JP4328004B2 - 双方向データ放送システムならびにその受信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、視聴者の趣味、嗜好情報等の関心事情報を取得し、その情報を送出側および受信側の双方で利用することにより、視聴者が所望する放送コンテンツを視聴可能にする双方向データ放送システムならびにその受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、双方向データ放送システムにおいては、伝送するデータの送信頻度や内容はあらかじめ決められており、それに応じて一様な放送コンテンツが伝送され、受信されている。このとき、視聴者の視聴動向を直接に把握しようとする場合は、視聴者の趣味、嗜好を表すものとしてキーワードが頻繁に用いられている。そして、このキーワードを用いる場合は、常に視聴者が視聴しているものの中から抽出し、比較し保存するなどの処理が非常に煩雑になり、キーワードと実際のコンテンツを結びつける処理が必要になっている。
【0003】
一方、視聴者の応答データを利用したデータ放送の方法として、クイズの回答等の応答データを送出側で集め、その結果を集計して番組を進行させる形のものがある。このとき、放送での視聴者との結びつきを深める一つの方法として、各視聴者への直接の回答や正解への祝いのメッセージ等の情報を直接戻すような手段が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来技術において、例えば、視聴者が所望のコンテンツを受信装置に知らせるには、何らかの設定画面でキーワードを登録するなどの必要があった。そのため、キーワードとコンテンツを結びつける処理が複雑で不都合であった。また、所望コンテンツの情報を文字として保持している場合、正確に視聴者の意思は反映されるものの、受信したデータとの比較の処理が非常に煩雑になり、合致する確率も低くなってしまった。
【0005】
更に、放送されるデータコンテンツの中から視聴者が所望のコンテンツをすぐに待ち時間なしで見る場合には、視聴者が操作するたびに受信するのではなく、一度に全てのデータを受信しておく必要があり、受信装置側に十分なメモリが必要となる。また、送信側で受信装置からの応答データを収集する場合、単純に全ての受信装置から収集しようとすれば輻輳などの問題が発生してしまう。
そして、送信側から各視聴者との結びつきを深めるために、個別に連絡することは極めて多量の伝送容量を持つ伝送媒体を必要として現実的ではなかった。
【0006】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、コンテンツを表す物理量を用いて、視聴者がコンテンツにアクセスした接触頻度を取得し、履歴データとして保持することにより、接触頻度が高いほど視聴者の所望するコンテンツであると判断し、優先的に受信しておくことで、放送されている全ての情報を受信しておかなくても、視聴者の所望のコンテンツをすぐに待ち時間なしで見ることを可能とする双方向データ放送システムならびにその受信装置を提供することを目的とする。
【0007】
また、その接触履歴データを送信側でポーリングを発行することによりフィルタリングして収集し、上り回線における輻輳の問題を軽減して視聴動向を把握することや、その応答データに応じてデータの送出頻度を変えることで、より視聴者の満足の行くデータ放送を可能とする双方向データ放送システムならびにその受信装置を提供することも目的とする。
【0008】
更に、クイズ番組等視聴者からの応答データに基づいて、各視聴者宛てに個別の情報を戻す場合に、送信側から各視聴者個別に戻すと極めて多量の伝送容量を必要とするのに対して、これらの情報をいくつかのパターンに分け、これら全パターンの情報をデータ放送で例えば一括して全受信装置に送り、各視聴者宛ての個別の情報は、各視聴者の応答データを受信装置内部で処理することにより、それらのパターンの内から選択して、個々の情報を各受信装置から発することにより、効率的に情報を伝送し、かつ、サービス効果の大きい放送形態を可能とした双方向データ放送システムならびにその受信装置を提供することも目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記した課題を解決するために請求項1に記載の発明は、コンテンツをサービスする双方向データ放送システムであって、前記コンテンツを送信したモジュール識別子を含む識別コードを用いて前記コンテンツに対する接触履歴データを生成して蓄積する受信装置と、前記受信装置の応答データとして前記接触履歴データをフィルタリングして収集し、当該接触履歴データに基づいて、視聴者が所望するコンテンツを優先的に送信する送信装置と、を備え、前記送信装置は、前記応答データに基づき視聴者宛てに、コンテンツの接触履歴に応じて前記モジュール識別子毎に重み付けを行ってパターンに分け、これら全パターンの前記モジュール識別子の情報を、データ放送を介して前記受信装置へ送信し、前記受信装置は、蓄積した前記接触履歴データに応じて、前記全パターンの中から各視聴者宛ての前記モジュール識別子の情報のパターンを選択的にフィルタリングし、各視聴者宛ての個別の情報を発生させることを特徴とする。
