JP4328421B2 - 現像装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents
現像装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジ Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電子写真方式、静電記録方式などによって像担持体上に形成した静電潜像を、二成分現像剤を用いて現像する現像装置及び画像形成装置、更にはプロセスカートリッジに関する。
【0002】
ここで画像形成装置及び電子写真画像形成装置としては、例えば、複写機、プリンタ(例えば、LEDプリンタ、レーザービームプリンタ等)、ファクシミリ装置、及びワードプロセッサー等が含まれる。
【0003】
又、プロセスカートリッジとは、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段の少なくとも一つと、電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを電子写真画像形成装置本体に対して着脱可能とするものであるか、又は、少なくとも現像手段と電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを電子写真画像形成装置本体に対して着脱可能とするものをいう。
【0004】
【従来の技術】
従来、像担持体上に形成された静電潜像を顕像化するために、現像剤として非磁性トナー(トナー)と磁性キャリア(キャリア)を有する二成分現像剤を用いた、所謂、二成分現像方法が採用されている。
【0005】
二成分現像方法では、現像剤を収容する現像剤容器内に配設された現像剤撹拌搬送部材(以下、「撹拌部材」と呼ぶ。)を用いて二成分現像剤を撹拌し、トナーを摩擦帯電した後、内側に固定マグネットローラを有する現像剤担持体としての現像スリーブに向けて搬送する。更に、この現像剤を現像スリーブ表面に担持させて搬送し、像担持体上の静電潜像に供給することによってこれを現像する。
【0006】
近年、カラー画像(例えばカラー文書)に対するニーズの増大或は省スペースを目的として、安価で小型の現像装置が増加しつつある。又、電子写真感光体と電子写真感光体に作用するプロセス手段とを一体的にカートリッジ化し、画像形成装置本体に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式も広く用いられている。このプロセスカートリッジ方式によれば、装置のメンテナンスをサービスマンによらずにユーザー自身で行うことができるので、格段に操作性を向上させることができる。そこでこのプロセスカートリッジ方式は、電子写真画像形成装置において広く用いられている。
【0007】
斯かる現像装置及びプロセスカートリッジにおいては、像担持体の周りの限られたスペースに現像装置を設ける関係上、現像剤の収容容量も小さくなっている。そこで、トナー補給装置(以下、「ホッパー」と呼ぶ。)を別に設け、トナーが消費された際にトナーのみを補給できる構成とすることによって、ランニングコストを低下させる場合が多い。
【0008】
図8は、従来の現像装置の一例の概略断面を示す。二成分現像剤を収容する現像剤容器107の内部には、第一、第二の攪拌部材111、112が配設されている。現像剤容器107の図中上側には、補給すべきトナーを収容するホッパー114が設けられている。ホッパー114の下部は、現像剤容器107内に設けられた第二の撹拌部材112上にて開口し、その開口部近傍には、トナー供給部材116が回転自在に設けられている。トナー供給部材116は、現像剤量検知手段としての、現像剤中のトナー濃度検知手段であるトナーセンサー113からの信号に応じて回転し、ホッパー114から現像剤容器107にトナーを供給する。
【0009】
ホッパー114からのトナー供給は、現像剤容器107内に配設されたトナーセンサー113からのトナー濃度検知信号に応じて、ホッパー114内のトナー供給部材116が回転することにより行われる。トナーセンサー113が「トナー無し(現像剤容器107内のトナー量が所定値レベルよりも低い)」を検知すると、ホッパー114内のトナー供給部材116が駆動してトナーを補給する。トナーの補給量は、トナーセンサー113が「トナー無し」を検知した際の値に基づいて、予め決定された関数より与えられる。
【0010】
ホッパー114から現像剤容器107内に設けられた第二の撹拌部材112上に供給されたトナーは、第二の撹拌部材112、及び第一の攪拌部材111の回転によって、現像剤容器107の長手方向の全域に補給される。第一、第二の撹拌部材111、112はスクリュー形状を有し、それぞれ図中矢印方向に回転自在とされる。又、第一、第二の攪拌部材111、112は、現像スリーブ104の回転に同期した回転、或はトナー供給時のみの回転を行うようになっている。
