JP4327331B2 - 車両空調装置用可変容量斜板式圧縮機の制御装置 - Google Patents

車両空調装置用可変容量斜板式圧縮機の制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両空調装置用可変容量斜板式圧縮機の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特開平6−346845号に、クラッチを介することなく車両のエンジンに作動連結された車両空調装置用クラッチレス可変容量斜板式圧縮機の吐出容量を最小容量と最大容量との間で可変制御する車両空調装置用クラッチレス可変容量斜板式圧縮機の制御装置が開示されている。
当該制御装置は、電磁ソレノイドにより駆動される弁体を用いて吐出室とクランク室との間の連通路の開度を変更して吐出室からクランク室ヘ流入する冷媒ガスの流量を変更し、クランク室内圧を変更して斜板の主軸に対する傾角を変更することにより、可変容量斜板式圧縮機の吐出容量を変更する吐出容量変更手段を備えている。
当該制御装置は、車両空調装置の作動スイッチがOFFされると可変容量斜板式圧縮機を最小容量で運転し、また車両空調装置の作動スイッチがONされた状態でも、車室温度を所定の温度に維持すべく適宜可変容量斜板式圧縮機を最小容量で運転する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特開平6−346845の車両空調装置用クラッチレス可変容量斜板式圧縮機の制御装置には、車両用空調装置の作動スイッチのOFF状態が長期に亘って継続すると、可変容量斜板式圧縮機が長期に亘って最小容量で継続運転されるので、即ち主軸に対する斜板の傾角が最大値に設定され、斜板のオイル攪拌機能が最低値まで低下した状態で可変容量斜板式圧縮機が長期に亘って継続運転されるので、冷媒回路の冷媒循環が無くなって冷媒回路へ流出したオイルが圧縮機に戻らなくなり、更に圧縮機クランクケース内でのオイルの攪拌が低下し、軸封装置、摺動部材、軸受部材の潤滑が不足して、圧縮機の焼付を招く可能性があるという問題があった。
クラッチを介して車両のエンジンに作動連結された車両空調装置用可変容量斜板式圧縮機の制御装置においても、可変容量斜板式圧縮機の最小容量運転を継続する制御を行う場合には、上記と同様の問題を招く可能性がある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、車両空調装置用可変容量斜板式圧縮機の吐出容量を最小容量と最大容量との間で可変制御する車両空調装置用可変容量斜板式圧縮機の制御装置であって、圧縮機の焼付きを招かない制御装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては、車両空調装置用可変容量斜板式圧縮機の吐出容量を最小容量と最大容量との間で可変制御する車両空調装置用可変容量斜板式圧縮機の制御装置であって、圧縮機の吐出容量を変更する吐出容量変更手段と、圧縮機の最小容量運転継続時間を検出する最小容量運転継続時間検出手段と、車両空調装置の蒸発器送風機の印加電圧を検出する蒸発器送風機印加電圧検出手段とを備え、最小容量運転継続時間が所定値以上であり且つ蒸発器送風機印加電圧が所定値以上の場合に、圧縮機の吐出容量を最小容量から所定量増加させ、最小容量運転に挟まれた最小容量より大きい容量の運転の継続時間が所定値以下の場合には、当該最小容量より大きい容量の運転を挟む最小容量運転の継続時間の累積値が所定値に達した時に、車両空調装置用可変容量斜板式圧縮機の吐出容量を最小容量から所定量増加させることを特徴とする車両空調装置用可変容量斜板式圧縮機の制御装置を提供する。