【0010】
このように構成することにより、受信側で視聴者のコンテンツに対する接触頻度を、コンテンツを表す物理量を用いて取得し、送信側で履歴データとして保持した応答データを利用してこれを収集し、再利用することで、視聴者の趣味・嗜好などの視聴者からの情報に合せてより効率的にデータを伝送することが可能になる。また、受信側においても視聴者の趣味・嗜好に応じたコンテンツを優先的に受信することができる。
【0013】
さらに、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の双方向データ放送システムに用いられる受信装置であって、前記コンテンツを送信したモジュール識別子を含む識別コードを用いて視聴者の操作に応じて前記コンテンツに対する接触履歴データを生成して蓄積する接触履歴データ生成・蓄積手段と、前記応答データとして、前記接触履歴データを前記送信装置に送信するデータ送出手段と、前記応答データに基づいて前記送信装置から送られてくる前記全パターン情報の中から、蓄積した前記接触履歴データに応じて各視聴者宛ての前記モジュール識別子の情報のパターンを選択的にフィルタリングし、各視聴者宛ての個別の情報を発生させる個別情報発生手段と、を備える受信装置とした。
【0014】
このように構成されるため、コンテンツを表す物理量を用いて視聴者の所望のコンテンツを、接触履歴データとして接触履歴データ生成・蓄積手段を介して処理し、送信側からのポーリングによりその接触履歴データをデータ送出手段を用いて送信側に送信することで、上り回線における輻輳の問題を軽減し、視聴動向の把握や伝送するデータの送出頻度を変化させることが可能となり、また、受信側でそのデータに応じて特定コンテンツを優先的に受信することが可能な受信装置を提供することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の双方向データ放送システムにおける送信装置の一実施形態を示すブロック図である。ここでは、MPEG−2(Moving Picture coding Experts Group2)システムに準拠したデジタル放送でデータ伝送が行われる場合を例に図面を参照して説明するが、類似した他の放送システムでも同様に適用可能である。
【0018】
以下、具体的に説明する。図1に示す送信装置1は、応答データ収集部11、応答データ管理部12、送信データ管理部13、映像音声符号化部14、データ符号化部15、多重化部16、変調送信部17、送信データ決定部18、多重化制御部19を含んで構成される。
【0019】
応答データ収集部11は、任意の受信装置2に対してポーリングを発行し、特定の受信装置2から蓄積された接触履歴データを応答データfとして収集するためのものである。
【0020】
応答データ管理部12は、収集された応答データfから送出側の送出チャンネルに関する情報だけを選別するなどの処理をして管理するものである。また、応答データ管理部12は、視聴者からの応答データfに基づいて、各視聴者宛てに個別の情報を戻す場合には、応答データをいくつかのパターンに分ける処理も行うものである。
【0021】
送信データ管理部13は、データ放送のコンテンツを管理しており、コンテンツデータをデータ符号化部15に出力するとともにコンテンツの情報を送信データ決定部18に送るものである。
【0022】
また、この送信データ決定部18は、応答データ管理部12からのコンテンツを表す物理量を使用したコンテンツ履歴情報と、送信データ管理部13からのコンテンツ情報から、どのコンテンツをどの程度の送出頻度で送出するかを決定し、多重化制御部19に情報を出力するものである。
【0023】
