)環境下での選択機能を装備しないようなデジタル機器と共存することはできない。
【0013】
【非特許文献1】
Want, R.他著“Bridging physical and virtual worlds with electronic tags”(In: CHI'99 Proceedings. (1999) pp.370-377)
【非特許文献2】
暦本他著“Augmented Surface: A spatially continuous workspace for hybrid computing environment”(In Proceedings of ACM CHI'99. (1999) pp.378-385)
【非特許文献3】
Swindells, C.他著“That one there! Pointing to establish device identity.”(In: Symposium on User Interface Software and Technology (UIST'02). (2002) pp.151-160)
【非特許文献4】
Zero Configuration Networking: (http://www.zeroconf.org)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、目の前に居るなど実世界上の所在は明確であるが通信媒体上の識別情報が判らない通信相手と情報機器間で簡易で直接的なネットワーク接続の指示により接続を確立することができる、優れたデータ通信システム、データ通信装置及びデータ通信方法、接続確立方法及び接続確立装置、接続確立システム、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0015】
本発明のさらなる目的は、ネットワーク構成が複雑でダイナミックに変化する通信環境下で、簡易で直感的・直接的なユーザ・インターフェース操作により情報機器間のセキュアなネットワーク接続を確立することができる、優れたデータ通信システム、データ通信装置及びデータ通信方法、接続確立方法及び接続確立装置、接続確立システム、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0016】
本発明のさらなる目的は、キーボードなどの一般的なユーザ・インターフェースを利用してスケーラビリティのあるネットワーク接続を行なうことができる、優れたデータ通信システム、データ通信装置及びデータ通信方法、接続確立方法及び接続確立装置、接続確立システム、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、複数のデータ通信装置が通信媒体を介してデータ通信を行なうデータ通信システムであって、
データ通信を行なう機器はユーザ操作を受容するユーザ・インターフェースを備え、前記ユーザ・インターフェースの一部に対するユーザ操作及びユーザ操作解除はネットワーク接続を指示する接続指示手段に割り当てられ、
通信相手となる双方の機器同士で互いの接続指示手段に対して同じタイミングでユーザ操作及びユーザ操作解除がなされたことに応答して、該ユーザ操作及びユーザ操作解除に関するタイミング情報を通信相手となる機器間で共有させるタイミング情報共有手段と、
同じユーザ操作及びユーザ操作解除に関するタイミング情報を共有する機器を前記通信媒体上で探索して通信相手を特定する探索手段と、
を具備することを特徴とするデータ通信システムである。
【0018】
但し、ここで言う「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない。
【0019】
第1の情報機器と第2の情報機器間の接続を確立することを考えた場合、第1の情報機器側では、そのユーザ・インターフェースに対する第1回目のユーザ操作が行なわれた第1の時間と、第2回目のユーザ操作が行なわれた第2の時間との差分からなる第1の時間差が取得される。同様に、第2の情報機器側では、そのユーザ・インターフェースに対する第1回目のユーザ操作が行なわれた第3の時間と、第2回目のユーザ操作が行なわれた第4の時間との差分からなる第2の時間差が取得される。
【0020】
第1及び第2の情報機器のユーザ・インターフェースに対してそれぞれ印加される物理的なユーザ操作は、ユーザが一連の動作で行なうことから、ある程度の誤差は含まれるものの同時性があり、第1及び第2の情報機器間で共有されるタイミング情報である。したがって、第1及び第2の時間差に基づいて前記第1及び第2の情報機器間の接続を確立することができる。
【0021】
すなわち、前記探索手段は、各機器において、ユーザ操作及びユーザ操作解除のタイミングを含んだ接続要求パケットを一斉送信するとともに、他の機器から受信した接続要求パケットからユーザ操作及びユーザ操作解除に関するタイミング情報を取り出し、自身が保持するユーザ操作及びユーザ操作解除のタイミング情報と比較し、両者が一致することにより機器間で識別し合うことができる。
【0022】
本発明によれば、ユーザが特定の機器間でネットワーク接続を確立したいと思ったとき、双方の機器において接続要求に割り当てられたユーザ・インターフェースすなわちSyncTapボタンを同時に押下操作するとともに同時に押下を解除すればよい。このようなユーザ操作を同期的に行ない互いにそのタイミングをチェックすることにより、互いを識別し合い、ネットワーク接続を開始することができる。すなわち、情報機器間で簡易で直感的・直接的なユーザ・インターフェース操作によりネットワーク接続を確立することができる。
【0023】
前記接続要求パケットには、例えば、自己のネットワーク識別情報とユーザ操作からユーザ操作解除までの時間間隔を含まれる。
【0024】
このような場合、タイミング情報の比較により通信相手の識別を行なうことができる。すなわち、前記通信相手識別手段は、自装置上で前記接続指示手段へのユーザ操作が解除された時点から接続要求パケットを受信した時点までの時間の差が所定の誤差限界値未満であるか、及び、前記タイミング情報記憶手段に保持されている前記接続指示手段をユーザ操作してから該ユーザ操作が解除されるまでの時間間隔と受信した接続要求パケットに含まれる該当時間間隔との差が誤差限界値であるかどうかを判別することによって、接続要求パケットの送信元が通信相手であるかどうかを識別することができる。
【0025】
このような通信相手の識別方法では、各機器において管理されている時間情報の相違により通信相手を識別し、各機器における計時時刻そのものを使用していないことから、機器間でシステム・タイマが同期している必要は全くない。
【0026】
また、接続しようとする2台の機器間で、前記接続指示手段をユーザ操作した時刻とユーザ操作を解除した時刻の2回で同時性を計測することにより、第3者との間で全く同時となる確率を充分に低くしている。
【0027】
前記接続指示手段は、キーボードのような一般的なユーザ・インターフェース上の一部の指示手段に割り当てられる。前記接続指示手段に対するユーザ操作が、通常のユーザ・インターフェース操作、又はネットワーク接続要求のいずれであるかを判別しなければならない。例えば、通常のユーザ・インターフェース操作を逸脱する場合には、ネットワーク接続要求として処理される。
【0028】
前記接続指示手段は、例えばキーボード上のEscキーを活用することができる。そして、前記接続指示手段に対するユーザ操作からユーザ装置解除までの時間間隔が所定値以下の場合は通常のインターフェース操作として処理され、該所定値を越える場合はネットワーク接続要求として処理される。
【0029】
ShiftキーをSyncTapボタンに割り当てた場合も同様である。他のいずれのキーとも組み合わせることなく、Shiftキーが押下されさらに押下が解除された場合、SyncTapボタンの操作として処理される。それ以外の場合には通常のShiftキー操作として処理される。
【0030】
また、本発明に係るデータ通信装置は、前記接続指示手段に対するユーザ操作解除がなされてから所定時間内に2又はそれ以上の接続要求パケットが到着したことに応答して衝突を検出する衝突検出手段をさらに備えてもよい。
【0031】
また、衝突を検出したことに応答して、ユーザに対して前記接続指示手段の再操作を要求する接続要求再試行手段をさらに備えてもよい。
【0032】
衝突検出時に受信した各接続要求パケットに含まれるネットワーク識別情報をすべて記憶し、前記接続要求の再試行時には該記憶しているネットワーク識別情報を持つ送信元からの接続要求パケットのみを受容するようにしてもよい。
【0033】
このような衝突検出・衝突回避方法によれば、他のネットワーク接続確立オペレーションとの衝突のために1回目のSyncTapオペレーションが失敗したとしても、2回目の試行時には、接続先の候補が既に大幅に削減されているので、ほとんど衝突なし(collision free)の状況となる。したがって、本発明に係るネットワーク接続方式にはスケーラビリティがあり、1つのLANセグメント上で数多のデータ通信装置がひしめき合うような通信環境にも適用することができる。