本発明に係る車両空調装置用可変容量斜板式圧縮機の制御装置においては、最小容量運転継続時間が所定値以上になると、車両空調装置用可変容量斜板式圧縮機の吐出容量を最小容量から所定量増加させるので、冷凍回路に冷媒循環が発生して冷媒回路ヘ流出したオイルが圧縮機に戻り、主軸に対する傾角が最大値より減少してオイル攪拌機能が最低値より増加した斜板によって圧縮機クランクケース内のオイルが必要最小限度程度には攪拌されて、軸封装置、摺動部材、軸受部材の必要最小限の潤滑が確保される。この結果圧縮機の焼付が防止される。蒸発器送風機印加電圧が所定値以上の場合、すなわち蒸発器送風機が作動している場合にのみ、圧縮機の吐出容量を最小容量から所定量増加させるので、液状の冷媒ガスが圧縮機に還流して圧縮機が損傷するおそれは無い。
最小容量より大きい容量の運転時には、冷凍回路に冷媒循環が発生して冷媒回路へ流出したオイルが圧縮機に戻り、且つ主軸に対する傾角が最大値より減少してオイル攪拌機能が最低限より上昇した斜板によって圧縮機クランクケース内のオイルが攪拌されるので、軸封装置、摺動部材、軸受部材が潤滑される。しかし、最小容量より大きい容量の運転の継続時間が所定値以下の場合には、潤滑時間が不足し、潤滑が不足することになる。従って、このような場合には、前記短時間の最小容量より大きい容量の運転を無視して、当該最小容量より大きい容量の運転を挟む最小容量運転の継続時間の累積値が所定値に達した時に、車両空調装置用可変容量圧縮機の吐出容量を最小容量から所定量増加させ、必要最小限の潤滑を確保するのが望ましい。
【0005】
本発明の好ましい態様においては、制御装置は外気温度を検出する外気温度検出手段を備え、最小容量運転継続時間が所定値以上であり且つ外気温度が所定値以上であり且つ蒸発器送風機印加電圧が所定値以上の場合に車両空調装置用可変容量圧縮機の吐出容量を最小容量から所定量増加させる。
外気温度が低い状態で、車両空調装置用可変容量圧縮機の吐出容量を最小容量から増加させると、蒸発器に着霜して蒸発器が機能しなくなり、液状の冷媒ガスが圧縮機に還流して圧縮機が損傷するおそれを生ずる。したがって、外気温度が所定値未満の場合は、最小容量運転継続時間が所定値以上であり且つ蒸発器送風機印加電圧が所定値以上であっても、車両空調装置用可変容量圧縮機の吐出容量を最小容量に維持するのが望ましい。
【0006】
本発明の好ましい態様においては、制御装置は車両空調装置の冷媒圧力を検出する冷媒圧力検出手段を備え、最小容量運転継続時間が所定値以上であり且つ冷媒圧力が所定値以上であり且つ蒸発器送風機印加電圧が所定値以上の場合に車両空調装置用可変容量圧縮機の吐出容量を最小容量から所定量増加させる。
車両空調装置用可変容量圧縮機の吐出容量が最小容量或いは最小容量に近い小容量の場合には、圧縮機の吐出圧力は微小なので、冷媒圧力は主に外気温度に依存して変動する。従って、外気温度に代えて冷媒圧力に着目して、容量制御を行い、蒸発器の着霜を防止しても良い。
【0007】
本発明の好ましい態様においては、制御装置は車両空調装置の冷媒温度を検出する冷媒温度検出手段を備え、最小容量運転継続時間が所定値以上であり且つ冷媒温度が所定値以上であり且つ蒸発器送風機印加電圧が所定値以上の場合に車両空調装置用可変容量圧縮機の吐出容量を最小容量から所定量増加させる。
車両空調装置用可変容量圧縮機の吐出容量が最小容量或いは最小容量に近い小容量の場合には、加圧時の冷媒の温度上昇、蒸発時の冷媒の温度低下は共に微小なので、冷媒の温度は主に外気温度に依存して変動する。従って、外気温度に代えて冷媒温度に着目して、容量制御を行い、蒸発器の着霜を防止しても良い。
【0008】
本発明の好ましい態様においては、制御装置は車両のエンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段を備え、最小容量運転継続時間が所定値以上であり且つ車両のエンジン回転数が所定値以下であり且つ蒸発器送風機印加電圧が所定値以上の場合に車両空調装置用可変容量圧縮機の吐出容量を最小容量から所定量増加させる。