例えば、送信データ決定部18は、任意の情報から選択されるある特定の第1情報群に対してのmodule_idに対応するコンテンツの接触履歴が多く、第2情報群に対してのmodule_idに対応するコンテンツの履歴が少ない場合で、さらに、第3情報群に対してのmodule_idに対応するコンテンツの履歴が平均的にあったとすると、第3情報群のコンテンツを今までと同じ重み付けで行い、また、第1情報群のコンテンツを今までの倍とし、さらに、第2情報群のコンテンツを今までの半分の重み付けで全体を配分し直し、それぞれ送出するようにするものである。
【0024】
そして、視聴者からの応答データfに基づいて、各視聴者宛てに個別の情報を戻す場合に、これらの情報をいくつかのパターンに分け、これら全パターンの情報をデータ放送で例えば、一括して全受信装置に送るとき、新たなパターン情報を付加するかの判断もこの送信データ決定部18が行い、送信データ管理部13を制御している。
【0025】
例えば、クイズなどの回答が4択の場合に、4パターンの情報はあらかじめ用意しておき、さらに、全問正解者へのメッセージや、間違いの多かった回答の解説など、後から新たなパターン情報を加えることが可能になるものである。
【0026】
このことにより、視聴者からの応答データにおいて接触頻度が高いコンテンツほど送出周期を高め、接触頻度が低いコンテンツほど送出周期を下げることが可能である。このとき、多重化制御部19により全体としての帯域を変えないような制御を行うことが必要である。
【0027】
図1に示すように、多重化制御部19は、送信データ決定部18からのデータコンテンツ多重化情報gを受け、多重化部16を制御するものである。多重化部16では、映像音声符号化部14で生成された映像、音声信号が含まれるパケット信号bと、データ符号化部15で生成されたデータ信号が含まれるパケット信号cを、多重化制御部19からの制御に従い多重化を行い、変調送信部17に送り送信している。
【0028】
受信装置2は、送信側から送られてきたコンテンツなどの情報を画像、音声、文字などで表示することはもちろんのこと、各視聴者の応答データを受信装置内部で処理することにより、各視聴者宛ての個別の情報hを、その受信装置2から、例えば視聴者の所持する携帯電話機3に発するものである。
【0029】
つぎに、双方向データ放送システムにおける送信装置1の動作の説明をする。図1に示すように、双方向データ放送システムにおいて、はじめに、送信装置1の応答データ収集部11は、任意の受信装置2に対してポーリングを投げ、特定の受信装置2の保持している接触履歴データを応答データfとして収集する。このとき、収集された応答データfは、応答データ収集部11から応答データ管理部12に送られ、この応答データ管理部12により、応答データfから送出側の送出チャンネルに関する情報だけが選別され、また、この応答データfに基づいて、各受信装置2に個別の情報を戻す応答データをいくつかのパターンに分ける処理が行われる。
【0030】
ここでは、コンテンツを表す物理量としてデータコンテンツに送出側で一意に付与されるPSI(Program Specific Information)/SI(Service Information:トランスポートストリームに含まれるプログラムを特定する情報)中のmodule_idなどの汎用的な識別コードを利用し、それへの接触頻度を視聴者の接触履歴という形で処理することにしている。
【0031】
受信装置2側で保持しているデータを送信装置1側で収集する場合、全ての受信装置2から収集するのではネットワークの輻輳問題などがあり実現的ではない。そこで、module_idなどによる視聴履歴を用いることで、送信装置1からのポーリングへの応答にフィルタリングをかけやすくし、応答データをコード化することでデータを収集することを容易にし、再利用を可能にしている。送信装置1側では、どのコンテンツをどのmodule_idで伝送したかは分かっているので、その応答データを収集・再利用することで、視聴者の視聴動向の把握や効率的な多重化が容易に実現できる。
【0032】
すなわち、受信装置2側で視聴者のコンテンツに対する接触頻度を、コンテンツを表す物理量を用いて取得し、履歴データとして保持した応答データを利用して、送信装置1側ではこれを収集し、再利用することで、視聴者の趣味・嗜好などの視聴者からの情報に合わせてより効率的にデータを伝送するようにしたものであり、受信装置2側では視聴者の趣味・嗜好に応じたコンテンツを優先的に受信するようにしたものである。
【0033】