【0034】
また、データ通信装置は、公開鍵暗号方式の公開鍵を生成する手段をさらに備え、前記パケット送信手段は、接続要求パケットに公開鍵を含めて送信するようにしてもよい。
【0035】
このような場合、前記第2の機器により受信可能な方法で暗号鍵生成のための第1の種情報を送出し、あるいは前記第2の情報機器により送出された暗号鍵生成のための第2の種情報を取得し、接続の確立後に、種情報に基づいて暗号鍵を生成し、暗号鍵に基づく暗号処理を用いて通信を行なう。
【0036】
すなわち、通信相手との間で公開鍵を交換し合い、これら公開鍵を暗号化通信に用いられる共用秘密セッション鍵を計算するために使用することができる。ここで言う公開鍵は、例えば、Diffie−Hellman方式の公開鍵である。
【0037】
Diffie−Hellmanアルゴリズムは、一般に、"man−in−the−middle"(誰でも勝手に接続できる)問題を解決するため、通信路の端点を立証する付加的な手法を必要とする。これに対し、本発明に係るネットワーク接続方式を利用した場合、"man−in−the-middle"すなわち第三者が勝手に介在するためには、すべてのマルチキャスト・パケットを妨げ、これらに代えてなりすましのパケットを伝送しなければならないので、不正が著しく困難となる。
【0038】
また、データ通信装置は、前記通信相手識別手段により通信相手を識別したことに応じて、ユーザに対して何らかのフィードバックを与える手段をさらに備えてもよい。
【0039】
本発明に係るネットワーク接続方式は、近接する(すなわちユーザの両手が届く)機器間の接続に利用されるので、それぞれの機器は、ネットワーク接続に関して瞬時のフィードバックを容易に行なうことができる。例えば、ディスプレイ・スクリーン上にメッセージ・ウィンドウをポップアップ表示したり、LEDインジケータを点滅させたりして、ユーザにフィードバックを与えるようにする。これによって、隠れたman−in−the−middleホストを容易に検出することができるので、簡易な公開鍵交換方法であっても現実的な通信環境下で十分な信頼性を得ることができる。
【0040】
また、本発明の第2の側面は、他の情報機器との間で接続を確立するための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
機器上に装備された操作部に対し第1の物理的操作が行なわれた第1の時間と、前記操作部に対し第2の物理的操作が行なわれた第2の時間との差分からなる第1の時間差を取得するステップと、
接続先となる情報機器上で生成された、前記第1の時間に対応する第3の時間と、前記第2の時間に対応する第4の時間との差分からなる第2の時間差を取得するステップと、
前記第1及び第2の時間差に基づいて前記第1及び第2の情報機器間の接続を確立するステップとを備え、
前記第1及び第2の物理的操作はユーザが前記操作部に対し一連の動作で行なうことができる、
ことを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
【0041】
本発明の第2の側面に係るコンピュータ・プログラムは、コンピュータ・システム上で所定の処理を実現するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムを定義したものである。換言すれば、本発明の第2の側面に係るコンピュータ・プログラムをコンピュータ・システムにインストールすることによって、コンピュータ・システム上では協働的作用が発揮され、本発明の第1の側面に係るデータ通信システムと同様の作用効果を得ることができる。
【0042】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
【0044】
PCやプリンタ、TV、ビデオ・レコーダ、デジタル・カメラ、PDA、携帯電話、電話機、ゲーム機、さらにはマウスやキーボード、ヘッドセットを始めとする入出力機器などをネットワークに接続して使用することが一般的となってきている。他方、ネットワーク構成の複雑化により、ネットワーク・アドレスで通信相手を指定するのは煩雑な作業となる。このようなユビキタス環境下では、ユーザが通信相手をより直接的に指定することができる方法が望ましい。
【0045】
例えば、IrDAのような赤外線通信インターフェースを用いて機器間でIPアドレスを通信するという方法も考えられる。本出願人に既に譲渡されている特開2002−204239号公報には、接続する2者間だけで通信を行なえる別の手段(例えばRFIDタグなど)を併用し、このような通信手段を無線接続を確立するための最初の情報交換手段として用いる装置について開示されている(当該公開公報の内容は本明細書に組み込まれるものとする)。この場合、ユーザは、一方の情報機器からの赤外線ビームをターゲットとなる他方の機器に向ける。これがトリガとなって、機器間の無線通信が起動する。そして、セキュアなネットワーク接続を確立するためには、赤外線ビーム内にone−timeセッション・キーを含ませればよい。但し、この方法を実現するためには、すべての機器に赤外線送受信機を遍く搭載しなければならず、言い換えれば、通用しないこともある。
【0046】
本明細書では、通常の機器が最低限備えるハードウェア構成要素又はセンサを用いて、より簡素で直感的・直接的なユーザ操作に従って特定の機器間でネットワーク接続を確立する方法について開示する。
【0047】
機器は少なくとも1つのボタンを備えているものと仮定する。これは、キーボードやキーパッドのような、一般的な情報機器が備えるユーザ・インターフェースでよい。この1つのボタンを、ネットワーク接続を指示するボタン(以下では、「SyncTap」とも呼ぶ)に割り当てる。
【0048】
ユーザが特定の機器間でネットワーク接続を確立したいと思ったとき、双方の機器のSyncTapボタンを同時に押下操作するとともに同時に押下を解除する。このようなユーザ操作を同期的に行ない互いにそのタイミングをチェックすることにより、互いを識別し合い、ネットワーク接続を開始することができる。
【0049】
勿論、SyncTapボタンは他の用途に使用してもよい。例えば、パーソナル・コンピュータに装備されているキーボード上の1つのキーをSyncTapボタンとして割り当てた場合、本来のキー・ファンクションを無視することはない(後述)。
【0050】
A.システム構成
図1には、本発明に係るデータ通信システムの基本構成を模式的に示している。同図に示す例では、通信相手となる2台のデータ通信装置A及びBが、ネットワークを介して相互接続されている。それぞれのデータ通信装置A及びBは、互いの目の前に居て、SyncTapボタンの押下操作及び押下操作の解除タイミングを共有することができる。但し、各データ通信装置は、互いのネットワーク識別情報(IPアドレスなど)をまったく知らないものとする。
【0051】
ある時刻において、ユーザは、データ通信装置Aとデータ通信装置Bの間でネットワーク接続を行ないたいとする。このとき、ユーザは、双方の機器のSyncTapボタンを同時に押下操作するとともに同時に押下を解除する(図1(a)を参照のこと)。
【0052】
このような場合、データ通信装置A及びBは、同じSyncTapボタンの押下及び押下解除のタイミングを共有することができる(図1(b)を参照のこと)。ここで、データ通信装置A及びBは、それぞれのシステム・タイマで計時したSyncTapボタンの押下及び押下解除のタイミングの時刻を逐次的に記憶しておく。
【0053】
その後、各データ通信装置は、同じSyncTapボタンの押下及び押下解除のタイミングを共有する機器をネットワーク上で探索することにより、ユーザが指定した通信相手を識別することができる。より具体的には、データ通信装置A又はデータ通信装置Bの双方(あるいはいずれか一方)は、自身が記憶しているSyncTapボタンの押下及び押下解除に関するタイミング情報を含んだネットワーク接続要求(問い合わせ)パケットをネットワーク上でマルチキャスト送信することで、所望の通信相手を探し出すことができる(図1(c)を参照のこと)。勿論、マルチキャスト以外の通信方式によって、通信相手を探索するようにしてもよい。
【0054】
このような通信相手の探索作業は、ユーザが双方のデータ通信装置のSntcTapボタンを同時操作した直後から開始することができる。(勿論、相当期間が経過した後であってもSyncTapボタンの押下及び押下解除のタイミングが保存されている間であれば、いつ実行してもよいように構成することもできるが、この点については本明細書中では説明を省略する。)
【0055】
図2には、本実施形態に係るデータ通信システムにおいて動作することができるデータ通信装置のハードウェア構成の一例を示している。
【0056】