本発明の好ましい態様においては、制御装置は車両のエンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、外気温度を検出する外気温度検出手段とを備え、最小容量運転継続時間が所定値以上であり且つ車両のエンジン回転数が所定値以下であり且つ外気温度が所定値以上であり且つ蒸発器送風機印加電圧が所定値以上の場合に車両空調装置用可変容量斜板式圧縮機の吐出容量を最小容量から所定量増加させる。
本発明の好ましい態様においては、制御装置は車両のエンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、車両空調装置の冷媒圧力を検出する冷媒圧力検出手段とを備え、最小容量運転継続時間が所定値以上であり且つ車両のエンジン回転数が所定値以下であり且つ車両空調装置の冷媒圧力が所定値以上であり且つ蒸発器送風機印加電圧が所定値以上の場合に車両空調装置用可変容量圧縮機の吐出容量を最小容量から所定量増加させる。
本発明の好ましい態様においては、制御装置は車両のエンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、車両空調装置の冷媒温度を検出する冷媒温度検出手段とを備え、最小容量運転継続時間が所定値以上であり且つ車両のエンジン回転数が所定値以下であり且つ車両空調装置の冷媒温度が所定値以上であり且つ蒸発器送風機印加電圧が所定値以上の場合に車両空調装置用可変容量圧縮機の吐出容量を最小容量から所定量増加させる。
【0009】
エンジン回転数が高い時に、車両空調装置用可変容量圧縮機の吐出容量を最小容量から所定量増加させると、圧縮機の各構成部材に加わる負荷が急増し、圧縮機が破損するおそれを生ずる。従って、車両のエンジン回転数が所定値を超える場合には、車両空調装置用可変容量圧縮機の吐出容量を最小容量に維持するのが望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の第1実施例に係る車両空調装置用クラッチレス可変容量斜板式圧縮機の制御装置を図1〜3に基づいて説明する。
本実施例に係る制御装置は、図1に示すように、中央演算手段1と、圧縮機の吐出容量を変更する吐出容量変更手段2と、圧縮機の最小容量運転継続時間を検出する最小容量運転継続時間検出手段3と、車両空調装置の蒸発器送風機の印加電圧を検出する蒸発器送風機印加電圧検出手段4とを備えている。最小容量運転継続時間検出手段3の出力信号と、蒸発器送風機印加電圧検出手段4の出力信号とが中央演算手段1へ入力され、中央演算手段1から吐出容量変更手段2へ制御信号が出力される。本制御装置は、車両空調装置用クラッチレス可変容量斜板式圧縮機に取り付けられている。
本制御装置が備える吐出容量変更手段は、特開平6−346845号の制御装置が備える吐出容量変更手段と同様の、電磁ソレノイドにより駆動される弁体を用いて吐出室とクランク室との間の連通路の開度を変更して吐出室からクランク室ヘ流入する冷媒ガスの流量を変更し、クランク室内圧を変更して斜板の主軸に対する傾角を変更することにより、可変容量斜板式圧縮機の吐出容量を変更する吐出容量変更手段である。
【0011】
本制御装置の作動を図2、3のフローチャートに基づいて説明する。
図2に示すように、車両エンジンの始動と共に、本制御装置による車両空調装置用クラッチレス可変容量斜板式圧縮機の制御が開始される。制御装置は、予め組み込まれた制御プログラムに従って、空調モード制御を行う。当該制御においては、図示しない車両空調装置の作動スイッチがOFFの時には、圧縮機を最小容量で運転し、作動スイッチがONの時には、利用者が設定した車室温度が維持されるように、圧縮機の吐出容量を最小容量と最大容量との間で可変制御する。