なお、応答データfに基づいて、各受信装置2に個別の情報を戻す応答データをいくつかのパターンに分ける処理が行われる場合としてより具体的には、送信データ決定部18が、例えば、図3または図4に示すように、module_idが“0000”、“0001”のコンテンツの接触履歴が多く、module_idが“0002”、“0003”の履歴が少ない場合で、コンテンツ情報としてはmodule_idが“0000”〜“0004”の情報があったとすると、module_id “0004”のコンテンツを今までと同じ重み付けで行い、また、module_id “0000”と“0001”のコンテンツを今までの倍とし、さらに、module_id “0002”、“0003”のコンテンツを今までの半分の重み付けで全体を配分し直し、それぞれ送出するようにするものである。
【0034】
このように、応答データfを任意のいくつかにパターン分けすることで、視聴者が所望するコンテンツを優先的に送信することができると共に、各視聴者宛てに個別の情報を戻す場合に、全パターンの情報をデータ放送で例えば一括して全受信装置に送るときに、新たなパターン情報(例えば、クイズの回答に対するお祝いのメセージ等)を付加するかの判断を送信データ決定部18により行うこともできる。そのため、各視聴者への連絡は、各視聴者の応答データfを受信装置2内部で処理することにより、前記したパターン分けした内から選択して、個々のメッセージ等の情報を受信装置2から発することができる。
【0035】
このときの具体的なメッセージの表示例としては、受信装置2の画面に、文字や画像あるいは音楽などを組み合わせたものを表示する方法としても良い。また、視聴者が連絡に対する実感をより現実的なものとして捉えるために、受信装置2に予め設置しているモデム(電話機能)により、受信装置2から直接個人の携帯電話にメッセージを発信して伝達する方法としても良い。
【0036】
つぎに、図2を用いて本発明による受信装置2の実施形態について説明する。
本発明の双方向データ放送システムにおける受信装置2は、復調受信処理部21、データパケット分離部22、データ選択部23、データ蓄積制御部24、メモリ25、映像音声復号部26、データ復号化部27、合成提示部28、接触サービス取得部29、接触データ取得部30、接触履歴データ生成・蓄積部31、入力操作部32、制御部33、モデム34を含んで構成される。
【0037】
復調受信処理部21は、入力操作部32における利用者の操作に応じて、制御部33からの制御信号により伝送路に応じた変調方式の放送電波を選局・受信し、受信パケット信号aを出力する手段である。さらに、復調受信処理部21は、データの種別に応じたパケット識別子など、データ選択に必要となる番組選択情報を制御部33に出力すると同時に、選択されたサービスのトランスポート識別子とサービス識別子を時間情報とともに接触サービス取得部29に出力している。
【0038】
接触サービス取得部29は、送られてきた情報に基づき、接触サービステーブルdを生成し、接触履歴データ生成・蓄積部31に出力する手段である。その例を図3に<表1>として示す。接触サービステーブルdは、図3に示すように、トランスポートストリーム識別子(transport stream_id)とサービス識別子(service_id)と時間(time)により各エントリが構成される。
データパケット分離部22は、復調受信処理部21から得られたパケット識別子を利用し、映像・音声信号が含まれるパケット信号b、データサービスを実現するパケット信号cを分離・出力するための手段である。
【0039】
データ選択部23は、データパケット分離部22から得られたパケット識別子に基づき、データコンテンツを含むパケット信号cから入力操作部32における利用者の操作に応じて、制御部33からの制御信号により、所望のコンテンツを選択的にフィルタリングして受信する手段である。そして、データ選択部23は、その時選択されたデータのコンポーネントタグ(component tag)とモジュール識別子(module_id)が時間情報(time)とともに接触データ取得部30に出力することも行っている。
【0040】
接触データ取得部30は、接触データテーブルeを生成し、接触履歴データ生成・蓄積部31に出力するための手段である。接触データテーブルeのエントリ構成を図4に<表2>として示す。図に示すように、接触データテーブルeは、接触サービステーブルdにコンポーネントタグ(component tag)とモジュール識別子(module_id)がエントリとして表1のエントリ構成に付加されて構成されている。
【0041】
なお、各視聴者の応答データを受信装置2内部で処理することにより、受信した全パターンの内から選択して、各視聴者宛ての個別の情報を得る場合には、接触履歴データ生成・蓄積部31にある接触履歴データに応じて、制御部33からの制御信号により、所望のコンテンツを選択的にフィルタリングし、受信する。そのため、ここでは接触履歴データ生成・蓄積部31および制御部33により個別情報発生手段を構成している。