【0011】
ここで、均一な濃度の画像を形成するためには、現像スリーブ104に均一なトナー濃度の現像剤を安定して供給することが必須である。それには、補給されたトナーが直ちに撹拌されることが望まれる。
【0012】
撹拌力の向上を目的とした撹拌部材の形状としては、回転軸の外周にスパイラル羽根を形成し、現像スリーブ104の軸方向に現像剤を搬送して撹拌する方法、或はこの方法に加えて更に撹拌能力を向上させるために、回転軸から放射方向に伸びる板状のリブを設けて現像剤を撹拌及び搬送する方法が公知である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の現像装置及びプロセスカートリッジでは、環境変動や耐久動作を通じて、トナーとキャリアとを有する二成分現像剤の撹拌及び搬送を常に良好に行うことは困難であり、最終画像に濃度ムラなどの画像不良が生じる問題があった。
【0014】
画像濃度ムラの原因として、撹拌部材の撹拌力不足によるものがある。即ち、ホッパー114から補給されたトナーがキャリア中に均一にほぐされるまでに時間がかかり、現像剤が均一なトナー濃度に到達する前に現像スリーブ104に供給されてしまうと、画像濃度ムラが発生する。
【0015】
更に、この撹拌不足は、現像剤量検知手段であるトナーセンサー113の誤動作を招く。つまり、現像剤の攪拌不足はキャリアとトナーとが分離したままの状態を作り出すため、トナーセンサー113は、現像剤中のトナーの濃度として「トナー無し」を検知し続け、更なるトナー補給を要求することとなる。
【0016】
従って、本発明の目的は、二成分現像剤を短時間で十分に撹拌することができ、均一なトナー濃度の現像剤を現像剤担持体に供給することが可能であり、画像不良の無い高品位な画像を常に安定して形成することができる現像装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
【0017】
本発明の他の目的は、二成分現像剤を短時間で十分に撹拌することができ、現像剤量検知手段の誤動作を防止することができる現像装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的は本発明に係る現像装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジにて達成される。要約すれば、本発明の第一の態様によると、磁性粒子とトナーとを有する二成分現像剤を収容する現像剤収容容器と、前記現像剤収容容器内に設けられ現像剤を攪拌し搬送するために回転し、その回転軸の周りに螺旋状のスクリュー羽根を備えた現像剤攪拌搬送部材と、前記現像剤攪拌搬送部材の上方に設けられ、前記現像剤収容容器内にトナーを補給するためのトナー補給口と、を有する現像装置において、前記トナー補給口の下方において前記現像剤攪拌搬送部材が現像剤から露出する領域を形成するために、前記現像剤攪拌搬送部材による現像剤の搬送方向において前記トナー補給口よりも上流側、かつ、前記現像剤攪拌搬送部材の側方であって前記現像剤収容容器の壁面に磁界発生手段を設けたことを特徴とする現像装置が提供される。
【0019】
本発明の第二の態様によると、記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、(a)上記本発明の現像装置と、(b)前記トナー補給口を介して前記現像剤収容容器内にトナーを補給するトナー補給装置と、を有することを特徴とする画像形成装置が提供される。
【0020】
本発明の第三の態様によると、電子写真画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、(a)電子写真感光体と、(b)上記本発明の現像装置と、を有することを特徴とするプロセスカートリッジが提供される。
【0025】
又、上記本発明の第一及び第二の態様において、一実施態様によると、前記現像装置は前記画像形成装置本体に対して着脱可能である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る現像装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジを図面に則して更に詳しく説明する。
【0027】
実施例1
図1は、本発明に係る現像装置を使用した画像形成装置の一実施例の概略構成を示す。本実施例によれば、画像形成装置は、電子写真画像形成プロセスを用いて記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置とされる。
【0028】