吐出容量制御は、吐出容量変更手段の電磁ソレノイドに印加する制御電流SVを可変制御することにより行う。圧縮機を最小容量で運転する場合にはSV=0にする。電磁ソレノイドが消磁され、弁体が吐出室とクランク室との間の連通路から退出して当該連通路の開度が最大になり、吐出室からクランク室ヘ冷媒ガスが流入してクランク室内圧力が上昇し、斜板の主軸に対する傾角が最大傾角まで増加して圧縮機の吐出容量が最小になる。圧縮機の容量を増加させる場合にはSVを増加させる。電磁ソレノイドが励磁され、弁体が吐出室とクランク室との間の連通路ヘ進入して当該連通路の開度を減少させ、吐出室からクランク室ヘの冷媒ガスの流入が減少してクランク室内圧力が低下し、斜板の主軸に対する傾角が減少して圧縮機の吐出容量が増加する。
【0012】
制御装置は、空調モード制御の途上で、随時優先制御を行う。優先制御のフローを図3に基づいて説明する。
制御装置は、空調モード制御の途上においてSV=0にすると、空調モード制御に平行して優先制御を開始する。
制御装置はタイマーtをスタートさせて、SV=0の継続時間を計測する(S1)。制御装置は、SV=0の継続時間が所定値t1以上となり、且つ図示しない電圧センサーが検出した蒸発器送風機の印加電圧Vが所定値V1以上である場合に、即ち蒸発器送風機が作動している場合に、空調モード制御に優先させてSVを0から所定値SV1まで増加させ、圧縮機の吐出容量を最小容量から所定量増加させる(S2〜S5)。冷媒回路に冷媒循環が発生して冷媒回路へ流出したオイルが圧縮機に戻り、主軸に対する傾角が最大値より減少しオイル攪拌機能が最低値より増加した斜板によって、圧縮機クランクケース内のオイルが必要最小限度程度には攪拌される。
制御装置は、タイマーttをスタートさせて、SV=SV1の状態の継続時間を計測する。制御装置は、SV=SV1の状態を所定時間t2に亘って維持すると、軸封装置、摺動部材、軸受部材の必要最小限の潤滑が確保されたと判断し、タイマーtとタイマーttとをリセットして、優先制御を終了する(S5〜S8)。優先制御終了後は、制御装置は空調モード制御のみを続行する。
【0013】
制御装置は、空調モード制御において、SV=0の継続時間が所定値t1に達する前にSV≠0とした場合には、タイマーtを一時的に停止し、タイマーtttをスタートさせて、SV≠0の継続時間を計測する。SV≠0の継続時間が所定値t3以上となった場合には、制御装置は、必要十分なオイルが圧縮機に戻り、主軸に対する傾角が最大値より減少してオイル攪拌機能が最低値より増加した斜板によって圧縮機クランクケース内のオイルが必要程度には攪拌されて、軸封装置、摺動部材、軸受部材が必要程度には潤滑されたと判断し、タイマーt、タイマーtttをリセットして優先制御を終了する(S2、S9〜S13)。優先制御終了後は、制御装置は空調モード制御のみを続行する。
【0014】
制御装置は、空調モード制御において、SV≠0の継続時間が所定値t3に達する前にSV=0とした場合には、SV≠0の状態の継続時間が短く、軸封装置、摺動部材、軸受部材が必要程度まで潤滑されていないと判断し、タイマーtを再スタートさせ、前回のSV=0の継続時間と今回のSV=0の継続時間との累積値を計測し、累積値がt1以上となり且つ蒸発器送風機の印加電圧Vが所定値V1以上である場合には、所定時間t2に亘ってSV=SV1として、軸封装置、摺動部材、軸受部材を必要最小限の程度に潤滑する(S11、S14、S2〜S7)。その後、制御装置は、タイマーtとタイマーttとをリセットして、優先制御を終了する(S8)。優先制御終了後は、制御装置は空調モード制御のみを続行する。
【0015】