システム100のメイン・コントローラであるCPU(Central Processing Unit)101は、オペレーティング・システム(OS)の制御下で、各種のアプリケーションを実行する。CPU101は、例えば、通信アプリケーションや、SyncTapボタンに対するユーザ操作の観測及び保持、SyncTapボタンに対するユーザ情報を共有する通信相手の探索などを行なうアプリケーション・プログラムを実行することができる。図示の通り、CPU101は、バス108によって他の機器類(後述)と相互接続されている。
【0057】
メモリ102は、CPU101において実行されるプログラム・コードを格納したり、実行中の作業データを一時保管したりするために使用される記憶装置である。同図に示すメモリ102は、ROM(Read Only Memory)などの不揮発性メモリ及びDRAM(Dynamic RAM)などの揮発性メモリの双方を含むものと理解されたい。
【0058】
ディスプレイ・コントローラ103は、CPU101が発行する描画命令を実際に処理するための専用コントローラである。ディスプレイ・コントローラ103において処理された描画データは、例えばフレーム・バッファ(図示しない)に一旦書き込まれた後、ディスプレイ111によって画面出力される。
【0059】
入力機器インターフェース104は、キーボード112やマウス113などのユーザ入力機器をコンピュータ・システム100に接続するための装置である。
【0060】
本実施形態では、キーボード112又はその他のユーザ・インターフェース装置の一部は、SyncTapボタンに割り当てられている。ユーザが特定の機器間でネットワーク接続を確立したいと思ったとき、双方の機器のSyncTapボタンを同時に押下操作するとともに同時に押下を解除する。勿論、SyncTapボタンは他の用途に使用してもよい。例えば、キーボード112上の1つのキーをSyncTapボタンとして割り当てた場合、本来のキー・ファンクションを無視することはない。
【0061】
ネットワーク・インターフェース105は、Ethernet(登録商標)などの所定の通信プロトコルに従って、システム100をLAN(Local Area Network)などのネットワークに接続することができる。本実施形態では、データ通信装置100は、ネットワーク・インターフェース105を介してネットワーク接続要求(マルチキャスト・パケット)を送信したり、他のデータ通信装置とのネットワーク接続を確立することができる。
【0062】
外部機器インターフェース107は、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)114やメディア・ドライブ115などの外部装置をシステム100に接続するための装置である。
【0063】
HDD114は、記憶担体としての磁気ディスクを固定的に搭載した外部記憶装置であり(周知)、記憶容量やデータ転送速度などの点で他の外部記憶装置よりも優れている。ソフトウェア・プログラムを実行可能な状態でHDD114上に置くことをプログラムのシステムへの「インストール」と呼ぶ。HDD114には、例えばCPU101が実行すべきオペレーティング・システムのプログラム・コードや、アプリケーション・プログラム、デバイス・ドライバなどが不揮発的に格納されている。例えば、SyncTapボタンに対するユーザ操作の観測及び保持、SyncTapボタンに対するユーザ情報を共有する通信相手の探索などを行なうアプリケーション・プログラムがHDD114上にインストールされている。
【0064】
また、メディア・ドライブ115は、CD(Compact Disc)やMO(Magneto-Optical disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などの可搬型メディアを装填して、そのデータ記録面にアクセスするための装置である。可搬型メディアは、データやプログラムの装置間での移動に使用される。例えば、SyncTapボタンに対するユーザ操作の観測及び保持、SyncTapボタンに対するユーザ情報を共有する通信相手の探索などを行なうアプリケーション・プログラムを、可搬方メディアを媒介にしてデータ通信装置100にインストールすることができる。
【0065】
なお、図2に示すようなデータ通信装置100の一例は、米IBM社のパーソナル・コンピュータ"PC/AT(Personal Computer/Advanced Technology)"の互換機又は後継機などのパーソナル・コンピュータである。勿論、他のアーキテクチャを備えた情報処理端末、例えばPDAや携帯電話機、デジタル・カメラなどの情報機器や、テレビ受像機やAV録画再生装置などの情報家電を、本実施形態に係るデータ通信装置100として適用することも可能である。
【0066】
B.SyncTapオペレーションによるネットワーク接続
図1に示したようなSyncTapボタン操作に基づくネットワーク接続のメカニズムは、極めて簡素に構成することができる。例えば、ノートブック・コンピュータとデジタル・カメラをネットワーク接続したい場合、ユーザはこれらの機器上に設けられたSynctapボタンを同時に押下操作し、さらに同時に押下を解除するだけでよい。SyncTapボタンが解除されたことに応答して、双方のデータ通信装置は、以下の情報を含んだUDPパケットをマルチキャスト送信する。
【0067】
▲1▼SyncTapボタンを押下してから押下が解除されるまでの時間間隔
▲2▼送信元のIPアドレス
▲3▼セキュアなネットワーク接続のために使用される公開鍵情報(オプション)
【0068】
接続を行なう一方の情報機器側では、そのユーザ・インターフェースに対する第1回目のユーザ操作が行なわれた第1の時間と、第2回目のユーザ操作が行なわれた第2の時間との差分からなる第1の時間差が取得される。同様に、接続を行なう他方の情報機器側では、そのユーザ・インターフェースに対する第1回目のユーザ操作が行なわれた第3の時間と、第2回目のユーザ操作が行なわれた第4の時間との差分からなる第2の時間差が取得される。そして、それぞれの情報機器のユーザ・インターフェースに対してそれぞれ印加される物理的なユーザ操作は、ユーザが一連の動作で行なうことから、ある程度の誤差は含まれるものの同時性があり、第1及び第2の情報機器間で共有されるタイミング情報である。したがって、第1及び第2の時間差に基づいて情報機器間の接続を確立することができる。
【0069】
ここで、UDP(User Datagram Protocol)は、TCP(Transmission Control Protocol)とともに、インターネット標準のトランスポート層プロトコルとして当業界で広く知られている。TCPではセッションを確立してから通信を開始するのに対し、UDPではセッションの確率なしにデータを宛先に送り出す。UDPパケット伝送によれば、プロトコル処理が高速であるが、誤り訂正や再送の機能を持たない。
【0070】
このようなUDPパケットをマルチキャスト送信することにより、周辺のすべての機器(ユーザがSyncTapボタンを操作した機器に限定されない)は、特定のUDPポートで受信処理して、マルチキャスト・パケットを受信することができる。そして、SnycTapボタンがユーザ操作された双方の機器では、パケットを受信すると、自身が保持するSnycTapボタンのユーザ操作に関するタイミング情報と、パケットに含まれるSnycTapボタンのユーザ操作に関するタイミング情報とを比較し、自身へのネットワーク接続要求かどうかを判別する。
【0071】
図3には、本実施形態に係るデータ通信方式を利用してデータ通信装置Aとデータ通信装置Bがネットワーク接続するための動作シーケンスを示している。
【0072】
ユーザは、データ通信装置Aとデータ通信装置Bをネットワーク接続したいと思ったとき、双方の機器のSyncTapボタンを同時に押下操作するとともに同時に押下を解除する。
【0073】
本実施形態では、データ通信装置Aとデータ通信装置Bのシステム・タイマが同期している必要はない。すなわち、双方の機器のSyncTapボタンに対する操作が同期している必要はあるが、各機器において異なる時刻としてこれらを観測しても構わない。図3に示す例では、データ通信装置Aは、自身のSyncTapボタンが押下された時刻をT1、押下が解除された時刻をT2として記録する。また、データ通信装置Bは、自身のSyncTapボタンが押下された時刻をS1、押下が解除された時刻をS2として記録する。
【0074】
データ通信装置Aは、SyncTapボタンが解除されたことに応答して、ネットワーク接続を要求するパケットをUDPプロトコルに従ってマルチキャスト送信する。このパケットには、自身のIPアドレス(ここでは、仮に"A"とする)と、SyncTapボタンの押下を解除した時刻T2とSyncTapボタンを押下してから押下が解除されるまでの時間間隔T(=T2−T1)を含める。
【0075】
また、データ通信装置Bも、SyncTapボタンが解除されたことに応答して、ネットワーク接続を要求するパケットをUDPプロトコルに従ってマルチキャスト送信する。このパケットには、自身のIPアドレス(ここでは、仮に"B"とする)と、SyncTapボタンの押下を解除した時刻S2とSyncTapボタンを押下してから押下が解除されるまでの時間間隔S(=S2−S1)を含める。