図1に示す画像形成装置は、像担持体としての円筒状の電子写真感光体、即ち感光ドラム1、感光ドラム1を帯電する帯電装置2、感光ドラム1上に静電潜像を形成する露光装置18、感光ドラム1上の静電潜像を現像剤を用いて可視化するための現像装置3、現像装置3にトナーを補給するためのトナー補給装置であるホッパー14、感光ドラム1上に形成されたトナー像を記録媒体P上に転写する転写装置19、記録媒体Pに転写されたトナー像を定着するための定着装置20、感光ドラム1上に残った転写残トナーを除去するためのクリーニング装置21を備えている。
【0029】
電子写真画像形成プロセスを説明すると、先ず、感光ドラム1の表面に静電潜像形成手段により静電潜像を形成する。即ち、帯電装置2が感光ドラム1の表面を一様に帯電した後、画像情報に応じて露光装置18が露光することによって感光ドラム1上に静電潜像を形成する。その後、この静電潜像は、現像装置3によって、磁性粒子(キャリア)と非磁性トナー(トナー)とを含む二成分現像剤中の非磁性トナーが附着され、所謂、トナー像として可視化される。感光ドラム1上のトナー像は、給紙カセット21、給紙ローラ22及びレジストローラ対23などの給紙手段(記録媒体搬送手段)によって感光ドラム1と転写装置19とが対向する転写部に所定のタイミングにて供給された記録媒体P上に、転写装置19の作用によって転写される。次いで、この記録媒体Pは定着装置20まで搬送され、熱及び圧力にて未定着トナー像が記録媒体P上に定着され、永久定着画像とされる。その後、記録媒体Pは画像形成装置外に排出される。又、感光ドラム1上に残留した転写残トナーは、クリーニングブレード21a及び廃トナー容器21bを備えたクリーニング装置21によってクリーニングされる。上記プロセスを繰り返すことで、画像形成が繰り返される。
【0030】
尚、本実施例では、感光ドラム1と、この感光ドラム1に作用するプロセス手段としての帯電装置2、現像装置3及びクリーニング装置21とを枠体25によって一体的に構成し、画像形成装置本体に設けられた装着手段24を介して画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジCとしている。
【0031】
次に、図2をも参照して、本実施例の現像装置3について更に詳しく説明する。図2は本実施例の現像装置3を上から見た概略断面を示す。
【0032】
現像装置3は、現像剤収容容器(現像剤容器)7内に現像剤としてトナーとキャリアとを有する二成分現像剤を収容する。現像剤容器7の感光ドラム1側の開口領域に位置して、感光ドラム1に対向するように現像スリーブ4が設けられる。現像スリーブ4は、内側に固定式マグネットローラ5を備えている。図1中矢印にて示す現像スリーブ4の回転により、現像剤が現像スリーブ4の周囲に吸着され磁気ブラシが形成される。現像スリーブ4の近傍には、この磁気ブラシの穂の高さを一定に規制し、感光ドラム1上の静電潜像に適量のトナーを附着させるための規制ブレード6が設けられる。
【0033】
本実施例では、トナーとして、平均粒径(重量平均粒径)6μmのネガ帯電トナーを用いる。キャリアとしては、平均粒径(重量平均粒径)35μm、飽和磁化205emu/cm3の磁性キャリアを用いた。又、トナーとキャリアとを重量比8:92で混合したものを二成分現像剤として用いた。
【0034】
現像剤容器7は、現像スリーブ4に平行した2本の現像剤搬送経路(以下、「単に搬送経路」と呼ぶ。)8、9を有する。第一、第二の搬送経路8、9間には、現像スリーブ4の長手方向にほぼ平行な仕切り壁10が設けられる。この仕切り壁10の長手方向両端には開口部が設けられている。又、第一、第二の現像剤搬送路8、9には、それぞれ第一、第二の現像剤撹拌搬送部材(攪拌部材)11、12が設けられる。第一、第二の攪拌手段11、12は現像スリーブ4とほぼ平行に配置されている。本実施例では、第一、第二の攪拌部材11、12は、それぞれ回転軸の外周に螺旋状にスパイラル羽根11a、12aを設けたスクリュー形状の搬送スクリューとされる。又、本実施例では、第一の攪拌部材11は図1中反時計回りに、第二の攪拌部材12は図1中時計回りに回転することによって現像剤を軸線方向に搬送しながら攪拌する。つまり、図2に示すように第一、第二の攪拌部材11、12はそれぞれ矢印X、Y方向に現像剤を搬送し、且つ攪拌する。
【0035】
更に説明すると、第二の搬送経路9において撹拌及び搬送され、トナーが摩擦帯電された現像剤は、仕切壁10の長手方向一端部に設けられた開口部10aを介して第一の搬送経路8に送られ、第一の搬送経路8において現像スリーブ4に供給される。同時に、感光ドラム1上に形成された静電潜像を現像することにより、トナー濃度が低くなった現像剤は、搬送経路8を搬送され、仕切壁10の長手方向他端に設けられた開口部10bを介して再び搬送経路9に戻る。このようにして、現像剤は現像剤容器7内部を循環する。