本実施例に係る車両空調装置用クラッチレス可変容量斜板式圧縮機の制御装置においては、最小容量運転継続時間が所定値t1以上になると、車両空調装置用クラッチレス可変容量斜板式圧縮機の吐出容量を最小容量から所定量増加させるので、冷媒回路に冷媒循環が発生して冷媒回路ヘ流出したオイルが圧縮機に戻り、主軸に対する傾角が最大値より減少しオイル攪拌機能が最低値より増加した斜板によって圧縮機クランクケース内のオイルが必要最小限度程度には攪拌されて、軸封装置、摺動部材、軸受部材の必要最小限の潤滑が確保される。この結果圧縮機の焼付が防止される。蒸発器送風機印加電圧が所定値以上の場合、すなわち蒸発器送風機が作動している場合にのみ、圧縮機の吐出容量を最小容量から所定量増加させるので、液状の冷媒ガスが圧縮機に還流して圧縮機が損傷するおそれは無い。
最小容量より大きい容量の運転時には、冷媒回路へ流出したオイルは圧縮機ヘ戻り、主軸に対する傾角が最大値より減少してオイル攪拌機能が最低限より上昇した斜板によって圧縮機クランクケース内のオイルが攪拌されて、軸封装置、摺動部材、軸受部材が潤滑される。しかし、最小容量より大きい容量の運転の継続時間が所定値以下の場合には、潤滑時間が不足し、潤滑が不足することになる。本実施例に係る制御装置においては、前記短時間の最小容量より大きい容量の運転を無視して、当該最小容量より大きい容量の運転を挟む最小容量運転の継続時間の累積値が所定値に達した時に、車両空調装置用クラッチレス可変容量圧縮機の吐出容量を最小容量から所定量増加させるので、必要最小限の潤滑が確保される。
【0016】
本発明の第2実施例に係る車両空調装置用クラッチレス可変容量斜板式圧縮機の制御装置を図4に基づいて説明する。
本実施例に係る制御装置は、外気温度を検出する図示しない外気温度センサーを備えている。本制御装置は、優先制御時に、SV=0の継続時間が所定値t1以上となり、且つ図示しない外気温度センサーが検出した外気温度Taが所定値T1以上であり且つ図示しない電圧センサーが検出した蒸発器送風機の印加電圧Vが所定値V1以上である場合に、空調モード制御に優先させてSVを0から所定値SV1まで増加させ(S2、S3、S15、S4、S5)、圧縮機の吐出容量を最小容量から所定量増加させ、冷媒回路に冷媒循環を発生させて冷媒回路ヘ流出した冷媒を圧縮機に戻し、圧縮機クランクケース内のオイルを必要最小限度程度に攪拌して、軸封装置、摺動部材、軸受部材を必要最小限程度に潤滑する。上記を除き、本実施例に係る制御装置の構成及び作動は第1実施例に係る制御装置と同様である。
外気温度が低い状態で、車両空調装置用クラッチレス可変容量圧縮機の吐出容量を最小容量から増加させると、蒸発器に着霜して蒸発器が機能しなくなり、液状の冷媒ガスが圧縮機に還流して圧縮機が損傷するおそれを生ずる。したがって、外気温度が所定値未満の場合は、本実施例に係る制御装置のように、最小容量運転継続時間が所定値以上であり且つ蒸発器送風機印加電圧が所定値以上であっても、車両空調装置用クラッチレス可変容量圧縮機の吐出容量を最小容量に維持するのが望ましい。
【0017】
本発明の第3実施例に係る車両空調装置用クラッチレス可変容量斜板式圧縮機の制御装置を図5に基づいて説明する。
本実施例に係る制御装置は、冷媒圧力を検出する図示しない圧力センサーを備えている。本制御装置は、優先制御時に、SV=0の継続時間が所定値t1以上となり、且つ図示しない圧力センサーが検出した冷媒圧力Pが所定値P1以上であり、且つ図示しない電圧センサーが検出した蒸発器送風機の印加電圧Vが所定値V1以上である場合に、空調モード制御に優先させてSVを0から所定値SV1まで増加させ(S2、S3、S16、S4、S5)、圧縮機の吐出容量を最小容量から所定量増加させ、冷媒回路に冷媒循環を発生させて冷媒回路ヘ流出した冷媒を圧縮機に戻し、圧縮機クランクケース内のオイルを必要最小限度程度に攪拌し、軸封装置、摺動部材、軸受部材を必要最小限程度に潤滑する。上記を除き、本実施例に係る制御装置の構成及び作動は第1実施例に係る制御装置と同様である。