【0076】
そして、データ通信装置Aからマルチキャスト送信されたパケットは、通信相手であるデータ通信装置Bに時刻S3に到着し、また、データ通信装置Bからマルチキャスト送信されたパケットは、通信相手であるデータ通信装置Aに時刻T3に到着したとする。
【0077】
データ通信装置A及びデータ通信装置Bでは、以下の事柄を比較することにより、到着パケットが自身に対するネットワーク接続要求であるかどうかをチェックする。
【0078】
▲1▼ローカルに保持されているSyncTapボタンの押下解除時刻とパケットの到着時刻
▲2▼ローカルに保持されているSyncTapボタンを押下してから押下が解除されるまでの時間間隔と、パケットに含まれるSyncTapボタンを押下してから押下が解除されるまでの時間間隔
【0079】
各機器上でSyncTapボタンを押下したり押下を解除したりする時刻は、ネットワーク遅延時間や、人間の動作上の精度などに起因して差異が生じる。そこで、本実施形態では、誤差限界値としてC1及びC2(固定値)を導入している。C1は、1人のユーザが両手を使って2台の装置に対して同時にSyncTapボタンを押下するとともに同時に押下を解除する時間間隔についての同時性の許容範囲である。また、C2は、1人のユーザが両手を使って2台の装置に対して同時にSyncTapボタンを押下した後に押下を解除する時刻についての同時性の許容範囲である。これら誤差限界値C1、C2は、例えば100〜200ミリ秒程度でよい。
【0080】
データ通信装置Aは、自装置上でSyncTapボタンが解除された時点(T2)からパケットを受信した時点(T3)までの時間の差|T3−T2|が誤差限界値C2未満であるか、及び、ローカルに保持されているSyncTapボタンを押下してから押下が解除されるまでの時間間隔Tとパケットに含まれるSyncTapボタンを押下してから押下が解除されるまでの時間間隔Sの差|T−S|が誤差限界値C1であるかどうかをチェックする。
【0081】
同様に、データ通信装置Bは、自装置上でSyncTapボタンが解除された時点(S2)からパケットを受信した時点(S3)までの時間の差|S3−S2|が誤差限界値C2未満であるか、及び、ローカルに保持されているSyncTapボタンを押下してから押下が解除されるまでの時間間隔Sと、パケットに含まれるSyncTapボタンを押下してから押下が解除されるまでの時間間隔Tの差|T−S|が誤差限界値C1であるかどうかをチェックする。
【0082】
そして、双方のデータ通信装置A及びBは、SyncTapボタンが解除されてからパケットを受信するまでの時間と、SyncTapボタンを押下してから押下が解除されるまでの時間間隔の差がいずれも誤差限界の範囲内である場合には、互いがユーザにより指定された通信相手であることを識別して、パケットに含まれている相手方のIPアドレスを用いてネットワーク接続を確立する。
【0083】
上述したネットワーク接続方法では、各機器において管理されている時間情報の相違により通信相手を識別し、各機器における計時時刻そのものを使用していないことから、機器間でシステム・タイマが同期している必要は全くない。
【0084】
本実施形態では、マルチキャスト・パケットの送信によりデータ通信装置間でSyncTapボタンの押下及び押下解除に関するタイミング情報を交換し、これらの同一性に基づいて、ネットワーク接続要求を識別することができる。図4には、SyncTapボタンの押下及び押下解除のタイミングに従った通信相手の同定方法を図解している。
【0085】
図4(a)に示す例では、2台のデータ通信装置間でSyncTapボタンの押下(press)及び押下解除(release)のタイミングがいずれも一致しているので、ネットワーク接続要求は受理される(accepted)。
【0086】
また、図4(b)に示す例では、2台のデータ通信装置間で、SyncTapボタンの押下解除のタイミングは一致しているものの、押下されたタイミングが相違することから、ネットワーク接続要求は受理されない(not accepted)。
【0087】
また、図4(c)に示す例では、3台のデータ通信装置間でSyncTapボタンの押下(press)及び押下解除(release)のタイミングがいずれも一致しているが、これは通信の衝突(collision)とみなされるので、ネットワーク接続要求は受理されない。
【0088】
また、図4(d)に示す例では、SyncTapボタンの押下(press)及び押下解除(release)のタイミングがいずれも一致するデータ通信装置の組み合わせが2つ存在する。このような場合、それぞれの組み合わせにおいてネットワーク接続要求が受理される。
【0089】
図5には、図3に示したようなネットワーク接続を行なうためのデータ通信装置上での処理動作をフローチャートの形式で示している。
【0090】
まず、SyncTapボタンが押下されると(ステップs1)、現在時刻を押下時刻T1として保存する(ステップs2)。
【0091】
また、SyncTapボタンの押下が解除されると(ステップs3)、現在時刻を押下解除時刻T2として保存する(ステップs4)。
【0092】
次いで、SyncTapボタンが押下されてから押下が解除されるまでの時刻T(=T1−T2)を計算するとともに、これが所定値C3以上であることを確認する(ステップs5)。そして、自身のIPアドレスと、SyncTapボタンのユーザ操作に関する時間情報Tを含んだネットワーク接続要求パケットを、ネットワーク上にマルチキャスト送信する(ステップs6)。
【0093】
SyncTapボタンは、機器上に新規に搭載してもよいが、パーソナル・コンピュータに接続されているキーボード上の特定のボタン(EscキーやShiftキーなど)のように既存のユーザ・インターフェース装置を活用することもできる。例えば、EscキーがSyncTapボタンに割り当てられている場合、即時に押下が解除されたときは通常のタイピング操作として処理されるが、押下が解除されるまでの時間間隔が所定値を越える場合は、SyncTapボタンの操作として処理され、Escキーの押下タイミングと押下解除タイミングがそれぞれT1、T2として扱われる(後述)。
【0094】
一方、他のデータ通信装置からマルチキャスト送信されたパケットを受信した場合には(ステップs7)、パケットから、送信元のIPアドレスとSyncTapボタンのユーザ操作に関する時間情報Sを取り出す。また、パケットの受信時刻をT3として保存する(ステップs8)。そして、自装置上でSyncTapボタンが解除された時点(T2)からパケットを受信した時点(T3)までの時間の差|T3−T2|が誤差限界値C2未満であるか(|T3−T2|<C2)、及び、ローカルに保持されているSyncTapボタンを押下してから押下が解除されるまでの時間間隔Tとパケットに含まれるSyncTapボタンを押下してから押下が解除されるまでの時間間隔Sの差|T−S|が誤差限界値C1であるかどうか(|T−S|<C1)をチェックする(ステップs9)。そして、この判別結果が肯定的であった場合には、ユーザにより指定された通信相手であることを識別して、パケットに含まれている相手方のIPアドレスを用いてネットワーク接続を確立する(ステップs10)。
【0095】
ステップs7〜s10の処理は、自ら接続要求するマルチキャスト・パケットを送信した場合にのみ起動するように限定してもよい。
【0096】
C.SyncTapボタンのキー割り当て
上述したようなSyncTapボタンを利用したネットワーク接続メカニズムは、各機器がネットワーク接続機能を装備するとともに、少なくとも1つのオペレーション可能なボタンを備えていることを前提とする。SyncTapボタンは、機器上に新規に搭載してもよいが、パーソナル・コンピュータに接続されているキーボード上の特定のボタン(EscキーやShiftキーなど)のように既存のユーザ・インターフェース装置を活用することもできる。あるいは、GUIスクリーン上のボタンとして実装することもできる。あるいは、単一ボタンの1回の押し放し操作だけではなく、ボタンの複数回の押し放し操作、又は、複数ボタンの操作シーケンスによってパケットを構成することができる(例えば、‘A’キーと‘ESC’キーを連続的に押した場合に、SyncTapボタンの操作として活用することができる)。
【0097】
例えば、SyncTapボタンに割り当てられたEscキーが押下されさらに即時(例えば500ミリ秒以内)に押下が解除された場合は、通常のタイピング操作として処理される。そして、Escキーが押下されてから押下が解除されるまでの時間間隔があらかじめ定められた値を越える場合には、SyncTapボタンの操作として処理される。
【0098】
また、ShiftキーをSyncTapボタンに割り当てた場合も同様に、通常のShiftキー操作であるかどうかに応じてSyncTapボタンの操作を検出する。すなわち、いずれのキーとも組み合わせることなく、Shiftキーが押下されさらに押下が解除されたときには、SyncTapボタンの操作として処理され、それ以外の場合(例えば、Shiftキーが単独で長押しされた場合)には通常のShiftキー操作として処理される。