【0036】
現像剤量検知手段としての現像剤中のトナー量検知手段であるトナー濃度センサー(トナーセンサー)13は、搬送経路9の最上流部近辺に配置される。つまり、後述するようにトナーが補給されるトナー補給用の開口部(トナー補給口)15よりも、現像剤搬送方向の上流側に配置される。従って、トナーセンサー13は、感光ドラム1上の静電潜像の現像に関与した直後の現像剤のトナー濃度を検知することができる。本実施例では、トナーセンサー13は、磁性キャリアの透磁率と、非磁性トナーと磁性キャリアとを含む現像剤の透磁率とを比較することでトナー濃度(キャリアとトナーとの混合比)を検知する。尚、本発明は現像剤量検知手段を本実施例のトナーセンサー13に限定するものではなく、例えば静電容量測定、光透過式など他の検知方法を用いる任意の現像剤量検知手段を用いることができる。
【0037】
第二の搬送経路9の上方には、トナー補給用の開口部であるトナー補給口15が設けられ、このトナー補給口15を介して、現像装置3に隣接して設けられたトナー補給装置(ホッパー)14からトナーが補給される。図1に示すように、ホッパー14の下部には、トナー供給部材である回転羽根16が設けてある。トナーセンサー13により検知されたトナー濃度に対し、予め与えられた関数から求められたトナー量を補給するように回転羽根16が回転し、開口部15を経由して、搬送経路9にトナーが補給される。
【0038】
以上のようにして、現像剤容器7内の現像剤は循環し、又トナーが補給され、常に現像スリーブ4に所定のトナー濃度の現像剤が供給されるようにされている。
【0039】
ここで、前述したように、均一な濃度の画像を形成するためには、現像スリーブ4に均一なトナー濃度の現像剤を安定して供給することが必須である。そのためには、補給されたトナーが短時間で撹拌されなければならない。
【0040】
本発明者らは、補給直後のトナーが、短時間で十分に撹拌され、均一なトナー濃度となるための条件を検討した。その結果、現像剤容器7内の現像剤の上部表面(以下、「剤面」と呼ぶ。)からの撹拌部材の露出量が重要である、との結論に達した。本実施例の現像装置の場合、トナー補給口15が上部に設けられた第二の搬送経路9内の第二の攪拌部材12が剤面から露出することが重要である。
【0041】
更に説明すると、現像剤を構成するキャリアとトナーは、比重の差が大きく、そのままでは混合しない。そのため、前述したような撹拌力を高めた撹拌部材の形状、即ち、回転軸の外周にスパイラル羽根を形成した形状、或は更に回転軸から放射方向に伸びる板状のリブを設けた形状が必要である。しかしながら、そのような形状の撹拌部材を用いても、現像剤が攪拌部材を覆い、その上に新たにトナーが補給されるような場合、新たに補給されたトナーは現像剤上に浮いた状態となるため、現像剤の剤面から撹拌部材が露出していなければ十分な撹拌力を発揮することはできない。このように、トナーを十分に撹拌し短時間で均一なトナー濃度を達成するためには、現像剤の剤面から撹拌部材が十分に露出していなければならない。
【0042】
ここで、現像剤の剤面からの撹拌部材の露出量を変化させる方法として、図3に示すように、撹拌部材の直径を大きくする(D→D′)方法(A)、或は現像剤の量を減少させる(H→H′)方法(B)、という2つの方法が考えられる。
【0043】
しかしながら、方法(A)では、撹拌部材11、12の直径を大きくすると同時に、搬送経路8、9および現像剤容器7を大きくする必要がある(W→W′)。そのため、方法(A)は、現像装置及び画像形成装置の小型化、或はプロセスカートリッジ形態の実現のために制約を受ける。
【0044】
又、方法(B)のように現像剤量を減少させると、満足な画像濃度の達成が困難になる。更に、現像剤量を不当に減らすことは現像剤の劣化に対しても不利であり、ランニングコストを低下させるために現像剤の長寿命化を図ろうとする場合、妨げとなる。
【0045】
そこで、本発明によれば、現像剤の搬送方向において、部分的に攪拌部材が現像剤の上部表面から露出する領域を形成できるように構成し、その領域にトナーを補給することによってトナーとキャリアとが速やかに混合できるようにする。
【0046】
本実施例では、図2に示すように、現像剤容器7の外側壁面7aに、搬送経路9に隣接して磁界発生手段であるマグネット17を配設する。
【0047】
マグネット17は、その磁力によって磁性キャリアと非磁性トナーとを含む現像剤の一部を拘束する。こうすることによって第二の搬送経路9において現像剤の剤面が部分的に定常状態から変化した領域を生起させ、第二の攪拌手段12が現像剤の剤面から十分に露出した部分を形成することが可能となる。この状態で第二の撹拌部材12による現像剤の撹拌及び搬送を行う。
【0048】