車両空調装置用クラッチレス可変容量圧縮機の吐出容量が最小容量或いは最小容量に近い小容量の場合には、圧縮機の吐出圧力は微小なので、冷媒圧力は主に外気温度に依存して変動する。従って、本実施例に係る制御装置のように、外気温度に代えて冷媒圧力に着目して、容量制御を行い、蒸発器の着霜を防止しても良い。
【0018】
本発明の第4実施例に係る車両空調装置用クラッチレス可変容量斜板式圧縮機の制御装置を図6に基づいて説明する。
本実施例に係る制御装置は、冷媒温度を検出する図示しない冷媒温度センサーを備えている。本制御装置は、優先制御時に、SV=0の継続時間が所定値t1以上となり、且つ図示しない冷媒温度センサーが検出した冷媒温度Trが所定値T2以上であり、且つ図示しない電圧センサーが検出した蒸発器送風機の印加電圧Vが所定値V1以上である場合に、空調モード制御に優先させてSVを0から所定値SV1まで増加させ(S2、S3、S17、S4、S5)、圧縮機の吐出容量を最小容量から所定量増加させ、冷媒回路に冷媒循環を発生させて冷媒回路ヘ流出した冷媒を圧縮機に戻し、圧縮機クランクケース内のオイルを必要最小限度程度に攪拌し、軸封装置、摺動部材、軸受部材を必要最小限程度に潤滑する。上記を除き、本実施例に係る制御装置の構成及び作動は第1実施例に係る制御装置と同様である。
車両空調装置用クラッチレス可変容量圧縮機の吐出容量が最小容量或いは最小容量に近い小容量の場合には、加圧時の冷媒の温度上昇、蒸発時の冷媒の温度低下は共に微小なので、冷媒の温度は主に外気温度に依存して変動する。従って、本実施例に係る制御装置のように、外気温度に代えて冷媒温度に着目して、容量制御を行い、蒸発器の着霜を防止しても良い。
【0019】
本発明の第5実施例に係る車両空調装置用クラッチレス可変容量斜板式圧縮機の制御装置を図7に基づいて説明する。
本実施例に係る制御装置は、エンジン回転数を検出する図示しないエンジン回転数センサーを備えている。本制御装置は、優先制御時に、SV=0の継続時間が所定値t1以上となり、且つ図示しないエンジン回転数センサーが検出したエンジン回転数Neが所定値N1以下であり且つ図示しない電圧センサーが検出した蒸発器送風機の印加電圧Vが所定値V1以上である場合に、空調モード制御に優先させてSVを0から所定値SV1まで増加させ(S2、S3、S18、S4、S5)、圧縮機の吐出容量を最小容量から所定量増加させ、冷媒回路に冷媒循環を発生させて冷媒回路ヘ流出した冷媒を圧縮機に戻し、圧縮機クランクケース内のオイルを必要最小限度程度に攪拌し、軸封装置、摺動部材、軸受部材を必要最小限程度に潤滑する。上記を除き、本実施例に係る制御装置の構成及び作動は第1実施例に係る制御装置と同様である。
エンジン回転数が高い時に、車両空調装置用クラッチレス可変容量圧縮機の吐出容量を最小容量から所定量増加させると、圧縮機の各構成部材に加わる負荷が急増し、圧縮機が破損するおそれを生ずる。従って、本実施例に係る制御装置のように、車両のエンジン回転数が所定値を超える場合には、車両空調装置用クラッチレス可変容量圧縮機の吐出容量を最小容量に維持するのが望ましい。
【0020】
以上本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されない。