【0099】
D.衝突検出
ある2台のデータ通信装置間でネットワーク接続を行なう際に、他の装置の組み合わせで別のネットワーク接続の開始が試行されることもある。この場合、他のSnycTapマルチキャスト・パケットが伝送される。
【0100】
図4(c)にも示したように、本実施形態に係るデータ通信システムでは、自装置上のSyncTapボタンが解除されてからある時間間隔内に届いたすべてのマルチキャスト・パケットを収集することにより、衝突検出(collision detection)を行なう。SyncTapボタンが解除されてから所定時間内に2又はそれ以上のマルチキャスト・パケットが到着した場合、データ通信装置は、衝突が発生したとみなす。
【0101】
本実施形態に係るネットワーク接続方式は、接続要求にマルチキャストを用いているので、同時に第3者が別の接続を試みた場合には、同様のマルチキャスト・パケットが送信されることになる。例えば、データ通信装置Aとデータ通信装置Bを接続しようとしているときに、同じ通信範囲内で全く同時にデータ通信装置Cとデータ通信装置Dを接続しようとした場合に、誤ってデータ通信装置Aとデータ通信装置C(あるいはデータ通信装置Bとデータ通信装置D)が接続しないように保証する必要がある。
【0102】
本実施形態では、SyncTapボタンを押下した時刻とその押下を解除した時刻の2回で同時性を計測するので、第3者との間で全く同時となる確率は充分に低い。また、衝突を検出した後、接続を再試行するときには、1回目の接続で受け取ったマルチキャスト・パケットの送信元だけに接続候補を限定することで、2回目(あるいはそれ以降)にさらに別のサイト同士の接続パケットと衝突することを回避する。
【0103】
衝突が発生した後、ユーザに対してSyncTapボタンを再度押下操作することを促し、ネットワーク接続要求を再試行する。
【0104】
データ通信装置は、衝突検出時に、各マルチキャスト・パケットに含まれるIPアドレスをすべて記憶しておく。そしてネットワーク接続要求の再試行時には、既に記録されているIPアドレスを持つ送信元からのマルチキャスト・パケットのみを受容する。
【0105】
図6には、データ通信装置がネットワーク接続を試みる際の衝突検出並びに衝突回避するための処理手順をフローチャートの形式で示している。この処理手順は、例えば図5に示す処理動作のうち例えばステップs7におけるマルチキャスト・パケットの受信処理内に組み込まれる。
【0106】
マルチキャスト・パケットを受信すると(ステップs11)、一定時間だけ待ち、さらに別のマルチキャスト・パケットが到着しないかを確かめる(ステップs12)。
【0107】
そして、別のマルチキャスト・パケットが到着した場合には、マルチキャスト・パケットの受信先を、受け取ったパケットの送信元に限定して(ステップs14)、ステップS11に戻り、マルチキャスト・パケットの再送を待機する。
【0108】
一方、一定時間内に別のマルチキャスト・パケットを受信しなかった場合には、ステップs15に進み、図5のステップs8〜s10に示すような通常の接続処理を行なう。
【0109】
図7には、衝突を検出した後、ネットワーク接続要求を再試行する様子を示している。同図に示す例では、ある通信環境下で、6台のデータ通信装置A〜Bが動作している。ここで、ある時間内に、3台のデータ通信装置A〜Cにおいてネットワーク接続を要求するマルチキャスト・パケットの送信が行なわれたとする。
【0110】
この結果、衝突検出により、ネットワーク接続の確立に失敗するが、各データ通信装置A〜Bは、受信したマルチキャスト・パケットの中からIPアドレスを取り出して記憶しておく。これによって、データ通信装置A〜Bは、互いをネットワーク接続の再試行時における候補グループであると認識する。そして、再試行時に、これら以外のデータ通信装置E、Fからもマルチキャスト・パケットが送信されても、候補グループ内では無視される。
【0111】
このような衝突検出・衝突回避方法によれば、他のネットワーク接続確立オペレーションとの衝突のために1回目のSyncTapオペレーションが失敗したとしても、2回目の試行時には、接続先の候補が既に大幅に削減されているので(1回目のメッセージ送信元に限定される)、ほとんど衝突なし(collision free)の状況となる。したがって、SyncTapオペレーションによるネットワーク接続にはスケーラビリティがあり、1つのLANセグメント上で数多のデータ通信装置がひしめき合うような通信環境にも適用することができる。
【0112】
なお、悪意のあるサイト(コンピュータ)が接続を妨害するために故意にマルチキャスト・パケットを大量に送出する、という事態も想定されるが、攻撃の存在を検出することが可能なので、通常のDOS(Denial of Service:サービス拒否攻撃)アタックと同様の手法により犯人を特定してネットワークから切り離すことで対処することができる。
【0113】
E.セキュアな通信
無線ネットワークにおいては、有線に比し傍受の危険性が高いので、伝送路を保護する必要がある。とりわけ、ホットスポットのような公共無線ネットワークにおいては、このことが該当する。
【0114】
マルチキャスト・パケットを用いてDiffie−Hellman公開鍵をピギーバック方式で伝送することにより、セキュアな通信のための共用セッション鍵を生成するために、上述したSyncTapオペレーションを利用することができる。なお、Diffie−Hellman公開鍵方式は、米国特許第4,200,770号明細書並びに米国特許第4,218,582号明細書に記載され、これら明細書の内容は本明細書に組み込まれるものとする。
【0115】
通信相手となる各データ通信装置は、それぞれ公開鍵を生成して、マルチキャスト・パケットを用いて交換し合う。これら公開鍵は、暗号化通信に用いられる共用秘密セッション鍵を計算するために使用される。
【0116】
図8には、SnycTapオペレーションを利用してデータ通信装置Aとデータ通信装置Bがネットワーク接続する際に、公開鍵を交換し合う動作シーケンスを示している。
【0117】
ユーザは、データ通信装置Aとデータ通信装置Bをネットワーク接続したいと思ったとき、双方の機器のSyncTapボタンを同時に押下操作するとともに同時に押下を解除する。このとき、データ通信装置Aは、自身のSyncTapボタンが押下された時刻をT1、押下が解除された時刻をT2として記録する。また、データ通信装置Bは、自身のSyncTapボタンが押下された時刻をS1、押下が解除された時刻をS2として記録する。
【0118】
データ通信装置Aは、乱数Xaを種情報として生成し、この乱数Xaを利用して公開鍵Ya(=GXa mod P)を生成する。また、データ通信装置Aは、SyncTapボタンが解除されたことに応答して、ネットワーク接続を要求するパケットをUDPプロトコルに従がってマルチキャスト送信する。このパケットには、自身のIPアドレス(ここでは、仮に"A"とする)と、SyncTapボタンの押下を解除した時刻T2とSyncTapボタンを押下してから押下が解除されるまでの時間間隔T(=T2−T1)と、公開鍵Yaを含める。
【0119】
他方のデータ通信装置Bも、乱数Xbを種情報として生成し、この乱数Xbを利用して公開鍵Yb(=GXb mod P)を生成する。また、データ通信装置Bは、SyncTapボタンが解除されたことに応答して、ネットワーク接続を要求するパケットをUDPプロトコルに従がってマルチキャスト送信する。このパケットには、自身のIPアドレス(ここでは、仮に"B"とする)と、SyncTapボタンの押下を解除した時刻S2とSyncTapボタンを押下してから押下が解除されるまでの時間間隔S(=S2−S1)と、公開鍵Xbを含める。
【0120】
なお、公開鍵の生成に使用されるG、Pはデータ通信装置Aとデータ通信装置Bの間で事前に合意した定数であり、公開されていても構わない。
【0121】
そして、データ通信装置Aからマルチキャスト送信されたパケットは、通信相手であるデータ通信装置Bに時刻S3に到着し、また、データ通信装置Bからマルチキャスト送信されたパケットは、通信相手であるデータ通信装置Aに時刻T3に到着したとする。データ通信装置A及びデータ通信装置Bでは、以下の事柄を比較することにより、到着パケットが自身に対するネットワーク接続要求であるかどうかをチェックする。
【0122】
▲1▼ローカルに保持されているSyncTapボタンの押下解除時刻とパケットの到着時刻
▲2▼ローカルに保持されているSyncTapボタンを押下してから押下が解除されるまでの時間間隔と、パケットに含まれるSyncTapボタンを押下してから押下が解除されるまでの時間間隔
【0123】
