JP4327916B2 - 縦型皮膜処理装置におけるヒータの設備構造、および縦型皮膜処理装置の移設方法 - Google Patents

縦型皮膜処理装置におけるヒータの設備構造、および縦型皮膜処理装置の移設方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば縦型拡散CVD装置のように、ヒータの熱を利用して搬入された基板の皮膜処理を行うようにした縦型皮膜処理装置において、その移設を容易に行えるようにしたヒータの設備構造および縦型皮膜処理装置の移設方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は、縦型皮膜処理装置である縦型拡散CVD装置の本体部を示す外観斜視図である。図6において、1は装置本体、1Aは筺体、2はヒータであり、このヒータ2は装置本体上部のヒータ室1a内に設けられ、その上部がヒータ室上部1bで覆われている。
かかる半導体製造装置である縦型拡散CVD装置は、運搬、搬入などのために装置の全高(H=2800mm)が規定されている。しかし、ウェーハの処理枚数を多くするため、その容量を有する反応管を備えた場合は、その反応管を覆うヒータ2上部やヒータ室上部1bが上記規定寸法をオーバーしてしまう(例えば、H=3100mm程度となる)。そこで従来、かかる縦型拡散CVD装置の運搬時には、ヒータ2を取外して装置を運搬するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、装置の運搬時にヒータ2を取外すようにすると、ヒータ2の取外し及び取付け作業に加え、図7に示すように、ヒータ2の配線25及びそのダクト26の取外し及び取付け作業、ヒータ2の取外し及び取付け作業によるユーティリティ27の取付け及び取外し作業、ヒータの梱包及び取り出し作業、装置本体の運搬の他にヒータの運搬作業等が必要となり、装置の運搬作業が大掛かりなものとなり、作業コスト、作業時間がかかる。また、特に拡散ヒータにあっては、図8に示すように、その運搬作業における素線(ヒータ線)2aのたれによる断線が発生したり、もしくは寿命低下の要因となるという問題点があった。
【0004】
この発明は、かかる従来の問題点を解決するためになされたもので、縦型皮膜処理装置の運搬作業が容易に、かつ迅速に行え、さらにヒータが断線したり、寿命低下を来す恐れのない、縦型皮膜処理装置におけるヒータの設備構造、および縦型皮膜処理装置の移設方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述した従来の問題点を解決するため、この発明に係る縦型皮膜処理装置は、装置本体の上部に設けられたヒータの熱を利用して、搬入された基板の皮膜処理を行うようにした縦型皮膜処理装置において、前記ヒータを、前記装置本体内において、前記装置本体の上部からその下方にかけて上下動させるヒータ可動手段を備えたものである。
【0006】
また、この発明において、前記ヒータ可動手段は、前記基板を搬入するボートエレベータを用いて構成されるものである。
【0007】
また、この発明に係る縦型皮膜処理装置の移設方法は、装置本体の上部に設けられたヒータの熱を利用して、搬入された基板の皮膜処理を行うようにした縦型皮膜処理装置の移設方法において、前記装置の移設前に、前記ヒータを前記装置本体の上部から下方に移動させ、前記ヒータを前記下方に支持して前記装置を移設し、前記装置の移設後に、前記ヒータを前記装置本体の上部に移動させるようにしたものである。
【0008】
このような構成によれば、縦型皮膜処理装置の移設時に、そのヒータ部の組立・解体時間の短縮化、ヒータ関係の梱包作業の省略、ヒータ寿命の低下防止、運搬容積の縮小化を図ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、縦型皮膜処理装置の一例として、縦型拡散CVD装置を示す概略図である。
図1において、1は装置本体、1aは装置本体上部に設けられたヒータ室、2はヒータ室1a内に配設されるヒータ、3はヒータ2を載置するためのヒータベース、4はヒータ内に搬入されるウェーハ、5はウェーハ4を載置するボート、6はボート5を上部に支持して図示しない反応管下部を閉蓋するキャップ、7はキャップ下部に設けられ反応管を大気からシールするためのシールキャップ、8はウェーハ4をヒータ2内に搬入するため、ボート5等を上下移動させるためのエレベータ、9はボート5等を支持し、エレベータ8により上下動されるアーム(以下、E軸アームという)である。
なお、図1において、10はウェーハ4をボート5に移載する移載機、11、12はそれぞれ上棚、下棚、13はカセットステージ、14はカセットローダである。
【0010】
以上の構成において、装置本体の運搬時には、エレベータ8によりヒータ2を下げて運び、セットアップ後、再び上昇させ、規定の高さに固定する。ヒータ2を下げるための、ヒータベースの上下移動機構には、新たな機構を用いることなく、従来、ウェーハ4を成膜するためにボート5をヒータ2内に挿入しているエレベータの駆動機構を用いるようにする。ここに、構造的には、従来の縦型拡散装置に比べてヒータベース部分のみが異なり、他の部分については、同じ機構を用いている。
【0011】
以下に、上述した動作手順において、ヒータ2を下動させる場合について説明する。
(1)ボート5とキャップ6を固定している位置決めピンを取り外し、ボート5を取り外すとともにキャップ6を取り外す。次にE軸アーム9上の炉口部部品(シールキャップ7等)を取り外す。
(2)次に、図2に示されるように、E軸アーム9にアーム9とヒータベース3を固定するための治具15を取り付ける。
この治具15は、ヒータベース3の下面の3点を円周上で支持する3つの位置決めピン16が設けられた支持板17と、この支持板17の下側に設けられ、E軸アーム9の取り付け穴9aに挿入されて、治具15をE軸アーム9に支持するための支持部18と、支持部18と支持板17の間に介設され、装置本体の運搬時におけるヒータ2への振動を防止して脱落を防止するためのスプリング機構(あるいは防振ゴム等の振動吸収機構)19とから構成されている。
【0012】
(3)次に、図3に示されるように、ヒータ2内部に風船状ゴムあるいはビニールを挿入し、エアを充満させることにより、エアクッション20を設ける。このエアクッション20は装置本体の運搬時の振動によりヒータ2の素線2aのずれを防ぐものである。
(4)次に、E軸アーム9を上昇させ、治具15とヒータベース3を固定する。ここで、治具15とヒータベース3とを固定させることにより風船状ゴム等の抜けも防止される。
【0013】
(5)治具15とヒータベース3が固定されるとE軸を下降させ所定の高さまでヒータベース(ヒータ2)を降ろす。ヒータベースの移動量は、略3100mmの高さから2800mmの高さへの略300mm程度である。したがって、ヒータ配線や、熱電対配線は、この移動量を許容できる程度に長く余裕をもって配線されている。これら配線はセットアップ時にはヒータ室上部1b内の図示しないメクラパネル内に収納され、不要なたるみがとられている。
なお、ヒータ2はヒータベース3上にその適所(例えば3カ所)が固定部ロックにより固定されて取り付けられている。
(6)ヒータ2が降ろされると、図4に示されるようにヒータ室上部1bを取り外し、運搬し易いように装置の全高さを低くする。
(7)降ろされたヒータ2は、その位置でぐらつき防止が施され、この状態で装置の搬送を行う。
(8)装置の移設けるセットアップ時には上記の逆の動作を行う。
【0014】
図5は、ヒータ2をその上部取付け位置(装置本体上部)から運搬時の位置(装置本体上部より下方の位置)に移動させる場合の動作を図示したものである。ヒータ2は運搬時に上下方向に距離Lだけ下降され、ヒータ室上部1bを取外すことにより、装置の全高を3100mmから運搬時の規定高さである2800mmまで減少させることができる。このように、実施の形態によれば、エレベータ8でヒータ2を降ろし、その位置でエレベータ8のアーム9に支持させて装置本体を運搬することができるので、従来のようにヒータを装置本体より別個に取り外して運搬する場合に比し、その取り扱いが極めて簡単となり、装置の移設を容易、迅速に行うことができる。
【0015】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明によれば、装置の移設前に、ヒータを装置下部に移動させて装置を運搬し、装置の移設後に、ヒータを装置上部に移動させるようにしたため、組立・解体時間の短縮、ヒータ関係の梱包作業の省略、ヒータ寿命の低下防止、運搬容積の縮小化を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る縦型拡散CVD装置を示す概略斜視図である。
【図2】E軸アームとヒータベースを固定する治具を示す側面図である。
【図3】エアクッションを設けたヒータの断面図である。
【図4】ヒータ室上部の取外しを示す概略斜視図である。
【図5】ヒータを降ろす動作を示す概略図である。
【図6】従来技術における縦型拡散CVD装置とヒータを示す概略図である。
【図7】従来技術におけるユーティリティの取外しを示す概略図である。
【図8】ヒータ運搬時のヒータ線のたれを示す側面図である。
【符号の説明】
1 装置本体
1a ヒータ室
2 ヒータ
3 ヒータベース
4 ウェーハ
5 ボート
6 キャップ
7 シールキャップ
8 エレベータ
9 E軸アーム