第2実施例と第5実施例とを組み合わせて、最小容量運転継続時間が所定値以上であり且つ車両のエンジン回転数が所定値以下であり且つ外気温度が所定値以上であり且つ蒸発器送風機印加電圧が所定値以上の場合に車両空調装置用クラッチレス可変容量斜板式圧縮機の吐出容量を最小容量から所定量増加させるように構成しても良く、或いは第3実施例と第5実施例とを組み合わせて、最小容量運転継続時間が所定値以上であり且つ車両のエンジン回転数が所定値以下であり且つ車両空調装置の冷媒圧力が所定値以上であり且つ蒸発器送風機印加電圧が所定値以上の場合に車両空調装置用クラッチレス可変容量圧縮機の吐出容量を最小容量から所定量増加させても良く、或いは第4実施例と第5実施例とを組み合わせて、最小容量運転継続時間が所定値以上であり且つ車両のエンジン回転数が所定値以下であり且つ車両空調装置の冷媒温度が所定値以上であり且つ蒸発器送風機印加電圧が所定値以上の場合に車両空調装置用クラッチレス可変容量圧縮機の吐出容量を最小容量から所定量増加させるように構成しても良い。
【0021】
上記の実施例においては、車両空調装置用クラッチレス可変容量圧縮機の制御装置に本発明を適用したが、クラッチを介して車両のエンジンに作動連結された車両空調装置用可変容量斜板式圧縮機の制御装置であって、可変容量斜板式圧縮機の最小容量運転を継続する制御を行う制御装置に本発明を適用しても良い。本発明の適用により、最小容量運転の継続によって軸封装置、摺動部材、軸受部材の潤滑が不足し、圧縮機が焼付く事態の発生が防止される。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したごとく、本発明に係る車両空調装置用可変容量斜板式圧縮機の制御装置においては、最小容量運転継続時間が所定値以上になると、車両空調装置用可変容量斜板式圧縮機の吐出容量を最小容量から所定量増加させるので、冷凍回路に冷媒循環が発生して冷媒回路ヘ流出したオイルが圧縮機に戻り、主軸に対する傾角が最大値より減少してオイル攪拌機能が最低値より増加した斜板によって圧縮機クランクケース内のオイルが必要最小限度程度には攪拌されて、軸封装置、摺動部材、軸受部材の必要最小限の潤滑が確保される。この結果圧縮機の焼付が防止される。蒸発器送風機印加電圧が所定値以上の場合、すなわち蒸発器送風機が作動している場合にのみ、圧縮機の吐出容量を最小容量から所定量増加させるので、液状の冷媒ガスが圧縮機に還流して圧縮機が損傷するおそれは無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る車両空調装置用クラッチレス可変容量斜板式圧縮機の制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る車両空調装置用クラッチレス可変容量斜板式圧縮機の作動のフローチャートである。
【図3】本発明の第1実施例に係る車両空調装置用クラッチレス可変容量斜板式圧縮機の作動の優先制御のフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施例に係る車両空調装置用クラッチレス可変容量斜板式圧縮機の作動の優先制御のフローチャートである。
【図5】本発明の第3実施例に係る車両空調装置用クラッチレス可変容量斜板式圧縮機の作動の優先制御のフローチャートである。
【図6】本発明の第4実施例に係る車両空調装置用クラッチレス可変容量斜板式圧縮機の作動の優先制御のフローチャートである。
【図7】本発明の第5実施例に係る車両空調装置用クラッチレス可変容量斜板式圧縮機の作動の優先制御のフローチャートである。
【符号の説明】
1 中央演算手段
2 吐出容量変更手段
3 最小容量運転継続時間検出手段
4 蒸発器送風機印加電圧検出手段

Claims (8)