データ通信装置Aは、自装置上でSyncTapボタンが解除された時点(T2)からパケットを受信した時点(T3)までの時間の差|T3−T2|が誤差限界値C2未満であるか、及び、ローカルに保持されているSyncTapボタンを押下してから押下が解除されるまでの時間間隔Tとパケットに含まれるSyncTapボタンを押下してから押下が解除されるまでの時間間隔Sの差|T−S|が誤差限界値C1であるかどうかをチェックする。
【0124】
同様に、データ通信装置Bは、自装置上でSyncTapボタンが解除された時点(S2)からパケットを受信した時点(S3)までの時間の差|S3−S2|が誤差限界値C2未満であるか、及び、ローカルに保持されているSyncTapボタンを押下してから押下が解除されるまでの時間間隔Sと、パケットに含まれるSyncTapボタンを押下してから押下が解除されるまでの時間間隔Tの差|T−S|が誤差限界値C1であるかどうかをチェックする。
【0125】
そして、双方のデータ通信装置A及びBは、SyncTapボタンが解除されてからパケットを受信するまでの時間と、SyncTapボタンを押下してから押下が解除されるまでの時間間隔の差がいずれも誤差限界の範囲内である場合には、互いがユーザにより指定された通信相手であることを識別して、パケットに含まれている相手方のIPアドレスを用いてネットワーク接続を確立する。
【0126】
このとき、データ通信装置Aは、自身が保持する乱数Xaとデータ通信装置Bからのマルチキャスト・パケットに含まれる公開鍵Ybを用いて共用秘密セッション鍵K(=Yb Xa mod P)を生成する。また、データ通信装置Bは、自身が保持する乱数Xbとデータ通信装置Aからのマルチキャスト・パケットに含まれる公開鍵Yaを用いて共用秘密セッション鍵K(=Ya Xb mod P)を生成する。
【0127】
以後、データ通信装置Aとデータ通信装置Bの間では、共用秘密セッション鍵Kを用いて暗号化通信が行なわれる。例えば、公共ワイヤレス・インターネット接続サービスなどを提供するホットスポットにおいて、近隣の2台の機器間で簡易に秘密通信を行なうことができる。
【0128】
但し、図8に示す方法では、データ通信装置Aとデータ通信装置Bの間になりすましであるデータ通信装置Cが介在した場合、すなわち、データ通信装置Cがデータ通信装置Aに対してはデータ通信装置Bのふりをし、データ通信装置Bに対してはデータ通信装置Aのふりをした場合、通信が傍受されてしまう可能性がある。このため、通常は、Diffie−Hellman方式で鍵交換を行なった後、PKI(Public Key Infrastructure)を用いてさらに相手を認証する方式を採用することができる。
【0129】
なお、Diffie−Hellman方式は、有限体上の乗法群における離散対数問題が困難であるという数学的な仮定を安全性の根拠に用いた公開鍵配布系アルゴリズムである。この方式を用いるユーザは、自分だけが知る秘密鍵とこの秘密鍵から数学的な演算によって計算される公開鍵を準備する。そして、自分の秘密鍵と相手ユーザの公開鍵から特定の演算を行なうことで、2人だけで共有できる秘密鍵を計算する。第三者はこの計算を行なうことは困難となるように秘密鍵と公開鍵の関係が構成されている。すなわち、仮に公開鍵YaやYbを傍受することができたとしても、セッション鍵を計算することはできないので、通信内容を解読できない。
【0130】
Diffie−Hellmanアルゴリズムは、一般に、"man−in−the−middle"(誰でも勝手に接続できる)問題を解決するために用いられ、通信路の端点を立証する付加的な手法を必要とする。これに対し、上述したSyncTap方式を利用した場合、"man−in−the−middle"すなわち第三者が勝手に介在するためには、すべてのマルチキャスト・パケットを妨げ、これらに代えてなりすましのパケットを伝送しなければならないので、不正が著しく困難となる。
【0131】
また、SyncTapを用いたネットワーク接続方式は、近接する(ユーザの両手が届く)機器間の接続に利用されるので、それぞれの機器は、ネットワーク接続に関して瞬時のフィードバックを容易に行なうことができる。例えば、ディスプレイ・スクリーン上にメッセージ・ウィンドウをポップアップ表示したり、LEDインジケータを点滅させたりする。これによって、隠れたman−in−the−middleホストを容易に検出することができる。したがって、簡易な公開鍵交換方法であっても、現実的な通信環境下で十分な信頼性を得ることができる。
【0132】
F.応用例
前項までで説明したように、本実施形態に係るSyncTapを利用したネットワーク接続方式では、さまざまなタイプの情報機器間で簡単で直感的なユーザ操作によりネットワーク接続を確立することができる。以下では、このネットワーク接続方式の応用例について説明する。
【0133】
(1)パーソナル・コンピュータと機器間のインスタント・コネクション
ここで、無線ネットワークに接続することが可能なデジタル・カメラがあったとする。そして、幾つか写真を撮影した後、ノートブック・コンピュータに撮像画像を転送したいとする。
【0134】
このような場合、ユーザは、SyncTapボタンに割り当てられたカメラのシャッター・ボタン、並びにノートブック・コンピュータのShiftキーを同時に押下しさらに同時に押下を解除する。
【0135】
これに応答して、ノートブック・コンピュータとデジタル・カメラ間の無線ネットワークが確立する。その後、コンピュータ・スクリーン上には、デジタル・カメラに対応するウィンドウが出現する。ユーザは、このウィンドウからコンピュータ側のドキュメント・フォルダに画像ファイルをドラッグ操作する。これに応答して、デジタル・カメラからノートブック・コンピュータへの画像ファイルの転送処理が起動する(図9を参照のこと)。
【0136】
また、ノートブック・コンピュータとワイヤレス・マウスやワイヤレス・ヘッドセットなどの周辺機器と接続したい場合も、同様にコンピュータと接続先の周辺機器のSyncTapボタンを同時に押下しさらに同時に押下を解除すればよい。勿論、コンピュータとテレビ受像機やビデオ録画再生機、AV機器、その他の家電とを接続したい場合も、同様にコンピュータと接続先の家電機器のSyncTapボタンを同時に押下しさらに同時に押下を解除すればよい。接続確立後、コンピュータからストリーム配信が開始され、家電機器ではコンテンツ再生が行なわれる(図10を参照のこと)。
【0137】
(2)ホットスポットや会議室でのアドホック接続
ユーザが公共ラウンジにいて、ホットスポット・サービスを利用しているとする。ここで、同席する仲間との間でファイルを交換したくなったとする。このような場合、ユーザは、双方のパーソナル・コンピュータのSyncTapボタンを同時に押下しさらに同時に押下を解除する。これに応答して、コンピュータ間のネットワーク接続が確立する。
【0138】
ネットワーク接続が確立したのと、それぞれのコンピュータ・スクリーンにはファイル交換用ウィンドウが表示される。ユーザは、ファイル送信元となるコンピュータ側で、転送したいファイルをファイル交換用ウィンドウにドラッグすることにより、コンピュータ間でのファイル転送処理が起動する(図11を参照のこと)。
【0139】
さらに、コンピュータ間でDiffie−Hellman方式の公開鍵を交換し合うことで、セキュアなデータ伝送を開始することができる(前述)。
【0140】
(3)プリント
例えば、ユーザが所持するPDAに蓄積されているドキュメントを至近距離のプリンタでプリント・アウトしたいとする。このような場合、ユーザは双方の機器のSyncTapボタンを同時に押下しさらに同時に押下を解除する。これに応答して、PDAとプリンタ間でネットワーク接続が確立する。
【0141】
さらに、PDAスクリーン上にプリンタ・アイコンが出現する。ユーザは、PDA画面上でドキュメント・アイテムをプリンタ・アイコン上にドラッグすることによって、プリント・アウト処理が起動する(図12を参照のこと)。この場合、プリントされるドキュメントのコンテンツ自体は、PDA内のフラッシュ・メモリに維持されたままであり、あるいはPDAはドキュメントへのリンク(URLなど)を管理するだけである。
【0142】
(4)プレゼンテーション
会議室などで、スライドを用いてプレゼンテーションを行ないたいとする。このとき、発表者は、無線ネットワークを用いて、スライド・データを自分のコンピュータからプレゼンテーション・コンピュータへ転送する。このような場合、双方のコンピュータのSyncTapボタンを同時に押下しさらに同時に押下を解除する。プレゼンテーション・コンピュータ側のSyncTapボタンは例えば、スライド用のリモコン・ボタンに割り当てられている。プレゼンテーション・コンピュータは、リモコンからの赤外線ビームを受信し、コンピュータ間のネットワーク接続が確立する。
【0143】
この例が示すように、SyncTapの適用例はユーザの両手が届く2台の機器には限定されない。簡易な構成の赤外線リモコンのような仲介する装置を、遠隔的なSyncTapボタンとして活用することができる。この場合、赤外線リモコンに組み込まれたSyncTapボタンを押下するタイミングでターゲット機器に対して赤外線ビーム(リモコン信号)が発射される。ターゲット機器側ではその時刻を使ってSyncTapボタンが押下された時刻及び押下が解除された時刻を取得して、ネットワーク接続を要求するマルチキャスト・パケットを送信する。