より具体的には、本実施例では、図4(a)及び図4(b)に示すようにマグネット17を配置して検討した。先ず、図4(a)に示すように、マグネット17aを、トナー補給口15の現像剤搬送方向上流側に相当する現像剤容器7の外部壁面7aに設ける。マグネット17aからの磁界の影響を受ける領域では、現像剤が拘束されて現像剤量が過多となる。そして、現像剤が拘束された領域の現像剤搬送方向下流側では、現像剤量が過少となる。従って、この現像剤の過少領域においては、第二の撹拌部材12は十分に現像剤の剤面上に露出し、十分な撹拌力を得ることができる。図4(a)に示す配置例では、トナー補給口15の位置を、マグネット17aの作用によって現像剤量過少となる位置に設けることで、補給直後のトナーを十分に撹拌し、従来よりも短時間で均一なトナー濃度の現像剤を得ることが可能となる。
【0049】
又、図4(b)に示す配置例では、図4(a)の構成で用いたものよりも現像剤搬送方向に長いマグネット17bを用い、現像剤搬送方向においてトナー補給口15を挟む広い領域にマグネット17bの磁界が及ぶ構成とした。この場合、マグネット17bの磁力および配設位置を最適に選択することにより、図5に示すように現像剤の剤面に角度を形成させることが可能である。こうして第二の搬送経路内の現像剤の剤面に適当な角度を形成することによって、現像剤が拘束されて現像剤量が過多となるマグネット17側の領域と、マグネット17bから離れた現像剤量の過小域を形成することができ、第二の攪拌手段12が十分に現像剤の剤面から露出した部分を形成することができる。そして、この領域にトナーを補給することによって、短時間で均一なトナー濃度の現像剤を得ることが可能となる。
【0050】
このように、現像剤を拘束し得る適当な磁界を発生するマグネット17を適宜選択し、又その形状、配設位置を適宜選択することによって、撹拌部材が剤面から十分に露出した、如何なる長さの領域をも形成することが可能であり、例えば第二の攪拌手段12が剤面から露出した部分を図4(b)に示すように現像剤搬送方向に長く形成することによって、補給されるトナー量が多い場合にも十分な撹拌力を得ることができる。
【0051】
尚、上記から理解されるように、本発明はマグネット17を特に限定することなく、適宜選択することにより用いることができる。例えば、マグネットの表面において発生する磁界の強さは、現像スリーブ4内に備える固定マグネットローラ5と同等とすることができる。本実施例では、マグネットの表面において発生する磁界の強さ(磁束密度)が900G(ガウス)程度の、直方体形状の永久磁石を用いた。
【0052】
又、磁界発生手段としては、永久磁石のみならず、適当な磁界を発生するよう構成される電磁石を用いることも可能である。又、必要に応じて磁界発生手段の発生する磁界の強さ、磁界の及ぶ領域の形状などを変更するよう構成することも可能である。
【0053】
本実施例では、本発明の効果を確認するために、以下の比較実験を行った。
【0054】
図4(a)、図4(b)に示す本実施例の現像装置と、比較例としてマグネット17設けない現像装置とを用いて、第二の攪拌手段12を駆動させながらトナーを開口部15から補給し、現像剤の攪拌及び搬送に伴う第二の搬送経路9の長手方向各所におけるトナー濃度を測定した。トナー濃度は、前述のようにして、トナーセンサー13及び同様のトナーセンサーを用いて現像剤の透磁率によって測定した。
【0055】
又、本実施例、及び比較例の現像装置において、第一、第二の搬送経路には、マグネット17を用いない状態で、それぞれ第一、第二の攪拌手段が現像剤によってほぼ覆われる程度の現像剤を収容した。現像スリーブ4に供給すべき現像剤中のトナー濃度は8%であり(キャリア:トナー=8:92)、第二の搬送経路における現像剤搬送方向の最上流部近傍において約6%にトナー濃度が減少した状態から攪拌、搬送及びトナー補給を行った。結果を図6に示す。
【0056】
図6に示す結果から、図4(a)及び図4(b)に示す本実施例の現像装置3は、ともに補給直後のトナーを短時間で十分に撹拌していることが理解されよう。その結果、補給されたトナーは極めて短時間で現像剤と混合し、均一なトナー濃度を有する現像剤となる。従って、現像スリーブ4には、均一なトナー濃度の現像剤を安定して供給することができる。
【0057】
又、図4(a)及び図4(b)に示す本実施例の現像装置3を装着した画像形成装置を用いて画像形成を行ったところ、画像濃度ムラのない良好な最終画像を得ることができた。
【0058】
更に、現像剤の撹拌不足が改善されたことによって、トナーとキャリアとが分離した状態でトナー濃度検知を行うことに起因するトナーセンサー13の誤動作は発生しなかった。
【0059】
以上、本発明によれば、二成分現像剤を短時間で十分に撹拌し、均一なトナー濃度の現像剤を現像スリーブ4に供給することができる。又、二成分現像剤を速やかに攪拌し、混合することによって、トナーセンサー13によるトナー濃度の誤検知を防止することができる。