Claims (4)

  1. 装置本体の上部に設けられたヒータの熱を利用して、該ヒータ内に搬入された基板の皮膜処理を行うようにした縦型皮膜処理装置において、
    前記基板を前記ヒータ内に搬入するエレベータを用いて構成される、前記ヒータを、前記装置本体において、前記装置本体の上部からその下方にかけて上下動させるヒータ可動手段を備えたことを特徴とする縦型皮膜処理装置。
  2. 装置本体の上部に設けられたヒータの熱を利用して、該ヒータ内に搬入された基板の皮膜処理を行うようにした縦型半導体製造装置の移設方法において、
    前記装置の移設前に、前記ヒータを前記装置本体の上部から下方に移動させ、前記ヒータを前記下方に支持して前記装置を移設し、前記装置の移設後に、前記ヒータを前記装置本体の上部に移動させるようにしたことを特徴とする縦型半導体製造装置の移設方法。
  3. 装置本体の上部に設けられたヒータの熱を利用して、該ヒータ内に搬入された基板の皮膜処理を行うようにした縦型半導体製造装置において、
    前記基板を前記ヒータ内に搬入するエレベータを用いて構成される、前記ヒータを、前記装置本体において、前記装置本体の上部からその下方にかけて上下動させるヒータ可動手段を備えたことを特徴とする縦型半導体製造装置。
  4. エレベータを用いて構成されるヒータ可動手段により、ヒータを、縦型半導体製造装置本体において、前記装置本体の下方からその上部にかけて上動させる工程と、
    前記装置本体の上部に設けられた前記ヒータ内に前記エレベータで基板を搬入し、該ヒータの熱を利用して、基板の皮膜処理を行う工程と、を備えたことを特徴とする半導体の製造方法。
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