【0144】
リモコンは、単にボタンを押下及び押下を解除したタイミングを伝達するだけの目的で使用され、赤外線ビームで通信相手に対して複雑なデータを伝送する必要は全くない。リモコン信号には、ターゲット機器のアドレス情報や認証情報を含める必要はない。
【0145】
また、PDAをリモコンとして使用する場合には、PDA上のSyncTapボタンを押し続けると、マルチキャスト・パケットとリモコン信号を同時に発射する(図13を参照のこと)。
【0146】
ノートブック・コンピュータとテレビ受像機やビデオ録画再生機、AV機器、あるいはその他のリモコン操作が可能な家電とを接続したい場合も、上述と同様にコンピュータと家電機器のリモコンのSyncTapボタンを同時に押下し、さらに同時に押下を解除すればよい(図14を参照のこと)。ネットワーク接続が確立した後、例えば、コンピュータ内に蓄積されているAVコンテンツをテレビ画面上で流したり、コンピュータ・スクリーンを介してハード・ディスクレコーダにアクセスして番組の録画予約を行なったりすることができる。
【0147】
なお、遠隔的なSyncTapボタンとして機能することができる赤外線リモコン以外の仲介装置の例として、Pick−and−Dropペンを挙げることができる。Pick−and−Dropペンは主にデータを取り扱うものであるが、仲介装置としてネットワーク接続をも取り扱う。なお、Pick−and−Dropペンに関しては、例えば、暦本他著の論文“Pick-and-Drop: A Direct Manipulation Technique for Multiple Computer Environments.”(In Proceedings of UIST'97 (1997) pp.31-39)を参照されたい。
【0148】
(5)ハイパーカーソルを利用した通信の確立
本発明者らは、Augmented Surface(拡張デスクトップ)システムの1つの機能として、HyperCursor(ハイパーカーソル)と呼ばれる移動可能なカーソル・システムを実現した。ハイパーカーソルを用いることで、単一のマウス及びキーボードだけで2台のコンピュータを操作することができる。一方のコンピュータ・スクリーン上でカーソルが周縁に達したとき、カーソルは自動的の他方のコンピュータ・スクリーンへジャンプする。また、キーボード入力は2台目のコンピュータへ配送される。ユーザは、一方のコンピュータから他方のコンピュータへ、コンピュータ・スクリーンの境界を経て、オブジェクトのドラッグ操作を行なうことができる。
【0149】
本来のハイパー・ドラッグ・システムは、各コンピュータの位置を認識するカメラ・センサに基づいて構成される。論理空間上のマウス移動はそれぞれのコンピュータ・スクリーン上の物理的な配置に反映されることから、センサ出力に基づいてオブジェクト操作の空間的な連続性を実現することができる。例えば、2台目のコンピュータを1台目のコンピュータの左側に設置した場合、カーソルは、1台面コンピュータ・スクリーンの左端から2台面コンピュータ・スクリーンへジャンプするように構成される。しかながら、カメラ・センサ・システムがない場合には、ユーザは、ハイパーカーソルに相当するデスクトップ環境をマニュアル作業で構成しなければならない。このような作業は、コンピュータがDHCPなどに基づくIPアドレスの自動割り振りを採用している場合、特に煩わしくなる。
【0150】
そこで、ハイパーカーソルとSyncTapを組み合わせて、センサ・システムを装備しない場合の問題点について考察してみる。例えば、ユーザが、キーボードを持たないタブレット式・コンピュータをオフィスのディスクに持ち込み、デスクトップ・コンピュータに接続されているキーボードやマウスを用いてタブレット・コンピュータを操作したくなったとする。このような場合、ユーザは、単にそれぞれのコンピュータのSyncTapボタンを同時に押下しさらに同時に押下を解除するだけでよい(デスクトップ・コンピュータでは、EscキーやShiftキーがSyncTapボタンに割り当てられている。また、タブレット・コンピュータでは、スクリーン上のタップによりSyncTapボタンが実装されている)。これに応答して、コンピュータ間のネットワーク接続が確立する。次いで、ユーザは、デスクトップ・コンピュータ側のスクリーンの周縁を打つように間数操作する。このような操作によって、タブレット・コンピュータの相対位置をシステムに指示し、カーソルはタブレット・コンピュータのスクリーンへとジャンプする。
【0151】
本発明者らは、SyncTapボタンを選択することによって物理的な配置を特定することができる他の方法についてさらに試している。例えば、左側のShiftキーを操作することによって、他の機器が左側に設置されていることをシステム側に通知する。
【0152】
なお、ハイパーカーソルに関しては、例えば、暦本他著の論文“Augmented Surface: A spatially continuous workspace for hybrid computing environment”(In Proceedings of ACM CHI'99. (1999) pp.378-385)を参照されたい。
【0153】
(6)ペン入力型コンピュータにおけるSyncTap
フルキーボード型のコンピュータを用いた場合、例えばESCキーやShiftキーに対する特定の押下操作や、これらキーと通常のキャラクタ・キー操作の組み合わせによってSyncTapボタンを構成することができる(前述)。これに対し、キーやボタンを特に持たないようなペン入力コンピュータの場合には、特定のペンストロークをSyncTapボタン操作に割り当てることができる。
【0154】
例えば、ペンダウン(すなわちストロークの開始)とペンアップのタイミングを用いる。さらに、ペンストロークの長さ、方向、形状などの属性情報をパケットに添付して送ることができる。
【0155】
これにより、複数のSyncTapパケットが同時に到着した場合、似た形状のストロークを持つパケットの送信者とのみ選択的に接続することが可能であり、語接続や衝突を好適に回避することができる。
【0156】
[追補]
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
【0157】
本明細書中では、SyncTap技術を主にネットワーク接続の確立に適用した場合を中心に説明してきたが、ネットワーク接続確立後のユーザ・インターフェースとしてもSyncTap技術は同様に重要である。例えば、複数の機器の組み合わせからなるシステムにおいて有益なオペレーションを効率的に選択するような局面において、同様にSyncTap技術を適用することができる。
【0158】
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0159】
【発明の効果】
以上詳記したように、本発明によれば、目の前に居るなど実世界上の所在は明確であるが通信媒体上の識別情報が判らない通信相手と情報機器間で簡易で直接的なネットワーク接続の指示により接続を確立することができる、優れたデータ通信システム、データ通信装置及びデータ通信方法、接続確立方法及び接続確立装置、接続確立システム、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
【0160】
また、本発明によれば、ネットワーク構成が複雑でダイナミックに変化する通信環境下で、情報機器間で簡易で直感的・直接的なユーザ・インターフェース操作によりセキュアなネットワーク接続を確立することができる、優れたデータ通信システム、データ通信装置及びデータ通信方法、接続確立方法及び接続確立装置、接続確立システム、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
【0161】
また、本発明によれば、キーボードなどの一般的なユーザ・インターフェースを利用してスケーラビリティのあるネットワーク接続を行なうことができる、優れたデータ通信システム、データ通信装置及びデータ通信方法、接続確立方法及び接続確立装置、接続確立システム、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
【0162】
また、本発明によれば、通常の機器が最低限備えるハードウェア構成要素(例えば、ユーザ操作可能なボタン)又はセンサを用いて、より簡素で直感的・直接的なユーザ操作に従って特定の機器間でネットワーク接続を確立することができる。したがって、本発明に係るネットワーク接続方式は、ワイヤレス・ヘッドセットのようなディスプレイ・スクリーンやGUI環境下での選択機能を装備しないようなデジタル機器とも共存することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るデータ通信システムの基本構成を模式的に示した図である。