【0060】
尚、上記実施例では、画像形成装置は、プロセスカートリッジ方式の電子写真画像形成装置であるとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図7に示すように、現像装置が画像形成装置本体に固定され、トナー補給装置からのトナーの補給が可能とされる画像形成装置にも当然適用可能である。図7において、図1に示す画像形成装置と同一機能及び構成を有する部材には同一符号を付している。
【0061】
又、本発明は、現像装置が、画像形成装置本体に設けられた装着手段を介して画像形成装置本体に対して着脱可能なカートリッジとされる画像形成装置にも適用可能であることを理解されたい。この場合、図1において、枠体25によって感光ドラム1、帯電装置2、現像装置3及びクリーニング装置21を一体的にプロセスカートリッジCとし、装着手段24を介して画像形成装置本体に着脱可能としたのに対して、現像装置3のみが同様の装着手段を介して画像形成装置本体に着脱可能とされる場合を考えれば良い。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、二成分現像剤を短時間で十分に撹拌し、均一なトナー濃度の現像剤を現像剤担持体に供給することが可能である。又、二成分現像剤を短時間で十分に撹拌することができるので、現像剤量検知手段の誤動作を防止することができる。従って、本発明によれば、画像不良の無い高品位な画像を常に安定して形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成されるプロセスカートリッジが着脱可能な電子写真画像形成装置の一実施例を示す概略構成図である。
【図2】本発明に従って構成される現像装置の一実施例を上から見た概略断面図である。
【図3】現像剤攪拌搬送部材を現像剤から露出させるために考え得る方法を説明するための現像装置の概略断面図である。
【図4】(a)本発明に従って構成される現像装置の一実施例を上から見た概略断面図である。(b)本発明に従って構成される現像装置の他の実施例を上から見た概略断面図である。
【図5】現像剤の剤面に角度を設けた様子を示す現像装置の概略断面図である。
【図6】本発明に従う現像装置及び比較例における、現像容器内の現像剤搬送方向各所でのトナー濃度を測定した結果を示すグラフ図である。
【図7】本発明に従って構成される画像形成装置の他の実施例を示す概略構成図である。
【図8】従来の現像装置の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム(電子写真感光体)
2 帯電装置
3 現像装置
8 第一の現像剤搬送経路(第一の搬送経路)
9 第二の現像剤搬送経路(第二の搬送経路)
11 第一の現像剤攪拌搬送部材(第一の攪拌部材)
12 第二の現像剤攪拌搬送部材(第二の攪拌部材)
15 トナー補給口
17 マグネット(磁界発生手段)
21 クリーニング装置
Claims (4)
- 磁性粒子とトナーとを有する二成分現像剤を収容する現像剤収容容器と、前記現像剤収容容器内に設けられ現像剤を攪拌し搬送するために回転し、その回転軸の周りに螺旋状のスクリュー羽根を備えた現像剤攪拌搬送部材と、前記現像剤攪拌搬送部材の上方に設けられ、前記現像剤収容容器内にトナーを補給するためのトナー補給口と、を有する現像装置において、
前記トナー補給口の下方において前記現像剤攪拌搬送部材が現像剤から露出する領域を形成するために、前記現像剤攪拌搬送部材による現像剤の搬送方向において前記トナー補給口よりも上流側、かつ、前記現像剤攪拌搬送部材の側方であって前記現像剤収容容器の壁面に磁界発生手段を設けたことを特徴とする現像装置。 - 像担持体に形成した静電潜像を現像剤を用いて現像し、記録媒体に画像を形成する画像形成装置本体に着脱可能であることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
- 記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、
(a)請求項1又は2に記載の現像装置と、
(b)前記トナー補給口を介して前記現像剤収容容器内にトナーを補給するトナー補給装置と、
を有することを特徴とする画像形成装置。 - 電子写真画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、
(a)電子写真感光体と、
(b)請求項1に記載の現像装置と、
を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
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