  1. 車両空調装置用可変容量斜板式圧縮機の吐出容量を最小容量と最大容量との間で可変制御する車両空調装置用可変容量斜板式圧縮機の制御装置であって、圧縮機の吐出容量を変更する吐出容量変更手段と、圧縮機の最小容量運転継続時間を検出する最小容量運転継続時間検出手段と、車両空調装置の蒸発器送風機の印加電圧を検出する蒸発器送風機印加電圧検出手段とを備え、最小容量運転継続時間が所定値以上であり且つ蒸発器送風機印加電圧が所定値以上の場合に、圧縮機の吐出容量を最小容量から所定量増加させ、最小容量運転に挟まれた最小容量より大きい容量の運転の継続時間が所定値以下の場合には、当該最小容量より大きい容量の運転を挟む最小容量運転の継続時間の累積値が所定値に達した時に、車両空調装置用可変容量斜板式圧縮機の吐出容量を最小容量から所定量増加させることを特徴とする車両空調装置用可変容量斜板式圧縮機の制御装置。
  2. 外気温度を検出する外気温度検出手段を備え、最小容量運転継続時間が所定値以上であり且つ外気温度が所定値以上であり且つ蒸発器送風機印加電圧が所定値以上の場合に、圧縮機の吐出容量を最小容量から所定量増加させることを特徴とする請求項1に記載の車両空調装置用可変容量斜板式圧縮機の制御装置。
  3. 車両空調装置の冷媒圧力を検出する冷媒圧力検出手段を備え、最小容量運転継続時間が所定値以上であり且つ冷媒圧力が所定値以上であり且つ蒸発器送風機印加電圧が所定値以上の場合に、圧縮機の吐出容量を最小容量から所定量増加させることを特徴とする請求項1に記載の車両空調装置用可変容量斜板式圧縮機の制御装置。
  4. 車両空調装置の冷媒温度を検出する冷媒温度検出手段を備え、最小容量運転継続時間が所定値以上であり且つ冷媒温度が所定値以上であり且つ蒸発器送風機印加電圧が所定値以上の場合に、圧縮機の吐出容量を最小容量から所定量増加させることを特徴とする請求項1に記載の車両空調装置用可変容量斜板式圧縮機の制御装置。
  5. 車両のエンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段を備え、最小容量運転継続時間が所定値以上であり且つエンジン回転数が所定値以下であり且つ蒸発器送風機印加電圧が所定値以上の場合に、圧縮機の吐出容量を最小容量から所定量増加させることを特徴とする請求項1に記載の車両空調装置用可変容量斜板式圧縮機の制御装置。
  6. 車両のエンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、外気温度を検出する外気温度検出手段とを備え、最小容量運転継続時間が所定値以上であり且つ車両のエンジン回転数が所定値以下であり且つ外気温度が所定値以上であり且つ蒸発器送風機印加電圧が所定値以上の場合に車両空調装置用可変容量斜板式圧縮機の吐出容量を最小容量から所定量増加させることを特徴とする請求項1に記載の車両空調装置用可変容量斜板式圧縮機の制御装置。
  7. 車両のエンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、車両空調装置の冷媒圧力を検出する冷媒圧力検出手段とを備え、最小容量運転継続時間が所定値以上であり且つ車両のエンジン回転数が所定値以下であり且つ車両空調装置の冷媒圧力が所定値以上であり且つ蒸発器送風機印加電圧が所定値以上の場合に車両空調装置用可変容量斜板式圧縮機の吐出容量を最小容量から所定量増加させることを特徴とする請求項1に記載の車両空調装置用可変容量斜板式圧縮機の制御装置。
  8. 車両のエンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、車両空調装置の冷媒温度を検出する冷媒温度検出手段とを備え、最小容量運転継続時間が所定値以上であり且つ車両のエンジン回転数が所定値以下であり且つ車両空調装置の冷媒温度が所定値以上であり且つ蒸発器送風機印加電圧が所定値以上の場合に車両空調装置用可変容量斜板式圧縮機の吐出容量を最小容量から所定量増加させることを特徴とする請求項1に記載の車両空調装置用可変容量斜板式圧縮機の制御装置。
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