【図2】本発明に係るデータ通信システムにおいて動作することができるデータ通信装置のハードウェア構成の一例を示した図である。
【図3】本発明に係るデータ通信方式を利用してデータ通信装置Aとデータ通信装置Bがネットワーク接続するための動作シーケンスを示した図である。
【図4】SyncTapボタンの押下及び押下解除のタイミングに従った通信相手の同定方法を説明するための図である。
【図5】図3に示したようなネットワーク接続を行なうためのデータ通信装置上での処理動作を示したフローチャートである。
【図6】データ通信装置がネットワーク接続を試みる際の衝突検出並びに衝突回避するための処理手順を示したフローチャートである。
【図7】衝突を検出した後、ネットワーク接続要求を再試行する様子を示した図である。
【図8】本発明に係るデータ通信方式を利用してデータ通信装置Aとデータ通信装置Bがネットワーク接続する際に公開鍵を交換し合うための動作シーケンスを示した図である。
【図9】SyncTapによりパーソナル・コンピュータと機器間でインスタント・コネクションを行なう様子を示した図である。
【図10】SyncTapによりパーソナル・コンピュータと機器間でインスタント・コネクションを行なう様子を示した図である。
【図11】SyncTapによりパーソナル・コンピュータ間でインスタント・コネクションを行なう様子を示した図である。
【図12】SyncTapによりプリンタとPDA間でインスタント・コネクションを行なう様子を示した図である。
【図13】リモコンを用いてSyncTapによるインスタント・コネクションを行なう様子を示した図である。
【図14】リモコンを用いてSyncTapによるインスタント・コネクションを行なう様子を示した図である。
【図15】ペン入力型コンピュータにおいてペンストロークを用いてSyncTap昨日を実現する様子を示した図である。
【符号の説明】
100…コンピュータ
101…CPU,102…メモリ
103…ディスプレイ・コントローラ
104…入力機器インターフェース
105…ネットワーク・インターフェース
107…外部機器インターフェース
108…バス
109…ビデオ・キャプチャ・カード
111…ディスプレイ
112…キーボード
113…マウス
114…ハード・ディスク装置
115…メディア・ドライブ
Claims (12)
- 複数のデータ通信装置が通信媒体を介してデータ通信を行なうデータ通信システムであって、
データ通信を行なうそれぞれの機器は、ユーザ操作を受容するユーザ・インターフェースを備え、前記ユーザ・インターフェースの一部に対するユーザ操作及びユーザ操作解除はネットワーク接続を指示する接続指示手段に割り当てられ、
各機器は、
前記接続指示手段に対してユーザ操作がなされた第1の時刻及びユーザ操作が解除された第2の時刻を保存するとともに、前記接続指示手段に対するユーザ操作が解除されたことに応答して自分のネットワーク識別情報及び前記第1及び第2の時刻の時間間隔を含む接続要求パケットを送信し、
他の機器から接続要求パケットを受信すると、前記の保存した第1及び第2の時刻の時間間隔と該受信した接続要求パケットに含まれる時間間隔との差が第1の誤差限界値内であるとともに、前記第2の時刻と該受信した接続要求パケットの到着時刻の時間差が第2の誤差限界値内であるときに該受信した接続要求パケットに含まれるネットワーク識別情報を基に前記他の機器とネットワーク接続を確立する、
ことを特徴とするデータ通信システム。 - 各機器は、前記第1及び第2の時刻の時間間隔が所定値未満の時には接続要求パケットを送信しない、
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ通信システム。 - 前記接続要求パケットはさらにセキュアなネットワーク接続のために使用するキー情報を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ通信システム。 - 通信媒体を介してデータ通信を行なうデータ通信装置であって、
ユーザ操作を受容するユーザ・インターフェースと、
前記ユーザ・インターフェースの一部に割り当てられた、ユーザ操作及びユーザ操作解除はネットワーク接続を指示する接続指示手段と、
前記接続指示手段に対してユーザ操作がなされた第1の時刻及びユーザ操作が解除された第2の時刻を記憶するタイミング情報記憶手段と、
前記接続指示手段に対するユーザ操作が解除されたことに応答して自分のネットワーク識別情報及び前記第1及び第2の時刻の時間間隔を含む接続要求パケットを送信し、他の機器から接続要求パケットを受信すると、前記の保存した第1及び第2の時刻の時間間隔と該受信した接続要求パケットに含まれる時間間隔との差が第1の誤差限界値内であるとともに、前記第2の時刻と該受信した接続要求パケットの到着時刻の時間差が第2の誤差限界値内であるときに該受信した接続要求パケットに含まれるネットワーク識別情報を基に前記他の機器とネットワーク接続を確立するネットワーク接続制御手段と、
を具備することを特徴とするデータ通信装置。 - 前記第1及び第2の時刻の時間間隔が所定値以下の場合は通常のインターフェース操作として処理され、該所定値を超える場合はネットワーク接続要求として処理され前記ネットワーク接続制御手段が前記接続要求パケットを送信する、
ことを特徴とする請求項4に記載のデータ通信装置。 - 前記接続指示手段に対するユーザ操作解除がなされてから所定時間内に2又はそれ以上の接続要求パケットが到着したことに応答して衝突を検出する衝突検出手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項4に記載のデータ通信装置。 - 衝突を検出したことに応答して、ユーザに対して前記接続指示手段の再操作を要求する接続要求再試行手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項6に記載のデータ通信装置。 - 衝突検出時に受信した各接続要求パケットに含まれるネットワーク識別情報をすべて記憶し、前記接続要求の再試行時には該記憶しているネットワーク識別情報を持つ送信元からの接続要求パケットのみを受容する、
ことを特徴とする請求項7に記載のデータ通信装置。 - 公開鍵暗号方式の公開鍵を生成する手段をさらに備え、
前記ネットワーク接続制御手段は、接続要求パケットに公開鍵を含めて送信する、
ことを特徴とする請求項4のいずれかに記載のデータ通信装置。 - 前記通信相手識別手段により通信相手を識別したことに応じて、ユーザに所定のフィードバックを与える手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項4に記載のデータ通信装置。 - 通信媒体を介してデータ通信を行なうデータ通信方法であって、
一部のユーザ・インターフェースに割り当てられた接続指示手段に対するユーザ操作がなされた第1の時刻及びユーザ操作が解除された第2の時刻を記憶するタイミング情報記憶ステップと、
前記接続指示手段に対するユーザ操作が解除されたことに応答して自分のネットワーク識別情報及び前記第1及び第2の時刻の時間間隔を含む接続要求パケットを送信する接続要求ステップと、
他の機器から接続要求パケットを受信すると、前記の保存した第1及び第2の時刻の時間間隔と該受信した接続要求パケットに含まれる時間間隔との差が第1の誤差限界値内であるとともに、前記第2の時刻と該受信した接続要求パケットの到着時刻の時間差が第2の誤差限界値内であるときに該受信した接続要求パケットに含まれるネットワーク識別情報を基に前記他の機器とネットワーク接続を確立するネットワーク接続制御ステップと、
を有することを特徴とするデータ通信方法。 - 通信媒体を介してデータ通信を行なうための処理をコンピュータ上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータを、
ユーザ操作を受容するユーザ・インターフェース、
前記ユーザ・インターフェースの一部に割り当てられた、ユーザ操作及びユーザ操作解除はネットワーク接続を指示する接続指示手段、
前記接続指示手段に対してユーザ操作がなされた第1の時刻及びユーザ操作が解除された第2の時刻を記憶するタイミング情報記憶手段、
前記接続指示手段に対するユーザ操作が解除されたことに応答して自分のネットワーク識別情報及び前記第1及び第2の時刻の時間間隔を含む接続要求パケットを送信し、他の機器から接続要求パケットを受信すると、前記の保存した第1及び第2の時刻の時間間隔と該受信した接続要求パケットに含まれる時間間隔との差が第1の誤差限界値内であるとともに、前記第2の時刻と該受信した接続要求パケットの到着時刻の時間差が第2の誤差限界値内であるときに該受信した接続要求パケットに含まれるネットワーク識別情報を基に前記他の機器とネットワーク接続を確立するネットワーク接続制御手段、
として機能させるためのコンピュータ・プログラム。
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