【0042】
接触履歴データ生成・蓄積部31は、得られた接触サービステーブルdおよび接触データテーブルeから接触履歴データを生成するための手段である。接触履歴データの一例を図5に<表3>として示す。接触履歴データは、ランク、トランスポートストリーム識別子(transport stream_id)、サービス識別子(service_id)、コンポーネントタグ(component tag)、モジュール識別子(module_id)から成る。また、送出側の応答データ収集部11(図1参照)からのポーリングにより該当した場合には、メモリ25、モデム34を介して、接触履歴データを応答データfとして応答データ収集部11に投げ返す。
【0043】
データ蓄積制御部24は、接触履歴データ生成・蓄積部31における接触履歴データに応じて選択的に、データコンテンツのパケット信号をメモリ25に一旦蓄積保存し、入力操作部32における視聴者の操作あるいは受信装置2の設定に応じて、制御部33からの制御に従いデータ復号化部27に出力するための手段である。また、データ蓄積制御部24は、各視聴者の応答データを受信装置2内部で処理することにより、各視聴者宛ての個別の情報を各受信装置2から各視聴者の所持する携帯電話機3に発する場合には、メモリ25からモデム34を介して、個別情報データhとして携帯電話機3に発することも行うものである。なお、ここではメモリ25およびモデム34とによりデータ送出手段を構成している。
【0044】
データ復号化部27は、データコンテンツをデータ符号化方式に従い復号を行うための手段である。さらに、映像・音声信号が含まれるパケット信号bは、映像音声復号部26で復号された後、データ情報と合成提示部28で合成・提示され、最終的なデータサービスの提示出力が得られる。
【0045】
尚、本発明実施形態においては、接触したデータを識別するためのコンテンツを表す物理量は、ARIB STD(電波産業会規格)−B10に準拠した、NIT(NetworkInformationTable)におけるトランスポートストリーム識別子(Transport stream id)とサービスリスト記述子のサービス識別(service_id)の組み合わせを用いる方法、およびPMT(Program Map Table)におけるストリーム識別子のコンポーネントタグとARIB STD−B24に準拠した、DII(DownloadInfoIndication)のモジュール識別子(module_id)とを組み合わせた履歴データを用いる方法で行うものとして説明したが、類似した他の放送システム、あるいは他のデータ識別方法、例えば、ARIB STD−B10に準拠した、EIT(Event Information Table)などを用いる方法でも同様に実現可能である。
【0046】
以上説明したように、コンテンツを表す物理量を用いた視聴者の接触履歴データを利用して、伝送側で伝送されるデータの送出頻度に重み付けを加えたり、上り回線の輻輳を気にすることなく視聴動向を把握したり、受信装置側で特定のコンテンツを優先的に受信したりと、視聴者にとってより満足の行くデータ放送を提供することが可能になる。
【0047】
ここでは、視聴者の所望コンテンツにおける特定の物理量として接触履歴データというもので説明したが、例えば、視聴者の年齢に応じて自動的に特定のジャンルの情報を利用するような形態も同様に実現可能なことは明白である。また、データコンテンツ多重化情報gの決定アルゴリズムに関しても簡単な例として示したが、さらに複雑なアルゴリズムも同様に実現可能である。
【0048】
さらに、視聴者からの応答データに基づいて、各視聴者宛てに個別の情報を戻すような双方向サービスにおいて、伝送路の伝送効率の負荷を大きくすることなく効果的なサービスが可能である。
【0049】
【発明の効果】
以上説明のように本発明は、コンテンツを表す物理量を用い、その物理量を視聴者の所望のコンテンツへの接触履歴データとして処理することにより、送信側からのポーリングによりその接触履歴データをフィルタリングして収集することで、放送などの大規模な双方向システムにおいて上り回線における輻輳の問題を軽減し、視聴動向の把握や伝送するデータの送出頻度を変化させることや、あるいは、受信側でそのデータに応じて特定コンテンツを優先的に受信することが可能なデータ放送システムを提供することができる。このことにより、送信側では視聴者の視聴動向が把握できるのと同時にその動向に対応した送出が可能になる。従って視聴者全体としての満足度は向上することになる。
【0050】
また、視聴者は特別な操作をすることなく所望のコンテンツを優先的に受信することが可能となり、例えば、毎日欠かさず視聴するようなサービスに関しては、同じ周期で送信されていても慣れとともに感じるようになる待ち時間ですら意識することなく視聴することが可能になる。更に、同様の効果を得るために必要であったメモリ量も削減することが可能となり、安価な受信装置の実現が可能となる。
【0051】
また、視聴者からの応答データに基づいて、各視聴者宛ての個別の情報を下り回線であるデータ放送の伝送路を効率よく利用して伝送し、しかも、各視聴者には個別の伝送路が確保されているのと同等なサービス効果を実現できるような双方向のデータ放送システムを与えることができ、伝送路の伝送効率の負担を大きくすることなく、個別の視聴者に向けたサービ向上の効果を実現することができる。
【0052】
さらに、各視聴者宛ての個別の情報を下り回線であるデータ放送の伝送路を効率よく利用して伝送する際に、接触履歴を生成して応答データを作成し、いくつかのパターンに分けて、視聴者宛てへの個別の情報を戻すための情報を処理することで、新たに付加したデータを、全ての受信側に送信しても、その付加したデータを必要とする視聴者に送信することができ都合が良いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる双方向データ放送システムにおける送信装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】 本発明にかかる双方向データ放送システムにおける受信装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図3】 本発明で用いられる接触サービステーブルの例を<表1>として示した図である。
【図4】 本発明で用いられる接触データテーブルの例を<表2>として示した図である。
【図5】 本発明で用いられる接触履歴データの例を<表3>として示した図である。
【符号の説明】
1…送信装置
2…受信装置
3…携帯電話機
11…応答データ収集部
12…応答データ管理部
13…送信データ管理部
14…映像音声符号化部
15…データ符号化部
16…多重化部
17…変調送信部
18…送信データ決定部
19…多重化制御部
21…復調受信処理部
22…データパケット分離部
23…データ選択部
24…データ蓄積制御部
25…メモリ
26…映像音声復号部
27…データ復号化部
28…合成提示部
29…接触サービス取得部
30…接触データ取得部
31…接触履歴データ生成・蓄積部(接触履歴データ生成・蓄積部手段)
32…入力操作部
33…制御部
34…モデム
Claims (2)
- コンテンツをサービスする双方向データ放送システムであって、
前記コンテンツを送信したモジュール識別子を含む識別コードを用いて前記コンテンツに対する接触履歴データを生成して蓄積する受信装置と、
前記受信装置の応答データとして前記接触履歴データをフィルタリングして収集し、当該接触履歴データに基づいて、視聴者が所望するコンテンツを優先的に送信する送信装置と、を備え、
前記送信装置は、前記応答データに基づき視聴者宛てに、コンテンツの接触履歴に応じて前記モジュール識別子毎に重み付けを行ってパターンに分け、これら全パターンの前記モジュール識別子の情報を、データ放送を介して前記受信装置へ送信し、
前記受信装置は、蓄積した前記接触履歴データに応じて、前記全パターンの中から各視聴者宛ての前記モジュール識別子の情報のパターンを選択的にフィルタリングし、各視聴者宛ての個別の情報を発生させることを特徴とする双方向データ放送システム。 - 請求項1に記載の双方向データ放送システムに用いられる受信装置であって、
前記コンテンツを送信したモジュール識別子を含む識別コードを用いて視聴者の操作に応じて前記コンテンツに対する接触履歴データを生成して蓄積する接触履歴データ生成・蓄積手段と、
前記応答データとして、前記接触履歴データを前記送信装置に送信するデータ送出手段と、
前記応答データに基づいて前記送信装置から送られてくる前記全パターン情報の中から、蓄積した前記接触履歴データに応じて各視聴者宛ての前記モジュール識別子の情報のパターンを選択的にフィルタリングし、各視聴者宛ての個別の情報を発生させる個別情報発生手段と、を備えることを特徴とする受信装置。
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